JP2005341406A - 送信方法および受信方法ならびにそれらを利用した無線装置 - Google Patents

送信方法および受信方法ならびにそれらを利用した無線装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ウエイトベクトルを導出する際の初期値を設定する。
【解決手段】 信号処理部14は、端末装置26に対する受信ウエイトベクトルと送信ウエイトベクトルを導出する。記憶部202は、信号処理部14で導出された受信ウエイトベクトルを記憶する。誤り検出部206は、端末装置26に対する伝送路の特性として、モデム部16で復調された信号に誤りが存在するか否かを検出する。選択部204は、記憶部202に記憶された受信ウエイトベクトルの中から、信号処理部14で導出される受信ウエイトベクトルと送信ウエイトベクトルの初期値を選択する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、送信技術および受信技術に関し、特に信号の送信および受信に必要なウエイトベクトルあるいはパラメータを導出する送信方法および受信方法ならびにそれらを利用した無線装置に関する。
ワイヤレス通信において、一般的に限りある周波数資源の有効利用が望まれている。周波数資源を有効利用するために、例えば同一の周波数の電波が可能な限り近い距離で繰り返し使用される。しかし、その場合、同一周波数を使用する近接の基地局装置等からの同一チャネル干渉によって、通信品質が劣化する。同一チャネル干渉による通信品質の劣化を防ぐ技術のひとつが、アダプティブアレイアンテナ技術である。
アダプティブアレイアンテナ技術では、複数のアンテナでそれぞれ受信された信号を異なる重み係数で重み付してから合成する。重み係数は、参照すべき信号と合成後の信号の間の誤差を小するように適応的に更新される。重み係数の適応的な更新のために、例えば、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムが使用される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−76744号公報
適応アルゴリズムの収束を高速にするために、アルゴリズムの初期値に既に計算した重み係数を使用する場合がある。一方、移動通信システムのうち、簡易型携帯電話システムはTDMAを使用しており、複数のタイムスロットで形成されたフレームが、連続的に繰り返されている。ひとつのフレームに含まれた複数のタイムスロットのうちで、下り回線に対応したひとつのタイムスロットと上り回線に対応したひとつのタイムスロットが、ひとつの端末装置に割り当てられている。具体的には、ひとつのフレームが8つのタイムスロットで構成されていれば、1番目から4番目のタイムスロットが上り回線に対応し、5番目から8番目のタイムスロットが下り回線に対応する。そのうちで、2番目のタイムスロットと6番目のタイムスロットがひとつの端末装置に割り当てられている。ここで、6番目のタイムスロットは下り回線のタイムスロットの先頭に相当した5番目のタイムスロットにもとづけば、下りタイムスロットの中で2番目のタイムスロットに対応する。さらに、端末装置に対する通信速度を高くする場合、下り回線と上り回線に対してそれぞれふたつ以上のタイムスロットを割り当てる。
以上のようなフレームの構成およびタイムスロットの構成において、アルゴリズムの初期値は、次のように設定される。ここでは、基地局装置での処理に関して説明する。受信処理に使用される重み係数(以下、「受信ウエイトベクトル」という)は、ひとつ前のフレームに含まれた同一のタイムスロットで計算された受信ウエイトベクトルを初期値として使用する。例えば、2番目のタイムスロットに対する受信ウエイトベクトルの初期値として、ひとつ前のフレームにおける2番目のタイムスロットで計算した受信ウエイトベクトルを使用する。これは、ひとつのフレームにおいて、複数の上り回線に対応したタイムスロットが割り当てられている場合も同様である。一方、送信処理に使用される重み係数(以下、「送信ウエイトベクトル」という)は、同一フレームにおける対応した上り回線のタイムスロットで計算された受信ウエイトベクトルを初期値として使用する。例えば、6番目のタイムスロットに対する送信ウエイトベクトルの初期値として、同一のフレームにおける2番目のタイムスロットで計算した受信ウエイトベクトルを使用する。これは、ひとつのフレームにおいて、複数の下り回線に対応したタイムスロットが割り当てられている場合も同様である。
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。一般的に、端末装置と基地局装置の間の無線伝送路は、時間の経過とともに連続的に変動する。そのため、受信ウエイトベクトルや送信ウエイトベクトルを導出するための適応アルゴリズムに使用される初期値は、より近いタイミングで計算された受信ウエイトベクトルを使用する方が好ましい。より近いタイミングであっても他の端末装置に対する受信ウエイトベクトルを初期値として使用できないが、ひとつのフレームにおいて上り回線に対応したタイムスロットと下り回線に対応したタイムスロットが複数割り当てられている場合は、前述した初期値よりも近いタイミングで計算された受信ウエイトベクトルが存在する。なお、これまで受信ウエイトベクトルと送信ウエイトベクトルについて説明を行ったが、AGCのゲインや周波数オフセットなどの受信処理に必要なパラメータについても同様である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウエイトベクトルなどのパラメータを高速にかつ最適な値で導出するために、アルゴリズムで使用すべき初期値を調節する送信方法および受信方法ならびにそれらを利用した無線装置を提供することにある。
本発明のある態様は、無線装置である。この装置は、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部と、端末装置に対する受信ウエイトベクトルを導出する受信ウエイトベクトル導出部と、導出した受信ウエイトベクトルを記憶する記憶部と、導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、端末装置から受信した信号を処理する処理部とを備える。この装置によれば、受信ウエイトベクトル導出部は、導出した伝送路の特性にもとづいて、記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値として受信ウエイトベクトルを導出してもよい。
以上の装置により、伝送路の特性に従って、既に導出した受信ウエイトベクトルの中からひとつを選択し、選択したひとつを初期値にして新たな受信ウエイトベクトルを導出するので、現在の伝送路の特性に適した初期値を使用できる。
