JP2005342187A - 眼鏡装用パラメータ測定装置 - Google Patents

眼鏡装用パラメータ測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 外乱光による誘導刺激を抑制して、眼鏡装用者に固視目標を良好に凝視させること。
【解決手段】 眼鏡装用パラメータ測定装置30において、光源56A及び56B、並びにこの光源を被検者に視認させるための結像レンズ60及び覗き窓部90を可動ユニット34に備え、光源を結像レンズに対して直線移動させ、且つ当該光源を被検者の眼球の回旋点12を中心に回旋移動させることにより、被検者を遠方視状態または近方視状態に設定すると共に覗き窓部を光源と共に回旋移動させ、上記遠方視状態または近方視状態に設定された被検者を正面用撮像カメラ62及び側面用撮像カメラ63により撮影してその画像を取り込み、得られた撮像画像に基づき装置制御用端末32が眼鏡装用パラメータを計測して演算し、また、上記覗き窓部90を備えた可動ユニット34の移動方向両側に、外乱光を遮蔽する上布スエード91及び下布スエード92が配設されたものである。
【選択図】 図2

Description

眼鏡フレームを装用した眼鏡装用者の画像を撮像し、その画像から眼鏡を製作するために必要とされる様々な眼鏡装用パラメータを測定する眼鏡装用パラメータ測定装置に関する。
眼鏡の製作では、眼鏡処方値と眼鏡フレームの選択と眼鏡装用者に関連した様々な眼鏡装用パラメータとに応じて光学設計を行い、その設計値に基づいて製造された眼鏡レンズを眼鏡フレームの形状に合わせて枠入れするように切削することが必要である。眼鏡装用者に関連した眼鏡装用パラメータとしては、遠方視瞳孔間距離、近方視瞳孔間距離、遠方視装用距離(頂点間距離)、眼鏡フレーム装用角度等である。
従来より、この眼鏡装用パラメータの測定には様々な光学的測定方法が知られている。例えば、眼鏡店において主にピューピロメータ(PDメータ)を使用し、眼鏡装用パラメータとして眼鏡装用者の遠方視瞳孔間距離と近方視瞳孔間距離を測定していた。この方法は、ある程度正確な値が得られるが、眼鏡装用者に不自然な姿勢を要求して装置を覗き込ませるため、自然な眼鏡装用環境と異なり、測定値にばらつきがあった。
こうした欠点を克服した装置として、特許文献1に記載されたCarl Zeiss社のVideo-Infralが知られている。この装置は眼鏡店で使用され、2台のビデオカメラと1枚の反射鏡とを使用して、眼鏡装用者の正面画像と側面画像を得る。眼鏡装用者の眼の中心位置を決定するために、これらの画像上でマウス型ポインティンデバイスを使用して、眼鏡フレーム形状に接する接線を矩形状にトレースする。その後、眼鏡装用者の正面画像上において、眼鏡フレームを基準とする眼鏡装用者の瞳孔の相対的位置、つまり眼鏡装用パラメータとしての遠方視瞳孔間距離を測定する。更に、眼鏡装用者の側面画像上において垂直線を基準としたときの眼鏡フレームの傾斜角(つまり、眼鏡装用パラメータとしての眼鏡フレーム装用角度)と、眼鏡フレームの位置を基準とした角膜頂点までの距離である頂点間距離(つまり、眼鏡装用パラメータとしての遠方視眼鏡装用距離)とを測定する。
特開平8−47481号公報(第3頁)
特許文献1に記載の従来の装置によれば、主に遠方視瞳孔間距離、眼鏡フレーム装用角度および頂点間距離が測定されるが、このうちの頂点間距離は眼鏡フレームの立体的形状を考慮していないため、実際には眼鏡装用パラメータとしての遠方視眼鏡装用距離とは言えず、この数値を有効に用いることができない。
また、特許文献1に記載の装置では、累進屈折力レンズをはじめとした眼鏡レンズに必要な近方視に関する眼鏡装用パラメータである近方視眼鏡装用距離、近方視時における眼球回旋角及び近方視目的距離を計測し設定することができない。
更に、特許文献1に記載の発明には、眼鏡装用者に目標物を凝視させる際に、誘導刺激を抑制して、その凝視を良好に実施させるための工夫について記載されていない。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、外乱光による誘導刺激を抑制して、眼鏡装用者に固視目標を良好に凝視させることができる眼鏡装用パラメータ測定装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明に係る眼鏡装用パラメータ測定装置は、眼鏡装用者に適した眼鏡を製作するために必要な眼鏡装用パラメータを測定する眼鏡装用パラメータ測定装置において、固視目標、並びにこの固視目標を眼鏡装用者に視認させるための光学部材及び開口部を備え、上記固視目標を上記光学部材に対して直線移動させ、且つ当該固視目標を眼鏡装用者の眼球回旋点を中心に回旋移動させることにより、眼鏡装用者を遠方視状態または近方視状態に設定するとともに、上記開口部を上記固視目標と共に回旋移動させる固視手段と、この固視手段により遠方視状態または近方視状態に設定された眼鏡装用者を撮影装置により撮影し、その画像を取り込む画像入力手段と、この画像入力手段によって得られた撮像画像に基づき上記眼鏡装用パラメータを計測し演算する計測演算手段とを有し、上記開口部には、その移動方向両側に、外乱光を遮蔽する遮蔽部材が配設されたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明に係る眼鏡装用パラメータ測定装置は、請求項1に記載の発明において、上記固視手段が、モータ及び駆動ギアを備えた可動ユニットを有し、上記駆動ギアが、眼鏡装用者の眼球回旋点を中心とする円弧面を備えた軌道フレームの上記円弧面に設置されたラックレールに噛み合い、この駆動ギアが上記モータにより駆動されることで、上記可動ユニットに設置された固視目標及び開口部が、当該可動ユニットと共に上記眼球回旋点を中心に回旋移動し、この可動ユニットには、その移動方向両側に、外乱光を遮蔽する遮蔽部材が取り付けられたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明に係る眼鏡装用パラメータ測定装置は、請求項2に記載の発明において、可動ユニットの移動方向両側に取り付けられた遮蔽部材のそれぞれが巻取りドラムに巻き付けられ、この巻取りドラムは、ばね用ドラムとの間で逆方向に巻き掛けられたばね部材のばね力の作用によって、上記遮蔽部材を巻き取りまたは巻き戻すよう構成されたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明に係る眼鏡装用パラメータ測定装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記遮蔽部材が黒色の布スエードにて構成されたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係る眼鏡装用パラメータ測定装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、上記光学部材が結像レンズを有しており、上記固視手段における固視目標の上記結像レンズに対する距離hは、上記結像レンズと眼鏡装用者の被検眼との距離をe、目的距離をg、上記結像レンズの焦点距離をfとしたとき、次式により設定されることを特徴とするものである。
h=(e−g)f/(e−g−f)
請求項6に記載の発明に係る眼鏡装用パラメータ測定装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、上記固視手段における固視目標としては、遠方視用固視目標と近方視用固視目標とが独立して設けられたことを特徴とするものである。
請求項1または5に記載の発明によれば、固視目標を光学部材に対して直線移動させ、且つ当該固視目標を眼鏡装用者の眼球回旋点を中心に回旋移動させることにより、眼鏡装用者を遠方視状態または近方視状態に設定する固視手段と、この固視手段により遠方視状態または近方視状態に設定された眼鏡装用者を撮影装置により撮影し、その画像を記録する画像入力手段と、この画像入力手段によって得られた撮像画像に基づき上記眼鏡装用パラメータを計測し演算する計測演算手段と、を有することから、遠方視と近方視の眼鏡装用パラメータを、簡単な構造で高精度に測定できる。この結果、これらの高精度に測定された眼鏡装用パラメータに基づき、眼鏡装用者個々人に最適な専用の眼鏡レンズを設計でき、眼鏡を製作できる。
