JP2005343482A - 手提げ紐 - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来にない新規な形状をもって十分な嵌合長を確保することで嵌合強度の向上を図るとともに、そうでありながら操作時には嵌めやすく外しやすいにも関わらず常態では外れ難いという結合手段を備えた手提げ紐の提供。
【課題を解決するための手段】
手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、縦断面形状がほぼコの字形を呈した結合手段であって、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に相手の手下げ紐の結合手段と向き合った際に、相互に嵌り合うように90度回転した位置関係に設けられ、なおかつ嵌り合った際に容易に外れないための嵌合構造を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、手提げ袋に設けられ、その開口部を閉じるための結合手段を備えた手提げ紐に関するものである。
この手の手提げ紐は、いわゆるショッピングバッグに多く用いられ、その開口部に逆U字形状に取り付けられる。単に袋の吊下げ手段としてのみならず、手提げ袋内に品物を入れた際に袋の開口部を閉じる機能をも持ち併せたものが多く利用されている。
例えば実開昭59−19535号公報に記載の考案では、手提げ紐の袋への取り付け部のやや上部に嵌合突起とこの突起が係合する嵌合孔部を備え、手提げ紐を袋に取り付けの際は、袋をとじる際に両者が向かい合うように取り付けていた。
しかしながら、この場合には大きく3つの問題点があった。1つ目は、良好な使用感を得るために嵌合突起の先端を尖らせる必要があり、これが袋内への商品の出し入れ時に障害となっていた。特にセーターなどのニット製品は糸が引っ掛かって引き出されてしまうことがあり、商品価値を損ねてしまう場合もあった。
2つ目は1本の手提げ紐において、一方には勘合突起を他方には嵌合孔部を設ける、あるいは袋に取り付ける2本の手提げ紐において、1本は嵌合突起のみ、もう1本には嵌合孔部のみを設けるということとすると、それらの限定された取り付け方向や一つの袋に2種類の異なる手提げ紐を取り付けなければならないということに注意を払わなければならず、煩雑であった。この種の手提げ紐はきわめて単価が低いものであるとともに、その取り付けは人の手に頼って行なわれているため、取り付け作業時の間違いを無くすとともに、歩留りを上げて袋の組立てコストを下げる必要性からも、このような手間のかかる作業はできるだけ改善されなければならない要請があった。
そして3つ目は、製品としての手提げ袋を梱包して輸送する際において、突起の高さが袋を重ねた際に嵩張るため輸送効率が悪く、コストが上がり、ひいては製品単価を上げる原因となっていた。
実開昭59−19535号公報
そこで、上記問題点を解決する一つの手段として実開平6−32335号公報に記載の考案がなされた。
この考案は、横断面がほぼΩ形状の条を2本平行に形成した条溝の構成を、1本の手提げ紐の左右取り付け部において同形状をほぼ同位置に形成し、左右のそれぞれの条が対向する蟻溝に嵌合してファスナーのように機能するものである。
実開平6−32335号公報
また、袋の開口部を閉じる手段としては他に、特開2003−165549号公報に記載されているいわゆるホック式や実開昭57−88744号に記載されている、取っ手に交差させることにより係合する切り欠きを形成した方式がある。また、嵌合し合う構造が相互に同形状のものとして特開2000−139540号に記載の発明がある。
特開2003−165549号公報 実開昭57−88744号公報 特開2000−139540号公報
従来技術で最も利用されていた形状としては、キノコ形状の突起と係合孔の組み合わせであった。これは比較的コンパクトに形成され表面からは見えにくい上に、嵌合強度も確保しやすいというメリットがあった。
しかしながら、キノコ形状という形状には、上述の突起に品物が引っかかりやすいという問題に加えて、構造的な強度が不足しており、無理な方向に引っ張るとちぎれてしまったり、少ない回数で疲労しやすいという本来的な問題があった。
そこで上記実開平6−32335号公報に記載の考案のような新たな形状の結合手段が提案されるに至ったと推測されるが、かかる考案を例に取ると、手提げ紐の幅一杯に直線状の係合条突起を設けているが、一定の嵌合強度を確保するためにはやはり一定の嵌合長さは要求されるということがわかる。しかしそれゆえこの条突起の両端が引っかかりやすい形状となってしまっている。
また、従来技術はいずれも結合手段の結合(嵌合)時と解放時に必要とされる力が同じであったため、結合(嵌合)強度を上げようとすると必然的に嵌めにくく外しにくいというような操作性に問題を抱えることとなっていた。
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するとともに、従来にない新規な形状をもって十分な嵌合長を確保することで嵌合強度の向上を図るとともに、そうでありながら操作時には嵌めやすく外しやすいにも関わらず常態では外れ難いという相反する特性を兼ね備えた結合手段を備えた手提げ紐を提供することを目的とするものである。
すなわちこの発明の手提げ紐は、手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に設けられる結合手段に、以下の特徴を備えるものである。
(1)縦断面形状がほぼコ字形状を呈した係合突起であって、四角柱状の第一の突起を備えるとともに、その第一の突起の一対の対辺の外側にこの第一の突起の高さの少なくとも2倍の高さを有する第二の突起を設け、なおかつこの係合突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、相互に嵌り合うような90度回転した位置関係に設けられ、なおかつ嵌り合った際に容易に外れないための嵌合構造を備えてなること。
(2)偶数の辺からなる多角柱状の第一の突起を備えるとともに、その第一の突起の一対の対角が紐の長さ方向と平行に配置され、さらに各辺には一辺おきにその外側にこの多角形状突起の高さの少なくとも2倍の高さを有する第二の突起を設け、なおかつこの第一及び第二の突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、この多角形の内角分回転した位相で第二の突起が相互に嵌り合うような位置関係に設けられ、なおかつ嵌り合った際に容易に外れないための嵌合構造を備えてなること。
(3)円柱状の第一の突起を備えるとともに、その第一の突起の外周において、この外周を偶数均等割りした各周辺の一つおきの外側に、第一の突起の高さの少なくとも2倍の高さを有する第二の突起を設け、なおかつこの第一及び第二の突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、均等割りした角度分回転した位相で第二の突起が相互に嵌り合うような位置関係に設けられ、なおかつ嵌り合った際に容易に外れないための嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段を備えたこと。
(4)左右対称形状を平坦のまま隆起させて第一の突起を形成し、さらに第一の突起の外周辺においてその一辺の長さを最大幅としてこの第一の突起の少なくとも2倍の高さに隆起させて一対の第二の突起を対辺に又は一辺おきに形成するとともに、この第二の突起の上端内側辺には所望高さの条突起を対向する第二の突起方向に突設し、さらに上記第一の突起において第二の突起が形成されない辺を含む側面には、上記条突起が適合する溝を備え、なおかつこの第一及び第二の突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、第二の突起が相互に嵌り合うような位置関係に設けられてなること。
(5)中央に低い第一の突起とこの第一の突起を対角状に挟む位置に、この中央部の少なくとも2倍の高さを有する一対の第二の突起からなる凹字形状の段付き突起を設けるとともに、この段付き突起は同一形状の段付き突起を備えた手下げ紐を第一の突起が重り合うように向かい合わせにした場合において、相互の第二の突起が、相手の紐の第一の突起において第二の突起が形成されない辺に適合することにより、相互に嵌り合う形状であるとともに、一対の第二の突起の内側及びこの部位が適合する第一の突起の外面には両者が容易に外れないようにするための突起及びこの突起が嵌合する溝を備えてなること。
