JP2005342761A - 連続鋳造用上ノズル及びその使用方法 - Google Patents
連続鋳造用上ノズル及びその使用方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005342761A JP2005342761A JP2004166109A JP2004166109A JP2005342761A JP 2005342761 A JP2005342761 A JP 2005342761A JP 2004166109 A JP2004166109 A JP 2004166109A JP 2004166109 A JP2004166109 A JP 2004166109A JP 2005342761 A JP2005342761 A JP 2005342761A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- upper nozzle
- refractory
- continuous casting
- nozzle
- molten steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
【解決手段】 溶鋼の流量制御を行なうスライディングノズル11の流出孔13の上端部に連通して設置される連続鋳造用上ノズル10のノズル孔14の内面全部又は一部には、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物15が内張りされており、耐火物15に含有されるMgOは20質量%以上で70質量%以下であり、耐火物15の厚みTは3mm以上で、厚みTと耐火物15の長さLは0.1≦T2 /L≦10の関係を満たすことが好ましい。
【選択図】 図1
Description
そこで、上ノズルを上ノズル本体と上ノズル本体内に嵌装されノズル孔部分を形成する内筒とを有する二重構造とし、酸素洗浄や機械的破砕で内筒内面側に損傷が発生すると内筒のみを交換し、上ノズル本体は繰り返し使用できる取鍋の上ノズルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。更に、取鍋の上ノズルのノズル孔内に詰まった地金及びスラグを除去する方法として、上ノズルの周囲に誘導コイルを設置し、地金を誘導加熱して溶解させて除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、タンディッシュからモールドに溶鋼を注入して鋳造を行なうと、上ノズルの内面側に溶鋼中の非金属介在物や地金が徐々に付着してくる。このため、鋳造開始から鋳片が所定の速度で引き抜かれる安定操業状態に達するまでの鋳造初期段階における非金属介在物や地金の付着を防止する技術として、上ノズル本体に上ノズル本体よりも溶損し易い材質で形成した内装体を挿入した上ノズルが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3に記載された発明は、鋳造初期段階における非金属介在物や地金の付着を防止する技術に関するもので、鋳造開始から鋳造終了までの全鋳造過程で非金属介在物や地金の付着を防止する技術ではない。このため、鋳造初期段階を経過して上ノズル内にノズル詰まりが発生すると、例えば、酸素洗浄により閉塞物の除去を行なわねばならず、このとき上ノズルに損傷が生じて寿命が短くなるという問題がある。また、内装体が溶損し易い材質で形成されているため、溶鋼が汚染されてしまうという問題がある。
前記ノズル孔の内面全部又は一部には、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされている。
ここで、耐火物に含有されるドロマイトクリンカーが10質量%未満では、アルミナ系介在物と反応するCaO量が少ないため生成するAl2 O3 −CaO系の低融点化合物量が少なく、十分な量の融液層が形成できない。このため、耐火物に含有されるドロマイトクリンカーを10質量%以上とした。なお、耐火物をドロマイトクリンカーのみで構成してもよい。
なお、MgO粒子のリッチ層が形成されても、MgO粒子のリッチ層の背部に存在するドロマイトクリンカー中のCaOがMgO粒子の粒間を介してAl2 O3 −CaO系の低融点化合物の形で融液層に持続的に供給されるので、稼動面側の融液層は安定して形成される。
