JP2005341936A - 容器入り調理済み食品の製造方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容器入り調理済み食品中に溶存している酸素を効果的に低減でき、容器内酸素量を高度に低減させて長期保存が可能なアセプティック充填容器入り調理済み食品を得る。
【解決手段】 成形容器6に充填された調理済み食品を容器支持部材10を有するコンベヤで間欠搬送中に容器内の気体を不活性ガスに置換し、次いで蓋材をシールする容器入り調理済み食品の製造ラインにおいて、不活性ガス置換工程の直前に、上下動するヘッダー10で容器開口部上方を覆って密封チャンバーを形成し、蒸気を容器内に供給すると共に排気することによって、品温100℃以下となるように内容品を加熱して溶存酸素を溶出させ、直後にヘッドスペースのガスを不活性ガスに置換し、密封する。
【選択図】図2

Description

本発明は、カップやトレー等の容器入り調理済み食品の製造方法及びその装置、特にアセプティック充填による容器入り調理食品の製造工程における内容品の溶存酸素を低減することができる容器入り調理済み食品の製造方法及びその装置に関する。
近年、レトルト殺菌によらない調理済み食品のアセプティック充填容器入り食品が広く流通しているが、これらの包装後の加熱殺菌工程を有しない食品の製造においては、特に包装時の殺菌と密封後の菌の繁殖を防ぐための容器内酸素の除去が高度に行なわれていることが重要である。容器内酸素を除去する手段として、密封直前に窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスを容器内に吹き込んでガス置換を行うことが一般に行われている。ところで、保存中の容器内のヘッドスペースに存在する酸素量は、ガス置換後の密封時にヘッドスペースに存在する残存酸素と内容物中の溶存酸素が密封後に溶出した溶出酸素の合計量であり、溶存酸素の溶出量は保存期間によって増えてくる。したがって、容器入り食品の保存中の菌の繁殖をより高度に抑え、食品の酸化劣化を防止するには、密封時の残存酸素量の低減と共に、内容品の溶存酸素量を可能な限り少なくすることが望ましい。
従来は内容物の酸化劣化を防ぐ観点からガス置換を行っても、溶存酸素を低減することは行われていない。レトルト殺菌を行う場合でも、食品に溶存酸素が多く含まれていると酸化劣化の原因となるので、やはり溶存酸素を低減することは好ましい。アセプティック充填の場合には、好気性菌の繁殖を抑え食品の安全性を高めるためには、溶存酸素の低減は重要な要素となる。また、厳密に管理された無菌室内であっても万一の食品表面への落下菌対策を高じることが好ましい。
そこで、本発明者は、その問題点を解決するために、容器入り米飯の製造方法において、容器内の溶存酸素量を低減させる方法として、炊きあがった米飯が冷却する間に空気中の酸素が米飯中の水に溶け込むことに注目して、米飯の冷却を窒素ガス雰囲気の低酸素濃度状態で行うことで米飯への酸素の解け込みを防ぐ方法を先に提供した(特許文献1参照)。
特開2003‐180272号公報
上記提案した方法は、冷却中に酸素が米飯に溶解することを阻止し、密封前の米飯への溶存酸素量を低減させることによって、密封後の米飯からの溶出酸素量を低減させるものであった。しかしながら、該方法は密封前の内容物に溶解する酸素量を低減させる効果があるが、すでに内容物に溶解している酸素を除去するには効果を有しないので、未だ満足するものではなかった。
そこで、本発明は、食品中に溶存している酸素を効果的に低減できる方法及び装置を提供し、アセプティック充填による容器入り調理済み食品の保存中の容器内酸素量を低減させて、長期保存が可能なアセプティック充填容器入り調理済み食品を得ようとするものである。
上記課題を解決するために本発明者は種々研究した結果、調理済み食品は冷えるときに酸素を吸収するが、逆に加熱することによって溶存した酸素が溶出して食品の溶存酸素量を低減させることができることを見出した。ところが、アセプティック充填において内容物を高温に蒸気加熱すると、熱劣化を起さずに本来の味覚を有した状態で包装するというアセプティック充填の利点が損なわれることになる。そこで、さらに研究した結果、容器密封直前に行なうガス置換工程の直前に蒸気加熱を行なうことによって、高温高圧の蒸気によらないで食品が熱劣化を起さない100℃以下の低温加熱でも十分に溶存酸素を溶出させることができることを知見し上記目的を達成する本発明に到達したものである。ところが、その場合無菌ブース内に水蒸気が飛散し且つ水蒸気が容器内に残留し密封後に凝縮して包装材に残留するという新たな問題が発生し、さらに研究した結果この問題点も克服できる方法を見出し、より望ましい解決策を得ることができた。また、蒸気加熱により食品表面に付着するカビ等への殺菌効果も期待できることもわかった。