導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算する計算部をさらに備え、伝送路特性導出部は、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、受信ウエイトベクトル導出部は、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを選択し、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを選択してもよい。伝送路特性導出部は、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、受信ウエイトベクトル導出部は、記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちから、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを選択してもよい。
「受信ウエイトベクトルの誤差」は、導出した受信ウエイトベクトルと所定の基準との差に相当する。ここで、所定の基準は、例えば受信した信号を含み、その正誤を問わず何らかの基準であればよいものとする。
「近いタイミング」とは、現在のタイミングに近いことを意味し、ここでは、記憶した受信ウエイトベクトルの中で、現在と近いタイミングで導出された受信ウエイトベクトルに対応したタイミングである。
本発明の別の態様も、無線装置である。この装置は、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部と、端末装置に対する受信ウエイトベクトルを導出する受信ウエイトベクトル導出部と、導出した受信ウエイトベクトルを記憶する記憶部と、導出した伝送路の特性にもとづいて、記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値として送信ウエイトベクトルを導出する送信ウエイトベクトル導出部と、導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、端末装置に信号を送信する送信部とを備える。
「送信ウエイトベクトルを導出」とは、受信ウエイトベクトルに所定の処理を施して、受信ウエイトベクトルを導出する場合だけでなく、受信ウエイトベクトルをそのまま送信ウエイトベクトルにする場合も含み、結果として送信ウエイトベクトルが導出されればよい。
以上の装置により、伝送路の特性に従って、既に導出した受信ウエイトベクトルの中からひとつを選択し、選択したひとつを初期値にして新たな送信ウエイトベクトルを導出するので、現在の伝送路の特性に適した初期値を使用できる。
本発明のさらに別の態様も、無線装置である。この装置は、複数のスロットによって形成されたひとつのフレームのうちの少なくともふたつのスロットを割り当てた端末装置から、当該少なくともふたつのスロットで信号を受信する受信部と、受信した信号から受信ウエイトベクトルを導出する受信ウエイトベクトル導出部と、導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、受信した信号を処理する処理部とを備える。この装置によれば、受信ウエイトベクトル導出部は、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中で、受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値として、受信ウエイトベクトルを導出してもよい。
以上の装置により、受信ウエイトベクトルを導出しようとするスロットから近いタイミングのスロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして、受信ウエイトベクトルを導出するので、両者の差を引き込む期間だけで、高速に受信ウエイトベクトルを導出できる。
受信部で受信した信号に対応したスロットを含んだフレームは、連続して配置されており、受信ウエイトベクトル導出部は、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中に、受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットが存在しない場合、当該フレームより前方のフレームに含まれたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値として、受信ウエイトベクトルを導出してもよい。
「受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中に、受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットが存在しない場合」は、端末装置に対するスロットのうちで、受信ウエイトベクトルを導出しようとしているスロットが当該フレームの先頭に配置されている場合である。
端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部をさらに備え、受信ウエイトベクトル導出部は、導出した伝送路の特性にもとづいて、受信した信号に対応したスロットより前方のスロットであって、かつ端末装置が信号を受信したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値として、受信ウエイトベクトルを導出してもよい。導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算する計算部をさらに備え、伝送路特性導出部は、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、受信ウエイトベクトル導出部は、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを初期値とし、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを初期値としてもよい。伝送路特性導出部は、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、受信ウエイトベクトル導出部は、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを初期値としてもよい。