また、固視目標を眼鏡装用者に視認させるための固視手段における開口部が固視目標と共に回旋移動し、この開口部には、その移動方向両側に、外乱光を遮蔽する遮蔽部材が配設されたことから、眼鏡装用者が開口部を通して固視目標を視認する際に、遮蔽部材が外乱光を遮蔽して、この外乱光により装置内部が目視されることを防止できる。この結果、外乱光による誘導刺激を抑制でき、眼鏡装用者に固視目標を良好に凝視させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、固視目標を眼鏡装用者に視認させるための固視手段における開口部が、固視目標及び可動ユニットと共に回旋移動し、この可動ユニットには、その移動方向両側に、外乱光を遮蔽する遮蔽部材が配設されたことから、眼鏡装用者が開口部を通して固視目標を視認する際に、遮蔽部材が外乱光を遮蔽して、この外乱光により装置内部が目視されることを防止できる。この結果、外乱光による誘導刺激を抑制でき、眼鏡装用者に固視目標を良好に凝視させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、可動ユニットの移動方向両側に取り付けられた遮蔽部材のそれぞれが巻取りドラムに巻き付けられ、この巻取りドラムは、ばね用ドラムとの間で逆方向に巻き掛けられたばね部材のばね力の作用によって、上記遮蔽部材を巻き取りまたは巻き戻すよう構成されたことから、ばね力の作用で両遮蔽部材に付与される張力が、可動ユニットの移動位置に拘らず一定となるので、遮蔽部材の存在によっても可動ユニットの回旋移動を妨げることが無い。しかも、遮蔽部材の巻き取りまたは巻き戻しに、モータなどの駆動源を必要とすることがない。
請求項4に記載の発明によれば、遮蔽部材が黒色の布スエードにて構成されたことから、この遮蔽部材によって外乱光の乱反射を防止できるので、眼鏡装用者による固視目標の凝視をより一層良好に実施させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、固視手段における固視目標としては、遠方視用固視目標と近方視用固視目標とが独立して設けられたことから、虚像を形成する遠方視用固視目標が具備する絞り機構と、実像を形成する近方視用固視目標が具備する絞り機構の各々について大きさを変えることで、遠方視用固視目標と近方視用固視目標とをほぼ同一の大きさに視認させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る眼鏡装用パラメータ測定装置の一実施の形態と他の機器との接続関係を示す図であって、眼鏡店または眼科医院等における通信回線図である。図2は、図1における眼鏡装用パラメータ測定装置を、一部を破断して示す側面図である。図3は、図2のIII矢視図である。
図1に示す眼鏡装用パラメータ測定装置30は、眼鏡装用者に適した眼鏡を製作するための眼鏡装用パラメータを測定するものであり、測定装置本体31と装置制御用端末32とを有して構成される。ここで、上記眼鏡装用パラメータは、遠方視瞳孔間距離、近方視瞳孔間距離、遠方視眼鏡装用距離、近方視眼鏡装用距離、眼鏡フレーム装用角度、眼球回旋角、近方視目的距離の少なくとも1つである。これらの眼鏡装用パラメータを、図21〜図23を用いて以下に説明する。
遠方視瞳孔間距離とは、5m以上の遠方を注視しているときの左眼82と右眼83の瞳孔間距離であり、図22における遠方視正面画像のFPDである。近方視瞳孔間距離とは、近方視目的距離(通常は20〜60cm程度)にある対象物を注視したときの左眼82と右眼83の瞳孔間距離であり、図22における近方視正面画像のNPDである。遠方視装用距離(頂点間距離)とは、図21において、眼鏡装用者の遠方視軸17上における眼鏡レンズ13の裏面から当該眼鏡装用者の眼球(被検眼11)の角膜頂点までの距離であり、図中のAである。近方視装用距離とは、図21において、眼鏡装用者の近方視軸18上における眼鏡レンズ13の裏面から当該眼鏡装用者の眼球(被検眼11)の角膜頂点までの距離であり、図中のBである。また図中のVRは被検眼11の角膜頂点から眼球回旋点12までの距離を示す。
一般に、近方視状態(たとえば読書)においては、眼鏡装用者である被検者は、眼球(被検眼11)の回旋点12を中心に被検眼11を回旋し、視線を下げて近方視目標を観察する。眼球回旋角θとは、回旋点12を中心に遠方視軸17から近方視軸18まで視線を下げたときに両視軸17、18がなす角度である。近方視目的距離とは、近方視状態において近方視目的物を観察するときの眼(被検眼11)から近方視目的物までの距離であり、図中のNLである。尚、図中のFLは、遠方視状態において遠方視目的物を観察するときの眼(被検眼11)から遠方視目的物までの距離である。
図23に示すように、眼鏡フレーム14のテンプル16とリム15のなす角度を一般にフレーム傾斜角と言うが、本実施形態における眼鏡フレーム装用角度は、遠方視状態での眼鏡装用者の遠方視軸17を光軸とし、その光軸に直交する直線と眼鏡フレーム14のリム15で形成される玉型とのなす角度αを言うこととする。また、フレームあおり角とは、各眼鏡フレーム14によって異なり、図24において、眼鏡フレーム14を真上から観察したときにリム15で形成される玉型がブリッジ19に対してなす角度βを言う。
さて、前記測定装置本体31は、図2に示すように、湾曲形状の一対の軌道フレーム36を備えたフレームユニット33と、軌道フレーム36上を移動する可動ユニット34と、眼鏡装用者である被検者10の顔を位置決めする位置決めユニット35とを有して構成される。
フレームユニット33は、基台37に支柱フレーム38が立設され、上記軌道フレーム36が基台37に立設されると共に支柱フレーム38に立て掛けられて支持される。各軌道フレーム36における湾曲面としての軌道面にラックレール39が敷設されている。このラックレール39が敷設される軌道フレーム36の軌道面は、位置決めユニット35により位置決めされた眼鏡装用者(被検者10)の被検眼11の回旋点12を中心とする湾曲形状に形成される。従って、この軌道面に敷設されるラックレール39も、同様な湾曲形状に設けられる。
上記基台37には、図3にも示すように、位置決めユニット35の位置決めメインフレーム40及び位置決めサブフレーム41が立設される。位置決めメインフレーム40の上部に、被検者10の顎を載せる顎受け台42と、被検者10の額を当てる額当て部43が設けられる。額当て部43は、額当て支柱44を介して顎受け台42に支持され、この額当て支柱44に、被検者10の眼の高さを一致させるための基準マーク45が設けられている。
ところで、前記可動ユニット34のユニットフレーム46には、図4及び図5に示すように、同期回転可能な一対の駆動ギア47が回転自在に配設され、この駆動ギア47の図における上方に、同じく一対の駆動ギア48が回転自在に配設される。これらの駆動ギア47及び48が軌道フレーム36のラックレール39に噛み合っている。また、ユニットフレーム46には、駆動ギア47と48の反対側にガイドローラ49が回転自在に軸支され、これらのガイドローラ49が軌道フレーム36の背面レール部50に嵌合されている。
ユニットフレーム46には更に、パルスモータが回旋用モータ51として設置され、この回旋用モータ51のモータシャフトにウォーム52が回転一体に取り付けられる。このウォーム52は、一対の駆動ギア47を連結するシャフトに設けられたウォームホイール53に噛み合い、回旋用モータ51の駆動力がウォーム52及びウォームホイール53を介して駆動ギア47へ伝達され、更にタイミングベルト54を介して駆動ギヤ48へ伝達される。駆動ギヤ47及び48が軌道フレーム36のラックレール39に噛み合って回旋用モータ51により回転駆動され、このときガイドローラ49が軌道フレーム36の背面レール部50を転動することで、可動ユニット34は、軌道フレーム36におけるラックレール39の湾曲形状に沿って回旋移動する。図2に示すように、この可動ユニット34の回旋移動の中心は、ラックレール39の湾曲形状の中心が、前述の如く位置決めユニット35により位置決めされた被検者10の眼球の回旋点12となることから、同様に、この眼球の回旋点12となるように設計される。
