JP2003207413A - 光線路試験装置及び伝送損失特性の補正方法 - Google Patents

光線路試験装置及び伝送損失特性の補正方法

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JP2003207413A
JP2003207413A JP2002003601A JP2002003601A JP2003207413A JP 2003207413 A JP2003207413 A JP 2003207413A JP 2002003601 A JP2002003601 A JP 2002003601A JP 2002003601 A JP2002003601 A JP 2002003601A JP 2003207413 A JP2003207413 A JP 2003207413A
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fiber cable
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optical
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Masatake Yamaguchi
昌毅 山口
Koichi Katayose
浩一 片寄
Kenji Yasuhara
賢治 安原
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の光出力レベルの変動や低下の影響を受
けて測定された伝送損失特性をコストの増加を抑えつつ
補正することができる補正方法を提供する。 【解決手段】 光源31から出射された光を、光分岐手
段33とダミーファイバケーブル5を介して被測定光フ
ァイバケーブル11に入射させ、戻ってきた反射光又は
散乱光から算出される光レベルのうち、ダミーファイバ
ケーブル5の任意位置での光レベルと、予め設定されて
いる光源31の基準光レベルとを比較し、比較の結果、
該基準光レベルよりもダミーファイバケーブル5の光レ
ベルが降下しているときは、降下値に応じて被測定光フ
ァイバケーブルから戻ってきた光レベルを補正して光出
力レベル−時間軸上に定義し表示装置13に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光線路を試験する
試験装置であって、特に試験装置に具備される光源の光
出力レベルの変動により変化した伝送損失を補正する光
線路試験装置及び伝送損失特性の補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光線路内の伝送損失を測定する測定器と
して、一般に光線路試験装置(OTDR装置)が用いら
れている。光線路試験装置は、光通信回線が布設された
局間の光線路(光ファイバケーブル)の経年変化やコネ
クタ接続ずれを原因とする断線や障害地点を検出するの
に用いられる試験装置であり、一般にケーブル布設後の
保守試験や開設前の建設試験等に利用されている。
【0003】この障害地点の検出方法は、光線路試験装
置に被測定光ファイバケーブルを接続し、光ファイバケ
ーブルの入射端から試験光を入射して断線部等で生じた
フレネル反射やレイリー散乱が入射端に戻ってきたとき
の遅延時間と光の強度を測定することにより、入射端か
ら障害地点までの距離や障害地点における伝送損失率等
を算出している。また一般には、被測定光ファイバケー
ブルの両端から測定を行い、接続地点での損失を平均化
してより精密な伝送損失値と障害地点を算出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光線路
試験装置に具備される光源の光出力レベルは、装置のウ
ォーミングアップ時や使用環境の変化等により温度変化
の影響を受けると、光源の光出力レベルが変動すること
や不安定動作を起こすことがある。
【0005】光出力レベルが低下したまま試験を行った
場合、光ファイバケーブルの入射端に戻ってくる反射光
(又は散乱光)の光レベルも同時に低下するため、装置
は光源の光出力レベル低下が原因であるにも拘らず、光
