JP2005343982A - 熱硬化性粉体塗料及び熱硬化性粉体塗料の製造方法 - Google Patents

熱硬化性粉体塗料及び熱硬化性粉体塗料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 いわゆる湿式製法によって得られる熱硬化性粉体塗料であるにも拘らず、低温硬化性が十分に高く、黄変やいわゆるワキの発生を十分に防止しつつ比較的低温で焼き付け硬化させても高水準の架橋密度及び外観を有する塗膜を得ることが可能となり、濃彩色のみならず淡彩色の適用にも適した熱硬化性粉体塗料を提供すること。
【解決手段】 有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離して得られる熱硬化性粉体塗料であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂と、硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを含有するものであることを特徴とする熱硬化性粉体塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、湿式製法による熱硬化性粉体塗料及びその製造方法に関する。
粉体塗料は、大気中に放出される有機溶剤がないことから環境に対してやさしい塗料として注目を浴びている。その中でも、熱硬化性粉体塗料が、塗膜性能及び塗膜物性といった観点から特に用いられており、近年では、塗膜外観が非常に良好であって自動車車体の塗装に適用できるような、より性能の高い熱硬化性粉体塗料が求められるようになってきている。
このような熱硬化性粉体塗料においては、塗装工程において粉体塗料を加熱溶融することにより塗膜を形成させることとなるが、加熱溶融させて得られた塗料の流動性が低いため溶剤型塗料に比べ塗膜の平滑性が十分に得られないという問題があった。一方、融点の低い原料や分子量の低い原料を用いることで熱硬化性粉体塗料の溶融粘度を低減させて加熱溶融時の塗料の流動性を向上させた場合には、得られる塗膜の平滑性は向上するものの、耐ブロッキング性や耐固相反応性といった粉体塗料の貯蔵安定性が低下するという問題があった。
このような問題に対し、特開2003−105264号公報(特許文献1)においては、所定のSP値、ガラス転移温度、数平均分子量及び粘度を有する2種類の熱硬化性樹脂を原料としていわゆる湿式製法により製造して得られる熱硬化性粉体塗料が開示されている。このような特許文献1に記載の熱硬化性粉体塗料は貯蔵安定性及び塗装面の平滑性といった面で十分な性能を発揮することが可能であった。
しかしながら、特許文献1に記載の熱硬化性粉体塗料であっても、低温硬化性が必ずしも十分なものではなく、それ故に高温で焼付ける必要性があることから、黄変やワキが発生してしまうことがあり、特に淡彩色に適用する熱硬化性粉体塗料として必ずしも十分なものではなかった。なお、いわゆる「ワキ」とは、加熱溶融時に溶剤が抜けることによってピンホールが生じてしまう現象である。
一方、低温硬化性に関しては特開平11−116854号公報(特許文献2)、特開2003−176450号公報(特許文献3)及び特開2003−286445号公報(特許文献4)に開示されているような硬化系を適用することによって向上するものの、このような特許文献2〜4に記載の熱硬化性粉体塗料にあっては耐ブロッキング性や耐固相反応性といった粉体塗料の貯蔵安定性が低下するという問題があった。
特開2003−105264号公報 特開平11−116854号公報 特開2003−176450号公報 特開2003−286445号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、いわゆる湿式製法によって得られる熱硬化性粉体塗料であるにも拘らず、低温硬化性が十分に高く、黄変やいわゆるワキの発生を十分に防止しつつ比較的低温で焼き付け硬化させても高水準の架橋密度及び外観を有する塗膜を得ることが可能となり、濃彩色のみならず淡彩色の適用にも適した熱硬化性粉体塗料並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、いわゆる粉体塗料の湿式製法において、(i)エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂とカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを組み合わせて用いるか、或いは(ii)エポキシ基含有アクリル樹脂とカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とブロックされた多官能イソシアネート化合物とを組み合わせて用いることにより、前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の熱硬化性粉体塗料は、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離して得られる熱硬化性粉体塗料であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂と、硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを含有することを特徴とするものである。
また、本発明の第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法は、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する熱硬化性粉体塗料の製造方法であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂と、硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを含有することを特徴とする方法である。
上記本発明にかかるイソシアネート基としては、3級イソシアネート基であることが好ましい。
また、本発明の第2の熱硬化性粉体塗料は、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離して得られる熱硬化性粉体塗料であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基含有アクリル樹脂と、第1の硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物と、第2の硬化剤としてのブロックされた多官能イソシアネート化合物とを含有するものであり、前記ブロックされた多官能イソシアネート化合物の含有量が調製される塗料固形分に対して0.3〜20質量%となっていることを特徴とするものである。
また、本発明の第2の熱硬化性粉体塗料の製造方法は、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する熱硬化性粉体塗料の製造方法であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基含有アクリル樹脂と、第1の硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物と、第2の硬化剤としてのブロックされた多官能イソシアネート化合物とを含有するものであり、前記ブロックされた多官能イソシアネート化合物の含有量が調製される塗料固形分に対して0.3〜20質量%となっていることを特徴とする方法である。
