JP2005125403A - 連続鋳造に用いるロングノズル及びこれを用いた連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 地金や介在物の付着を抑制して繰り返し使用ができ、作業の簡素化、酸素洗いに起因する溶鋼の汚染が無く、鋳片の品質を向上させ、耐火物コストを低減することができる連続鋳造に用いるロングノズル及びこれを用いた連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】 取鍋11、22からタンディッシュ12に溶鋼13、23を注湯するのに使用されるロングノズル10において、ロングノズル本体16内側の溶鋼接触面18の少なくとも一部に、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物20が内張りされている。このロングノズル10を用いた連続鋳造方法は、ロングノズル10を取鍋11に取付け、溶鋼13をタンディッシュ12に注湯した後、ロングノズル10を取鍋11から取外して、洗浄することなく別の取鍋22に取付け、更に溶鋼23を注湯する。
【選択図】 図1
【解決手段】 取鍋11、22からタンディッシュ12に溶鋼13、23を注湯するのに使用されるロングノズル10において、ロングノズル本体16内側の溶鋼接触面18の少なくとも一部に、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物20が内張りされている。このロングノズル10を用いた連続鋳造方法は、ロングノズル10を取鍋11に取付け、溶鋼13をタンディッシュ12に注湯した後、ロングノズル10を取鍋11から取外して、洗浄することなく別の取鍋22に取付け、更に溶鋼23を注湯する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、連続鋳造において溶融金属をタンディッシュに注入する際に使用するロングノズルに係り、更に詳細には繰り返し注湯に使用することができる連続鋳造に用いるロングノズル及びこれを用いた連続鋳造方法に関する。
従来、取鍋からタンディッシュに溶鋼を注湯する際に使用するロングノズル(以下、単にノズルともいう)としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、カーボンを含有せず、耐磨耗性、耐溶損性、耐スポーリング性に優れ、鋳造する溶鋼へのカーボンピックアップ(溶鋼中へのカーボンの混入)を抑制するものが提案されている。
また、特許文献3には、ロングノズルの溶鋼と接触する面に黒鉛を含有しない耐火物をスリーブ状にして内装することで、耐火物と溶鋼に含まれるAlなどの反応の抑制や、生成した介在物のノズル内面(内壁)への付着や堆積を防止すると共に、溶鋼へのカーボンピックアップを防止するロングノズルが提案されている。
また、特許文献3には、ロングノズルの溶鋼と接触する面に黒鉛を含有しない耐火物をスリーブ状にして内装することで、耐火物と溶鋼に含まれるAlなどの反応の抑制や、生成した介在物のノズル内面(内壁)への付着や堆積を防止すると共に、溶鋼へのカーボンピックアップを防止するロングノズルが提案されている。
溶鋼の注湯を行う場合は、炭素濃度が極めて低い溶鋼のときで、最低でも3チャージ程度(取鍋3回分)、通常の溶鋼では例えば8〜15チャージ程度、ロングノズルを繰り返し使用する必要がある。しかし、特許文献1及び2には、ロングノズルを繰り返し使用して長寿命化を図るための技術はなく、しかも如何なる方法により繰り返し使用を可能にすることができるかについても何ら開示されていない。
また、特許文献1〜3に記載においては、溶鋼の注湯時におけるロングノズル内面への介在物や地金の付着を防止し、ロングノズルの長寿命化を図ろうとしているが、鋼種によっては介在物や地金の付着を防止することが困難であった。このように、ロングノズル内面への介在物や地金の付着が発生した場合、取鍋の切替え時にロングノズルの洗浄を行わなければ、ロングノズルが部分的に閉塞したり、更には付着部分が起点となって付着物が成長してロングノズルを完全に閉塞し、連続鋳造の中断を招く恐れがあり、やはりロングノズルの長寿命化を図ることが困難であった。
また、特許文献1〜3に記載においては、溶鋼の注湯時におけるロングノズル内面への介在物や地金の付着を防止し、ロングノズルの長寿命化を図ろうとしているが、鋼種によっては介在物や地金の付着を防止することが困難であった。このように、ロングノズル内面への介在物や地金の付着が発生した場合、取鍋の切替え時にロングノズルの洗浄を行わなければ、ロングノズルが部分的に閉塞したり、更には付着部分が起点となって付着物が成長してロングノズルを完全に閉塞し、連続鋳造の中断を招く恐れがあり、やはりロングノズルの長寿命化を図ることが困難であった。
この対策として、特許文献4及び特許文献5には、酸素ガスを使用後のロングノズルの内部に吹き込み、ノズル内壁に付着や堆積した地金や介在物を酸化物にして吹き飛ばしたり、また酸素ガスと可燃性ガスによる加熱炎を使用後のロングノズルの内部に吹込み、地金や介在物を溶解して洗い流し、この洗浄されたロングノズルを繰り返し再使用し、長寿命化を図ることが提案されている。
しかしながら、特許文献4及び特許文献5のように、ロングノズルを酸素ガスを用いて洗う場合は、例えば、タンディッシュへの溶鋼の注湯が終了した取鍋からロングノズルを取外して洗浄した後、このロングノズルを次の取鍋に取付けて引き続きタンディッシュへ溶鋼の注湯を行うため、洗浄時間が制限されるので、通常、タンディッシュの周辺で洗浄を行わなければならない。これにより、ロングノズルに付着、堆積していた地金や介在物が、酸素洗いされて酸化物となって飛び散り、タンディッシュ内のスラグ上に落下する場合があり、この酸化物が連続鋳造時に溶鋼中に混入するため溶鋼汚染を招き、製造された鋳片の品質低下を招く恐れがある。なお、このような洗浄作業を行う場合、連続鋳造工程は中断することができないため、その作業に手間取れば、タンディッシュ内の溶鋼量が減少し、鋳造速度を低下して鋳造する必要があり、場合によっては、最終的にタンディッシュ内のスラグが巻き込まれて鋳片内に混入し、鋳片の品質を低下させるという問題がある。