耐火物に含有されるMgOの含有率が20質量%未満では、耐火物中に含まれるMgO量が不足し、融液層の背面側に形成されるするMgO粒子のリッチ層が減少して耐火物の耐食性が低下し寿命が短くなる。一方、全MgOの含有率が70質量%を超えると、溶鋼中のアルミナ系介在物と反応してAl2 O3 −CaO系の低融点化合物を生成するためのCaOの供給量が不足し、十分な量の融液層が形成されない。このため、アルミナ系介在物や地金が付着し易くなる。この理由から、MgOの含有率の下限値を20質量%、好ましくは25質量%とし、MgOの含有率の上限値を70質量%、好ましくは65質量%とした。
0.1≦T2 /L≦10
の関係が成立する。
そこで、厚みTと長さLを変化させた耐火物を作製し連続鋳造用上ノズルに内張りして、連続鋳造に使用した際の状況を調査した。その結果を図7に示す。なお、図7では、○は連続鋳造用上ノズルが連続鋳造に問題なく使用できた場合を示し、×は予熱時に耐火物に亀裂が発生した場合を示す。また、▲は連続鋳造を行なった際に耐火物が溶損して消失した場合を示し、■は連続鋳造時に必要とする量の溶鋼を通過させることができなかった場合を示している。
そこで、耐火物が内張りされた連続鋳造用上ノズルが連続鋳造に問題なく使用できる領域と連続鋳造に使用できない領域の境界条件を表す耐火物の厚みTと長さLの関係を求めると、L=10T2 及びL=0.1T2 の関係が得られる。すなわち、L>10T2 (0.1>T2 /L)かつT<3で規定される領域では、耐火物に割れが発生したり耐火物が溶損で消失し、L<0.1T2 (10<T2 /L)で規定される領域では、連続鋳造時に必要とする量の溶鋼を通過させることができない。
従って、耐火物で内張りした連続鋳造用上ノズルが連続鋳造に問題なく使用できるのは、耐火物の厚みTが3mm以上で、厚みTと長さLとの間に0.1≦T2 /L≦10の関係が成立する領域となる。なお、耐火物の厚みTは、好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上である。
連続鋳造用上ノズルのノズル孔内面部分を溶鋼が通過すると、耐火物の稼動面ではAl2 O3 −CaO系の低融点化合物からなる融液層が生成し、その一部は溶鋼流により洗い流され徐々に溶損して行く。一方、連続鋳造用上ノズルでは、溶鋼との接触が全面的又は部分的に防止されているので、溶損を受け難い。このため、内張りした耐火物を使用後に交換することで、連続鋳造用上ノズルを繰り返し使用することができる。
また、使用後の連続鋳造用上ノズルのノズル孔内面部分にスラグや地金が付着していない場合、連続鋳造用上ノズルのノズル孔内面部分に水を吹き付けると、内張りされた耐火物中のドロマイトクリンカーに含まれるCaOと水が反応してCa(OH)2 が生成し耐火物は消化して崩壊する。このため、連続鋳造用上ノズルに損傷を与えないで内張りされた耐火物を連続鋳造用上ノズルから容易に除去することができる。なお、連続鋳造用上ノズルに残熱が存在する場合、Ca(OH)2 の生成反応は促進され、連続鋳造用上ノズルからの耐火物の除去を更に容易にすることができる。
更に、連続鋳造用上ノズルのメンテナンス時に、付着したスラグや地金を除去するための酸素洗浄による連続鋳造用上ノズルの溶損を軽減することができ、連続鋳造用上ノズルの寿命が向上し連続鋳造用上ノズルのコストを低減することが可能になる。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る連続鋳造用上ノズルの説明図、図2は同連続鋳造用上ノズルの第1の変形例に係る連続鋳造用上ノズルの説明図、図3は同連続鋳造用上ノズルの第2の変形例に係る連続鋳造用上ノズルの説明図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る連続鋳造用上ノズルを使用した連続鋳造設備の説明図である。なお、図2〜図3は断面端面で示す。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る連続鋳造用上ノズル(以下、単に上ノズルという)10は、溶鋼の流量制御を行なうスライディングノズル11の上部プレート12の流出孔13の上端部に連通して設置されている。そして、流出孔13と連通する上ノズル10のノズル孔14の内側面の一部(本実施の形態では下流側部分)には、ドロマイトクリンカーを含有する耐火物15が突出して内張りされている。ここで、上ノズル10は、例えば、アルミナ−グラファイト質の耐火材料で構成することができる。なお、上ノズル10は上部プレート12に耐火性のシール材16を介して設置されている。