ファイバケーブルの不具合による伝送損失増加と測定し
てしまうという問題がある。
【0006】このような光源の光出力レベル変動や不安
定動作を防止するためには、装置内に温度制御器や冷却
器を設けて回避する方法も考えられるが、この場合、装
置内に冷却器を設けると消費電力が高くなってしまうと
いう問題や、装置自体のコストが高くなるという問題が
発生する。
【0007】また、光源の光出力レベルを外部フォトダ
イオードで監視し、駆動電流を調節する電流調節回路の
制御により光出力レベルを一定に保つ方法もあるが、や
はりコストが増加するという問題や、フォトダイオード
や駆動回路の実装制限の問題から現実的ではない。
【0008】本発明は、上記問題を鑑みてなされたもの
で、その目的としては、光源の光出力レベルの変動や不
安定動作に応じて測定値を補正することで光ファイバケ
ーブル本来の伝送損失を算出する光線路試験装置及び伝
送損失特性の補正方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、光源から分岐手段を介し
て被測定光ファイバケーブルに入射光を入射させ、該被
測定光ファイバケーブルから戻ってきた光を前記分岐手
段で分岐し、得られた光レベルを一定時間毎に内部に取
り込む光線路試験装置において、前記分岐手段と前記被
測定光ファイバケーブルとの間に設けられ、前記入射光
が前記被測定光ファイバケーブルに伝達可能に接続させ
るダミーファイバケーブルと、前記分岐手段で分岐され
た前記ダミーファイバケーブルの任意の位置から戻って
きた光レベルと予め設定されている光源の基準光レベル
とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果
に基づいて被測定光ファイバケーブルから戻ってきた光
レベルを補正する補正手段と、前記補正された光レベル
を光出力レベル−時間軸上に定義して得られる伝送損失
特性を外部出力する手段とを備えることを要旨とする。
【0010】本発明の第1の特徴は、光源から出射され
る試験光を順に分岐手段、ダミーファイバケーブル介し
て被測定光ファイバケーブルに入射させ、戻ってきたダ
ミーファイバケーブルの任意位置での光レベルが、予め
設定されている光源の基準光レベルよりも降下したこと
を検出したときは、この降下した値を被測定光ファイバ
ケーブル内で反射又は散乱して戻ってきた光レベルに加
減算することで補正して、補正された値をもとに光出力
レベル−時間軸上に定義することで被測定光ファイバケ
ーブルの伝送損失特性を作成することにある。
【0011】請求項2記載の本発明は、前記比較手段
は、前記ダミーファイバケーブルの任意の位置での光レ
ベルと前記基準光レベルとを比較し、該光レベルと前記
基準光レベルとの差分が所定値以上であれば前記被測定
光ファイバケーブルから戻ってきた光レベルを補正する
補正命令を出力することを要旨とする。
【0012】本発明の第2の特徴は、比較手段は、ダミ
ーファイバケーブルの任意位置で検出された光レベルと
予め記憶部に記憶されている基準光レベルとを比較し、
基準光レベルが補正を必要としない許容範囲内に含まれ
るときは補正命令を出力せず、基準光レベルが許容範囲
外であるときは被測定光ファイバケーブルから戻ってき
た反射光又は散乱光の光レベルに、光源の基準光レベル
とダミーファイバケーブルから戻ってきた光レベルの差
分の値を加算又は減算する補正命令を出力する。
【0013】請求項3記載の本発明は、前記補正手段
は、補正命令を受信すると、前記ダミーファイバケーブ
ルの任意の位置での光レベルと前記基準光レベルから補
正値を算出し、被測定光ファイバケーブルから戻ってき
た光レベルに補正値を加算又は減算する補正を行うこと
を要旨とする。
【0014】本発明の第3の特徴は、比較手段から補正
命令を受信すると、ダミーファイバケーブルの任意位置
での光レベルと前記光源の基準光レベルとの差分から補
正値を算出し、算出された補正値を被測定光ファイバケ
ーブルから戻ってきた反射光又は散乱光の光レベルに加
算又は減算することで測定された光レベルを補正する。
【0015】請求項4記載の本発明は、光源から出射さ
れた光を分岐手段を介して被測定光ファイバケーブルに
