JP2005341749A - インバータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタルセンサレス位置検出方式のブラシレスDCモータを用いた密閉型圧縮機用のインバータ装置において、キャリア音に関する低騒音化を図る。
【解決手段】PWM信号のキャリア周波数を任意に可変出力させとともにキャリア周波数を起動時から変化させるキャリア周波数設定手段104と、密閉容器のシェル153との共振周波数帯域を避けて変化さシェル共振避退手段105と、圧縮機構部152と電動機部110とサスペンションスプリング161との共振周波数帯域を避けて変化させる機構要素共振避退手段106と、シェル共振避退手段105と機構要素共振避退手段106との共振周波数帯域を合成した合成共振退避手段107とを備え、キャリア周波数との共振帯域を避けて連続的にキャリア周波数を変化させることができるので、ユーザーにとって違和感を感じることなくキャリアによる騒音を低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷蔵庫や空調装置など冷却システムの密閉型圧縮機に用いられるブラシレスDCモータのインバータ駆動装置に係わり、特にステータの巻線に誘起される誘起電圧(速度起電力)によってロータとステータ間の相対位置を検出して回転数制御を行うインバータ駆動装置のキャリア音に関する低騒音化技術に関するものである。
一般にブラシレスDCモータの制御方法においては、ロータ磁極の位置検出をもとにしてステータの巻線の通電パターンを切り換える一方、ブラシレスDCモータの回転数を制御するためにステータの巻線への通電電圧(印加電圧)を可変する。この通電電圧を可変する方法として、PWM(Pulse Width Modulation,パルス幅変調)駆動方式が広く用いられている。一定のキャリア周波数に対して、デューティと呼ばれるキャリア一周期中の通電時間の割合を加減制御する。
従来のブラシレスDCモータ駆動用のインバータ駆動装置について、ロータの位置検出を改善したものがある(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
以下、図面を参照しながら、上記従来のブラシレスDCモータのインバータ駆動装置について説明する。
図11は、上記特許文献に記載された従来の密閉型圧縮機用ブラシレスDCモータのインバータ駆動装置の構成図である。
図12は、デジタル方式の位置検出回路図である。図13は、インバータ駆動装置の各部の波形図である。また図14は、図13における位置信号波形の詳細図である。
図15は、従来のブラシレスDCモータのステータの構造図であり、図15(a)は、分布巻構造のステータの上面図を示し、図15(b)はステータの積層鋼板の上面図を示している。
また、図16は、従来のブラシレスDCモータのロータの構造図であり、SPM(Surface Permanent Magnet,磁石表面配置型)構造のロータの断面図を示している。
まず、図11に示す通り、交流電源1の交流電圧は、整流回路2により直流電圧に変換される。整流回路2はダイオード2aないし2dとコンデンサ2e,2fが接続された構成となっている。インバータ回路部3は半導体のスイッチング素子(例えばトランジスタ)3aないし3fが3相ブリッジ構成で接続されており、かつ各々のスイッチング素子3aないし3fに並列で逆方向にダイオード3gないし3lが接続されている。
電動機部4は3相6極のブラシレスDCモータ4aであり、ステータ5、ロータ6を備えており、インバータ回路部3の出力により駆動される。また、インバータ回路部3の出力端子は3相のステータの巻線5aに接続される。
また、図15において、ステータ構造は、分布巻構造であり、ステータの巻線5aはステータ5の積層鋼板5bのティース部5c間のスロット5dを通り分布巻に施されている。さらに、図16において、ロータ6は磁石6aないし6fを内蔵しており、磁石6aないし6fがフェライト磁石となっているSPM構造である。鉄芯6gの回りに磁石6aないし6fのN,S極が交互となるようにロータ6の表面に配置されている。
制御回路部20は、位置検出回路21と回転速度検出手段22、転流制御手段23、デューティ設定手段24、PWM制御手段25とドライブ制御手段26とを備えており、ブラシレスDCモータ4aの回転数を制御する。
以上のように構成されたインバータ駆動装置について、以下その動作を説明する。
位置検出回路21は、ブラシレスDCモータ4aの誘起電圧より相対的なロータ6の回転位置を検出するとともに、位置信号を出力する。
回転速度検出手段22は、位置検出回路21の位置信号から、回転速度を算出する。
転流制御手段23は、位置検出回路21の位置信号をもとに転流タイミングを算出し、インバータ回路部3のスイッチング素子3aないし3fを転流させる。
デューティ設定手段24は、回転数指令と回転速度検出手段22で検出された実際の回転速度情報とを比較し、両者が一致するようデューティ値を加減制御する。
PWM制御手段25は、ブラシレスDCモータ4aの回転数を可変するために、ON/OFFの比率の異なるPWM信号波形を作り出している。このPWM信号の周波数をキャリア周波数と呼び、PWM信号の1周期中のONの比率をデューティと呼んでいる。
また、PWM制御手段25では、デューティ設定手段24のデューティ幅より、キャリア周波数を切り換える。例えば、起動時はキャリア周波数1kHzで立ち上げ、デューティ幅がt1(60μsec,デューティ値6%)以上になれば、キャリア周波数を3kHzに切り換える。この時デューティ幅はt2(μsec,デューティ値6%)となり、最低デューティ幅20μsecを確保するように切り換える。
