JPH1192332A

JPH1192332A - 皮膚外用剤組成物

Info

Publication number: JPH1192332A
Application number: JP9279901A
Authority: JP
Inventors: Osamu Nakaguchi; 口修中; Nobunori Fujiwara; 原延規藤; Yoshihiro Matsuyama; 山芳浩松; Jieimuzu Deyuuri Tsubitendo; ジェイムズデュウリツビテンド
Original assignee: Mandom Corp
Current assignee: Mandom Corp
Priority date: 1997-09-25
Filing date: 1997-09-25
Publication date: 1999-04-06

Abstract

(57)【要約】【課題】使用感に優れ、良好な保湿性を有ししかも日
焼け、雪焼け等の抗皮膚炎症効果や進行性手掌角皮症改
善効果を持ちその効果が持続する皮膚外用剤組成物の提
供に関する。【解決手段】カゲリアアフリカ−ナ(Kagelia aflic
ana)、アスパラガスアカナスア(Asparagus africanas
ua) 又はアスパラガスラセモサス(Asparagus racemos
us) のうち少なくとも一種の植物又はその抽出物を配合
することを特徴とする皮膚外用剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はアフリカ産植物カ
ゲリアアフリカ−ナ(Kagelia aflicana)、アスパラガ
スアフリカナスア(Asparagus africanasua) 又はアス
パラガスラセモサス(Asparagus racemosus) のうち少
なくとも一種の植物又はその抽出物を配合した皮膚外用
剤組成物に係り、その目的は使用感に優れ、良好な保湿
性を有ししかも日焼け、雪焼け等の抗皮膚炎症効果や進
行性手掌角皮症改善効果を持ちその効果が持続する皮膚
外用剤組成物の提供に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、皮膚が乾燥しやすい生活環境状況
にある。この乾燥皮膚を解消するために保湿性の皮膚外
用剤組成物が用いられる。これら、保湿性の皮膚外用剤
組成物には油成分を主体に配合したエモリエント型の皮
膚外用剤組成物および水溶性成分を主体としたモイスチ
ュアー型の皮膚外用剤組成物が汎用されている。エモリ
エント型の皮膚外用剤組成物は油を皮膚表面に塗布する
ことにより皮膚の乾燥を防ぐことにより皮膚に保湿性を
与えるものであるが、効果の持続性に優れているが一般
にべたつき感があり使用感が悪い。一方、モイスチュア
ー型の皮膚外用剤組成物は使用感はさっぱりして優れて
いるが効果の持続性は十分ではないという問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、エモリエント
タイプ及びモイスチャータイプの両保湿性の皮膚外用剤
組成物の欠点であるべたつき感と保湿性能の持続性とい
う問題を解消し、皮膚障害等を起こすことがなく極めて
安全性に優れ、しかも症状の緩和や予防等に極めて有効
で、且つ経時的安定性にも優れた皮膚外用剤の創出が望
まれていた。

【０００４】そこでこの発明ではべたつきなどの使用感
を損なわずに、保湿効果を持続させしかも皮膚炎症や進
行性手掌角皮症を軽減できる皮膚外用剤組成物を提供す
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明者は課題の解決
をはかるべく鋭意研究を重ねた結果、カゲリアアフリ
カ−ナ(Kagelia aflicana)、アスパラガスアフリカナ
スア(Asparagus africanasua) 又はアスパラガスラセ
モサス(Asparagus racemosus) のうち少なくとも一種の
植物又はその抽出物を配合することを特徴とする皮膚外
用剤組成物が優れた使用感、良好な保湿性及び係る保湿
性が持続するとともに抗皮膚炎症効果や進行性手掌角皮
症改善効果を持つことを見い出し、この発明を完成し
た。

