JP2005343381A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2005343381A JP2004167438A JP2004167438A JP2005343381A JP 2005343381 A JP2005343381 A JP 2005343381A JP 2004167438 A JP2004167438 A JP 2004167438A JP 2004167438 A JP2004167438 A JP 2004167438A JP 2005343381 A JP2005343381 A JP 2005343381A
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Abstract

【課題】ショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝でのクラックの発生の抑制とを両立すること。
【解決手段】ショルダーリブ21のタイヤ幅方向外方に細溝40介して摩耗抑制リブ30を設ける。また、細溝40には突起部45と突起部用溝48とを設ける。このショルダーリブ21に荷重が加えられた場合には、突起部用溝48に突起部45が入ることによりショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30とが密着するので、前記の荷重を摩耗抑制リブ30でも受けることができる。また、細溝40内に縁石等が入り込んだ場合でも、縁石等は主に突起部45と接触するので引っかかりが少なく、細溝底43にかかる負荷は小さくなる。これらの結果、ショルダーリブ21の偏摩耗の抑制と、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に介在する細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関するものである。特に、この発明は、偏摩耗を抑制することのできる重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
従来の重荷重用空気入りタイヤでは、トレッド部に複数形成されるリブのうち、タイヤ幅方向の外側端部に位置するショルダーリブの、外側エッジ部付近の摩耗、即ち、ショルダーエッジ摩耗やショルダー摩耗などの偏摩耗を抑制するために、タイヤ幅方向においてショルダーリブの外側方向に細溝を介して新たに外側リブを設ける場合がある。このように外側リブを設けることにより、路面からショルダーリブの外側エッジ部付近に荷重が加えられた場合には、ショルダーリブ及び外側リブは共に変形し、ショルダーリブと外側リブとは密着する。これにより、路面からの荷重はショルダーリブと外側リブとの双方で受けるため、ショルダーリブの外側エッジ部付近に加えられる荷重は分散し、外側エッジ部付近のみが摩耗する偏摩耗を抑制することができる。しかし、この外側リブ、つまり摩耗抑制リブは、縁石などが細溝に入り込んだ場合に、細溝の溝底付近にクラックが生じて細溝の溝底付近から破断する虞がある。そこで、従来の重荷重用空気入りタイヤでは、摩耗抑制リブに破断抑制の構造を施しているものがある。例えば、特許文献1では、細溝の、摩耗抑制リブ側の溝壁に突起部を設けている。これにより、当該重荷重用空気入りタイヤで縁石などに乗り上げ、細溝に縁石などが入り込んだ場合でも、摩耗抑制リブが縁石などに接触する面積が減少するため、摩耗抑制リブは細溝に入り込んだ縁石に引きずられることが減少する。これにより、細溝の溝底付近から摩耗抑制リブが破断することを抑制することができる。
特開2002−19420号公報
しかしながら、前記摩耗抑制リブ等の摩耗抑制陸部に上記のように突起部を設けた場合には、摩耗抑制陸部と、前記ショルダーリブ等のショルダー側陸部が密着し難くなる。摩耗抑制陸部とショルダー側陸部が密着しないと、ショルダー側陸部の外側エッジ部付近に加えられる荷重を摩耗抑制陸部で受け難くなり、摩耗抑制陸部を設けることによる効果が低減する。即ち、ショルダーエッジ摩耗やショルダー摩耗などの偏摩耗を抑制する効果が低減し、偏摩耗が生じる虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝でのクラックの発生の抑制とを両立することのできる重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、トレッド部に形成される複数の周方向溝部によって複数の陸部が区画され、前記複数の陸部のうち、タイヤ幅方向の両端部に位置する前記陸部はショルダー側陸部として形成される重荷重用空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向における前記ショルダー側陸部の赤道面方向と反対方向には摩耗抑制陸部が形成されており、前記ショルダー側陸部と前記摩耗抑制陸部との間には、互いに対向するショルダー側陸部側溝壁と摩耗抑制陸部側溝壁とを有する細溝が形成されており、前記摩耗抑制リブ側溝壁には、突起部がタイヤ周方向に形成されており、前記ショルダー側陸部側溝壁には、突起部用溝が前記突起部と対向するようにタイヤ周方向に形成されており、前記細溝の溝深さVに対する前記突起部用溝の溝幅Dは、0.1≦(D/V)≦0.6の範囲内で形成され、前記細溝の溝深さVに対する前記突起部の幅dは、0.1≦(d/V)≦0.6の範囲内で形成され、且つ、前記突起部用溝の溝幅D及び前記突起部の幅dは、D>dの関係になるように形成されており、前記細溝の溝幅Wに対する前記突起部用溝の溝深さBは、0.2≦(B/W)≦2.0の範囲内で形成され、前記細溝の溝幅Wに対する前記突起部の高さbは、0.2≦(b/W)≦2.0の範囲内で形成され、且つ、前記突起部用溝の溝深さB及び前記突起部の高さbは、B>bの関係になるように形成されており、前記突起部用溝は、前記細溝の溝深さVに対して、タイヤ径方向における前記トレッド部のトレッド面から前記突起部用溝の中心線までの距離Hが、0.4≦(H/V)≦0.7となるように配置されており、前記突起部は、前記細溝の溝深さVに対して、タイヤ径方向における前記トレッド部のトレッド面から前記突起部の中心線までの距離hが、0.4≦(h/V)≦0.7となるように配置されていることを特徴とする。
この発明では、タイヤ幅方向におけるショルダー側陸部の赤道面の方向と反対方向、つまり、外側方向に細溝を介して摩耗抑制陸部を設け、細溝のショルダー側陸部側溝壁には突起部を設け、摩耗抑制陸部側溝壁には突起部用溝を設けている。これにより、細溝に縁石などが出入りする場合でも、縁石と摩耗抑制陸部とは突起部で接触をするので、接触面積が小さいため摩擦抵抗が少なく、細溝の溝底付近のクラックの発生を抑制することができる。
また、突起部と突起部用溝とは対向しているため、路面からショルダー側陸部の外側エッジ部付近に荷重が加わり、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部とが変形して接触する場合でも、突起部が突起部用溝内に入ることにより、細溝のショルダー側陸部側溝壁と摩耗抑制陸部側溝壁とは密着し、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部とは密着する。これにより、ショルダー側陸部の外側エッジ部付近に加わる荷重を偏摩耗抑制陸部でより確実に受けることができるので、ショルダー側陸部の外側エッジ部付近に加わる荷重を分散し、或いは、偏摩耗抑制陸部が摩耗することにより、ショルダー側陸部の外側エッジ部付近が摩耗するショルダーエッジ摩耗やショルダー摩耗などの偏摩耗を抑制することができる。さらに、ショルダー側陸部側溝壁に突起部用溝が設けられることにより、ショルダー側陸部のエッジ部付近に荷重が加わった場合でも、ショルダー側陸部が変形し易くなる。これにより、ショルダー側陸部のエッジ部付近に加わる荷重をトレッド面の広い面積で荷重を受けることができ、これによっても、上記の偏摩耗を抑制することができる。これらの結果、ショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
また、細溝の溝深さV及び溝幅W、突起部の幅d及び高さb、突起部用溝の溝幅D及び溝深さBを、上記のように形成することにより、より確実にショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝でのクラックの発生の抑制とを両立している。即ち、D<d或いはB<bの場合には、ショルダー側陸部のエッジ部付近に荷重が加えられた場合に、突起部が突起部用溝内に入らないため、摩耗抑制陸部がショルダー側陸部に密着しない。このため、前記エッジ部付近に加えられる荷重を摩耗抑制陸部で受け難くなり、偏摩耗を抑制する効果が低減する。また、(D/V)<0.1の場合には、突起部用溝の溝幅が狭過ぎるため、ショルダー側陸部のエッジ部に荷重が加えられた際にショルダー側陸部が変形し難くなり、荷重を分散して受け難くなるので、ショルダー摩耗を抑制する効果が低減する。また、(d/V)<0.1の場合には、突起部の幅が狭過ぎるため、細溝に縁石等が入り込んだ際に縁石等は摩耗抑制陸部側溝壁に接触し易くなるので、摩耗抑制陸部は縁石等に引きずられ易くなり、細溝の溝底のクラックの発生を抑制する効果が低減する。
また、(D/V)>0.6の場合には、突起部用溝の溝幅が広過ぎるためショルダー側陸部の剛性が低くなり過ぎ、エッジ部に荷重が加えられた際にショルダー側陸部が変形し過ぎて路面とエッジ部との間で滑りが発生し易くなるので、ショルダーエッジ摩耗を抑制する効果が低減する。また、(d/V)>0.6の場合には、突起部の幅が広過ぎるため、細溝に縁石等が入り込んだ際に縁石等と突起部とが接触する面積が増えてしまい、突起部が縁石等に引きずられ易くなる。このため、摩耗抑制陸部が縁石等に引きずられ易くなるので、細溝の溝底のクラックの発生を抑制する効果が低減する。
また、(B/W)<0.2の場合には、突起部用溝の溝深さが浅狭すぎるため、ショルダー側陸部のエッジ部に荷重が加えられた際にショルダー側陸部が変形し難くなり、荷重を分散して受け難くなるので、ショルダー摩耗を抑制する効果が低減する。また、(b/W)<0.2の場合には、突起部の高さが低過ぎるため、細溝に縁石等が入り込んだ際に縁石等は摩耗抑制陸部側溝壁に接触し易くなるので、摩耗抑制陸部は縁石等に引きずられ易くなり、細溝の溝底のクラックの発生を抑制する効果が低減する。
また、(B/W)>2.0の場合には、突起部用溝の溝深さが深過ぎるためショルダー側陸部の剛性が低くなり過ぎ、エッジ部に荷重が加えられた際にショルダー側陸部が変形し過ぎて路面とエッジ部との間で滑りが発生し易くなるので、ショルダーエッジ摩耗を抑制する効果が低減する。また、(b/W)>2.0の場合には、突起部の高さが高過ぎるため、細溝に縁石等が入り込んだ際に縁石等と突起部とが高い接触圧で接触し、突起部が縁石等に引きずられてしまう虞がある。このため、摩耗抑制陸部が縁石等に引きずられ易くなるので、細溝の溝底のクラックの発生を抑制する効果が低減する。そこで、細溝の溝深さV及び溝幅W、突起部の幅d及び高さb、突起部用溝の溝幅D及び溝深さBを、上記のように形成することにより、より確実にショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
さらに、細溝の溝深さV、トレッド面から突起部用溝の中心線までの距離H、トレッド面から突起部の中心線までの距離hを、上記のように形成することにより、より確実にショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝でのクラックの発生の抑制とを両立している。即ち、(H/V)<0.4の場合には、突起部用溝がトレッド面に近過ぎるため、ショルダー側陸部のエッジ部付近に荷重が加えられた際に、エッジ部付近が変形し過ぎて路面とエッジ部との間で滑りが発生し易くなるので、ショルダーエッジ摩耗を抑制する効果が低減する。また、(h/V)<0.4の場合には、突起部がトレッド面に近過ぎるため、細溝に縁石等が入り込んだ際に縁石等は、摩耗抑制陸部側溝壁の、細溝の溝底に近い部分に接触し易くなるので、摩耗抑制陸部は縁石等に引きずられ易くなり、細溝の溝底のクラックの発生を抑制する効果が低減する。
また、(H/V)>0.7の場合には、突起部用溝がトレッド面から遠過ぎるため、ショルダー側陸部のエッジ部に荷重が加えられた際に、エッジ部付近が変形し難くなり、荷重を分散して受け難くなるので、ショルダーエッジ摩耗を抑制する効果が低減する。また、(h/V)>0.7の場合には、突起部がトレッド面から遠過ぎるため、細溝に縁石等が入り込んだ際に縁石等は摩耗抑制陸部側溝壁に接触し易くなるので、摩耗抑制陸部は縁石等に引きずられ易くなり、細溝の溝底のクラックの発生を抑制する効果が低減する。そこで、細溝の溝深さV、トレッド面から突起部用溝の中心線までの距離H、トレッド面から突起部の中心線までの距離hを、上記のように形成することにより、より確実にショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
また、この発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記突起部用溝は、前記細溝の中心線に対する前記突起部用溝の中心線の角度のうち、タイヤ径方向内方側の前記角度が90°以下になるように形成されていることを特徴とする。
この発明では、突起部用溝の中心線が上記の角度になるように突起部用溝を形成することにより、より確実にショルダー側陸部の偏摩耗を抑制している。即ち、突起部用溝の中心線と細溝の中心線との上記の角度が90°よりも大きい場合の突起部用溝は、細溝から離れるに従ってトレッド面の方向に向かう方向の斜め方向に形成されていることになる。突起部用溝がこのように形成されている場合、トレッド面付近の剛性が低くなり過ぎる場合があり、その場合にはショルダー側陸部の偏摩耗を抑制する効果が低減してしまう。そこで、突起部用溝の中心線が上記の角度になるように突起部用溝を形成することにより、より確実にショルダー側陸部の偏摩耗を抑制することができる。
また、この発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記突起部は、タイヤ周方向に連続して形成されていることを特徴とする。
この発明では、突起部をタイヤ周方向に連続して形成しているので、タイヤ周方向におけるいずれの部分の細溝に縁石等が入り込んでも、縁石等に摩耗抑制陸部が引っかかることが抑制される。この結果、より確実にショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝のクラックの発生を抑制することができる。
また、この発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記突起部は、タイヤ周方向に不連続で形成されていることを特徴とする。
この発明では、突起部をタイヤ周方向に不連続して形成しているので、細溝に縁石等が入り込んだ場合に、突起部と縁石等との接触面積がさらに小さくなり、これに伴い摩擦抵抗がさらに少なくなり、より確実に突起部と縁石等との引きずりを抑制できる。この結果、より確実にショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝のクラックの発生を抑制することができる。
本発明にかかる重荷重用空気入りタイヤは、ショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、ショルダー側陸部と摩耗抑制陸部との間に介在する細溝でのクラックの発生の抑制とを両立することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる重荷重用空気入りタイヤの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。また、重荷重用空気入りタイヤのトレッド面に形成されるトレッドパターンにはいくつかの種類があり、ショルダー側陸部が形成されるパターンには、主に、リブパターン、リブ・ラグパターン、ブロックパターンがある。本発明は、いずれのトレッドパターンに対しても適用することができるが、以下の説明では重荷重用空気入りタイヤの一例としてリブパターンが形成される重荷重用空気入りタイヤを例に説明する。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、重荷重用空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周方向である。図1は、この発明に係る重荷重用空気入りタイヤの子午面方向の断面図である。この重荷重用空気入りタイヤ1は、子午面方向の断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側にトレッド部2が形成されており、このトレッド部2の表面であるトレッド面3には周方向溝部10が複数設けられている。また、複数の周方向溝部10によって区画された部分は陸部であるリブ20として形成されており、リブ20も周方向溝部10と同様に複数形成されている。また、トレッド部2のタイヤ径方向内方側にはベルト層4が設けられている。さらに、前記トレッド部2のタイヤ幅方向の両端からタイヤ径方向内方に向けてサイドウォール部5が設けられており、このサイドウォール部5のタイヤ幅方向内方側、及び前記ベルト層4のタイヤ径方向内方側には、カーカス6が設けられている。
前記トレッド面3に区画された複数のリブ20のうち、タイヤ幅方向の両端部に位置しているリブ20は、ショルダー側陸部であるショルダーリブ21として形成されている。このショルダーリブ21のトレッド面3の、タイヤ幅方向における外側方向の端部は、エッジ部22として形成されている。また、タイヤ幅方向におけるショルダーリブ21の赤道面60の方向と反対方向、即ち、外側方向には摩耗抑制陸部である摩耗抑制リブ30が設けられており、この摩耗抑制リブ30とショルダーリブ21との間には細溝40が形成されている。つまり、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間には細溝40が介在しており、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30とは細溝40を介して隣接している。これらの摩耗抑制リブ30及び細溝40は、ショルダーリブ21に沿って形成されており、タイヤ周方向に連続して形成されている。また、摩耗抑制リブ30のタイヤ径方向外方側の面は、接地部31として形成されている。
図2は、図1のA部詳細図である。図3は、図1の斜視図である。前記細溝40は、前記摩耗抑制リブ30側の溝壁であり、摩耗抑制陸部側溝壁となる摩耗抑制リブ側溝壁41と、前記ショルダーリブ21側の溝壁であり、ショルダー陸部側溝壁となるショルダーリブ側溝壁42とが対向して形成されている。また、当該細溝40には、突起部45と突起部用溝48とが設けられている。突起部45は、前記摩耗抑制リブ側溝壁41に設けられており、突起部用溝48は、前記ショルダーリブ側溝壁42に設けられている。この突起部45と突起部用溝48の形状は、細溝40を子午面方向の断面で見た場合、突起部45は、摩耗抑制リブ側溝壁41と対向しているショルダーリブ側溝壁42方向に凸となって突出する略半円状の形状で形成されている。一方、突起部用溝48は、深さ方向が、細溝40から赤道面方向に向かう溝の形状で、ショルダーリブ側溝壁42に形成されている。即ち、突起部用溝48は、ショルダーリブ21のトレッド面3のタイヤ径方向内方に位置している。また、この突起部用溝48は、溝深さ方向が、細溝40の溝深さ方向に対してほぼ直交する方向に形成されている。これらの突起部45と突起部用溝48とは、タイヤ周方向に形成される細溝40に沿って、タイヤ周方向に連続して形成される。
この細溝40に対する突起部45及び突起部用溝48の大きさは、細溝40の溝深さをVとし、突起部用溝48の溝幅をDとし、タイヤ径方向における突起部45の幅をdとした場合に、0.1≦(D/V)≦0.6、及び0.1≦(d/V)≦0.6の範囲内で、且つ、D>dの関係になるように形成されている。なお、この細溝40の溝深さVは、タイヤ径方向において、トレッド面3の、細溝40が開口している部分から当該細溝40の溝底である細溝底43の最も溝深さが深い部分までの距離であり、即ち、前記エッジ部22から、細溝底43の溝深さが最も深い部分までの距離となっている。さらに、細溝40に対する突起部45及び突起部用溝48の大きさは、細溝40の溝幅をWとし、突起部用溝48の溝深さをBとし、突起部45の高さをbとした場合に、0.2≦(B/W)≦2.0、及び0.2≦(b/W)≦2.0の範囲内で、且つ、B>bの関係になるように形成されている。
またさらに、細溝40に対する突起部45及び突起部用溝48の位置は、トレッド面3の、細溝40が開口している部分、即ちエッジ部22から、突起部用溝48の溝幅の中心の線である突起部用溝中心線49までのタイヤ径方向における距離をHとし、同様にエッジ部22から、突起部45のタイヤ径方向における幅の中心の線である突起部中心線46までのタイヤ径方向における距離をhとした場合に、0.4≦(H/V)≦0.7、及び0.4≦(h/V)≦0.7となるように配置されている。
図4は、ショルダーリブが路面に接触した状態を示す図である。この重荷重用空気入りタイヤ1を車両(図示省略)に装着をして走行をすると、下方に位置するトレッド部2のトレッド面3が順次路面70に接触しつつ当該重荷重用空気入りタイヤ1は回転をする。このトレッド面3のうち、ショルダーリブ21に形成されるトレッド面3が路面70に接触すると、車両の重量によってショルダーリブ21には路面70から荷重が加えられる。この荷重によって、ショルダーリブ21は変形をする。特に、ショルダーリブ21のエッジ部22付近が路面70に接触すると、エッジ部22付近全体が変形をして、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30とが接触する。つまり、エッジ部22付近全体の変形によって細溝40の溝幅Wが縮まり、ショルダーリブ側溝壁42と摩耗抑制リブ側溝壁41とが接触をする。その際に、摩耗抑制リブ側溝壁41に形成されている前記突起部45は、ショルダーリブ側溝壁42に形成されている前記突起部用溝48に入り込む。これにより、摩耗抑制リブ30は、ショルダーリブ21に密着する。また、このように摩耗抑制リブ30がショルダーリブ21に密着すると、摩耗抑制リブ30の接地部31は路面70に接触する。このため、ショルダーリブ21のエッジ部22付近のトレッド面3が路面70に接触する際には、摩耗抑制リブ30の接地部31も路面70に接触する。
摩耗抑制リブ30の接地部31も路面70に接触すると、路面70からの荷重はショルダーリブ21のみでなく、摩耗抑制リブ30でも受けることができる。このため、路面70からショルダーリブ21のエッジ部22付近に加えられる荷重は分散されるので、エッジ部22付近のみが摩耗すること、或いは、リブ20全体のうちでショルダーリブ21のみが摩耗することを抑制することができる。この結果、ショルダーエッジ摩耗やショルダー摩耗などの偏摩耗を抑制することができる。また、ショルダーリブ21のエッジ部22付近に荷重が加えられた場合には、ショルダーリブ21のトレッド面3だけでなく、摩耗抑制リブ30の接地部31も路面70に接触する。このため、車両の走行による摩耗は、トレッド面3のみでなく、摩耗抑制リブ30の接地部31も摩耗し、トレッド面3の代わりに摩耗抑制リブ30の接地部31が摩耗するような状態になるので、トレッド面3の摩耗が軽減される。この結果、ショルダーリブ21のエッジ部22付近に荷重が加えられた場合でも、エッジ部22付近のみが摩耗することを抑制でき、より確実に偏摩耗を抑制することができる。
また、前記細溝40の摩耗抑制リブ側溝壁41には突起部45が設けられているが、対向する溝壁であるショルダーリブ側溝壁42には突起部用溝48が形成されているので、前記エッジ部22付近に路面70から荷重が加えられ、摩耗抑制リブ30とショルダーリブ21が接近する方向に変形する場合に、突起部45は突起部用溝48に入る。つまり、突起部45と突起部用溝48とは、前記エッジ部22付近に路面70から荷重が加えられ、摩耗抑制リブ30とショルダーリブ21とが接近する方向に細溝40が変形した場合に、突起部45が突起部用溝48に入る位置に形成されている。また、このように、摩耗抑制リブ30とショルダーリブ21とが接近する方向に細溝40が変形した場合に、突起部45が突起部用溝48に入るように、突起部用溝48は広い溝幅を有しており、また、突起部45の全ての部分が収まるように、突起部用溝48は突起部45の高さよりも深い溝深さを有している。これらのため、細溝40内に突起部45が設けられている場合でも、摩耗抑制リブ側溝壁41とショルダーリブ側溝壁42とは密着できるので、摩耗抑制リブ30はショルダーリブ21に密着する。この結果、路面70からエッジ部22付近に加えられる荷重をより確実に分散でき、或いは、より確実に摩耗抑制リブ30の接地部31が摩耗するので、ショルダー摩耗やショルダーエッジ摩耗などの偏摩耗をより確実に抑制することができる。
また、前記突起部用溝48は、前記エッジ部22付近のトレッド面3のタイヤ径方向内方に形成されている。このため、路面からエッジ部22付近に荷重が加えられた場合に、ショルダーリブ21のエッジ部22付近は変形し易くなるので、路面70からの荷重を局所的な部分で受けずに、分散して受けることができる。この結果、エッジ部22付近に荷重が加えられた場合でも、トレッド面3の摩耗は分散され、偏摩耗をより確実に抑制することができる。
図5は、細溝に路面上の突起物が入り込んだ状態を示す図である。当該重荷重用空気入りタイヤ1を装着した車両が走行する路面70には石や縁石などの突起物71が存在する場合があるが、前記車両で路面70を走行した際に、その突起物71が前記細溝40に入り込む場合がある。このように突起物71が細溝40内に入り込んだ場合には、その突起物71によって細溝40が広げられる。つまり、細溝40内に入り込んだ突起物71に摩耗抑制リブ30が接触し、摩耗抑制リブ30はタイヤ幅方向外方に開くように変形する。特に、車両がほぼ停止している状態で操舵輪を操舵した場合、いわゆる据え切りを行った場合には、重荷重用空気入りタイヤ1は路面70に対してタイヤ幅方向の移動量が大きくなる。このため、細溝40内に突起物71が入り込んでいる場合には、細溝40に対する突起物71のタイヤ幅方向の移動量も大きく、摩耗抑制リブ30は大きく移動する突起物によってタイヤ幅方向外方に大きく開くように変形する。
これらの際に、摩耗抑制リブ30は、主に摩耗抑制リブ側溝壁41に形成された前記突起部45が路面70の突起物71に接触し、摩耗抑制リブ30の、突起部45以外の部分は路面70の突起物71にはあまり接触しない。即ち、細溝40に突起物71等が入り込んだ際には、突起物71は摩耗抑制リブ側溝壁41にはあまり接触せず、摩耗抑制リブ側溝壁41と突起物71との接触面積は小さくなる。このため、路面70の突起物71が細溝40内に入り込むような場合でも、摩耗抑制リブ30の、突起物71への引っかかりを抑制できる。これにより、摩耗抑制リブ30が突起物71に引きずられて大きく変形することを抑制できるので、細溝底43付近には大きな負荷が作用することがなく、細溝底43付近のクラックの発生を抑制することができる。また、これらの結果、ショルダーリブ21の偏摩耗の抑制と、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に介在する細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
また、細溝40の溝深さV、突起部45の幅d、突起部用溝48の溝幅Dを、0.1≦(D/V)≦0.6、及び0.1≦(d/V)≦0.6の範囲内で、且つ、D>dの関係になるように形成し、細溝40の溝幅W、突起部45の高さb、突起部用溝48の溝深さBを、0.2≦(B/W)≦2.0、及び0.2≦(b/W)≦2.0の範囲内で、且つ、B>bの関係になるように形成している。これにより、より確実にショルダーリブ21の偏摩耗の抑制と、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に介在する細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立している。
即ち、D>d、B>bの関係になるように突起部用溝48及び突起部45を形成することにより、確実に突起部45は突起部用溝48内に入ることができる。これにより、前記エッジ部22付近に路面70から荷重が加えられて摩耗抑制リブ30がショルダーリブ21の方向に変形した場合には、摩耗抑制リブ側溝壁41とショルダーリブ側溝壁42とは、より確実に密着する。この結果、より確実にショルダーリブ21の偏摩耗を抑制することができる。
また、0.1≦(D/V)≦0.6、或いは0.2≦(B/W)≦2.0の関係になるように細溝40及び突起部用溝48を形成することにより、ショルダーリブ21のエッジ部22付近に荷重が加えられた際に、その荷重によって突起部用溝48が形成されているショルダーリブ21は適度な変形をする。これにより、ショルダーリブ21のエッジ部22付近に加えられる荷重を分散して受けることができる。この結果、より確実に、ショルダーリブ21の偏摩耗を抑制できる。
また、0.1≦(d/V)≦0.6、或いは0.2≦(b/W)≦2.0の関係になるように細溝40及び突起部45を形成することにより、突起部45は適度な大きさで形成されることになるので、細溝40に路面70の突起物71が入り込んだ場合でも、突起物71は主に突起部45に接触し、摩耗抑制リブ30と突起物71との摩擦抵抗を少なくすることができる。これにより、縁石など路面70の突起物71が細溝40に出入りする場合でも、摩耗抑制リブ30は突起物71に引きずられて大きく変形することがなく、摩耗抑制リブ30の突起部45と路面70の突起物71とが滑るようにして当該突起物71は細溝40内を出入りする、或いは細溝40内を移動する。この結果、細溝底43付近には負荷がかからないので、より確実に細溝底43のクラックの発生を抑制することができる。
また、これらの結果、細溝40の溝深さV及び溝幅W、突起部45の幅d及び高さb、突起部用溝48の溝幅D及び溝深さBが、上記の関係になるように細溝40、突起部45及び突起部用溝48を形成することにより、より確実にショルダーリブ21の偏摩耗の抑制と、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に介在する細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
また、エッジ部22から突起部用溝中心線49までの距離H及びエッジ部22から突起部中心線46までの距離hが、前記細溝40の溝深さVに対して0.4≦(H/V)≦0.7、及び0.4≦(h/V)≦0.7の範囲に位置するように突起部用溝48及び突起部45は配置されている。これにより、より確実にショルダーリブ21の偏摩耗の抑制と、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に介在する細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立している。
即ち、0.4≦(H/V)≦0.7の関係になるように細溝40に対して突起部用溝48を配置することにより、突起部用溝48はショルダーリブ21のトレッド面3に対して適切な位置に配置されることになる。このため、ショルダーリブ21のエッジ部22付近に荷重が加えられた際に、その荷重によって突起部用溝48が形成されているショルダーリブ21は適度な変形をし、ショルダーリブ21のエッジ部22付近に加えられる荷重を分散して受けることができる。この結果、より確実に、ショルダーリブ21の偏摩耗を抑制できる。
また、0.4≦(h/V)≦0.7の関係になるように細溝40に対して突起部45を配置することにより、突起部45は摩耗抑制リブ30に対して適切な位置に配置されることになるので、細溝40に路面70の突起物71が入り込んだ場合でも、突起物71は主に突起部45に接触し、摩耗抑制リブ30と突起物71との摩擦抵抗を少なくすることができる。これにより、縁石など路面70の突起物71が細溝40に出入りする場合でも、摩耗抑制リブ30は突起物71に引きずられて大きく変形することがなく、摩耗抑制リブ30の突起部45と路面70の突起物71とが滑るようにして当該突起物71は細溝40を出入りする、或いは細溝40内を移動する。この結果、細溝底43付近には負荷がかからないので、より確実に細溝底43のクラックを抑制することができる。
これらの結果、エッジ部22から突起部用溝中心線49までの距離H及びエッジ部22から突起部中心線46までの距離hが細溝40の溝深さVに対して上記の範囲に位置するように突起部用溝48及び突起部45を配置することにより、より確実にショルダーリブ21の偏摩耗の抑制と、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に介在する細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
また、前記突起部45は、タイヤ周方向に連続して形成されているので、タイヤ周方向に連続して形成される細溝40のどの部分に路面70の突起物71などが入り込んでも、細溝40の摩耗抑制リブ30に形成される突起部45は突起物71に、より確実に接触する。これにより、突起物71に摩耗抑制リブ30が引っかかることが、より確実に抑制される。この結果、より確実にショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に有する細溝底43のクラックの発生を抑制することができる。
図6は、突起部用溝の変形例を示す図である。なお、上述した突起部用溝48は、溝深さ方向が細溝40の溝深さ方向に対してほぼ直交する方向に形成されているが、突起部用溝48はその他の角度で形成されていてもよい。つまり、細溝40の溝幅の中心の線である細溝中心線55に対して、突起部用溝中心線が90°以外の角度で形成されるように突起部用溝80を形成してもよい。その際に、細溝中心線55と突起部用溝中心線81とで形成する角度のうち、タイヤ径方向内方側の角度θが90°以下、好ましくは20〜90°になるように、突起部用溝80を細溝40に対して形成する。
この角度θが90°より大きい角度で形成されている場合には、突起部用溝80は細溝40から離れるに従ってショルダーリブ21のトレッド面3に近付くので、当該トレッド面3付近の剛性が低くなり過ぎてしまう虞があるが、この角度θが90°以下になるように突起部用溝80を形成することにより、ショルダーリブ21の剛性が低くなり過ぎることを抑制できる。この結果、ショルダーリブ21に路面70から荷重が加えられた場合でも、ショルダーリブ21が変形し過ぎることを抑制できるので、より確実にショルダーリブ21の偏摩耗を抑制することができる。
また、角度θが20°より小さい角度で形成されている場合には、突起部用溝80の溝幅方向がタイヤ幅方向に近くなり過ぎるため、ショルダーリブ21に対してタイヤ径方向に荷重が加えられた際に、突起部用溝80はタイヤ径方向に変形し難くなる。このため、ショルダーリブ21が、荷重が加えられる方向であるタイヤ径方向に変形し難くなり、この荷重を分散して受け難くなるので、ショルダー摩耗を抑制する効果が低減する虞がある。そこで、上記の角度θが20°以上になるように突起部用溝80を形成することにより、突起部用溝80の溝幅方向をタイヤ径方向に近づけることができるので、ショルダーリブ21に対してタイヤ径方向に荷重が加えられた際に、その荷重をより確実に分散して受けることができる。この結果、より確実にショルダーリブ21の偏摩耗を抑制することができる。
図7、図8は、突起部の変形例を示す図である。また、上述した突起部45は、タイヤ周方向に連続して形成されているが、突起部45はタイヤ周方向に不連続で形成してもよい。例えば、図7に示すように、突起部83は分断されて不連続に形成しつつ、タイヤ周方向に沿った形状で形成してもよい。或いは、図8に示すように、突起部85は半球状の形状で形成し、この半球状の突起部85をタイヤ周方向に沿って複数形成するものでもよい。このように、突起部83、85を不連続に形成することにより、細溝40内に縁石などの突起物71が入り込んだ場合でも、突起物71と突起部83、85との接触面積はさらに小さくなるので、より確実に突起部83、85が突起物71の引っかかることを抑制できる。この結果、より確実にショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に有する細溝底43のクラックの発生を抑制することができる。
図9は、突起部と突起部用溝の変形例を示す図である。また、突起部と突起部用溝は、上記のタイヤ周方向に不連続の突起部85と、細溝40の溝深さ方向に対して溝深さ方向が斜め方向となっている突起部用溝80とを組み合わせたものでもよい。重荷重用空気入りタイヤ1の使用状況に応じて突起部85の形状や突起部用溝80の形状を、その使用状況に適したものにすることにより、より確実にショルダーリブ21の偏摩耗の抑制と、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に介在する細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
また、突起部用溝48も突起部と同様に、タイヤ周方向に連続して形成されていなくてもよい。突起部用溝48が不連続でも、突起部83、85が上記のように不連続で形成され、突起部83、85が突起部用溝48に入ることにより、摩耗抑制リブ側溝壁41とショルダーリブ側溝壁42とが密着するように形成されていればよい。これにより、ショルダーリブ21の偏摩耗と、細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。また、突起部45及び突起部用溝48は、タイヤ周方向に沿って一列で形成されている必要はなく、タイヤ径方向において複数の列で形成されていてもよい。突起部45及び突起部用溝48がそれぞれ複数の列で形成されていても、突起部用溝48に突起部45が入ることにより摩耗抑制リブ側溝壁41とショルダーリブ側溝壁42とが密着するように形成されていればよい。これにより、ショルダーリブ21の偏摩耗と、細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
以下、上記の重荷重用空気入りタイヤ1について、従来の重荷重用空気入りタイヤと本発明の重荷重用空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について照明する。性能評価試験は、ショルダーエッジ摩耗、ショルダー摩耗、細溝底クラックの3項目について行なった。
試験方法は、295/75R22.5サイズの重荷重用空気入りタイヤ1をリムに組み付けて車両の操舵輪、即ち、前輪に装着し、100km/hの速度で1回あたり8〜10時間の連続走行をして、コースを合計8万km走行することによって行った。各試験項目の評価方法は、ショルダーエッジ摩耗ついては、8万km走行後に、ショルダーリブ21のエッジ部22付近の摩耗量を測定した。この測定結果を、後述する従来例の重荷重用空気入りタイヤのショルダーエッジ摩耗に対する性能を100とした指数で示した。指数が大きい程、ショルダーエッジ摩耗が生じ難く、ショルダーエッジ摩耗に対する性能が優れている。ショルダー摩耗については、8万km走行後に、ショルダーリブ21全体の摩耗量を測定した。この測定結果を、後述する従来例の重荷重用空気入りタイヤのショルダー摩耗に対する性能を100とした指数で示した。指数が大きい程、ショルダー摩耗が生じ難く、ショルダー摩耗に対する性能が優れている。細溝底クラックについては、8万km走行後に、細溝底43に発生するクラックの数を測定した。この測定結果を、後述する従来例の重荷重用空気入りタイヤの細溝底クラックに対する性能を100とした指数で示した。指数が大きい程、細溝底クラックが生じ難く、細溝底クラックに対する性能が優れている。また、これら各評価試験は、指数が従来例の指数と比較して5%以上向上したものを効果があるものとした。
試験をする重荷重用空気入りタイヤ1は、本発明が4種類、本発明と比較する比較例として11種類、そして、1種類の従来例を、上記の方法で試験する。比較例1〜11及び本発明1〜4は、上記と同様に細溝40の溝深さをV、細溝40の溝幅をW、突起部45の高さをb、突起部45の幅をd、突起部用溝48の溝深さをB、突起部用溝48の溝幅をD、エッジ部22から突起部用溝中心線49までの距離をH、エッジ部22から突起部中心線46までの距離をh、細溝中心線55に対する突起部用溝中心線49の角度をθとした場合の(B/W)、(b/W)、(D/V)、(d/V)、(H/V)、(h/V)及び角度θをそれぞれ異ならせている。従来例は、ショルダーリブ21のタイヤ幅方向外方に細溝40と摩耗抑制リブ30が設けられているが、細溝40には突起部45及び突起部用溝48は設けられていない。
比較例の一例である比較例1は、突起部用溝48は形成されずに突起部45のみが形成され、さらに、突起部45がタイヤ径方向に複数形成され、比較例2は、比較例1と同様に突起部用溝48は形成されずに突起部45のみが形成されており、比較例3は、突起部用溝48のみが形成されている。また、比較例4〜11は、突起部45と突起部用溝48の双方が設けられている。
これに対し、本発明の一例である本発明1は、突起部45、突起部用溝48が上述した適切な大きさとなっている。また、本発明2は、複数の突起部85が不連続でタイヤ周方向に沿って形成されている。また、本発明3は、細溝中心線55に対して突起部用溝中心線81が斜め方向になるように突起部用溝80が形成されている。また、本発明4は、複数の突起部85が不連続でタイヤ周方向に沿って形成され、且つ、細溝中心線55に対して突起部用溝中心線81が斜め方向になるように突起部用溝80が形成されている。これらの従来例、比較例1〜11、本発明1〜4の重荷重用空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1−1〜表1−4に示す。
Figure 2005343381
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Figure 2005343381
Figure 2005343381
表1−1〜表1−4に示した上記の試験結果で明らかなように、細溝40内に所定の大きさの突起部45を設けることにより、細溝底クラックに対する性能は向上する。また、突起部用溝48内に突起部45が入り込む大きさで突起部45及び突起部用溝48を設け、且つ、突起部用溝48を適当な大きさで形成ることにより、ショルダーエッジ摩耗及びショルダー摩耗に対する性能が向上する。
一方、細溝40に突起部45のみ設けた場合には、ショルダーエッジ摩耗に対する性能は従来例よりも低下し、ショルダー摩耗に対する性能は低下するか、あまり向上しない(比較例1、2)。また、突起部用溝48のみ設けた場合には、ショルダーエッジ摩耗、ショルダー摩耗、細溝底クラックに対する各性能はあまり向上しない(比較例3)。また、突起部45と突起部用溝48を共に設けた場合でも、突起部45が突起部用溝48に入らない大きさで形成されている場合には、ショルダーエッジ摩耗に対する性能は従来例よりも低下し、ショルダー摩耗に対する性能もあまり向上しない(比較例4、5)。
また、突起部45が小さすぎる場合には、ショルダーエッジ摩耗、ショルダー摩耗、細溝底クラックに対する各性能はあまり向上しない(比較例6、8)。また、突起部用溝48の溝深さが深すぎる場合には、ショルダーエッジ摩耗及びショルダー摩耗対する性能は、共に従来例よりも低下する(比較例7)。また、突起部用溝48の溝幅が大き過ぎる場合には、ショルダーエッジ摩耗に対する性能が従来例よりも低下する(比較例9)。また、突起部45及び突起部用溝48がトレッド面3に近過ぎる場合には、ショルダーエッジ摩耗に対する性能は従来例よりも低下し、ショルダー摩耗に対する性能もあまり向上しない(比較例10)。また、突起部45及び突起部用溝48が細溝底43に近過ぎる場合には、ショルダーエッジ摩耗、ショルダー摩耗、細溝底クラックに対する各性能はあまり向上しない(比較例11)。
そこで、本発明1〜4では、細溝40に突起部45及び突起部用溝48を設け、細溝40、突起部45及び突起部用溝48を、0.1≦(D/V)≦0.6、及び0.1≦(d/V)≦0.6の範囲内で、且つ、D>dの関係になるように形成し、0.2≦(B/W)≦2.0、及び0.2≦(b/W)≦2.0の範囲内で、且つ、B>bの関係になるように形成している。さらに、突起部45及び突起部用溝48を細溝40に対して0.4≦(H/V)≦0.7、及び0.4≦(h/V)≦0.7となるように配置している。これにより、ショルダーエッジ摩耗、ショルダー摩耗、細溝底クラックに対する各性能を全て向上させることができる。この結果、ショルダーリブ21の偏摩耗の抑制と、ショルダーリブ21と摩耗抑制リブ30との間に介在する細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる。
なお、細溝40の子午面断面形状は上記以外の形状で形成してもよく、ショルダーリブ21のトレッド面3に加えられる荷重を分散し、細溝40内に縁石等が入り込んでも細溝底43に負荷が作用しない形状であれば、細溝40はどのような形状でも構わない。細溝40をこのように形成することにより、ショルダーリブ21の偏摩耗を抑制と、細溝40でのクラックの発生の抑制とを両立することができる重荷重用空気入りタイヤ1にすることができる。
また、前記の実施例では、重荷重用空気入りタイヤ1の一例としてリブパターンを有する重荷重用空気入りタイヤを使用しているが、本発明を適用する重荷重用空気入りタイヤ1はリブパターン以外でも、リブ・ラグパターン、ブロックパターンなど、いずれのパターンのトレッド部2を有する重荷重用空気入りタイヤ1でもよい。トレッド面3にショルダーリブ21等のショルダー側陸部が形成されている重荷重用空気入りタイヤ1であれば、パターン形状はどのような形状であっても構わない。また、ショルダー側陸部がタイヤ周方向に不連続で形成されている場合には、前記摩耗抑制リブ30等の摩耗抑制陸部や細溝40も不連続で形成してもよい。タイヤ周方向における摩耗抑制陸部や細溝の形態をショルダー側陸部に合わせることにより、確実にショルダー側陸部の偏摩耗の抑制と、細溝40でのクラックの抑制とを両立することができる。
以上のように、本発明にかかる重荷重用空気入りタイヤは、細溝が形成されている重荷重用空気入りタイヤに有用であり、特に、偏摩耗の抑制と細溝底クラックの抑制とを両立する場合に適している。
この発明に係る重荷重用空気入りタイヤの子午面方向の断面図である。 図1のA部詳細図である。 図1の斜視図である。 ショルダーリブが路面に接触した状態を示す図である。 細溝に路面上の突起物が入り込んだ状態を示す図である。 突起部用溝の変形例を示す図である。 突起部の変形例を示す図である。 突起部の変形例を示す図である。 突起部と突起部用溝の変形例を示す図である。
符号の説明
1 重荷重用空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 トレッド面
4 ベルト層
5 サイドウォール部
6 カーカス
10 周方向溝部
20 リブ
21 ショルダーリブ
22 エッジ部
30 摩耗抑制リブ
31 接地部
40 細溝
41 摩耗抑制リブ側溝壁
42 ショルダーリブ側溝壁
43 細溝底
45 突起部
46 突起部中心線
48 突起部用溝
49 突起部用溝中心線
55 細溝中心線
60 赤道面
70 路面
71 突起物
80 突起部用溝
81 突起部用溝中心線
83 突起部
85 突起部

Claims (4)

  1. トレッド部に形成される複数の周方向溝部によって複数の陸部が区画され、前記複数の陸部のうち、タイヤ幅方向の両端部に位置する前記陸部はショルダー側陸部として形成される重荷重用空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ幅方向における前記ショルダー側陸部の赤道面方向と反対方向には摩耗抑制陸部が形成されており、
    前記ショルダー側陸部と前記摩耗抑制陸部との間には、互いに対向するショルダー側陸部側溝壁と摩耗抑制陸部側溝壁とを有する細溝が形成されており、
    前記摩耗抑制リブ側溝壁には、突起部がタイヤ周方向に形成されており、
    前記ショルダー側陸部側溝壁には、突起部用溝が前記突起部と対向するようにタイヤ周方向に形成されており、
    前記細溝の溝深さVに対する前記突起部用溝の溝幅Dは、0.1≦(D/V)≦0.6の範囲内で形成され、
    前記細溝の溝深さVに対する前記突起部の幅dは、0.1≦(d/V)≦0.6の範囲内で形成され、且つ、前記突起部用溝の溝幅D及び前記突起部の幅dは、D>dの関係になるように形成されており、
    前記細溝の溝幅Wに対する前記突起部用溝の溝深さBは、0.2≦(B/W)≦2.0の範囲内で形成され、
    前記細溝の溝幅Wに対する前記突起部の高さbは、0.2≦(b/W)≦2.0の範囲内で形成され、且つ、前記突起部用溝の溝深さB及び前記突起部の高さbは、B>bの関係になるように形成されており、
    前記突起部用溝は、前記細溝の溝深さVに対して、タイヤ径方向における前記トレッド部のトレッド面から前記突起部用溝の中心線までの距離Hが、0.4≦(H/V)≦0.7となるように配置されており、
    前記突起部は、前記細溝の溝深さVに対して、タイヤ径方向における前記トレッド部のトレッド面から前記突起部の中心線までの距離hが、0.4≦(h/V)≦0.7となるように配置されていることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記突起部用溝は、前記細溝の中心線に対する前記突起部用溝の中心線の角度のうち、タイヤ径方向内方側の前記角度が90°以下になるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記突起部は、タイヤ周方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記突起部は、タイヤ周方向に不連続で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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