上記本発明にかかるブロックされた多官能イソシアネート化合物が、3級イソシアネート基を有するジイソシアネート化合物、前記ジイソシアネート化合物のアダクト体、及び前記ジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
また、前記第1及び第2の熱硬化性粉体塗料の製造方法において、前記水溶性高分子が曇点を示さない水溶性高分子と30〜90℃の範囲に曇点を示す水溶性高分子との混合物であることが好ましく、その場合、(1)前記曇点未満の温度で前記有機溶剤を含む樹脂溶液を該水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製する工程と、(2)前記懸濁液を前記曇点未満の温度範囲内で昇温し、分散相中に一次粒子を形成せしめる工程と、(3)前記一次粒子を含んだ懸濁液を、前記曇点以上の温度に昇温し、一次粒子を凝集させて二次粒子を形成せしめるとともに、二次粒子中の有機溶剤を系外に留去して粒子を固化させる工程と、(4)固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する工程とを備えることが好ましい。
本発明によれば、いわゆる湿式製法によって得られる熱硬化性粉体塗料であるにも拘らず、低温硬化性が十分に高く、黄変やいわゆるワキの発生を十分に防止しつつ比較的低温で焼き付け硬化させても高水準の架橋密度及び外観を有する塗膜を得ることが可能となり、濃彩色のみならず淡彩色の適用にも適した熱硬化性粉体塗料並びにその製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の熱硬化性粉体塗料及び熱硬化性粉体塗料の製造方法をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法]
本発明の第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法は、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、前記懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する熱硬化性粉体塗料の製造方法であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂と、硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを含有するものであることを特徴とするものである。
このように本発明にかかる樹脂溶液は有機溶剤を含有し、更にエポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂と、硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを含有する。なお、ブロックされたイソシアネート基とは、イソシアネート基を保護基でブロックした基であり、熱、湿気等により保護基が外れてイソシアネート基を発生させることができるものである。
本発明に用いるエポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂は、エポキシ基含有モノマーと、重合型イソシアネート化合物と、エポキシ基含有モノマーと反応しないモノマーとを常法に従って共重合させて、これにブロック剤を配合してイソシアネート基をブロックさせることで得ることができる。
このようなエポキシ基含有モノマーとしては1分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基を含有しているモノマーであればよく、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられる。
また、重合型イソシアネート化合物としては、エポキシ基含有モノマーと重合可能なイソシアネート化合物であればよく、特に制限されないが、反応性が高いという観点から、イソプロぺニル基を有する芳香族イソシアネート化合物、イソプロペニル基を有する脂肪族イソシアネート化合物が好ましく、下記一般式:
Figure 2005343982
(式中、Rはフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基からなる群から選択される基を示し、Yは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜12のアルキレン基を示し、mは0又は1を示し、nは0〜4の整数を示す。)
で表される重合型イソシアネート化合物がより好ましい。前記一般式において、Yは炭素数1〜4のアルキル基であるが、中でもメチル基が好ましい。また、Xは炭素数1〜12のアルキレン基であるが、中でもメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が好ましく、イソプロピレン基が特に好ましい。また、このような重合型イソシアネート化合物としては、具体的には、トリレン−2−イソプロペニル−4−イソシアネート、トリレン−4−イソプロペニル−2−イソシアネート、トリレン−2−イソプロペニル−6−イソシアネート、4−イソプロペニル−1−メチルシクロヘキサン−2−イソシアネート、2−イソプロペニル−1−メチルシクロヘキサン−4−イソシアネート、2−イソプロペニル−1−メチルシクロヘキサン−6−イソシアネート、1−イソプロペニルナフタレン−5−イソシアネート、1−イソプロペニルベンゼン−4−イソシアネート(p−フェニレンイソプロペニルイソシアネート)、3−イソプロペニルベンジルイソシアネート、1−イソプロペニルベンゼン−3−イソプロピルイソシアネート等の化合物が挙げられる。また、このような重合型イソシアネート化合物としては、反応性が高いという観点から、前記一般式で表される重合型イソシアネート化合物のXが3級イソシアネート基(特に好ましくはイソプロピレン基)を有する重合型イソシアネート化合物であることが好ましい。なお、3級イソシアネート基とは、イソシアネート基と結合している炭素に結合した置換基の数が3であり、イソシアネート基と結合している炭素がいわゆる3級のものであることをいう。
また、エポキシ基含有モノマーと反応しないモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、スチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン等が挙げられる。
ブロック剤としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール等のフェノール系化合物、2−ヒドロキシピリジン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール,n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアエトン等の活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミド等の酸アミド系化合物、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系化合物、ホルムアミドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾール、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のアミン系化合物が挙げられる。