【０００６】

【実施例】以下この発明の一実施例を説明する。すなわ
ち、この発明はカゲリアアフリカ−ナ(Kagelia aflic
ana)、アスパラガスアフリカナスア(Asparagus afric
anasua) 又はアスパラガスラセモサス(Asparagus rac
emosus) を使用するが、カゲリアアフリカ−ナ(Kagel
ia aflicana)とは、ソウセージトリーと一般に称される
ノウゼンカヅラ科ソーセージノキ属の双子葉植物で、ア
フリカ原産の常緑あるいは落葉の高木で、その果実はソ
ーセージに似て大きい。この発明においては葉部、茎
部、花部等の地上部、果実、地下鱗茎部、或いは全草が
適宜任意に使用可能であるが、より望ましくは果実を使
用する。この発明に用いるアスパラガスアフリカナス
ア(Asparagus africanasua) は、クサスギカヅラと称さ
れ、ユリ科アスパラガス属の多年生の単子葉植物でアジ
ア、アフリカの熱帯地方で生息する。この発明において
は、葉部、茎部、花部等の地上部、果実、地下鱗茎部、
或いは全草が適宜任意に使用可能であるが、より望まし
くは地下部が好ましく使用される。この発明に用いるア
スパラガスラセモサス(Asparagus racemosus) は、ユ
リ科アスパラガス属の多年生の単子葉植物でアジア、ア
フリカの熱帯地方で生息する。この発明においては、葉
部、茎部、花部等の地上部、果実、地下鱗茎部、或いは
全草が適宜任意に使用可能であるが、より望ましくは地
下部が好ましく使用される。

【０００７】このようなカゲリアアフリカ−ナ(Kagel
ia aflicana)、アスパラガスアフリカナスア(Asparag
us africanasua) 、アスパラガスラセモサス(Asparag
us racemosus) は、必要に応じて乾燥され、また粉砕さ
れてこの乾燥粉末のまま使用するか或いは乾燥粉末を適
宜な溶媒にて抽出した抽出物を使用する。抽出の際使用
する抽出溶媒は、極性溶媒、非極性溶媒又はその混合溶
媒など、一般的に植物抽出に用いられる溶媒であれば、
いずれも特に限定されることなく使用可能である。

【０００８】具体的に極性溶媒としては、水、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ｎ−プロパノー
ル、イソブタノール、ｎ−ヘキサノール、メチルアミル
アルコール、２−エチルブタノール、ｎ−オクタノール
等のアルコール類、エチレングリコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、トリエチレングリコール、１，３−ブ
チレングリコール、ヘキシレングリコール等の多価アル
コール又はその誘導体類、アセトン、メチルアセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル
−ｎ−プロピルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
イソプロピル等のエステル類、エチルエーテル、イソプ
ロピルエーテル、ｎ−ブチルエーテル等のエーテル類等
の一種又は二種以上の混合溶媒が好適な実施例として例
示されるが、特に限定はされない。非極性溶媒として
は、石油エーテル、ｎ−ヘキサン、ｎ−ペンタン、ｎ−
ブタン、ｎ−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化
水素類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、
トリクロロエチレン、ベンゼン、トルエン等の一種又は
二種以上の混合溶媒が好適な溶媒として例示されるが特
に限定はされない。また、前記した極性溶媒と非極性溶
媒との混合溶媒もこの発明においては限定されることな
く使用できる。

【０００９】この発明において、カゲリアアフリカ−
ナ(Kagelia aflicana)、アスパラガスアフリカナスア
(Asparagus africanasua) 、アスパラガスラセモサス
(Asparagus racemosus) 等の抽出物は濾液状のまま或い
は軟エキスとして使用してもよく、更には溶液を蒸発乾
固して粉末状で使用してもよく、適宜任意なものを採用
すればよい。また、カゲリアアフリカ−ナ(Kagelia a
flicana)及びアスパラガスアフリカナスア(Asparagus
africanasua) 、アスパラガスラセモサス(Asparagus
racemosus) 等の粉砕物又はその抽出物はそれぞれ単独
で用いてもよく、また混合してもよい。混合する場合に
は、カゲリアアフリカ−ナ(Kagelia aflicana)、アス
パラガスアフリカナスア(Asparagus africanasua) 又
はアスパラガスラセモサス(Asparagus racemosus) 等
の粉砕物又はその抽出物の混合比率は特に限定されない
が、５：５：５程度の等量とするのが望ましい。

