JP2005345265A - 光パルス試験器 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価でありながら光伝送路の伝送損失特性を正確に算出し得る光パルス試験器を提供する。
【解決手段】光パルスS3を生成する光パルス生成部2と、光伝送路10の一端に射出された光パルスS3の戻り光S4を受光して電気信号S5に変換する受光部4と、電気信号S5をA/D変換して戻り光S4に対応する信号レベルを示すディジタルデータD1を生成するA/D変換部6と、ディジタルデータD1に基づいて伝送損失特性を算出する信号処理部8と、光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を戻り光S4の強度に基づいて制御する出力調整部7とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信などに用いられる光伝送路を試験する光パルス試験器に関するものである。
光伝送路(光ファイバ)の伝送損失特性または破断点などの故障部分を検出する光パルス試験器、いわゆるOTDR(optical time domain reflectometer)として特開2001−305017号公報に開示された光パルス試験器が知られている。この光パルス試験器は、光パルス発生部と、戻り光検出部と、波形処理部と、表示部とを含んで構成されている。この光パルス試験器では、所定の波長の光パルスを試験対象の光ファイバの一端に射出すると共に、光ファイバの一端(入射端)において反射して戻る戻り光と光ファイバの内部で後方散乱して戻る戻り光とを光ファイバの一端で検出して、その検出結果から光ファイバの伝送損失特性を算出している。
特開2001−305017号公報(第3頁、第1図)
ところが、従来の光パルス試験器には、以下のような解決すべき問題点がある。すなわち、この光パルス試験器では、光パルス発生部を構成する駆動回路および光源の少なくとも一方が例えば温度変化によってその出力特性が変化した場合、光源で発生する光パルスの強度が変化して、戻り光の大きさも変化する。このため、従来の光パルス試験器では、外力の印加などに起因して生じた光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化(接続コネクタの緩みや故障など)以外の要因により、受光する戻り光の大きさが変化するという事態が生じる。したがって、従来の光パルス試験器には、戻り光に基づく光ファイバの伝送損失特性を正確に算出することができない結果、この伝送損失特性に基づいて、外力の印加などに起因して生じた光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化を検出することができないことがあるという問題点が存在する。
この問題点に鑑みて、発明者は、上記の光パルス試験器に対して、光源から出射される光パルスの一部を適切なレベルに変換して出力する光減衰器、および光減衰器から出力される光パルスを受光することによって光源から出射されている光パルスの強度を検出するモニタ用受光素子、およびこのモニタ用受光素子によって検出された光パルスの強度に基づいて駆動回路において生成される駆動信号のレベルを制御する出力調整部をさらに設けることにより、駆動回路および光源の出力特性が温度変化によって変化したときにも、光源から出射される光パルスの強度を一定に保つことができる光パルス試験器を開発している。しかしながら、この光パルス試験器では、光減衰器およびモニタ用受光素子のような高価な光部品が必要となる結果、光パルス試験器のコストが大幅に上昇するという新たな問題点が存在する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、安価でありながら光伝送路の伝送損失特性を正確に算出し得る光パルス試験器を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の光パルス試験器は、試験対象の光伝送路にその一端から光パルスを射出すると共にその戻り光に対応する信号レベルを測定して、前記光伝送路における距離と損失との関係を示す伝送損失特性を算出する光パルス試験器であって、前記光パルスを生成する光パルス生成部と、前記戻り光を受光して電気信号に変換する受光部と、前記変換された電気信号をアナログ/デジタル変換して前記信号レベルを示すディジタルデータを生成するA/D変換部と、前記ディジタルデータに基づいて前記伝送損失特性を算出する信号処理部と、前記光パルス生成部によって生成される前記光パルスの強度を前記戻り光の強度に基づいて制御する出力調整部とを備えている。
また、請求項2記載の光パルス試験器は、請求項1記載の光パルス試験器において、前記出力調整部は、前記光パルスの射出後の所定期間における前記戻り光の平均強度が一定となるように前記光パルスの強度を制御する。
また、請求項3記載の光パルス試験器は、請求項2記載の光パルス試験器において、前記出力調整部は、前記光伝送路の前記一端での反射光が前記受光部に戻る期間と重なり合わない期間を前記所定期間として前記光パルスの強度を制御する。