図4及び図5に示すように、可動ユニット34のユニットフレーム46には駆動ねじ55が、その軸回りに回転自在で、且つ後述の結像レンズ60の光軸方向に延在して立設される。この駆動ねじ55に、発光ダイオード(LED)などの光源56A及び56Bを支持する光源支持部57が螺合される。上記ユニットフレーム46には光源用モータ58が設置され、この光源用モータ58の駆動力は、タイミングベルト59を経て駆動ねじ55へ伝達され、当該駆動ねじ55を回転させる。これにより、光源支持部57を介して光源56A及び56Bが、結像レンズ60に対し接近または離反する方向に直線移動可能に設けられる。
近方視状態で眼鏡装用者が視認する上記光源56Aは、近方視用固視目標として機能し、また、遠方視状態で眼鏡装用者が視認する光源56Bは、遠方視用固視目標として機能する。光源支持部57には、光源56Bからの光を反射して結像レンズ60へ導くように45度に傾斜してプレート型のビームスプリッタ20が設置される。また、上記光源56Aからの光は、ビームスプリッタ20を透過して結像レンズ60へ導かれる。このビームスプリッタ20の透過と反射の比率は1:1に設定されることが好ましい。
また、光源支持部57において、光源56Aと光源56Bのそれぞれの取付面21、22には、絞りとして機能するピンホール(不図示)が設けられる。遠方視用固視目標としての光源56Bは、被検者10である眼鏡装用者に虚像として視認されることから、眼鏡装用者に実像として視認される光源56Aに比べて像倍率が高く、像が拡大されてしまう。そこで、光源56Aと光源56Bの像が略同一の大きさとなるように、光源56Bの前方の取付面22に設けられたピンホールは、光源56Aの前方の取付面21に設けられたピンホールよりも小さいサイズに設定されている。
上記結像レンズ60は可動ユニット34のユニットフレーム46に設置され、この結像レンズ60の光軸上に上記光源56A及び56Bが配置される。また、ユニットフレーム46には、結像レンズ60の図における下方に、プレート型のビームスプリッタ61が配置される。このビームスプリッタ61は、光源56A及び56Bから発した光を反射して位置決めユニット35側へ向かわせるべく45°に傾斜して配置される。結像レンズ60、ビームスプリッタ20及び61が、眼鏡装用者に光源56A及び56Bを視認させるための光学部材である。
そして、光源56A、56B、上記光学部材及び可動ユニット34が、眼鏡フレームを装用した眼鏡装用者を遠方視状態または近方視状態のそれぞれの測定位置に設置する固視手段を構成する。これらの遠方視状態と近方視状態のそれぞれの測定位置の設定は、光源56A及び56Bを結像レンズ60に対し接近または離反して直線移動させると同時に、可動ユニット34を、光源56A、56B及び上記光学部材と共に、軌道フレーム36におけるラックレール39の湾曲形状に沿って回旋移動させることにより実現される。
つまり、図6に示すように、光源56A及び56Bと結像レンズ60との間隔を任意の距離とすることにより、眼鏡装用者である被検者10に光源56Aを近方視用固視目標(近方視目的物)として、光源56Bを遠方視用固視目標(遠方視目的物)として観察させる。と同時に、可動ユニット34を軌道フレーム36におけるラックレール39の湾曲形状に沿って回旋移動させることにより、遠方視状態測定位置(図6(A))では、被検者10における被検眼11の略水平方向の遠方視軸17上に光源56Bの像を発生させ、近方視状態測定位置(図6(B))では、被検者10における被検眼11の遠方視軸17から下方へ所定の眼球回旋角θだけ回旋させた近方視軸18上に、光源56Aの像を発生させる。これらにより、遠方視状態と近方視状態のそれぞれの測定位置の設定が実現される。
特に、図6(B)に示す近方視状態測定位置では、可動ユニット34が、光源56A、56B及び光学部材と共に、軌道フレーム36におけるラックレール39の湾曲形状に沿って任意の位置まで回旋移動することで眼球回旋角θが任意に変更可能とされ、更に、光源56Aと結像レンズ60との距離が調整されることで近方視目的距離NLが任意に変更可能とされる。尚、これらの眼球回旋角θと近方視目的距離NLはいずれか一方が変更可能に構成されてもよい。
図4及び図5に示すように、可動ユニット34のユニットフレーム46においてビームスプリッタ61の後方に、撮影装置としての正面用撮像カメラ62が設置される。この正面用撮像カメラ62は、撮像レンズを有する例えばCCDカメラなどである。
前記可動ユニット34は、図2に示すように、被検者10の眼球(被検眼11)の回旋点12を中心に軌道フレーム36におけるラックレール39の湾曲形状に沿って回旋移動するとき、この可動ユニット34に設置された正面用撮像カメラ62を同様に回旋移動させる。このとき、正面用撮像カメラ62の光軸は、図6に示すように、被検者10の遠方視軸17または近方視軸18に常時一致した状態に保持される。従って、この正面用撮像カメラ62は、可動ユニット34により遠方視状態または近方視状態のそれぞれの測定位置に設置された被検者10の顔の正面を、ビームスプリッタ61を通して撮影してその画像を取り込む。尚、上記ビームスプリッタ61の透過と反射の比率は、7:3を用いているが、特に定めるものではない。また、このビームスプリッタ61と位置決めユニット35に位置決められる被検者10の眼との距離は、約70cmに設定されている。
図2及び図3に示すように、位置決めユニット35の位置決めサブフレーム41に側面用撮像カメラ63、ミラー64及び65が設置される。側面用撮像カメラ63は、顎受け台42の図3における左下方に設置され、撮像レンズを有する例えばCCDカメラである。ミラー64はこの側面用撮像カメラ63の近傍に、ミラー65は額当て部43の近傍に、それぞれ45°に傾斜して設置される。可動ユニット34により遠方視状態または近方視状態のそれぞれの測定位置に設定された被検者10の顔の側面は、図7に示すように、ミラー65、ミラー64に順次反射されて側面用撮像カメラ63により撮影され、その画像が取り込まれる。上記正面用撮像カメラ62、ビームスプリッタ61、側面用撮像カメラ63、ミラー64及び65が、撮像入力手段として機能する。
図2に示すように、前記軌道フレーム36を備えたフレームユニット33と、光源56A、56B、結像レンズ60、ビームスプリッタ20、61及び正面用撮像カメラ62等を備えた可動ユニット34とがカバー66により被覆される。このカバー66には、図3に示すように、正面側に遠方視用窓27及び近方視用窓28が開口されている。遠方視用窓27は、図2に示すように、位置決めユニット35により顔が位置決めされた被検者10の遠方視状態において、その被検眼11の遠方視軸17がカバー66を横切る位置に形成される。また、近方視用窓28は、同様に位置決めユニット35により顔が位置決めされた被検者10の近方視状態において、その被検眼11の近方視軸18がカバー66を横切る位置で、眼球回旋角θが変更されることにより当該近方視軸18が回旋移動する領域に形成される。
カバー66内には、更に開口部としての覗き窓部90、遮蔽部材としての上布スエード91及び下布スエード92、上巻取りドラム93及び下巻取りドラム94等が収納される。
上記覗き窓部90は、光源56A、56B、前記光学部材及び可動ユニット34と共に固視手段を構成する。この覗き窓部90は、可動ユニット34における位置決めフレーム35側に固定された取付プレート95に形成される。従って、覗き窓部90は、可動ユニット34が軌道フレーム36における湾曲形状のラックレール39に沿って、位置決めユニット35に位置決めされた眼鏡装用者としての被検者10の被検眼11における回旋点12を中心に回旋移動する際に、光源56A及び光源56Bと共に同様に回旋移動する。
