JP2005345842A - 顕微鏡照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 極低倍から広い倍率範囲にわたって良好な瞳の収差を得ることができる顕微鏡照明装置を提供すること。
【解決手段】 標本面に対して光を射出する光源と、コリメートレンズと、第1の絞りと、第1の絞りと標本面との間の光路中に配置され、接合レンズを備え正の屈折力を有する第1のレンズ群と、第1のレンズ群と標本面との光路中に選択的に配置される第2のレンズ群と第3のレンズ群とを備え、第2のレンズ群は、少なくとも2群のレンズ群から構成され、第3のレンズ群は、正の屈折力を有するとともに、第2の絞りを備え、第1のレンズ群と標本面との光路中に第2のレンズ群を配置したときには、第1のレンズ群および第2のレンズ群は、第1の絞りの近傍に合成焦点位置を有し、第1のレンズ群と標本面との光路中に第3のレンズ群を配置したときには、第1のレンズ群および第3のレンズ群は、第1の絞りの近傍に標本面との共役位置を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、顕微鏡照明装置に関し、特に、透過照明装置に関する。
近年、生物工学などの分野において、広い視野範囲を観察する、いわゆる極低倍から低倍における顕微鏡観察の需要が高まっている。したがって、極低倍から高倍まで観察可能で、極低倍においても、広い照野を照明可能な顕微鏡照明装置が求められている。そこで、焦点距離の異なる複数のコンデンサレンズ群を配置することにより、極低倍から高倍まで対応可能な顕微鏡照明装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
平11−23978号公報
しかし、前述した顕微鏡照明装置は、球面収差などの瞳の収差(開口絞りあるいは視野絞りでの収差)の補正が十分でない。したがって、例えば、微分干渉観察において十分コントラストが得られないなど観察条件を満たさない場合があった。
本発明は、極低倍から広い倍率範囲にわたって良好な瞳の収差を得ることができる顕微鏡照明装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の顕微鏡照明装置は、標本面に対して光を射出する光源と、前記光源から射出される光を略平行光とするコリメートレンズと、前記コリメートレンズを介した前記平行光の光束を調節する第1の絞りと、前記第1の絞りと前記標本面との間の光路中に配置されるとともに、接合レンズを備え、かつ、正の屈折力を有する第1のレンズ群と、前記第1のレンズ群と前記標本面との間の光路中に選択的に配置される第2のレンズ群および第3のレンズ群とを備え、前記第2のレンズ群は、少なくとも2群のレンズ群から構成され、前記光源から最も遠いレンズ群は正の屈折力を有し、前記光源から最も遠いレンズ群を除くレンズ群のうち、少なくとも1つのレンズ群は、負の屈折力を有し、前記第3のレンズ群は、正の屈折力を有するとともに、第2の絞りを備え、前記第1のレンズ群と前記標本面との間の光路中に前記第2のレンズ群を配置したときには、前記第1のレンズ群および前記第2のレンズ群は、前記第1の絞りの近傍に合成焦点位置を有し、前記第1のレンズ群と前記標本面との間の光路中に前記第3のレンズ群を配置したときには、前記第1のレンズ群および前記第3のレンズ群は、前記第1の絞りの近傍に前記標本面との共役位置を有することを特徴とする。
本発明の顕微鏡照明装置によれば、極低倍から広い倍率範囲にわたって良好な瞳の収差を得ることができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態では、極低倍から高倍まで観察可能な顕微鏡装置に着脱可能な照明装置100(図1)を例に挙げて説明を行う。なお、顕微鏡装置には、明視野観察、暗視野観察、微分干渉観察、位相差観察に必要な各部材が備えられる。各部材は、従来のものと同様であるため、説明を省略する。