また、酸素洗いを行うこと自体が人手による作業となるため、作業性が悪く、酸素ガスを使用した加熱炎による付着物の溶解除去によるスプラッシュ(飛び)や火災による作業の安全性、作業環境の悪化などの問題もある。
また、酸素洗いを行うこと自体が人手による作業となるため、作業性が悪く、酸素ガスを使用した加熱炎による付着物の溶解除去によるスプラッシュ(飛び)や火災による作業の安全性、作業環境の悪化などの問題もある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、地金や介在物の付着を抑制して繰り返し使用ができ、作業の簡素化、酸素洗いに起因する溶鋼の汚染が無く、鋳片の品質を向上させ、耐火物コストを低減することができる連続鋳造に用いるロングノズル及びこれを用いた連続鋳造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の連続鋳造に用いるロングノズルは、取鍋からタンディッシュに溶鋼を注湯するのに使用されるロングノズルにおいて、
ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部に、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされている。
請求項1記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、耐火物に含まれるドロマイトクリンカーが10質量%未満の場合、耐火物に含まれるドロマイトクリンカー量が不足するため、耐火物に地金や介在物が付着し易くなり、また、例えば、注湯する溶鋼の鋼種変更に対応するために実施する耐火物の消化が困難になる。一方、上限値については、耐火物をドロマイトクリンカーのみで構成することも可能であるため規定していない。
従って、耐火物への地金や介在物の付着を抑制、更には防止し、また、例えば鋼種変更にも対応可能とするためには、耐火物に含まれるドロマイトクリンカー量を20質量%以上にすることが好ましく、更には30質量%以上にすることが好ましい。
なお、溶鋼接触面とは、ロングノズル本体の内面全体を意味する。
ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部に、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされている。
請求項1記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、耐火物に含まれるドロマイトクリンカーが10質量%未満の場合、耐火物に含まれるドロマイトクリンカー量が不足するため、耐火物に地金や介在物が付着し易くなり、また、例えば、注湯する溶鋼の鋼種変更に対応するために実施する耐火物の消化が困難になる。一方、上限値については、耐火物をドロマイトクリンカーのみで構成することも可能であるため規定していない。
従って、耐火物への地金や介在物の付着を抑制、更には防止し、また、例えば鋼種変更にも対応可能とするためには、耐火物に含まれるドロマイトクリンカー量を20質量%以上にすることが好ましく、更には30質量%以上にすることが好ましい。
なお、溶鋼接触面とは、ロングノズル本体の内面全体を意味する。
請求項2記載の連続鋳造に用いるロングノズルは、請求項1記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、前記耐火物に含まれるMgO成分は20〜70質量%である。
請求項2記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、耐火物に含まれるMgO成分が20質量%未満の場合、耐火物中に含まれるMgO成分量が不足し、耐火物の溶鋼の接触面(稼働面ともいう)に形成されるMgOリッチ層が減少して耐食性が悪くなり、ロングノズルの寿命が短くなる。一方、耐火物に含まれるMgO成分が70質量%を超える場合、溶鋼中のAl2 O3 と反応して、Al2 O3 −CaO系液相を形成するためのCaO供給量が不足し、耐火物の溶鋼の接触面に地金や介在物が付着し易くなる。
従って、ロングノズルの寿命を伸ばし、かつ耐火物の溶鋼の接触面への地金や介在物の付着を抑制、更に防止するためには、耐火物に含まれるMgO成分を25〜65質量%にすることが好ましい。
請求項2記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、耐火物に含まれるMgO成分が20質量%未満の場合、耐火物中に含まれるMgO成分量が不足し、耐火物の溶鋼の接触面(稼働面ともいう)に形成されるMgOリッチ層が減少して耐食性が悪くなり、ロングノズルの寿命が短くなる。一方、耐火物に含まれるMgO成分が70質量%を超える場合、溶鋼中のAl2 O3 と反応して、Al2 O3 −CaO系液相を形成するためのCaO供給量が不足し、耐火物の溶鋼の接触面に地金や介在物が付着し易くなる。
従って、ロングノズルの寿命を伸ばし、かつ耐火物の溶鋼の接触面への地金や介在物の付着を抑制、更に防止するためには、耐火物に含まれるMgO成分を25〜65質量%にすることが好ましい。
請求項3記載の連続鋳造に用いるロングノズルは、請求項1及び2記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、前記耐火物の内張りの厚みは5〜30mmである。
請求項3記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、耐火物の内張りの厚みが5mm未満の場合、注湯しているチャージ(取鍋1回分の溶鋼)、あるいは連々鋳(複数の取鍋の溶鋼を連続して鋳造)に対する溶損量を確保することができず、耐火物の溶鋼の接触面に地金や介在物が付着し易くなる。一方、内張りの厚みが30mmを超える場合、その厚みが注湯中の溶損に見合う厚み以上になり、耐火物コストが大きくなって経済的でなく、しかも厚みが厚くなるほど耐火物の膨張に起因する亀裂、剥離などの問題が発生し易くなる。
