JP2005341654A - 電機子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電機子の製造方法は、各セグメント13の結線爪に順次巻線を結線して、隣接する結線爪(セグメント14)に巻線を掛け渡して短絡線16を連続的に形成する結線工程と、結線工程の終端部を巻き始めとして主巻線部9を形成する巻回工程と、巻回工程の後、結線工程にて隣接する結線爪(セグメント14)に掛け渡された不要部19を切断する切断工程とを有する。
【選択図】 図5
Description
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数を低減するとともに、製造コストの低減を図ることができる電機子及びその製造方法を提供することにある。
請求項1,2に記載の発明によれば、同じ磁極とする2個のセグメント同士が短絡線により短絡されており、陽極側給電ブラシ又は陰極側給電ブラシが摺接されると2個のセグメントに各磁極の電源が供給されるため、電機子に摺接させるブラシ数を低減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、簡易な構成により電機子を製造することができる。
請求項9に記載の発明によれば、均等な割付角で同時に短絡線及び主巻線部を形成するため、これらを形成する際の電機子の回転バランスが向上する。
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図9に従って説明する。
図1に示すように、直流モータ1はモータハウジング2を有し、該モータハウジング2内に電機子3が収容されている。
図3に示すように、短絡線16は、所定角度(本実施形態では180°)を有して配置される2つの結線爪14(セグメント13)に接続されている。詳しくは、図3に示すように、番号「1」の結線爪14と番号「7」の結線爪14が短絡線16aにより接続され、番号「6」の結線爪14と番号「12」の結線爪14が短絡線16bにより接続され、番号「11」の結線爪14と番号「5」の結線爪14が短絡線16cにより接続されている。そして、番号「4」の結線爪14と番号「10」の結線爪14が短絡線16dにより接続され、番号「9」の結線爪14と番号「3」の結線爪14が短絡線16eにより接続され、番号「2」の結線爪14と番号「8」の結線爪14が短絡線16fにより接続されている。尚、番号「8」の結線爪14に結線された短絡線16fの終端部は主巻線部9の巻き始めとされる。
図4に示すように、主巻線部9は、2個のセグメント13(結線爪14)に結線された渡り線17と、該渡り線17を両端として少なくとも1つ以上のティース11にそれぞれ所定回数巻回された巻線部18とを有する。巻線部18は複数(本実施形態では3つ)のティース11(スロット12)間に跨って巻回、所謂分布巻にて巻回されている。本実施形態では、電機子3を構成する主巻線部9(渡り線17及び巻線部18)は、図3における短絡線16fの一端側から連続して形成されており、この番号「8」のセグメント13(結線爪14)を開始位置として1本の巻線が順次各ティース11に巻回されて形成されている。
電機子3は、回転シャフト7に電機子コア8及びコンミテータ10が装着された後、結線工程、巻回工程、接続工程及び切断工程が順次実行されて製造される。図5には、本実施形態の電機子3における短絡線16及び主巻線部9(渡り線17及び巻線部18)の展開図を示す。
ロングα結線方式は、図15(a)に示すように、巻線61の巻き始めと巻き終りを、巻回する2つのティース62の範囲外に巻回した後に隣接する2つの結線爪63に結線するものである。詳述すると、結線爪63に巻線61を結線し、所定のティース62間を複数回巻回し、回転シャフト64に渡り線65を巻き付けて隣の結線爪63に結線することを順次繰り返す。このロングα結線方式を行うと、図15(b)に示すようにティース62から結線爪63(セグメント)への渡り線65は回転シャフト64に巻き付けた後結線されているので、渡り線65が長くなり、モータが大型化してしまう。
その後、切断工程では、上記結線工程にて隣接する結線爪14に掛け渡された巻線(不要部19)が切断される。上述したように結線工程の後に巻回工程が施されるため、図9(a)に示すように、各結線爪14においては前記短絡線16及び不要部19の上側から渡り線17が結線される。しかし、上記結線工程では、連続して形成される短絡線16は隣り合う結線爪14に掛け渡されて形成されるため、この間の巻線(不要部19)は露出されている。このため、例えば図9(b)に示すようにカッターKにより容易に不要部19の切断を行うことができる。各不要部19が切断されると、図3に示すように各結線爪14を短絡する短絡線16a〜16fが形成される。
(1)本実施形態では、同じ磁極とする2個のセグメント13同士が短絡線16により短絡されるため、陽極側給電ブラシ15a又は陰極側給電ブラシ15bを摺接させることで、2個のセグメント13に各磁極の電源が供給されるため、電機子3に摺接されるブラシ数を低減することができる。
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図10〜図14に従って説明する。
尚、本実施の形態は、電機子3に対する巻線方法が上記第1実施形態と異なっているため、第1実施形態と同じ構成部材については説明及び図面を省略する。尚、本実施形態の結線爪14(セグメント13)には、短絡線26(図10参照)及び主巻線部30(図11参照)が接続されており、主巻線部30は渡り線27と巻線部28とを有する。
図10に示すように、短絡線26は、所定角度(本実施形態では180°)を有して配置される2つの結線爪14(セグメント13)に接続されている。詳しくは、番号「1」の結線爪14と番号「7」の結線爪14が短絡線26aにより接続され、番号「6」の結線爪14と番号「12」の結線爪14が短絡線26bにより接続され、番号「11」の結線爪14と番号「5」の結線爪14が短絡線26cにより接続されている。そして、番号「4」の結線爪14と番号「10」の結線爪14が短絡線26dにより接続され、番号「9」の結線爪14と番号「3」の結線爪14が短絡線26eにより接続され、番号「2」の結線爪14と番号「8」の結線爪14が短絡線26fにより接続されている。尚、番号「12」の結線爪14に結線された短絡線26b、番号「4」の結線爪14に結線された短絡線26d、及び番号「8」の結線爪14に結線された短絡線26fは、巻線部28の巻き始めとされる。