ドライブ制御手段26では、転流制御手段23の出力信号と、PWM制御手段25の出力信号とを合成し、インバータ回路部3のスイッチング素子3aないし3fをON/OFFさせる。
図12において、位置検出回路21は、ブラシレスDCモータ4aのステータの巻線5aの端子にPWM信号がON時に誘起される誘起電圧と基準電圧(例えばブラシレスDCモータ4aの印加電圧の1/2)とを比較してロータ6の位置を検出している。
また、位置検出回路21では、ブラシレスDCモータ4aの各相の端子電圧を分圧回路21aにより信号レベルで処理できるよう分圧する。分圧回路は抵抗r1ないしr6で構成されており、フィルタ回路21bによりノイズ成分を除去する。基準電圧合成回路21cでは基準電圧である分圧された3相の中性点電位を作り出す。比較器21d、21e、21fは、基準電圧とステータ巻線5aの各端子電圧の分圧とを比較し位置信号を出力する。
また、位置検出回路21は、各相の誘起電圧と基準電圧との比較結果を位置信号として回転速度検出手段22に出力する。回転速度検出手段22では、位置信号より実際の基準電圧と誘起電圧との交点を推定し、回転速度を算出する。そして転流制御手段23では各相毎にその交点間の時間を計時して、この計時時間をもとにして位置検出タイミング、ステータの巻線5aの通電切り換えタイミングを算出する。
ドライブ制御手段26では、その通電切り換えタイミングによりインバータ回路部3の上下アームの各1つのスイッチング素子3aないし3fを駆動する一方、上下アームの少なくとも一方のスイッチング素子3aないし3fの通電期間をPWM制御によりON/OFFチョッピングする。
ブラシレスDCモータ4aの回転数制御においてはPWM信号のON時間を可変する。例えば、PWM信号のON時間を長くしてブラシレスDCモータ4aの回転数を上昇させ、PWM信号のON時間を短くしてブラシレスDCモータ4aの回転数を下降させる。すなわち、PWM信号のON時間を可変しデューティを変化させ、ブラシレスDCモータ4aの回転数を目標とする回転数に合わせる。
図13において、インバータ駆動装置の制御回路部20の出力信号および、端子電圧、巻線電流、位置信号の波形を示している。図13より、制御回路部20は、インバータ回路部3のスイッチング素子3aないし3fを駆動し120度通電の上アーム側でPWM制御を行っていることが分かる。
また、図14において、ドライブ制御手段26の出力信号に伴い、無通電区間にロータの磁石の起磁力による誘起電圧がインバータ回路部3の出力端子に観測されるが、このとき、誘起電圧波形にスイッチングによるリンギングノイズが発生するため、位置検出回路21にはノイズ除去用のフィルタ回路21bを挿入している。
PWM信号はドライブ制御手段26の出力に対し、スイッチング素子3aないし3fのスイッチング遅れにより若干遅れる。従って、位置信号はフィルタ回路21b、比較器21dないし21fによりさらに遅れ波形となる。
ところで、例えばデューティサイクルのON時間が短い(駆動パルスの幅が狭い)と、ブラシレスDCモータ4aのステータ巻線5aの電圧波形のピーク値が下がり、位置検出ができないという不具合がある。ブラシレスDCモータ4aの起動時ではデューティサイクルのON時間が短くなる(パスル幅が細くなる)ため、ブラシレスDCモータ4aのステータ巻線5aの電圧波形の波形がなまりピーク値が下がるため位置検出ができない。
特に、位置検出信号に重畳するノイズを除去するノイズ除去用のフィルタ回路21bを挿入しているが、フィルタ定数を大きくすると波形がなまり位置信号が得られないし、また、フィルタ定数を小さくすると、スイッチング素子3aないし3fのスイッチング時に生じるリンギングノイズにより誤動作、脱調する恐れがある。
そのため、起動中にあってはPWM信号のキャリア周波数を運転中のキャリア周波数より低くしており、起動時には通電切り換えにより強制的に同期運転を行い、位置検出運転可能な程度までブラシレスDCモータ4aを加速した時点で位置検出運転に切り換えるようにしている。
位置検出は、デューティ幅が狭いほど位置検出しづらくなる傾向にあり、そこで、起動時はキャリア周波数を低く設定し、回転数を上昇させデューティ幅が十分大きくなるとキャリア周波数を高くしている。例えば、本従来例では1kHzで起動させ、デューティ幅が十分に大きくなると3kHzで運転させている。
また、キャリア周期でチョッピングして印加電圧をON/OFFしてデューティ制御しているため、ON区間では電流が増加し、OFFしている区間は電流が減少する。この電流の変動を電流リップルといい、ブラシレスDCモータ4aの加振源となり振動や騒音を引き起こすことになる。電流波形はPWM信号のON/OFF変動による電流リップルが重畳した波形となる。
この電流リップルの振幅は、巻線抵抗をR、巻線のインダクタンスをLとするとL/Rなる時定数によって定まる。即ち、L/Rが小さい程、電流の変化が急峻になり、PWM信号のON/OFF時の電流リップルが大きくなる。また、巻線抵抗値が小さいほど電流リップルが大きい傾向にある。
次に、密閉型圧縮機について説明する。従来より、密閉型圧縮機はインバータ駆動装置により駆動されるものがある(例えば特許文献3参照)。
図17は、従来の密閉型圧縮機の断面図であり、往復動式のレシプロ圧縮機を示している。図18は、従来の密閉型圧縮機の外観図である。
密閉型圧縮機51は、大きく圧縮機構部52、電動機部4、密閉容器のシェル53で構成されており、圧縮機構部52と電動機部4は、球形状の密閉容器のシェル53内に収容されている。
圧縮機構部52と電動機部4は、ロータ6とクランクシャフト54により連結されている。また電動機部4のステータ5はブロック55に固定されている。
アッパーベアリング55aはクランクシャフト54と摺動自在に嵌合されており、ブロック55に固定されている。また、ブロック55は、シリンダ部55bを構成している。