また、エポキシ基含有モノマー(A)と、重合型イソシアネート(B)と、エポキシ基含有モノマーと反応しないモノマー(C)とを共重合させる場合において、エポキシ基含有モノマー(A)とエポキシ基含有モノマーと反応しないモノマー(C)との配合比は、固形分の質量換算比で(A):(C)=70:30〜30:70であることが好ましく、(A):(C)=55:45〜45:55であることがより好ましい。前記範囲よりも(C)の配合比が小さくなると得られる塗膜の透明性が低下する傾向にあり、他方、前記範囲よりも(C)の配合比が大きくなると熱硬化性が低くなり塗膜性能が低下する傾向にある。
また、エポキシ基含有モノマーと、重合型イソシアネートと、エポキシ基含有モノマーと反応しないモノマーとを共重合させた後に、ブロック剤を配合して得られるアクリル樹脂の数平均分子量は、低すぎると粉体の耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、他方、高すぎると溶融粘性が増し外観が低下する傾向にあるという観点から、1000〜4000であるものが好ましく、2000〜4000であるものがより好ましい。
また、本発明において硬化剤として用いるカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物は、室温で結晶性固体である多価カルボン酸化合物及びその無水物が好ましく、具体的には、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸等の多価カルボン酸化合物、及びそれらの酸無水物化合物等を挙げることができる。なお、ここで「室温」とは約25℃を意味する。
このような脂肪族多価カルボン酸化合物としては、例えば、デカンジカルボン酸、アジピン酸、マレイン酸、マロン酸、エチルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、グルタル酸、メチルグルタル酸、ジメチルグルタル酸、セバチン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、3−iso−オクチルヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、クエン酸、トリカルバリン酸等を挙げることができる。また、芳香族多価カルボン酸化合物としては、例えば、フタル酸等を用いることができる。また、これらの酸無水物化合物としては、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、フタル酸無水物等を挙げることができる。
また、多価カルボン酸化合物としては、前記のもの以外に合成によって得られた多価カルボン酸化合物も室温で結晶性固体であれば用いることができる。このような合成多価カルボン酸化合物としては、具体的には、多価アルコールと酸無水物との反応によって得られるものを挙げることができ、例えば、ブタンジオールとコハク酸無水物から得られるブタンジオールスクシネート、ヘキサンジオールとコハク酸無水物から得られるヘキサンジオールスクシネート、ノナンジオールとコハク酸無水物から得られるノナンジオールスクシネート、及びネオペンチルグリコールとトリメリット酸無水物とコハク酸無水物との1対1対1付加物等を挙げることができる。
また、本発明において硬化剤として用いるカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物は、前記した室温で結晶性固体である多価カルボン酸化合物及びその無水物の1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、本発明にかかる硬化剤は、前記した室温で結晶性固体である多価カルボン酸化合物及びその無水物の他に更に種類の異なるカルボン酸化合物を混合して用いることもできる。このような種類の異なるカルボン酸化合物としては、室温で非晶質固体及び液体である多価カルボン酸化合物や室温での形態が限定されないモノカルボン酸化合物等を挙げることができ、具体的には、セバチン酸、ラウリル酸、ステアリル酸や8−エチルオクタデカン酸等の脂肪族モノカルボン酸化合物、ノナンジオールとヘキサヒドロフタル酸無水物との1対2付加物等の室温で液体のものが挙げられる。このような種類の異なるカルボン酸化合物は、2種類以上であってよい。
また、多価カルボン酸化合物と、この多価カルボン酸化合物と種類の異なるカルボン酸化合物の混合方法は、特に限定されるものではないが、それぞれの粒径を小さくして混合する方法や、溶剤などに溶解し液状にして混合する方法が好ましい。
また、本発明にかかる有機溶剤としては、実質的に水と混和しないもの、すなわち水に対する溶解度が10質量%以下の有機溶剤を用いることが好ましく、具体的には、キシレン、トルエン、シクロヘキサン、酢酸エチル等が挙げられる。
また、樹脂溶液中の樹脂の固形分質量は10〜80質量%となるように調整することが好ましく、20〜50質量%とすることがより好ましい。前記下限未満では溶液粘度が低く粗粒子が多く残存する傾向にある。一方、前記上限を超えると液粘度が高く微粒子が多く発生する傾向にある。
また、本発明に用いる樹脂溶液としては、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂の他に、更に他の樹脂を含有させて調製した樹脂溶液を好適に用いることができる。以下、このようにして組み合わされて含有される樹脂を「樹脂A」及び「樹脂B」として説明するが、前記のエポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂が樹脂Aで前記他の樹脂が樹脂Bであってもよく、前記のエポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂が樹脂Bで前記他の樹脂が樹脂Aであってもよい。
樹脂A及び樹脂Bを用いて樹脂溶液を調製する場合においては、樹脂A及び樹脂BのSP値の差、すなわち(樹脂AのSP値)−(樹脂BのSP値)の値が0.1〜1.0であることが好ましい。樹脂Aと樹脂BのSP値の差が0.1より小さい場合には貯蔵時における耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、SP値の差が1.0より大きい場合には樹脂Aと樹脂Bの相溶性が悪くなるため、塗膜の平滑性が得られず塗膜の外観が低下する傾向にある。また、このような樹脂A及び樹脂Bを用いた場合には、樹脂AのSP値が樹脂BのSP値よりも大きいので、分散相中の粒子として樹脂Aは相対的に粒子の外側に位置し、樹脂Bは相対的に粒子の内側に位置することとなる。
また、前記樹脂A及び樹脂Bは、樹脂Aのガラス転移温度が50〜100℃、数平均分子量が2000〜4000であることが好ましく、また、樹脂Bのガラス転移温度が20〜70℃、数平均分子量が1000〜4000であることが好ましい。樹脂A及び樹脂Bのガラス転移温度及び数平均分子量は、上記の範囲より低いと、耐ブロッキング性が低下する傾向にある。また、上記の範囲より高くなると、溶融粘度が上昇し、塗膜外観が低下する傾向にある。また、樹脂A及び樹脂Bのガラス転移温度及び数平均分子量が上記の範囲を外れると、樹脂A及び樹脂Bの互いの相溶性が悪くなるため、塗膜外観が低下する傾向にある。このように樹脂Aの(数平均分子量/100+ガラス転移温度)の値は90以上であり、樹脂Bの(数平均分子量/100+ガラス転移温度)の値は89以下の樹脂A及び樹脂Bを用いると樹脂Aは樹脂Bに比べ固い樹脂であるため、得られる熱硬化性粉体塗料は、比較的軟らかな樹脂Bの周囲に比較的固い樹脂Aが配置することとなる。このため、耐ブロッキング性に優れるとともに、粒子全体としては溶融粘度が低くなるため塗膜の平滑性に優れる傾向にある。
