JP2005344090A - 潤滑剤、防錆剤及び防錆処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】6価クロムを使用しない鋼板の場合は、耐蝕性能が低下してしまい、切断面から腐食が進行してしまう。本発明の課題は、切断端面から鋼板の表面への錆の進行を抑制できる鋼板の防錆剤を提供することである。
【解決手段】グリースを表面張力が弱く濡れ性の良い揮発性溶剤で溶かしたことを特徴とする潤滑剤。
【選択図】なし
【解決手段】グリースを表面張力が弱く濡れ性の良い揮発性溶剤で溶かしたことを特徴とする潤滑剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑剤、防錆剤、及び防錆処理方法に関する。特に冷蔵庫の扉の切断端面からの錆の進行を防止することに関する。
冷蔵庫の扉には、一般的な塗装された鋼板が使用されているが、この鋼板が錆びると商品価値が落ちてしまう。しかし、冷蔵庫は通常台所に置かれるため、使用者が濡れた手で引出し扉を開けた時に水の滴が扉パネルの表面につき、これが落ちて扉パネルとこの扉パネルの下端をカバーする下扉キャップとの隙間から内部に浸入し、発錆の要因となる。このため塗装鋼板の表面には、防錆効果のある塗装をして、錆の発生及び進行を防いでいる。
つまり、鋼板は、冷蔵庫の扉の形状にするために切断されており、この切断端面では地鉄が露出している。この露出した切断断面(端面)より、鋼板の表面に腐食が進行してしまうおそれがある。そのため、切断断面から表面に腐食が進行しないように、鋼板の表面は強力に防錆処理される。この防錆処理のためには、一般的には、6価クロムが使用されている。
ところで、日本の家電業界各社は、環境保全・省資源の観点から、「グリーン調達制度」を制定しており、この中では、6価クロムは代替物質への移行を促されている。この6価クロムを使用しない鋼板の場合は、耐蝕性能が低下してしまい、切断面から表面側に腐食が進行してしまうおそれがある(特許文献1参照)。
このため、切断端面にグリースを塗布して防錆処理をすることが考えられるが、グリースは表面張力が高いため濡れ性が悪く均一に塗布することは難しい。また、このグリースが、塗装鋼板の表面側にはみでると外観不良となってしまうため、はみ出た場合は、きれいにふき取らなくてはならず厄介である。
特開2004−77260号公報
本発明の課題は、隙間の奥に位置した物にグリース等を簡単に塗ることを可能とすることである。
つまり、本発明の課題は、隙間の奥に位置する端面等にグリース等の潤滑剤を塗布する場合に好適な防錆剤を提供することであり、また、隙間の奥に位置する端面等にグリース等の防錆剤を塗布する場合に好適な防錆剤を提供することである。
また、本発明の課題は、隙間の奥に位置する切断端面から鋼板の表面への錆の進行を簡単に防止できる鋼板の防錆方法、及び防錆剤を提供することである。
本発明の潤滑剤は、グリースを表面張力が弱く濡れ性の良い揮発性溶剤で溶かしたことを特徴とする。また、本発明の潤滑剤は、前記グリースは、フッソ系グリースであることを特徴とする。また、本発明の潤滑剤は、前記揮発性溶剤は、フッソ系揮発性溶剤であることを特徴とする。また、本発明の潤滑剤は、前記グリースを5〜25重量%、前記揮発性溶剤を75〜95重量%で混合したことを特徴とする。また、本発明の潤滑剤は、前記グリースを10重量%、前記揮発性溶剤を90重量%で混合したことを特徴とする。
本発明の防錆剤は、グリースを表面張力が弱く濡れ性の良い揮発性溶剤で溶かしたことを特徴とする。また、本発明の防錆剤は、前記グリースは、フッソ系グリースであることを特徴とする。また、本発明の防錆剤は、前記揮発性溶剤は、フッソ系揮発性溶剤であることを特徴とする。また、本発明の防錆剤は、前記グリースを5〜25重量%、前記揮発性溶剤を75〜95重量%で混合したことを特徴とする。また、本発明の防錆剤は、前記グリースを10重量%、前記揮発性溶剤を90重量%で混合したことを特徴とする。
本発明の塗装鋼板の切断端面の防錆処理方法は、所定のサイズに裁断された塗装鋼板の端部を樹脂製品に挿入して嵌合し、この嵌合部分にグリースを揮発性溶剤で溶かした流動性のある防錆剤を注入することを特徴とする。
また、本発明の塗装鋼板の切断端面の防錆処理方法は、前記グリースは、前記樹脂製品を変質させないフッソ系グリースであることを特徴とする。
また、本発明の塗装鋼板の切断端面の防錆処理方法は、前記揮発性溶剤は、前記樹脂製品を変質させないフッソ系揮発性溶剤であることを特徴とする。更に、この防錆剤は、前記グリースを5〜25重量%、前記揮発性溶剤を75〜95重量%で混合したことを特徴とする。また、本発明の防錆剤は、前記グリースを10重量%、前記揮発性溶剤を90重量%で混合したことを特徴とする。
また、本発明は、所定のサイズに裁断された塗装鋼板からなる扉外板と、この扉外板の上端が挿入されて嵌合する樹脂製の上扉キャップと、この扉外板の下端が挿入されて嵌合する樹脂製の下扉キャップと、扉内板と、この扉内板と前記上下扉キャップと前記扉外板で形成された空間に充填される発泡断熱材とを備えた冷蔵庫の扉の防錆処理方法において、グリースを揮発性溶剤で溶かした流動性のある防錆剤を前記下扉キャップと前記扉外板との嵌合部分に注入することを特徴とする。