入射させ、該被測定光ファイバケーブルから戻ってきた
光を前記分岐手段で分岐し、一定時間毎に内部に取り込
んで光出力レベル−時間軸上に定義する伝送損失特性の
補正方法において、前記光源から出射される光を、前記
分岐手段と前記被測定光ファイバケーブル間に設けられ
るダミーファイバケーブルに入射させる工程と、前記分
岐手段で分岐された前記ダミーファイバケーブルの任意
の位置から戻ってきた光レベルと予め設定されている光
源の基準光レベルと比較する工程と、前記比較手段によ
る比較結果に基づいて被測定光ファイバケーブルから戻
ってきた光レベルを補正する工程と、前記補正された光
レベルを光出力レベル−時間軸上に定義してられる伝送
損失特性を外部出力する工程とを備えることを要旨とす
る。
【0016】本発明の第4の特徴は、光源から出射され
る試験光を、光分岐手段とダミーファイバケーブルを介
して被測定光ファイバケーブルに入射させ、戻ってきた
ダミーファイバケーブルの任意位置での光レベルと、予
め設定されている光源の基準光レベルとを比較し、比較
の結果、該基準光レベルよりもダミーファイバケーブル
の光レベルが降下しているときは、降下値に応じて被測
定光ファイバケーブルから戻ってきた光レベルを補正
し、補正された値を光出力レベル−時間軸上に定義し、
得られた伝送損失特性を外部に出力する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態を説明する。
【0018】図1は、本発明の実施の形態に係る光線路
試験装置の構成概略図である。
【0019】この光線路試験装置1は、被測定光ファイ
バケーブル内で生じた生じた反射光又は散乱光の光レベ
ルを測定する光反射測定器(以下、OTDRという。)
3と、複数の被測定光ファイバケーブルが接続される心
線選択器7と、OTDR3と心線選択器7を連結するダ
ミーファイバケーブル5と、OTDR3が測定した測定
値を必要に応じて補正し伝送損失特性を作成するパソコ
ン9とを備えている。
【0020】OTDR3の内部には、試験光を出射する
光源31と、光源31の後段に配置され試験光と同一線
上に戻ってくる反射光又は散乱光を分離する光分岐部3
3と、反射光又は散乱光の戻り遅延時間を計数するタイ
マ39と、光分岐部33で分離された反射光又は散乱光
を受光する受光部35と、受光部35で変換された電気
信号を所定処理する信号処理部37とからなる。
【0021】光源31は、光線路測定に最適とされる光
出力パワーや光波長を有する、例えば1.55μm(若
しくは1.31μm、1.65μm)の光を出射する発
光素子と、この発光素子を励起させるパルス発生器とか
らなる。この発光素子とは、例えば発光ダイオード(L
ED)、半導体レーザ(LD)、固体レーザ(YAGレ
ーザ)等である。
【0022】光分岐部33は、光源31が出射する試験
光と、この試験光と同一線上に戻ってくる被測定光ファ
イバケーブル11内で生じた反射光又は散乱光とを分離
するものであり、反射光又は散乱光のみを設定された方
向(角度)に分岐させるものである。これは例えば、光
カプラ、ビームスプリッター等である。
【0023】受光部35は、試験光を受光するのに最適
な特性を有する受光素子を備え、光電効果により受光し
た試験光を電気信号に変換するものである。この受光素
子は、例えばフォトダイオード(PD)やアバランシェ
フォトダイオード(APD)等からなるものである。
【0024】信号処理部37は、信号増幅器と最小二乗
法(5点法ともいう。)、平均化処理等の処理プログラ
ムを備えており、電気信号を増幅後、これら処理プログ
ラムを実行して雑音等を含む測定値から真の測定値を求
める。
【0025】ダミーファイバケーブル5は、光線路試験
装置1の測定分解能等を考慮して、その長さを約1km
とする。1kmとしたのは、OTDR3とダミーファイ
バケーブル5の接続部分で大きな反射(OTDR3の口
元とコアの微小なずれにより生じる反射)が生じ、接続
部近辺の光が正しく測定できない(これをデッドゾーン
という。)ことから、反射波の影響を受けても測定可能
な適切な長さとして1kmとする。また、ダミーファイ
バケーブル5の損失率は、極めて低くいものを使用し、