これによって、溶鋼が耐火物15と接触した際に、稼動面において溶鋼中のアルミナ系介在物とドロマイトクリンカー中のCaOを反応させてAl2 O3 −CaO系の低融点化合物を主体とする融液層を形成させることができ、アルミナ系介在物や地金が付着するのを防止できる。一方、融液層の近傍に存在するMgO粒子は稼動面から後退しながら凝集し、融液層の背面側にMgO粒子のリッチ層を形成するので、耐火物の耐食性を向上させることができる。
ここで、耐火物15の厚みTは、使用中の溶鋼による溶損を考慮して、3mm以上、好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上とする。更に、耐火物の厚みTと長さLは、0.1≦T2 /L≦10の関係が成立するように設定する。これによって、上ノズル10を使用する際に行なわれる連続鋳造用上ノズル10の予熱において耐火物15が割れるのを防止できると共に、耐火物15を内張りしても連続鋳造に必要な量の溶鋼を供給できる有効断面積を確保することができる。
また、図3に第2の変形例に係る上ノズル21を示す。上ノズル21では、ノズル孔22の内側面の一部(下流側部分)に、マグネシア質モルタルが充填された目地17を介して耐火物23が嵌め込まれている。このような構成とすることにより、耐火物23で溶鋼の流れを妨げず、しかも、ノズル孔22の内側面に強固に内張りすることができる。
図4に示す連続鋳造設備24の取鍋25及びタンディッシュ26にそれぞれ設けられた取鍋用の上ノズル27とタンディッシュ用の上ノズル28において、ノズル孔29、30の内側面の下流側部分(図1参照)に、骨材としてドロマイトクリンカーを10質量%以上含有し、MgOの含有量が20質量%以上で70質量%以下、好ましくはMgOの含有量が25質量%以上かつ65質量%以下となるように調製した耐火物31、32を、マグネシア質モルタルを目地材としてそれぞれ内張りした。
そして、各上ノズル27、28を700〜1300℃、好ましくは1000〜1300℃になるまで予熱した。ここで、各上ノズル27、28を予熱したときの温度が700℃未満では、溶鋼33が各上ノズル27、28内を通過する際に生じる急激な温度上昇幅が大きくなって、熱衝撃による亀裂や剥離が発生する。一方、各上ノズル27、28を予熱したときの温度が1300℃を超えると、必要以上の予熱となり、燃料ロスが増加し好ましくない。
このとき、溶鋼33中のアルミナ系介在物は耐火物31の稼動面に付着するが、耐火物31には骨材としてドロマイトクリンカーが配合されているため、付着したアルミナ系介在物はドロマイトクリンカー内のCaOと反応してAl2 O3 −CaO系の低融点化合物を生成し稼動面に融液層を形成する。そして、融液層は溶鋼33に洗い流されるため、アルミナ系介在物や地金の付着が発生しない。なお、耐火物31の稼動面には、溶鋼33中のアルミナ系介在物が頻繁に付着するので、稼動面側には融液層がほぼ連続して形成される。このため、アルミナ系介在物や地金の付着が継続して防止される。
なお、MgO粒子のリッチ層の背部に存在するドロマイトクリンカー中のCaOは、MgO粒子のリッチ層を介してAl2 O3 −CaO系の低融点化合物の形で稼動面側に供給される。このため、融液層の背面側にMgO粒子のリッチ層が形成されても、稼動面に融液層を継続して形成することができ、溶鋼33中のアルミナ系介在物や地金が稼動面側に付着するのを防止できる。
取鍋メンテナンス場では、上ノズル27のノズル孔29を閉塞させている地金とスラグを除去するため、酸素を含んだガス(例えば、酸素を富化した空気)を吹き付けて酸素洗浄を行なう。このとき、地金が酸化して生じた酸化鉄(例えば、FeO)が耐火物31中のドロマイトに含まれるCaOと反応して、CaO・FeOの低融点化合物を生成し流出させながら耐火物31を除去する。
また、上ノズル27に亀裂や欠けが発生している場合は、上ノズル27を別の上ノズルに交換する。
このとき、溶鋼33中のアルミナ系介在物は耐火物32の稼動面に付着するが、耐火物31の場合と同様に、耐火物32の稼動面に融液層が形成され溶鋼33に洗い流されるためアルミナ系介在物や地金の付着が発生しない。また、耐火物32の稼動面側のMgO粒子は稼動面側から遠ざかる方向に移動し凝集し、融液層の背面側でMgO粒子のリッチ層を連続して形成し、耐火物32の稼動面側における耐食性を向上させる。
このため、鋳造中の上ノズル28のノズル孔30の酸素洗浄や、溶鋼33の流量変動操作(シャクリ動作ともいう)の回数が減少し、安定鋳造を行なうことができる。