図1は、照明装置100の全体図である。図1Aは、後述する顕微鏡装置における観察倍率が極低倍・低倍である場合の照明装置100の構成を示し、図1Bは、後述する顕微鏡装置における観察倍率が中高倍である場合の照明装置100の構成を示す。
照明装置100は、図1Aに示すように、光源1、コリメートレンズ2、絞り3、コンデンサレンズ4、コンデンサレンズ5、コンデンサレンズ6、ミラー7を備える。また、照明装置100は、図1Bに示すように、コンデンサレンズ5およびコンデンサレンズ6に換えて、選択的に配置可能なコンデンサレンズ8、コンデンサレンズ9、絞り10を備える。さらに、照明装置100は、図1Aに示すように、絞り3の近傍に挿入可能な微分干渉観察用プリズム11、位相観察用光学素子12を備えるとともに、図1Bに示すように、絞り10の近傍に挿入可能な微分干渉観察用プリズム13、位相観察用光学素子14を備える。また照明装置100は、図1Aに示すように、拡散板15を備える。なお、図1A中の12Aは、前述した位相観察用光学素子12の断面図を示し、図1B中の14Aは、前述した位相観察用光学素子14の断面図を示す。
光源1は、ファイバあるいはハロゲンランプであり、標本面に対して光を射出する。また、コリメートレンズ2は、光源1から射出される光を略平行な平行光として、絞り3に照射する。絞り3は、コリメートレンズ2を介した平行光の光束を調節可能である。
また、コンデンサレンズ4は、図1Aに示すように、絞り3と標本面との間の光路中に固定配置されるとともに、正の屈折力を有する接合レンズである。コンデンサレンズ5は、図1Aに示すように、コンデンサレンズ4と標本面との間の光路中に配置され、負の屈折力を有するレンズである。また、コンデンサレンズ6は、図1Aに示すように、コンデンサレンズ4と標本面との間の光路中で、コンデンサレンズ5と標本面との間に配置され、正の屈折力を有するレンズである。なお、コンデンサレンズ6は、光源1から最も遠いレンズである。
また、ミラー7は、図1Aにおいてはコンデンサレンズ5とコンデンサレンズ6との間の光路中に対応する位置で、図1Bにおいては、コンデンサレンズ4と絞り10との間の光路中に対応する位置に固定配置され、光路を略直角に曲げる光学素子である。
また、コンデンサレンズ8およびコンデンサレンズ9は、正の合成屈折力を有する。また、絞り10は、コンデンサレンズ4を介した光の光束を調節可能である。また、拡散板15は、図1Aに示すように、コリメートレンズ2と絞り3との間の光路中に配置され、光源1の構造が照野にそのまま投影されるのを防ぐ。
なお、光源1は、請求項の「光源」に対応し、コリメートレンズ2は、請求項の「コリメートレンズ」に対応する。また、絞り3は、請求項の「第1の絞り」に対応し、コンデンサレンズ4は、請求項の「第1のレンズ群」に対応する。また、コンデンサレンズ5およびコンデンサレンズ6は、請求項の「第2のレンズ群」に対応し、特に、コンデンサレンズ5は、請求項の「光源から最も遠いレンズ群を除くレンズ群のうち、少なくとも1つのレンズ群」に対応し、コンデンサレンズ6は、請求項の「光源から最も遠いレンズ群」に対応する。また、コンデンサレンズ8、コンデンサレンズ9、絞り10は、請求項の「第3のレンズ群」に対応し、絞り10は、請求項の「第2の絞り」に対応する。
以上説明した構成の照明装置100の詳細について説明する。
まず、照明装置100における部材の切り換えについて説明する。部材の切り換えは、例えば、スライド構造を設けることにより行う。照明装置100は、前述したように、極低倍から高倍まで観察可能な顕微鏡装置に着脱可能である。したがって、顕微鏡装置における観察倍率に応じて、照明装置100の構成を極低倍・低倍用の構成と中高倍用の構成とのいずれかに切り換える。なお、顕微鏡装置における観察倍率がどの程度の時にどちらの構成に切り換えるかは、顕微鏡装置の対物光学系の倍率などに応じて定める。
