JP2005343295A - 自動車ルーフパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルミニウム合金製ルーフパネルの膨張変形(熱ひずみ)が生じた場合の、ルーフパネルにおける車体側面側意匠面の上下方向の部分的な変形を抑制し、ルーフパネルの意匠性を保持したルーフパネルを提供することを目的とする。
【解決手段】 車体側面側を L字状に折り曲げて、略垂直な縦壁部1bと、これに続く平坦なフランジ部1cとからなる側縁部を構成したアルミニウム合金からなるルーフパネル1 であって、フランジ部1cに、車体前後方向に延在する凸型のビード2a、2b、2c、2dを、間隔を開けて複数設け、このフランジ部の凸型のビード以外の平坦部分1cにおいて、サイドメンバアウタパネルなどと接合されることとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱歪みの問題を解決したアルミニウム合金製の自動車ルーフパネルに関するものである。
自動車の走行性や操作性を向上するために、自動車車体上部の軽量化が有効である。自動車上部車体構造は、ルーフパネルと、ヘッダーパネルやルーフパネルリインフォースメントなどのルーフ補強材、ルーフサイドレール、サイドパネルアウタ(ルーフサイドアウタパネルあるいはサイドメンバアウタパネルなどとも言う)とサイドパネルインナ(ルーフサイドインナパネルあるいはサイドメンバインナパネルなどとも言う)などで構成される。
これら自動車上部車体構造の軽量化のためには、上記各上部構造構成部材に、従来から使用されてきた鋼材に代わって、アルミニウム合金材を使用することが有効である。
しかし、自動車上部車体構造全てにアルミニウム合金材を使用した場合に、車体衝突時の車体の剛性確保が難しくなる。また、アルミニウム合金材は鋼材に比べれば成形しにくいため、自動車上部車体構造の構成部材に、全てアルミニウム合金材を使用した場合、部材の成形や車体の組み立てが、鋼材に比べれば、やりにくい問題もある。
このため、アルミニウム合金材の使用はルーフパネルなどの限定的として、他の自動車上部車体構造の構成部材を鋼材とした複合構造(ハイブリッド構造)とする方が合理的である。自動車上部車体構造を、このような鋼材との複合構造にした場合でも、全てを鋼材とした場合に比して、アルミニウム合金材使用による上部車体構造の軽量化効果は大きい。
この点、従来から、鋼製パネルからなっている自動車のルーフ (屋根) をより軽量なアルミニウム合金製パネルにすることが提案乃至適用されつつある(例えば、特許文献1、2、3参照) 。ルーフパネルにアルミニウム合金パネルを適用した場合、太陽放射による侵入熱量の遮熱性を高めることができるなどの利点もある(例えば、特許文献4参照) 。
しかし、自動車のルーフパネルに対してアルミニウム合金パネルを適用する場合、ルーフに要求される張り剛性の確保などの他に、特に、熱ひずみ対策が必要である。
前提となる、自動車車体における代表的なルーフパネル1 の構造例を示す。図4 は自動車車体における代表的なルーフパネル1 の構造を示し、図4(a)はルーフパネル全体の斜視図、図4(b)は図4(a)のR a 方向の断面図、図4(c)は図4(a)のR b 方向の断面図である。図4(a)、(b) において、ルーフパネル1 における車体側面側 (両側) の側縁部は、端部を L字状に折り曲げて、略垂直な縦壁部1bと、これに続く平坦なフランジ部1cとからなる。
ルーフパネル1 は、通常、ルーフパネル中央部の車体左右方向の曲率 R aと車体前後方向の曲率R b を有するよう、図4(b)や図4(c)に示した略箱型形状に設計される。そして、図4(a)に示すように、ルーフパネルリインフォースメント32a 、32b 、32c などのルーフ補強材を介し、また、ウインドシールドヘッダパネル33やバックウインドウフレームアッパ34などの付属フレームやパネルが設けられた上で、車体側に取り付けられる。
