JP2005343843A - 黒砂糖エキス及びダイズエキスを含有する化粧料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シミ、ソバカス、クスミ或いは肌荒れなどを防ぎ、皮膚にハリや潤いを与えて美しい肌にすることができる化粧料組成物を提供すること。
【解決手段】 黒砂糖エキスと、ダイズエキスとを含有することを特徴とする化粧料組成物とする。前記黒砂糖エキスには、フェニルグルコース化合物が含まれていることが好ましい。前記ダイズエキスには、ソーヤサポゲノールAを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールBを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールCを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールDを骨格とするサポニン類及びソーヤサポゲノールEを骨格とするサポニン類からなる群から選択される一種以上のダイズサポニン類が含まれていることが好ましい。

Description

本発明は化粧料組成物に関する。より詳しくは、有効成分として黒砂糖エキス及びダイズエキスを含有する化粧料組成物に関する。
本発明の目的は、シミ、ソバカス、クスミ或いは肌荒れなどを防ぎ、皮膚にハリや潤いを与えて美しい肌にすることができる化粧料組成物を提供することにある。
化粧料組成物には、化粧料組成物の目的に応じて様々な有効成分が配合されている。化粧料組成物に配合されるこのような成分として保湿剤が存在する。保湿剤は皮膚や毛髪に水分を与えて皮膚や毛髪の乾燥を防止する目的で配合される。
化粧料に配合される保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸ナトリウム、ソルビトールなどが知られている。
しかしながら、上記の保湿剤は過量に用いると低湿度の季節には皮膚中の水分を吸収してかえって肌荒れが起きやすくなるという問題が存在した。
一方、皮膚に対する保湿効果を有し、しかも従来の保湿剤に比べて皮膚に対する安全性に優れた成分として、黒砂糖エキスが知られている。
特許文献1には、黒砂糖から抽出された黒砂糖エキス(黒色色素成分)分画中に含まれる成分が美容効果を有することが開示されている。また、特許文献2には、黒砂糖エキスから黒色色素成分を除去することにより得られるフェニルグルコース化合物類を含有した皮膚炎症用外用品組成物が開示されている。
特開昭57−88107号公報 特開昭61−236728号公報
上記した特許文献1及び2に記載の発明によれば、黒砂糖から抽出された黒砂糖エキス或いは黒砂糖エキスに含まれているフェニルグルコース化合物類によって美肌効果を得ることができる。しかしながら、黒砂糖エキスによってもたらされる効果は、従来の保湿剤によってもたらされる効果に比べて低く、このために、特許文献1及び2に記載の発明による美肌効果は依然として十分満足することができるものではなかった。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けたところ、黒砂糖エキスに加えて、ダイズエキスを加えることによって、黒砂糖エキスを単独で配合した場合に加えて優れた美肌効果が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、請求項1に係る発明は、黒砂糖エキスと、ダイズエキスとを含有することを特徴とする化粧料組成物に関する。
請求項2に係る発明は、前記黒砂糖エキスが、フェニルグルコース化合物であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物に関する。
請求項3に係る発明は、前記ダイズエキスがダイズ(Glycine hispida MAX)種子の水抽出物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料組成物に関する。
請求項4に係る発明は、前記ダイズエキスには、ソーヤサポゲノールAを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールBを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールCを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールDを骨格とするサポニン類及びソーヤサポゲノールEを骨格とするサポニン類からなる群から選択される一種以上のダイズサポニン類が含有されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧料組成物に関する。
本発明に係る化粧料組成物は、有効成分として黒砂糖エキスとダイズエキスとを含有しているので、シミ、ソバカス、クスミ或いは肌荒れなどを防ぎ、皮膚にハリや潤いを与えて美しい肌にすることができる。
以下、本発明に係る化粧料組成物に関して詳細に説明する。本発明に係る化粧料組成物は、有効成分として、黒砂糖エキスとダイズエキスとを含有する。
黒砂糖エキスは、サトウキビ(Saccharum officinarum L.)から製造される黒砂糖(粗製糖)の着色成分を分離・濃縮することにより製造することができる。
黒砂糖エキスの着色成分を分離・濃縮する方法は特に限定されず、例えば黒砂糖を適当量の水に溶解し、これを吸着剤に接触させて天然黒色成分を吸着させた後に、吸着剤を水洗して糖分を充分除去し、最後に吸着された天然黒色成分を溶媒により溶離させことにより製造することができる。通常、この操作は吸着剤が充填されたカラムを用いて行われる。用いられる吸着剤としては、非極性のポリスチレン系吸着樹脂、例えばアンバーライトXAD−1、アンバーライトXAD−2(商品名、ローム・アンド・ハース社製)及びセルバクロムXAD−2(商品名、セルバ社製)等を例示することができ、収率の面からセルバクロムXAD−2を用いることが好ましい。吸着剤の使用量は特に限定されないが、含有天然黒色成分量の30〜300重量倍、より好ましくは50〜200重量倍とされる。
黒砂糖エキスには、次式1(化1)に示される2,5−トリメトキシフェニル−4’−O−D−グルコース、次式2(化2)に示される3,4−トリメトキシフェニル−4’−O−D−グルコース、次式3(化3)に示される2,4,5−トリメトキシフェニル−4’−O−D−グルコースなどの、フェニルグルコース化合物が含まれている。