また、樹脂A/樹脂Bの固形分質量の比が5/95〜50/50であり、かつ熱硬化性粉体塗料の140℃での昇温試験における粘度が40mPa・秒以下であることが好ましい。樹脂Aの含有量が前記下限より低くなると、耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、他方、樹脂Aの含有量が前記上限を超えると、溶融粘度が上昇し、塗膜外観が低下する傾向にある。
このように2種類の樹脂A及び樹脂Bを用いて樹脂溶液を調製する場合においては、得られる熱硬化性粉体塗料の140℃昇温試験における粘度は、40mPa・秒以下であることが好ましい。この粘度がこの範囲よりも高くなると、良好な塗膜の平滑性が得られず、塗膜外観が悪くなる傾向にある。また、樹脂Aの140℃昇温試験における粘度は、500mPa・秒以上であることが好ましい。この粘度がこの範囲よりも低くなると、耐ブロッキング性が低下する傾向にある。更に、樹脂Bの140℃昇温試験における粘度は、300mPa・秒以下であることが好ましい。この粘度がこの範囲よりも高くなると、溶融粘度が上昇し、塗膜外観が低下する傾向にある。
また、樹脂溶液に、硬化剤が固体の状態で分散して含まれていることが好ましい。さらに、樹脂Aの好ましい具体例としては、エポキシ基含有アクリル樹脂が挙げられる。
また、樹脂A及び樹脂Bを用いて樹脂溶液を調製した場合には、樹脂A及び樹脂Bのそれぞれの樹脂溶液を別々に水溶性高分子の水溶液に添加して用いることもできるが、添加前にそれぞれの熱硬化性樹脂溶液を混合して1つの溶液とした後に、これを水溶性高分子の水溶液に添加することが好ましい。
また、本発明にかかる水溶性高分子としては、曇点を示さない水溶性高分子であっても、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子であってもよく、更には、これらを混合して用いてもよい。このような水溶性高分子の中でも、得られる分散相中の粒子の粒子径を制御することができるという観点から、曇点を示さない水溶性高分子と、30〜90℃の範囲に曇点を示す水溶性高分子の2種類を混合したものが好適に用いられる。
このような曇点を示さない水溶性高分子の具体例としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、ケン化度が85%以上の部分ケン化ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等、その水溶液を加温して100℃以下で曇点現象を示さない水溶性高分子が挙げられる。このような曇点を示さない水溶性高分子は、1種類だけで用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子の具体例としては、ケン化度が85%より小さいポリビニルアルコール部分ケン化物、部分ホルマー化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の部分的に疎水性基を含有するポリビニルアルコール系重合体、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリエチレングリコールアルキルエーテル及びエチレングリコールプロピレングリコールブロック共重合体等、その水溶液を加温して30〜90℃の範囲内で曇点現象を示すものを挙げることができ、更に上記曇点を示さない水溶性高分子に対して電解質を添加することによって30〜90℃の範囲内に曇点を付与したものであってもよい。
また、水溶性高分子を含む水溶液の溶媒としては、イオン交換水を挙げることができる。このような溶媒に、前記した水溶性高分子を添加して水溶性高分子を含む水溶液を調製することができる。なお、水溶性高分子を含む水溶液を調製において、水溶液中に含有させる水溶性高分子の濃度は、0.02〜20質量%程度となることが好ましい。また、曇点を示さない水溶性高分子と30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子の固形分換算による質量比は、99/1〜10/90の範囲であることが好ましい。また、このような水溶性高分子を含む水溶液には、必要に応じて、顔料、各種添加剤等、その他の成分を添加することもできる。
本発明の第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法においては、先ず、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製する。
ここで、懸濁液の調製方法としては、水溶性高分子を含む水溶液中に有機溶剤を含む樹脂溶液を添加して混合液とし、得られた混合液を攪拌混合して有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製することが挙げられる。このようにして懸濁液を調製すると、懸濁液の中に樹脂溶液が分散した分散相が形成されることとなる。
また、混合液を攪拌混合する方法としては、水溶性高分子の曇点未満の温度で、機械的剪断力を与える乳化機器(例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー等)を用いて攪拌混合する方法が挙げられる。
また、水溶性高分子の曇点を利用して第1の熱硬化性粉体塗料を製造する場合には、曇点未満の温度で上記懸濁液を調製することが好ましい。なお、30〜90℃の範囲内に曇点を示す水溶性高分子を2種類以上混合して用いる場合には、温度の低い方の曇点が支配的になる。従って、使用する水溶性高分子のうち最も低い曇点未満の温度で、懸濁液を調製する。
また、水溶性高分子の曇点を利用して粒子径を制御をして第1の熱硬化性粉体塗料を製造する場合には、懸濁液を調製後、懸濁液を曇点未満の温度範囲内で昇温することにより、分散相中に一次粒子を形成させる。この時の一次粒子の体積平均粒子径は、15μm以下であることが好ましい。また、この時に、有機溶剤の一部を予め留去しておくことが好ましい。有機溶剤を留去する方法としては、系を減圧することで留去する温度を低くして行うことが好ましい。この時に分散相粒子内の有機溶剤の量が、30質量%以下になるように留去しておくことが好ましい。なお、一次粒子の粒子径は、任意にサンプリングして測定することができる。その後、前記一次粒子を含んだ懸濁液を曇点以上の温度に昇温することにより、一次粒子を凝集させて二次粒子を形成せしめる。これによって粒子径を所望の粒子径に制御する。
次に、本発明の第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法においては、前記懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する。
ここで、有機溶剤を留去する方法としては、吸引濾過等の常法を用いることができる。このようにして分散層中の粒子から有機溶剤を留去することで、分散層中の粒子が固化する。
また、水溶性高分子の曇点を利用して第1の熱硬化性粉体塗料を製造する場合における有機溶剤の留去は、昇温及び/又は減圧によって行うことができる。また、二次粒子中に含有されている樹脂は熱硬化性樹脂であるので、有機溶剤を留去する温度をできるだけ低くすることが好ましい。このような観点からは、減圧により、有機溶剤を留去する温度を低くして行うことが好ましい。
また、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する方法としては、通常の固液分離方法を用いることができ、特に制限されないが、具体的には、固化した粒子を濾過により分離する方法や遠心分離して分離する方法等を挙げることができる。このようにして分離した分離後の粒子を水洗・乾燥することにより、最終的な熱硬化性粉体塗料を得ることができる。
[第1の熱硬化性粉体塗料]
