JP2005347022A - コネクタ、及び端子金具 - Google Patents

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Abstract


【課題】 端子金具の保持力を増強する。
【解決手段】 合成樹脂製のハウジング10には、端子金具20を挿入可能な端子金具20挿入孔が設けられている。端子金具20には、端子挿入孔13内に圧入可能な圧入部24が設けられている。端子金具20における圧入部24よりも後方位置には、挿入に伴って端子挿入孔13の周縁部に食い込んでその肉13aを内側へ寄せることが可能な食い込み部26が設けられている。圧入部24の後端部には、食い込み部26によって寄せられた肉13aに対して引っ掛かる引っ掛け部28が設けられている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、コネクタ、及び端子金具に関する。
従来、ハウジングに端子金具を挿入可能な端子挿入孔を設けたものの一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、基板に取り付けられるタイプのコネクタであって、ハウジングが端子金具を挿入可能な端子挿入孔を複数設けた端子保持部と、端子保持部から前方へ突出する筒状のフード部とから構成されている。フード部内には、前方から相手コネクタが嵌合可能とされ、嵌合に伴って相手端子金具と端子金具とが導通接続されるようになっている。
特開平9−153386号公報
ところで、例えばハウジングに対する端子金具の挿入作業を自動化するといった目的で、端子金具をハウジングに対して後方、つまり相手コネクタとの嵌合面とは反対側から挿入する場合がある。ところが、そうすると相手コネクタを嵌合するのに伴って、端子金具に対して接続される相手端子金具により抜け方向への力が作用することになるため、端子金具の抜け止め力の増強が課題となっていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子金具の保持力を増強することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係るコネクタは、合成樹脂製のコネクタハウジングには、端子金具を挿入可能な端子挿入孔が設けられており、前記端子金具には、前記端子挿入孔内に圧入可能な圧入部が設けられるとともに、この圧入部に対して挿入方向後方位置には、挿入に伴って端子挿入孔の周縁部に食い込んでその肉を内側へ寄せることが可能な食い込み部が設けられ、且つ前記圧入部における挿入方向後端部には、前記食い込み部によって寄せられた肉に対して引っ掛かる引っ掛け部が設けられている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記端子金具のうち、前記圧入部と前記食い込み部との間の部分は、挿入方向前側に行くに連れて拡幅するよう形成されることで、前記食い込み部によって寄せられた肉に対して係止可能な係止部とされているところに特徴を有する。
請求項3の発明に係る端子金具は、合成樹脂製のコネクタハウジングに設けられた端子挿入孔内に挿入されるものであって、前記端子挿入孔内に圧入可能な圧入部と、前記圧入部に対して挿入方向後方位置に設けられるとともに、挿入に伴って前記端子挿入孔の周縁部に食い込んでその肉を内側へ寄せることが可能な食い込み部と、前記圧入部における挿入方向後端部に設けられるとともに、前記食い込み部によって寄せられた肉に対して引っ掛け可能とされる引っ掛け部とを備えるところに特徴を有する。
<請求項1及び請求項3の発明>
コネクタハウジングの端子挿入孔内に端子金具を挿入すると、圧入部が圧入されるとともに、端子挿入孔の周縁部が一旦外側へ押し退けられる。その後、食い込み部が端子挿入孔の周縁部に食い込むとともに、その肉が内側へ寄せられて圧入部の後側に進入することになる。そして、その寄せられた肉に対して圧入部における挿入方向後端部に設けられた引っ掛け部が引っ掛かるようになっているから、端子金具の抜け止め力を増強することができる。
<請求項2の発明>
引っ掛け部に加えて係止部が食い込み部によって寄せられた肉に対して係止するようになっているから、端子金具の抜け止め力をさらに増強することができる。
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図3によって説明する。本実施形態では、基板(図示せず)に取り付けられる基板用コネクタを例示する。基板用コネクタは、おおまかには、図1に示すように、コネクタハウジング10(以下、単にハウジング10という)と、ハウジング10に装着される複数本の端子金具20とから構成されている。なお以下では、前後方向の記載については、ハウジング10に対する端子金具20の挿入方向を基準とし、挿入方向を前方、逆の抜け方向を後方とする。また上下方向の記載については、図1を基準とする。
ハウジング10は、ガラス繊維入りの合成樹脂製とされており、端子金具20を保持可能な端子保持部11と、端子保持部11の周縁から前方へ突出するフード部12とから構成されている。端子保持部11には、端子金具20を後方から挿入可能な端子挿入孔13が、上下3段、幅方向に複数個ずつ並んで設けられている。フード部12は、前方へ開口する略筒状に形成されるとともに、前方から図示しない相手コネクタが嵌合可能とされている。また端子保持部11における前面が相手コネクタとの嵌合面14となっている。