(6)中央に低い第一の突起と、この第一の突起を対角状に挟む位置に、この第一の突起の少なくとも2倍の高さを有する第二の突起からなる凹字形状の段付き突起を設けるとともに、この段付き突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に同一形状の段付き突起を備えた相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、相互の第二の突起が、対向する紐の第一の突起において第二の突起が形成されない辺に適合することにより、相互に嵌り合う形状であるとともに、一対の第二の突起の内側及びこの部位が適合する第一の突起の外面には、両者が容易に外れないようにするための突起及びこの突起が嵌合する窪みを備えてなること。
(7)偶数多角形の、対角線で分割されなおかつこの対角線と外周の一辺とで囲まれた複数の三角形を周方向に交互に凹凸となるように突起部を形成し、さらにこの対角線を含む突起部側面には、この突起の高さの半分の高さを最大幅として凹凸を上下二段に形成してなり、この突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に同一形状の突起部を備えた相手の手下げ紐の突起部と向き合った際に、相互の突起部が対向する紐の凹部に適合するとともに、突起部側面の凹凸が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(8)回転対称である基本図形の中心を通る線で均等に偶数分割され、なおかつこの中心線の一部と外周の一辺とで囲まれた複数の扇形状を周方向に交互に凹凸となるように突起部を形成し、さらにこの突起部側面には、この突起の高さの半分の高さを最大幅として凹凸を上下二段に形成してなり、この突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に同一形状の突起部を備えた相手の手下げ紐の突起部と向き合った際に、相互の突起部がその扇形状の要部の角度分回転した位置で対向する紐の凹部に適合するとともに、突起部側面の凹凸が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(9)基本図形として四角形の一対の頂角に相当する位置に、周方向に交互に凹凸となるように柱状突起を形成し、さらにこの柱状突起の側面は、180度回転させて向き合わせた同形状の他の柱状突起の側面と相互に適合し合うような形状に形成され、この柱状突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きに配置されるが、袋装着後に同一形状の柱状突起を備えた相手の手下げ紐の柱状突起と向き合った際には、相互の柱状突起が対向する紐の柱状突起間の凹部に適合するとともに、柱状突起側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(10)基本図形として偶数多角形の各頂角に相当する位置に、周方向に交互に凹凸となるように柱状突起を形成し、さらにこの柱状突起の側面は、180度回転させて向き合わせた同形状の他の柱状突起の側面と相互に適合し合うような形状に形成され、この柱状突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きに配置されるが、袋装着後に同一形状の柱状突起を備えた相手の手下げ紐の柱状突起と向き合った際には、相互の柱状突起が対向する紐の柱状突起間の凹部に適合するとともに、柱状突起側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(11)上記(7)乃至(9)において周方向に形成した凹凸が半径方向に複数の列をもって形成されてなること。
(12)中央に低い第一の突起と、この第一の突起を対角状に挟む位置に、この第一の突起の少なくとも2倍の高さを有する第二の突起からなる凹字形状の段付き突起を設けるとともに、一対の第二の突起の内側及びこの部位が適合する第一の突起の外面には、両者が容易に外れないようにするための突起及びこの突起が嵌合する窪みからなる嵌合構造を備えてなり、さらにこの第一の突起において、四角形または偶数多角形の対角線で分割されなおかつこの対角線と外周の一辺とで囲まれた複数の三角形を周方向に交互に凹凸となるように第三の突起部を形成し、さらに凹部は少なくともこの第三の突起の高さと同じ深さに凹部を形成してなり、さらにこの第三の突起と凹部とで形成される壁面には上下二段に凹凸を形成してなり、これら段付き突起及び第三の突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に同一形状の段付き突起及び第三の突起を備えた相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、相互の第二の突起が、対向する紐の第一の突起において第二の突起が形成されない辺の窪みに適合するとともに、第三の突起が凹部に嵌り合うことで相互に嵌り合う構造。
(13)左右対称形状を平坦のまま隆起させて第一の突起を形成し、さらに第一の突起の外周辺においてその一辺の長さを最大幅としてこの第一の突起の少なくとも2倍の高さに隆起させて一対の第二の突起を対辺に又は一辺おきに形成するとともに、この第二の突起の上端内側辺には所望高さの条突起を対向する第二の突起方向に突設し、さらに上記第一の突起において第二の突起が形成されない辺を含む側面には、上記条突起が適合する溝を備え、さらに第一の突起の中央部に柱状突起を形成するとともに、この柱状突起の側面は、180度回転させて向き合わせた同形状の他の柱状突起の側面と相互に適合し合うような形状に形成されてなり、なおかつこの第一、第二の突起及び柱状突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に相手の手下げ紐のこれら突起と向き合った際に、第二の突起同志及び柱状突起同志が相互に嵌り合いうような位置関係に設けられてなること。
(14)回転対称である基本図形の中心を通る線で均等に偶数分割され、上記突起部には、この柱状突起が嵌合する嵌合孔部を備えてなり、さらにこの突起部側面には、この突起の高さの半分の高さを最大幅として凹凸を上下二段に形成してなり、なおかつこの中心線の一部と外周の一辺とで囲まれた複数の扇形状を周方向に交互に凹凸となるように突起部を形成し、さらにこの凹部には、側面形状を、180度回転させて向き合わせた同形状の他の突起の側面と相互に適合し合うような形状に形成してなる柱状突起を備えるとともに、この突起部及び柱状突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に同一形状の突起部を備えた相手の手下げ紐の突起部と向き合った際に、相互の突起部がその扇形状の要部の角度分回転した位置で対向する紐の凹部に適合するとともに、突起部側面の凹凸が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(15)上下方向に交互に凹凸となるよう水平方向の突条を少なくとも3列以上並列に設け、さらに、その突条は根元が細く上方に膨大部を備えた横断面形状からなるとともに、袋装着後に同一形状の突条を備えた相手の手下げ紐の突条と向き合った際には、相互の突条が対向する紐の突条間の凹部に適合するとともに、突条側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(16)上下方向に交互に凹凸となるよう水平方向の突条を少なくとも3列以上並列に設け、さらに、その突条は上方に湾曲したまたは上面が突出し及び下面が窪んだ横断面形状からなるとともに、袋装着後に同一形状の突条を備えた相手の手下げ紐の突条と向き合った際には、相互の突条が対向する紐の突条間の凹部に適合するとともに、突条側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(17)上記(15)または(16)において、突条側面の嵌合は上方に向かうほど浅くなるよう形成したこと。