即ち、上記課題を解決する本発明のアセプティック充填による容器入り調理済み食品の製造方法は、調理済み食品が充填された成形容器を蓋材でシールする直前に、該容器内に蒸気を供給することによって内容品の溶存酸素を低減させる溶存酸素低減工程と、容器内に不活性ガスを吹き込んでヘッドスペースのガスを不活性ガスに置換することによってヘッドスペースの酸素を低減させるヘッドスペース内酸素低減工程を有することを特徴とするものである。
前記溶存酸素低減工程は、100℃以内の品温となるように低温加熱で溶存酸素の低減効果があり、内容物の本来の味覚を維持するには、内容物の品温が100℃以内に加熱される範囲内で蒸気の供給を行なうのが望ましい。さらに、溶存酸素低減工程における蒸気の供給は、容器開口部をヘッダーで覆って容器内に蒸気を供給すると共に、排気を行なうことによって、蒸気が製造室内に飛散することを防止できると共に、容器内への水蒸気の残留を防止できる。また、前記溶存酸素低減工程において、容器口部をヘッダーで覆って容器内に蒸気及び不活性ガスを吹き込むことによって、チャンバー内の蒸気の結露及び容器内の蒸気の残留防止に効果があり、シール後に蓋に蒸気が結露することを防止できる。
溶存酸素低減工程における蒸気の供給は、搬送コンベヤが停止した状態で行なうため、1個所で行なう場合それだけ停止時間が長くなるので、ラインの高速化を図るためには、容器搬送ラインに沿って隣接して配置された複数のヘッダーで複数回に分けて間欠的に行ない、容器がヘッダー間を移動するときは内容品の周りを不活性ガス雰囲気にして、食品への酸素の溶け込みを防止するのが望ましい。
上記製造方法を実施するための本発明のアセプティック充填による容器入り調理済み食品の製造装置は、内容品が充填された容器入り食品を間欠的に搬送する搬送コンベヤに沿って溶存酸素低減装置、ガス置換装置、シール装置が順に配置され、前記溶存酸素低減装置は、搬送する容器の開口部を覆うように容器に対して相対的に上下動自在に設けられたヘッダーを有し、該ヘッダーに蒸気供給口と排気口が形成されていることを特徴とするものである。
高速ラインに適用するためには、前記ヘッダーは、容器搬送コンベヤに所定ピッチで設けられている容器支持部材の容器搬送方向に合わせて複数個連接され、各ヘッダーが蒸気供給口及び排気口と共に、不活性ガス供給口を有し、蒸気の供給と不活性ガスの供給を交互に行なうようになっているのが望ましい。また、前記ヘッダーは、その下方位置に到達する容器の開口部を該容器に供給する蒸気が外部に漏れないように覆って蒸気を供給すると共に、供給された蒸気を容器内から前記排気口を介して外部に強制排気することによって、クリーンルーム内への蒸気の飛散と容器内への蒸気の残留を防止することができるので望ましい。
本発明によれば、アセプティック充填による容器入り調理済み食品の製造工程に、ガス置換工程と共に新たに溶存酸素低減工程を設けたので、密封時のヘッドスペース内の酸素量を低減できるばかりでなく、密封後の保存期間中の内容品からの溶存酸素の溶出量を低く抑えることができ、従来の容器入り調理済み食品より保存中の容器内の酸素量を低減することができ、その分長期保存を可能にすることができる。また、請求項2の発明によれば、蒸気加熱によって内容物の本来の味覚が失われることがなく、効果的に溶存酸素を低減させることができる。さらに、請求項3、4及び請求項6、8の発明によれば、蒸気が製造室内に飛散することを防止できると共に、容器内への水蒸気の残留を防止できる。さらに、請求項4、7の発明によれば、ラインの高速化を図ることができると共に、蒸気供給停止中は不活性ガス雰囲気にするので、内容品の冷却による食品への酸素の溶解を効果的に防ぐことができると共に、不活性ガスの噴出によりヘッダーと容器が分離し易くなり、ヘッダーの上昇に伴って容器がくっついて上昇するというトラブルが発生するのを防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態を図面を基に説明する。