端子金具20は、所定形状に打ち抜いた金属製の板材に曲げ加工を施すことで、全体が略L字型に形成されており、全長にわたって幅寸法の方が厚み寸法よりも大きく設定されている。端子金具20のうち、ほぼ水平状の部分の前端側部分は、フード部12内に突出して配され、ここが相手コネクタに設けられた相手端子金具(図示せず)と導通接続可能なコネクタ接続部21とされる。端子金具20におけるほぼ水平状の部分のうち、コネクタ接続部21の後側の部分は、端子挿入孔13内に挿入された状態で配され、ここが挿入部22とされる。端子金具20のうち、ほぼ鉛直状の部分の下端側部分は、図示しない基板に設けられた孔部内に挿入されるとともに半田付けなどによって基板にプリントされた導電路に対して電気的に接続されるようになっており、ここが基板接続部23とされる。またこのうちコネクタ接続部21の幅寸法は、端子挿入孔13の幅寸法よりも小さく設定されている。
続いて、端子挿入孔13と挿入部22について詳細に説明する。挿入部22のうち前端側部分は、図2に示すように、側方(幅方向)に張り出すとともに端子挿入孔13内に圧入可能な圧入部24とされる。圧入部24は、その幅寸法が端子挿入孔13の幅寸法よりも大きくなるよう設定されることで、挿入に伴って端子挿入孔13の周縁部の肉13aが外側へ弾性的に押し退けられるようになっている。圧入部24は、前端側に行くに連れて次第に幅寸法が小さくなるよう前面と側面が互いに連続するなだらかな略曲面状に形成されており、これにより挿入力が低減されるようになっている。一方、端子挿入孔13における前端部には、端子金具20の挿入に伴って前方へ押し出される可能性がある端子挿入孔13の周縁部の肉13aを逃がすための逃がし凹部15が形成されている。また端子挿入孔13のうち逃がし部の直後には、内方へ突出する突出部16が形成されている。
挿入部22の後端側部分には、前方の圧入部24に対して所定の間隔を空けて対向する張出部25が側方に張り出して設けられている。この張出部25の幅寸法は、圧入部24よりもさらに大きく設定されている。これに対し、端子挿入孔13の後端部には、張出部25よりもさらに幅広に形成されることで張出部25を受け入れ可能な受入凹部17が形成されている。この受入凹部17は、段付き状に形成されている。また端子挿入孔13のうち受入凹部17の直前には、幅寸法が僅か広げられた拡幅部18が形成されている。
そして、張出部25の前端部からは、一対の食い込み部26が前方へ突出して設けられている。食い込み部26は、先端側に行くほど幅寸法が小さくなるよう先細り状をなしており、その外面が張出部25の外面と略面一状の真直面として形成されるのに対し、内面26a(受入空間27側を向いた面)は、後端側に行くほど内方へ張り出すよう傾斜して形成されている。この内面26aは、前側の真っ直ぐな面(テーパ面)と後側の曲面とを繋げた構成とされる。食い込み部26は、挿入に伴って受入凹部17の前端面(端子挿入孔13の周縁部)に食い込むとともに、その内面26aにより内側に進入した肉13aを前方及び内方へ寄せることができるようになっている。食い込み部26は、圧入部24よりも幅方向について外側に配されており、後述する係止部29との間に所定の間隔を空けて配されている。
互いに対向する圧入部24と食い込み部26との間に確保される空間は、圧入部24が通過した後に端子挿入孔13の周縁部の肉13aがある程度弾性的に復元して進入したり、また食い込み部26によって押し寄せられた肉13aが進入するのを許容する受入空間27となっている。言い換えると、端子金具20における圧入部24と食い込み部26との間の部分には、圧入部24や食い込み部26よりも相対的に引っ込む凹部が形成されることで、受入空間27が形成されている。
そして、圧入部24の後端部には、受入空間27内に進入した端子挿入孔13の周縁部の肉13aに対して引っ掛け可能とされる引っ掛け部28が設けられている。この引っ掛け部28は、圧入部24から後方、つまり受入空間27側へ突出しており、その突出寸法は外端側ほど大きくなるフック状に形成されている。従って、引っ掛け部28における肉13aに対する引っ掛かり面である後端面27aは、内向きに傾斜した逆テーパ状(オーバーハング状)に形成されており、これにより端子金具20が抜け方向へ引っ張られたときに引っ掛かった肉13aに対して内側へ寄せるような力が作用するようになっている。
さらには、端子金具20のうち受入空間27に対応する部分、つまり圧入部24と食い込み部26との間の部分は、前端側に行くに連れて拡幅する形状に形成されており、ここが受入空間27内に進入した端子挿入孔13の周縁部の肉13aに対して係止可能な係止部29とされている。係止部29の両側面29aは、斜め後方を向いた傾斜面とされており、端子金具20が抜け方向へ引っ張られたときに係止した肉13aに対して外側へ押し出す、つまり引っ掛け部28とは逆方向へ変位させるような力が作用するようになっている。係止部29の幅寸法は、圧入部24、張出部25及び端子挿入孔13よりは小さいものの、コネクタ接続部21よりは大きくなるよう設定されている。
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。ハウジング10に対して端子金具20を装着するには、図2に示す状態から端子挿入孔13に対して端子金具20のうちコネクタ接続部21の先端部を後方、つまり相手コネクタとの嵌合面14とは反対側から矢線方向へ向けて挿入するようにする。なおこの挿入作業は、自動機によって行われる。