圧縮機構部52は、クランクシャフト54、ブロック55、ピストン56、コンロッド57、ディスチャージライン58、吸入バルブ59、吐出バルブ60、アッパーベアリング55a、ピストンピン56a等で構成されている。
コンロッド57は、一方はクランクシャフト54の偏芯部54aに嵌合され、もう片方は、ピストンピン56aと嵌合され、ピストン56と連結されている。
また、電動機部4のブラシレスDCモータ4a、および圧縮機構部52は密閉容器のシェル53に内蔵され、シェル53の内側に取り付けられたサスペンションスプリング61により支持されている。また、ロータ6には、ピストン56、コンロッド57などの往復運動部のバランスをとるためバランスウェイト6h,6iが設けられている。
圧縮室62は、シリンダ部55b、ピストン56、吸入バルブ59、吐出バルブ60にて構成される。また、密閉容器のシェル53内に冷凍機油70が溜められ、クランクシャフト54を介して圧縮機構部52の摺動部に給油される。
以上のように構成された密閉型圧縮機51において以下その動作を説明する。
ステータの巻線5aへの通電により、ロータ6が回転する。ロータ6に固定されたクランクシャフト54が回転することによって、クランクシャフト54の偏芯部54aに連結されたコンロッド57を介してピストン56が直線運動する。
圧縮室62が広がる方向にピストン56が動く時は、吐出バルブ60は閉じており、吸入バルブ59が開いて冷媒が圧縮室62内に吸入され、逆に圧縮室62が狭くなる時には吸入バルブ59が閉じて、冷媒を圧縮し、ある圧力以上になると吐出バルブ60が開いてディスチャージライン58を通じ冷却システム(図示せず)へ放出される。
以上の行程において、ステータ5に印加される電圧による電磁音や、ロータ6の回転に伴い圧縮機構部52内でクランクシャフト54などが摺動する音、圧縮により吸入バルブ59や吐出バルブ60のたたき音などが発生する。様々な周波数を有するこれらの音は、密閉容器内の空間を伝搬し、密閉容器のシェル53を通じて、密閉型圧縮機51の騒音となり外部に伝わる。
また、圧縮機構部52や電動機部4の振動がサスペンションスプリング61を介して密閉容器のシェル53に伝達され、密閉型圧縮機51の騒音となり外部に伝わる。
特開平8−223971号公報 特開平8−223972号公報 特開平8―114187号公報
しかしながら、上記従来のインバータ駆動装置の構成では、電流リップルは、加振源となりステータ5およびロータ6の振動を引き起こし、高周波の耳障りな騒音を増大させていた。電流リップルの基本成分や、その高調波成分により、密閉型圧縮機51のブラシレスDCモータ4aに高い周波数の振動が励起される。すなわち、キャリア周波数を基本波とするモータ騒音が発生する。
また、この振動成分が、圧縮機構部52の部品の固有振動数と一致すると鋭い高周波の耳障りな共振音を発生することになる。特に密閉容器のシェル53との共振により、シェル53内の音が外側に伝達されることとなり、騒音が発生する。また、PWM制御に伴う振動、騒音は、電流リップルの振幅が大きいほど顕著に発生していた。
さらに、キャリア周波数を切り換える際、突然切り換わると、聴感上において違和感を感じてしまう。
また、キャリア周波数を高くすると、スイッチング素子3aないし3fのスイッチング回数が増大することによりスイッチング素子3aないし3fの発熱量が大きくなり素子への負担が増大し、高負荷運転状態において温度上昇の問題も発生する。
上記従来の課題を解決するために、本発明のインバータ駆動装置は、キャリア周波数を連続的に可変するキャリア周波数設定手段を設けたものであり、キャリア周波数を連続的に変化させることにより、キャリア音の急激な変化を低減するという作用を有する。
また、起動時にはキャリア周波数を下げることによりPWM信号のデューティ幅を広くすることができ、デューティ値が小さい時でも位置検出ができるという作用を有するとともに、密閉型圧縮機のキャリア音が高い時には、キャリア周波数を変化させて騒音の低い周波数へ移動できる作用を有する。
さらに、高回転時にはキャリア周波数を連続的に下げることにより、キャリア音の急激な変化を低減するとともに、インバータ部のスイッチング素子の損失を抑えるという作用を有する。
本発明のインバータ駆動装置は、密閉型圧縮機の起動性を向上させることができるとともに、キャリア周波数を連続的に切り換えることでキャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感を低減することができる。
また、キャリア音が高い時に、キャリア周波数を騒音の低い周波数へ移動することで騒音を低減することができる。
さらに、インバータ部のスイッチング素子の温度上昇を抑制することができ効率が高く、信頼性の高いインバータ駆動装置を提供することができる。
請求項1記載の発明は、電動機部を構成する複数相の巻数を有するステータと複数極の磁石を有するロータを備えたブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータのロータとクランクシャフトを介して接続されている圧縮機構部とを収納した密閉型圧縮機と、前記ブラシレスDCモータのステータの巻線に接続される複数個のスイッチング素子により構成されるインバータ回路部と、前記スイッチング素子の通電を制御して前記ブラシレスDCモータを回転数可変に駆動制御する制御回路部と、前記制御回路部においてロータの磁極位置を検出する位置検出回路と、前記位置検出回路からの位置信号に基づきロータの回転速度を算出する回転速度検出手段と、前記位置検出回路からの位置信号に基づき前記インバータ回路部のスイッチング素子の転流を制御する転流制御手段と、前記回転速度検出手段の回転速度情報と回転数指令に基づきPWM信号のデューティ値を設定するデューティ設定手段と、前記デューティ設定手段で設定されたデューティ値に基づきPWM信号のキャリア周波数を連続的に可変するキャリア周波数設定手段と、前記デューティ設定手段で設定されたデューティ値と前記キャリア周波数設定手段で設定されたキャリア周波数に基づきPWM信号を出力するPWM制御手段と、前記転流制御手段の出力と前記PWM制御手段の出力を合成し前記インバータ回路部のスイッチング素子をON/OFFチョッピングするドライブ信号を発生するドライブ制御手段とを備えたもので、キャリア周波数を連続的に変化させることにより、キャリア音の急激な変化を低減することで、キャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感を低減することができる。