図1は、本発明の容器入り調理済み食品を製造装置を適用したアセプティック充填密封ラインの概略を示す。アセプティック充填密封ラインは、クリーンルーム内に設置され、容器支持部材2が定ピッチで設けられた無端状のコンベヤ1に沿って、溶存酸素低減装置3、ガス置換装置4、シール装置5が順に隣接して配置されている。無端コンベヤ1は、従来の成形容器充填密封ラインで使用されているものと同様な構成のものが採用でき、成形容器6のフランジ部を受ける下方が解放した支持枠7(図2)が幅方向に1又は複数個連接された状態で幅方向両端が無端チェーンに固定され、同時に複数個の容器を処理できるようになっている。
溶存酸素低減装置3は、その概略が図2に模式的に示すように、下端が開口するヘッダー10を有し、コンベヤ1によって間欠的に搬送される容器の開口部を覆うように容器に対して、シリンダ装置等の上下駆動装置11によって上下動可能に設けられている。上下駆動装置11は、本実施形態ではエアーシリンダで構成され、タイマー等の制御装置25で電磁弁26を制御して駆動制御される。ヘッダー10は下端が開口したチャンバー12を有する箱型形状に形成され、その下端縁がコンベヤの支持枠に支持された成形容器6のフランジ8に当接して開口部を覆うように形成されている。開口部を覆うことにより、容器のヘッドスペースを含む密封のチャンバーが形成されて、該チャンバー内に供給される蒸気が外部に洩れるのを防止する。蒸気が外部に洩れるのを確実に防止するために、ヘッダー下端が容器のフランジ或いは支持枠7と密接するように、ヘッダー下端に密封用パッドを設けても良い。該ヘッダーの天壁13には蒸気供給口14、排気口15及び不活性ガス(本実施形態では窒素ガス)を供給する不活性ガス供給口16が形成されている。蒸気供給口14には、蒸気供給源に連接された蒸気供給配管17が接続され、排気口15には容器内に供給された蒸気をクリーンルーム外に排気する蒸気排気配管18が接続されている。また、不活性ガス供給口16には、窒素ガスボンベに接続された窒素ガス供給配管19がそれぞれ連結されている。
蒸気供給配管17には、図2に示すように、蒸気を容器に供給する蒸気の圧力と流量を制御するための圧力調節弁20と流量調節弁21を有し、本発明では後述するように蒸気は容器内に充填された内容物の品温が100℃以上に上昇しない範囲で内容物を加熱するようにその圧力・供給量が制御され、圧力調整弁20は蒸気発生機から供給される蒸気を減圧して供給する減圧弁となっている。また、流量調節弁21の下流には、ヘッダーへの蒸気の供給をON−OFFする電磁開閉弁22が設けられ、該電磁開閉弁22は制御装置23によって、後述する窒素ガス供給配管19に設けられた電磁開閉弁24と共に、コンベヤの駆動・停止と同期して開閉制御される。さらに、蒸気排気配管18には流量調節弁24が設けられ、ヘッダー内から排気する蒸気量を制御している。また蒸気排気管の下流端部には図示しない排気ファンが設けられ、容器内に供給された蒸気をクリーンルーム外に導いて強制排気している。
なお、蒸気と不活性ガスの混合気体を噴射する場合には、電磁開閉弁22と24を同時に開とすればよい。
本実施形態では、ヘッダー10は、図1に示すように、コンベヤの容器支持部材2に支持された成形容器6の搬送方向に沿った3個に同時に蒸気を供給できるように、搬送方向に隣接する3つの容器支持部材のピッチに合わせて3個のヘッダ−を連接して一体に形成され、3個のヘッダーが上下駆動装置11により一体に上下駆動されるようになっている。そして、3個のそれぞれのヘッダーに、蒸気供給口14からの蒸気供給,排気口15からの排気、不活性供給口16からの不活性ガスの供給がそれぞれ同時に行なわれる。しかしながら、各ヘッダーを別々の上下駆動装置で駆動してもよく、その形態はそれに限定されるものではない。ヘッダーを搬送方向ステップ毎に分割せずに、開口端部がそれぞれの容器のフランジ又は容器支持枠に当接するように枠状の開口部を有する一体構造のヘッダーに形成してもよく、その構造は種々の設計変更が可能である。また、ヘッダーから密閉チャンバーへの蒸気の供給は、供給口から1個所への蒸気の噴射でなく、容器内の食品に一様に蒸気が接触して加熱されるように、ラミナーフローが好ましい。そのために、例えば、チャンバーの上部に多孔板を設けて該多孔板を介して蒸気を供給するようにするのが望ましい。