ダミーファイバケーブル5自体は光線路測定装置1に内
蔵されることから外力の付与や頻繁な接続が行われず、
接続部以外での伝送損失は殆ど発生しないものとする。
【0026】心線選択器7には、一方の側にダミーファ
イバケーブル5が接続され、他方の側に複数の被測定光
ファイバケーブル11が接続されている。パソコン9か
ら被測定光ファイバケーブル11の選択切換命令を受け
ると、切換えスイッチを切り替えて目的の被測定光ファ
イバケーブル11とダミーファイバケーブル5とを接続
させる。
【0027】パソコン9は、OTDR3が測定した測定
値と光源31の基準光出力レベルを比較する比較部91
と、比較部91から補正命令を受信すると測定値の補正
を行うデータ補正部93と、補正された測定値をもとに
伝送損失特性を作成するグラフ作成部95と、光路測定
試験装置1に内蔵される各種機能部を制御する制御部
(例えば、CPU(図示せず))と、自動測定プログラ
ムを記憶するメモリ97と、グラフを外部に出力する表
示装置(ディスプレイ)13を備えている。
【0028】比較部91は、メモリ97に記憶されてい
る光源31の正常時における基準光出力レベルと、被測
定光ファイバケーブル内で生じた反射光又は散乱光の光
レベルとを比較する。比較の結果、測定された光レベル
が基準光出力レベルの許容範囲内であるときは、光源3
1は正常発光していると判定する。一方、比較部91
は、測定された光レベルが基準出力レベルの許容範囲外
であるときは、光源31の光出力レベルが低下(若しく
は上昇)していると判定し補正命令をデータ補正部93
に出力する。
【0029】尚、光源31の基準光出力レベルとは、発
光素子の設計にもよるが、一般的には5mWであること
から、本実施の形態においても5mWと規定する。ま
た、基準光出力レベルの許容範囲とは、光源31が正常
発光している状態において、ダミーファイバケーブル5
上で光レベルが減衰する、例えば上限値と下限値で規定
される範囲を指している。具体的には、4.9mW〜
4.7mWとする。
【0030】データ補正部93は、比較部91から補正
命令を受信すると、メモリ97に記録されている光源3
1の基準光出力レベルと、ダミーファイバケーブル5上
の任意位置の光レベルを読み出して差分(補正値)を算
出し、この補正値を被測定光ファイバケーブル11を測
定した光レベルに加算(又は減算、乗算、除算)して測
定真値を再びメモリ97に記録する。
【0031】グラフ作成部95は、CPUからグラフ作
成命令を受信すると、メモリ97に記憶されている障害
地点の距離(km)と伝送損失(dB)を読込んで、予
め設定されている伝送損失−距離軸の座標系にプロット
することで、伝送損失特性を生成する。
【0032】次に、図2のフローチャートを用いて、被
測定光ファイバケーブル11の伝送損失測定方法と測定
値の補正方法を説明する。また、図3に、光ファイバケ
ーブルの各種測定値をまとめたデータベース40の一例
を示し、図4に、このデータベース40をもとに作成し
たダミーファイバケーブル5及び被測定光ファイバケー
ブル11の伝送損失特性を示す。
【0033】また、図4の伝送損失特性において、横軸
はOTDR3の口元からの距離を示し、縦軸は距離に対
応する伝送損失を示している。また図4中の波形(a)
は、光源31が正常発光している場合の伝送損失であ
り、図4中の波形(b)は、光源が不安定出力している
場合の伝送損失を示している。更に、図4の伝送損失の
隆起箇所A1〜A4は、図1の障害地点A1〜A4に対
応している。
【0034】まず、光線路試験装置1の電源を投入して
光線路試験装置1に内蔵されるOTDR3、心線選択器
7、パソコン9に給電を行い、パソコン9に内蔵される
CPUがメモリ97に記憶されている自動測定プログラ
ムを実行すると、表示装置13に被測定光ファイバケー
ブル11の選択画面が表示される。
【0035】入力装置(例えば、キーボード等)を介し
て目的の被測定光ファイバケーブル11の番号を入力す
ると、該被測定光ファイバケーブル11の番号が心線選
択器7に伝送され、心線選択器7のスイッチが切換えら
れて目的の被測定光ファイバケーブル11とダミーファ
イバケーブル5とが伝送可能に接続される。