従って、使用時における溶損量を確保でき、経済的でしかも耐火物の膨張に起因する亀裂、剥離などの問題を解消するには、内張りの厚みを8〜30mmとすることが好ましく、更には10〜30mmとすることが好ましい。
請求項3記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、耐火物の内張りの厚みが5mm未満の場合、注湯しているチャージ(取鍋1回分の溶鋼)、あるいは連々鋳(複数の取鍋の溶鋼を連続して鋳造)に対する溶損量を確保することができず、耐火物の溶鋼の接触面に地金や介在物が付着し易くなる。一方、内張りの厚みが30mmを超える場合、その厚みが注湯中の溶損に見合う厚み以上になり、耐火物コストが大きくなって経済的でなく、しかも厚みが厚くなるほど耐火物の膨張に起因する亀裂、剥離などの問題が発生し易くなる。
従って、使用時における溶損量を確保でき、経済的でしかも耐火物の膨張に起因する亀裂、剥離などの問題を解消するには、内張りの厚みを8〜30mmとすることが好ましく、更には10〜30mmとすることが好ましい。
前記目的に沿う請求項4記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部にドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされたロングノズルを取鍋に取付け、溶鋼をタンディッシュに注湯した後、前記ロングノズルを前記取鍋から取外して、洗浄することなく別の取鍋に取付け、更に溶鋼を注湯する。
前記目的に沿う請求項5記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部にドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされたロングノズルを取鍋に取付け、溶鋼をタンディッシュに注湯した後、前記ロングノズルを前記取鍋から取外して100℃以上に保温し、この保温した前記ロングノズルを別の取鍋に取付け溶鋼を注湯する。
請求項5記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法において、取鍋から取外されたロングノズルが100℃未満になれば、耐火物が消化してしまう。一方、上限値については規定していないが、ロングノズルの保温が1300℃を超える場合、必要以上の保温となるため、保温に用いる燃料ガスなどのロスが増加し経済的でない。
従って、耐火物の消化を、経済的に抑制、更には防止するためには、ロングノズルの保温を150〜1300℃にすることが好ましく、更には200〜1300℃にすることが好ましい。
請求項5記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法において、取鍋から取外されたロングノズルが100℃未満になれば、耐火物が消化してしまう。一方、上限値については規定していないが、ロングノズルの保温が1300℃を超える場合、必要以上の保温となるため、保温に用いる燃料ガスなどのロスが増加し経済的でない。
従って、耐火物の消化を、経済的に抑制、更には防止するためには、ロングノズルの保温を150〜1300℃にすることが好ましく、更には200〜1300℃にすることが好ましい。
前記目的に沿う請求項6記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部にドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされたロングノズルを取鍋に取付け、溶鋼をタンディッシュに注湯した後、前記ロングノズルを前記取鍋から取外して該ロングノズルの前記耐火物を消化させて除去し、これを別の取鍋に取付け溶鋼を注湯する。
請求項7記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、請求項4〜6記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法において、前記取鍋から取外された前記ロングノズルの少なくとも溶鋼浸漬部を700℃以上に予熱してから、前記別の取鍋の溶鋼の注湯に使用する。
請求項7記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法において、少なくとも溶鋼浸漬部が700℃以上に予熱されていれば、例えばロングノズル全体が700℃以上に予熱されていてもよい。
ここで、ロングノズルの予熱温度が700℃未満の場合、予熱不足になり、高温の溶鋼を注湯した際に熱衝撃が大きくなるため、ロングノズルでの亀裂、剥離などの発生が問題となる。一方、上限値については規定していないが、ロングノズルの予熱温度が1300℃を超える場合、必要以上の予熱となるため、予熱に用いる燃料ガスなどのロスが増加し経済的でない。
従って、溶鋼の注湯時における熱衝撃を小さくし、しかも経済的にロングノズルを予熱するためには、ロングノズルの予熱温度を900〜1300℃にすることが好ましく、更には1000〜1300℃にすることが好ましい。
請求項7記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法において、少なくとも溶鋼浸漬部が700℃以上に予熱されていれば、例えばロングノズル全体が700℃以上に予熱されていてもよい。
ここで、ロングノズルの予熱温度が700℃未満の場合、予熱不足になり、高温の溶鋼を注湯した際に熱衝撃が大きくなるため、ロングノズルでの亀裂、剥離などの発生が問題となる。一方、上限値については規定していないが、ロングノズルの予熱温度が1300℃を超える場合、必要以上の予熱となるため、予熱に用いる燃料ガスなどのロスが増加し経済的でない。
従って、溶鋼の注湯時における熱衝撃を小さくし、しかも経済的にロングノズルを予熱するためには、ロングノズルの予熱温度を900〜1300℃にすることが好ましく、更には1000〜1300℃にすることが好ましい。