また、起動時にはキャリア周波数を下げることによりPWM信号のデューティ幅を広くすることができ、デューティ値が小さい時でも位置検出ができるため、密閉型圧縮機の起動性が向上する。
また、密閉型圧縮機のキャリア音が高い時には、キャリア周波数を変化させて騒音の低い周波数へ移動でき低騒音化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明のキャリア周波数設定手段は、キャリア周期を一定時間に一定量を変化させるキャリア周期設定手段を備えたものであり、キャリア周波数を指数関数的に変化させることで、密閉型圧縮機の共振周波数帯域が高周波域にある場合にキャリア音の大きい共振帯域でのキャリア周波数の変化を速くすることができるため、請求項1に記載の発明の効果に加えて、キャリア音の大きい共振帯域での運転時間を短くすることができ、密閉型圧縮機の騒音を低減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明のキャリア周波数設定手段は、キャリア周波数を密閉型圧縮機の密閉容器を構成するシェルとの共振周波数帯域を避けて変化させるシェル共振避退手段を備えたもので、密閉型圧縮機のシェルの共振帯域を避けてキャリア周波数を変化させることができるので、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、密閉型圧縮機のシェルの共振を回避し、密閉型圧縮機の騒音を低減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の発明のキャリア周波数設定手段は、電動機部のステータとロータと、前記圧縮機構部を構成するクランクシャフト、ブロック、ピストン、コンロッド、ディスチャージラインと、圧縮機構部および電動機部を支持するサスペンションスプリングの少なくとも一つ以上の共振周波数帯域を避けてキャリア周波数を変化させる機構要素共振避退手段とを備えたもので、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加えて、キャリア周波数を変化させる時に、キャリア周波数が密閉型圧縮機の部品の固有振動数と一致して発生する鋭い高周波の耳障りな共振音をなくすことができ、密閉型圧縮機の低騒音化を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4に記載の発明のキャリア周波数設定手段は、ある一定値以上の密閉型圧縮機の振動が発生する共振周波数帯域を回避してキャリア周波数を変化させる合成共振退避手段とを備えたもので、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加えて、密閉型圧縮機の振動が大きくなるキャリア周波数を避けてキャリア周波数を変化させるため、密閉型圧縮機の振動が大きくなる運転を回避でき、騒音を低減することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5に記載の発明の制御回路部はスイッチング素子の過負荷検知手段を備え、キャリア周波数設定手段は前記過負荷検知手段からの過負荷信号に基づき、キャリア周波数を高周波数から低周波数へ変化させるもので、インバータ部のスイッチング素子の損失を抑えることができ、請求項1ないし5に記載の発明の効果に加えて、インバータ部のスイッチング素子の温度上昇を抑制することができ、効率が高く、信頼性の高いインバータ駆動装置を提供することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6に記載の発明の密閉型圧縮機の密閉容器は楕円形状のシェルであり、球形状のシェルと比べて小型化が可能で、シェルとの共振による騒音が出やすいもののキャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感の低減やキャリア音の高い周波数帯域を避けてキャリア周波数を設定することにより、請求項1ないし6に記載の発明の効果に加えて、密閉型圧縮機の騒音の増大を防止するととともに、小型な密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7に記載の発明の電動機部のステータは、スロット間に設けられたティース部ごとに巻線を巻き付けた集中巻構造であり、集中巻構造により電動機部の小型化および密閉型圧縮機の小型化および低コスト化が可能となり、さらに、集中巻構造がティース部への電流リップルによる応力が従来の分布巻に比べステータに加わりやすく加振力となり騒音の原因にもなりやすいものの、キャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感の低減やキャリア音の高い周波数帯域を避けてキャリア周波数を設定することにより、請求項1ないし7に記載の発明の効果に加えて、密閉型圧縮機の騒音の増大を防止するととともに、小型な電動機部を搭載した小型で安価な密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8に記載の発明のロータは、鉄芯に磁石を埋め込まれた突極性を有するIPM(Interior