本発明の第1の熱硬化性粉体塗料は、有機溶剤を含む樹脂溶液を、水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、その懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離して得られる熱硬化性粉体塗料であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂と、硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを含有することを特徴とするものである。
このような第1の熱硬化性粉体塗料は、前述の第1の熱硬化性粉体塗料の製法を用いて製造することができ、熱硬化性粉体塗料の体積平均粒子径は、特に限定されないが、製造効率及び得られる塗膜の平滑性の観点から、5〜30μmであることが好ましい。体積平均粒子径が5μmより小さい場合は、製造効率や塗装時の塗着効率が低下する傾向にあり、他方、30μmより大きい場合は、得られる塗膜の平滑性が低下する傾向にある。
また、第1の熱硬化性粉体塗料において、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂に由来する成分の含有量は、熱硬化性粉体塗料の固形分に対して30〜80質量%となることが好ましい。前記下限未満では、熱硬化性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、塗料の耐ブロッキング性が低下する傾向にある。
また、第1の熱硬化性粉体塗料において、カルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物に由来する成分の含有量は、熱硬化性粉体塗料の固形分に対して10〜60質量%となることが好ましい。前記下限未満では、熱硬化性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、塗料の耐ブロッキング性が低下する傾向にある。
さらに、第1の熱硬化性粉体塗料において、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂の調製に使用された重合型イソシアネート化合物に由来する成分の含有量は、熱硬化性粉体塗料の固形分に対して0.3〜20質量%となることが好ましい。前記下限未満では、硬化性が低くなり塗膜性能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、焼付時に黄変やワキの発生を招く傾向にある。
また、必要に応じて、顔料、各種添加剤等を含有させることもできる。このような顔料としては、具体的に、二酸化チタン、弁柄、黄色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、アゾ系顔料等の着色顔料、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料等を挙げることができる。また、添加剤としては、具体的には、AEROSIL 130、AEROSIL 200(日本アエロジル株式会社製)等の流動付与剤、ジメチルシリコーンやメチルシリコーンなどのシリコーン類及びアクリルオリゴマー、及びベンゾインやベンゾイン誘導体などのベンゾイン類等の表面調整剤、硬化促進剤(または硬化触媒)、帯電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料分散剤などを挙げることができる。なお、第1の熱硬化性粉体塗料に顔料、各種添加剤等を含有させる場合においては、熱硬化性粉体塗料の固形分に対して顔料、各種添加剤等の含有量が10質量%以下となることが好ましい。
[第2の熱硬化性粉体塗料の製造方法]
本発明の第2の熱硬化性粉体塗料の製造方法は、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、前記懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する熱硬化性粉体塗料の製造方法であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基含有アクリル樹脂と、第1の硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物と、第2の硬化剤としてのブロックされた多官能イソシアネート化合物とを含有するものであり、前記ブロックされた多官能イソシアネート化合物の含有量が調製される塗料固形分に対して0.3〜20質量%となっていることを特徴とするものである。
このようなエポキシ基含有アクリル樹脂としては、具体的には、アクリル樹脂の1分子内に2つ以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂であればよく、特に限定されないが、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メチルグリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマーを必須として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、スチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン等の上記エポキシ基含有モノマーと反応しないモノマーを常法に従って重合させたものが好適に用いられる。
また、上記エポキシ基含有アクリル樹脂の樹脂固形分のエポキシ当量は、好ましくは100〜1000g/eq、より好ましくは150〜600g/eq、特に好ましくは200〜400g/eqである。上記エポキシ当量が100g/eqより小さい場合は、得られる塗料の貯蔵安定性が低下する傾向にある。また、上記エポキシ当量が1000g/eqより大きい場合は、得られる塗膜の性能が低下する傾向にある。
また、第1の硬化剤として用いるカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物としては、前記第1の熱硬性粉体塗料の製造に用いる硬化剤と同様のものが用いられる。
また、第2の硬化剤として用いるブロックされた多官能イソシアネート化合物としては、多官能イソシアネート化合物とブロック剤とを常法を用いて反応させたブロックされた多官能イソシアネート化合物を用いることができ、室温で液体であると塗料の耐ブロッキング性が低下するという観点からは、室温で固体であるブロックされた多官能イソシアネート化合物が好ましい。
このような多官能イソシアネート化合物としては、芳香族多官能イソシアネート化合物及び脂肪族多官能イソシアネート化合物が挙げられ、中でも、下記一般式:
(Y−R−{(X−NCO}