ガス置換装置4は、前記溶存酸素低減装置3の下流側に隣接して配置され、その構成は公知の適宜の手段が採用でき、例えば、特開2003−180272号公報(特許文献1)に記載されているように、コンベヤ搬送方向に沿って複数ピッチ(図の実施形態では6ピッチ)分の搬送路を覆う不活性ガス置換トンネル30を形成し、該トンネル内に図示しない不活性ガス供給源に連結された不活性ガス供給管路31から不活性ガスを導入して、不活性ガス置換トンネル30内で不活性ガス(例えば窒素ガス)を容器内に噴出して、容器内のガスを不活性ガスに置換するようにする。
シール装置5も公知のものが採用でき、例えば前記特許文献1に記載されているように、容器6の開口部を溶着性を備えたフィルム状の蓋材33で覆い、開口周囲において熱板34でヒートシールされる。フィルム状の蓋材33は、フィルムロール33aから連続して繰り出され、次々に間欠移送されてくる容器6の開口部を覆って密封させることができる。熱板34は蓋材を容器のフランジ部にヒートシールするシール部とシール部の外周をトリミングするトリミング部を有し、一体に上下駆動されて蓋材をヒートシールすると共にヒートシール部外周をトリミングして分離するようにする。
本実施形態のアセプティック充填ラインは以上のように形成され、次のようにして容器入り調理済み食品が製造される。
所定ピッチで間欠駆動されるコンベヤ1に、容器移載ステーションで殺菌済みの容器6を移載し、次いで内容物充填ステーションで例えば、団子、スパゲティー、米飯、麺類等の調理済み食品を容器内に充填する。内容物9が充填された容器は、溶存酸素低減装置が配置されている溶存酸素低減ステーションに達し、溶存酸素低減工程が実施される。溶存酸素低減工程は、コンベヤが移動中は、ヘッダー10は上昇しており、容器がその位置に達して停止すると下降して、ヘッダーの下端が容器のフランジに当接して、蒸気が外部に洩れないように密封する。この状態で蒸気供給配管17の電磁開閉弁22が予め制御装置23に設定してある所定時間だけ開き、蒸気が容器内に供給される。
容器内の内容物の溶存酸素量と蒸気の関係は、容器内に供給される蒸気の圧力と噴出時間によって左右され、内容物の温度が高くなればなるほど、内容物に溶解している溶存酸素が溶出して溶存酸素が減る。蒸気の圧力は蒸気流量を決定する変数の一つである。しかしながら、圧力を高くしてチャンバー内の圧力が増大すると、フランジからの蒸気の洩れが起こる原因となる。それを押さえるためには過大な力を必要とするため、現実的でなくなる。噴射時間も長すぎると、加熱に使用されなかった蒸気がヘッダー内に満ちるため、ヘッダーが上昇したときに蒸気が製造室内へ洩れる原因となる。蒸気の噴射が終了した後も窒素ガスを噴射しながら、チャンバー内の排気を行いながらチャンバーを密封状態にしておく時間を設けることが好ましい。図4は水に対する酸素溶解度の温度依存性を示す。常温に比べて温度が高くなれば酸素の溶解度が小さくなる。これは米飯に含有される水にも当てはまることであり、米飯を加熱することが溶存酸素低減に繋がる。
容器内に供給される蒸気の圧力・量は圧力調節弁20及び流量調節弁21によってコンベヤの停止時間に対応して予め設定されており、本実施例では図示のように図1に示すように、a、b、cの3位置で蒸気加熱を終了した時点で所定の溶存酸素量に低減するように設定されている。蒸気を密封チャンバーに供給することによって、チャンバー内、即ち容器内の圧力が上昇するが、本発明では蒸気の供給と同時に排気口15から蒸気が外部に排気され、且つ開度調節弁27を調節することによって、チャンバー内が一定圧力に保たれるように排気量が調整され、内容品を所定温度に加熱するように制御できる。以上のように、本発明では、容器口に密閉チャンバーを形成して、その内圧・温度を制御しながら蒸気を供給しているので、蒸気を解放状態で単に吹き込む場合と相違して、短時間で所定温度に品温を上昇させることができ、且つ排気によって内容物から溶出した酸素及び蒸気が製造室外に排気されるので、製造室内の湿度が蒸気によって上昇するおそれもない。また、排気することによって、加熱後容器内に残留する蒸気が少なく,密封後に平温に戻った状態で容器内に結露が生じる現象も低減させることができる。