Permanent Magnet,磁石埋め込み型)構造のロータであり、SPM構造のロータより大きいトルクが得られ低コスト化が可能であり、さらに、トルクリップルがSPM構造のロータに比べ大きくなり電流リップルによる加振力も増大傾向にあるものの、キャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感の低減やキャリア音の高い周波数帯域を避けてキャリア周波数を設定することにより、請求項1ないし8に記載の発明の効果に加えて、密閉型圧縮機の騒音の増大を防止するととともに、電動機部を小さくでき、小型な密閉型圧縮機を提供できる。
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9に記載の発明のロータの磁石は希土類磁石であり、従来のフェライト磁石に比べ磁力が強く、より大きなマグネットトルクが得られるとともに、磁力の変化が大きくトルクリップルが大きくなるものの、キャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感の低減やキャリア音の大きい周波数帯域を避けてキャリア周波数を設定することにより、請求項1ないし9に記載の発明の効果に加えて、密閉型圧縮機の騒音の増大を防止するととともに電動機部を小さくでき、小型な密閉型圧縮機を提供できる。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10に記載の発明において、冷凍サイクルを構成する冷蔵庫や空調機器に適用したもので、密閉型圧縮機のみならず、冷蔵庫や空調機器において、キャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感を低減することができる。
また、キャリア音が高い時には、キャリア周波数を変化させて騒音の低い周波数へ移動でき低騒音化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照にしながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。また、従来と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機用ブラシレスDCモータのインバータ駆動装置の構成図である。図2は、同実施の形態におけるブラシレスDCモータのステータの構造図であり、図2(a)は本実施の形態における集中巻構造のステータの上面図であり、図2(b)はステータの積層鋼板の上面図である。
図3は、同実施の形態におけるブラシレスDCモータのロータの構造図であり、図3(a)は、本実施の形態におけるIPM構造のロータの断面図であり、図3(b)は本実施の形態における希土類磁石のIPM構造のロータの断面図である。
図4は、同実施の形態における密閉型圧縮機の断面図、図5は同実施例における密閉型圧縮機の外観図である。
図6は、同実施の形態における密閉型圧縮機の共振周波数と振動レベルの相関図である。図7は、同実施の形態におけるキャリア周波数制御の変化図である。
以下、図1ないし図7に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
図1において、制御回路部101は、位置検出回路21、回転速度検出手段22、転流制御手段23、デューティ設定手段24、PWM制御手段102、ドライブ制御手段26、過負荷検知手段103、キャリア周波数設定手段104を有しており、キャリア周波数設定手段104はシェル共振退避手段105、機構要素共振退避手段106、合成共振退避手段107を有している。
過負荷検知手段103は、インバータ駆動装置に設けられた温度検知手段103aを備え、スイッチング素子3aないし3fの温度を間接的に推定する。ある一定の温度、例えば100℃以上であれば、キャリア周波数設定手段104に信号を送る。
電動機部110は3相6極のブラシレスDCモータ110aであり、ステータ111、ロータ112を備えており、インバータ回路部3の出力により駆動される。また、インバータ回路部3の出力端子は3相のステータの巻線111aに接続される。
図2(a)において、ステータ111の巻線111aはステータ111の積層鋼板111bのスロット111c間のティース部111dに集中して巻かれている。
図3(a)において、IPM構造のロータ112は、逆円弧形のフェライト磁石112aないし112fがN,S極が交互となるように鉄芯112g内に埋め込まれたものである。図3(b)は、同じくIPM構造のロータ113であり、希土類(ネオジウムなど)磁石113aないし113fが鉄芯113g内に埋め込まれたものである。
図4および図5において、密閉型圧縮機151は、大きく圧縮機構部152、電動機部110、密閉容器の楕円形状のシェル153で構成されている。
また、楕円形状のシェル153は小型化のため、扁平で上部より見た場合楕円形状に施されている。
圧縮機構部152と電動機部110は、ロータ112とクランクシャフト154により連結されている。また電動機部110のステータ111はブロック155に固定されている。
クランクシャフト154は、ブロック155の軸受け部155aと摺動自在に嵌合されている。また、偏芯部154aを有しており、偏芯部154aにクランクウェイト154bを備えている。また、ブロック155は、シリンダ部155bを構成している。