(18)水平から45度傾斜した線上とこれと直交する線上に1列及び2列の突条を、交点を中心にした回転方向に交互になおかつ交点付近を所望間隔離して配置して設け、この突条列はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に同一形状の突条を備えた相手の手下げ紐の突条と向き合った際には、相互の1列の突条が対向する紐の2列の突条の凹部に適合するとともに、突条側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(19)所望厚みを備えた平面部を設けるとともに、この平面部の側辺を上下に2分割し、その対角の位置に内向した鈎部を備えた突起を設け、さらに側辺においてこの突起がない部分には、この突起の鈎部が適合する溝を設けた嵌合手段を形成し、なおかつこの嵌合手段はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に同一形状の嵌合手段を備えた相手の手下げ紐の嵌合手段と向き合った際には、相互の突起が対向する紐の溝部に適合することにより相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなること。
(20)内向した鈎部を備えた所望幅の突起を設けるとともに、対辺の上記突起の上端の水平位置を下端とする位置に同様の突起を対向して設け、これら一対の突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋装着後に同一形状の突起対を備えた相手の手下げ紐と向き合った際には、相互の突起が対向する紐に引っ掛かり、交差して抱きかかえるように適合することにより相互に嵌り合う構造を備えてなること。
(21)手提げ紐が、紐本体の両端に手提げ袋の開口部を挟んでこの紐を固定するための二股に形成した舌状取り付け片を備えるとともに、この舌状取り付け片の一方の内側には、他方の舌状取り付け片に設けた係合孔に係合する係合突起を備えたものであり、上記結合手段がこの舌状取り付け片またはその上部に設けられたものであること。
(22)上記嵌合構造における上下位置において、上側よりも下側の嵌め合い強さを強く構成することにより、紐側からの解放操作によっては容易に解放され、逆に袋側からの解放力に拠っては解放されにくい嵌め合い強度の偏り性を付与したこと。

この発明の手提げ紐は上記のように構成するものであるから、その構成によっては、従来にない新規な形状であるとともに、十分な嵌め合い強度を確保することでコンパクトな形状でありながら嵌合強度の向上を図ることができる。したがって、使用中に袋の口が不用意に開いてしまうということを従来以上に防止することができる。
しかも、嵌合強度が強いにもかかわらず、操作時には嵌めやすく外しやすいという相反する特性を兼ね備えた従来にない良好な操作性を得られるに至った。
さらには、この発明の結合手段は新規なホックとして機能するため、衣料品等への応用も可能である。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図に基づき詳述する。
図1はこの発明の手提げ紐を備えた袋の斜視図である。図において1は袋、2は手提げ紐であり、また3は吊り下げ部及び4は袋への取り付け舌状片である。袋1はいわゆるショッピングバッグと称され、デパートなどで買い物をする際に商品を入れて渡される場合によく使われるタイプのガゼット型紙製袋を示しているが、袋本体についてはこのような紙製ショッピングバッグに限定されるものではなく、手提げ紐が備えられた袋であれば全てに適用可能である。
手提げ紐2は図2に示すように吊り下げ部3を中心に、その両端には袋1の開口部に固定するための取り付け舌状片4が左右対称(図においては上下対称)に設けられている。一般的に吊り下げ部3は、袋に固定する際に容易に鍋つるのようにU字形状に湾曲するように、また袋1を吊り下げる際に重なり合って手になじむように取り付け舌状片4とは直交する方向に形成されている。そして吊り下げ部3の形状は扁平の帯状が一般的であるが、縄状や線状に形成しても良いことはもちろんである。
取り付け舌状片4は図3に示すように、舌状片4a及び4bが二股に形成されていてこの部分で袋1の上部開口端部を挟むようになっている。そして挟んだ際に両舌状片を相互に係合させるために、その一方(図では4a)には係合突起5が設けられ、他方(図では4b)にこの係合突起5が嵌り込む係合孔6が貫通されている。通常係合突起5はキノコ形を呈している場合が多い。つまり先端に膨大部または大径部があり、先端を係合孔6に押し込んだ際に“返り”となり抜け防止構造となっている。
なお、図示の手提げ紐2は射出成型により、吊り下げ部3から両端の取り付け舌状片までが一体に製造され、なおかつ各係合部位の係合強度を確保しつつも柔軟性を備えている必要性から、素材としてはPE(ポリエチレン)が好適に用いられるが、PP(ポリプロピレン)、ナイロン、ポリアセタール樹脂、生分解性樹脂およびいわゆるエンジニアリングプラスチックなど多くの樹脂素材が使用目的等に応じて選択されうる。
図2及び図3に示すように、手提げ紐2の取り付け舌状片4の上部には結合手段7が設けられている。この結合手段7は図1に示すように、袋の左右(または前後)に対で取り付けられた際に、袋の開口部を閉じるために2本の向き合った手提げ紐2を結合させるためのものである。
図2及び図3において、結合手段7は取り付け舌状片4の上部に延設された平板部8に設けられている。この場合において、結合手段7が設けられるのは図1において袋の内側を向く側となる。図3では舌状片4b側の面である。そして図2に示すように、手提げ紐2を直線状(一文字)に伸ばした際(図では中間の手提げ部3を省略)に、結合手段7は同一方向に設けられている。すなわち図示しない手提げ紐2の中心を回転軸とした回転対称に設けられている。
なお、図3において(イ)は舌状片4bと平坦部8を一平面に構成した場合を示し、(ロ)は左右対称の音さ形に形成した場合を示している。後者が一般的であるが、前者の方が2本の手提げ紐をより密着させた位置で結合させることができる。
図4は結合手段7の装着状態の斜視図である。結合手段7は図3及び図4に示すように、平板状もしくは低い四角柱状に形成された中央部の第一の突起9とそれを挟むように当該第一の突起9の一対の対辺の外側にこの第一の突起9の高さの少なくとも2倍の高さをもって配置された第二の突起10で構成されている。図では第一の突起9は正方形であり、また第二の突起10は第一の突起9の形状を四等分した二等辺三角形を呈している。結合手段7は、図3に示すように第一の突起9がその一つの対角線を手提げ紐2の長手方向に平行に設けられている。図では紙面上下方向が紐の長手方向である。そして第一の突起9の一の対辺の外側に一対の第二の突起10が形成されている。第二の突起10の幅は第一の突起9を構成する四角形または多角形の一辺の長さが最大幅となる。
また、結合手段7の第一の突起9及び第二の突起10の構成は、換言すると、中心に四角形、多角形または円形の左右対称形状を平坦のまま隆起させて第一の突起9を形成し、さらに当該第一の突起9の外周辺においてその一辺の長さを最大幅としてこの第一の突起9の少なくとも2倍の高さに隆起させて一対の第二の突起10を対辺にまたは一辺おきに形成しているとも言える。
あるいは、中央に低い第一の突起9とこの第一の突起9を対角状に挟む位置に、この中央部の少なくとも2倍の高さを有する一対の第二の突起からなる凹字形状の段付き突起10を設けるとともに、この段付き突起は同一形状の段付き突起を備えた手下げ紐を第一の突起9が重り合うように向かい合わせにした場合において、相互の第二の突起10が、相手の紐の第一の突起9において第二の突起10が形成されない辺に適合することにより、相互に嵌り合う形状に形成されているとも言える。
図5は結合手段7の結合前の要部平面図である。図の左右の紐は図4における向き合った前後の紐に相当する。図4及び図5に示すように、向かい合った2本の手提げ紐2の結合手段7は、第1の突起9が相互に面と面を重ねるようにかつ、結合手段7が交差するように結合する。つまり、前述の通り図2に示すように結合手段7が図心を軸に回転対称に設けられることによって、袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、袋に装着した際には向かい合った結合手段7はちょうど90度回転した位置関係となるのである。したがって、図5に示すように、右の手提げ紐2の第2の突起10aが左の結合手段7の第1の突起9bにおける第2の突起10bが形成されていない部分(上の破線部分)に、また右の手提げ紐2の第二の突起10a’が左の結合手段7の第1の突起9bにおける第2の突起10bが形成されていない部分(下の破線部分)に適合し、両者があたかも握手をするような互い違いの形で嵌り合う。言うなれば従来のこの種の結合手段がいわゆる雌雄別体の部材を向き合わせて結合させていたのに対し、この発明の結合手段7は雌雄なく同一形状を向き合わせて結合させるものである。