(式中、Rはフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、アルキル基からなる群から選択される基を示し、Yは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜12のアルキレン基を示し、pは0又は1を示し、qは2又は3を示し、rは0〜6の整数を示し、{(X−NCO}で表される基は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるジ又はトリイソシアネート化合物並びにそれらのアダクト体及びイソシアヌレート体が好ましい。前記一般式において、Yは炭素数1〜4のアルキル基であるが、中でもメチル基が好ましい。また、Xは炭素数1〜12のアルキレン基であるが、中でもメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が好ましく、イソプロピレン基が特に好ましい。このような多官能イソシアネート化合物としては、具体的には、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート又は1−メチルベンゼン−2,6−ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリデンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、並びにそれらのアダクト体及びイソシアヌレート体等が挙げられる。また、このような多官能イソシアネート化合物及びそれらのアダクト体やイソシアヌレート体としては、反応性が高く良好な塗膜性能が得られるという観点から、3級イソシアネート基を含有するジイソシアネート化合物並びにそれらのアダクト体及びイソシアヌレート体がより好ましく、具体的にはテトラメチルキシリレンジイソシアネート並びにそれらのアダクト体及びイソシアヌレート体が挙げられる。
また、樹脂溶液の調製に際して、ブロックされた多官能イソシアネート化合物は、熱硬化性粉体塗料の固形分に対する含有量が0.3〜20質量%、特に好ましくは2〜10質量%となるように調整して用いられる。熱硬化性粉体塗料の固形分に対するブロックされた多官能イソシアネート化合物の含有量が0.3質量%未満では十分な塗膜性能が得られず、他方、20質量%を超えると焼付時に黄変やワキの発生を招くこととなる。
また、本発明に用いる樹脂溶液としては、エポキシ基含有アクリル樹脂の他に、更に他の樹脂を含有させて調製した樹脂溶液を好適に用いることができる。このようにして組み合わされて含有される樹脂を「樹脂A」及び「樹脂B」として説明するが、前記のエポキシ基含有アクリル樹脂が樹脂Aで前記他の樹脂が樹脂Bであってもよく、前記のエポキシ基含有アクリル樹脂が樹脂Bで前記他の樹脂が樹脂Aであってもよい。このような樹脂A及び樹脂BのSP値、ガラス転移温度、数平均分子量、(数平均分子量/100+ガラス転移温度)の値、樹脂A/樹脂Bの固形分質量の比、得られる熱硬化性粉体塗料の粘度については、前記第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法において説明した通りである。
また、本発明かかる第2の熱硬化性粉体塗料の製造方法において用いられる有機溶剤、水溶性高分子を含む水溶液としては、第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法において用いられるものと同様のものである。更に、本発明において用いられる樹脂溶液の調製方法及び水溶性高分子を含む水溶液の調製方法としては、第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法において説明した方法と同様である。
次に、本発明の第2の熱硬化性粉体塗料の製造方法においては、先ず、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製する。このような懸濁液の調製方法としては、第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法において説明した方法と同様である。
次に、前記懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する。このような有機溶剤を留去する方法及び分散相中の粒子と懸濁液を分離する方法としては、第1の熱硬化性粉体塗料の製造方法において説明した方法と同様である。
[第2の熱硬化性粉体塗料]
本発明の第2の熱硬化性粉体塗料は、上述の第2の熱硬化性粉体塗料の製造方法によって製造される熱硬化性粉体塗料であり、有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、前記懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離して得られる熱硬化性粉体塗料であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基含有アクリル樹脂と、第1の硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物と、第2の硬化剤としてのブロックされた多官能イソシアネート化合物とを含有するものであり、前記ブロックされた多官能イソシアネート化合物の含有量が調製される塗料固形分に対して0.3〜20質量%となっていることを特徴とする熱硬化性粉体塗料である。
このような本発明の第2の熱硬化性粉体塗料の体積平均粒子径は、特に限定されないが、製造効率及び得られる塗膜の平滑性の観点から、5〜30μmであることが好ましい。体積平均粒子径が5μmより小さい場合は、製造効率や塗装時の塗着効率が低下する傾向にあり、他方、30μmより大きい場合は、得られる塗膜の平滑性が低下する傾向にある。
また、本発明の第2の熱硬化性粉体塗料において、エポキシ基含有アクリル樹脂に由来する成分の含有量は、熱硬化性粉体塗料の固形分に対して30〜80質量%となっていることが好ましい。前記下限未満では熱硬化性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、塗料の耐ブロッキング性が低下する傾向にある。
また、本発明の第2の熱硬化性粉体塗料において、カルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物に由来する成分の含有量は、熱硬化性粉体塗料の固形分に対して10〜60質量%となっていることが好ましい。前記下限未満では熱硬化性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、塗料の耐ブロッキング性が低下する傾向にある。
また、本発明の第2の熱硬化性粉体塗料において、第2の硬化剤として用いるブロックされた多官能イソシアネート化合物の含有量は、熱硬化性粉体塗料の固形分に対して0.3〜20質量%となる。前記下限未満では十分な硬化性が得られず、他方、前記上限を超えると焼付時に黄変やワキの発生を招くこととなる。
また、本発明の第2の熱硬化性粉体塗料においても、必要に応じて、顔料、各種添加剤等、その他の成分を含有させることもできる。このような顔料、添加剤は第1の熱硬化性粉体塗料において説明したものと同様である。
[塗膜形成方法]
本発明の第1及び第2の熱硬化性粉体塗料を利用した塗膜形成方法は特に制限されないが、例えば以下のようにして塗膜を形成することができる。すなわち、本発明の熱硬化性粉体塗料を被塗装物の上に塗布して付着させた後、被塗装物上の熱硬化性粉体塗料を加熱することによって、粉体塗料を溶融し硬化させて塗膜を形成する。
粉体塗料の塗装方法は、一般的な塗装方法を採用することができ、例えば、静電塗装法等により塗装することができる。下塗り及び中塗りを施すために用いられる塗料としては、電着塗料やプライマーなどの公知のものを用いることができる。
また、本発明の第1及び第2の熱硬化性粉体塗料の塗膜硬化時における加熱温度は、塗膜性能の確保とワキ、黄変の抑制という観点からは、120〜170℃とすることが好ましく、130〜150℃とすることが特に好ましい。また、加熱時間は、上記加熱温度に応じて適宜調整することができるが、好ましくは5〜40分、さらに好ましくは15〜30分である。
第1及び第2の熱硬化性粉体塗料を塗布する前に、ベース塗料を塗布してベース塗膜を形成し、このベース塗膜上に、本発明の熱硬化性粉体塗料を塗布してもよい。この場合、ベース塗膜と熱硬化性粉体塗料の塗膜を同時に加熱することによって硬化させてもよい。