また、タンディッシュ26を冷間で補修する必要が生じた場合、タンディッシュ26をタンディッシュメンテナンス場に搬送し、タンディッシュ26に水を吹き付けて冷却する。このとき吹き付けられた水は上ノズル28のノズル孔30内にも進入し、耐火物32中のドロマイトクリンカーに含まれるCaOと水が反応してCa(OH)2 を生成し耐火物32は消化し崩壊して耐火物32を上ノズル28から除去できる。
そして、骨材としてドロマイトクリンカーを10質量%以上含有し、MgOの含有量が20質量%以上で70質量%以下、好ましくはMgOの含有量が25質量%以上かつ65質量%以下となるように調製した別の耐火物をマグネシア質モルタルを介して上ノズル28に内張りし、連続鋳造設備24内の所定位置まで搬送して再使用する。
なお、上ノズル28に亀裂や欠けが発生している場合は、上ノズル28を別の上ノズルに交換する。
先ず、ドロマイトクリンカー30質量%以上含有し、MgOを30〜65質量%となるように調合した配合を用いて、厚み10mm、長さ100mmのスリーブ状の耐火物をノズル孔の内側面の下流側部分にマグネシア質モルタルを介して内張りされたアルミナ−グラファイト質の上ノズルを、図4に示す連続鋳造設備の取鍋とタンディッシュにそれぞれ設置した。そして、各上ノズルの温度が1200℃になるまで予熱した後、350トンの低炭素でアルミニウム脱酸した溶鋼を取鍋に供給した。
取鍋からタンディッシュへ溶鋼の注湯を開始した。注湯中には、耐火物の稼動面にAl2 O3 −CaO系の低融点化合物を主体とした融液層が形成され溶鋼中のアルミナ系介在物や地金が付着するのが防止されると共に、融液層の背面側にMgO粒子のリッチ層が形成されて耐火物の溶損が防止される。このため、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注湯する際の注湯量の変動を抑制することができた。
取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注湯が完了した後、取鍋を取鍋メンテナンス場に搬送し、酸素を富化した空気を吹き付けて酸素洗浄を行ない、ノズル孔内を閉塞している地金とスラグを除去すると共に、内張りしたスリーブ状の耐火物を除去した。このとき、耐火物はCaO・FeOの低融点化合物を生成しながら上ノズルから流出して行くので、上ノズルを損傷させることなく耐火物の除去が行なわれる。そして、別のスリーブ状の耐火物をマグネシア質モルタルを介して上ノズルに再度内張りし、連続鋳造設備のタンディッシュの上方位置まで搬送して使用した。
なお、上ノズルに亀裂や欠けが発生している場合は、上ノズルを別の上ノズルに交換した。このとき、上ノズルの交換までの使用回数を上ノズルの寿命として、上ノズルの平均寿命を算出すると16.8回となった。
アルミナ−グラファイト質の上ノズルを、図4に示す連続鋳造設備の取鍋に設置した。そして、上ノズルの温度が1200℃になるまで予熱した後、350トンの低炭素でアルミニウム脱酸した溶鋼を取鍋に供給した。
取鍋からタンディッシュへ溶鋼の注湯を開始すると、上ノズルのノズル孔の内側面に溶鋼中のアルミナ系介在物や地金が付着し、注湯量の変動が発生した。
取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注湯が完了した後、取鍋を取鍋メンテナンス場に搬送し、酸素を富化した空気を吹き付けて酸素洗浄を行なったが、上ノズルのノズル孔の内側面にはアルミナ系介在物や地金が付着しているため完全に除去することができず、打撃を与えて付着したアルミナ系介在物と地金を除去した。その後、取鍋を連続鋳造設備のタンディッシュの上方位置まで搬送して使用した。
なお、上ノズルに亀裂や欠けが発生している場合は、上ノズルを別の上ノズルに交換した。このとき、上ノズルの平均寿命を算出すると5.7回となった。実施例1と従来例1における上ノズルの平均寿命の比較を図5に示す。実施例1では、上ノズルを再使用する際に酸素洗浄するだけでよいのに対して、従来例1では酸素洗浄と打撃を併用する必要があり、上ノズルの寿命が短くなったと解される。
タンディッシュからモールドへ溶鋼の注湯を開始した。注湯中には、耐火物の稼動面にAl2 O3 −CaO系の低融点化合物を主体とした融液層が形成され溶鋼中のアルミナ系介在物や地金が付着するのが防止されると共に、融液層の背面側にMgO粒子のリッチ層が形成されて耐火物の溶損が防止される。このため、鋳造中に上ノズルのノズル孔の酸素洗浄や、溶鋼の流量変動操作の回数が減少し、安定鋳造と鋳片の品質向上が可能になり、鋳片歩留りが向上した。