図6は結合手段7の嵌合構造を示す要部断面図(図2におけるAA断面及びBB断面)図である。図において当該結合手段7が設けられている平板部8は省略している。図6(イ)の右図に示すように、第二の突起10の対角方向の縦(BB)断面がほぼコ字形状もしくは凹字形状を呈しており、それが90度回転した状態で相互に嵌り合うようになっている。そして嵌り合った際に容易に開放されないように、抜け止めとして、一対の第二の突起10のそれぞれの対向する辺の上端にその辺の長さを最大長とする突条11が設けられ、そしてこの突条11が適合する条溝12が第1の突起9における第2の突起10が形成されていない辺の側面に形成され、嵌合構造を構成している。すなわち嵌合時は図5に示すように、左側の突条11bが右側の条溝12aに嵌り、右側の突条11aが左側の条溝12bに嵌るという具合に嵌合し図6(ロ)に示すように出っ張りなく一体となる。
図7は上記突条11及び条溝12の形状において異なる例を示すものである。図6では断面が半円形を呈しているが、図7では矩形を呈している。当然のことながら、円形の方が嵌め易くまた外し易い特性となる。したがって、必要な嵌合強度に応じて選択すればよく、矩形の面取りの形状(曲面か平面か)とその幅が自由に設定することができる。
以上のように構成した結合手段7を備えた手提げ紐2の使用に際しては図8に示すとおりである。
手提げ紐2は袋1の上端開口部に取り付け舌状片4を挟み付けて固定される。袋の中に品物を入れて口を閉じる際は手提げ紐2の結合手段7が設けられた付近を手で持って前後の手提げ紐2同士を重ね合わせて結合手段7を結合させる。図(イ)及び(ロ)。そして、再び袋の口を開ける際は(ハ)に示すように手提げ紐2を持って広げればよい。
使用時において、結合手段7にかかる力は、手提げ紐2は2本揃えられて手で握られるので、主に袋内に詰められた品物(内容物)による開口部を広げる方向の力が最も大きいと考えられる。したがって、結合手段7に求められる性能としては、この内容物による開口方向の力に打ち勝つことである。この発明は上述のように、第一の突起9の全周が嵌め合い長さとなるので、全長を最大限に利用することで十分な長さを確保することとなり、前述の実開平6−32335に開示されているように手提げ紐2の全幅を2往復した場合よりも長い嵌合長を確保することができる。これは従来用いられてきたキノコ形の係合突起よりもはるかに長いものであり、結合強度も十分であるが、それでも結合強度が不足する場合もある。
図9は結合手段7の第一の突起の他の形状例を示す平面図である。(イ)は菱形である場合、(ロ)は六角形の場合、(ハ)は八角形及び(ニ)は円形の場合を示している。多角形の場合はいずれの場合も、一つの対角線が必ず手提げ紐2の長手方向(図においては紙面の上下方向)と平行に配置される。そして図は中心線を境に左右がそれぞれ使用時の向かい合う結合手段を示すものである。右の図の第二の突起10が左の図の破線部分に適合するようにするためには、1本の手提げ紐2の両側への配置を前述の通り(図2)手提げ紐2の中心を軸に回転対称にしなければならないから、第一の突起9を構成する基本図形は偶数多角形または円形に限定される。言い換えれば、第一の突起9はそれ自体縦の対角線を中心に左右対称図形でなければならないということである。つまり第一の突起9は4以上の偶数の辺からなる平板状もしくは多角形柱状または円形で形成される。そして多角形の場合は(ロ)及び(ハ)に示すように、辺一つおきに第二の突起10を形成している。円形の場合は、図(ニ)では第二の突起10は一対のみであるが、全周を偶数に均等割りすれば多角形と同様に構成することができる。ただしその際においても、第二の突起10の左右いずれかの端部を結ぶ線が多角形の対角線同様に手提げ紐2の長手方向と必ず平行に配置されなければならない。
なお、第二の突起10の形状は、図示のように三角形や半楕円形状などに限定されることはない。この第二の突起10の形状は、嵌め合った際における結合手段7の結合強度に影響するものである。つまり、第二の突起10の剛性が低く変形し易いと結合が外れやすく、逆に剛性が高く変形しにくいと結合が外れ難いということになる。ただし、この剛性は、基盤となる手提げ紐2の素材特性や平板部8の厚みなども要因となって決定される。また、その上面は平面で構成されると嵌め合わせが困難であるので、できるだけ角と平面部のない曲面で構成されることが望ましい。
図10は突条11及び条溝12の他の構成例を示すものである。例えば図10(イ)において、結合手段7を上下に分けて考えたときに、下側の対の突条11と条溝12の寸法を上側の対の突条と条溝よりも大きく(深くまたは幅広に)形成することにより、上側よりも下側の方が嵌め合い強度が強くなり、解放し難い構成となるのである。つまりその寸法の選択によって、結合させるときと解放させるときの嵌め合い順序を決めることができる。図のように下側を深く嵌め合い強度が強い構成とすると、結合させるときは下側を先に嵌め合わせてから上側を嵌め合わせることとなる。そして解放時は必ず上側から外れることとなる。つまり図11に矢印で示す袋側の開口力によっては解放され難い特性を付与することとなるのである。言い換えれば手提げ紐2を広げる操作によらなければ袋が開口でき難いということになる。したがって、通常手提げ紐2はその自重を持ってしては開口部を広げるだけの力にはなりえず、結合手段7を結合させた状態では手提げ紐2はほとんど起立した状態にあり、さらに吊り下げ時に開口方向に力が作用することはありえないので、下側を解放し難い構成にすれば内容物によって不用意に開口することがなくなる。
図12はこの発明の結合手段7の設置位置の別例である。前記例は取り付け舌状片4の上部に平板部8を設け、その平板部上に設けたが、この図では平板部8を設けず、結合手段7を舌状片4上の係合突起5の間に設ける場合の例である。袋によってはこの位置に設けた方が良い場合もある。
図13は第一の突起部の他の構成例を示す要部平面図である。図に示すように、第一の突起9の中央部には磁石16が埋め込まれている。もちろん相手側とで極性を合わせる必要はあるが、上記嵌合性能に加えて磁力による吸着力を加味することによって、嵌め合わせの際の位置決めが容易にができるよう構成することも可能である。
図14はこの発明の第2の実施例を示す結合手段の結合前の要部正面図である。本実施例では結合手段7を構成する基本図形の内側を立体的に形成して嵌め合いを構成するものである。以下、結合手段7の取り付け位置や使用方法等に関しては前記実施例1と同様であるので割愛し、結合手段7の構成に限定して説明する。
図14及び図15に示すように、基本図形となる正方形をその一の対角線を手提げ紐2の長さ方向に平行になるように配置している。その対角線で区画された部分を周方向に順次凹凸となるように(図では一つおき)に隆起させて突起14を形成する。図14では便宜上隆起させた部分を灰色に着色している。他の凹部15は平板部8の面そのものであっても良いし、結合手段7の基板として一定の高さを有する平面部であっても良い。
なお、図15の左右の図はそれぞれ使用時における向き合った手提げ紐2の結合部を示すものであり、向かい合った結合手段7の突起14が凹部15に嵌まり合うものであることを示している。
図16及び図17は図14におけるCC断面図である。突起14の側面16は突起の高さ方向に2分割され、側面形状がほぼS字を形成するように一対の突条17と条溝18を並列した構成となっている。そしてこの突条17の高さと幅及び条溝18の深さと幅は基本的には同一もしくは条溝18の方を幾分大きく形成する。図中(イ)は嵌め合わせる前、(ロ)は嵌め合わせた状態を示している。つまり図16に示すように、突起を向き合わせた際にそれぞれの側面形状が適合しあうようになっていることで嵌合構造を構成している。図17は側面16の側面形状がより鋭角的となったZ字型を呈しているものである。図は多少誇大に描いているが、このように鈎状の構造で嵌まり合う方が強度が高いことは言うまでもない。なお、側面16の断面は矩形であっても良いことはもちろんである。