請求項8記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、請求項4〜7記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法において、前記耐火物の内張りの厚みは5〜30mmである。
請求項1〜3記載の連続鋳造に用いるロングノズル、及び請求項4〜8記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされているので、ロングノズルの耐火物の溶鋼の接触面にAl2 O3 −CaO系の低融点化合物からなる融液層が生成され、これを溶鋼と共に下流側へ流すことで、地金やアルミナ系介在物(以下、単に介在物ともいう)の付着を防止することができる。また、耐火物の溶鋼の接触面に耐食性が良好なMgO成分のリッチな晶出層を形成することができ、耐火物の耐溶損性を向上することができる。そして、ロングノズル本体内の溶鋼接触面に、ドロマイトクリンカーを配合したCaO成分を含有する例えば炭素レス、珪酸レスの耐火物を内張りするので、溶鋼へのカーボンピックアップを抑制、更には防止できる。
これにより、ロングノズル内部の閉塞が無くなり、ロングノズルを繰り返し使用できるので、ロングノズルの長寿命化を図ることができ、しかも耐火物コストの低減が可能になり経済的である。また、従来のように、酸素洗い等の洗浄作業を実施する必要がなくなるので、作業性が良好で、酸素洗いによる作業環境の改善を図ることができ、しかも溶鋼の汚染が無く、鋳片の品質を向上させることができる。更に、連々鋳などの取鍋交換時や通常の注湯作業を安定させることができ、鋳造作業も安定するので、鋳片の品質を更に向上させることができる。
また、内張りにドロマイトクリンカーを含有した容易に消化し易い耐火物を使用するため、例えば、注湯する溶鋼の鋼種変更に対応して耐火物を消化させることができるので、耐火物の内張りが必要な鋼種、又は内張りが必要でない鋼種に分けてロングノズルを機能毎に使用でき、また、ロングノズルの繰り返し使用ができ、全体的な使用寿命の長期化を図ることができる。
また、内張りにドロマイトクリンカーを含有した容易に消化し易い耐火物を使用するため、例えば、注湯する溶鋼の鋼種変更に対応して耐火物を消化させることができるので、耐火物の内張りが必要な鋼種、又は内張りが必要でない鋼種に分けてロングノズルを機能毎に使用でき、また、ロングノズルの繰り返し使用ができ、全体的な使用寿命の長期化を図ることができる。
特に、請求項2記載の連続鋳造に用いるロングノズルは、MgO成分の量が設定されているので、アルミナ系介在物の付着を安定に防止することができる。
請求項3記載の連続鋳造に用いるロングノズル、及び請求項8記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、耐火物の内張りの厚みが設定されているので、注湯しているチャージ、あるいは連々鋳に対する溶損量を確保することができ、地金や介在物の付着を抑制、更には付着、堆積を防止でき、しかも、耐火物コストを低減でき、内張りの膨張に起因する亀裂、剥離などの問題も抑制、更には防止できる。
請求項3記載の連続鋳造に用いるロングノズル、及び請求項8記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、耐火物の内張りの厚みが設定されているので、注湯しているチャージ、あるいは連々鋳に対する溶損量を確保することができ、地金や介在物の付着を抑制、更には付着、堆積を防止でき、しかも、耐火物コストを低減でき、内張りの膨張に起因する亀裂、剥離などの問題も抑制、更には防止できる。
請求項4及びこれに従属する請求項7、8記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、難付着性の耐火物が内張りされたロングノズルを使用することにより、使用途中の地金や介在物の付着を抑制できる。これにより、例えば、従来のように、ロングノズルを使用して注湯した後、ロングノズルを一旦取鍋から取外して、付着、堆積した地金や介在物を例えば酸素洗いにより溶削して除去することなく、続けてロングノズルを別の取鍋に取付け次チャージの注湯に繰り返し再使用することができる。
請求項5及びこれに従属する請求項7、8記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、例えば、鋼種変更の場合において、使用していたロングノズルの内張りの厚みが、溶鋼の注湯に使用可能な程度にまだ残存していれば、耐火物の消化を抑制、更には防止可能な100℃以上の雰囲気中にロングノズルを保管することで、その耐火物を消化させることなく、次回の注湯に繰り返し使用できる。
請求項6及びこれに従属する請求項7、8記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、ロングノズルを使用した後に、耐火物を積極的に消化させて除去することにより、別の取鍋に取付け次チャージに適した耐火物構成(例えば、非炭素レス耐火物)にすることが容易にできるので、従来のような酸素洗いそのものの作業をなくすことができ、酸素洗いに伴うタンディッシュ内の溶鋼の汚染が無くなり、清浄鋼を製造できる。
しかも、注湯を行う溶鋼の条件に応じて、難付着、カーボンピックアップ防止用としての使用と、一般溶鋼の例えばAG質(アルミナ黒鉛質)のロングノズルとしての使用が可能となり、運用範囲を拡大することによって、ロングノズルの耐火物コストを含めた低コスト化を図ることができ経済的である。
しかも、注湯を行う溶鋼の条件に応じて、難付着、カーボンピックアップ防止用としての使用と、一般溶鋼の例えばAG質(アルミナ黒鉛質)のロングノズルとしての使用が可能となり、運用範囲を拡大することによって、ロングノズルの耐火物コストを含めた低コスト化を図ることができ経済的である。