【0036】CPUは、光源31に内蔵されるパルス発
生器の駆動を開始させる。光源31に内蔵されるパルス
発生器がパルス信号を出力すると、LDは該パルス信号
に励起されて試験光を出射する。これと同時にOTDR
3に内蔵されるタイマ39の計時が開始される(S
1)。
【0037】出射した試験光は、光分岐部33、ダミー
ファイバケーブル5、心線選択器7を通過して被測定光
ファイバケーブル11に入射し、入射後、OTDR3に
最も近い障害地点で発生した反射光又は散乱光が順にO
TDR3に戻ってくる。戻ってきた反射光又は散乱光
は、光分岐部33で試験光と分離され、受光部35で電
気信号に変換される(S2)。
【0038】具体的には、試験光の入射後、OTDR3
に最初に戻ってくる反射光は、OTDR3とダミーファ
イバケーブル5との接続地点A1の微小なずれで生じる
フレネル反射光である。続いて戻ってくる散乱光は、光
ファイバケーブルの媒質の密度や組成不ぞろいな箇所に
光があたって生じるレイリー散乱光である。ダミーファ
イバケーブル5は、伝送損失率が極めて低く、ダミーフ
ァイバケーブル5自体が光線路測定装置1に内蔵される
ことから外力の付与がなく接続部以外での伝送損失は殆
ど発生しないので、ダミーファイバケーブル5内に破断
部は存在せず、ファイバ内で反射は起こらない。そこで
続いて戻ってくる光は、ダミーファイバケーブル5と心
線選択器7との接続地点A2の微小なずれで生じるフレ
ネル反射光である。
【0039】信号処理部37は、所定時刻毎t1、t2
・・・tn(測定分解能による)に受光部35から電気
信号に変換されたこの信号を読み込んで、増幅器で増幅
した後、最小二乗法及び平均化処理を行い、読込んだ測
定値から誤差を取り除いた測定真値42を算出する。算
出された測定真値42は、測定値の取得時刻41共に対
応付けられてパソコン9に出力されメモリ97に蓄積さ
れる(S3〜S4)。尚、測定分解能は装置により異な
るが、200kmの被測定光ファイバケーブルに対して
5000ポイントの測定可能である。
【0040】ここで、最小二乗法(5点法ともいう。)
により測定真値42を求める方法を説明する。障害地点
で発生した光がOTDR3に戻ってくるときの光強度
は、測定する光ファイバケーブルの長手方向に対して指
数状の強度を示している。このため指数状の強度を対数
変換することにより直線上の波形を得ているが、雑音が
多くS/N比が悪い状態では真の測定値に雑音が乗り上
下振動した波形となる。これにより、ある接続地点B1
とある接続地点B2の2点のみを測定して算出すると、
測定器の測定分解能や測定点の指定位置の取り方により
測定値が大きく変動する可能性がある。そこで、接続地
点B1の前に測定地点B3の光強度を測定しておき、更
に接続地点B2の後方で測定地点B4の光強度を測定し
て、B3〜B1を結んだ直線と、B2〜B4を結んだ直
線のそれぞれを統計学的手法である最小二乗法を用いて
直線近似を行うことで、測定誤差の小さい測定真値を求
めることができる。
【0041】また、平均化処理方法を用いて測定真値4
2を求める方法も簡単に説明する。例えば反射光を受光
した場合、反射波形は同じファイバで同じ条件で測定し
ても同じ波形にはならない。反射波形が同じにならない
原因は、LDやAPD等のショット雑音成分や増幅器の
熱雑音等の測定系による雑音成分から影響を受けること
よる。そこで、測定値からこの雑音成分を取り除くため
に、測定を繰り返し行い、得られたデータの平均値を測
定真値として採用する。このような処理を平均化処理と
いい、平均値を算出するためには、必要に応じ2
(2〜14)の測定回数を行う必要があるとされてい
る。
【0042】続いて、図2に戻り、パソコン9(自動測
定プログラム)は、試験光が被測定光ファイバケーブル
11の終端まで達したか否かの判定を行う。試験光が終
端に達した場合は終端で大きな反射が発生し、その後O
TDR3に反射光は戻って来ないので、一定時間経過
後、反射光が戻って来なければ試験光は終端に達したと
判定する。若しくは、予め被測定光ファイバケーブル1
1の測定長が判っていれば、測定長から測定終了時刻を
推定できるので、推定時刻経過後、反射光が戻って来な