この覗き窓部90を備えた取付プレート95の回旋移動方向上側に、図8にも示すように上記上布スエード91が、下側に上記下布スエード92がそれぞれ取り付けられる。そして、上布スエード91は、フレームユニット33の支持フレーム38に設置された上記上巻取りドラム93に巻き付けられる。また、下布スエード92は、フレームユニット33の基台37に設置された上記下巻取りドラム94に巻き付けられる。これらの上布スエード91、下布スエード92は、可動ユニット34の回旋移動に追随して、それぞれ上巻取りドラム93、下巻取りドラム94により巻き取られまたは巻き戻され、外乱光を遮光して、測定装置本体31内が外乱光により被検者10に目視されることを防止する。更に、これらの上布スエード91及び下布スエード92は、外乱光の乱反射を防止する黒色の布スエードにて構成される。
図25に示すように、上記上巻取りドラム93には中間ドラム96Aが回転一体に設けられ、この中間ドラム96Aと上ばね用ドラム96Bとの間に、ばね部材としての板ばね98が互いに逆方向に巻き掛けられている。この板ばね98のばね力の作用で、当該板ばね98が中間ドラム96Aから繰り出されて上ばね用ドラム96Bに巻き取られるときに、上巻取りドラム93が上布スエード91を巻き取る巻取力が発生し、上布スエード91に張力F1を付与する。上巻取りドラム93から上布スエード91が巻き戻されるときには、板ばね98が上ばね用ドラム96Bから繰り出されて中間ドラム96Aに巻き取られる。
また、上記下巻取りドラム94には中間ドラム97Aが回転一体に設けられ、この中間ドラム97Aと下ばね用ドラム97Bとの間に板ばね98が互いに逆方向に巻き掛けられている。この板ばね98のばね力の作用で、当該板ばね98が中間ドラム97Aから繰り出されて下ばね用ドラム97Bに巻き取られるときに、下巻取りドラム94が下布スエード92を巻き取る巻取力が発生し、この下布スエード92に張力F2を付与する。下巻取りドラム94から下布スエード92が巻き戻されるときには、板ばね98が下ばね用ドラム97Bから繰り出されて中間ドラム97Aに巻き取られる。
覗き窓部90が取付プレート95を介して可動ユニット34と共に回旋移動するときに、上布スエード91、下布スエード92は、モータなどの駆動源を用いることなく、可動ユニット34を回旋移動させる回旋用モータ51の駆動力と板ばね98のばね力の作用で、それぞれ上巻取りドラム93、下巻取りドラム94に巻き取られまたは巻き戻されるが、このとき上布スエード91、下布スエード92に作用するそれぞれの張力F1、F2は、可動ユニット34のいかなる位置においても略同一となる。このため、上布スエード91及び下布スエード92の存在によっても、可動ユニット34の上記回旋移動が妨げられることがない。尚、図25中の符号99は取付ブラケット示す。
図1に示す前記装置制御用端末32は、図9に示す計測プログラムソフトを格納し、このうちの遠方視状態または近方視状態に設定することが可能な固視目標駆動プログラムソフトを起動させることで、回旋用モータ51を駆動制御して可動ユニット34を回旋移動させ、光源用モータ58を駆動制御して光源56A及び56Bを移動させ、後述のごとく、近方視状態において眼鏡装用パラメータのうちの眼球回旋角θ及び近方視目的距離NLを決定する。
また、装置制御用端末32は、測定用プログラムソフトを起動させることによって、正面用撮像カメラ62及び側面用撮像カメラ63により撮影されて装置制御用端末32内に一時記憶された撮像画像をモニター上に呼び出し、この撮像画像に基づき、眼鏡装用パラメータのうちの遠方視瞳孔間距離FPD、近方視瞳孔間距離NPD、遠方視眼鏡装用距離A、近方視眼鏡装用距離B及び眼鏡フレーム装用角度αを計測し演算する計測演算手段として機能する。また、計測プログラムソフトのうちの倍率補正プログラムソフトは、正面用撮像カメラ62と側面用撮像カメラ63とにおいて撮像された画像の倍率を、後述のごとく補正して一致させる機能を果たす。
この装置制御用端末32が実行する眼鏡装用パラメータ測定の手順を、図20に示すフローチャートを参照してまず概略して説明し、後に詳細に説明する。
まず、眼鏡装用パラメータ測定装置30に電源を投入して装置制御用端末32を起動させ(S1)、正面用撮像カメラ62及び側面用撮像カメラ63による撮像画像の倍率補正のためのキャリブレーションを、必要に応じて実行する(S2)。次に、外部から顧客個人データ、レンズ処方データ、眼鏡フレームデータを入力し、近方視目的距離NLと眼球回旋角θを任意に入力する(S3)。
その後、眼鏡装用者である被検者10の眼を位置決めユニット35の基準マーク45(図3)に一致させて、被検者10の眼の上下方向の位置合わせを実行する(S4)。この状態で、約5メートル前方に光源56Bを遠方視用固視目標として点灯させ、被検者10の遠方視状態における顔の正面及び側面の画像を撮影する(S5)。
次に、光源56Aを近方視用固視目標として点灯した状態で、近方視目的距離NLと眼球回旋角θを任意に変更させ、被検者10に適した近方視状態を確認させながら、これらの近方視目的距離NL及び眼球回旋角θを決定する(S6)。この状態で、被検者10の近方視状態における顔の正面及び側面の画像を撮影する(S7)。
撮像された遠方視及び近方視の画像と、外部より入力されたデータに基づき、眼鏡装用パラメータ(遠方視瞳孔間距離FPD、近方視瞳孔間距離NPD、遠方視眼鏡装用距離A、近方視眼鏡装用距離B、眼鏡フレーム装用角度α)を計測し演算する(S8)。そして、これらの測定された眼鏡装用パラメータを、撮像画像と共に装置制御用端末32内に保存し、眼鏡店端末70を介して顧客データベース71に保存する(S9)。
この眼鏡装用パラメータ測定装置30による上述の動作S1〜S9の後、眼鏡店端末70は、顧客データベース71に保存された眼鏡製作のために必要な眼鏡装用者個々人のデータ(顧客個人データX、レンズ処方データY、眼鏡フレームデータZ、眼鏡装用パラメータV等)を眼鏡製造業者の工場サーバ (不図示)へ送信して、眼鏡レンズまたは眼鏡を発注する(S10)。
[起動(S1)]
図1において、眼鏡装用パラメータ測定装置30の測定装置本体31に電源が投入されると、この測定装置本体31に接続された装置制御用端末32が起動する。
[キャリブレーション(S2)]
正面顔画像、側面顔画像をそれぞれ撮影する2つの撮影カメラ62、63は倍率が異なることがあるので、装置制御用端末32のモニターに表示される撮影メニュー画面(図11)において、必要に応じてキャリブレーションボタン67を選択しキャリブレーションを実行する。このキャリブレーションでは、両撮影カメラ62及び63により事前にスケール等を撮影したそれぞれの画像から、これらの撮影カメラ62及び63の倍率差を予め求めておき、この倍率差に基づき正面画像と側面画像の倍率差による誤差補正を行う。
[データ入力(S3)]
次に、装置制御用端末32のモニターに表示された例えば図10のようなデータ入力画面を用いて、顧客個人データX、レンズ処方データY及び眼鏡フレームデータZを入力する。これらのデータは手入力でも可能であるが、この手間を省いたり入力ミスをなくすために、外部から自動的にデータの読み込みが可能である。
例えば図10において、顧客個人データXは、事前に登録されている場合、ID番号などを入力すると、顧客データベース71(図1)の顧客ファイルから眼鏡店端末70を介して自動的に入力できる。また、レンズ処方データYは、眼鏡装用パラメータ測定装置30の装置制御用端末32と検眼機72(フォロプタ、オートレフラクトメータなど)が接続可能であれば、ボタン73(図10)の操作でデータを転送できる。フレームあおり角βを含む眼鏡フレームデータZも、眼鏡装用パラメータ測定装置30の装置制御用端末32とフレームトレーサ74(図1)が接続可能であれば、ボタン75(図10)の操作によりデータを転送できる。このようにフレームあおり角βは、フレームトレーサ74により測定された眼鏡フレーム14のトレースデータから求めることができるが、それ以外の取得方法として、例えば眼鏡装用パラメータ測定装置30の撮像カメラ62または63により眼鏡フレーム14を撮影し、その画像から求めることも可能である。