また、請求項4記載の光パルス試験器は、請求項2記載の光パルス試験器において、前記出力調整部は、前記光伝送路を構成する各光ファイバの端部での反射光が前記受光部に戻る期間と重なり合わない複数の期間を前記所定期間として前記光パルスの強度を制御する。
請求項1記載の光パルス試験器によれば、出力調整部が光パルス生成部によって生成される光パルスの強度を戻り光の強度に基づいて制御することにより、光パルス生成部の出力特性が温度変化によって変化したときにおいても、光パルスの強度を一定に保つことができる。したがって、戻り光に基づく光伝送路の伝送損失特性を正確に算出することができる結果、この伝送損失特性に基づいて、外力の印加などに起因して生じた光伝送路を構成する光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化を正確かつ確実に検出することができる。加えて、光減衰器およびモニタ用受光素子のような高価な光部品を使用しないため、光パルス試験器を安価に構成することができる。
また、請求項2記載の光パルス試験器によれば、出力調整部が光パルスの射出後の所定期間における戻り光の平均強度が一定となるように光パルスの強度を制御することにより、戻り光に受光部内で生じたノイズなどが含まれているときであっても、このノイズに起因する出力調整部に対する影響を軽減させることができる。このため、出力調整部が光パルスの強度(波高値)に対する制御を安定して実行できる結果、戻り光に基づく光伝送路についての伝送損失特性を一層正確に算出することができ、この伝送損失特性に基づいて、外力の印加などに起因して生じた光伝送路を構成する光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化を一層正確かつ確実に検出することができる。
また、請求項3記載の光パルス試験器によれば、出力調整部が、光伝送路の一端での反射光が受光部に戻る期間と重なり合わない期間を所定期間として戻り光の平均強度を算出して光パルスの強度を制御することにより、光パルス生成部の出力特性が温度変化によって変化したときに、後方散乱と比較して強度が非常に大きい少なくとも一端での反射光によって受光部やA/D変換部が飽和することに起因する各種影響(戻り光の平均強度の算出結果や光パルスの強度制御に対する影響など)を排除することができる。したがって、光パルス生成部の出力特性が温度変化によって変化したときであっても、出力調整部が光パルスの強度に対する制御を正常に実行できる結果、戻り光に基づいて光伝送路の伝送損失特性を常時正確に算出することができ、この伝送損失特性に基づいて、外力の印加などに起因して生じた光伝送路を構成する光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化を常時正確に検出することができる。
また、請求項4記載の光パルス試験器によれば、出力調整部が、光伝送路を構成する各光ファイバの端部での反射光が受光部に戻る期間と重なり合わない複数の期間を所定期間として戻り光の平均強度を算出して光パルスの強度を制御することにより、光パルス生成部の出力特性が温度変化によって変化したときに、後方散乱と比較して強度が非常に大きい少なくとも一端での反射光によって受光部やA/D変換部が飽和することに起因する各種影響(戻り光の平均強度の算出結果や光パルスの強度制御に対する影響など)を排除することができる。また、所定期間を構成する複数の期間のうちのいくつかの戻り光に受光部内で生じたノイズなどが含まれているときであっても、所定期間全体としての平均強度を算出するために、このノイズに起因する出力調整部に対する影響をより一層軽減させることができる。したがって、光パルス生成部の出力特性が温度変化によって変化したときであっても、出力調整部が光パルスの強度に対する制御を正常に実行できる結果、戻り光に基づいて光伝送路の伝送損失特性を常時正確に算出することができ、この伝送損失特性に基づいて、外力の印加などに起因して生じた光伝送路を構成する光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化を常時正確に検出することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る光パルス試験器の最良の形態について説明する。
まず、光パルス試験器1の構成について図面を参照して説明する。
光パルス試験器1は、図1に示すように、光パルス生成部2、方向性結合器3、受光部4、増幅部5、A/D変換部6、出力調整部7、信号処理部8、および表示部9を備えて構成され、光伝送路(1本または複数本の光ファイバで構成された伝送路)10の伝送損失特性を算出する。以下では、1本の光ファイバで構成された光伝送路10を主な例として説明する。