本発明のさらに別の態様も、無線装置である。この装置は、複数のスロットによって形成されたひとつのフレームのうちの少なくともふたつのスロットを割り当てた端末装置から、当該少なくともふたつのスロットで信号を受信する受信部と、受信した信号から受信ウエイトベクトルを導出する受信ウエイトベクトル導出部と、導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、送信ウエイトベクトルを導出する送信ウエイトベクトル導出部と、導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中のスロットであって、かつ受信した信号に対応したスロットよりも後方に割り当てたスロットで、端末装置に信号を送信する送信部とを備える。この装置によれば、送信ウエイトベクトル導出部は、少なくともふたつのスロットのうち、端末装置に信号を送信すべきスロットに近いタイミングのスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値として、送信ウエイトベクトルを導出してもよい。
以上の装置により、受信ウエイトベクトルを導出しようとするスロットから近いタイミングのスロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして、送信ウエイトベクトルを導出するので、送信ウエイトベクトルの誤差が小さい。
端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部をさらに備え、送信ウエイトベクトル導出部は、導出した伝送路の特性にもとづいて、受信した信号に対応したスロットより前方のスロットであって、かつ端末装置が信号を受信したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値として、送信ウエイトベクトルを導出してもよい。導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算する計算部をさらに備え、伝送路特性導出部は、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、送信ウエイトベクトル導出部は、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを初期値とし、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを初期値としてもよい。伝送路特性導出部は、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、送信ウエイトベクトル導出部は、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを初期値としてもよい。
本発明のさらに別の態様も、無線装置である。この装置は、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部と、端末装置から受信した信号を処理するためのパラメータを導出するパラメータ導出部と、導出したパラメータを記憶する記憶部と、導出したパラメータにもとづいて、端末装置から受信した信号を処理する処理部とを備える。この装置によれば、パラメータ導出部は、導出した伝送路の特性にもとづいて、記憶部に記憶したパラメータのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値としてパラメータを導出してもよい。
「パラメータ」とは、例えば、周波数オフセットやゲイン係数であり、受信した信号を処理するために値を特定すべきものである。
以上の装置により、伝送路の特性に従って、既に導出したパラメータの中からひとつを選択し、選択したひとつを初期値にして新たなパラメータを導出するので、現在の伝送路の特性に適した初期値を使用できる。
導出したパラメータの誤差を計算する計算部をさらに備え、伝送路特性導出部は、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、パラメータ導出部は、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、記憶部に記憶したパラメータのうちで、近いタイミングに導出されたパラメータを選択し、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、記憶部に記憶したパラメータのうちで、誤差が小さいパラメータを選択してもよい。伝送路特性導出部は、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、パラメータ導出部は、記憶部に記憶したパラメータのうちから、誤りが存在しない信号に対応したパラメータを選択してもよい。
本発明のさらに別の態様も、無線装置である。この装置は、複数のスロットによって形成されたひとつのフレームのうちの少なくともふたつのスロットを割り当てた端末装置から、当該少なくともふたつのスロットで信号を受信する受信部と、受信した信号を処理するためのパラメータを導出するパラメータ導出部と、導出したパラメータにもとづいて、受信した信号を処理する処理部とを備える。この装置によれば、パラメータ導出部は、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中で、受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットでのパラメータを初期値として、パラメータを導出してもよい。
以上の装置により、パラメータを導出しようとするスロットから近いタイミングのスロットにおけるパラメータを初期値にして、パラメータを導出するので、両者の差を引き込む期間だけで、パラメータを導出できる。
受信部で受信した信号に対応したスロットを含んだフレームは、連続して配置されており、パラメータ導出部は、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中に、受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットが存在しない場合、当該フレームより前方のフレームに含まれたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットでのパラメータを初期値として、パラメータを導出してもよい。
端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部をさらに備え、パラメータ導出部は、導出した伝送路の特性にもとづいて、受信した信号に対応したスロットより前方のスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットでのパラメータを初期値として、パラメータを導出してもよい。導出したパラメータの誤差を計算する計算部をさらに備え、伝送路特性導出部は、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、パラメータ導出部は、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、近いタイミングに導出されたパラメータを初期値とし、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、誤差が小さいパラメータを初期値としてもよい。伝送路特性導出部は、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、パラメータ導出部は、誤りが存在しない信号に対応したパラメータを選択してもよい。
本発明のさらに別の態様は、受信方法である。この方法は、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出し、導出した伝送路の特性にもとづいて、既に導出した端末装置に対する受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値として受信ウエイトベクトルを導出し、導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて端末装置から受信した信号を処理する。
本発明のさらに別の態様は、送信方法である。この方法は、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出し、導出した伝送路の特性にもとづいて、既に導出した端末装置に対する受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値として送信ウエイトベクトルを導出し、導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて端末装置へ信号を送信する。
本発明のさらに別の態様は、プログラムである。このプログラムは、無線ネットワークを介して、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出するステップと、端末装置に対する受信ウエイトベクトルを導出するステップと、導出した受信ウエイトベクトルをメモリに記憶するステップと、導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、端末装置から受信した信号を処理するステップとを備える。このプログラムによれば、受信ウエイトベクトルを導出するステップは、導出した伝送路の特性にもとづいて、メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値として受信ウエイトベクトルを導出してもよい。
導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算するステップをさらに備え、伝送路の特性を導出するステップは、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、受信ウエイトベクトルを導出するステップは、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを選択し、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを選択してもよい。伝送路の特性を導出するステップは、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、受信ウエイトベクトルを導出するステップは、メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちから、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを選択してもよい。
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、無線ネットワークを介して、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出するステップと、端末装置に対する受信ウエイトベクトルを導出するステップと、導出した受信ウエイトベクトルをメモリに記憶するステップと、導出した伝送路の特性にもとづいて、メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値として送信ウエイトベクトルを導出するステップと、導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、端末装置に信号を送信するステップを備える。
導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算するステップをさらに備え、伝送路の特性を導出するステップは、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、送信ウエイトベクトルを導出するステップは、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを選択し、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを選択してもよい。伝送路の特性を導出するステップは、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、送信ウエイトベクトルを導出するステップは、メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちから、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを選択してもよい。
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、無線ネットワークを介して、複数のスロットによって形成されたひとつのフレームのうちの少なくともふたつのスロットを割り当てた端末装置から、当該少なくともふたつのスロットで信号を受信するステップと、受信した信号から受信ウエイトベクトルを導出してメモリに記憶するステップと、導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、受信した信号を処理するステップとを備える。このプログラムによれば、受信ウエイトベクトルを導出するステップは、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中で、受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択し、受信ウエイトベクトルを導出してもよい。
受信するステップで受信した信号に対応したスロットを含んだフレームは、連続して配置されており、受信ウエイトベクトルを導出するステップは、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中に、受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットが存在しない場合、当該フレームより前方のフレームに含まれたスロットであって、かつ端末装置から信号を受信したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択し、受信ウエイトベクトルを導出してもよい。
端末装置に対する伝送路の特性を導出するステップをさらに備え、受信するステップで受信した信号に対応したスロットを含んだフレームは、連続して配置されており、受信ウエイトベクトルを導出するステップは、導出した伝送路の特性にもとづいて、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームより前方のフレームに含まれたスロットであって、かつ受信した信号に対応したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択し、受信ウエイトベクトルを導出してもよい。導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算するステップをさらに備え、伝送路特性を導出するステップは、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、受信ウエイトベクトルを導出するステップは、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択し、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択してもよい。伝送路特性を導出するステップは、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、受信ウエイトベクトルを導出するステップは、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択してもよい。
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、無線ネットワークを介して、複数のスロットによって形成されたひとつのフレームのうちの少なくともふたつのスロットを割り当てた端末装置から、当該少なくともふたつのスロットで信号を受信するステップと、受信した信号から受信ウエイトベクトルを導出してメモリに記憶するステップと、導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、送信ウエイトベクトルを導出するステップと、導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中のスロットであって、かつ受信した信号に対応したスロットよりも後方に割り当てたスロットで、無線ネットワークを介して、端末装置に信号を送信するステップとを備える。このプログラムによれば、送信ウエイトベクトルを導出するステップは、少なくともふたつのスロットのうち、端末装置に信号を送信すべきスロットに近いタイミングのスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択し、送信ウエイトベクトルを導出してもよい。
端末装置に対する伝送路の特性を導出するステップをさらに備え、受信するステップで受信した信号に対応したスロットを含んだフレームは、連続して配置されており、送信ウエイトベクトルを導出するステップは、導出した伝送路の特性にもとづいて、受信した信号に対応したスロットを含んだフレームより前方のフレームに含まれたスロットであって、かつ受信した信号に対応したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択し、送信ウエイトベクトルを導出してもよい。導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算するステップをさらに備え、伝送路特性を導出するステップは、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、送信ウエイトベクトルを導出するステップは、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択し、導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択してもよい。伝送路特性を導出するステップは、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、送信ウエイトベクトルを導出するステップは、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを初期値としてメモリから選択してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、ウエイトベクトルなどのパラメータを高速にかつ最適な値で導出するために、アルゴリズムで使用すべき初期値を調節できる。
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例1は、端末装置を接続し、かつアダプティブアレイアンテナ技術を有した基地局装置に関する。実施例1では、通信システムとして簡易型携帯電話システムを想定するので、基地局装置は、複数の端末装置をTDMAによって多重化する。ここでは、フレームが連続して配置されており、さらにひとつのフレームに上り回線用のタイムスロットと下り回線用のタイムスロットがそれぞれ4つ配置されている。基地局装置は、ひとつの端末装置に対して上り回線用のタイムスロットと下り回線用のタイムスロットをそれぞれひとつ割り当てて、端末装置との間の通信を実行する。さらに、通信速度を向上するために、基地局装置は端末装置にひとつ以上のタイムスロットを割り当てる。ここでは、ひとつのフレームのうちで、上り回線用のタイムスロットと下り回線用のタイムスロットにそれぞれ対応した4つのタイムスロットの2番目と4番目のタイムスロット(以下、上り回線用のタイムスロットを「上りタイムスロット」といい、下り回線用のタイムスロットを「下りタイムスロット」という)をひとつの端末装置に割り当てているものとする。
実施例1に係る基地局装置は、アダプティブアレイアンテナ技術を有しているので、受信ウエイトベクトルや送信ウエイトベクトルを導出する。基地局装置は、ひとつのフレームの4番目の上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを適応アルゴリズムによって導出するが、その際の初期値として、同一のフレームの2番目の上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを使用する。また、ひとつのフレームの2番目の上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを導出する際の初期値として、ひとつ前のフレームの4番目の上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを使用する。なお、初期値にすべき上りタイムスロットのデータに誤りがあれば、さらに前の上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値とする。受信ウエイトベクトルを導出する際の初期値に対して、近いタイミングの上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを使用するので、適応アルゴリズムの収束が高速になる。
基地局装置は、ひとつのフレームの2番目と4番目の下りタイムスロットにおける送信ウエイトベクトルに受信ウエイトベクトルを使用するが、ここでは、同一のフレームの4番目の上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトル、すなわち近いタイミングの受信ウエイトベクトルを使用する。なお、送信ウエイトベクトルにすべき上りタイムスロットのデータに誤りがあれば、さらに前の上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを使用する。送信ウエイトベクトルに対して、近いタイミングの上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを使用するので、送信ウエイトベクトルが正確になる。
図1は、実施例1に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、基地局装置10、端末装置26、ネットワーク24を含む。また、基地局装置10は、アンテナ22と総称される第1アンテナ22a、第2アンテナ22b、第Nアンテナ22n、無線部12と総称される第1無線部12a、第2無線部12b、第N無線部12n、信号処理部14、モデム部16、ベースバンド部18、制御部20、記憶部202、選択部204、誤り検出部206を含む。また信号として、入力制御信号314、出力制御信号316、無線部制御信号318、モデム部制御信号320、ベースバンド部制御信号322を含む。
アンテナ22は、無線周波数の信号を送受信処理する。アンテナの指向性は任意でよく、アンテナ22のアンテナ数はNとされる。
無線部12は、後述の信号処理部14、モデム部16、ベースバンド部18で処理されるベースバンドの信号と無線周波数の信号間の周波数変換処理、増幅処理、ADまたはDA変換処理等を行う。ここで、無線部12で送受信される信号は前述のごとく複数のタイムスロットによって形成されたひとつのフレームが、連続して配置されている。端末装置26に対して、2番目と4番目の上りタイムスロットと2番目と4番目の下りタイムスロット、すなわち少なくともふたつのタイムスロットが割り当てられているものとする。そのため、無線部12は、2番目と4番目の上りタイムスロットで端末装置26から信号を受信する。
信号処理部14は、アダプティブアレイアンテナによる送受信処理に必要な信号処理を行う。すなわち、端末装置26に対する受信ウエイトベクトルと送信ウエイトベクトルを導出する。なお、これらの導出方法に関しては後述する。信号処理部14は、導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、端末装置26に割り当てた下りタイムスロットで端末装置26に信号を送信する。
モデム部16は、変調処理として、π/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の変調方式によって、送信すべき情報信号を変調する。また、復調処理として、受信信号を復調して、送信された情報信号を再生する。
ベースバンド部18は、ネットワーク24とのインターフェースであり、通信システム100で伝送の対象となる情報信号の送受信処理を行う。また、誤り訂正や自動再送処理がなされてもよいが、ここでは説明を省略する。
記憶部202は、信号処理部14で導出された受信ウエイトベクトルを記憶する。ここで、受信ウエイトベクトルは、出力制御信号316によって入力される。
誤り検出部206は、端末装置26に対する伝送路の特性として、モデム部16で復調された信号に誤りが存在するか否かを検出する。すなわち、端末装置26に割り当てたひとつの上りタイムスロットのデータに誤りが存在するか否かを検出する。誤り検出部206は誤りが存在すれば選択部204に通知する。
選択部204は、記憶部202に記憶された受信ウエイトベクトルの中から、信号処理部14で導出される受信ウエイトベクトルと送信ウエイトベクトルの初期値を選択する。受信ウエイトベクトルの初期値の選択について説明する。選択部204は、誤り検出部206での検出結果にもとづいて、記憶部202に記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値として信号処理部14に出力する。より具体的に説明すると、選択部204は、受信した信号に対応したタイムスロットを含んだフレームの中で、受信した信号に対応したタイムスロットよりも前方に割り当てたタイムスロットであって、かつ端末装置26から信号を受信したタイムスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値とする。すなわち、4番目の上りタイムスロットの初期値として、同一のフレームの2番目の上りタイムスロットの受信ウエイトベクトルを選択する。
また、受信した信号に対応したタイムスロットを含んだフレームの中に、受信した信号に対応したタイムスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ端末装置26から信号を受信したタイムスロットが存在しない場合、当該フレームより前方のフレームに含まれたタイムスロットであって、かつ端末装置26から信号を受信したタイムスロットでの受信ウエイトベクトルを選択する。すなわち、2番目の上りタイムスロットの初期値として、ひとつ前のフレームの4番目の上りタイムスロットの受信ウエイトベクトルを選択する。