尚、図10に示すレンズ処方データYのSPHは球面度数(単位:dpt)、CYLは乱視度数(単位:dpt)、AXSは乱視軸(単位:°)、PXはX方向プリズム度数(単位:dpt)、PYはY方向プリズム度数(単位:dpt)、PDは瞳孔間距離(単位:mm)である。
また、眼鏡装用者の近方視目的距離NLおよび眼球回旋角θが既知であれば、それらのデータを図10のデータ入力画面の「近方視距離」「近方視角度」の欄にそれぞれ入力する。本実施形態では眼球回旋角θ(即ち近方視角度)を入力するようにしているが、累進屈折力レンズで用いられている累進帯長L(例えば遠用ポイント中心と近用ポイント中心の距離とする)を用いても構わない。これは、図21に示すように、眼球回旋角θと累進帯長Lとの間に簡易的に次式が成り立つからである。
L=P×tanθ
ここで、Pは眼球回旋中心(回旋点12)から眼鏡レンズ13までの距離であり、通常27mmを用いる。この場合、上式は、眼鏡フレーム装用角度αなどを考慮していない簡易式であり、Pの値も個々の眼鏡装用者で異なる場合もあるが、ある程度の目安になる。累進帯長Lから眼球回旋角θを算出して、眼鏡装用者に近方視させ、必要であればこの眼球回旋角θを微調整する。
[上下方向位置合わせ(S4)]
データ入力後、図3に示す位置決めユニット35の顎受け台42に被検者10の顎を載せ、額を額当て部43に当てさせた状態で、顎受け台42あるいは基台37を上下に移動させて、側面から見たときの被検者10(即ち、眼鏡装用者)の眼を額当て支柱44の基準マーク45に一致させる。
[遠方視状態の撮影(S5)]
図10のデータ入力画面を用いたデータ入力完了後、装置制御用端末32のモニターに図11に示す撮影メニュー画面が表示される。この撮影メニュー画面の遠方視ボタン68を選択すると、図6(A)の遠方視状態測定位置において光源56Bが点灯する。この光源56Bは遠方視用固視目標の役割を果たす。この遠方視状態において、例えば眼鏡装用者である被検者10が目視する遠方視用固視目標の目標距離を約5mに設定したいときには、光源56Bをビームスプリッタ20に反射させて結像レンズ60の光軸上で直線移動させ、結像レンズ60およびビームスプリッタ61を介して、これら60、61の後方5m付近に光源56の像(虚像)が形成されるように調整する。具体的には、遠方視目的距離を上述では5mとしたが、任意の遠方目的距離の値に設定するためには、結像レンズ60と被検者10の被検眼11との距離をeとし、結像レンズ60の焦点距離をfとし、結像レンズ60によって結像した光源56Bの光源像56D(虚像)から被検眼11までの上記遠方視目的距離FLをgとしたとき、光源56Aと結像レンズ60との距離hは次式(1)により設定される。
h=(e−g)f/(e−g−f)……(1)
ただし、目的距離gが無限遠のときにはh=fである。
被検者10は、この光源56Bの光源像56D(虚像)を遠方視用固視目標として観察し、検者は被検者の視線が水平であることや、顔が傾いていないことを図13に示す撮影画面(遠方視)で確認し、被検者10の眼が図13中にある上下の基準線内に入るように基台37あるいは被検者用椅子の高さを調節する。被検者10の視線の水平及び眼が上下の基準線内に入っていることを確認後、装置制御用端末32のモニターに表示されている撮影ボタン76を操作して、正面用撮像カメラ62にて被検者10の遠方視状態の正面顔画像を撮像する。これと同時に、図3及び図7に示す側面用撮像カメラ63により被検者10の遠方視状態の側面顔画像を撮像する。
[近方視状態の撮影(S6、S7)]
遠方視状態の正面及び側面の顔画像撮像後、装置制御用端末32の撮影メニュー画面(図11)で近方視ボタン69を選択すると、可動ユニット34が図6(A)の遠方視状態測定位置から図6(B)の近方視状態測定位置まで、被検眼11の回旋点12を中心に軌道フレーム36のラックレール39に沿って回旋移動すると共に、可動ユニット34の光源56Aが結像レンズ60の光軸上を直線移動して、本実施形態では被検者10の前方30〜50cmの間に空中像(実像)を形成させ、この光源56Aの像を近方視用固視目標として被検者10に観察させる。
近方視目的距離NLを上述の如く0〜50cmの値に設定するためには、結像レンズ60と被検者10の被検眼11との距離をeとし、結像レンズ60の焦点距離をfとし、結像レンズ60によって結像した光源56Aの光源像56C(実像)から被検眼11までの上記近方視目的距離NLをgとしたとき、光源56Aと結像レンズ60との距離hは次式(1)により設定される。
h=(e−g)f/(e−g−f)……(1)
仮に、被検者10の近方視での眼球回旋角θ、近方視目的距離NLが分かっている場合で、データ入力画面(図10)を用いてそれらの数値が既に入力されている場合には、上記眼球回旋角θ、近方視目的距離NLに光源56Aの光源像56C(実像)である空中像が近方視用固視目標として形成されるように、光源56Aを可動ユニット34により回旋移動させ、且つ当該光源56Aを結像レンズ60の光軸上で上記式(1)に基づき直線移動させる自動制御を設けている。被検者10がこの近方視用固視目標を観察していることを図14に示す撮影画面(近方視)で確認すると共に、被検者10の眼が図14中にある上下の基準線内に入っていることを確認した後、装置制御用端末32のモニターに表示されている撮影ボタン77を操作して、正面用撮像カメラ62にて被検者10の近方視状態の正面顔画像を撮像する。これと同時に、図3及び図7に示す側面用撮像カメラ63により被検者10の近方視状態の側面顔画像を撮像する。
被検者10の近方視状態での眼球回旋角θ及び近方視目的距離NLが分かっていない場合には、図14の撮影画面(近方視)の「近方視距離」「近方視角度」の欄に任意の数値を入力し、セットボタン78を操作して、上記入力数値に適合する位置まで光源56Aを可動ユニット34により回旋移動させ、且つ当該光源56Aを結像レンズ60の光軸上で直線移動させる。この状態から、眼球回旋角θ及び近方視目的距離NLを変更して被検者に適した近方視状態を確認させ、この近方視状態における眼球回旋角θ及び近方視目的距離NLを、求めるべき眼球回旋角θ及び近方視目的距離NLとして検出する。その後、上述の手順と同様にして操作ボタン77を操作し、近方視状態の正面顔画像、側面顔画像を撮像カメラ62、63によりそれぞれ撮影する。
例えば、一つの手法として近方視目的距離NLを固定し、光源56Aを可動ユニット34により回旋移動させて眼球回旋角θ(近方視角度)を変更し、眼鏡装用者に最適な眼球回旋角θを求める。その後、その眼球回旋角θを保持し、光源56Aを結像レンズ60の光軸上で直線移動させて近方視目的距離NLを変更し、最適な近方視目的距離NLを求める。この逆でも可能である。
[装用パラメータの計測・演算(S8)]
このようにして取得した画像を用いて、眼鏡を製作するために必要とされる様々な眼鏡装用パラメータを計測し演算するには、装置制御用端末32のモニター上の測定メニュー画面(図12)で瞳孔間距離測定ボタン80、装用角度・装用距離測定ボタン81を任意に選択し、それぞれの測定プログラム(図9)を起動させる。
瞳孔間距離測定ボタン80を選択すると、瞳孔間距離測定プログラムが起動すると同時に、図15及び図16(A)に示すように、遠方視状態の被検者10の正面顔を撮像した正面画像が装置制御用端末32のモニター上に表示される。この画像は、倍率補正(キャリブレーション)が実施されて上記モニター上に表示されている。そして、例えば以下のような測定方法で左眼82と右眼83の瞳孔中心を求め、その瞳孔中心の離間距離を遠方視瞳孔間距離FPDとする。