(1)極低倍・低倍用の構成について
顕微鏡装置における観察倍率が極低倍・低倍である場合、照明装置100を図1Aに示す構成にする。
すなわち、コンデンサレンズ4と標本面との間の光路中に、コンデンサレンズ5およびコンデンサレンズ6を配置する。このとき、前述した微分干渉観察用プリズム11および位相観察用光学素子12も、絞り3の近傍に挿入可能とする。
ミラー7は、前述したように固定配置されるため、光源1から射出される光は、コリメートレンズ2、絞り3、コンデンサレンズ4、コンデンサレンズ5を介してミラー7に到達し、さらに、コンデンサレンズ6を介して標本面に照射される。
このとき、コンデンサレンズ4、コンデンサレンズ5、コンデンサレンズ6は、絞り3の近傍および標本面の近傍に合成焦点位置を有する。したがって、このような構成を取ることによりクリティカル照明を実現することができる。コンデンサレンズ4、コンデンサレンズ5、コンデンサレンズ6により構成される光学系は、例えば、焦点距離(f)=140mm、開口率(N.A.)=0.1程度とする。
このような構成時には、絞り3を開口絞りとして使用する。なお、視野絞りを設けたい場合には、光源1の射出端の近傍に設ければ良い。また、微分干渉観察を行う際には、絞り3の近傍に微分干渉観察用プリズム11を挿入し、位相差観察を行う場合には、絞り3の近傍に位相観察用光学素子12を挿入すれば良い。
コンデンサレンズ4は、前述したように接合レンズである。したがって、コンデンサレンズ4、コンデンサレンズ5、コンデンサレンズ6により構成される光学系の瞳の収差を十分に補正可能である。そのため、微分干渉観察および位相差観察などを行うのに十分な瞳の収差を得ることができる。
(2)中高倍用の構成について
顕微鏡装置における観察倍率が中高倍である場合、照明装置100を図1Bに示す構成にする。
すなわち、コンデンサレンズ4と標本面との間の光路中に、コンデンサレンズ8、コンデンサレンズ9および絞り10を配置する。このとき、前述した微分干渉観察用プリズム13および位相観察用光学素子14も、絞り10の近傍に挿入可能とする。
ミラー7は、前述したように固定配置されるため、光源1から射出される光は、コリメートレンズ2、絞り3、コンデンサレンズ4を介してミラー7に到達し、さらに、絞り10、コンデンサレンズ9およびコンデンサレンズ8を介して標本面に照射される。
このとき、コンデンサレンズ4、コンデンサレンズ9、コンデンサレンズ8は、絞り3の近傍に標本面との共役位置を有する。また、コンデンサレンズ9、コンデンサレンズ8は、絞り10の近傍に合成焦点位置を有する。したがって、このような構成を取ることによりケーラー照明を実現することができる。コンデンサレンズ9、コンデンサレンズ8により構成される光学系は、例えば、焦点距離(f)=28mm、開口率(N.A.)=0.5程度とする。
このような構成時には、絞り10を開口絞りとして使用し、絞り3を視野絞りとして使用する。また、微分干渉観察を行う際には、絞り10の近傍に微分干渉観察用プリズム13を挿入し、位相差観察を行う場合には、絞り10の近傍に位相観察用光学素子14を挿入すれば良い。
照明装置100は、前述したように、拡散板15を備える。したがって、光源1の構造がそのまま照野に投影されるのを防ぎ、良好な観察を行うことができる。
(3)暗視野観察について