特に、請求項7記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法は、少なくとも溶鋼浸漬部を700℃以上に予熱するので、高温の溶鋼を注湯した際でも熱衝撃を小さくでき、ロングノズルでの亀裂、剥離などの発生を抑制、更には防止できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る連続鋳造に用いるロングノズルの正断面図、図2は同連続鋳造に用いるロングノズルの使用状態の説明図である。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る連続鋳造に用いるロングノズルの正断面図、図2は同連続鋳造に用いるロングノズルの使用状態の説明図である。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造に用いるロングノズル10は、取鍋11の底部に取付けられ、下流側へ配置されたタンディッシュ12に取鍋11内の溶鋼13を注湯するために使用されるものである。ここで、ロングノズル10を介してタンディッシュ12に注湯された溶鋼13は、タンディッシュ12の底部に取付けられた浸漬ノズル14を介して連続鋳造用鋳型15へ注湯され、この連続鋳造用鋳型15で冷却され凝固シェルが形成されながら下流側へ引き抜かれて鋳片になる。以下、詳しく説明する。
図1、図2に示すように、ロングノズル10は、アルミナ黒鉛質(AG質)の耐火物で構成され、上流側から下流側へかけて徐々に拡径するロングノズル本体16を有している。このロングノズル本体16の基部は、溶鋼13が貯留された取鍋11の底部に取付け及び取外し可能となっている。また、ロングノズル10の溶鋼13への浸漬部(溶鋼浸漬部ともいう)17に対応するロングノズル本体16内側の溶鋼接触面18の少なくとも一部、例えば、ロングノズル本体16の下端から例えば1/3程度の範囲には、段差部19が設けられ、この段差部19に内装体(耐火物の一例)20が内張りされている。なお、ロングノズル本体に段差部を設けることなく、平面状態となったロングノズル本体の内側表面に内装体を設けることも可能である。この場合、ロングノズル本体内を流れる溶鋼の流れを妨げないように、内装体の上端部を傾斜させることが好ましい。
内装体20は、ドロマイトクリンカーが10質量%(好ましくは30質量%)以上配合され、MgO成分が20〜70質量%(好ましくは25〜65質量%)になるように調整されたものであり、その厚みが5〜30mm(好ましくは10〜30mm)のスリーブ状(円筒状)となったものである。なお、MgO成分には、ドロマイトクリンカーとは別に、MgO粉を添加して上記の組成を満たすようにすることもできる。また、内装体20には結合材であるバインダー(ピッチ系バインダー)も数質量%程度含まれている。
ロングノズル本体16を構成するアルミナ黒鉛質の耐火物と、内装体20に含まれるドロマイトとは反応するため、ロングノズル本体16の溶鋼接触面18に、予めジルコニア系のモルタル又はマグネシア質のモルタル等を配置した後、前記した内装体20を配置する。また、内装体として、例えば、その外径が、ロングノズル本体16の溶鋼接触面18の内径より小さなものを使用し、内装体の一端部のみをロングノズル本体16に取付け、内装体の外側面がロングノズル本体16の溶鋼接触面18に接触しないように、内装体を隙間を介してロングノズル本体16に取付けることも可能である。
これにより、ロングノズル本体16の内側に取付けられた内装体20の内側表面21が溶鋼の接触面、即ち稼動面となり、この稼働面側に付着したAl2 O3 と耐火物に含まれるCaOとの反応から形成されるAl2 O3 −CaO系液相の生成を促進でき、しかも内装体20自体の極端な低融点化も抑制できる。
これにより、ロングノズル本体16の内側に取付けられた内装体20の内側表面21が溶鋼の接触面、即ち稼動面となり、この稼働面側に付着したAl2 O3 と耐火物に含まれるCaOとの反応から形成されるAl2 O3 −CaO系液相の生成を促進でき、しかも内装体20自体の極端な低融点化も抑制できる。
続いて、本発明の一実施の形態に係るロングノズルを用いた連続鋳造方法について、前記したロングノズル10を参照しながら、(1)ロングノズル本体16に内張りされた内装体20を消化させた後に再使用する場合、(2)ロングノズル本体16に内張りされた内装体20を消化させずに再使用する場合のそれぞれについて、図1、図2を参照しながら説明する。
(1)ロングノズル本体16に内張りされた内装体20を消化させた後に、このロングノズル本体16を再使用する場合
内装体20が内張りされたロングノズル16の少なくとも溶鋼浸漬部17が700〜1300℃(好ましくは1000〜1300℃)の温度になるまで、ロングノズル10を予熱した後、取鍋11の底部に取付け、溶鋼13をタンディッシュ12へ注湯する。なお、この溶鋼13は、その炭素濃度が100ppm未満のものである。
内装体20が内張りされたロングノズル16の少なくとも溶鋼浸漬部17が700〜1300℃(好ましくは1000〜1300℃)の温度になるまで、ロングノズル10を予熱した後、取鍋11の底部に取付け、溶鋼13をタンディッシュ12へ注湯する。なお、この溶鋼13は、その炭素濃度が100ppm未満のものである。
そして、注湯を終了した後、ロングノズル10を取鍋11から取外し回収する。
ここで、例えば、内装体20の厚みが注湯に使用可能な程度の厚みを有していなければ、回収したロングノズル10から内装体20を除去するため、ロングノズル10を放冷し、途中から内装体20に散水して、内装体20の消化を促進する。なお、1〜2日経過した後、内装体20が十分消化していることを確認した後、ロングノズル10から内装体20を完全に除去する。
内装体20が除去されたロングノズル本体16の少なくとも溶鋼浸漬部17を、再度700〜1300℃の温度になるまで予熱した後、このロングノズル本体16を別の取鍋22の底部に取付け、炭素濃度が100ppm以上の溶鋼23をタンディッシュ12に注湯する。なお、この溶鋼23は、アルミナ黒鉛質のロングノズル本体16で注湯しても問題ない(カーボンピックアップの許容量が大きい)ものである。
ここで、例えば、内装体20の厚みが注湯に使用可能な程度の厚みを有していなければ、回収したロングノズル10から内装体20を除去するため、ロングノズル10を放冷し、途中から内装体20に散水して、内装体20の消化を促進する。なお、1〜2日経過した後、内装体20が十分消化していることを確認した後、ロングノズル10から内装体20を完全に除去する。