第一の測定方法としては、左眼82と右眼83の瞳孔中心をマウス等のポインティングデバイスで直接指定するもので、画面上の距離を装置制御用端末32が計測する方法である。第二の測定方法としては、画像処理によって自動的に瞳孔中心を求める方法である。この第二の測定方法では、画像処理の時間を短くするために、瞳孔近辺領域89を図16(A)の実線のようにマウスでドラッグする。次に、この画像において、画像の走査線84をスキャンニングして反射光量の変化を求める。被検眼(左眼82、右眼83)の瞳孔部分は暗いので、図16(B)のように瞳孔部分で反射光量が大きく低下する。そこで、この反射光量が低下した部分を瞳孔領域として検出して瞳孔中心を求め、これらの瞳孔中心間を距離換算して遠方視瞳孔間距離FPDを求める。
本実施形態においては、瞳孔中心は、上記第一の測定方法と第二の測定方法のいずれを用いて求めてもよく、また他の方法で求めてもよい。また顔の中心(例えば鼻柱の中心)あるいは眼鏡フレームのブリッジ19の中心をポインティングデバイス等で指定し、その中心から左眼82の瞳孔中心までの距離、右眼83の瞳孔中心までの距離をそれぞれ左眼FPD、右眼FPDとして、遠方視瞳孔間距離を求めてもよい。
近方視瞳孔間距離NPDも同様な操作で求めることができるが、近方視状態は、遠方視状態と異なり輻輳により視線が内側に寄っている。このため、遠方視瞳孔間距離FPDと同様にして計測される近方視瞳孔間距離は、あくまで被検眼11上での距離である。図17を用いて説明すると、眼鏡レンズ13を製作するときには、近方視の状態において眼鏡フレーム14のリム15に嵌め込まれる眼鏡レンズ13の面上で、視線がどこを通過するかを計算する必要があり、この眼鏡レンズ13の面上での近方視瞳孔間距離が求めるべき近方視瞳孔間距離NPDとなる。
得られた正面画像から、眼鏡レンズ13の面上での近方視瞳孔間距離NPDを求める方法を、図17を用いて説明する。説明を簡単にするため、ここではフレームあおり角βと眼鏡フレーム装用角度α(後述)を0°とする。図17において、被検眼11の角膜頂点から回旋点12までの距離をa(図21のVRに相当)、遠方視眼鏡装用距離をb(図21のAに相当)、正面画像の遠方視の角膜頂点位置と近方視の角膜頂点位置の距離差をcとすると、内寄せ量dは次式で表される。
d=c(a+b)/a
眼鏡レンズ13の面上の遠方視瞳孔間距離、近方視瞳孔間距離をそれぞれFPD、NPDとすると、遠方視瞳孔間距離FPDは正面画像の遠方視の瞳孔間距離と等しいので、近方視瞳孔間距離NPDは次式で表される。
NPD=FPD−2・d
ここで、角膜頂点から回旋点12までの距離aは通常13mmが用いられることが多いが、それ以外の値でも構わない。近方視瞳孔間距離NPDをより正確に求めるためには、フレームあおり角βと眼鏡フレーム装用角度αを用いて補正する必要があるが、ここでは省略する。
次に、装置制御用端末32の測定メニュー(図12)上で、装用角度・装用距離測定ボタン81を選択する。すると、まず眼鏡フレーム装用角度測定プログラム(図9)が起動すると同時に、図18に示すように、装置制御用端末32のモニター上に倍率補正された被検者10の遠方視状態の顔の側面画像が表示される。この側面画像は、眼鏡フレーム装用角度α、遠方視眼鏡装用距離Aを測定するために用いる。図18に示す画面上で被検眼11の角膜頂点をマウス等のポインティングデバイスで指定し、水平線を引いて光軸、即ち遠方視軸17を描く。眼鏡フレーム装用角度αは、この光軸(遠方視軸17)に垂直な直線85に対して眼鏡フレーム14のリム15がなす角度である。この眼鏡フレーム装用角度αを決定するには、眼鏡フレーム14のリム15の側面形状に沿って2点或いは4点をマウス等のポインティングデバイスで指定し、これらの座標値から演算によって直線86を表示させ、この直線86と上記直線85とのなす角度を眼鏡フレーム装用角度αとする。
この眼鏡フレーム装用角度αの測定後、眼鏡装用距離測定プログラム(図9)が起動する。既に眼鏡フレーム装用角度αが分かっているので、まず、この眼鏡フレーム装用角度αと平行で且つ角膜頂点を通る基準直線87を表示する。この基準直線87と平行な直線88を画面上で生じさせ、マウス等のポインティングデバイスで上記直線88を平行移動して、眼鏡フレーム14のリム15の位置まで移動させる。このリム15の位置まで移動した直線88と上記基準直線87間の距離を計測して仮装用距離とする。実際の遠方視眼鏡装用距離Aは、フレームあおり角βやレンズカーブなどの眼鏡の立体形状に影響されるので、眼鏡装用距離測定プログラムは、眼鏡フレーム14のトレースデータやレンズカーブを読み込んで計算し、その計算値と上記仮装用距離を加味して遠方視眼鏡装用距離Aを算出する。
近方視眼鏡装用距離Bも同様な操作で求めることができる。つまり、既に眼球回旋角θが分かっているので、被検眼11の角膜頂点をマウス等のポインティングデバイスで指定し、眼球回旋角θに応じた光軸、即ち近方視軸18を引く。その光軸上の角膜頂点と眼鏡フレーム14のリム15との距離を計測して仮装用距離とする。実際の近方視眼鏡装用距離Bは、フレームあおり角βやレンズカーブなどの眼鏡の立体形状に影響されるので、眼鏡フレーム14のトレースデータやレンズカーブを読み込んで計算し、その計算値と上記仮装用距離を加味して近方視眼鏡装用距離Bを算出する。
次に、瞬きを検知して撮影の失敗を軽減する方法について説明する。瞬きは0.1秒前後といわれ、不定期に行われる。眼鏡装用者に瞬きをしないように促すことも可能であるが、元来無意識で行うため予防するのは難しい。
そこで、まず、眼鏡装用者である被検者10に光源56Bの像を観察させ、検者は被検者10の視線(遠方視軸17)が水平に向いているかどうかをモニター等で確認する(図13参照)。視線が水平に向いていなければ、水平になるように基台37あるいは被検者10が座っている椅子の高さを調節する。次に、装置制御用端末32のモニター上の撮影画面(図13)の上下の基準線内に被検者10の眼が収まっているか否かを確認し、収まっていれば撮影ボタン76を押す。すると、装置制御用端末32は、両基準線内の領域内で瞳孔位置を決定すべく上述の図16(B)のような画像処理をリアルタイムで実施して瞳孔を見つけると同時に、その瞳孔内の反射光量の変化を検出する。この反射光量は瞼の方が角膜よりも大きくなるため、瞬きをすれば反射光量が大きく増加し、瞬きを検出することができる。被検者10の顔画像を撮影すべくモニターに表示された撮影画面(図13)の撮像ボタン76が操作されたとき、装置制御用端末32は、瞬きを検出した場合に画面上に「再撮影」の表示を表示し、瞬きを検出しない場合に撮像カメラ62及び63により顔画像を撮影させ、その撮影画像を記録する。
尚、装置制御用端末32は、瞬きを検出したときに「再撮影」の表示を画面上に表示し、またはこの表示を表示することなく、瞬きがなされていないときを検出して自動撮影するようにしてもよい。このように装置制御用端末32が瞬きを検出して、撮影の失敗を低減することにより、眼鏡装用パラメータ測定装置30による測定時間を短縮することが可能となる。装置制御用端末32は、被検者10の近方視の顔画像を撮影する場合にも、上述と同様にして瞬きを検出する。
[データ保存(S9)]
装置制御用端末32は、上述のようにして得られた眼鏡装用パラメータVを、顧客個人データX及び眼鏡フレームデータZと共に、例えば図19に示す保存画面の一覧表示の形態で、装置制御用端末32内及び顧客データベース71に保存し、このとき撮像画像も同時に保存する。この保存画面には、累進屈折力レンズをはじめとしたシニアを対象とした眼鏡レンズにおける累進帯長Lが、上記遠方視及び近方視の眼鏡装用パラメータを用いて決定されて表示される。
つまり、装置制御用端末32は、図21に示す遠方視眼鏡装用距離A、近方視眼鏡装用距離B、眼鏡フレーム装用角度α、眼球回旋角θが既に計測し計算されているので、被検眼11の角膜頂点から眼球回旋点12までの距離VRを13mmとして累進帯長Lを計算する。この累進帯長Lは、累進屈折力レンズのタイプの選定に役立つだけでなく、眼鏡装用者に最適な累進屈折力レンズを設計する上で必要かつ重要なパラメータである。尚、被検眼11の角膜頂点から眼球回旋点12までの距離VRを13mmとしたが、これは日本人において一般に用いられる値であって、欧米人の場合は主に14mmが用いられることが多い。また、図21では、累進面が眼鏡レンズ13の眼側にある場合を示したが、眼鏡レンズ13の物体側にある場合には、累進帯長Lはレンズの厚みを考慮して算出する。