図5 の自動車車体5 の斜視図で示す、ルーフパネル1 の両側面G-G 部やH-H 部の側縁部は、図6 に断面図で示すように、平坦なフランジ部1cにおいて、鋼製のサイドメンバアウタパネル6 や鋼製のサイドメンバインナパネル7 を介して、鋼製のルーフサイドレール8 と、図の点線で囲んだ部分10で、ボルトやリベットなどの機械的接合あるいは溶接接合 (スポット溶接等) されている。
また、図5 におけるルーフパネル1 の車体前後側のK-K 部は、前記図4(a)のウインドシールドヘッダパネル33と、図示はしないが、マスチック接着剤で接合されている。更に、ルーフパネル1 の中央部は、前記図4(a)における鋼製のルーフパネルリインフォースメント32と、マスチック接着剤で接合されている。
ただ、アルミニウム合金製のルーフパネルと、鋼製のサイドメンバアウタ6 や鋼製のルーフサイドレール8 とでは、線膨張係数が違う。アルミニウム合金の線膨張係数は鋼の約2 倍である。これによって、車体が加熱された際に、図6 に示した、ルーフパネル1 と、サイドメンバアウタ6 や鋼製のルーフサイドレール8 とでは、熱による変形量が異なって、アルミニウム合金ルーフパネル側に大きなひずみが生じる。
このため、ルーフパネル側縁部の平坦なフランジ部1cの取り付け固定部分に生じる面ひずみ量も大きくなって、ルーフパネルフランジ部1cと、車体の両側にて前後方向に延在するルーフサイドレールやサイドメンバアウタパネルとの取り付け部に、接合点間の口開き部分が生じるなどの変形が起こってしまう。自動車車体組み立て後に、このような変形が生じた場合、変形が著しい場合には、自動車乃至車体自体が商品価値を失うこととなりかねない。
例えば、特に、面積が比較的大きく、3.0mm 以下に薄肉化されたアルミニウム合金製のルーフパネルでは、ルーフパネルが高温に晒された際に、アルミニウム合金パネルの膨張変形が、特に大きくなる可能性がある。例えば、自動車車体組み立て後の車体の焼き付け塗装工程では、180 ℃×20分などの加熱処理が行なわれるが、このような、比較的低温の加熱によっても、アルミニウム合金製ルーフパネルの膨張変形が大きくなり、熱ひずみが生じる。
このようなアルミニウム合金ルーフパネルの熱ひずみ対策としては、ルーフパネルの側縁部に、ビード(溝)を設け、アルミニウム合金ルーフパネルの膨張変形を抑制することが効果的である。しかし、このようなビードでは、アルミニウム合金ルーフパネルの熱ひずみが生じた場合、ルーフパネル側縁部の前記取り付け部に、接合箇所と接合箇所と間(接合点間)に口開き部分が生じるなどの変形が起こるのを防止できない。しかも、自動車のデザイン上重要な、ルーフパネル形状の設計変更をもたらすことになる制約が生じる。
このため、アルミニウム合金製ルーフパネルの熱ひずみが生じた場合でも、ルーフパネル側縁部と、ルーフサイドレールやサイドメンバアウタパネルとの取り付け部に変形が生じない自動車ルーフ取り付け構造が提案されている(例えば、特許文献5、6参照) 。
これは、ルーフサイドレールをアルミニウム合金製中空形材から構成し、ルーフパネルとルーフサイドレールとをアルミニウム合金同士として接合することで、互いの線膨張率を同じとする。これによって、鋼材との線膨張率の違いによって、座屈強度が低いアルミニウム合金ルーフパネル側に大きなひずみが生じるのを抑制して、ルーフパネル側縁部の前記取り付け部に、接合点間に口開き部分が生じるなどの変形が起こるのを防止するものである(特許文献5) 。
また、ルーフパネルフランジ部と、ルーフサイドレールやサイドメンバアウタパネルとの取り付け部の接合用樹脂を、加熱により発泡するタイプの熱発泡型樹脂として、比較的柔らかく接合する。これによって、前記車体の加熱により、アルミニウム合金ルーフパネル側に熱ひずみが生じた場合でも、この取り付け部の樹脂によって、ルーフパネルの熱による伸縮を吸収して、前記ルーフパネルフランジ部に口開き部分が生じるなどの変形が起こるのを防止するものである(特許文献6) 。
特開平7-132855号公報 (請求項、図1) 特開2004ー17682 号公報 (請求項、図3) 特開2003ー341547号公報 (請求項、図1) 特開2002ー234460号公報 (請求項、図1) 特開2004ー130985号公報 (請求項、段落0019、図1) 特開2004ー130986号公報 (請求項、段落0023〜0024、図1)
確かに、特許文献5、6によって、アルミニウム合金ルーフパネル側縁部の前記取り付け部に、接合点間の口開き部分が生じるなどの変形が起こることは抑制される。
ただ、ルーフパネルの膨張変形(熱ひずみ)が生じた場合には、ルーフパネルにおける車体側面側の意匠面、即ち、前記図5(a)におけるルーフパネル面1aも部分的に上下方向に変形するという別の問題が生じる。車体側面側の意匠面1aが部分的に上下方向に変形した場合、その変形量が微小であっても、ルーフパネル意匠面1aにおける曲率が、凸 (プラス) に変形する部分と、凹 (マイナス) に変形する部分とが生じる。このため、視覚的に、これらの変形部分がルーフパネル表面の凹凸として目立ちやすくなり、ルーフパネルの意匠性が著しく低下する問題がある。
したがって、本発明の目的は、アルミニウム合金製ルーフパネルの膨張変形(熱ひずみ)が生じた場合の、ルーフパネルにおける車体側面側意匠面の上下方向の部分的な変形を抑制してルーフパネルの意匠性を保持するとともに、併せて、ルーフパネル側縁部の取り付け部の変形も抑制したルーフパネルを提供しようとするものである。
この目的を達成するために、本発明の自動車ルーフパネルの要旨は、アルミニウム合金からなるルーフパネルにおける車体側面側を L字状に折り曲げて、略垂直な縦壁部と、これに続く平坦なフランジ部とからなる側縁部を構成したルーフパネルであって、前記フランジ部に、車体前後方向に延在する凸型のビードを、間隔を開けて複数個、一体に設け、このフランジ部の凸型のビード以外の平坦部分において、自動車上部車体構造と接合されることである。
本発明では、ルーフパネルにおける車体側面側の側縁部の平坦なフランジ部に、凸型のビード (上方に凸な突起部) を間隔を開けて複数個一体に設ける。これによって、アルミニウム合金ルーフパネルの膨張変形が生じた場合でも、前記したルーフパネルにおける車体側面側意匠面の上下方向の部分的な変形を抑制し、ルーフパネルの意匠性を保持する。また、併せて、ルーフパネル側縁部の取り付け部の変形も抑制する。
前記した従来のルーフパネルの側縁部にビードを設ける方法は、ルーフパネルにおける車体側面側の、ルーフパネルの膨張変形による前記上下方向の部分的な変形が生じる意匠面、あるいはその近傍の意匠面に、ビードを設け、ルーフパネルの膨張変形を抑制する機構である。この機構は、前記上下方向の変形の吸収にも寄与するが、意匠上重要な面となるルーフパネルの平滑な表面に、ビードのような凹凸を設けざるを得ず、意匠やデザイン上の制約が生じる。
これに対して、本発明では、ルーフパネルにおける車体側面側の側縁部の平坦なフランジ部に、凸型のビード (上方に凸な突起部) を設けている。このフランジ部は、サイドメンバアウタパネルなど、自動車上部車体構造の構成部材との取付部であり、意匠面ではないため、意匠性は不要である。このため、ルーフパネルにおける意匠やデザイン上の制約がない。
そして、前記凸型のビードは、フランジ面からオフセットしていることにより、ルーフパネル熱膨張時の凸状変形を助長し、変形時に生じる熱応力を緩和する。この結果、このフランジ部よりも内側にある、前記したルーフパネル意匠面側縁部の剛性、あるいは局部的な変形抵抗を高める。このため、ルーフパネル意匠面の膨張変形による上下方向の変形を抑制し、ルーフパネルの意匠性を保持する。また、上記熱応力の緩和によって、併せて、ルーフパネル側縁部の取り付け部の変形も抑制する。
また、前記凸型のビードは、フランジ部における自動車上部車体構造の構成部材との取付部を確保した上で、フランジ部に設けることができ、ルーフパネルの取り付けに与える不都合はない。
以下、本発明自動車ルーフパネルの実施の形態について、図を用いて、以下に説明する。なお、本発明では、アルミニウム合金製ルーフパネル以外の、前提となる自動車上部車体構成は、後述するルーフパネルの膨張変形によるルーフパネル側縁部のフランジ部の取り付け部分に生じる口開き変形の抑制対策などを別にすれば、これまでの自動車上部車体構造と同じである。したがって、これらの構造自体を変えることなく、また、ルーフパネルの構造を大きく変えることなく、熱ひずみによる膨張変形によっても、ルーフパネルの意匠性を保持できる点が、本発明の利点でもある。