圧縮機構部152は、クランクシャフト154、ブロック155、ピストン156、コンロッド157、ディスチャージライン158、吸入バルブ159、吐出バルブ160、ピストンピン156a等で構成されている。
コンロッド157は、一方はクランクシャフト154の偏芯部154aに嵌合され、もう片方は、ピストンピン156aと嵌合され、ピストン156と連結されている。
また、電動機部110のブラシレスDCモータ110a、および圧縮機構部152は密閉容器の楕円形状のシェル153に内蔵され、楕円形状のシェル153の内側に取り付けられたサスペンションスプリング161により支持されている。
圧縮室162は、シリンダ部155b、ピストン156、吸入バルブ159、吐出バルブ160にて構成される。また、密閉容器の楕円形状のシェル153内に冷凍機油170が溜められ、クランクシャフト154を介して圧縮機構部152の摺動部に給油される。
以上のように構成されたインバータ駆動装置について、以下その動作、作用を説明する。
キャリア周波数設定手段104は、デューティ設定手段24のデューティ値およびデューティ幅から、位置検出できる最低デューティ幅以上でキャリア周波数を設定している。PWM制御手段102は、キャリア周波数設定手段104の出力とデューティ設定手段24出力に基づき、PWM信号を出力している。特に、起動時からの立ち上がり時に速やかにキャリア周波数を10kHzまで移行させる。例えば、同期運転終了後に位置検出運転に切り換わると、キャリア周波数を300ms毎に0.1kHzずつ上げていく。
ドライブ制御手段26は転流制御手段23の出力とPWM制御手段102の出力を合成しインバータ回路部3のスイッチング素子3aないし3fをON/OFFさせている。
また、シェル共振退避手段105は、楕円形状のシェル153の振動の共振周波数帯域をデータとして持っており、キャリア周波数が、楕円形状のシェル153の振動の共振周波数と重なって連続して運転しないようキャリア周波数を制御する。
機構要素共振退避手段106は、密閉型圧縮機151のクランクシャフト154、ブロック155、ディスチャージライン158、ピストン156などの圧縮機構部152と、ステータ111、ロータ112などの電動機部110、およびサスペンションスプリング161の振動の共振周波数帯域をデータとして持っており、キャリア周波数が、この共振周波数と重なって連続して運転しないようキャリア周波数を制御する。
さらに、合成共振退避手段107は、シェル共振退避手段105と機構要素共振退避手段106の共振周波数帯域データを合成し、合成振動レベルである圧縮機振動レベルがある一定以上、例えば40dBとなる共振周波数帯域で、キャリア周波数がこの共振周波数で連続して運転するのを防止する。
図6は、共振周波数と振動レベルの特性を示しており、縦軸に振動レベル、横軸に共振周波数をとり、シェル振動、機構要素振動、シェル振動と機構要素振動を合成した圧縮機振動の特性を示している。圧縮機構部152の共振周波数と楕円形状のシェル153の共振周波数が一致すると合成された共振周波数の圧縮機振動レベルが上昇し、密閉型圧縮機151の騒音レベルが高くなる傾向がある。そのため、合成共振周波数帯域のa1ないしa2区間の周波数帯域のキャリア周波数を選択すると、キャリア周波数と密閉型圧縮機151とが共振し騒音が発生する。
図7は、起動からの経過時間とキャリア周波数の変化を示しており、4つのパターンを示している。図7のAパターンに示すように密閉型圧縮機151の起動時は1kHzで起動し、回転数の上昇とともに、キャリア周波数を10kHzまで上昇させる。キャリア周波数の上昇のさせ方には、大きく4通りの方法がある。
まず第1の方法は、図7のAパターンの(1)に示すようにキャリア周波数を合成共振周波数帯域のa1ないしa2区間をそのまま連続的に通過させ、速やかに高周波域の10kHzまで移行させる。この場合、合成共振周波数帯域を通過する時に、キャリア音が聞こえるが、一過性のものであり、安定運転時にはキャリア音の影響の少ない10kHzで運転するため、起動性の向上と、安定運転時の低騒音化が図れる。また、キャリア周波数が連続的に変化するため違和感を感じることが少ない。
次に第2の方法は、図7のAパターンの(2)に示すように、キャリア周波数がa1に達すると、即座にキャリア周波数a2に変化させキャリア周波数を上昇させることにより、合成共振周波数帯域を避けることができ、キャリア周波数による騒音の影響が大きい区間で運転しないことから低騒音を図ることができる。
また第3の方法は、図7のAパターンの(3)に示すように、キャリア周波数がa1に達すると通過時間Δt1分だけa1で運転し、その後キャリア周波数a2へキャリア周波数を変化させ、キャリア周波数を再び上昇させる。この場合、キャリア周波数の変化は、合成共振周波数帯域の区間を除いて連続的に変化している。合成共振周波数帯域においては、比較的騒音が大きく、ユーザーにとってはキャリア音以外の音でマスキングされているため、キャリア音が連続的に変化しているように聞こえ違和感を感じることが少ない。
同様に第4の方法は、図7のAパターンの(4)に示すように、キャリア周波数がa1に達すると即キャリア周波数a2に変化させ、通過時間Δt1分だけキャリア周波数a2で運転し、その後キャリア周波数を再び上昇させるにした場合においても、第3と同様の効果が考えられる。
さらに、キャリア周波数設定手段104は、過負荷検知手段103の信号から過負荷時時にはスイッチング素子3aないし3fの定格をオーバーしていると判断し、スイッチング素子3aないし3fのスイッチング回数を減少させ発熱を防止するため、キャリア周波数を下げるよう制御する。このため、スイッチング素子3aないし3fの損失を低減することができ、効率向上を図ることができると共に、インバータ駆動装置の信頼性を向上することができる。