照明装置100は、暗視野観察に対応するため、暗視野照明用の光源を備える。図2は、図1の標本面の近傍の拡大図である。光源20は、ファイバあるいはLEDであり、図2に示すように、標本面に対して顕微鏡装置の対物レンズと反対側から斜光照明を行う。図2では、1つの光源20を備える例を示しているが、複数個の光源を備えても良い。また、光源20がファイバである場合、リング状のファイバを使用しても良い。そして、光源1と光源20とをスイッチなどを用いて切り換えて点灯することにより、明視野観察と暗視野観察との両方で、極低倍・低倍から中高倍までの広い倍率範囲にわたって、十分な照野と所定の開口率(N.A.)条件を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、極低倍・低倍用と中高倍用とで照明装置100の構成を切り換えることにより、極低倍から広い倍率範囲において十分な照野を得ることができる。
また、本実施形態によれば、極低倍・低倍(0.5倍〜2.0倍程度)用と中高倍(4.0倍〜40.0倍程度)用とで兼用可能なレンズとして接合レンズを用いることにより、極低倍から広い倍率範囲にわたって良好な瞳の収差を得ることができる
また、本実施形態によれば、コンデンサレンズ4とミラー7を固定配置し、各倍率に適したコンデンサレンズのみを選択的に配置することにより、装置の大型化を抑えつつ、極低倍から広い倍率範囲に対応可能である。
また、本実施形態によれば、装置の大型化を抑えることにより、暗視野観察用の光源20をさらに備えることが現実的に可能であり、良好な暗視野観察も行うことができる。
また、本実施形態によれば、中高倍用のコンデンサレンズ8、コンデンサレンズ9および絞り10は、従来と同様の構成のものを使用することができる。
なお、本実施形態では、明視野観察、暗視野観察、微分干渉観察、位相差観察に対応可能な例を示したが、他の観察方法に必要な部材を設け、対応可能にしても良い。例えば、偏光観察、モジュレーション観察、傾斜照明観察などに対応可能にしても良い。
また、本実施形態における、コリメートレンズ(2)、コンデンサレンズ(4〜6、8、9)の構成は一例であり、請求項に示す各レンズ群の条件を満たせば、他の構成(レンズの数など)のものと置き換えても良い。
また、本実施形態では、極低倍・低倍から中高倍までの広い倍率範囲の全てに対応する例を示したが、より狭い倍率範囲にのみ対応するようにしても良い。例えば、極低倍のみに対応可能に構成しても良い。
本実施形態の照明装置100の全体図である。 図1の標本面の近傍の拡大図である。
符号の説明
1,20 光源
2 コリメートレンズ
3,10 絞り
4,5,6,8,9 コンデンサレンズ
7 ミラー
11,13 微分干渉観察用プリズム
12,14 位相観察用光学素子
15 拡散板
100 照明装置

Claims (1)

  1. 標本面に対して光を射出する光源と、
    前記光源から射出される光を略平行光とするコリメートレンズと、
    前記コリメートレンズを介した前記平行光の光束を調節する第1の絞りと、
    前記第1の絞りと前記標本面との間の光路中に配置されるとともに、接合レンズを備え、かつ、正の屈折力を有する第1のレンズ群と、
    前記第1のレンズ群と前記標本面との間の光路中に選択的に配置される第2のレンズ群および第3のレンズ群とを備え、
    前記第2のレンズ群は、少なくとも2群のレンズ群から構成され、前記光源から最も遠いレンズ群は正の屈折力を有し、前記光源から最も遠いレンズ群を除くレンズ群のうち、少なくとも1つのレンズ群は、負の屈折力を有し、
    前記第3のレンズ群は、正の屈折力を有するとともに、第2の絞りを備え、
    前記第1のレンズ群と前記標本面との間の光路中に前記第2のレンズ群を配置したときには、前記第1のレンズ群および前記第2のレンズ群は、前記第1の絞りの近傍に合成焦点位置を有し、
    前記第1のレンズ群と前記標本面との間の光路中に前記第3のレンズ群を配置したときには、前記第1のレンズ群および前記第3のレンズ群は、前記第1の絞りの近傍に前記標本面との共役位置を有する
    ことを特徴とする顕微鏡照明装置。
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