図1 、2 に、本発明ルーフパネルの側縁部の実施態様例を部分的に、斜視図(a) と、斜視図(a) のA-A 線断面図(b) とで各々示す。図1 、2 において、ルーフパネル1 における車体側面側 (両側) の側縁部は、端部を L字状に折り曲げた、略垂直な縦壁部1bと、これに続く平坦なフランジ部1cとから構成される。
(凸型のビード)
本発明では、図1 、2 に示すように、この車体両側面側の両方のフランジ部1cに、車体前後方向に延在する、上方に凸なる凸型のビード(突起)2a、2b、2c、2dを、所定高さと幅、所定長さで、かつ間隔1dを開けて複数個設ける。これらの凸型のビード2a、2b、2c、2dは、ルーフパネルに別個に取り付けるのではなく、そのフランジ部1cを成形して一体に設ける。そして、このフランジ部1cの凸型のビード2a、2b、2c、2d以外の平坦部分 (前記間隔部分)1d において、図示しないサイドメンバアウタパネルなど、自動車上部車体構造と接合される。
図1 では、凸型のビード2a、2b、2c、2dを、車体側面側の外方 (ビードの外方) に平坦部分1eを残してフランジ部1cに設けている。これに対して、図2 は、図1 のような平坦部分1eを残さず、凸型のビード2a、2b、2c、2dを、フランジ部1cの外縁と面一に設けている。なお、上記平坦部分1eや、前記平坦部分1dは、凸型のビードを設けていない意味で平坦部分と称しており、厳密に平坦である必要は無い。ただ、ルーフパネルの接合の点からは、平坦乃至平滑であることが好ましい。
図3 に、凸型のビードを設けない従来のルーフパネルを部分的に斜視図で示し、前記した、ルーフパネルの意匠面1aの膨張変形(熱ひずみ)による、部分的な上下方向の変形について、FEM 解析によるシミュレーション結果を説明する。
今、ルーフパネルに膨張変形(熱ひずみ)が生じた場合、ルーフパネルの意匠面1aには、y で示す部分的な上方向への変形 (ふくらみ) と、x で示す部分的な下方向への変形 (凹み) とが両方生じる。このため、これらx やy の変形量自体は微小であっても、ルーフパネル意匠面1aの、これら変形部分における曲率の変化が、凸 (プラス) と凹 (マイナス) とで相乗する。このため、視覚的に、これらの変形部分がルーフパネル表面の凹凸として目立ちやすくなり、ルーフパネルとしての意匠性が著しく低下する。
これに対して、図1 、2 に示した、凸型のビード2a、2b、2c、2dを設けることによって、このフランジ部1cよりも内側にある、前記したルーフパネル意匠面1aの剛性、あるいは局部的な変形抵抗が高くなる。この結果、ルーフパネル意匠面1aの、前記した膨張変形による上下方向の変形を抑制することができ、ルーフパネルの意匠性を保持する。
また、凸型のビード2a、2b、2c、2dを設けることによって、前記した膨張変形による、ルーフパネル側縁部の平坦なフランジ部1c( ルーフパネル取り付け固定部分) に面ひずみ量が生じても、熱膨張時にフランジ部1cに生じる熱応力が緩和される。このため、フランジ部1cと、車体の両側にて前後方向に延在するルーフサイドレールやサイドメンバアウタパネルとの取り付け部に、接合点間の口開き部分などの変形が起こることを抑制できる。
このフランジ部1cは、サイドメンバアウタパネルなど、自動車上部車体構造の構成部材との取付部であり、意匠面ではないため、意匠性は不要である。このため、凸型のビード2a、2b、2c、2dを設けても、ルーフパネルにおける意匠やデザイン上の制約が生じない。
また、凸型のビード2a、2b、2c、2dは、フランジ部における自動車上部車体構造の構成部材との取付部である平坦部分 (凸型ビードの間隔部分)1d を確保した上で、設けられている。このため、フランジ部1cが、サイドメンバアウタパネルなど、自動車上部車体構造と接合される際の、リベットなどの接合手段を、平坦部分1dにおいて、設けることができ、ルーフパネル1 の取り付けに与える不都合はない。