内装体20が除去されたロングノズル本体16の少なくとも溶鋼浸漬部17を、再度700〜1300℃の温度になるまで予熱した後、このロングノズル本体16を別の取鍋22の底部に取付け、炭素濃度が100ppm以上の溶鋼23をタンディッシュ12に注湯する。なお、この溶鋼23は、アルミナ黒鉛質のロングノズル本体16で注湯しても問題ない(カーボンピックアップの許容量が大きい)ものである。
注湯を終了した後、ロングノズル本体16を取鍋22から取外し、回収して繰り返し再使用するか、或いは地金や介在物の付着状況によっては廃棄する。
これにより、内装体20を装着した状態でロングノズル10を、例えば3〜4チャージ繰り返し使用でき、更に内装体20を除去した状態で、ロングノズル本体16(溶鋼接触面18は内装体20に保護された状態となっていたため略新品状態)を、例えば、8〜15チャージ繰り返し使用できるので、全体的な繰り返し回数を従来のものよりも多くでき、ロングノズル10の長寿命化を図ることができる。
これにより、内装体20を装着した状態でロングノズル10を、例えば3〜4チャージ繰り返し使用でき、更に内装体20を除去した状態で、ロングノズル本体16(溶鋼接触面18は内装体20に保護された状態となっていたため略新品状態)を、例えば、8〜15チャージ繰り返し使用できるので、全体的な繰り返し回数を従来のものよりも多くでき、ロングノズル10の長寿命化を図ることができる。
(2)ロングノズル本体16に内張りされた内装体20を消化させずに、ロングノズル10を再使用する場合
内装体20が内張りされたロングノズル10の少なくとも溶鋼浸漬部17が、700〜1300℃の温度になるまでロングノズル10を予熱した後、取鍋11の底部に取付け、溶鋼13をタンディッシュ12へ注湯する。
内装体20が内張りされたロングノズル10の少なくとも溶鋼浸漬部17が、700〜1300℃の温度になるまでロングノズル10を予熱した後、取鍋11の底部に取付け、溶鋼13をタンディッシュ12へ注湯する。
そして、注湯を終了した後、ロングノズル10を取鍋11から取外し回収する。
ここで、ロングノズル10を回収する際、ロングノズル10に対して従来のような酸素洗いを必要としない。これは、ロングノズル本体16の内側に内装体20を設けることで、内装体20の内側表面21への地金や介在物の付着を抑制、更には防止しているためであり、また酸素洗いすれば、内装体20が溶損する可能性があり、内装体20の機能が低下する可能性があるからである。
ここで、ロングノズル10を回収する際、ロングノズル10に対して従来のような酸素洗いを必要としない。これは、ロングノズル本体16の内側に内装体20を設けることで、内装体20の内側表面21への地金や介在物の付着を抑制、更には防止しているためであり、また酸素洗いすれば、内装体20が溶損する可能性があり、内装体20の機能が低下する可能性があるからである。
回収されたロングノズル10を、700〜1300℃の温度に保熱できる装置内に入れ、急激な温度低下を招くことなく保管する。また、場合によっては、100℃以上に保熱できる装置内に入れ、内装体20が消化しないように保管する。
再使用に際しては、このロングノズル10を必要に応じて予熱し、700〜1300℃の温度とした後、取鍋22の底部に取付け、溶鋼23をタンディッシュ12へ注湯する。
再使用に際しては、このロングノズル10を必要に応じて予熱し、700〜1300℃の温度とした後、取鍋22の底部に取付け、溶鋼23をタンディッシュ12へ注湯する。
注湯を終了した後、ロングノズル10を取鍋11から取外し回収する。
回収されたロングノズル10を繰り返し再使用するに際して、内装体20を消化、除去する場合は、前記した(1)の方法に従って内装体20を除去し、ロングノズル本体16を使用して再度注湯し、また、内装体20を消化させず、再度注湯する場合は、(2)の方法に従ってロングノズル10を保熱できる装置内に入れた後、再度注湯に使用する。なお、内装体20を消化させることなくロングノズル10を再度の注湯に使用する場合は、注湯が終了したロングノズル10を保熱できる装置内に入れることなく、別の取鍋に取付け、引き続き注湯に使用することも可能である。
回収されたロングノズル10を繰り返し再使用するに際して、内装体20を消化、除去する場合は、前記した(1)の方法に従って内装体20を除去し、ロングノズル本体16を使用して再度注湯し、また、内装体20を消化させず、再度注湯する場合は、(2)の方法に従ってロングノズル10を保熱できる装置内に入れた後、再度注湯に使用する。なお、内装体20を消化させることなくロングノズル10を再度の注湯に使用する場合は、注湯が終了したロングノズル10を保熱できる装置内に入れることなく、別の取鍋に取付け、引き続き注湯に使用することも可能である。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
(実施例1)
ロングノズル本体16に内張りされた内装体20を消化させた後に、このロングノズル本体16を再使用する場合
AG質からなるロングノズル本体16の溶鋼接触面18に、ドロマイトクリンカーを30質量%以上配合し、MgO成分を30〜65質量%になるように調整して、厚みを10mmとしたスリーブ状の内装体20を内張りしてロングノズル10を作製した。なお、ロングノズル10の溶鋼13への未浸漬部24(浸漬部17を除いた部分)、浸漬部17、及び内装体20の各化学組成は、表1に示す通りである。ここで、表1中のF.Cはフリーカーボンを意味しており、未浸漬部24及び浸漬部17の残部は不可避的不純物である。
(実施例1)
ロングノズル本体16に内張りされた内装体20を消化させた後に、このロングノズル本体16を再使用する場合