なお一般的に密閉型圧縮機を用いたシステムでは、過負荷時は高速で回転している場合が多く、過負荷状態と回転数が比例していると考え、回転数により過負荷を判断しても良く、従って回転速度をパラメータにとり高速回転時にキャリア周波数を下げるようにしても良い。また、デューティ値によって例えば60%以上であればキャリア周波数を下げるようにしてもよい。さらに、高速回転時においては、機械音が主体となり、キャリア音の影響が少なくなるため騒音への影響は少ない。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機用ブラシレスDCモータのインバータ駆動装置の構成図である。図9は、同実施の形態におけるキャリア周波数制御の変化図である。図10は、同実施の形態における密閉型圧縮機の共振周波数と振動レベルの相関図である。
制御回路部201は、位置検出回路21、回転速度検出手段22、転流制御手段23、デューティ設定手段24、PWM制御手段102、ドライブ制御手段26、過負荷検知手段103、キャリア周波数設定手段202を備えている。
また、キャリア周波数設定手段202はシェル共振退避手段105、機構要素共振退避手段106、合成共振退避手段107を有している。
キャリア周波数設定手段202は、さらにキャリア周期設定手段203を有しており、一定時間に一定量キャリア周期を変化させることができる。
過負荷検知手段103は、インバータ駆動装置に備えられた温度検知手段103aによりスイッチング素子3aないし3fの温度を間接的に推定する。
以上のように構成されたインバータ駆動装置において、以下その動作、作用を説明する。
キャリア周波数設定手段202は、デューティ設定手段24のデューティ値およびデューティ幅から、位置検出できる最低デューティ幅以上でキャリア周波数を設定している。PWM制御手段102は、キャリア周波数設定手段202の出力とデューティ設定手段24出力に基づき、PWM信号を出力している。起動時からの立ち上がり時に速やかにキャリア周波数を10kHzまで移行させる。
ここで、キャリア周期設定手段203によりキャリア周期を一定時間に一定量を変化させている。例えば、キャリア周期を100ms毎に1μsecずつ短くしていく。従って、実施の形態1のように時間軸に対してキャリア周波数が比例的に変化するのではなく、図9に示すBパターンのように指数関数的に変化する。そのため、高域に共振帯域が存在する場合に、Δt1>Δt2となりBパターンの方が速やかに合成共振周波数帯域を通過でき、より違和感を感じさせることが少なくできる。
また、図9のB’パターンで示すようにキャリア周波数を変化させることにより、実施の形態1にと同様、キャリア周波数がa1に達すると、即座にキャリア周波数a2に変化させキャリア周波数を上昇させることにより、合成共振周波数帯域を避けることができ、キャリア周波数による騒音の影響が大きい区間で運転しないことから低騒音を図ることができる。
また、本実施例では、共振帯域は1箇所しか設けていないが、図10のb線に示すように、複数箇所b1ないしb2、b3ないしb4、b5ないしb6の共振帯域を設けて制御してもよい。
以上のような密閉型圧縮機用ブラシレスDCモータのインバータ駆動装置において、集中巻構造のステータ111を適用した場合、電流リップルによる応力が分布巻構造のステータ5に比べ加わりやすく加振力となり騒音の原因にもなりやすいものの、キャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感の低減やキャリア音の高い周波数帯域を避けてキャリア周波数を設定することにより、密閉型圧縮機の騒音の増大を防止するととともに、電動機部を小さくでき、小型で安価な密閉型圧縮機を提供することができる。
また、IPM構造のロータ112を適用した場合、トルクリップルがSPM構造のロータ6に比べ大きくなり電流リップルによる加振力も増大傾向にあるものの、キャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感の低減やキャリア音の高い周波数帯域を避けてキャリア周波数を設定することにより、密閉型圧縮機の騒音の増大を防止するととともに、電動機部を小さくでき、小型な密閉型圧縮機を提供できる。
また、希土類磁石113aないし113fを適用したIPM構造のロータ113の場合、フェライト磁石6aないし6fに比べ磁力が強く、より大きなマグネットトルクが得られるとともに、磁力の変化が大きくトルクリップルが大きくなるものの、キャリア音の急激な変化に伴う聴感上の不快感の低減やキャリア音の大きい周波数帯域を避けてキャリア周波数を設定することにより、密閉型圧縮機の騒音の増大を防止するととともに、電動機部を小さくでき、小型な密閉型圧縮機を提供できる。
また、位置検出としては、誘起電圧を基準電圧とを比較する方式を紹介したが、正弦波駆動方式などに用いられる、電流検出による位置検出方式においても有効である。ただし、正弦波駆動では電流リップルが小さく加振力も小さくなるため、効果は小さいが同様の原理である。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機用ブラシレスDCモータのインバータ駆動装置は、インバータ駆動による密閉型圧縮機のキャリア音の低騒音化が可能となるので、密閉型圧縮機を用いた冷却システムを構成する冷蔵庫や空調装置等への用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機用ブラシレスDCモータのインバータ駆動装置の構成図 同実施の形態におけるブラシレスDCモータのステータの構造図 同実施の形態におけるブラシレスDCモータのロータの構造図 同実施の形態における密閉型圧縮機の断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の外観図 同実施の形態における密閉型圧縮機の共振周波数と振動レベルの相関図 同実施の形態におけるキャリア周波数制御の変化図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機用ブラシレスDCモータのインバータ駆動装置の構成図 同実施の形態におけるキャリア周波数制御の変化図 同実施の形態における密閉型圧縮機の共振周波数と振動レベルの相関図 従来の密閉型圧縮機用ブラシレスDCモータのインバータ駆動装置の構成図 デジタル方式の位置検出回路図 インバータ駆動装置の各部の波形図 図13における位置信号波形の詳細図 従来のブラシレスDCモータのステータ構造図 従来のブラシレスDCモータのロータ構造図 従来の密閉型圧縮機の断面図 従来の密閉型圧縮機の外観図