また、被塗装物には、下塗りまたは下塗り及び中塗りが施されていてもよい。被塗装物としては、プラスチック、鉄板、鋼板、アルミニウム板及びそれらに表面処理を施したものなどを挙げることができる。加熱する温度は、用いた熱硬化性粉体塗料に応じて適宜設定されるが、例えば、100〜200℃である。また、加熱時間は、上記加熱温度に応じて適宜調節される。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(樹脂A1、B1、B2の調製)
攪拌装置、温度調節器、及び還流管を備えた反応容器に、キシレン63質量部を仕込み、130℃に加熱し、窒素雰囲気下で3時間かけて、表1に示す配合組成のモノマー及び開始剤の混合物を滴下した。
なお、表1に示す記号は以下のとおりである。また、表1に示す配合量の単位は質量部である。
GMA:グリシジルメタクリレート
St:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
IBMA:イソブチルメタクリレート
TMI:ジメチル メターイソイソプロペニル ベンジルイソシアネート
t−BPO:t−ブチルパーオクトエート
ε−CL:イプシロンカプロラクタム。
なお、樹脂A1及びB2については、表1に示す配合組成のモノマー及び開始剤の混合物を滴下後3時間保温した後、室温まで冷却し、さらに樹脂固形分濃度が65質量%となるようにキシレンを留去して樹脂A1及びB2を得た。また、樹脂B1については、表1に示す配合組成のモノマー及び開始剤の混合物を滴下後3時間保温した後、90℃まで冷却して表1に示す配合量のイプシロン−カプロラクタム(ブロック剤)を仕込み3時間保温し、次いで室温まで冷却し、さらに樹脂固形分濃度が65質量%となるようにキシレンを留去して樹脂B1を得た。
また、各樹脂について、SP値、ガラス転移温度(Tg)、数平均分子量(Mn)をそれぞれ測定した。なお、SP値は、濁度法により測定し、Tgは、DSC220C(セイコー電子工業社製、昇温条件5℃/分)で測定した。また、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。以上のようにして測定した特性値を表1に示す。
Figure 2005343982
(実施例1〜2及び比較例1〜2)
<硬化剤分散液の調製>
1,10−デカンジカルボン酸75質量部及びセバチン酸25質量部を混合し、これをキシレンに分散させた後、サンドグラインドミルにて粉砕して、硬化剤分散液(固形分30質量%)を調製した。
<固形硬化剤C2の調製>
固形硬化剤C2については、攪拌装置、温度調節器を備えた反応容器に、テトラメチルキシリレンジイソシアネート100質量部、イプシロンカプロラクタム34質量部およびn−ヘプタン36質量部を仕込み、90℃に加熱し窒素雰囲気下で3時間保温した。40℃まで冷却した後、吸引濾過により固形分を分離し、得られた固形分を真空乾燥器を用いて30℃で乾燥して固形硬化剤C2(ブロックされた多官能イソシアネート化合物)を得た。
<熱硬化性粉体塗料の調製>
表2に示す塗料配合で、実施例1〜2及び比較例1〜2の熱硬化性粉体塗料を製造した。すなわち、先ず、塗料配合の原料をサンドグラインドミルで混合して樹脂溶液を調製した後、この樹脂溶液をゴーセノールGH−20(日本合成化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度88%、曇点なし)6質量部、ゴーセノールKL−05(日本合成化学社製ポリビニルアルコール、ケン化度80%、曇点約80℃)3質量部、ヒドロキシプロピルセルロース(曇点約50℃)1質量部、及びイオン交換水90質量部からなる高分子水溶液に添加した。得られた混合物をホモジナイザーを用いて25℃にてさらに攪拌混合し、体積平均粒子径が5.0μmの分散相の粒子を含む懸濁液を調製した。
なお、表2に示す配合量の単位は質量部である。また、表2における「YF3919」は、東芝シリコーン社製ポリシロキサン系表面調整剤であり、「硬化剤分散液」及び「固形硬化剤C2」は、上記の硬化剤分散液の調製で作製したものである。更に、「紫外線吸収剤」は、TINUVIN928(チバスペシャリティケミカルズ社製)であり、「酸化防止剤」は、TINUVIN144(チバスペシャリティケミカルズ社製)である。
次に、得られた懸濁液にイオン交換水300質量部を加えて希釈し、これを攪拌装置、温度調節器、還流管、及び減圧装置を備えた容器に移した。前記懸濁液を30Torrまで減圧した後35℃まで加熱し分散相中に一次粒子を形成させた。その後さらに減圧度を140Torrとした後、57℃まで加熱して一次粒子を凝集させ、体積平均粒子径が10μmの二次粒子とした。なお、粒子径はコールターカウンター(コールターエレクトリクス社製)によって測定した。その後、懸濁液の分散相から有機溶剤を系外に完全に留去することによって分散相中に二次粒子を固化せしめた。
二次粒子を固化せしめた後、二次粒子の固化した懸濁液を30℃まで冷却した。その後、吸引濾過して懸濁液から二次粒子を分離し、得られた粒子を真空乾燥器を用いて30℃で乾燥して熱硬化性粉体塗料を得た。なお、得られた粉体塗料について、コールターカウンター(コールターエレクトリクス社製)によって、体積平均粒子径(dw)及び個数平均粒子径(dn)を測定した。測定結果を表2に示す。
(比較例3〜5)
<固形硬化剤C1の調製>
1,10−デカンジカルボン酸75質量部及びセバチン酸25質量部を混合し、ジェットミルを用いて体積平均粒子径3μmに粉砕し固形硬化剤C1を得た。
<粉体塗料の調製>
従来の乾式法により熱硬化性粉体塗料を製造した。具体的には樹脂溶液A1、樹脂溶液B1及び樹脂溶液B2から有機溶剤を留去して、固形樹脂とし、この固形樹脂を原料として、表2に示す塗料配合の各原料をヘンシェルミキサーを用いて混合し、さらに溶融混練機コニーダー(ブス社製)を用いて設定温度約95℃で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を室温まで冷却して再びヘンシェルミキサーで粗粉砕し、次いでハンマーミルで粉砕した後、ジェットミルを用いて微粉砕した。なお、得られた粉体塗料について、コールターカウンター(コールターエレクトリクス社製)によって、体積平均粒子径(dw)及び個数平均粒子径(dn)を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2005343982
(実施例及び比較例で得られた粉体塗料の評価)
<G値、F値及びΔb値>
以上のようにして得られた各実施例及び各比較例の熱硬化性粉体塗料を用いて以下のようにして塗膜を作製し、得られた各塗膜について以下のようにG値、F値及びΔb値を測定した。
すなわち、先ず、中塗りを施した基板上に、水性メタリックベース塗料(日本ペイント社製、商品名「アクアレックス2000 #1C0」)を乾燥膜厚が15μmとなるように静電塗装し、80℃の熱風乾燥炉で10分間予備乾燥した。基板を室温まで冷却した後、各実施例及び比較例の粉体塗料を静電塗装し、各実施例、比較例1及び比較例3〜5の粉体塗料については140℃で25分間加熱して、一方、比較例2の粉体塗料については140℃で50分間加熱して、水性メタリックベース塗料とともに粉体塗料を硬化させた。これにより、熱硬化性粉体塗料からなる膜厚40μmの塗膜が形成された。
なお、中塗りを施した基板としては、リン酸亜鉛処理したダル鋼板に、自動車用電着塗料(日本ペイント社製、商品名「パワーニクス110グレー」)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装し、160℃で25分間焼き付けた後、中塗り塗料(日本ペイント社製、商品名「オルガP−30」)を乾燥膜厚が40μmとなるように静電塗装し、140℃で25分間焼き付けて作製したものを用いた。