【００１０】また、前記液体又は粉末はそのままの状態
で皮膚外用剤として使用することもできるが、より好ま
しくは公知の賦形剤や希釈剤、或いは他の任意の配合材
料とともに混合して、エマルション、溶液、懸濁液など
の剤形に調製して使用すればよい。この発明において最
終形態である皮膚外用剤としては、美容を目的として健
常皮膚に施用する化粧品であっても、或いは日焼け後の
肌の抗炎症効果や進行性手掌角皮症等特定の使用目的を
有した医薬品、薬用化粧品（医薬部外品）であっても、
いずれの形態も任意に採用することができる。具体的に
化粧品としては、ローション、乳液、クレンジングクリ
ーム、マッサージクリーム、クリーム類、パック類等の
基本化粧品、或いはファンデーション等が好適な実施例
として例示される。また薬用化粧品としては、石けん、
洗顔クリーム、ニキビの改善・予防を目的としたローシ
ョンや乳液、パック、ボディローション、入浴剤等が、
さらに医薬品としては軟膏、クリーム等が好適な実施例
として例示することができるが、この発明において特に
限定はされない。

【００１１】また、これら剤形に調製する際、従来より
公知のイオウ製剤やサルチル酸、レゾルシン等の角質溶
解剤や、ヘキサクロロフェン、トリクロロカルバニリ
ド、イルガサン、クロルヘキシジン等の抗菌剤等を、美
白剤として公知のアスコルビン酸やその誘導体、イオウ
製剤、グルタチオン等、或いは皮膚保湿剤として公知の
ヒアルロン酸や加水分解コラーゲン、紫外線吸収剤、ビ
タミン類等、通常使用される公知の添加剤をこの発明の
効果を損なわない範囲で適宜併用して用いることもでき
る。この発明に係る皮膚外用剤においては、その製造工
程の任意の段階で、前記カゲリアアフリカ−ナ(Kagel
ia aflicana)、アスパラガスアフリカナスア(Asparag
us africanasua) 、アスパラガスラセモサス(Asparag
us racemosus) 等の植物乾燥粉末またはこれらの抽出物
を任意の量配合すればよい。この配合量としては、乾燥
重量として０．０１重量％以上、より好ましくは０．１
重量％以上配合されていればよい。

【００１２】

【試験例】以下、この発明に係る皮膚外用剤の効果を試
験例を挙げることにより一層明確なものとする。但し、
この発明は以下の試験例により何ら限定はされない。（試験例１）カゲリアアフリカ−ナ(Kagelia aflican
a)の果実乾燥粉砕物100gにエタノール500ml を加え、８
時間還流抽出し、抽出液を濾過後溶媒を留去して、抽出
物7.0gを得、この抽出物を試験例１のサンプルとした。（試験例２）アスパラガスアフリカナスア(Asparagus
africanasua) の根乾燥粉砕物100gにエタノール500ml
を加え、８時間還流抽出し、抽出液を濾過後溶媒を留去
して、抽出物6.2gを得、この抽出物を試験例２のサンプ
ルとした。（試験例３）アスパラガスラセモサス(Asparagus rac
emosus) の根乾燥粉砕物100gにエタノール500ml を加
え、８時間還流抽出し、抽出液を濾過後溶媒を留去し
て、抽出物5.9gを得、この抽出物を試験例３のサンプル
とした。

【００１３】（評価方法）この発明に係る保湿性化粧料
組成物に配合する保湿性成分の吸湿力及び水分保有力を
調べた。（実験例１）１．保湿性試験試験例で得た乾燥粉末をエタノールに溶解させ1.0 重量
％の溶液を調製し試験液とし、試験液5ml を秤量瓶中に
採取し、湿度60％〜70％、温度23〜25℃の条件下で放置
して、水分蒸散率を調べた。コントロールとして水を使
用した。尚、12時間後の結果を表１に示す。

【表１】

【００１４】上記組成のローションを調製し、１０人の化粧年齢の女
性（１８〜３５才）に使用させ保湿性評価を問診で確認
した。この際、湿潤効果が６０分以上持続すると答えた
人の割合が多いものを保湿持続性に優れると判断した。
以下、判定基準を示す。 ◎：持続時間が６０分以上のパネラーが８名以上 ○：持続時間が６０分以上のパネラーが５〜７名 ×：持続時間が６０分以上のパネラーが５名未満結果を表２に示す。