本実施形態では、図3のタイムチャート示すように、図1に示すa位置での蒸気供給が終了すると同時に不活性ガス供給口16から不活性ガスを噴出すると共にヘッダーが上昇し、この状態でコンベヤが1ステップ進み、b位置に達して停止すると、再びヘッダーが下降して容器口を密封すると共に蒸気の供給を開始して、上記の処理を繰り返す。以下、c位置まで同様な処理を3回繰り返す。容器が移動するときには、ヘッダーは上昇してなければならず、且つその間はヘッダーからの蒸気の供給が停止するので、内容品が冷え酸素を吸収する現象が起こるが、本発明では、蒸気の供給停止と同時に容器口に向けて窒素ガスを噴出するので、容器口周りは窒素ガス雰囲気となり、内容品が冷える段階での酸素の吸収を阻止することができる。また、蒸気の供給を停止することによって、容器内が負圧になるので、ヘッダー上昇時にヘッダーと容器がうまく分離せずに、容器が持ち上がる不具合が生じることがあるが、蒸気の供給停止と同時に容器内に窒素ガスを吹き込むことによって、容器内が陽圧になり、ヘッダー上昇時に容器が分離し易くなるという利点もある。
本実施形態では、以上のように3ステップで行なっているが、それに限定されるものでなく、1ステップ以上ライン速度及び内容物の量等により最適条件を選べばよい。なお、1ステップ、即ち1箇所のみで行なう場合は、ヘッダーに不活性ガス供給口を設ける必要はなく、すぐにヘッドスペース内酸素低減工程に移行することによって、溶存酸素低減工程での不活性ガス供給は必ずしも必要でない。しかしながら、溶存酸素の低減工程を1ステップ行なう場合であっても、ヘッダーに不活性ガス供給口を設け、溶存酸素低減工程において、蒸気供給中あるいは蒸気供給後に不活性ガスを容器内に供給することによって、ヘッダーに容器が蒸気凝縮によるバキュームで付着したまま上昇することを防止できるので、容器とヘッダーの切り離しのために望ましい。
以上の溶存酸素低減工程に引き続き、容器はすぐ次のステップで不活性ガス置換トンネルに入って周囲が不活性ガス雰囲気となるので、内容物から溶解した酸素が再び食品内に溶融することが防止され、ヘッドスペース内のガスと共に、不活性ガスに置換される。そして、ヘッドスペース内酸素低減工程に続いて密封工程で公知の適宜な方法で容器フランジに蓋材がシールされ密封される。以上のような工程を経て製造された容器入り調理済み食品は、そのヘッドスペースの酸素濃度を低濃度に保つことができ,無菌充填食品の長期保存を可能とする。
溶存酸素低減工程における条件として、ヘッダー下降時間を1.6秒、容器内に供給する蒸気圧力を0.1MPa、蒸気噴射時間を1秒間とし、蒸気噴射していないときの窒素ガス流量を5L/minとした。また、排気はヘッダーが下降している間だけ行うようにした。内容積200mlのポリプロピレン製トレーに容量150gの米飯を充填した後、上記の蒸気加熱(噴射)を3回繰り返した。次いで、トンネル式のガス置換装置に40秒間通した後に、蓋材をシールして容器入り食品を得た。
上記のようにして連続的に製造された容器入り食品100個について、シールしてから5分経過後、及び30分経過後に、それぞれの容器内の酸素濃度を測定したところ、それぞれの平均酸素濃度は、表1に示す通りであった。
比較例
蒸気噴射を行なわない以外は、実施例と同じ条件で内容積200mlのポリプロピレン製トレーに容量150gの米飯の充填シールを行い、次いで、トンネル式のガス置換装置に40秒間通した後に、蓋材をシールして容器入り食品を得た。得られた容器入り食品100個について、実施例と同様にシール後5分、30分後にそれぞれの容器内の酸素濃度を測定したところ、それぞれの平均濃度は表1に示すとおりであった。
Figure 2005341936
表1の結果から明らかなように、実施例と比較例とでは、容器内の酸素濃度に明らかな差異があり、特に密封から30分経過後には、実施例が0.07%であるのに対し、比較例では0.22%に達しており、顕著な差異が認められる。これは、比較例の場合、密封後に時間の経過と共に内容物内の溶存酸素が溶出してヘッドスペース内の酸素濃度を高めているのに対し、実施例では溶存酸素の溶出が殆どなく、時間が経過してもヘッドスペース内の酸素濃度が殆ど増大しないことを示している。