更に、アルミナ系介在物や地金が付着と耐火物の溶損が防止されるため、タンディッシュからモールドへ溶鋼の注湯、排滓、及びタンディッシュの熱間補修を繰り返し4回行なうことができると共に、酸素洗浄が不要なため補修が簡素化され、補修コストを低減することができた。
上ノズルに内張りした耐火物にアルミナ系介在物や地金の付着がなく、しかも溶損量が少ない場合、空冷した後タンディッシュの補修を行ない、連続鋳造設備内の所定位置まで搬送して再使用した。いずれにおいても、酸素洗浄が不要なためタンディッシュの補修が簡素化され、補修コストを低減することができた。
なお、上ノズルに亀裂や欠けが発生している場合は、上ノズルを別の上ノズルに交換した。ここで、上ノズルの交換までの使用回数を上ノズルの寿命として、上ノズルの平均寿命を算出すると11.5回となった。
アルミナ−グラファイト質の上ノズルを、図4に示す連続鋳造設備のタンディッシュに設置した。そして、上ノズルの温度が1200℃になるまで予熱した後、350トンの低炭素でアルミニウム脱酸した溶鋼を取鍋を介してタンディッシュに供給した。
そして、タンディッシュからモールドへ溶鋼の注湯を開始しすると、上ノズルのノズル孔の内側面に溶鋼中のアルミナ系介在物や地金が付着し、注湯量の変動が発生した。このため、鋳造中に上ノズルのノズル孔の酸素洗浄や、溶鋼の流量変動操作を頻繁に行なった。その結果、鋳片の品質が低下し、鋳片歩留りが低下した。
なお、上ノズルに亀裂や欠けが発生している場合は、上ノズルを別の上ノズルに交換した。このとき、上ノズルの平均寿命を算出すると4.2回となった。実施例2と従来例2における上ノズルの平均寿命の比較を図6に示す。実施例2では、上ノズルを再使用する際に酸素洗浄するだけでよいのに対して、従来例2では酸素洗浄と打撃を併用する必要があり、上ノズルの寿命が短くなったと解される。
例えば、上ノズルのノズル孔の内側面の下流側部分に耐火物を一体的に内張りしたが、複数のスリーブを並べて内張りしてもよい。また、上ノズルのノズル孔の下流側部分に耐火物を嵌め込んでも、上ノズルのノズル孔の内側面全体に耐火物を内張りしてもよい。更に、耐火物の形状をスリーブ状としたが、円弧状の小片を組み合わせて内張りするようにしてもよい。
耐火物中のMgO含有量の調整は、ドロマイトクリンカーの組成を調整することで行なっても、ドロマイトクリンカーにMgO粒子を添加することにより行なってもよい。
Claims (5)
- 溶鋼の流量制御を行なうスライディングノズルの流出孔の上端部に連通し中央にノズル孔を有する連続鋳造用上ノズルにおいて、
前記ノズル孔の内面全部又は一部には、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされていることを特徴とする連続鋳造用上ノズル。 - 請求項1記載の連続鋳造用上ノズルにおいて、前記耐火物に含有されるMgOが20質量%以上で70質量%以下であることを特徴とする連続鋳造用上ノズル。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の連続鋳造用上ノズルにおいて、前記耐火物の厚みTは3mm以上で、該厚みTと該耐火物の長さLとの間に
0.1≦T2 /L≦10
の関係が成立することを特徴とする連続鋳造用上ノズル。 - 連続鋳造に用いる取鍋及びタンディッシュのいずれか一方又は双方に設置した請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続鋳造用上ノズルの使用が終了した後、該連続鋳造用上ノズルから内張りした前記耐火物を除去し、前記ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する別の耐火物を内張りして再使用することを特徴とする連続鋳造用上ノズルの使用方法。
- 請求項4記載の連続鋳造用上ノズルの使用方法において、前記連続鋳造用上ノズルに内張りした前記耐火物の除去は、該耐火物に酸素を含有するガス及び水のいずれか一方又は双方を吹き付けて行なうことを特徴とする連続鋳造用上ノズルの使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004166109A JP2005342761A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | 連続鋳造用上ノズル及びその使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004166109A JP2005342761A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | 連続鋳造用上ノズル及びその使用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005342761A true JP2005342761A (ja) | 2005-12-15 |