なお、図1 も図2 も、ルーフパネル意匠面1aの前記した膨張変形による上下方向の変形を抑制し、ルーフパネル1 の意匠性を保持する効果は同じである。ただ、フランジ部1cと自動車上部車体構造との接合の際に、水密シール性をより確保したい場合には、図1 のように、凸型のビード2a、2b、2c、2dの外方に平坦部分1eを存在させた方が有利である。
(凸型のビードの設計)
凸型のビード2a、2b、2c、2dの設計は、ルーフパネル1 の設計条件や、ルーフパネル意匠面1aの前記した膨張変形による上下方向の変形の大きさ、などに応じて、ルーフパネル意匠面1aの剛性、あるいは局部的な変形抵抗を高めるように、適宜選択される。
上記凸型のビード2a、2b、2c、2dの設計条件は、上下方向の高さ、左右 (車体幅方向の) の幅、車体前後方向の長さ、間隔1dの長さ、設ける個数、などである。また、上記ルーフパネル1 の設計条件は、アルミニウム合金ルーフパネル1 の厚みや強度(0.2% 耐力) 、車体幅方向の長さ (幅) 、ルーフパネル1 の側縁部の長さ、ルーフパネル意匠面1aの面積、などである。
即ち、上記ルーフパネル1 の設計条件や、ルーフパネル意匠面1aの前記した膨張変形による上下方向の変形の大きさなどが大きくなるほど、凸型のビード2a、2b、2c、2dの設計条件を大きくする。
また、凸型のビードの形状も、ルーフパネル意匠面1aの剛性、あるいは局部的な変形抵抗を高められ、後述する成形しやすいものが適宜選択される。例えば、図1 、2 で示した矩形状のような形状だけではなく、矩形状の角部にR を設ける、あるいは、更に、全体形状を畝状、半円形状、円弧状にするなど、ビード機能を持たせた上で、成形しやすい形状が適宜選択される。
(凸型のビードの成形)
本発明におけるこれらの凸型のビード2a、2b、2c、2dは、前記した通り、ルーフパネルに別個に取り付けるのではなく、そのフランジ部1cを成形して一体に設ける。これら凸型のビードは、ルーフパネル素材である平板状のアルミニウム合金板をプレス成形にて制作する際に、同時に成形可能である。素材アルミニウム合金板はプレス成形されて、前記図5 などに示したルーフパネル1 の形状とされる。この際、ルーフパネル1 の側縁部における縦壁部1b、これに続くフランジ部1c、そして凸型のビード2a、2b、2c、2dも、平坦部分 (間隔部分)1d やビード外方の平坦部分1eと併せて、成形される。そして、ルーフパネルの余分な四周囲周辺部をトリム後、前後、左右から寄せ曲げされて、略箱型形状のルーフパネル1 とされる。
(素材アルミニウム合金板)
本発明で用いるルーフパネル用の素材アルミニウム合金板は、通常、板の製造がしやすく、ルーフパネルへの成形が容易で、強度にも優れたAA乃至JIS 3000系、5000系、6000系等のアルミニウム合金が適宜選択して用いられる。特に、6000系アルミニウム合金は、自動車車体の塗装焼き付け処理条件での人工時効硬化性を有する。このため、ルーフパネルとして必要な強度 (耐力) を得るのに合金元素量が少なくて済み、そのスクラップを元の6000系アルミニウム合金の溶解原料としてリサイクルできる利点がある。
(ルーフパネル取り付け構造)
本発明の自動車ルーフ取り付け構造は、前記図4 〜6 で説明した、一般的な、あるいは公知の取り付け構造が採用できる。また、前記した特許文献5、6 などの取り付け構造も適用可能である。
アルミニウム合金ルーフパネルをモデル化して、ルーフパネルフランジ部に本発明凸型のビードを設けた場合と、設けない場合との、ルーフパネル意匠面における部分的な変形量をFEM 解析により求めた。これらの結果を表1 に示す。
より具体的には、前記図4(a)のアルミニウム合金ルーフパネル1 を熱歪みの解析モデル化した。そして、図1 、2 のようにフランジ部1cに凸型のビード2aを設けた場合と、図3 のように設けない場合との、図3 で示した意匠面1aにおける上方向への部分的な変形y の変形量( ふくらみ高さmm) と、部分的な下方向への変形x の変形量 (凹み深さmm) とをFEM 解析により求めた。