本発明では、黒砂糖エキスからフェニルグルコース化合物を分離して、本発明に係る化粧料組成物に配合することができる。
フェニルグルコース化合物は黒砂糖エキスをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより得ることができる。
Figure 2005343843
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本発明に係る化粧料組成物の第二の必須成分はダイズエキスである。
ダイズエキスは、ダイズ(Glycine hispida MAX)の抽出物であり、好ましくはダイズの種子の抽出物が用いられる。
ダイズエキスを得る際に用いられる抽出溶媒は特に限定されないが、人体に対する安全性の面から水、エタノール又は水とエタノールの混合溶媒が好ましく用いられる。
ダイズエキスを得る方法は特に限定されないが、例えば、ダイズの種子の乾燥粉砕物を脂溶性有機溶媒で脱脂処理した後に、抽出溶媒で抽出処理する。次いで、抽出溶媒を除去して得られた抽出物をブタノールに溶解させ、水を加えて振盪した後、静置する。ブタノール層を回収した後に、ブタノールを除去することにより、ダイズサポニン類を得ることができる。
ダイズエキスには、以下に示すようなダイズサポニン類が含まれている。
ダイズサポニン類には、次式4(化4)で示されるソーヤサポゲノールAを骨格とするサポニン類、次式5(化5)で示されるソーヤサポゲノールBを骨格とするサポニン類、次式6(化6)で示されるソーヤサポゲノールCを骨格とするサポニン類、次式7(化7)で示されるソーヤサポゲノールDを骨格とするサポニン類、次式8(化8)で示されるソーヤサポゲノールEを骨格とするサポニン類などが含まれている。
Figure 2005343843
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黒砂糖エキスとダイズエキスの配合量比は特に限定されないが、黒砂糖エキス1重量部に対するダイズエキスの配合量は、0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜10重量部程度とされる。黒砂糖エキスの配合量に対して、ダイズエキスの配合量が少なすぎても、また多すぎても所望とされる効果を得ることができない場合がある。
黒砂糖エキスとダイズエキスの合計の含有量は特に限定されないが、組成物全量中、0.001〜100重量%、好ましくは0.01〜50重量%とされる。0.001重量%未満の含有量では、有効成分である黒砂糖エキスとダイズエキスの含有量が少なくなり、所望とする効果を得ることが難しくなる。
本発明に係る化粧料組成物では、上記した有効成分に加えて、通常の化粧料組成物に配合される成分、例えばビタミン類、ヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤、増粘剤、界面活性剤、湿潤剤、香料、色素、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、アミノ酸類、各種動植物抽出物、胎盤抽出物などを適宜任意に組み合わせて配合することもできる。
本発明に係る化粧料組成物の形態は特に限定されず、ローション、乳液、クレンジングクリーム、マッサージクリーム、エモリエントクリーム等のクリーム類、パック類等の基礎化粧品、或いはファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー、おしろい等のメークアップ化粧品等として用いることができる。また石鹸、洗顔クリーム、ボディローション、入浴剤、シャンプー、リンス等に調製することもできる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
1.試料の調製
黒砂糖エキス及びダイズエキスの等量混合物を実施例1の試料とした。黒砂糖エキスを比較例1の試料とした。ダイズエキスを比較例2の試料とした。
実施例1及び比較例1〜2の各試料を用いて、以下の組成に従い、3種類のクリームを調製した。
各試料 2.0
ミツロウ 6.0
エタノール 5.0
還元ラノリン 8.0
スクワラン 37.5
酸化防止剤 適 量
防腐剤 適 量
プロピレングリコール 5.0
精製水 残 量
合計 100.0重量%
2.試験例
上記調製したクリームそれぞれを、乾燥肌で肌荒れを起こしている女性10名のパネラーに、1日3〜5回、肌荒れを起こしている部位に塗布してもらった。1ヶ月後、肌荒れ改善の程度及びしっとり感について、以下の評価基準に従い評価した。
10名のパネラーの平均値を算出した。結果を表1に記載する。
[評価基準]
使用前より悪化している 0点
使用前と殆ど変化がない 1点
使用前に比べてやや改善している 2点
使用前に比べてかなり改善している 3点
Figure 2005343843
表1に示されるとおり、本発明に係る化粧料組成物は優れた美肌効果が得られることが分かる。
本発明に係る化粧料組成物は、シミ、ソバカス、クスミ或いは肌荒れなどを防ぎ、皮膚にハリや潤いを与えて美しい肌にすることができるので、美肌用化粧料組成物として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 黒砂糖エキスと、ダイズエキスとを含有することを特徴とする化粧料組成物。
  2. 前記黒砂糖エキスが、フェニルグルコース化合物であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物。
  3. 前記ダイズエキスがダイズ(Glycine hispida MAX)種子の水抽出物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料組成物。
  4. 前記ダイズエキスには、ソーヤサポゲノールAを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールBを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールCを骨格とするサポニン類、ソーヤサポゲノールDを骨格とするサポニン類及びソーヤサポゲノールEを骨格とするサポニン類からなる群から選択される一種以上のダイズサポニン類が含有されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧料組成物。
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