光パルス生成部2は、図1に示すように、タイミング発生回路2a、駆動回路2bおよび発光回路2cを備えて構成されて、図2に示すように、所定の時間間隔T0(例えば1ミリ秒間隔)で光パルスS3を繰り返し生成して出力する。この場合、タイミング発生回路2aは、時間間隔T0でトリガ信号S1を生成して、駆動回路2b、出力調整部7および信号処理部8に出力する。駆動回路2bは、トリガ信号S1を入力する都度、所定の時間幅の駆動パルスS2を生成して発光回路2cに出力する。この場合、駆動回路2bは、出力調整部7によって設定されたゲインに応じた波高値の駆動パルスS2を出力する。発光回路2cは、レーザ光源を含んで構成されて、駆動パルスS2を入力しているときに、駆動パルスS2の波高値に応じた強度(一例として波高値に比例した強度)の光パルスS3を生成する。また、発光回路2cは、生成した光パルスS3を方向性結合器3に出力する。
方向性結合器3は、入力した光パルスS3を試験対象としての光伝送路10にその一端から射出する。また、方向性結合器3は、射出した光パルスS3が光伝送路10の両端部において反射して戻る戻り光と、光伝送路10の内部で後方散乱して戻る戻り光(これらの戻り光をまとめて「戻り光S4」という)とを入力して受光部4に出力する。受光部4は、受光した戻り光S4をその強度に応じて振幅が変化する電気信号(例えば電圧信号)S5に変換して増幅部5に出力する。増幅部5は、A/D変換部6の入力特性に適合するように、入力した電気信号S5を増幅した電気信号S6をA/D変換部6に出力する。A/D変換部6は、入力した電気信号S6を所定の周期(例えば100ナノ秒の周期)でサンプリングすることにより、戻り光S4の強度を示すディジタルデータD1を生成する。また、A/D変換部6は、生成したディジタルデータD1を出力調整部7および信号処理部8に出力する。
出力調整部7は、図2に示すように、トリガ信号S1を入力する都度、トリガ信号S1の入力時点(光パルスS3の発光回路2cからの出力時点)から所定時間T1だけ経過した時点を期首とする所定期間Wに含まれているディジタルデータD1(同図中の斜線を付した部分のディジタルデータD1)の平均値、つまり戻り光S4の平均強度を算出して記憶する。この場合、出力調整部7は、光伝送路10の少なくとも一端(本例では、入力端部と後方端部との両端部)での反射光(本例では、入力端部での反射光S11と後方端部での反射光S12)が受光部4に戻る期間と重なり合わない期間を所定期間Wとして戻り光S4の平均強度を算出して光パルスS3の強度を制御する。このため、この光パルス試験器1では、後方散乱と比較して非常に大きい強度の反射光に起因する戻り光S4の平均強度の算出結果や光パルスS3の強度制御に対する影響が排除されている。また、出力調整部7は、算出した平均値と基準値とを比較すると共に、その比較結果に基づいて駆動回路2bのゲインを制御することにより、所定期間Wにおける戻り光S4の平均強度が一定となるように駆動パルスS2の波高値、すなわち光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を制御する。具体的には、出力調整部7は、1回目のトリガ信号S1の入力後における最初の所定期間WでのディジタルデータD1の平均値を基準値として記憶し、その後の所定期間WでのディジタルデータD1の平均値をこの基準値と比較する。また、出力調整部7は、算出した平均値と基準値とを比較した結果、平均値が基準値を上回るときにはゲインが下がり、逆に平均値が基準値を下回るときにはゲインが上がるように駆動回路2bを制御する。したがって、出力調整部7を介して駆動回路2bに対するフィードバック制御が行われる結果、光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度が一定に制御される。
信号処理部8は、CPUおよび内部メモリを備えて構成され、ディジタルデータD1に基づいて、図3に示すような光伝送路10における一端からの距離Lと戻り光S4の強度との関係を示す伝送損失特性を算出して記憶する損失特性算出処理を実行する。具体的には、信号処理部8は、トリガ信号S1の入力時点からの経過時間Tを計測する。また、信号処理部8は、入力したディジタルデータD1を対数変換すると共に、この戻り光S4に対応する経過時間Tに基づいて、戻り光S4が後方散乱した光伝送路10の一端からの距離Lを算出する。さらに、信号処理部8は、対数変換したディジタルデータD1(戻り光S4の強度)と距離Lとを対応させて内部メモリに記憶する。光伝送路10の一端から距離Lの位置において反射または後方散乱して戻った戻り光S4に対応する経過時間Tと距離Lとの関係は、光速をVcとしたときに、T=2×L/Vcで表される。したがって、信号処理部8は、この関係式に基づいて経過時間Tから距離Lを算出する。また、光は、通過する光伝送路の長さ(距離)に応じてその強度が減衰する。このため、このようにして信号処理部8が記憶した戻り光S4の距離L毎の強度から光伝送路10の伝送損失が求まる。また、信号処理部8は、記憶した距離L毎のディジタルデータD1(戻り光S4の強度)を光伝送路10についての伝送損失データD2として読み出すと共に、図3に示すように、表示部9に表示させる。表示部9は、CRTやLCDなどで構成されている。