また、本発明は、所定のサイズに裁断された塗装鋼板からなる扉外板と、この扉外板の上端が挿入されて嵌合する樹脂製の上扉キャップと、この扉外板の下端が挿入されて嵌合する樹脂製の下扉キャップと、扉内板と、この扉内板と前記上下扉キャップと前記扉外板で形成された空間に充填される発泡断熱材とを備えた冷蔵庫の扉の防錆処理方法において、グリースを揮発性溶剤で溶かした流動性のある防錆剤を前記下扉キャップと前記扉外板との嵌合部分に注入することにより、前記嵌合部分に毛細管現象により防錆剤が侵入し、揮発性溶剤が揮発した後には前記グリースにより前記扉外板の下端を保護することを特徴とする。
また、本発明の冷蔵庫の扉の防錆処理方法は、前記グリースは、樹脂製下扉キャップ及び前記発泡断熱剤を変質させないフッソ系グリースであることを特徴とする。
また、本発明の冷蔵庫の扉の防錆処理方法は、前記揮発性溶剤は、樹脂製下扉キャップ及び前記発泡断熱剤を変質させないフッソ系揮発性溶剤であることを特徴とする。
本発明によれば、グリースが揮発性溶剤に溶かされているので、流動性(濡れ性)が良く、隙間の中に防錆剤を簡単に侵入させることができる。しかも、侵入後は速やかに揮発するので、取り扱いも簡単である。
本発明の実施例1を図面に基づいて詳述する。図1は、冷蔵庫1である。この冷蔵庫1には、冷蔵室用回転扉2、野菜室用引出し扉3、3、冷凍室用引出し扉4が取り付けられている。
図2、図3は、冷蔵庫1の引出し扉3の組立説明図である。
この扉3は、塗装鋼板を所定サイズに裁断し折曲加工を施した扉パネル5と、上下の扉キャップ6,7と、内壁8とからなる。そして、図3に示されるように、内部は流し込まれた発泡液が発泡して断熱発泡材9となる。
扉パネル5は塗装鋼板を切断、折曲して形成されており、この周辺は切断面であり、地鉄がむき出しとなっている。
図4は、扉3の斜視図である。図5は、扉3の一部断面図である。図5から判るように扉パネル5の下端は、下扉キャップ7の周縁7aと突状7b間の嵌合部7cに挟持される。この扉パネル5、下扉キャップ7、内壁8は、充填発泡剤9により固定されている。なお、この図5の嵌合部7cの幅は、説明を容易にするために、実際より幅広に描いてある。
図6を参照しつつ、防錆剤の切断端面への塗布について説明する。図6において、注射器10には、防錆剤11が入っている。作業者は、扉3の片側を上げ、この挙げた側の下扉キャップ7と扉パネル5との隙間に防錆剤を1cc程度注入する。
この防錆剤は、フッ素系溶剤が90%、フッ素系グリースが10%の液体である。
つまり、この液体を注射器10により扉の右側の隙間に表側から注入すると、扉パネル5と下扉キャップの周縁7aと突状7bとの隙間に毛細管現象により入り込み、扉パネルの裏側及び扉の左側まで進入して行く。
このように、防錆剤11は、表面張力が弱く、濡れ性の高い液体であるので、図7の如く、扉パネル5の端面5aの周辺には防錆剤11が侵入する。
防錆剤の溶剤成分が揮発すると、図8の如く、残りのグリース成分が扉パネル5の下端周囲を覆い防錆効果は持続される。
このように、扉パネル5の下端周囲は防錆処理されるので、濡れた手で引出し扉を開けた時に水の滴が扉パネル表面につき、これが落ちて下扉キャップと扉パネルの間から端面にふれるのを抑止できる。
なお、この実施例1では、下扉キャップ側にのみ防錆剤を注入したが、上扉キャップ側にも防錆剤を注入するようにしてもよい。
なお、実施例1では、隙間の奥に防錆剤を浸入させることについて述べたが、本願はこれに限定されるわけではなく、本願は、隙間の中の物体にグリースを塗布することが可能である。従って、本実施例の防錆剤は、隙間の中の物体にグリースを塗布するための潤滑剤としても利用できる。
1 冷蔵庫、
3 扉、
5 扉パネル(塗装鋼板)、
5a 端面(切断端面、塗装鋼板の下端)、
6 樹脂製の上キャップ、
7 樹脂製の下キャップ、
7c 嵌合部、
8 内板、
9 発泡断熱材、
10 注射器、
11 防錆剤(潤滑剤)。
3 扉、
5 扉パネル(塗装鋼板)、
5a 端面(切断端面、塗装鋼板の下端)、
6 樹脂製の上キャップ、
7 樹脂製の下キャップ、
7c 嵌合部、
8 内板、
9 発泡断熱材、
10 注射器、
11 防錆剤(潤滑剤)。
Claims (15)
- グリースを表面張力が弱く濡れ性の良い揮発性溶剤で溶かしたことを特徴とする潤滑剤。
- 前記グリースは、フッソ系グリースであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤。
- 前記揮発性溶剤は、フッソ系揮発性溶剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤。
- 前記グリースを5〜25重量%、前記揮発性溶剤を75〜95重量%で混合したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の潤滑剤。
- グリースを表面張力が弱く濡れ性の良い揮発性溶剤で溶かしたことを特徴とする防錆剤。
- 前記グリースは、フッソ系グリースであることを特徴とする請求項5に記載の防錆剤。
- 前記揮発性溶剤は、フッソ系揮発性溶剤であることを特徴とする請求項5又は請求項5に記載の防錆剤。
- 前記グリースを5〜25重量%、前記揮発性溶剤を75〜95重量%で混合したことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の防錆剤。