コネクタ接続部21に引き続いて挿入部22のうち圧入部24が端子挿入孔13内に進入すると、圧入部24は、受入凹部17の前端面に食い込むとともに端子挿入孔13の周縁部の肉13aを弾性的に押し退けつつ前進する。圧入部24によって一旦押し退けられた肉13aは、圧入部24が通過するのに伴い押圧力が除去されることで復元しつつ受入空間27内に進入する。その一方、圧入部24に引き続いて食い込み部26が端子挿入孔13内に進入すると、食い込み部26は、その先端部が受入凹部17の前端面(圧入部24よりも外側位置)に食い込むとともにその内側(受入空間27のうち食い込み部26と係止部29との間の領域)に端子挿入孔13の周縁部の肉13aが進入する。この状態で食い込み部26が前進するのに伴って、内側に進入した肉13aが食い込み部26の内面26aによって前方及び内方へと押し寄せられるとともに受入空間27内(特に食い込み部26よりも前側の領域)に進入する。
図1及び図3に示すように、端子金具20が正規深さに達したところで挿入動作が停止される。この正規挿入状態では、図3に示すように、受入空間27内に進入した肉13aに対して引っ掛け部28の後端面28aと係止部29の両側面29aが引っ掛かっている(係止している)。この状態でフード部12内に相手コネクタが嵌合されると、その相手端子金具がコネクタ接続部21に対して接続されるのに伴って作用する摩擦抵抗力により、端子金具20には抜け方向へ変位させるような力が作用する。ところが、受入空間27内に進入した肉13aに対して引っ掛け部28の後端面28a及び係止部29の両側面29aが食い付くことで、端子金具20の抜け止めが強固になされるので、端子金具20が抜け方向へ変位するのが防がれるようになっている。なお受入空間27内に進入する肉13aの量などについては、諸条件(ハウジング10の材料や端子金具20の挿入時の環境など)によって図示以外の形態となる可能性があるが、その場合でも上記と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、端子金具20に圧入部24を設けるとともに、圧入部24よりも後方位置に端子挿入孔13の周縁部に食い込んでその肉13aを内側へ寄せることが可能な食い込み部26を設け、且つ圧入部24における後端部に挿入に伴って食い込み部26によって寄せられた肉13aに対して引っ掛かる引っ掛け部28を設けるようにしたから、端子金具20の抜け止め力を増強することができる。
しかも、圧入部24と食い込み部26との間の部分に、前側に行くに連れて拡幅するよう形成されることで、食い込み部26によって寄せられた肉13aに対して係止可能な係止部29が設けられているから、端子金具20の抜け止め力をさらに増強することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した実施形態では、係止部が全長にわたって拡幅する形状のものを示したが、一部分のみが拡幅する形状のものも本発明に含まれる。また係止部を拡幅する形態とせず、途中に突起を設けるようにしても構わない。
(2)L型の端子金具に限らず、全長にわたって真っ直ぐなストレート型の端子金具にも本発明は適用可能である。
(3)基板との接続方法については、半田付けであっても、いわゆるプレスフィットでもよい。
(4)基板用コネクタ以外にも、前後両側から相手コネクタが嵌合される、いわゆる中継コネクタにも本発明は適用可能である。
(5)ハウジングの材料については、ガラス繊維を含まない合成樹脂材であってもよい。
(6)自動機で端子金具を挿入するものに限らず、作業者が挿入するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る基板用コネクタの側断面図 端子金具を端子挿入孔に挿入する前の状態を示す拡大平断面図 端子金具を端子挿入孔内に挿入した状態を示す拡大平断面図
符号の説明
10…ハウジング
13…端子挿入孔
13a…肉
20…端子金具
24…圧入部
26…食い込み部
28…引っ掛け部
29…係止部

Claims (3)

  1. 合成樹脂製のコネクタハウジングには、端子金具を挿入可能な端子挿入孔が設けられており、
    前記端子金具には、前記端子挿入孔内に圧入可能な圧入部が設けられるとともに、この圧入部に対して挿入方向後方位置には、挿入に伴って端子挿入孔の周縁部に食い込んでその肉を内側へ寄せることが可能な食い込み部が設けられ、且つ前記圧入部における挿入方向後端部には、前記食い込み部によって寄せられた肉に対して引っ掛かる引っ掛け部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記端子金具のうち、前記圧入部と前記食い込み部との間の部分は、挿入方向前側に行くに連れて拡幅するよう形成されることで、前記食い込み部によって寄せられた肉に対して係止可能な係止部とされていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 合成樹脂製のコネクタハウジングに設けられた端子挿入孔内に挿入されるものであって、
    前記端子挿入孔内に圧入可能な圧入部と、
    前記圧入部に対して挿入方向後方位置に設けられるとともに、挿入に伴って前記端子挿入孔の周縁部に食い込んでその肉を内側へ寄せることが可能な食い込み部と、
    前記圧入部における挿入方向後端部に設けられるとともに、前記食い込み部によって寄せられた肉に対して引っ掛け可能とされる引っ掛け部とを備えることを特徴とする端子金具。
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