AG質からなるロングノズル本体16の溶鋼接触面18に、ドロマイトクリンカーを30質量%以上配合し、MgO成分を30〜65質量%になるように調整して、厚みを10mmとしたスリーブ状の内装体20を内張りしてロングノズル10を作製した。なお、ロングノズル10の溶鋼13への未浸漬部24(浸漬部17を除いた部分)、浸漬部17、及び内装体20の各化学組成は、表1に示す通りである。ここで、表1中のF.Cはフリーカーボンを意味しており、未浸漬部24及び浸漬部17の残部は不可避的不純物である。
この内装体20が内張りされたロングノズル10を、1200℃の温度になるまで予熱した後、取鍋11の底部に取付け、350トンの極低炭素の溶鋼をタンディッシュに注湯した。ここで、注湯は、数チャージ継続して行った。
注湯を終了した後、ロングノズル10を取鍋11から取外して回収し、その外観及び内部を観察した。その結果、外観、内部とも、特に異常な亀裂、溶損も無く、内部も地金や介在物の付着が見られず良好であった。
このロングノズル10を放冷し、途中から内装体20に水を散水して内装体20の消化の促進を図った。
1日経過したところで内装体20が十分消化していたので、消化した内装体20をロングノズル本体16から除去し、AG質のみからなるロングノズル本体16を得た。
注湯を終了した後、ロングノズル10を取鍋11から取外して回収し、その外観及び内部を観察した。その結果、外観、内部とも、特に異常な亀裂、溶損も無く、内部も地金や介在物の付着が見られず良好であった。
このロングノズル10を放冷し、途中から内装体20に水を散水して内装体20の消化の促進を図った。
1日経過したところで内装体20が十分消化していたので、消化した内装体20をロングノズル本体16から除去し、AG質のみからなるロングノズル本体16を得た。
このAG質のロングノズル本体16を、1200℃の温度になるまで予熱した後、取鍋22の底部に取付け、カーボンピックアップの許容量の大きい中炭クラスのAl−Si脱酸した溶鋼の注湯に使用した。
その結果、地金や介在物の付着、堆積が若干見られたが、特に異常も見られず、完全に鋳造することができ、1本のロングノズル10を機能に応じて繰り返し使用することができた。
その結果、地金や介在物の付着、堆積が若干見られたが、特に異常も見られず、完全に鋳造することができ、1本のロングノズル10を機能に応じて繰り返し使用することができた。
このように、繰り返し使用における地金や介在物の酸素洗いによる洗浄作業を行うことなく、更に、酸素洗いを行う必要性がないため、酸素洗いに伴うタンディッシュ12内の溶鋼の汚染を抑制でき、溶鋼及び鋳片の品質(介在物、或いは繋ぎ目鋳片のグレード)を向上することができた。
また、ロングノズル10に起因する耐火物量を、溶鋼1トン当たり約100g低減することができ、ロングノズル10の酸素洗いなどの作業負荷の軽減、作業環境の大幅な改善を図ることができた。
また、ロングノズル10に起因する耐火物量を、溶鋼1トン当たり約100g低減することができ、ロングノズル10の酸素洗いなどの作業負荷の軽減、作業環境の大幅な改善を図ることができた。
(実施例2)
ロングノズル本体16に内張りされた内装体20を消化させずに、ロングノズル10を再使用する場合
AG質からなるロングノズル本体16の溶鋼接触面18に、ドロマイトクリンカーを30質量%以上配合し、MgO成分を30〜65質量%になるように調整して、厚みを10mmとしたスリーブ状の内装体20を内張りしてロングノズル10を作製した。なお、ロングノズル10の溶鋼への未浸漬部24(浸漬部17を除いた部分)、浸漬部17、及び内装体20の各化学組成は、前記した表1に示す通りである。
ロングノズル本体16に内張りされた内装体20を消化させずに、ロングノズル10を再使用する場合
AG質からなるロングノズル本体16の溶鋼接触面18に、ドロマイトクリンカーを30質量%以上配合し、MgO成分を30〜65質量%になるように調整して、厚みを10mmとしたスリーブ状の内装体20を内張りしてロングノズル10を作製した。なお、ロングノズル10の溶鋼への未浸漬部24(浸漬部17を除いた部分)、浸漬部17、及び内装体20の各化学組成は、前記した表1に示す通りである。
この内装体20が内張りされたロングノズル10を、1200℃の温度になるまで予熱した後、取鍋11の底部に取付け、350トンの極低炭素の溶鋼をタンディッシュ12に注湯した。
注湯が終了した後、ロングノズル10を取鍋11から取外して回収し、その外観及び内部を観察した。その結果、外観、内部とも、特に異常な亀裂、溶損も無く、内部も地金や介在物の付着が見られず良好であった。また、内装体20の残存状態、損傷状態も良好であった。
このため、この回収したロングノズル10を、1200℃の温度で保熱できる装置内に入れ、極度な温度低下を招くことなく保管した。
注湯が終了した後、ロングノズル10を取鍋11から取外して回収し、その外観及び内部を観察した。その結果、外観、内部とも、特に異常な亀裂、溶損も無く、内部も地金や介在物の付着が見られず良好であった。また、内装体20の残存状態、損傷状態も良好であった。
このため、この回収したロングノズル10を、1200℃の温度で保熱できる装置内に入れ、極度な温度低下を招くことなく保管した。
そして、次回の鋳造に使用するため、ロングノズル10を保温装置から取り出し、取鍋22の底部に取付けて注湯を行った。
続いて、数チャージ(例えば、2〜3チャージ程度)継続して鋳造を行い、内装体20の残存状況、損傷状況を確認した結果、残存厚みが3〜5mmと薄くなっていたので、次チャージへの使用を中止して廃棄した。
このように、繰り返し使用を行うことにより、ロングノズル10に起因する耐火物量を、溶鋼1トン当たり約100g低減することができ、ロングノズル10の酸素洗いなどの作業負荷の軽減、作業環境の大幅な改善を図ることができた。
続いて、数チャージ(例えば、2〜3チャージ程度)継続して鋳造を行い、内装体20の残存状況、損傷状況を確認した結果、残存厚みが3〜5mmと薄くなっていたので、次チャージへの使用を中止して廃棄した。