図18は基本形状の他の形状例を示す平面図である。(イ)は菱形、(ロ)は六角形、(ハ)は八角形及び(ニ)は円形である。基本的に偶数の多角形か円形となる。もちろん楕円形も含まれる。円形の場合は多角形の周縁が曲線になっただけであると考えられるので、多角形同様に任意の位置で周方向に偶数個に均等分割すれば全く同様に考えることができる。(ホ)は円形の場合において、凹凸を直径方向に複数の列で構成した場合を示すものである。もちろん多角形でも同様に形成することは可能である。
図19は突条と条溝の他の構成例を示す平面図である。図に示すように基本図形が四角形の場合は嵌め合いの部位は4箇所あることになるが、これを例えば図において上側の嵌め合いよりも下側の嵌め合いを図20に示すように図16のそれよりも深くして嵌め合いの強さを強くすることにより、袋側からは解放し難い構成とすることができる。つまりその寸法の選択によって、結合させるときと解放させるときの嵌め合い順序を決めることができる。この場合において嵌め合い強度を上げる手段としては図17に示した側面形状を採用することとしても良いことはもちろんである。
図21はこの発明の第3の実施例を示す結合手段の結合前の要部正面図である。本実施例では結合手段7を複数の突起で形成して嵌め合いを構成するものである。
図に示すように手提げ紐2の平板部8上には仮想正方形の対角の位置に一対の突起を設けている。突起は平面的には円形で背の低いキノコ型もしくは円柱状を呈している。これはいうなれば前記第二の実施例の突起14を円形の突起に置き換えたものと考えることができる。
、図22の左右の図はそれぞれ使用時における向き合った手提げ紐2の結合部を示すものであり、向かい合った結合手段7の突起19が相互に嵌まり合うものであることを示している。
図23(イ)に示すように、突起19の側面16は突条部17と条溝部18で構成されたS字形状に形成されている。そしてこの突条部17の高さと幅及び条溝部18の深さと幅は基本的にほぼ同一もしくは条溝18の方を幾分大きく形成する。図中(イ)は嵌め合わせる前、(ロ)は嵌め合わせた状態を示している。つまり図に示すように、突起を向き合わせた際にそれぞれの側面形状が適合しあうようになっていることで嵌合構造を構成している。
図24乃至26は突起19の他の配置例を示すものである。図24は仮想正六角形の頂角の位置に配置した場合を示している。図中(イ)において中心線を境に左右の図はそれぞれ使用時の向き合った手提げ紐の結合手段7を示すものである。また、図中(ロ)及び(ハ)は突起19の縦断面((イ)におけるDD断面図)である。図に示すように、突起19はその側面をS字形状にしても鈎状にしてもよい。
図25は突起19を四角柱状に形成した場合を示している。(イ)におけるDD断面図である(ロ)及び(ハ)に示すように突起19の側面形状は矩形や台形もしくは鈎状の凹凸形状に形成することができる。
図26は(イ)で突起19を直径方向に二重に形成した場合を示し、(ロ)では五角柱で形成した場合を示している。
図27乃至30はこの発明の第4の実施例を示すものであり、これは前記第一の実施例の構成と第二の実施例の構成とを組み合わせた構成を示している。
図27は結合手段の結合前の要部正面図である。第一の実施例の第一の突起9に第二の実施例における突起14と凹部15が形成されている。
図28に示すように、使用時には向き合った結合手段7の第一の実施例における突条11と条溝12とが、また、第二の実施例における突起14の側面16がそれぞれ嵌まり合うことにより頑強な結合を得ることができる。
図29は突起形状の他の形状例を示す平面図である。(イ)は菱形、(ロ)は六角形、(ハ)は八角形及び(ニ)は円形を示している。
図30は突条と条溝の他の構成例を示す平面図である。図に示すように基本図形が四角形の場合は嵌め合いの部位は8箇所あることになるが、これを例えば図において上側の嵌め合いよりも下側の嵌め合いを深くして嵌め合いの強さを強くすることにより、袋側からは解放し難い構成となるのである。つまりその寸法の選択によって、結合させるときと解放させるときの嵌め合い順序を決めることができる。この場合において嵌め合い強度を上げる手段としては前記第一の実施例及び第二の実施例にそれぞれ示した嵌め合い形状を用いることができる。
図31乃至34はこの発明の第5の実施例を示すものであり、これは前記第一の実施例の構成と第三の実施例の構成とを組み合わせた構成を示している。
図31は結合手段7の結合前の要部正面図である。第一の実施例の第一の突起9に第三の実施例における突起19が形成されている。
図32に示すように、使用時には向き合った結合手段7の第一の実施例における突条11と条溝12とが、また、第三の実施例における突起19がそれぞれ嵌まり合うことにより頑強な結合を得ることができる。
図33は突起形状の他の形状例を示す平面図である。(イ)は菱形、(ロ)は六角形、(ハ)は八角形及び(ニ)は円形を示している。
図34は突条と条溝の他の構成例を示す平面図である。図に示すように基本図形が四角形の場合は嵌め合いの部位は6箇所あることになるが、これを例えば図において上側の嵌め合いよりも下側の嵌め合いを深くして嵌め合いの強さを強くすることにより、袋側からは解放し難い構成となるのである。つまりその寸法の選択によって、結合させるときと解放させるときの嵌め合い順序を決めることができる。この場合において嵌め合い強度を上げる手段としては前記第一の実施例及び第三の実施例にそれぞれ示した嵌め合い形状を用いることができる。
図35乃至38はこの発明の第6の実施例を示すものであり、これは前記第二の実施例の構成と第三の実施例の構成とを組み合わせた構成を示している。
図35は結合手段7の結合前の要部正面図である。第二の実施例の凹部15に第三の実施例における突起19が形成されているとともに、第二の実施例の突起14にこの突起19が係合する係合孔20が形成されている。
図36に示すように、使用時には向き合った結合手段7の第二の実施例における突条14と凹部15とが側面16により、また、第三の実施例における突起19と係合孔20がそれぞれ嵌まり合うことにより頑強な結合を得ることができる。
図37は突起形状の他の形状例を示す平面図である。(イ)は菱形、(ロ)は六角形、(ハ)は八角形及び(ニ)は円形を示している。
図38は突条と条溝の他の構成例を示す平面図である。図に示すように基本図形が四角形の場合は嵌め合いの部位は8箇所あることになるが、これを例えば図において上側の嵌め合いよりも下側の嵌め合いを深くして嵌め合いの強さを強くすることにより、袋側からは解放し難い構成となるのである。つまりその寸法の選択によって、結合させるときと解放させるときの嵌め合い順序を決めることができる。この場合において嵌め合い強度を上げる手段としては前記第一の実施例及び第三の実施例にそれぞれ示した嵌め合い形状を用いることができる。
図39乃至44はこの発明の第7の実施例を示すものである。
図39は結合手段7の結合前の要部正面図である。平板部8には手提げ紐2の長さ方向と直行する方向に3本の突条が並列して設けられている。図40はその側面図、及び図41は結合前の結合手段7を示す斜視図である。突条21はその側面16を突条部17及び条溝部18とからなるほぼS字状に形成してなり、使用時に向かい合った結合手段7の突条21が相手の結合手段7の突条間の条溝に適合するようになっている。この実施例においては突条21を3列以上設けることが重要である。前述の実開平6−32335のように2列ずつでは、2列の突条で相手の1列の突条を挟むだけであるので結合力が弱いからである。
図42及び図43は使用時の嵌め合い状態を示す側面図である。図42は通常の突条の構成である。(イ)に示すように結合手段7を結合させる場合は突条21の幅分上下にずらして向かい合った突条を押し込んで嵌め合わせることで、(ロ)に示すように一体となる。そして結合を解放する場合は(ハ)に示すように図示しない手提げ紐2の吊り下げ部を持って上方から広げるとファスナーの如く結合が離れる。
この場合において、袋側と紐側とで結合解除のし易さを変える場合は、図43(イ)に示すように突条21の厚み及び側面16を形成する突条部17と条溝部18の嵌め合い深さを上方に行くにしたがって浅くするなど変えて、相互の嵌め合い強さを調整することにより袋側からは外れ難いが紐側からは外し易いという構成にすることができる。図中(ロ)は突条21を鈎状に形成した場合を示している。
図44は突条21の側面形状を左右非対称に形成した場合を示している。すなわち突条21の上側の側面16は突条部17で形成し、下側の側面16は条溝部18で形成している。つまり突条21はその横断面が上に向かって湾曲した形状となっている。このような構成とすることによって、(イ)に示すように結合時には下側から上に向かって嵌め込み、嵌め合った状態では(ロ)に示すように突条の高さ方向に容易に外れず、(ハ)に示すように解除する場合は上側からでないと解除し難いというように、その操作において一方向性を設けることが可能となる。
なお、この実施例において、突条21の横断面形状は、図に示した形状に限定されるものではなく、側面の形状が矩形をつなげた形状であったり、鈎形状をつなげた形状であっても良いことはもちろんである。
図45乃至49はこの発明の第8の実施例を示すものである。
図45は結合手段7の結合前の要部正面図である。平板部8には手提げ紐2の長手方向に対して45度の角度で傾斜し交差した2本の仮想線状に、一方に1本、他方に2本の並列した突条21が設けられている。交差点近傍には突条21はない。この突条21の横断面は先端に膨大部を有するいわゆるキノコ型を呈している。もちろん前述の実施例7等で示されているような矩形型や鈎型等に形成されているものとしても良いことはもちろんである。
図46に示すように、使用時にはこれら向き合った結合手段7において、一方の結合手段の1本の突条21が片方の2本の突条列で形成される条溝に嵌り合うようになる。図47は嵌り合った状態を示す正面図である。通常はこのように4組の嵌め合わせが機能する。ところがこの実施例の場合は、突条21の厚さ分ずらすことよって図48に示すように、半分の2組のみ嵌め合わせることも可能となる。
またこの実施例においても、図49(イ)に示すように、結合手段7を上下に分けた場合に上下で嵌め合い強度を変えることができる。その場合には前記実施例に示したように、嵌め合いの深さや幅のみならず、図49の(ロ)、(ハ)または(ニ)のような様々な突条形状を選択して組み合わせても良い。
図50乃至54はこの発明の第9の実施例を示すものである。
図50は結合手段7の結合前の要部正面図である。平板部8には所望高さを備えたほぼ正方形の基盤22が設けられている。そしてその基盤を上下に2等分した場合の両横の辺の外側対角位置に内側に鈎状部24を備えた突条23が設けられている。図中左側の突条23から見ると、当該突条23の上端の水平位置を下端とする対辺の位置に同様の突起を対向して設けている。そしてそれぞれの両横の辺の残りの部分には平板部8との境界に条溝25が設けられている。そしてこれら結合部材7を向き合わせた際に、一方の突条23の鈎状部24が条溝25に係合するようになっている。図52は結合させた状態を示す側面図である。
図53及び図54はそれぞれこの実施例の変形を示すものである。両図において(イ)は正面図、(ロ)は結合前の側面図及び(ハ)は結合状態の側面図である。図53においては、基盤22が平板部8の幅と同等であり、平板部8と基盤22との間に条溝25が設けられている。突条23は平板部8から幅方向に突出した状態で設けられている。
図54においては、基盤22が無く、突起23の鈎状部24は直接相手の平板部8に引っ掛かり、抱き合うように結合するものである。
この発明の手提げ紐は以上のように構成したので、その構成によっては、ホックとしても従来にない新規な形状であるとともに、十分な長さの嵌合長を確保することでコンパクトな形状でありながら嵌合強度の向上を図ることができる。したがって、常態では袋の口が不用意に開いてしまうということを従来以上に防止することができる。
しかも、嵌合強度が強いにもかかわらず、操作時には嵌めやすく外しやすいという従来にない良好な操作性を得られるに至った。
さらには、この発明の結合手段7は新規なホックとして機能するため、衣料品等への応用も可能である。
この発明の手提げ紐を装着した袋の全体斜視図である。 この発明の第1の実施例における手提げ紐の要部平面図である。 その要部側面図である。 その結合手段の装着状態の斜視図である。 結合手段の結合前の要部正面図である。 結合手段の嵌合構造を示す要部断面図である。 結合手段の嵌合構造を示す要部断面図である。 結合手段の使用状態を示す要部側面図である。 第一の突起の他の形状例を示す平面図である。 突条と条溝の他の構成例を示す平面図及び要部断面図である。 その作用を示す要部側面図である。 結合手段の他の取り付け位置を示す要部正面図である。 第一の突起部の他の構成例を示す要部平面図である。 第2の実施例における結合手段の結合前の要部正面図である。 その嵌合構造を示す要部斜視図である。 結合手段の嵌合構造を示す要部断面図である。 結合手段の嵌合構造を示す要部断面図である。 基本形状の他の形状例を示す平面図である。 突条と条溝の他の構成例を示す平面図である。 結合手段の嵌合構造を示す要部断面図である。 第3の実施例における結合手段の結合前の要部正面図である。 その嵌合構造を示す要部斜視図である。 結合手段の嵌合構造を示す要部側面図である。 突起の他の配置例を示す平面図及び突起の縦断面図である。 突起の他の配置例を示す平面図及び突起の縦断面図である。 突起の他の配置例を示す平面図である。 第4の実施例における結合手段の結合前の要部正面図である。 その嵌合構造を示す要部斜視図である。 嵌合構造の他の形状例を示す平面図である。 突条と条溝の他の構成例を示す平面図である。 第5の実施例における結合手段の結合前の要部正面図である。 その嵌合構造を示す要部斜視図である。 嵌合構造の他の形状例を示す平面図である。 突条と条溝の他の構成例を示す平面図である。 第6の実施例における結合手段の結合前の要部正面図である。 その嵌合構造を示す要部斜視図である。 嵌合構造の他の形状例を示す平面図である。 突条と条溝の他の構成例を示す平面図である。 第7の実施例における結合手段の結合前の要部正面図である。 その要部側面図である。 その嵌合構造を示す要部斜視図である。 嵌合構造の作用を示す要部側面図である。 突条の他の構成例を示す要部側面図である。 嵌合構造の作用を示す要部側面図である。 第8の実施例における結合手段の結合前の要部正面図である。 その嵌合構造を示す概念図である。 その嵌合した状態を示す概念図である。 その嵌合した状態を示す概念図である。 突条の他の構成例を示す正面図及び概念図である。 第9の実施例における結合手段の結合前の要部正面図である。 その嵌合構造を示す要部斜視図である。 嵌合構造の作用を示す要部側面図である。 突起の他の構成例を示す正面図及び側面図である。 突起の他の構成例を示す正面図及び側面図である。
符号の説明
1 袋
2 手提げ紐
3 吊り下げ部
4 取り付け舌状片
5 係合突起
6 係合孔
7 結合手段
8 平板部
9 第一の突起
10 第二の突起
11 突条
12 条溝
13 磁石
14 突起
15 凹部
16 側面
17 突条
18 条溝
19 突起
20 係合孔
21 突条
22 基盤
23 突条
24 鈎状部
25 条溝

Claims (22)


  1. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、縦断面形状がほぼコ字形状を呈した係合突起であって、
    四角柱状の第一の突起を備えるとともに、
    その第一の突起の一対の対辺の外側にこの第一の突起の高さの少なくとも2倍の高さを有する第二の突起を設け、
    なおかつこの係合突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、相互に嵌り合うような90度回転した位置関係に設けられ、
    なおかつ嵌り合った際に容易に外れないための嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  2. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、偶数の辺からなる多角柱状の第一の突起を備えるとともに、
    その第一の突起の一対の対角が紐の長さ方向と平行に配置され、
    さらに各辺には一辺おきにその外側にこの多角形状突起の高さの少なくとも2倍の高さを有する第二の突起を設け、
    なおかつこの第一及び第二の突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、