Family
ID=35495602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004166109A Pending JP2005342761A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | 連続鋳造用上ノズル及びその使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005342761A (ja) |
-
2004
- 2004-06-03 JP JP2004166109A patent/JP2005342761A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101412109B (zh) | 一种可延长rh钢包工作衬使用寿命的修砌方法 | |
CN114682752A (zh) | 一种超宽薄板坯连铸机快速更换在线中间包的方法 | |
JP2007111744A (ja) | 誘導加熱式タンディッシュ及びその補修方法 | |
CN106702073A (zh) | 一种转炉底吹元件热更换方法 | |
KR101242575B1 (ko) | 슬래그 배출구 냉각장치를 구비한 용융로 | |
JP2008000816A (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
JP2005342761A (ja) | 連続鋳造用上ノズル及びその使用方法 | |
RU2720413C1 (ru) | Способ донной продувки жидкого металла газом в ковше | |
JP4516937B2 (ja) | 浸漬ノズルの予熱装置および連続鋳造方法。 | |
JP4315847B2 (ja) | 難付着性の良好な連続鋳造用浸漬ノズル | |
KR100321033B1 (ko) | 용융로출선구의노벽충진보수방법 | |
JP4371871B2 (ja) | 連続鋳造用浸漬ノズル | |
JP2005125403A (ja) | 連続鋳造に用いるロングノズル及びこれを用いた連続鋳造方法 | |
JP3813902B2 (ja) | タンディッシュの連続使用方法 | |
CN218926225U (zh) | 一种抗冲击侵蚀的钢包 | |
JP4516934B2 (ja) | 精錬容器の補修方法 | |
JP4490947B2 (ja) | 金属溶湯の排出構造。 | |
JP2008173660A (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
JP2002155308A (ja) | シャフト炉の送風羽口 | |
JPH03134487A (ja) | 不定形耐火物の施工方法 | |
JP2005262301A (ja) | 連続鋳造用浸漬ノズル | |
Biswas et al. | Refractory for Casting | |
JP4189313B2 (ja) | 熱間回転タンディッシュを用いた溶鋼の連続鋳造方法 | |
JPH10225765A (ja) | 連続鋳造用タンディッシュの再使用方法 | |
JP2000084645A (ja) | タンディッシュの連続使用方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20061024 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20070214 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090421 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090728 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20090910 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20091013 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |