JP2005341654A - 電機子及びその製造方法 - Google Patents

電機子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005341654A
JP2005341654A JP2004153533A JP2004153533A JP2005341654A JP 2005341654 A JP2005341654 A JP 2005341654A JP 2004153533 A JP2004153533 A JP 2004153533A JP 2004153533 A JP2004153533 A JP 2004153533A JP 2005341654 A JP2005341654 A JP 2005341654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
armature
winding
short
segment
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004153533A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazushi Sugishima
一志 杉島
Hiroshi Kaneko
洋 金子
Toshio Fujiwara
利雄 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd filed Critical Asmo Co Ltd
Priority to JP2004153533A priority Critical patent/JP2005341654A/ja
Publication of JP2005341654A publication Critical patent/JP2005341654A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Current Collectors (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Dc Machiner (AREA)

Abstract

【課題】部品点数を低減するとともに、製造コストの低減を図ることができる電機子の製造方法を提供する。
【解決手段】電機子の製造方法は、各セグメント13の結線爪に順次巻線を結線して、隣接する結線爪(セグメント14)に巻線を掛け渡して短絡線16を連続的に形成する結線工程と、結線工程の終端部を巻き始めとして主巻線部9を形成する巻回工程と、巻回工程の後、結線工程にて隣接する結線爪(セグメント14)に掛け渡された不要部19を切断する切断工程とを有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電機子及びその製造方法に関するものである。
ブラシ付き直流モータにおいて、マグネットの磁極数を多極化する際、マグネットの磁極数と同数のブラシが必要になるが、特許文献1に開示されているモータのように、同極となるセグメント間に短絡回路を設けてブラシ数を低減することが可能である。つまり、短絡回路により接続されたセグメント同士の一方にブラシを摺接させることで、これらセグメントに同時に電流が供給されるため、少ないブラシ数で磁極数の多いモータを構成することができる。
このような短絡回路としては、従来では、短絡線を同極となるセグメント間に施す方法(例えば特許文献2参照)、或いは、整流子内部に短絡回路を一体化する方法(例えば特許文献3参照)が用いられている。
特開2001−69723号公報 特開2000−60050号公報 特開2000−60073号公報
しかしながら、電機子に短絡線を付加する際の加工は単独で行われるため、そのための設備や工程が必要となる。このため、設備増加、及び製造工程が煩雑となることによる生産性低下により、コスト上昇を招くという問題がある。また、短絡線は巻線部よりも先に敷設されるため、各セグメントの結線部に不安定な状態で係留され、線抜け不良が生じ易い。このため、結線爪を確実に接続するための作業は煩雑となる。
また、巻線部から延びる端部を短絡線とする場合、ダブルフライヤを用いると同一セグメント間に2本の重複した短絡線が接続されてしまい、結線部に係留される巻線端部の本数が増加する。すると、結線部の収まりが悪化してヒュージング加工が難しくなる。
一方、短絡回路を整流子に内蔵する場合、部品点数の増加によりコスト上昇を招くとともに、構造の複雑化及びモータの大型化を招く。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数を低減するとともに、製造コストの低減を図ることができる電機子及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数のティースを有する電機子コアと、陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される複数のセグメントを有する整流子と、所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、を備えた電機子であって、少なくとも1個の前記セグメントにおいて、前記渡り線と前記短絡線とが連続するように形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、複数のティースを有する電機子コアと、陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される3n個(nは整数)のセグメントを有する整流子と、所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、を備えた電機子であって、3個の前記セグメントにおいて、前記渡り線と前記短絡線とが連続するように形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電機子において、前記各主巻線部の渡り線は、第1のセグメントと、該第1のセグメントに隣接するセグメントに対向配置された第2のセグメントとに接続され、前記第1及び第2のセグメントに接続される渡り線はお互いに交差するように設けられたことを特徴とする電機子。
請求項4に記載の発明は、複数のティースを有する電機子コアと、陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される複数のセグメントを有する整流子と、所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、を備えた電機子の製造方法であって、前記各セグメントの結線爪に順次巻線を結線し、隣接する結線爪に巻線を掛け渡して前記短絡線を連続的に形成する結線工程と、前記結線工程の終端部を巻き始めとして前記主巻線部を形成する巻回工程と、前記巻回工程の後、前記結線工程にて隣接する結線爪に掛け渡された巻線を切断する切断工程と、を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電機子の製造方法において、前記巻回工程の後、前記切断工程の前に、前記各セグメントに結線された短絡線及び渡り線を前記結線爪に接続する接続工程を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の電機子の製造方法において、前記巻回工程では、前記渡り線は、第1のセグメントと、該第1のセグメントに隣接するセグメントに対向配置された第2のセグメントとに接続され、前記第1及び第2のセグメントに接続される渡り線はお互いに交差するように設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のうち何れか1項に記載の電機子の製造方法において、フライヤを備え、該フライヤにて1本の巻線により連続して前記短絡線及び前記主巻線部を形成することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項4〜6のうち何れか1項に記載の電機子の製造方法において、複数のフライヤを備え、各フライヤにてそれぞれ前記短絡線及び主巻線部を同時に形成することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の電機子の製造方法において、3つのフライヤを備え、この3つのフライヤを等角度間隔にて配置してそれぞれ前記短絡線及び主巻線部を同時に形成することを特徴とする。
(作用)
請求項1,2に記載の発明によれば、同じ磁極とする2個のセグメント同士が短絡線により短絡されており、陽極側給電ブラシ又は陰極側給電ブラシが摺接されると2個のセグメントに各磁極の電源が供給されるため、電機子に摺接させるブラシ数を低減することができる。
また、主巻線部は短絡線に連続して形成されているため、主巻線部を形成するための巻線機を用いて短絡線が形成される。つまり、短絡線を設けるための設備が必要ないため、設備の増加やそれに伴う製造工程の増加を抑制して生産性を向上し、低コスト化を図ることができる。
請求項3,6に記載の発明によれば、各主巻線部の渡り線が第1のセグメントと該第1のセグメントに隣接するセグメントに対向配置された第2のセグメントとに接続されるため、それらが隣り合うセグメントに接続される場合と比較して、渡り線の長さが短縮される。また、各主巻線部の渡り線はお互いに交差するように設けられるため、渡り線は回転シャフトに近づけられる。このため、渡り線が交差されない場合と比較して、回転シャフトと渡り線との間に形成される空間(デッドスペース)が低減される。従って、電機子と整流子との間のコイルエンドをコンパクトに収めることができ、電機子を小型化することができる。また、製造時の電機子のインデックス角度を小さくすることができるため、加工時間を短縮することができる。
請求項4に記載の発明によれば、同じ磁極とする2個のセグメント同士が短絡線により短絡されており、陽極側給電ブラシ又は陰極側給電ブラシが摺接されると2個のセグメントに各磁極の電源が供給されるため、電機子に摺接させるブラシ数を低減することができる。
また、短絡線は各セグメントの結線爪に巻線が掛け渡されて連続的に形成されるため、主巻線部を形成するための巻線巻回機を用いて短絡線を形成することが可能となる。つまり、短絡線を設けるための設備が必要ないため、短絡線形成のための設備の増加やそれに伴う製造工程の増加を抑制して生産性を向上し、コスト低減を図ることができる。
更には、各セグメントの結線爪に順次巻線が結線され、隣接する結線爪間に巻線が掛け渡されて短絡線が連続的に形成された後、主巻線部が形成され、隣接する結線爪間に掛け渡された巻線が切断される。このため、各短絡線は結線爪間に掛け渡された巻線が切断されるまで結線爪に安定した状態で保持される。従って、結線爪の線抜け不良が抑制され、短絡線を確実に結線爪に接続することができる。また、連続して形成される短絡線は隣接する結線爪間に掛け渡されるため、切断工程において切断される部位は露出される。このため、切断作業を容易に行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、連続して形成された短絡線間の巻線は短絡線が結線爪に接続されてから切断されるため、短絡線は確実に結線爪に接続される。
請求項7に記載の発明によれば、簡易な構成により電機子を製造することができる。
請求項8に記載の発明によれば、同時に複数の短絡線及び主巻線部を形成することで、製造時間を短くし生産性を向上することができる。
請求項9に記載の発明によれば、均等な割付角で同時に短絡線及び主巻線部を形成するため、これらを形成する際の電機子の回転バランスが向上する。
本発明によれば、部品点数の低減を図るとともに、製造コストの低減を図ることができる電機子及びその製造方法を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図9に従って説明する。
図1に示すように、直流モータ1はモータハウジング2を有し、該モータハウジング2内に電機子3が収容されている。
モータハウジング2は有底円筒状に形成されたヨーク2aと、該ヨーク2aの開口を閉塞するエンドフレーム2bとを有し、その内周面には電機子3を囲むように複数のマグネット4が配置されている。図2に示すように、本実施形態の直流モータ1は断面円弧状をなす4つのマグネット4を有し、それらマグネット4は隣接する磁極が異極となるようにモータハウジング2の周方向において等間隔に配置されている。つまり、マグネット4の極数は「4」となっている。図1に示すように、このヨーク2aの底部中央とエンドフレーム2bの中央には軸受5,6がそれぞれ保持され、各軸受5,6は電機子3の回転シャフト7を回転可能に支持する。
電機子3は、回転シャフト7、電機子コア8、主巻線部9及びコンミテータ(整流子)10を有し、回転シャフトには電機子コア8が固定されている。電機子コア8は、図4に示すように、放射状に延びる複数のティース11を有している。周方向に隣り合うティース11間で形成される空間はスロット12を構成し、該スロット12に巻線が配置される。ここで、各ティース11に対して、ティース番号(ティースNo)を時計回り方向に「1」〜「12」と付すことにする。
回転シャフト7には、該回転シャフト7と一体回転するようにコンミテータ10が固定されている。コンミテータ10は円筒状に形成され、その外周面には回転シャフト7の軸方向に沿って延びる複数(図2では12個)のセグメント(整流子片)13が設けられており、それらセグメントは、図2に示すようにコンミテータ10の周方向において等間隔に配置されている。ここで、各セグメント13に対しても、セグメント番号(セグメントNo)を時計回り方向に「1」〜「12」と付すことにする(図3参照)。尚、以下には、「セグメント番号」及び「ティース番号」は、ともに「番号」と記すことにする。また、図1に示すように、各セグメント13はそれぞれ結線爪14を有しており、各結線爪14には短絡線16(図3参照)及び主巻線部9(図4参照)が接続されている。尚、これら結線爪14にはセグメント13と同じ番号が付される。
先ず、短絡線16について説明する。
図3に示すように、短絡線16は、所定角度(本実施形態では180°)を有して配置される2つの結線爪14(セグメント13)に接続されている。詳しくは、図3に示すように、番号「1」の結線爪14と番号「7」の結線爪14が短絡線16aにより接続され、番号「6」の結線爪14と番号「12」の結線爪14が短絡線16bにより接続され、番号「11」の結線爪14と番号「5」の結線爪14が短絡線16cにより接続されている。そして、番号「4」の結線爪14と番号「10」の結線爪14が短絡線16dにより接続され、番号「9」の結線爪14と番号「3」の結線爪14が短絡線16eにより接続され、番号「2」の結線爪14と番号「8」の結線爪14が短絡線16fにより接続されている。尚、番号「8」の結線爪14に結線された短絡線16fの終端部は主巻線部9の巻き始めとされる。
次に、主巻線部9について説明する。
図4に示すように、主巻線部9は、2個のセグメント13(結線爪14)に結線された渡り線17と、該渡り線17を両端として少なくとも1つ以上のティース11にそれぞれ所定回数巻回された巻線部18とを有する。巻線部18は複数(本実施形態では3つ)のティース11(スロット12)間に跨って巻回、所謂分布巻にて巻回されている。本実施形態では、電機子3を構成する主巻線部9(渡り線17及び巻線部18)は、図3における短絡線16fの一端側から連続して形成されており、この番号「8」のセグメント13(結線爪14)を開始位置として1本の巻線が順次各ティース11に巻回されて形成されている。
各主巻線部9の渡り線17は、開始位置とされる結線爪14(第1のセグメント13)と、該結線爪14に隣接する結線爪14に対向配置された結線爪14(第2のセグメント13)とに接続されている。そして、それぞれの結線爪14に接続される渡り線17はお互いに交差するように設けられている。
詳しくは、番号「8」のセグメント13から番号「1」のティース11まで渡り線17aが渡され、番号「1」と番号「11」とのティース11間で巻線が巻回されて巻線部18aが形成され、番号「11」のティース11から番号「3」のセグメント13まで渡り線17aが渡されている。次いで、番号「3」のセグメント13から番号「8」のティース11まで渡り線17bが渡され、番号「8」と番号「6」とのティース11間で巻線が巻回されて巻線部18bが形成され、番号「6」のティース11から番号「10」のセグメント13まで渡り線17bが渡されている。次いで、番号「10」のセグメント13から番号「3」のティース11まで渡り線17cが渡され、番号「3」と番号「1」とのティース11間で巻線が巻回されて巻線部18cが形成され、番号「1」のティース11から番号「5」のセグメント13まで渡り線17cが渡されている。次いで、番号「5」のセグメント13から番号「10」のティース11まで渡り線17dが渡され、番号「10」と番号「8」とのティース11間で巻線が巻回されて巻線部18dが形成され、番号「8」のティース11から番号「12」のセグメント13まで渡り線17dが渡されている。そして、これらを繰り返して、全部のセグメント13及び全部のティース11に対して巻線が巻装されて、巻線部18が構成されている。
尚、各渡り線17a〜17dは各セグメント13が備える結線爪14に掛けられ、後述する接続工程によって結線爪14と接続されている。また、巻線部18a〜18dは、図4では単に複数のティース11に掛けられた線として示してあるが、実際には所定回数(例えば10回)ティース11に巻回されている。
上記コンミテータ10には、図2に示すように、互いに所定角度(本実施形態では90°)を有して配置される陽極側給電ブラシ15aと陰極側給電ブラシ15bとがそれぞれ摺接される。ブラシ15aは例えば図示しない電源のプラス端子に接続され、ブラシ15bは例えば図示しない電源のマイナス端子に接続されている。
上述したように、所定角度(本実施形態では180°)を有して配置されるセグメント13同士は、短絡線16により接続されている。尚、図2には、陽極側給電ブラシ15aが摺接するセグメント13aと該セグメント13aに対向配置されたセグメント13bとを接続する短絡線16と、陰極側給電ブラシ15bが摺接するセグメント13cと該セグメント13cに対向配置されたセグメント13dとを接続する短絡線16を示す。
このため、陽極側給電ブラシ15aからセグメント13a,13bを介して主巻線部9に電源が供給され、陰極側給電ブラシ15bからセグメント13c,13dを介して主巻線部9に電源が供給される。つまり、各ブラシ15a,15bからそれぞれ2つのセグメント13に電源が供給されて、2個のブラシにより4極の電機子3が構成される。そして、セグメント13を介して主巻線部9に電源が供給されると、直流モータ1(電機子3)が回転し、この回転に伴って、コンミテータ10に対する各ブラシ15a,15bの接触する位置が順次移動することで、該モータ1の回転が継続するようになっている。
次に、上記の電機子3の製造方法について説明する。
電機子3は、回転シャフト7に電機子コア8及びコンミテータ10が装着された後、結線工程、巻回工程、接続工程及び切断工程が順次実行されて製造される。図5には、本実施形態の電機子3における短絡線16及び主巻線部9(渡り線17及び巻線部18)の展開図を示す。
電機子3への巻線(短絡線16及び主巻線部9)の巻装は、図6に示すような公知の巻線巻回装置50により行われる。巻線巻回装置50は、電機子3を回転させながら巻線51を供給することで、短絡線16及び主巻線部9を形成する。また、図6に示すように、巻線巻回装置50は、フライヤ52を回転させながら巻線51を供給することで、所定のティース11(スロット12)間に巻線51を巻回する。このとき、巻線巻回装置50はサイドフォーマ53を備えており、このサイドフォーマ53は電機子コア8の周囲に配設されて電機子コア8の所定箇所を被覆するため、サイドフォーマ53に被覆されることで形成された隙間に前記巻線51が誘導されて巻線51が巻回される。
先ず、結線工程では、各セグメント13の結線爪14に順次巻線が結線され、隣接する結線爪14に巻線が掛け渡されて短絡線16が連続的に形成される。尚、この結線工程においては、巻線巻回装置50は、電機子3を回転させながら巻線51を供給して連続的に短絡線16を形成する。
詳しくは、図7(a)に示すように、開始位置である番号「1」の結線爪14(セグメント13)に巻線の端部が巻き付けられ、その巻線が番号「7」の結線爪14まで渡されて短絡線16aが形成され、該短絡線16aに連続して、番号「7」の結線爪14から隣り合わせの番号「6」の結線爪14に渡される(図7(b)参照)。このとき、番号「6」と番号「7」の結線爪14の間には不要部19が形成される。
その後、番号「6」の結線爪14に対向配置された番号「12」の結線爪14まで短絡線16bが渡されて、該短絡線16bに連続して、番号「12」の結線爪14から隣り合わせの番号「11」の結線爪14に渡される。このとき、番号「11」と番号「12」の結線爪14の間には不要部19が形成される。
その後、番号「11」の結線爪14に対向配置された番号「5」のセグメント13まで短絡線16cが渡される。このようにして、順次巻線が各結線爪14(セグメント13)に掛け渡される。具体的には、番号「5」、番号「4」、番号「10」、番号「9」、番号「3」、番号「2」、番号「8」の順に、各結線爪14に巻線が掛けられて、1本の巻線により連続した状態の短絡線16a〜16f(図3参照)が形成される。尚、連続して短絡線16が形成されることにより、隣り合う結線爪14(セグメント13)間においてそれぞれ不要部19が形成される。つまり、図3及び図5に示すように、番号「2」と番号「3」のセグメント13間、番号「4」と番号「5」のセグメント13間、番号「6」と番号「7」のセグメント13間、番号「9」と番号「10」のセグメント13間、番号「11」と番号「12」のセグメント13間にそれぞれ不要部19が形成される。
この結線工程においては、巻線51が各セグメント13の結線爪14に引っ掛けられることで短絡線16が連続的に形成されるため、短絡線16が結線爪14から外れないので、巻線51を各結線爪14に巻き付けなくてもよく、その分、工程に要する時間が巻き付ける場合に比べて短縮される。
次に、巻回工程では、上記結線工程の終端部、即ち番号「8」のセグメント13(結線爪14)を巻き始め位置として、主巻線部9(渡り線17及び巻線部18)が形成される。つまり、結線工程で巻回された巻線51がそのまま継続して各ティース11に巻回されて主巻線部9が形成される。具体的には、番号「8」のセグメント13を巻き始め位置として、図4及び図5に示したように巻線が巻回されて、渡り線17a〜17d及び巻線部18a〜18dが形成される。尚、この巻回工程においては、巻線巻回装置50は、電機子3を回転させながら巻線51を供給して渡り線17を形成するとともに、所定位置で停止してフライヤ52を回転させて3つのティース11間に巻線51を巻回し巻線部18を形成する。
詳しくは、図4に示すように、先ず、番号「8」のセグメント13において前記短絡線16fに連続する渡り線17aが、番号「1」のティース11まで渡されて、第1の巻線部18aが形成される。そして、第1の巻線部18aの巻き終りの渡り線17aが番号「3」のセグメント13まで渡されてその結線爪14に結線される。次いで、番号「3」のセグメント13から番号「8」のティース11まで渡り線17b渡されて、第2の巻線部18bが形成される。そして、第2の巻線部18bの巻き終りの渡り線17bが番号「10」のセグメント13まで渡されてその結線爪14に結線される。同様に、すべてのセグメント13に対してこのような作業が順次繰り返された後、最初の結線爪14に巻線が結線されて電機子コア8への巻装作業が終了する。これにより、複数の巻線部18を有する主巻線部9が形成される。
ところで、上述したように、各主巻線部9において、巻線部18の両端部の渡り線17は、第1のセグメント13と、該第1のセグメント13に隣接するセグメント13に対向配置された第2のセグメント13とに接続されている。具体的には、例えば、第2の巻線部18bの場合、図8に示すように、第2の巻線部18bの一方の渡り線17bは番号「3」のセグメント13の結線爪14に結線され、他方の渡り線17bは番号「10」のセグメント13の結線爪14に結線されている。
従来のモータであれば、主巻線部9の一方の渡り線17が番号「3」のセグメント13に接続されれば、他方の渡り線17はこのセグメント13に隣接する例えば番号「4」のセグメント13に接続される。しかし、本実施形態においては、番号「4」のセグメント13と番号「10」のセグメント13とは短絡線16dにより接続されているため、渡り線17が番号「10」のセグメント13と接続されれば、巻線部18は番号「4」のセグメント13にも接続されることとなる。
仮に、巻線部の両端部が番号「3」のセグメント13と番号「4」のセグメント13とに接続される場合、従来ショートα結線方式或いはロングα結線方式等が用いられる。
ロングα結線方式は、図15(a)に示すように、巻線61の巻き始めと巻き終りを、巻回する2つのティース62の範囲外に巻回した後に隣接する2つの結線爪63に結線するものである。詳述すると、結線爪63に巻線61を結線し、所定のティース62間を複数回巻回し、回転シャフト64に渡り線65を巻き付けて隣の結線爪63に結線することを順次繰り返す。このロングα結線方式を行うと、図15(b)に示すようにティース62から結線爪63(セグメント)への渡り線65は回転シャフト64に巻き付けた後結線されているので、渡り線65が長くなり、モータが大型化してしまう。
一方、ショートα結線方式は、図16(a)に示すように、巻線71を巻回する2つのティース72間に存在し、隣接する2つの結線爪73に、巻線71の巻き始めと巻き終りを結線するものである。詳述すると、先ず結線爪73(セグメント)に巻線71を結線し、所定のティース72間を複数回巻回し、最初の結線爪73と巻線71の巻回方向に隣接する結線爪73に結線する。その後、次の所定のティース72間を複数回巻回し、その隣の結線爪73に結線していくということを順次繰り返す。このショートα結線方式を行うと、図16(b)に示すように渡り線75が回転シャフト74から離間し、巻線71に対するデッドスペースDが形成される。このデッドスペースDが、巻線71をティース72に巻回する際に電機子コアの両端面にできる巻線71の盛り上がり部を邪魔する。このため、ティース72に巻線71を所定回数巻回できなくなり、占積率が低下する。
この点、本実施形態の方法により主巻線部9を巻回すれば、図8(a)に示すように、渡り線17はロングα結線方式よりも手前の位置にあるセグメント13に結線されるため、ロングα結線方式により形成されるよりも短縮される。また、ロングα結線方式の場合と比較して、渡り線17が結線される結線爪14間の角度は小さくなるため、巻線巻回装置50による電機子3のインデックス角度が小さくなり、その加工時間が短縮される。
また、渡り線17がお互いに交差するように設けられるため、図8(b)に示すように、渡り線17は回転シャフト7に巻き付けられ、ショートα結線方式の場合と比較してこの間に形成されるデッドスペースDが低減される。
そして、接続工程では、各セグメント13に結線された短絡線16及び渡り線17が、抵抗溶接等により結線爪14に接続される。
その後、切断工程では、上記結線工程にて隣接する結線爪14に掛け渡された巻線(不要部19)が切断される。上述したように結線工程の後に巻回工程が施されるため、図9(a)に示すように、各結線爪14においては前記短絡線16及び不要部19の上側から渡り線17が結線される。しかし、上記結線工程では、連続して形成される短絡線16は隣り合う結線爪14に掛け渡されて形成されるため、この間の巻線(不要部19)は露出されている。このため、例えば図9(b)に示すようにカッターKにより容易に不要部19の切断を行うことができる。各不要部19が切断されると、図3に示すように各結線爪14を短絡する短絡線16a〜16fが形成される。
上記したように、本実施形態によれば以下の効果を有する。
(1)本実施形態では、同じ磁極とする2個のセグメント13同士が短絡線16により短絡されるため、陽極側給電ブラシ15a又は陰極側給電ブラシ15bを摺接させることで、2個のセグメント13に各磁極の電源が供給されるため、電機子3に摺接されるブラシ数を低減することができる。
(2)本実施形態では、結線爪14に順次巻線を掛け渡すことにより連続的に短絡線16が形成されるため、主巻線部9を形成する巻線巻回装置50を用いて短絡線16を形成することができる。このため、短絡線16を設けるための設備の増加やそれに伴う製造工程の増加が抑制され、生産性を向上してコスト低減を図ることができる。
(3)本実施形態では、各セグメント13の結線爪14に順次巻線が結線されて連続的に短絡線16が形成された後、主巻線部9が形成されて、その後、短絡線16間の隣接する結線爪14に掛け渡された巻線(不要部19)が切断される。これにより、各短絡線16は不要部19が切断されるまで結線爪14に安定した状態で保持されるため、短絡線16を結線爪14に容易に確実に接続することができる。
(4)本実施形態では、連続して形成される短絡線16は隣接する結線爪14間に掛け渡されるため、切断工程において切断される部位(不要部19)は露出される。このため、切断作業を容易に行うことができる。
(5)本実施形態では、各主巻線部9を構成する2本の渡り線17は、第1のセグメント13と、該第1のセグメント13に隣接するセグメント13に対向配置された第2のセグメント13とに接続されるため、これら渡り線を隣接するセグメント13に接続する場合と比較して、渡り線17の長さが短縮される。つまり、電機子コア8とコンミテータ10との間に配設される渡り線17の長さが短縮されるため、この部分をコンパクトに収め、直流モータ1を軸方向に小型化することができる。
(6)本実施形態では、各主巻線部9を構成する2本の渡り線17は、お互いに交差するように設けられるため、両渡り線17は回転シャフト7に巻き付けられる。このため、回転シャフト7と渡り線17との間に形成されるデッドスペースを低減することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図10〜図14に従って説明する。
尚、本実施の形態は、電機子3に対する巻線方法が上記第1実施形態と異なっているため、第1実施形態と同じ構成部材については説明及び図面を省略する。尚、本実施形態の結線爪14(セグメント13)には、短絡線26(図10参照)及び主巻線部30(図11参照)が接続されており、主巻線部30は渡り線27と巻線部28とを有する。
先ず、短絡線26について説明する。
図10に示すように、短絡線26は、所定角度(本実施形態では180°)を有して配置される2つの結線爪14(セグメント13)に接続されている。詳しくは、番号「1」の結線爪14と番号「7」の結線爪14が短絡線26aにより接続され、番号「6」の結線爪14と番号「12」の結線爪14が短絡線26bにより接続され、番号「11」の結線爪14と番号「5」の結線爪14が短絡線26cにより接続されている。そして、番号「4」の結線爪14と番号「10」の結線爪14が短絡線26dにより接続され、番号「9」の結線爪14と番号「3」の結線爪14が短絡線26eにより接続され、番号「2」の結線爪14と番号「8」の結線爪14が短絡線26fにより接続されている。尚、番号「12」の結線爪14に結線された短絡線26b、番号「4」の結線爪14に結線された短絡線26d、及び番号「8」の結線爪14に結線された短絡線26fは、巻線部28の巻き始めとされる。
次に、主巻線部30について説明する。
図11に示すように、主巻線部30は、2個のセグメント13に結線された渡り線27と、該渡り線27を両端として少なくとも1つ以上のティース11にそれぞれ所定回数巻回された巻線部28とを有する。巻線部28は複数(本実施形態では3つ)のティース11(スロット12)間に跨って巻回、所謂分布巻にて巻回されている。本実施形態では、電機子3を構成する主巻線部30(渡り線27及び巻線部28)は、図10における短絡線26b,26d,26fの一端側から連続して形成されており、この番号「12」、「4」、「8」のセグメント13(結線爪14)を開始位置として3本の巻線が順次各ティース11に巻回されて形成されている。尚、図11においては番号「12」の結線爪14(セグメント13)から連続して形成される主巻線部30のみを示している。
各主巻線部30の渡り線27は、開始位置とされる結線爪14(第1のセグメント13)と、該結線爪14に隣接する結線爪14に対向配置された結線爪14(第2のセグメント13)とに接続されている。そして、それぞれの結線爪14に接続される渡り線17はお互いに交差するように設けられている。
詳しくは、番号「12」のセグメント13から番号「5」のティース11まで渡り線27aが渡され、番号「5」と番号「3」とのティース11間で巻線が巻回されて巻線部28aが形成され、番号「3」のティース11から番号「7」のセグメント13まで渡り線27aが渡されている。次いで、番号「7」のセグメント13から番号「12」のティース11まで渡り線27bが渡され、番号「12」と番号「10」とのティース11間で巻線が巻回されて巻線部28bが形成され、番号「10」のティース11から番号「2」のセグメント13まで渡り線27bが渡されている。次いで、番号「2」のセグメント13から番号「7」のティース11まで渡り線27cが渡され、番号「7」と番号「5」とのティース11間で巻線が巻回されて巻線部28cが形成され、番号「5」のティース11から番号「9」のセグメント13まで渡り線27cが渡されている。次いで、番号「9」のセグメント13から番号「2」のティース11まで渡り線27dが渡され、番号「2」と番号「12」とのティース11間で巻線が巻回されて巻線部28dが形成され、番号「12」のティース11から番号「4」のセグメント13まで渡り線27dが渡されている。
図示は省略するが、同様に、番号「8」及び番号「4」のセグメント13を開始位置としてそれぞれ4つの主巻線部30が形成される。そして、全部のセグメント13及び全部のティース11に対して巻線が巻装されて、巻線部28が構成されている。
尚、各渡り線27a〜27dは各セグメント13が備える結線爪14に掛けられ、第1実施形態と同様に接続工程によって結線爪14と接続されている。また、巻線部28a〜28dは、図4では単に複数のティース11に掛けられた線として示してあるが、実際には所定回数(例えば10回)ティース11に巻回されている。
次に、上記の電機子3の製造方法について説明する。
電機子3は、上記第1実施形態と同様に、回転シャフト7に電機子コア8及びコンミテータ10が装着された後、結線工程、巻回工程、接続工程及び切断工程が順次実行されて製造される。図12には、本実施形態の電機子3における短絡線26及び主巻線部30(渡り線27及び巻線部28)の展開図を示す。
電機子3への巻線(短絡線26、渡り線27及び巻線部28)の巻装は、図13に示すように3つの巻線巻回装置50を用いて行われる。これら3つの巻線巻回装置50は、電機子コア8(電機子3)に対して等角度間隔(本実施形態では120°間隔)にて配置される。そして、各巻線巻回装置50から同時に巻線51が供給される。このように、電機子3に対して均等な割付角で配置された巻線巻回装置50により巻線51が供給されるため、巻線巻装時の電機子3の回転バランスは安定する。
先ず、結線工程では、各セグメント13の結線爪14に順次巻線が結線され、隣接する結線爪14に巻線を掛け渡して短絡線26が連続的に形成される。尚、この結線工程においては、3つの巻線巻回装置50は、電機子3を回転させながら同時に巻線51を供給するものであり、それぞれ図14(a)〜図14(c)に示すように短絡線26を形成する。つまり、この結線工程では、3本の巻線51により連続する短絡線26が形成される。
詳しくは、1つ目の巻線巻回装置50により、図14(a)に示すように、開始位置である番号「1」の結線爪14に巻線の端部が巻き付けられ、その巻線が番号「7」の結線爪14まで渡されて短絡線26aが形成され、該短絡線26aに連続して、番号「7」のセグメント13から隣り合わせの番号「6」のセグメント13に渡される。このとき、番号「7」と番号「6」の結線爪14の間には不要部29が形成される。その後、番号「6」の結線爪14に対向配置された番号「12」の結線爪14まで短絡線26bが渡される。
同様に、2つ目の巻線巻回装置50により、図14(b)に示すように、開始位置である番号「5」の結線爪14に巻線の端部が巻き付けられ、その巻線が番号「11」の結線爪14まで渡されて短絡線26cが形成され、該短絡線26cに連続して、番号「11」のセグメント13から隣り合わせの番号「10」のセグメント13に渡される。このとき、番号「11」と番号「10」の結線爪14の間には不要部29が形成される。その後、番号「10」の結線爪14に対向配置された番号「4」の結線爪14まで短絡線26dが渡される。
同様に、3つ目の巻線巻回装置50により、図14(c)に示すように、開始位置である番号「9」の結線爪14に巻線の端部が巻き付けられ、その巻線が番号「3」の結線爪14まで渡されて短絡線26eが形成され、該短絡線26eに連続して、番号「3」のセグメント13から隣り合わせの番号「2」のセグメント13に渡される。このとき、番号「3」と番号「2」の結線爪14の間には不要部29が形成される。その後、番号「2」の結線爪14に対向配置された番号「8」の結線爪14まで短絡線26fが渡される。
このように、第2実施形態の結線工程の巻き終り位置は、番号「12」、「4」、「8」の結線爪14(セグメント13)とされる。
尚、3本の巻線によりそれぞれ連続して短絡線26が形成されることにより、隣り合う結線爪14間において不要部29が形成される。つまり、図12に示すように、番号「2」と番号「3」のセグメント13間、番号「6」と番号「7」のセグメント13間、番号「10」と番号「11」のセグメント13間にそれぞれ不要部29が形成される。本実施形態では短絡線26は3本の巻線により形成されるため、3箇所に不要部29が形成される。
次に、巻回工程では、上記結線工程の終端部、即ち番号「12」、「4」、「8」のセグメント13(結線爪14)を巻き始め位置として、主巻線部30(渡り線27及び巻線部28)が形成される。つまり、結線工程で巻回された3本の巻線51がそのまま継続して各ティース11に巻回されて主巻線部30が形成される。
具体的には、番号「12」のセグメント13を巻き始め位置として、上記第1実施形態と同様に、図11及び図12に示したように巻線が巻回されて、渡り線27a〜27d及び巻線部28a〜28dが形成される。そして、図示は省略するが、同様に、番号「4」、「8」のセグメント13を巻き始め位置として、渡り線27及び巻線部28が形成される。
尚、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、渡り線27が結線される結線爪14間の角度は小さくなるため、3つの各巻線巻回装置50による電機子3のインデックス角度が小さくなり、その加工時間が短縮される。
そして、接続工程では、各セグメント13に結線された短絡線26及び渡り線27が、抵抗溶接等により結線爪14に接続される。
その後、切断工程において、上記結線工程にて隣接する結線爪14に掛け渡された巻線(不要部29)が切断される。本実施形態では、短絡線26は3本の巻線により形成されているため、3箇所に切断箇所(不要部29が形成される個所)が形成されている。各不要部29が切断されると、図10に示すように各結線爪14を短絡する短絡線26a〜26fが形成される。
上記したように、本実施形態によれば以下の効果を有する。
(1)本実施形態では、複数(3つ)の巻線巻回装置50を用いて同時に短絡線26及び主巻線部30を形成するため、巻線作業が高速化され、生産性を向上することができる。
(2)本実施形態では、3つの巻線巻回装置50を電機子3に対して均等な割付(120°間隔)で配置して同時に巻線処理するため、巻線処理時の電機子3の回転バランスが安定し、電機子3の品質を向上することができる。
(3)本実施形態では、短絡線26は3本の巻線51を用いて形成されるため、結線工程において連続する短絡線26間に形成される不要部29は3箇所となる。このように、切断工程で切断する不要部29を比較的少なくすることができる。
(4)本実施形態では、短絡線26が重複して形成されることはなく、必要な本数のみ(1本)とすることができる。このため、各セグメント13の結線爪14における収まりが良好なものとされ、短絡線26を容易に確実に結線爪14に接続することができる。
(5)本実施形態では、各主巻線部30を構成する2本の渡り線27は、第1のセグメント13と、該第1のセグメント13に隣接するセグメント13に対向配置された第2のセグメント13とに接続されるため、これら渡り線を隣接するセグメント13に接続する場合と比較して、渡り線27の長さが短縮される。つまり、電機子コア8とコンミテータ10との間に配設される渡り線27の長さが短縮されるため、この部分をコンパクトに収め、直流モータ1を軸方向に小型化することができる。
(6)本実施形態では、各主巻線部30を構成する2本の渡り線27は、お互いに交差するように設けられるため、両渡り線27は回転シャフト7に巻き付けられる。このため、回転シャフト7と渡り線27との間に形成されるデッドスペースを低減することができる。
尚、本発明の上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記各実施形態では、電機子コア8のティース11(スロット数12)はそれぞれ12である場合について説明したが、ティース11の数はこれに何ら限定されず、素数以外の数(6,8,9,10,12,14,15,16,18,20,21,22,24…)であればティース11の数をいくつにしてもよい。
○上記各実施形態の切断工程において、不要部19,29をどのような方法で切断してもよい。また、不要部19,29を切断するのみでなく、この部分を除去してもよい。
○上記各実施形態の接続工程において、結線爪14に短絡線16及び渡り線17を固定する方法は抵抗溶接に限定されず、例えばカシメにより固定してもよい。
○上記各実施形態において、巻線巻回装置50のサイドフォーマ53を、可変フォーマとしてもよい。尚、ここで可変フォーマとは、径方向に進退可能な部材であり、巻線の巻回程度に伴って巻線の誘導を調整することができるものである。この可変フォーマを設ければ、スロット12の奥まで巻線を導くことができ、各スロット12において高占積化が可能となる。
一実施形態の回転電機の概略断面図。 回転電機の要部平面説明図。 第1実施形態の短絡線を示す説明図。 第1実施形態の主巻線部を示す説明図。 第1実施形態の短絡線及び主巻線部の展開図。 第1実施形態の製造工程の説明図。 (a)(b)は結線工程の説明図。 (a)(b)は巻回工程の説明図。 (a)(b)は切断工程の説明図。 第2実施形態の短絡線を示す説明図。 第2実施形態の主巻線部を示す説明図。 第2実施形態の短絡線及び主巻線部の展開図。 第2実施形態の製造工程の説明図。 (a)〜(c)は結線工程の説明図。 (a)(b)は従来のロングα結線方式の説明図。 (a)(b)は従来のショートα結線方式の説明図。
符号の説明
1…直流モータ、3…電機子、7…回転シャフト、8…電機子コア、9,30…主巻線部、10…コンミテータ(整流子)、11…ティース、13,13a,13b,13c,13d…セグメント、14…結線爪、15a…陽極側給電ブラシ、15b…陰極側給電ブラシ、16,16a〜16f,26,26a〜26f…短絡線、17,17a〜17d,27,27a〜27d…渡り線、18,18a〜18d,28,28a〜28d…巻線部、51…巻線、52…フライヤ。

Claims (9)

  1. 複数のティースを有する電機子コアと、
    陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される複数のセグメントを有する整流子と、
    所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、
    同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、
    前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、
    を備えた電機子であって、
    少なくとも1個の前記セグメントにおいて、前記渡り線と前記短絡線とが連続するように形成されていることを特徴とする電機子。
  2. 複数のティースを有する電機子コアと、
    陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される3n個(nは整数)のセグメントを有する整流子と、
    所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、
    同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、
    前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、
    を備えた電機子であって、
    3個の前記セグメントにおいて、前記渡り線と前記短絡線とが連続するように形成されていることを特徴とする電機子。
  3. 請求項1又は2に記載の電機子において、
    前記各主巻線部の渡り線は、第1のセグメントと、該第1のセグメントに隣接するセグメントに対向配置された第2のセグメントとに接続され、前記第1及び第2のセグメントに接続される渡り線はお互いに交差するように設けられたことを特徴とする電機子。
  4. 複数のティースを有する電機子コアと、
    陽極側給電ブラシ及び陰極側給電ブラシが摺接される複数のセグメントを有する整流子と、
    所定の2個の前記セグメントに接続された渡り線と該渡り線を両端として少なくとも1つ以上の前記ティースにそれぞれ所定回数巻回された巻線部とを有する主巻線部と、
    同じ磁極とする2個の前記セグメント同士を短絡する短絡線と、
    前記電機子コア及び前記整流子が装着された回転シャフトと、
    を備えた電機子の製造方法であって、
    前記各セグメントの結線爪に順次巻線を結線し、隣接する結線爪に巻線を掛け渡して前記短絡線を連続的に形成する結線工程と、
    前記結線工程の終端部を巻き始めとして前記主巻線部を形成する巻回工程と、
    前記巻回工程の後、前記結線工程にて隣接する結線爪に掛け渡された巻線を切断する切断工程と、
    を有することを特徴とする電機子の製造方法。
  5. 請求項4に記載の電機子の製造方法において、
    前記巻回工程の後、前記切断工程の前に、前記各セグメントに結線された短絡線及び渡り線を前記結線爪に接続する接続工程を有することを特徴とする電機子の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の電機子の製造方法において、
    前記巻回工程では、前記渡り線は、第1のセグメントと、該第1のセグメントに隣接するセグメントに対向配置された第2のセグメントとに接続され、前記第1及び第2のセグメントに接続される渡り線はお互いに交差するように設けられていることを特徴とする電機子の製造方法。
  7. 請求項4〜6のうち何れか1項に記載の電機子の製造方法において、
    フライヤを備え、該フライヤにて1本の巻線により連続して前記短絡線及び前記主巻線部を形成することを特徴とする電機子の製造方法。
  8. 請求項4〜6のうち何れか1項に記載の電機子の製造方法において、
    複数のフライヤを備え、各フライヤにてそれぞれ前記短絡線及び主巻線部を同時に形成することを特徴とする電機子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電機子の製造方法において、
    3つのフライヤを備え、この3つのフライヤを等角度間隔にて配置してそれぞれ前記短絡線及び主巻線部を同時に形成することを特徴とする電機子の製造方法。
JP2004153533A 2004-05-24 2004-05-24 電機子及びその製造方法 Pending JP2005341654A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004153533A JP2005341654A (ja) 2004-05-24 2004-05-24 電機子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004153533A JP2005341654A (ja) 2004-05-24 2004-05-24 電機子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005341654A true JP2005341654A (ja) 2005-12-08

Family

ID=35494607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004153533A Pending JP2005341654A (ja) 2004-05-24 2004-05-24 電機子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005341654A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008126834A1 (ja) * 2007-04-10 2008-10-23 Mabuchi Motor Co., Ltd. 小型モータ及びその製造方法
JP2009112145A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Mitsuba Corp 電動モータ
JP2009291024A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Takata Corp 電動機の巻線方法、電動機及びそれを備えたシートベルト装置
CN102651580A (zh) * 2011-02-25 2012-08-29 德昌电机(深圳)有限公司 引擎冷却系统及其冷却模组和电机
JP2012196042A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Mitsuba Corp 直流モータの巻線巻装方法、及び直流モータ
JP5462785B2 (ja) * 2008-03-28 2014-04-02 マブチモーター株式会社 Dcモータ
CN103872872A (zh) * 2012-12-18 2014-06-18 德昌电机(深圳)有限公司 永磁直流电机及应用该永磁直流电机的汽车引擎冷却模组
JP2016096615A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 アスモ株式会社 整流子の結線装置及び結線方法
DE102016103205A1 (de) 2015-02-27 2016-09-01 Asmo Co., Ltd. Kommutator, motor, und herstellungsverfahren für einen kommutator
CN107276341A (zh) * 2017-08-03 2017-10-20 温州北工汽车电器有限公司 一种全自动转子线圈绕线机

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62181651A (ja) * 1985-10-04 1987-08-10 Igarashi Denki Seisakusho:Kk 小型直流モ−タ、及びその巻線方法
JPH0398433A (ja) * 1989-08-29 1991-04-24 Philips Gloeilampenfab:Nv 電機子本体巻線方法
JP2000134873A (ja) * 1998-10-23 2000-05-12 Mitsubishi Electric Corp 回転電機及びその製造方法
JP2001103714A (ja) * 1999-09-30 2001-04-13 Mitsubishi Electric Corp 回転電機及びその製造方法
JP2001320862A (ja) * 2000-05-02 2001-11-16 Mitsubishi Electric Corp 回転電機
JP2002199685A (ja) * 2000-12-25 2002-07-12 Mitsubishi Electric Corp 回転電機
JP2002233123A (ja) * 2001-02-02 2002-08-16 Mitsubishi Electric Corp 回転電機

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62181651A (ja) * 1985-10-04 1987-08-10 Igarashi Denki Seisakusho:Kk 小型直流モ−タ、及びその巻線方法
JPH0398433A (ja) * 1989-08-29 1991-04-24 Philips Gloeilampenfab:Nv 電機子本体巻線方法
JP2000134873A (ja) * 1998-10-23 2000-05-12 Mitsubishi Electric Corp 回転電機及びその製造方法
JP2001103714A (ja) * 1999-09-30 2001-04-13 Mitsubishi Electric Corp 回転電機及びその製造方法
JP2001320862A (ja) * 2000-05-02 2001-11-16 Mitsubishi Electric Corp 回転電機
JP2002199685A (ja) * 2000-12-25 2002-07-12 Mitsubishi Electric Corp 回転電機
JP2002233123A (ja) * 2001-02-02 2002-08-16 Mitsubishi Electric Corp 回転電機

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008126834A1 (ja) * 2007-04-10 2008-10-23 Mabuchi Motor Co., Ltd. 小型モータ及びその製造方法
US8188632B2 (en) 2007-04-10 2012-05-29 Mabuchi Motor Co., Ltd. Miniature motor, and its manufacturing method
JP2009112145A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Mitsuba Corp 電動モータ
JP5462785B2 (ja) * 2008-03-28 2014-04-02 マブチモーター株式会社 Dcモータ
US8350420B2 (en) 2008-05-30 2013-01-08 Takata Corporation Winding method of electric motor, electric motor and seatbelt device provided therewith
JP2009291024A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Takata Corp 電動機の巻線方法、電動機及びそれを備えたシートベルト装置
CN102651580A (zh) * 2011-02-25 2012-08-29 德昌电机(深圳)有限公司 引擎冷却系统及其冷却模组和电机
JP2012196042A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Mitsuba Corp 直流モータの巻線巻装方法、及び直流モータ
CN103872872A (zh) * 2012-12-18 2014-06-18 德昌电机(深圳)有限公司 永磁直流电机及应用该永磁直流电机的汽车引擎冷却模组
US9774235B2 (en) 2012-12-18 2017-09-26 Johnson Electric S.A. Modified wave windings for electric motor
JP2016096615A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 アスモ株式会社 整流子の結線装置及び結線方法
DE102016103205A1 (de) 2015-02-27 2016-09-01 Asmo Co., Ltd. Kommutator, motor, und herstellungsverfahren für einen kommutator
US10074951B2 (en) 2015-02-27 2018-09-11 Asmo Co., Ltd. Commutator, motor, and manufacturing method of commutator
CN107276341A (zh) * 2017-08-03 2017-10-20 温州北工汽车电器有限公司 一种全自动转子线圈绕线机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4468393B2 (ja) 回転電機の電機子、電機子の巻線方法、及び回転電機
CN101635494B (zh) 电机转子及含有所述转子的电机
CN101411039B (zh) 用于旋转电机的绕组装置
US11594927B2 (en) Rotating electric machine and manufacturing method therefor
JP2009183114A (ja) 電動モータ
US12009714B2 (en) Rotating electric machine stator and rotating electric machine
JP2005341654A (ja) 電機子及びその製造方法
JP2007282451A (ja) 回転電機の電機子及びその製造方法
JP2009529854A (ja) 電気機械
JP2008136343A (ja) 直流モータのアーマチュア、直流モータ及び直流モータのアーマチュア巻線方法
KR101232883B1 (ko) 직류 모터의 회전자의 권선 방법
JP5399091B2 (ja) 直流モータ
JP2008099416A (ja) 電動モータ用アーマチュア、電動モータ及び電動モータ用アーマチュアの巻線方法
JP2008306912A (ja) 電動モータ用アーマチュア、および電動モータ
JP4961197B2 (ja) 直流モータのアーマチュア及び直流モータ
US11569697B2 (en) Rotary electric machine
JP6496229B2 (ja) 回転電機
US9825498B2 (en) Armature and armature manufacturing method
JP2010004597A (ja) ブラシ付モータ
JP7074557B2 (ja) 電動モータ
WO2017126381A1 (ja) モータ
JP2004088916A (ja) モータ
KR102476318B1 (ko) 직류 모터의 아마추어 권선 방법
EP3739735B1 (en) Motor
JP5714948B2 (ja) 直流モータの巻線巻装方法、及び直流モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060518

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Effective date: 20091221

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Written amendment

Effective date: 20100720

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20101207

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02