[眼鏡レンズ、眼鏡の発注(S10)]
眼鏡装用パラメータ測定装置30の装置制御用端末32及び顧客個人データ71(図1)に保存された各眼鏡装用者の眼鏡装用パラメータは、眼鏡店端末70により、図示しない眼鏡製造業者の工場サーバへ送信されて、眼鏡レンズまたは眼鏡の発注がなされる。これにより、眼鏡製造業者は、眼鏡装用者の個々人の眼鏡装用パラメータのうちの少なくとも一つを用いて、当該眼鏡装用者に最適な眼鏡レンズの光学設計を行い、その設計値に基づいて眼鏡レンズを製造し、この眼鏡レンズを組み込んで、当該眼鏡装用者に最適な眼鏡を製造する。
累進屈折力レンズをはじめとしたシニアを対象とした眼鏡レンズでは、遠方視及び近方視の眼鏡装用パラメータが必要であるが、近用専用単焦点レンズの場合には、遠方視の眼鏡装用パラメータは不要であり、遠方視状態の撮影を省くことができる。また、遠視用あるいは近視用の単焦点レンズの場合には、近方視の眼鏡装用パラメータは不要であり、近方視状態の撮影を省くことができる。このように、眼鏡装用パラメータは、眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズの種類によって眼鏡装用パラメータ測定装置30により任意に選択して測定され、眼鏡店端末70により眼鏡製造業者の工場サーバへ送信される。
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果(1)〜(16)を奏する。
(1)光源56A及び56Bを結像レンズ60に対し直線移動させ、且つ可動ユニット34により当該光源56A及び56Bを、位置決めユニット35により位置決めされた眼鏡装用者である被検者10の被検眼11における回旋点12を中心に回旋移動させることにより、被検者10を遠方視状態または近方視状態に設定し、この遠方視状態または近方視状態に設定された被検者10を正面用撮像カメラ62及び側面用撮像カメラ63により撮影して、その画像を記録し、この得られた撮像画像に基づき装置制御溶端末32が眼鏡装用パラメータを計測し演算することから、遠方視と近方視の眼鏡装用パラメータを簡単な構造で高精度に測定できる。この結果、これらの高精度に測定された眼鏡装用パラメータの少なくとも一つを用いて、眼鏡装用者である被検者10の個々人に最適な専用の眼鏡レンズを光学設計でき、この眼鏡レンズを組み込んで、当該眼鏡装用者に最適な眼鏡を製作できる。
(2)光源56A及び56Bが光源支持部57に設置され、この光源支持部57が、結像レンズ60の光軸方向に延びる駆動ねじ55に螺合され、この駆動ねじ55が光源モータ58により駆動されることで、光源56A及び56Bが結像レンズ60に対し直線移動されるよう構成されたことから、光源56A及び56Bの結像レンズ60に対する位置を調整することで、特に近方視目的距離NLを任意に変更して設定することができる。
(3)可動ユニット34に回旋用モータ51及び駆動ギア47、48が備えられ、これらの駆動ギア47及び48が、眼鏡装用者である被検者10の被検眼11の回旋点12を中心とする軌道フレーム36の軌道面に設置されたラックレール39に噛み合い、これらの駆動ギア47及び48が回旋用モータ51により駆動されることで、可動ユニット34に設置された光源56A及び56Bが上記被検眼11の回旋点12を中心に回旋移動するよう構成されたことから、これらの光源56A及び56Bの回旋移動により眼球回旋角θを任意に変更して設定することができる。
(4)可動ユニット34の回旋用モータ51がパルスモータであり、このパルスモータの駆動力が、ウォーム52及びウォームホイール53を介して駆動ギア47及び48へ伝達されることから、パルスモータ(回旋用モータ51)に電源が投入されていない場合にも、ウォーム52及びウォームホイール53の作用で駆動ギア47及び48の不要な回転を防止できる。この結果、この電源非投入時にも可動ユニット34の重力による移動を防止でき、その可動ユニット34の静止状態を、例えば遠方視状態の位置に保持できる。
(5)可動ユニット34に正面用撮像カメラ62が設置され、この正面用撮像カメラ62の光軸を、位置決めユニット35に位置決めされた眼鏡装用者である被検者10の被検眼11における遠方視軸17または近方視軸18に常時一致させた状態に保持して、正面用撮像カメラ62を被検者10の被検眼11における回旋点12を中心に回旋移動させ、被検者10を遠方視状態と近方視状態に設定することから、近方視状態においても、遠方視状態と同様に、正面用撮像カメラ62が被検者10を適切に撮影できるので、この撮像画像に基づき眼鏡装用パラメータを高精度に測定できる。
(6)遠方視用固視目標となる光源56Bと、近方視用固視目標となる光源56Aとが独立して可動ユニット34に設けられたことから、虚像を形成する光源56B用のピンホール(光源支持部57の取付面22に形成)を、光源56A用のピンホール(光源支持部57の取付面21に形成)よりも小さいサイズに設定して、遠方視用固視目標と近方視用固視目標とを略同一の大きさに視認させることができる。
(7)光源56A及び56Bを、位置決めユニット35に位置決めされた眼鏡装用者である被検者10に視認させるための覗き窓部90が、可動ユニット34によって光源56A及び56Bと共に回旋移動し、この覗き窓部90を備えた取付プレート95には、その回旋移動上下方向に、外乱光を遮蔽する上布スエード91及び下布スエード92が取り付けられたことから、被検者10が覗き窓部90を通して光源56Aまたは56Bを視認する際に、上布スエード91及び下布スエード92が外乱光を遮光して、この外乱光により測定装置本体31の内部が目視されることを防止できる。この結果、外乱光による誘導刺激を抑制でき、被検者10に光源56A(近方視用固視目標)または光源56B(遠方視用固視目標)を良好に凝視させることができる。
(8)可動ユニット34の回旋移動方向両側に取り付けられた上布スエード91、下布スエード92のそれぞれが上巻取りドラム93、下巻取りドラム94に巻き付けられ、これらの上巻取りドラム93、下巻取りドラム94のそれぞれには中間ドラム96A、97Aが一体に回転するように設けられ、中間ドラム96Aと上ばね用ドラム96Bとの間、中間ドラム97Aと下ばね用ドラム97Bとの間にそれぞれ逆方向に巻き掛けられた板ばね98のばね力の作用によって、上巻取りドラム93が上布スエード91を、下巻取りドラム94が下布スエード92を巻き取りまたは巻き戻すよう構成される。このため、ばね力の作用で両上布スエード91、下布スエード92にそれぞれ付与される張力F1、F2が、可動ユニット34の移動位置に拘らず一定となるので、上布スエード91及び下布スエード92の存在によっても可動ユニット34の回旋移動を妨げることがない。しかも、上布スエード91及び下布スエード92の巻き取りまたは巻き戻しに、モータなどの駆動源を必要としない。
(9)上布スエード91及び下布スエード92が黒色の布スエードにて構成されたことから、これらの上布スエード91及び下布スエード92によって外乱光の乱反射を防止できるので、眼鏡装用者である被検者10による光源56A(近方視用固視目標)または光源56B(遠方視用固視目標)の凝視をより一層良好に実施させることができる。
(10)遠方視状態と近方視状態のそれぞれにおいて、眼鏡装用パラメータを測定できることから、眼鏡装用者が装用する眼鏡レンズの種類によって、必要な眼鏡装用パラメータを選択できるので、不必要な眼鏡装用パラメータの測定を省略して、眼鏡装用パラメータ測定装置30による測定を迅速化できる。
(11)眼鏡装用パラメータの眼球回旋角θ及び近方視目的距離NLが不明な場合には、眼鏡装用者である被検者10に適した近方視状態を確認させながら、光源56A、56B及び結像レンズ60を備えた可動ユニット34を軌道フレーム36のラックレール39に沿って回旋移動させ、且つ光源56A及び56Bを結像レンズ60に対し接近または離反させて、上記眼球回旋角θ及び近方視目的距離NLが決定されることから、眼鏡装用者に最適な眼球回旋角θ及び近方視目的距離NLを高精度に測定することができる。