符号の説明
3 インバータ回路部
3a,3b,3c,3d,3e,3f スイッチング素子
21 位置検出回路
22 回転速度検出手段
23 転流制御手段
24 デューティ設定手段
26 ドライブ制御手段
101,201 制御回路部
102 PWM制御手段
103 過負荷検知手段
104,202 キャリア周波数設定手段
105 シェル共振退避手段
106 機構要素共振退避手段
107 合成共振退避手段
110 電動機部
110a ブラシレスDCモータ
111 ステータ
111a 巻線
111c スロット
111d ティース部
112,113 ロータ
112a,112b,112c,112d,112e,112f 磁石
113a,113b,113c,113d,113e,113f 希土類磁石
151 密閉型圧縮機
152 圧縮機構部
153 楕円形のシェル
154 クランクシャフト
155 ブロック
156 ピストン
157 コンロッド
158 ディスチャージライン
161 サスペンションスプリング
203 キャリア周期設定手段

Claims (11)

  1. 電動機部を構成する複数相の巻線を有するステータと複数極の磁石を有するロータを備えたブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータのロータとクランクシャフトを介して接続されている圧縮機構部とを収納した密閉型圧縮機と、前記ブラシレスDCモータのステータの巻線に接続される複数個のスイッチング素子により構成されるインバータ回路部と、前記スイッチング素子の通電を制御して前記ブラシレスDCモータを回転数可変に駆動制御する制御回路部と、前記制御回路部において前記ロータの磁極位置を検出する位置検出回路と、前記位置検出回路からの位置信号に基づきロータの回転速度を算出する回転速度検出手段と、前記位置検出回路からの位置信号に基づき前記インバータ回路部のスイッチング素子の転流を制御する転流制御手段と、前記回転速度検出手段の回転速度情報と回転数指令に基づきPWM信号のデューティ値を設定するデューティ設定手段と、前記デューティ設定手段で設定されたデューティ値に基づきPWM信号のキャリア周波数を連続的に可変するキャリア周波数設定手段と、前記デューティ設定手段で設定されたデューティ値と前記キャリア周波数設定手段で設定されたキャリア周波数に基づきPWM信号を出力するPWM制御手段と、前記転流制御手段の出力と前記PWM制御手段の出力を合成し前記インバータ回路部のスイッチング素子をON/OFFチョッピングするドライブ信号を発生するドライブ制御手段とを備えたインバータ駆動装置。
  2. キャリア周波数設定手段は、キャリア周期を一定時間に一定量を変化させるキャリア周期設定手段を備えた請求項1に記載のインバータ駆動装置。
  3. キャリア周波数設定手段は、キャリア周波数を密閉型圧縮機の密閉容器を構成するシェルとの共振周波数帯域を避けて変化させるシェル共振避退手段を備えた請求項1または2に記載のインバータ駆動装置。
  4. キャリア周波数設定手段は、電動機部のステータとロータと、圧縮機構部を構成するクランクシャフト、ブロック、ピストン、コンロッド、ディスチャージラインと、前記圧縮機構部および電動機部を支持するサスペンションスプリングの少なくとも一つ以上の共振周波数帯域を避けてキャリア周波数を変化させる機構要素共振避退手段とを備えた請求項1から3のいずれか一項に記載のインバータ駆動装置。
  5. キャリア周波数設定手段は、ある一定値以上の密閉型圧縮機の振動が発生する共振周波数帯域を回避してキャリア周波数を変化させる合成共振退避手段とを備えた請求項1から4のいずれか一項に記載のインバータ駆動装置。
  6. 制御回路部はスイッチング素子の過負荷検知手段を備え、キャリア周波数設定手段は前記過負荷検知手段からの過負荷信号に基づき、キャリア周波数を高周波数から低周波数へ変化させる請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータ駆動装置。
  7. 密閉型圧縮機の密閉容器は楕円形状のシェルである請求項1から6のいずれか一項に記載のインバータ駆動装置。
  8. 電動機部のステータはスロット間に設けられたティース部ごとに巻線を巻き付けた集中巻構造とした請求項1から7のいずれか一項に記載のインバータ駆動装置。
  9. ブラシレスDCモータのロータは、鉄芯に磁石を埋め込まれた突極性を有するIPM構造のロータである請求項1から8のいずれか一項に記載のインバータ駆動装置。
  10. ブラシレスDCモータのロータの磁石は希土類磁石である請求項1から9のいずれか一項に記載のインバータ駆動装置。
  11. 冷凍サイクルを構成する冷蔵庫や空調機器に適用した請求項1から10のいずれか一項に記載のインバータ駆動装置。
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