い場合は試験光が終端に達した判定する。また、試験光
が終端まで達していない場合は、ステップS2に戻り、
継続して反射光又は散乱光の受光及び信号処理を行い、
終端までの全ての測定値を取得して取得時刻41と共に
パソコン9のメモリ97(データベース40)に記録す
る(S5)。
【0043】比較部91は、メモリ97に記憶される測
定真値42からダミーファイバケーブル5上の任意の位
置に対応する測定真値42を読み込み、予め記憶されて
いる光源31の基準光出力レベル許容範囲内47である
か比較する。比較の結果、測定真値42が基準光出力レ
ベル許容範囲47内であるときは、光源31が正常発光
していると判定し、メモリ97に記憶されている測定真
値42と基準光出力レベル46との対数比から伝送損失
(dB)45を算出してメモリ97に記憶する。また同
時に、取得時刻41から障害地点までの距離43を求め
てメモリ97に記憶する(S6〜S7)。
【0044】一方、ステップS6において、比較の結
果、測定真値42が基準光出力レベル許容範囲47外で
あるときは、データ補正部93に補正命令を出力する。
データ補正部93は、補正命令を受信すると、メモリ9
7から光源31の基準光出力レベル46と測定真値42
を読込んでレベル差分(補正値)を算出する。続いて、
メモリ97から順に被測定光ファイバケーブルの測定真
値42を読込んで、この補正値を測定真値に加算(又は
減算)することで、補正後の新たな測定真値44を得
る。得られた新たな測定真値44は、読み出した測定真
値と関連付けられて再びメモリ97に記憶される。ま
た、補正後の測定真値44と基準光出力レベル46との
対数比から伝送損失(dB)45を算出し、光伝送損失
もメモリ97に記憶する(S8)。
【0045】具体的には、データベース40に記録され
ているダミーファイバケーブルの任意の位置、例えばレ
コード番号「1」の測定真値42を読込み、この値
(4.3mW)が基準光出力レベル許容範囲47(4.
9〜4.7mW)に含まれるか否か比較する。比較の結
果、許容範囲に含まれないことを確認すると、その差分
を算出する(差分は4.7−4.3=0.4mW)。こ
の差分を補正値みなして測定真値42の各値に加算し、
得られた各補正後の測定真値を補正後44の欄に記録す
る(4.7mW、4.6mW、4.5mW、4.5mW
・・・)。
【0046】メモリ97に伝送損失45(補正があった
場合は補正後の伝送損失)と距離43の記憶が終了する
と、グラフ作成部95にグラフ作成命令が出力される。
グラフ作成部95は、メモリ97から距離43と伝送損
失45を読込んで、距離43と伝送損失45の交点を伝
送損失−距離軸の座標系にプロットし、生成した伝送損
失特性グラフを表示装置13に出力する(S9〜S1
0)。
【0047】以上のように測定された値を座標系に全て
プロットすると、図3に示す伝送損失特性が示される。
また、上記伝送損失の測定が終了すると、心線選択器7
の接続を切換えて、次の被測定光ファイバケーブルの測
定を行う。
【0048】従って、上記実施の形態によれば、これま
で試験装置のウォーミングアップ時や使用環境により光
出力レベルが変動したりや不安定動作することにより低
下していた光レベルを、予め試験装置に設定されている
正常発光時の基準光出力レベルと比較して、基準光出力
レベルよりも低下している場合又は上昇している場合
は、補正値を算出して測定値を補正する処理機能を設け
ることで、内部に温度制御器、冷却器又は外部にフォト
ダイオード、このフォトダイオードの給電調節を行う駆
動回路も設けることなく、被測定光ファイバケーブルの
本来の伝送損失特性を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上により、本発明は、コスト、消費電
力を抑えつつ、光出力レベルの低下、変動による光出力
レベルの変動を補正することができる光線路試験装置及
び伝送損失特性の補正方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光線路試験装置の構
成概略図である
【図2】被測定光ファイバケーブルの光伝送損失測定及
びデータ補正方法を示すフローチャート図である。