次に、得られた塗膜について、「ウェーブスキャン−T」(製品名:BYKカードナー社製)を用いて、G値及びF値を測定することにより塗膜外観を評価した。なお、G値は主に艶感を示すパラメータで、良好なものほど小さい値となり10以下が合格である。また、F値は主に平滑性を示すパラメータで、良好なものほど大きい値となり4.5以上が合格である(参考文献:石合和夫著、塗装工学、Vol.30、No.7、301頁(1995年))。得られた各塗膜のG値及びF値の測定結果を表3に示す。
また、硬化時の塗膜の着色度(黄変性)を評価するために、色差計(製品名「SM−T45」:スガ試験機製)にてΔb値を測定した。なお、b値は塗装の黄色度を示すものであり、表3中のΔb値は水性メタリックベース予備乾燥終了時のb値と粉体クリヤー塗料硬化後のb値との差である。また、Δb値が小さいほど焼付時のクリヤーの着色度(黄変性)が小さいことを示し、0.5以下が合格である。得られた各塗膜のΔb値の測定結果を表3に示す。
<耐油性>
各実施例及び各比較例の熱硬化性粉体塗料を用いて下記の様にして耐油性を評価した。すなわち、得られた試験板にキシレンを0.2ml滴下する。25℃で30分間静置後、キシレンを拭き取り、塗膜の状態を観察する。また、得られた各塗膜の耐油性の評価を表3に示す。なお、評価基準は下記の通りである。
評価基準
○:塗膜の膨潤や溶解は見られない
×:塗膜に膨潤や溶解が見られる。
<塗膜の架橋密度>
各実施例及び各比較例の熱硬化性粉体塗料をブリキ板上に静電塗装で塗布した後、140℃で25分間加熱して、膜厚約70μmの塗膜を形成した。この塗膜について、RHEOVIBRON(オリエンテック社製)を用いて試料に微小振動を与えながら粘弾性を測定する動的粘弾性測定により架橋密度を測定した。得られた各塗膜の架橋密度の測定結果を表3に示す。
Figure 2005343982
実施例1及び実施例2で得られた熱硬化性粉体塗料は、塗装外観の艶感及び平滑性が良好であり、架橋密度も良好であった。一方、比較例1で得られた熱硬化性粉体塗料は、架橋密度が低く低温(140℃)焼付けの場合に得られる架橋密度が不十分であった。また、比較例2で得られた熱硬化性粉体塗料は、黄変性(Δb値)が劣ったものであった。更に、比較例3及び4で得られた熱硬化性粉体塗料は、外観面の艶感及び平滑性で劣っていた。また、ブロックされた多官能イソシアネートがメインの硬化剤である比較例5で得られた熱硬化性粉体塗料は、艶感及び平滑性が不十分であることに加えて黄変性(Δb値)も劣ったものであった。
以上説明したように、本発明によれば、いわゆる湿式製法によって得られる熱硬化性粉体塗料であるにも拘らず、低温硬化性が十分に高く、黄変やいわゆるワキの発生を十分に防止しつつ比較的低温で焼き付け硬化させても高水準の架橋密度及び外観を有する塗膜を得ることが可能となり、濃彩色のみならず淡彩色の適用にも適した熱硬化性粉体塗料並びにその製造方法を提供することが可能となる。
したがって、本発明の熱硬化性粉体塗料は、有機溶剤がなく環境にやさしい塗料であることは勿論、塗膜外観が良好で、かつ淡彩色設計をも可能とする自動車車体用の塗料等として有用である。

Claims (9)

  1. 有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離して得られる熱硬化性粉体塗料であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂と、硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを含有するものであることを特徴とする熱硬化性粉体塗料。
  2. 前記イソシアネート基が3級イソシアネート基であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性粉体塗料。
  3. 有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離して得られる熱硬化性粉体塗料であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基含有アクリル樹脂と、第1の硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物と、第2の硬化剤としてのブロックされた多官能イソシアネート化合物とを含有するものであり、前記ブロックされた多官能イソシアネート化合物の含有量が調製される塗料固形分に対して0.3〜20質量%となっていることを特徴とする熱硬化性粉体塗料。
  4. 前記ブロックされた多官能イソシアネート化合物が、3級イソシアネート基を有するジイソシアネート化合物、前記ジイソシアネート化合物のアダクト体、及び前記ジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項3に記載の熱硬化性粉体塗料。
  5. 有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する熱硬化性粉体塗料の製造方法であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基及びブロックされたイソシアネート基を含有するアクリル樹脂と、硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物とを含有するものであることを特徴とする熱硬化性粉体塗料の製造方法。
  6. 前記イソシアネート基が3級イソシアネート基であることを特徴とする請求項5に記載の熱硬化性粉体塗料の製造方法。
  7. 有機溶剤を含む樹脂溶液を水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製し、該懸濁液の分散相中の有機溶剤を留去して分散相中の粒子を固化させた後、固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する熱硬化性粉体塗料の製造方法であって、前記樹脂溶液は、エポキシ基含有アクリル樹脂と、第1の硬化剤としてのカルボン酸基又はカルボン酸無水物基含有化合物と、第2の硬化剤としてのブロックされた多官能イソシアネート化合物とを含有するものであり、前記ブロックされた多官能イソシアネート化合物の含有量が調製される塗料固形分に対して0.3〜20質量%となっていることを特徴とする熱硬化性粉体塗料の製造方法。
  8. 前記ブロックされた多官能イソシアネート化合物が、3級イソシアネート基を有するジイソシアネート化合物、前記ジイソシアネート化合物のアダクト体、及び前記ジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項7に記載の熱硬化性粉体塗料の製造方法。
  9. 前記水溶性高分子が、曇点を示さない水溶性高分子と、30〜90℃の範囲に曇点を示す水溶性高分子との混合物であり、(1)前記曇点未満の温度で前記有機溶剤を含む樹脂溶液を、該水溶性高分子を含む水溶液中に分散せしめて懸濁液を調製する工程と、(2)前記懸濁液を前記曇点未満の温度範囲内で昇温し、分散相中に一次粒子を形成せしめる工程と、(3)前記一次粒子を含んだ懸濁液を、前記曇点以上の温度に昇温し、一次粒子を凝集させて二次粒子を形成せしめるとともに、二次粒子中の有機溶剤を系外に留去して粒子を固化させる工程と、(4)固化した分散相中の粒子を懸濁液から分離する工程とを備えることを特徴とする請求項5〜8のうちのいずれか一項に記載の熱硬化性粉体塗料の製造方法。
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