【表２】

【００１５】上記軟膏製剤を調製し、進行性手掌角皮症と判断された
女性２名（年齢32才と28才) に使用させ改善効果を確認
した。使用方法; 水仕事後、１日３〜５回(1回につき0.1gから
0.3g) を患部に塗布。判定方法; 塗布開始から１ケ月間の効果を問診し、判定
した。判定基準は以下の通りである。１：悪化２：変化なし３：やや改善４：改善
５：著効結果を表３に示す。

【表３】

【００１６】軟膏製剤刺激性試験上記軟膏製剤について、健常人１０人の皮膚に対し、刺
激性の有無を検討する目的で人閉塞パッチテストを行っ
た。被験者：２３才から４０才までの男性６名、女性４名、
合計１０名。試験方法; 軟膏15μl をフィンチャンバー(EPITWST Lt
d.,Oy 製造) を用いて上腕内側部に24時間閉塞貼付
し、24時間後、被験物質を除去した。除去後、１時間及
び24時間後にそれぞれ皮膚の状態を観察して判定を行っ
た。判定方法; 判定基準は以下の通りである。 −; 全く反応なし（陰性） ±; 軽微な紅班（陰性）＋; 明らかな紅班（陽性）＋＋; 紅班及び浮腫（陽性）＋＋＋; 紅班及び浮腫の他小水疱等（陽性）結果をまとめて表４に示す。

【表４】

【００１７】３．使用感評価試験例の保湿用化粧水の使用感をべたつき感の観点から
前記女性１０名で官能評価した。判定基準は以下の通り
である。 ◎：１０名中８名以上がべたつき感が少ないと判定 ○：１０名中５〜７名がべたつき感が少ないと判定 ×：１０名中４名未満がべたつき感が少ないと判定結果を表５に示す。

【表５】表１乃至表５に示されるように、試験例は使用感がよ
く、保湿性およびその持続性に優れて進行性手掌角皮症
の改善に優れかつ刺激性も無く優れていると認められ
た。

【処方例】以下、この発明に係る皮膚外用剤の効果を処
方例を挙げて説明する。但し、この発明は以下の処方例
により何ら限定はされない。

【００１８】（処方例１）クリーム剤型重量％試験例２２．５試験例３２．５ステアリルアルコール５．０ステアリン酸２．０水添ラノリン３．０スクワラン１０．０オクチルドデカノール１０．０プロピレングリコール５．０ポリオキシエチレンセチルエーテル２．４モノステアリン酸グリセリン１．６防腐剤適量香料適量精製水残部１００．０

【００１９】（処方例２）乳液剤型重量％試験例１０．１試験例２０．１スクワラン５．０ワセリン２．０ミツロウ０．５ソルビタンセスキオレイン酸エステル０．５ポリオキシエチレンオレイルエーテル０．８グリセリン５．０カルボキシビニルポリマー０．２水酸化カリウム０．１防腐剤適量香料適量精製水残部１００．０

【００２０】（処方例３）薬用ローション重量％試験例１０．０２試験例２０．０２ｄ−カンフル０．０２ｌ−メントール０．０５１，３−ブチレングリコール５．０エタノール１５．０香料適量精製水残部１００．０

【００２１】（処方例４）薬用クレンジングクリーム重量％試験例２０．０２試験例３０．０３軽質流動パラフィン３５．０ミツロウ８．０パルミチン酸セチル３．０ラノリン１．０セスキオレイン酸ソル２．０ポリオキシエチレン（２０）ソルビットミツロウ４．５防腐剤・酸化防止剤適量７０％ソルビトール４．０香料適量精製水残部１００．０

【００２２】（処方例５）薬用パック重量％試験例１０．０４ポリビニルアルコール１４．０酢酸ビニル樹脂エマルション１０．０エチルアルコール７．０カオリン１０．０グリセロール１．０パラベン０．０１香料適量精製水残部１００．０

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ツビテンドジェイムズデュウリジンバブエ国ニュアツラピ．ビエジ. 45 チコンボレロストレ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カゲリアアフリカ−ナ(Kagelia aflic
ana)、アスパラガスアフリカナスア(Asparagus african
asua) 又はアスパラガスラセモサス(Asparagus racem
osus) のうち少なくとも一種の植物又はその抽出物を配
合することを特徴とする皮膚外用剤組成物。