【図3】被測定光ファイバケーブルの測定値及び測定値
をもとに求められた補正値をまとめた表の一例である。
【図4】本発明の実施の形態に係る伝送損失特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 光線路試験装置 3 光反射測定器(OTDR) 5 ダミーファイバケーブル 7 心線選択器 9 パソコン 11 被測定光ファイバケーブル 13 表示装置 31 光源 33 光分岐部 35 受光部 37 信号処理部 39 タイマ 40 データベース 41 取得時間 42 測定真値 43 距離 44 測定真値を補正した後の値 45 伝送損失値 46 基準光出力レベル 47 基準光出力レベル許容範囲 91 比較部 93 データ補正部 95 グラフ作成部 97 メモリ(自動測定プログラム、データベース)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安原 賢治 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2G086 BB01 CC03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から分岐手段を介して被測定光ファ
    イバに入射光を入射させ、該被測定光ファイバから戻っ
    てきた光を前記分岐手段で分岐し、得られた光レベルを
    一定時間毎に内部に取り込む光線路試験装置において、 前記分岐手段と前記被測定光ファイバケーブルとの間に
    設けられ、前記入射光が前記被測定光ファイバケーブル
    に伝達可能に接続させるダミーファイバケーブルと、 前記分岐手段で分岐された前記ダミーファイバケーブル
    の任意の位置から戻ってきた光レベルと予め設定されて
    いる光源の基準光レベルとを比較する比較手段と、 前記比較手段による比較結果に基づいて被測定光ファイ
    バケーブルから戻ってきた光レベルを補正する補正手段
    と、 前記補正された光レベルを光出力レベル−時間軸上に定
    義して得られる伝送損失特性を外部出力する手段とを備
    えることを特徴とする光線路試験装置。
  2. 【請求項2】 前記比較手段は、 前記ダミーファイバケーブルの任意の位置での光レベル
    と前記基準光レベルとを比較し、該光レベルと前記基準
    光レベルとの差分が所定値以上であれば前記被測定光フ
    ァイバケーブルから戻ってきた光レベルを補正する補正
    命令を出力することを特徴とする請求項1記載の光線路
    試験装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、 補正命令を受信すると、前記ダミーファイバケーブルの
    任意の位置での光レベルと前記基準光レベルから補正値
    を算出し、被測定光ファイバケーブルから戻ってきた光
    レベルに補正値を加算又は減算する補正を行うことを特
    徴とする請求項1記載の光線路試験装置。
  4. 【請求項4】 光源から出射された光を分岐手段を介し
    て被測定光ファイバケーブルに入射させ、該被測定光フ
    ァイバケーブルから戻ってきた光を前記分岐手段で分岐
    し、一定時間毎に内部に取り込んで光出力レベル−時間
    軸上に定義する伝送損失特性の補正方法において、 前記光源から出射される光を、前記分岐手段と前記被測
    定光ファイバケーブル間に設けられるダミーファイバケ
    ーブルに入射させる工程と、 前記分岐手段で分岐された前記ダミーファイバケーブル
    の任意の位置から戻ってきた光レベルと予め設定されて
    いる光源の基準光レベルとを比較する工程と、 前記比較手段による比較結果に基づいて被測定光ファイ
    バケーブルから戻ってきた光レベルを補正する工程と、 前記補正された光レベルを光出力レベル−時間軸上に定
    義してられる伝送損失特性を外部出力する工程とを備え
    ることを特徴とする伝送損失特性の補正方法。
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