- 所定のサイズに裁断された塗装鋼板(5)の端部を樹脂製品(7)に挿入して嵌合し、この嵌合部分(7c)にグリースを揮発性溶剤で溶かした流動性のある防錆剤(11)を注入することを特徴とする塗装鋼板(5)の切断端面の防錆処理方法。
- 前記グリースは、前記樹脂製品(7)を変質させないフッソ系グリースであることを特徴とする請求項9に記載の塗装鋼板の切断端面の防錆処理方法。
- 前記揮発性溶剤は、前記樹脂製品(7)を変質させないフッソ系揮発性溶剤であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の塗装鋼板の切断端面の防錆処理方法。
- 所定のサイズに裁断された塗装鋼板からなる扉外板(5)と、この扉外板(5)の上端が挿入されて嵌合する樹脂製の上扉キャップ(6)と、この扉外板(5)の下端が挿入されて嵌合する樹脂製の下扉キャップ(7)と、扉内板(8)と、この扉内板(8)と前記上下扉キャップ(6,7)と前記扉外板(5)で形成された空間に充填される発泡断熱材(10)とを備えた冷蔵庫の扉(3)の防錆処理方法において、
グリースを揮発性溶剤で溶かした流動性のある防錆剤(11)を前記下扉キャップ(7)と前記扉外板(5)との嵌合部分(7c)に注入することを特徴とする冷蔵庫の扉の防錆処理方法。 - 所定のサイズに裁断された塗装鋼板からなる扉外板(5)と、この扉外板(5)の上端が挿入されて嵌合する樹脂製の上扉キャップ(6)と、この扉外板(5)の下端が挿入されて嵌合する樹脂製の下扉キャップ(7)と、扉内板(8)と、この扉内板(8)と前記上下扉キャップ(6,7)と前記扉外板(5)で形成された空間に充填される発泡断熱材(10)とを備えた冷蔵庫の扉(3)の防錆処理方法において、
グリースを揮発性溶剤で溶かした流動性のある防錆剤を前記下扉キャップ(7)と前記扉外板(5)との嵌合部分に注入することにより、前記嵌合部分(7c)に毛細管現象により防錆剤(11)が侵入し、揮発性溶剤が揮発した後には前記グリースにより前記扉外板(5)の下端(5a)を保護することを特徴とする冷蔵庫の扉の防錆処理方法。 - 前記グリースは、樹脂製下扉キャップ(7)及び前記発泡断熱剤(10)を変質させないフッソ系グリースであることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の冷蔵庫の扉(3)の防錆処理方法。
- 前記揮発性溶剤は、樹脂製下扉キャップ(7)及び前記発泡断熱剤(10)を変質させないフッソ系揮発性溶剤であることを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれか1項に記載の冷蔵庫の扉の防錆処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004169194A JP2005344090A (ja) | 2004-06-07 | 2004-06-07 | 潤滑剤、防錆剤及び防錆処理方法 |
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Publications (1)
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JP2005344090A true JP2005344090A (ja) | 2005-12-15 |
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Family Applications (1)
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JP2004169194A Withdrawn JP2005344090A (ja) | 2004-06-07 | 2004-06-07 | 潤滑剤、防錆剤及び防錆処理方法 |
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JP (1) | JP2005344090A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010079743A1 (ja) * | 2009-01-09 | 2010-07-15 | 株式会社ジャパンエナジー | 潤滑剤組成物および潤滑液組成物 |
-
2004
- 2004-06-07 JP JP2004169194A patent/JP2005344090A/ja not_active Withdrawn
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WO2010079743A1 (ja) * | 2009-01-09 | 2010-07-15 | 株式会社ジャパンエナジー | 潤滑剤組成物および潤滑液組成物 |
JPWO2010079743A1 (ja) * | 2009-01-09 | 2012-06-21 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 潤滑剤組成物および潤滑液組成物 |
JP5707589B2 (ja) * | 2009-01-09 | 2015-04-30 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 潤滑剤組成物および潤滑液組成物 |
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