    この多角形の内角分回転した位相で第二の突起が相互に嵌り合うような位置関係に設けられ、
    なおかつ嵌り合った際に容易に外れないための嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  3. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    円柱状の第一の突起を備えるとともに、その第一の突起の外周において、
    この外周を偶数均等割りした各周辺の一つおきの外側に、第一の突起の高さの少なくとも2倍の高さを有する第二の突起を設け、
    なおかつこの第一及び第二の突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、均等割りした角度分回転した位相で第二の突起が相互に嵌り合うような位置関係に設けられ、なおかつ嵌り合った際に容易に外れないための嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  4. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、左右対称形状を平坦のまま隆起させて第一の突起を形成し、
    さらに第一の突起の外周辺においてその一辺の長さを最大幅としてこの第一の突起の少なくとも2倍の高さに隆起させて一対の第二の突起を対辺に又は一辺おきに形成するとともに、
    この第二の突起の上端内側辺には所望高さの条突起を対向する第二の突起方向に突設し、
    さらに上記第一の突起において第二の突起が形成されない辺を含む側面には、上記条突起が適合する溝を備え、
    なおかつこの第一及び第二の突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、第二の突起が相互に嵌り合うような位置関係に設けられてなる手提げ紐の結合手段を設けたことを特徴とする手提げ紐。

  5. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、中央に低い第一の突起とこの第一の突起を対角状に挟む位置に、この中央部の少なくとも2倍の高さを有する一対の第二の突起からなる凹字形状の段付き突起を設けるとともに、
    この段付き突起は同一形状の段付き突起を備えた手下げ紐を第一の突起が重り合うように向かい合わせにした場合において、
    相互の第二の突起が、相手の紐の第一の突起において第二の突起が形成されない辺に適合することにより、相互に嵌り合う形状であるとともに、
    一対の第二の突起の内側及びこの部位が適合する第一の突起の外面には
    両者が容易に外れないようにするための突起及びこの突起が嵌合する溝を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を設けたことを特徴とする手提げ紐。

  6. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    中央に低い第一の突起と、
    この第一の突起を対角状に挟む位置に、
    この第一の突起の少なくとも2倍の高さを有する第二の突起からなる凹字形状の段付き突起を設けるとともに、
    この段付き突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に同一形状の段付き突起を備えた相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、
    相互の第二の突起が、対向する紐の第一の突起において第二の突起が形成されない辺に適合することにより、相互に嵌り合う形状であるとともに、
    一対の第二の突起の内側及びこの部位が適合する第一の突起の外面には、
    両者が容易に外れないようにするための突起及びこの突起が嵌合する窪みを備えてなる手提げ紐の結合手段
    を設けたことを特徴とする手提げ紐。

  7. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    偶数多角形の、対角線で分割されなおかつこの対角線と外周の一辺とで囲まれた複数の三角形を周方向に交互に凹凸となるように突起部を形成し、
    さらにこの対角線を含む突起部側面には、この突起の高さの半分の高さを最大幅として凹凸を上下二段に形成してなり、
    この突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に同一形状の突起部を備えた相手の手下げ紐の突起部と向き合った際に、
    相互の突起部が対向する紐の凹部に適合するとともに、
    突起部側面の凹凸が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  8. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    回転対称である基本図形の中心を通る線で均等に偶数分割され、
    なおかつこの中心線の一部と外周の一辺とで囲まれた複数の扇形状を周方向に交互に凹凸となるように突起部を形成し、
    さらにこの突起部側面には、この突起の高さの半分の高さを最大幅として凹凸を上下二段に形成してなり、
    この突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に同一形状の突起部を備えた相手の手下げ紐の突起部と向き合った際に、
    相互の突起部がその扇形状の要部の角度分回転した位置で対向する紐の凹部に適合するとともに、
    突起部側面の凹凸が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  9. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    基本図形として四角形の一対の頂角に相当する位置に、周方向に交互に凹凸となるように柱状突起を形成し、
    さらにこの柱状突起の側面は、180度回転させて向き合わせた同形状の他の柱状突起の側面と相互に適合し合うような形状に形成され、
    この柱状突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きに配置されるが、
    袋装着後に同一形状の柱状突起を備えた相手の手下げ紐の柱状突起と向き合った際には、
    相互の柱状突起が対向する紐の柱状突起間の凹部に適合するとともに、
    柱状突起側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  10. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    基本図形として偶数多角形の各頂角に相当する位置に、周方向に交互に凹凸となるように柱状突起を形成し、
    さらにこの柱状突起の側面は、180度回転させて向き合わせた同形状の他の柱状突起の側面と相互に適合し合うような形状に形成され、
    この柱状突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きに配置されるが、
    袋装着後に同一形状の柱状突起を備えた相手の手下げ紐の柱状突起と向き合った際には、
    相互の柱状突起が対向する紐の柱状突起間の凹部に適合するとともに、
    柱状突起側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。
  11. 周方向に形成した凹凸が半径方向に複数の列をもって形成されてなる請求項7乃至10のいずれかに記載の手提げ紐。

  12. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    中央に低い第一の突起と、
    この第一の突起を対角状に挟む位置に、
    この第一の突起の少なくとも2倍の高さを有する第二の突起からなる凹字形状の段付き突起を設けるとともに、
    一対の第二の突起の内側及びこの部位が適合する第一の突起の外面には、
    両者が容易に外れないようにするための突起及びこの突起が嵌合する窪みからなる嵌合構造を備えてなり、