以上の結果から、本発明における製造方法及び装置が、容器入り調理済み食品の酸素濃度を低下させるのに顕著な効果があることが確認できた。
本発明によれば、容器入り調理済み食品の溶存酸素量を低減できるので、容器内の酸素濃度を高度に低減することができ、アセプティック充填システムに適用することによって、酸化劣化及び腐敗のないより長期保存可能な無菌充填容器入り調理済み食品を得ることができ、多くの調理済み食品の無菌パック化に利用可能である。また、本発明は、アセプティック充填に適用してより効果的であるが、アセプティック充填によらないで、後殺菌を行う容器入り調理済み食品の製造に適用することによって、長期保存中の内容品の酸化劣化を防ぐ効果があり、通常の容器入り調理済み食品の製造にも利用可能である。
本発明のアセプティック充填による容器入り調理済み食品の製造ラインの概念図である。 その溶存酸素低減装置の模式図である。 本実施形態における溶存酸素低減工程での蒸気供給(加熱)と不活性ガス(窒素ガス)噴霧とのタイミングチャートである。 溶存酸素量と蒸気量との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 コンベヤ 2 容器支持部材
3 溶存酸素低減装置 4 ガス置換装置
5 シール装置 6 成形容器
7 支持枠 10 ヘッダー
11 上下動駆動装置 12 チャンバー
13 天壁 14 蒸気供給口
15 排気口 16 不活性ガス供給口
17 蒸気供給配管 18 蒸気排気配管
19 窒素ガス供給配管 20 圧力調節弁
22 電磁開閉弁 25 エアシリンダ制御装置
30 不活性ガス置換トンネル 31 不活性ガス供給配管
33 蓋材 34 熱板

Claims (8)

  1. 容器入り調理済み食品の製造方法であって、調理済み食品が充填された成形容器を蓋材でシールする直前に、該容器内に蒸気を供給することによって内容品の溶存酸素を低減させる溶存酸素低減工程と、容器内に不活性ガスを吹き込んでヘッドスペースのガスを不活性ガスに置換することによってヘッドスペースの酸素を低減させるヘッドスペース内酸素低減工程を有することを特徴とする容器入り調理済み食品の製造方法。
  2. 前記溶存酸素低減工程における蒸気の供給は、内容物の品温が100℃以内に加熱される範囲内で行う請求項1に記載の容器入り調理済み食品の製造方法。
  3. 前記溶存酸素低減工程において、容器開口部をヘッダーで覆って容器内に蒸気を供給すると共に、排気を行なう請求項1又は2に記載の容器入り調理済み食品の製造方法。
  4. 前記溶存酸素低減工程において、容器開口部をヘッダーで覆って容器内に蒸気及び不活性ガスを吹き込むことを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の容器入り調理済み食品の製造方法。
  5. 前記溶存酸素低減工程における蒸気の供給は、容器搬送ラインに沿って隣接して配置された複数のヘッダーで複数回に分けて間欠的に行ない、容器がヘッダー間を移動するときは内容品の周りを不活性ガス雰囲気にして、食品への酸素の溶け込みを防止した請求項1〜4何れかに記載の容器入り調理済み食品の製造方法。
  6. 容器入り調理済み食品の製造装置であって、内容品が充填された容器入り食品を間欠的に搬送する搬送コンベヤに沿って溶存酸素低減装置、ガス置換装置、シール装置が順に配置され、前記溶存酸素低減装置は、搬送する容器の開口部を覆うように容器に対して相対的に上下動自在に設けられたヘッダーを有し、該ヘッダーに蒸気供給口と排気口が形成されていることを特徴とする容器入り調理済み食品の製造装置。
  7. 前記ヘッダーは、容器搬送コンベヤに所定ピッチで設けられている容器支持部材の容器搬送方向に合わせて複数個連接され、各ヘッダーが蒸気供給口及び排気口と共に、不活性ガス供給口を有し、蒸気の供給と不活性ガスの供給を交互に行なうようになっている請求項6に記載の容器入り調理済み食品の製造装置。
  8. 前記ヘッダーは、その下方位置に到達する容器の開口部を該容器に供給する蒸気が外部に漏れないように覆って蒸気を供給すると共に、前記供給された蒸気を容器内から前記排気口を介して外部に強制排気する請求項6又は7に記載の容器入り調理済み食品の製造装置。
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