このように、繰り返し使用を行うことにより、ロングノズル10に起因する耐火物量を、溶鋼1トン当たり約100g低減することができ、ロングノズル10の酸素洗いなどの作業負荷の軽減、作業環境の大幅な改善を図ることができた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の連続鋳造に用いるロングノズル及びこれを用いた連続鋳造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、溶鋼の通液部分が上流側から下流側へかけて拡径したロングノズル本体に内装体を設けた場合について説明したが、通液部分が実質的に同一の内径を備えたロングノズル本体に内装体を設けることも可能である。
そして、前記実施の形態においては、ロングノズル本体の溶鋼接触面の一部に内装体が内張りされている場合について説明したが、溶鋼接触面の全部にわたって内装体の内張りを設けることもでき、更にはロングノズル本体の溶鋼接触面及び非接触面の全体にわたって内装体を内張りすることも可能である。
また、前記実施の形態においては、溶鋼の通液部分が上流側から下流側へかけて拡径したロングノズル本体に内装体を設けた場合について説明したが、通液部分が実質的に同一の内径を備えたロングノズル本体に内装体を設けることも可能である。
そして、前記実施の形態においては、ロングノズル本体の溶鋼接触面の一部に内装体が内張りされている場合について説明したが、溶鋼接触面の全部にわたって内装体の内張りを設けることもでき、更にはロングノズル本体の溶鋼接触面及び非接触面の全体にわたって内装体を内張りすることも可能である。
10:連続鋳造に用いるロングノズル、11:取鍋、12:タンディッシュ、13:溶鋼、14:浸漬ノズル、15:連続鋳造用鋳型、16:ロングノズル本体、17:浸漬部、18:溶鋼接触面、19:段差部、20:内装体(耐火物)、21:内側表面、22:取鍋、23:溶鋼、24:未浸漬部
Claims (8)
- 取鍋からタンディッシュに溶鋼を注湯するのに使用されるロングノズルにおいて、
ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部に、ドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされていることを特徴とする連続鋳造に用いるロングノズル。 - 請求項1記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、前記耐火物に含まれるMgO成分は20〜70質量%であることを特徴とする連続鋳造に用いるロングノズル。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の連続鋳造に用いるロングノズルにおいて、前記耐火物の内張りの厚みは5〜30mmであることを特徴とする連続鋳造に用いるロングノズル。
- ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部にドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされたロングノズルを取鍋に取付け、溶鋼をタンディッシュに注湯した後、前記ロングノズルを前記取鍋から取外して、洗浄することなく別の取鍋に取付け、更に溶鋼を注湯することを特徴とするロングノズルを用いた連続鋳造方法。
- ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部にドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされたロングノズルを取鍋に取付け、溶鋼をタンディッシュに注湯した後、前記ロングノズルを前記取鍋から取外して100℃以上に保温し、この保温した前記ロングノズルを別の取鍋に取付け溶鋼を注湯することを特徴とするロングノズルを用いた連続鋳造方法。
- ロングノズル本体内側の溶鋼接触面の少なくとも一部にドロマイトクリンカーを10質量%以上含有する耐火物が内張りされたロングノズルを取鍋に取付け、溶鋼をタンディッシュに注湯した後、前記ロングノズルを前記取鍋から取外して該ロングノズルの前記耐火物を消化させて除去し、これを別の取鍋に取付け溶鋼を注湯することを特徴とするロングノズルを用いた連続鋳造方法。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法において、前記取鍋から取外された前記ロングノズルの少なくとも溶鋼浸漬部を700℃以上に予熱してから、前記別の取鍋の溶鋼の注湯に使用することを特徴とするロングノズルを用いた連続鋳造方法。
- 請求項4〜7のいずれか1項に記載のロングノズルを用いた連続鋳造方法において、前記耐火物の内張りの厚みは5〜30mmであることを特徴とするロングノズルを用いた連続鋳造方法。
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JP2003366461A JP2005125403A (ja) | 2003-10-27 | 2003-10-27 | 連続鋳造に用いるロングノズル及びこれを用いた連続鋳造方法 |
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ID=34644796
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008194745A (ja) * | 2007-02-15 | 2008-08-28 | Nippon Steel Corp | ロングノズル |
CN108907172A (zh) * | 2018-08-21 | 2018-11-30 | 北京利尔高温材料股份有限公司 | 一种复合废钢包砖渣线破碎料的长水口 |
CN114535560A (zh) * | 2020-11-26 | 2022-05-27 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种连铸大包机器人自动清洗长水口的方法 |
-
2003
- 2003-10-27 JP JP2003366461A patent/JP2005125403A/ja not_active Withdrawn
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