    さらにこの第一の突起において、
    四角形または偶数多角形の対角線で分割され
    なおかつこの対角線と外周の一辺とで囲まれた複数の三角形を周方向に交互に凹凸となるように第三の突起部を形成し、
    さらに凹部は少なくともこの第三の突起の高さと同じ深さに凹部を形成してなり、
    さらにこの第三の突起と凹部とで形成される壁面には上下二段に凹凸を形成してなり、
    これら段付き突起及び第三の突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に同一形状の段付き突起及び第三の突起を備えた相手の手下げ紐の係合突起と向き合った際に、
    相互の第二の突起が、対向する紐の第一の突起において第二の突起が形成されない辺の窪みに適合するとともに、
    第三の突起が凹部に嵌り合うことで相互に嵌り合う手提げ紐の結合手段
    を設けたことを特徴とする手提げ紐。

  13. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    左右対称形状を平坦のまま隆起させて第一の突起を形成し、
    さらに第一の突起の外周辺において
    その一辺の長さを最大幅としてこの第一の突起の少なくとも2倍の高さに隆起させて一対の第二の突起を対辺に又は一辺おきに形成するとともに、
    この第二の突起の上端内側辺には所望高さの条突起を対向する第二の突起方向に突設し、
    さらに上記第一の突起において第二の突起が形成されない辺を含む側面には、上記条突起が適合する溝を備え、
    さらに第一の突起の中央部に柱状突起を形成するとともに、
    この柱状突起の側面は、180度回転させて向き合わせた同形状の他の柱状突起の側面と相互に適合し合うような形状に形成されてなり、
    なおかつこの第一、第二の突起及び柱状突起は、この紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に相手の手下げ紐のこれら突起と向き合った際に、
    第二の突起同志及び柱状突起同志が相互に嵌り合いうような位置関係に設けられてなる手提げ紐の結合手段
    を設けたことを特徴とする手提げ紐。
  14. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    回転対称である基本図形の中心を通る線で均等に偶数分割され、
    上記突起部には、この柱状突起が嵌合する嵌合孔部を備えてなり、
    さらにこの突起部側面には、
    この突起の高さの半分の高さを最大幅として凹凸を上下二段に形成してなり、
    なおかつこの中心線の一部と外周の一辺とで囲まれた複数の扇形状を周方向に交互に凹凸となるように突起部を形成し、
    さらにこの凹部には、側面形状を、180度回転させて向き合わせた同形状の他の突起の側面と相互に適合し合うような形状に形成してなる柱状突起を備えるとともに、
    この突起部及び柱状突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に同一形状の突起部を備えた相手の手下げ紐の突起部と向き合った際に、
    相互の突起部がその扇形状の要部の角度分回転した位置で対向する紐の凹部に適合するとともに、
    突起部側面の凹凸が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  15. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    上下方向に交互に凹凸となるよう水平方向の突条を少なくとも3列以上並列に設け、
    さらに、その突条は根元が細く上方に膨大部を備えた横断面形状からなるとともに、
    袋装着後に同一形状の突条を備えた相手の手下げ紐の突条と向き合った際には、
    相互の突条が対向する紐の突条間の凹部に適合するとともに、
    突条側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  16. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    上下方向に交互に凹凸となるよう水平方向の突条を少なくとも3列以上並列に設け、
    さらに、その突条は上方に湾曲したまたは上面が突出し及び下面が窪んだ横断面形状からなるとともに、
    袋装着後に同一形状の突条を備えた相手の手下げ紐の突条と向き合った際には、
    相互の突条が対向する紐の突条間の凹部に適合するとともに、
    突条側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  17. 突条側面の嵌合は上方に向かうほど浅くなるよう形成したことを特徴とする請求項15又は16のいずれかに記載の手提げ紐。

  18. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    水平から45度傾斜した線上とこれと直交する線上に1列及び2列の突条を、
    交点を中心にした回転方向に交互になおかつ交点付近を所望間隔離して配置して設け、
    この突条列はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に同一形状の突条を備えた相手の手下げ紐の突条と向き合った際には、
    相互の1列の突条が対向する紐の2列の突条の凹部に適合するとともに、
    突条側面が相互に嵌り合う嵌合構造を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  19. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    所望厚みを備えた平面部を設けるとともに、
    この平面部の側辺を上下に2分割し、
    その対角の位置に内向した鈎部を備えた突起を設け、
    さらに側辺においてこの突起がない部分には、
    この突起の鈎部が適合する溝を設けた嵌合手段を形成し、
    なおかつこの嵌合手段はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に同一形状の嵌合手段を備えた相手の手下げ紐の嵌合手段と向き合った際には、
    相互の突起が対向する紐の溝部に適合することにより相互に嵌り合う嵌合構造
    を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。

  20. 手提げ袋の開口部に一対で取り付けられる手提げ紐であって、
    この紐の両端には上記手提げ袋の開口部に取り付ける取り付け手段を備えるとともに、
    この紐を手提げ袋に取り付けた場合の袋の開口部近傍にあたる所望位置に、
    内向した鈎部を備えた所望幅の突起を設けるとともに、
    対辺の上記突起の上端の水平位置を下端とする位置に同様の突起を対向して設け、
    これら一対の突起はこの紐を袋に装着する前の一文字の状態では同じ向きであるが、
    袋装着後に同一形状の突起対を備えた相手の手下げ紐と向き合った際には、
    相互の突起が対向する紐に引っ掛かり、交差して抱きかかえるように適合することにより相互に嵌り合う構造
    を備えてなる手提げ紐の結合手段
    を備えたことを特徴とする手提げ紐。
  21. 手提げ紐が、
    紐本体の両端に手提げ袋の開口部を挟んでこの紐を固定するための二股に形成した舌状取り付け片を備えるとともに、
    この舌状取り付け片の一方の内側には、他方の舌状取り付け片に設けた係合孔に係合する係合突起を備えたものであり、
    上記結合手段がこの舌状取り付け片またはその上部に設けられたものである請求項1乃至20のいずれかに記載の手提げ紐。
  22. 嵌合構造における上下位置において、上側よりも下側の嵌め合い強さを強く構成することにより、紐側からの解放操作によっては容易に解放され、逆に袋側からの解放力に拠っては解放されにくい嵌め合い強度の偏り性を付与したことを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の手提げ紐。
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