また、同じ条件にて、ルーフパネルのフランジ部1cにおける前記口開きの原因となる、フランジ部1cの上下方向の変形量も、FEM 解析により求めた。これらの結果を図7 に示す。なお、これらの解析には、汎用解析ソフトABAQUS 6.3を用いた。
この際、ルーフパネルを拘束する、図4(a)に示したルーフ補強材や付属フレーム、あるいは、図5 、6 に示した各ピラー、各サイドパネルは全て鋼製とした。また、ルーフパネル1 はAA 6022(0.2%耐力:120MPa 、板厚:1.2mm) のアルミニウム合金板製とし、ルーフパネルの熱歪み条件は、20℃から180 ℃にルーフパネルが加熱され、20℃に冷却されるものとした。
表1 において、発明例1 は図1 の凸型のビード2aを設けた場合、発明例2 は図2 の凸型のビード2aを設けた場合、比較例3はビードを設けない場合である。表1 で示す通り、発明例1 や2 の方が、比較例3に比して、ルーフパネル意匠面における上方向への変形量y や、下方向への変形量x が、著しく小さくなっている。但し、発明例1 の方が、発明例2 に比して、変形量が小さく、変形抑制効果が大きい。
また、図7 に示す通り、発明例1 や2 の方が、比較例3に比して、ルーフパネルフランジ部における上下方向の変形量が著しく小さくなっている。但し、発明例1 の方が、発明例2 に比して、変形量が小さく、変形抑制効果が大きい。
Figure 2005343295
本発明によれば、アルミニウム合金製ルーフパネルの膨張変形(熱ひずみ)が生じた場合の、ルーフパネルにおける車体側面側意匠面の上下方向の部分的な変形を抑制し、ルーフパネルの意匠性を保持したルーフパネルを提供することができる。また、前記膨張変形による、ルーフパネル側縁部の平坦なフランジ部 (ルーフパネル取り付け固定部分) に面ひずみ量が生じても、フランジ部と、車体の両側にて前後方向に延在するルーフサイドレールやサイドメンバアウタパネルとの取り付け部に、接合箇所と接合箇所との間の口開き部分などの変形が起こることを抑制できる。このため、上部車体構造の軽量化を促進でき、自動車の種類に依らず、共通して、走行安定性や操縦性を増すことができ、また、アルミニウム合金材の用途も一層拡大する。
本発明に係る自動車ルーフパネルの一態様を示し、図1(a) は斜視図、図1(b) は図1(a) のA-A 線断面図である。 本発明に係る自動車ルーフパネルの他の態様を示し、図2(a) は斜視図、図2(b) は図2(a) のA-A 線断面図である。す斜視図である。 従来の自動車ルーフパネルの態様を示す斜視図である。 代表的なルーフパネルの構造を示し、図5(a)はルーフパネル全体の斜視図、図5(b)は(a) のR a 方向の断面図、図5(c)は(a) のR b 方向の断面図である。 自動車車体の斜視図である。 図5の車体前後方向の断面図である。 実施例に係る自動車ルーフパネル取り付け部の変形量を示す説明図である。
符号の説明
1:ルーフパネル、1b: 縦壁部、1c: フランジ部、
1d: 平坦部分 (ビード間隔部) 、1e平坦部分 (ビード外方) 、
2:ビード、5:自動車車体、6:サイドメンバアウタ、7:サイドメンバインナ、
8:ルーフサイドレール、10: 接合部、
32: ルーフパネルリインフォースメント、33: ウインドシールドヘッダパネル、34: バックウインドウフレームアッパ、

Claims (2)

  1. アルミニウム合金からなるルーフパネルにおける車体側面側を L字状に折り曲げて、略垂直な縦壁部と、これに続く平坦なフランジ部とからなる側縁部を構成したルーフパネルであって、前記フランジ部に、車体前後方向に延在する凸型のビードを、間隔を開けて複数個、一体に設け、このフランジ部の凸型のビード以外の平坦部分において、自動車上部車体構造と接合されることを特徴とする自動車ルーフパネル。
  2. 前記凸型のビードを、車体側面側の外方に平坦部分を残してフランジ部に設けた請求項1に記載の自動車ルーフパネル。
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