図11に示すように、主巻線部30は、2個のセグメント13に結線された渡り線27と、該渡り線27を両端として少なくとも1つ以上のティース11にそれぞれ所定回数巻回された巻線部28とを有する。巻線部28は複数(本実施形態では3つ)のティース11(スロット12)間に跨って巻回、所謂分布巻にて巻回されている。本実施形態では、電機子3を構成する主巻線部30(渡り線27及び巻線部28)は、図10における短絡線26b,26d,26fの一端側から連続して形成されており、この番号「12」、「4」、「8」のセグメント13(結線爪14)を開始位置として3本の巻線が順次各ティース11に巻回されて形成されている。尚、図11においては番号「12」の結線爪14(セグメント13)から連続して形成される主巻線部30のみを示している。
電機子3は、上記第1実施形態と同様に、回転シャフト7に電機子コア8及びコンミテータ10が装着された後、結線工程、巻回工程、接続工程及び切断工程が順次実行されて製造される。図12には、本実施形態の電機子3における短絡線26及び主巻線部30(渡り線27及び巻線部28)の展開図を示す。
尚、3本の巻線によりそれぞれ連続して短絡線26が形成されることにより、隣り合う結線爪14間において不要部29が形成される。つまり、図12に示すように、番号「2」と番号「3」のセグメント13間、番号「6」と番号「7」のセグメント13間、番号「10」と番号「11」のセグメント13間にそれぞれ不要部29が形成される。本実施形態では短絡線26は3本の巻線により形成されるため、3箇所に不要部29が形成される。
その後、切断工程において、上記結線工程にて隣接する結線爪14に掛け渡された巻線(不要部29)が切断される。本実施形態では、短絡線26は3本の巻線により形成されているため、3箇所に切断箇所(不要部29が形成される個所)が形成されている。各不要部29が切断されると、図10に示すように各結線爪14を短絡する短絡線26a〜26fが形成される。
(1)本実施形態では、複数(3つ)の巻線巻回装置50を用いて同時に短絡線26及び主巻線部30を形成するため、巻線作業が高速化され、生産性を向上することができる。
○上記各実施形態では、電機子コア8のティース11(スロット数12)はそれぞれ12である場合について説明したが、ティース11の数はこれに何ら限定されず、素数以外の数(6,8,9,10,12,14,15,16,18,20,21,22,24…)であればティース11の数をいくつにしてもよい。
○上記各実施形態の接続工程において、結線爪14に短絡線16及び渡り線17を固定する方法は抵抗溶接に限定されず、例えばカシメにより固定してもよい。
Claims (9)
- 複数のティースを有する電機子コアと、
陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される複数のセグメントを有する整流子と、
所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、
同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、
前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、
を備えた電機子であって、
少なくとも1個の前記セグメントにおいて、前記渡り線と前記短絡線とが連続するように形成されていることを特徴とする電機子。 - 複数のティースを有する電機子コアと、
陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される3n個(nは整数)のセグメントを有する整流子と、
所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、
同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、
前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、
を備えた電機子であって、
3個の前記セグメントにおいて、前記渡り線と前記短絡線とが連続するように形成されていることを特徴とする電機子。 - 請求項1又は2に記載の電機子において、
前記各主巻線部の渡り線は、第1のセグメントと、該第1のセグメントに隣接するセグメントに対向配置された第2のセグメントとに接続され、前記第1及び第2のセグメントに接続される渡り線はお互いに交差するように設けられたことを特徴とする電機子。 - 複数のティースを有する電機子コアと、
陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される複数のセグメントを有する整流子と、
所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、
同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、
前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、
を備えた電機子の製造方法であって、
前記各セグメントの結線爪に順次巻線を結線し、隣接する結線爪に巻線を掛け渡して前記短絡線を連続的に形成する結線工程と、
前記結線工程の終端部を巻き始めとして前記主巻線部を形成する巻回工程と、
前記巻回工程の後、前記結線工程にて隣接する結線爪に掛け渡された巻線を切断する切断工程と、
を有することを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項4に記載の電機子の製造方法において、
前記巻回工程の後、前記切断工程の前に、前記各セグメントに結線された短絡線及び渡り線を前記結線爪に接続する接続工程を有することを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項4又は5に記載の電機子の製造方法において、
前記巻回工程では、前記渡り線は、第1のセグメントと、該第1のセグメントに隣接するセグメントに対向配置された第2のセグメントとに接続され、前記第1及び第2のセグメントに接続される渡り線はお互いに交差するように設けられていることを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項4〜6のうち何れか1項に記載の電機子の製造方法において、
フライヤを備え、該フライヤにて1本の巻線により連続して前記短絡線及び前記主巻線部を形成することを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項4〜6のうち何れか1項に記載の電機子の製造方法において、
複数のフライヤを備え、各フライヤにてそれぞれ前記短絡線及び主巻線部を同時に形成することを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項8に記載の電機子の製造方法において、
3つのフライヤを備え、この3つのフライヤを等角度間隔にて配置してそれぞれ前記短絡線及び主巻線部を同時に形成することを特徴とする電機子の製造方法。
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