(12)遠方視眼鏡装用距離A及び近方視眼鏡装用距離Bが、眼鏡フレーム14のフレームあおり角βなどの立体形状を考慮して算出されることから、計測された両眼鏡装用距離のそれぞれを上記立体形状により修正することで、これらの遠方視眼鏡装用距離A及び近方視眼鏡装用距離Bを高精度に測定できる。
(13)近方視瞳孔間距離NPDが、眼鏡装用者である被検者10が装用した眼鏡の眼鏡レンズ13の面上において算出されることから、眼鏡を製作するために必要な近方視瞳孔間距離NPDを最適な値として測定できる。
(14)可動ユニット34における光源56Bが設定する遠方視用固視目標が虚像として形成されることから、この遠方視用固視目標を実像として形成する場合に比べ、眼鏡装用パラメータ測定装置30を小型化できる。
(15)装置制御用端末32が眼鏡装用者である被検者10の瞬きを検知し、瞬きが発生していないときに被検者10を撮影することから、被検者10の顔画像の撮影失敗を低減でき、眼鏡装用パラメータ測定装置30による眼鏡装用パラメータの測定時間を短縮できる。
(16)眼鏡装用パラメータ測定装置により高精度に測定された眼鏡装用パラメータを用いて眼鏡レンズ、眼鏡が製作されるので、この眼鏡レンズを、眼鏡装用パラメータが測定された眼鏡装用者の個々人に最適な専用の眼鏡レンズとすることができ、また、眼鏡も、眼鏡装用パラメータが測定された眼鏡装用者の個々人に最適な専用の眼鏡とすることができる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば本発明ではLEDのような光源を用い、この光源像を固視灯として用いたが、文字や記号などの像を用いても構わない。
本発明に係る眼鏡装用パラメータ測定装置の一実施の形態と他の機器との接続関係を示す通信回線図である。 図1における眼鏡装用パラメータ測定装置を、一部を破断して示す側面図である。 図2のIII矢視図である。 図2の可動ユニットを示す側面図である。 図4のV矢視図である。 図2の測定装置本体が眼鏡装用者を撮影するときの状況を示す側面図であり、(A)が遠方視状態測定位置、(B)が近方視状態測定位置での撮影状況を示す図である。 図3の側面用撮像カメラ及びミラーの配置状況を概略して示す正面図である。 図2におけるVIII矢視図である。 図1の装置制御用端末が格納する計測プログラムを示す構成図である。 眼鏡装用者のデータを入力するためのデータ入力画像の一例を示す図である。 撮影メニュー画面の一例を示す図である。 測定メニュー画面の一例を示す図である。 眼鏡装用者の遠方視状態を撮影するための撮影画面の一例を示す図である。 眼鏡装用者の近方視状態を撮影するための撮影画面の一例を示す図である。 眼鏡装用者の遠方視状態における正面画像を表す計測画面の一例を示す図である。 (A)は、図15の計測画面において、遠方視瞳孔間距離を計測する際の説明図、(B)は、図16(A)の両眼瞳孔上における反射光量の変化を示すグラフである。 近方視瞳孔間距離を求める方法を示す説明図である。 眼鏡装用者の遠方視状態における側面画像を表す計測画面の一例を示す図である。 眼鏡装用パラメータの保存画面の一例を示す図である。 眼鏡装用パラメータの測定手順等を示すフローチャートである。 眼鏡装用パラメータのうち、遠方視眼鏡装用距離、近方視眼鏡装用距離、眼球回旋角、近方視目的距離などを説明するための説明図である。 眼鏡装用パラメータのうち、(A)が遠方視瞳孔間距離を、(B)が近方視瞳孔間距離をそれぞれ説明するための説明図である。 眼鏡装用パラメータのうち、眼鏡フレーム装用角度を説明するための説明図である。 フレームあおり角を説明するための説明図である。 図8におけるXXV矢視図である。 (a)が遠方視状態での、(b)が近方視状態での固視目標である光源とその光源像の位置関係を示した図である。
符号の説明
10 被検者(眼鏡装用者)
12 回旋点
13 眼鏡レンズ
14 眼鏡フレーム
17 遠方視軸
18 近方視軸
30 眼鏡装用パラメータ測定装置
31 測定装置本体
32 装置制御用端末(計測演算手段)
34 可動ユニット(固視手段)
36 軌道フレーム
39 ラックレール
47、48 駆動ギア
51 回旋用モータ
52 ウォーム
53 ウォームホイール
55 駆動ねじ
56A、56B 光源(固視手段、固視目標)
56C、56D 光源像
57 光源支持部
58 光源モータ
60 結像レンズ(固視手段、光学部材)
62 正面用撮像カメラ(撮像入力手段)
63 側面用撮像カメラ(画像入力手段)
90 覗き窓部(開口部)
91 上布スエード(遮光部材)
92 下布スエード(遮光部材)
93 上巻取りドラム
94 下巻取りドラム
96B 上ばね用ドラム
97B 下ばね用ドラム
98 板ばね(ばね部材)
θ 眼球回旋角
α 眼鏡フレーム装用角度
β フレームあおり角
FPD 遠方視瞳孔間距離
NPD 近方視瞳孔間距離
A 遠方視眼鏡装用距離
B 近方視眼鏡装用距離
NL 近方視目的距離

Claims (6)

  1. 眼鏡装用者に適した眼鏡を製作するために必要な眼鏡装用パラメータを測定する眼鏡装用パラメータ測定装置において、
    固視目標、並びにこの固視目標を眼鏡装用者に視認させるための光学部材及び開口部を備え、上記固視目標を上記光学部材に対して直線移動させ、且つ当該固視目標を眼鏡装用者の眼球回旋点を中心に回旋移動させることにより、眼鏡装用者を遠方視状態または近方視状態に設定するとともに、上記開口部を上記固視目標と共に回旋移動させる固視手段と、
    この固視手段により遠方視状態または近方視状態に設定された眼鏡装用者を撮影装置により撮影し、その画像を取り込む画像入力手段と、
    この画像入力手段によって得られた撮像画像に基づき上記眼鏡装用パラメータを計測し演算する計測演算手段とを有し、
    上記開口部には、その移動方向両側に、外乱光を遮蔽する遮蔽部材が配設されたことを特徴とする眼鏡装用パラメータ測定装置。
  2. 上記固視手段が、モータ及び駆動ギアを備えた可動ユニットを有し、上記駆動ギアが、眼鏡装用者の眼球回旋点を中心とする円弧面を備えた軌道フレームの上記円弧面に設置されたラックレールに噛み合い、この駆動ギアが上記モータにより駆動されることで、上記可動ユニットに設置された固視目標及び開口部が、当該可動ユニットと共に上記眼球回旋点を中心に回旋移動し、
    この可動ユニットには、その移動方向両側に、外乱光を遮蔽する遮蔽部材が取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
  3. 可動ユニットの移動方向両側に取り付けられた遮蔽部材のそれぞれが巻取りドラムに巻き付けられ、この巻取りドラムは、ばね用ドラムとの間で逆方向に巻き掛けられたばね部材のばね力の作用によって、上記遮蔽部材を巻き取りまたは巻き戻すよう構成されたことを特徴とする請求項2に記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
  4. 上記遮蔽部材が、黒色の布スエードにて構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
  5. 上記光学部材が結像レンズを有しており、上記固視手段における固視目標の上記結像レンズに対する距離hは、上記結像レンズと眼鏡装用者の被検眼との距離をe、目的距離をg、上記結像レンズの焦点距離をfとしたとき、次式により設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
    h=(e−g)f/(e−g−f)
  6. 上記固視手段における固視目標としては、遠方視用固視目標と近方視用固視目標とが独立して設けられたことを特徴とする請求項項1乃至5のいずれかに記載の眼鏡装用パラメータ測定装置。
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