次いで、光パルス試験器1の動作について説明する。
光パルス試験器1では、電源が投入されている状態において、光パルス生成部2が、図2に示すように、光パルスS3を時間間隔T0(1ミリ秒間隔)で生成すると共に、方向性結合器3を介して光伝送路10にその一端から光パルスS3を射出する。光伝送路10にその一端から入射した光パルスS3は、光伝送路10の両端部(入力端部と後方端部)で反射されると共に、光伝送路10の各部位において後方散乱されることにより、戻り光S4として光伝送路10の一端から出射される。受光部4は、この戻り光S4を受光して電気信号S5に変換して出力する。増幅部5は、電気信号S5を入力すると共に増幅して電気信号S6を出力する。A/D変換部6は、電気信号S6を入力すると共に、100ナノ秒の周期でサンプリングすることにより、電気信号S5の信号レベルを示すディジタルデータD1を生成する。
出力調整部7は、図2に示すように、トリガ信号S1を入力する都度、トリガ信号S1の入力後の所定期間Wに含まれるディジタルデータD1の平均値(所定期間Wにおける戻り光S4の平均強度)を算出すると共に基準値と比較する。さらに、出力調整部7は、この比較結果に基づいて駆動回路2bのゲインを制御することにより、所定期間Wにおける戻り光S4の平均強度が一定となるように駆動パルスS2の波高値を制御する。一方、光伝送路10は、一旦敷設された後には、外力の印加などに起因して折れ曲がったりする異常や、接続コネクタを介して接続された複数の光ファイバで構成された光伝送路10においては、接続コネクタの緩みや故障などの理由によって光伝送路10を構成する光ファイバ同士の接合状態が劣化したりするなどの異常が生じない限り、その伝送損失特性が大幅に変化することは殆どない。また、前述の異常による光通信への影響を避けるため、光ファイバへの外力が加わらないような構造などの対策は敷設時に施されている。したがって、異常の発生要因として考えられるのは、地形変化などであり、発生確率は非常に小さい。つまり、光パルス試験器1の測定時間(例えば、3分程度)内に前述の異常が発生することは非常に稀であり、所定期間Wにおける戻り光S4の平均強度は、一定の強度の光パルスS3が光伝送路10に射出されている限り、ほぼ一定となる。また、前述の異常が発生した後に光伝送路10の伝送損失特性を測定した場合、基準値が変わるものの所定期間Wにおける戻り光S4の平均強度はほぼ一定に保たれる。したがって、所定期間Wにおける戻り光S4の平均強度が一定となるように駆動パルスS2の波高値が出力調整部7によって制御されることにより、光伝送路10に射出される光パルスS3の強度は一定に維持される。
信号処理部8は、トリガ信号S1を入力する都度、上記した損失特性算出処理を実行する。その後、信号処理部8は、図外の操作部での操作に従い、算出した距離L毎の戻り光S4の強度を光伝送路10についての伝送損失データD2として読み出すと共に、図3に示すように、表示部9に表示させる。したがって、表示部9に表示された伝送損失特性を観測することにより、外力の印加などに起因した光ファイバの折れ曲がりを正確かつ確実に検出することができる。具体的には、例えば、光伝送路10を構成する光ファイバに折れ曲がりが発生していない状態では、図3において実線で示すように、光伝送路(光ファイバ)の両端部での反射光の戻り光S4を除く後方散乱の戻り光S4は、距離Lに反比例してその強度が直線的に低下するが、距離L1の部位に折れ曲がりが発生したときには、同図において破線で示すように、この距離L1において戻り光S4の強度が一段低下する。したがって、表示部9に表示された伝送損失特性を観測することにより、光ファイバについての折れ曲がりの発生と共に、折れ曲がりの生じた位置(光ファイバの一端(入射端)からの距離)を検出することができる。また、図示はしないが、接続コネクタを介して複数接続されている光ファイバについては、表示部9に表示された伝送損失特性を観測して各光ファイバについての戻り光S4の状態を確認することにより、例えば、特定の光ファイバについての戻り光S4の強度が一律に低くなるなどの異常が生じているときには、この光ファイバの入射端での他の光ファイバとの接合状態の劣化(光ファイバ同士を接続する接続コネクタの緩みや故障などの発生)を正確かつ確実に検出することができる。
このように、この光パルス試験器1によれば、出力調整部7が光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を戻り光S4の強度に基づいて制御することにより、光パルス生成部2の出力特性が温度変化によって変化したときにおいても、光パルスS3の強度を一定に保つことができる。したがって、戻り光S4に基づく光伝送路10の伝送損失特性を正確に算出することができる結果、この伝送損失特性に基づいて、外力の印加などに起因して生じた光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化を正確かつ確実に検出することができる。加えて、光減衰器およびモニタ用受光素子のような高価な光部品を使用しないため、光パルス試験器1を安価に構成することができる。
また、この光パルス試験器1によれば、出力調整部7が光パルスS3の射出後の所定期間Wにおける戻り光S4の平均強度が一定となるように光パルスS3の強度を制御することにより、所定期間W内の戻り光に受光部4内で生じたノイズなどが含まれているときであっても、このノイズに起因する出力調整部7に対する影響を軽減させることができる。このため、出力調整部7が光パルスS3の強度(波高値)に対する制御を安定して実行できる結果、戻り光S4に基づく光伝送路10についての伝送損失特性を一層正確に算出することができ、この伝送損失特性に基づいて、外力の印加などに起因して生じた光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化を一層正確かつ確実に検出することができる。
さらに、この光パルス試験器1によれば、出力調整部7が、光伝送路10の少なくとも一端(本例では両端部)での反射光が受光部4に戻る期間と重なり合わない期間を所定期間Wとして戻り光S4の平均強度を算出して光パルスS3の強度を制御することにより、光パルス生成部2の出力特性が温度変化によって変化したときに、後方散乱と比較して強度が非常に大きい少なくとも一端での反射光で受光部4やA/D変換部6が飽和することに起因する各種影響(戻り光S4の平均強度の算出結果や光パルスの強度制御に対する影響など)を排除することができる。したがって、光パルス生成部2の出力特性が温度変化によって変化したときであっても、出力調整部7が光パルスS3の強度に対する制御を正常に実行できる結果、戻り光S4に基づいて光伝送路10の伝送損失特性を常時正確に算出することができ、この伝送損失特性に基づいて、光伝送路10を構成する光ファイバに外力の印加などに起因して生じた折れ曲がりや、光伝送路10を構成する光ファイバ同士の接合状態の劣化を常時正確に検出することができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、光パルス試験器1では、A/D変換部6から出力されるディジタルデータD1に基づいて出力調整部7が戻り光S4の所定期間Wにおける平均値を算出しているが、受光部4から出力される電気信号S5、または増幅部5から出力される電気信号S6の所定期間W内における平均値を算出する構成を採用することもできる。また、伝送路10の光ファイバにおける端部での反射光が受光部4に戻る期間と重なり合わない期間である限り、後方散乱による戻り光S4が戻るすべての期間を所定期間Wとすることもできる。
また、光パルス試験器1では、出力調整部7が、各光パルスS3の射出後の1回の所定期間Wにおける戻り光S4の平均値を算出すると共に、この平均値と基準値との比較結果に基づいて、この所定期間Wの後に最初に光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を制御しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、光パルスS3を複数回射出して、射出後の各所定期間Wにおける戻り光S4の平均値をそれぞれ算出して、その算出した複数の平均値をさらに平均化して、上記複数回光パルスS3を出射した後に光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を制御することもできる。
また、接続コネクタを介して光ファイバが複数(一例として2本)接続されて構成された光伝送路は、図4に示すような伝送損失特性を示す。この場合、この光伝送路については、同図に示すように、トリガ信号S1の入力時点(光パルスS3の射出時点)から所定時間T1だけ経過した時点を期首とする所定期間W1に含まれている1本目の光ファイバからの戻り光S4(戻り光S4aとする)、およびトリガ信号S1の入力時点から所定時間T2だけ経過した時点を期首とする所定期間W2に含まれている2本目の光ファイバからの戻り光S4(戻り光S4bとする)の平均強度を算出し、この後に光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を制御することもできる。この構成においても、同図に示すように、各光ファイバの端部での反射光S11,S12,S13が受光部4に戻る期間と重ならないように各所定期間W1,W2を設定することにより、光パルス生成部2の出力特性が温度変化によって変化したときにおおける反射光S11,S12,S13の入射に起因する受光部4やA/D変換部6の飽和を回避するのが好ましい。
また、以下の制御方法を採用することができる。すなわち、まず、上記した光伝送路10の損失特性算出処理を所定回数実行する度に、各損失特性算出処理において算出した距離L毎のディジタルデータD1(戻り光S4の強度)に基づいて、所定の距離Lについての所定回数分のディジタルデータD1の平均値(積算平均値)を算出する。次いで、この算出した平均値を対応する距離Lについての最終的なディジタルデータD1(戻り光S4の平均強度)とする。そして、この所定の距離Lについての最終的なディジタルデータD1(つまり所定の距離Lについての戻り光S4の平均値)と基準値との比較結果に基づいて、損失特性算出処理を所定回数実行した後に光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を制御することもできる。このようにして求めた光伝送路10の伝送損失特性では、所定の距離LについてのディジタルデータD1(上記の最終的なディジタルデータD1)自体が、所定回数測定して得た複数のディジタルデータD1の平均値である。このため、これらの複数のディジタルデータD1の内の一部が、受光部4内でのノイズに起因して異常な値を示したとしても、所定距離LについてのディジタルデータD1(上記の最終的なディジタルデータD1)自体の変動が抑制される。したがって、この1つの最終的なディジタルデータD1の値に基づいて出力調整部7が光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を制御する構成を採用したとしても、受光部4内でのノイズの出力調整部7に対する影響を十分に軽減させることができる。このため、出力調整部7が光パルスS3の強度(波高値)に対する制御を安定して実行できる結果、戻り光S4に基づく光伝送路10についての伝送損失特性を正確に算出することができ、この伝送損失特性に基づいて、外力の印加などに起因して生じた光ファイバの折れ曲がりや光ファイバ同士の接合状態の劣化を正確かつ確実に検出することができる。さらに、この構成において、所定期間W内における複数の最終的なディジタルデータD1の平均値を算出し、出力調整部7が、この平均値に基づいて、光パルス生成部2によって生成される光パルスS3の強度を制御することもできる。
また、上記した各方法によって平均化されたディジタルデータD1に基づいて光パルスS3に対する強度制御を実行する構成に代えて、平均化していない1つのディジタルデータD1(好ましくは、光伝送路10の少なくとも一端での反射光が受光部4に戻る期間と重なり合わない期間における1つのディジタルデータD1)、または十分に短時間内の電気信号S6に基づいて光パルスS3の強度を制御する構成を採用することもできる。また、本発明は伝送損失特性の算出自体については特に限定されるものではなく、その算出方法や表示部9への表示方法を適宜変更することができる。
光パルス試験器1の構成を示すブロック図である。 トリガ信号S1と、光パルスS3と、戻り光S4との関係を示すタイミングチャートである。 光パルス試験器1によって算出された光伝送路10の伝送損失特性図を示す表示部9の表示画面図である。 光パルス試験器1によって算出された他の光伝送路の伝送損失特性図を示す表示部9の表示画面図である。
符号の説明
1 光パルス試験器
2 光パルス生成部
4 受光部
6 A/D変換部
7 出力調整部
8 信号処理部
10 光伝送路
D1 ディジタルデータ
S3 光パルス
S4 戻り光
S5 電気信号
W 所定期間

Claims (4)

  1. 試験対象の光伝送路にその一端から光パルスを射出すると共にその戻り光に対応する信号レベルを測定して、前記光伝送路における距離と損失との関係を示す伝送損失特性を算出する光パルス試験器であって、
    前記光パルスを生成する光パルス生成部と、
    前記戻り光を受光して電気信号に変換する受光部と、
    前記変換された電気信号をアナログ/デジタル変換して前記信号レベルを示すディジタルデータを生成するA/D変換部と、
    前記ディジタルデータに基づいて前記伝送損失特性を算出する信号処理部と、
    前記光パルス生成部によって生成される前記光パルスの強度を前記戻り光の強度に基づいて制御する出力調整部とを備えている光パルス試験器。
  2. 前記出力調整部は、前記光パルスの射出後の所定期間における前記戻り光の平均強度が一定となるように前記光パルスの強度を制御する請求項1記載の光パルス試験器。
  3. 前記出力調整部は、前記光伝送路の前記一端での反射光が前記受光部に戻る期間と重なり合わない期間を前記所定期間として前記光パルスの強度を制御する請求項2記載の光パルス試験器。
  4. 前記出力調整部は、前記光伝送路を構成する各光ファイバの端部での反射光が前記受光部に戻る期間と重なり合わない複数の期間を前記所定期間として前記光パルスの強度を制御する請求項2記載の光パルス試験器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008129484A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Yokogawa Electric Corp 双方向光モジュールおよび光パルス試験器

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