なお、誤り検出部206での検出結果が誤りの存在を示していれば、記憶部202はさらに前のタイミングのタイムスロットに対応した受信ウエイトベクトルを選択する。例えば、4番目の上りタイムスロットの初期値を選択する場合に、同一のフレームの2番目の上りタイムスロットのデータに誤りがあれば、ひとつ前のフレームの4番目の上りタイムスロットの受信ウエイトベクトルを選択する。また、2番目の上りタイムスロットの初期値を選択する場合に、ひとつ前のフレームの4番目の上りタイムスロットのデータに誤りがあれば、当該フレームの2番目の上りタイムスロットの受信ウエイトベクトルを選択する。すなわち、選択部204は、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを初期値として選択する。選択部204は、前述のごとく選択した初期値を入力制御信号314として信号処理部14に出力し、信号処理部14は初期値から適応アルゴリズムによって受信ウエイトベクトルを導出する。
送信ウエイトベクトルの初期値の選択について説明する。選択部204は、誤り検出部206での検出結果にもとづいて、記憶部202に記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、選択したひとつを初期値として信号処理部14に出力する。より具体的に説明すると、選択部204は、複数の上りタイムスロットのうち、端末装置26に信号を送信すべき下りタイムスロットに近いタイミングの上りタイムスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値とする。すなわち、2番目と4番目の下りタイムスロットの初期値として、同一のフレームの4番目の上りタイムスロットの受信ウエイトベクトルを選択する。
なお、誤り検出部206での検出結果が誤りの存在を示していれば、記憶部202はさらに前のタイミングのタイムスロットに対応した受信ウエイトベクトルを選択する。例えば、2番目と4番目の下りタイムスロットの初期値を選択する場合に、同一のフレームの4番目の上りタイムスロットのデータに誤りがあれば、当該フレームの2番目の上りタイムスロットの受信ウエイトベクトルを選択する。すなわち、選択部204は、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを初期値として選択する。選択部204は、前述のごとく選択した初期値を入力制御信号314として信号処理部14に出力し、信号処理部14は初期値にもとづいて送信ウエイトベクトルを導出する。
制御部20は、無線部12、信号処理部14、モデム部16、ベースバンド部18のタイミングやチャネル配置を制御する。
図2は、実施例1に係るバーストフォーマットを示す。これは簡易型携帯電話システムのバーストフォーマットである。バーストの先頭から4シンボルの間に、タイミング同期に使用するためのプリアンブルが、それに続く8シンボルの間に、ユニークワードが配置されている。プリアンブルとユニークワードは、基地局装置10や端末装置26にとって既知であるため、後述するトレーニング信号としても使用できる。本実施例では、説明の簡略化のために図2に示した簡易型携帯電話システムのバーストフォーマットを対象にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図3は、第1無線部12aの構成を示す。第1無線部12aは、スイッチ部36、受信部38、送信部40を含む。さらに、受信部38は、周波数変換部42、直交検波部44、AGC(Automatic Gain Control)46、AD変換部48を含み、送信部40は、増幅部50、周波数変換部52、直交変調部54、DA変換部56を含む。また、信号として、デジタル受信信号300と総称される第1デジタル受信信号300a、デジタル送信信号302と総称される第1デジタル送信信号302aを含む。
スイッチ部36は、無線部制御信号318の指示にもとづいて、受信部38と送信部40に対する信号の入出力を切りかえる。
受信部38の周波数変換部42と送信部40の周波数変換部52は、無線周波数の信号とひとつまたは複数の中間周波数の信号間の周波数変換を行う。
AGC46は、中間周波数のアナログ信号の振幅をAD変換部48のダイナミックレンジ内の振幅にするために、利得を自動的に制御する。
AD変換部48は、中間周波数のアナログ信号をデジタル信号に変換し、DA変換部56は、中間周波数のデジタル信号をアナログ信号に変換する。
直交検波部44は、中間周波数の信号から直交検波によって、ベースバンドのデジタル信号を生成する。なお、一般的にベースバンドの信号は同相成分と直交成分のふたつの成分を含んでいるので、ふたつの信号線によって示されるべきであるが、ここでは図の明瞭性からベースバンド信号をひとつの信号線によって示す。以下も同様である。一方、直交変調部54は、ベースバンドのデジタル信号から直交変調によって、中間周波数の信号を生成する。ここで、直交検波部44から出力されるデジタル信号をデジタル受信信号300、直交変調部54に入力されるデジタル信号をデジタル送信信号302とする。
増幅部50は、送信すべき無線周波数の信号を増幅する。
図4は、信号処理部14の構成を示す。信号処理部14は、参照信号生成部72、受信ウエイトベクトル計算部70、合成部68、受信応答ベクトル計算部200、送信ウエイトベクトル計算部76、分離部74を含む。さらに、合成部68は、乗算部78と総称される第1乗算部78a、第2乗算部78b、第N乗算部78n、加算部80を含み、分離部74は、乗算部82と総称される第1乗算部82a、第2乗算部82b、第N乗算部82nを含む。
また、信号として、合成信号304、分離前信号306、受信ウエイトベクトル308と総称される第1受信ウエイトベクトル308a、第2受信ウエイトベクトル308b、第N受信ウエイトベクトル308n、送信ウエイトベクトル310と総称される第1送信ウエイトベクトル310a、第2送信ウエイトベクトル310b、第N送信ウエイトベクトル310n、参照信号312を含む。
参照信号生成部72は、図2に示したプリアンブル信号を記憶しており、トレーニング期間中は、記憶したプリアンブル信号を参照信号312として出力し、トレーニング終了後は、合成信号304を判定して判定した信号を参照信号312として出力する。なお、トレーニング終了は、図示しない制御部20から通知されるものとする。
受信ウエイトベクトル計算部70は、デジタル受信信号300の重み付けに必要な受信ウエイトベクトル308を、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムによって計算する。なお、適応アルゴリズムの演算は、デジタル受信信号300、合成信号304、参照信号312にもとづいてなされる。さらに、適応アルゴリズムの初期値として、図1の選択部204から入力された入力制御信号314に含まれた初期値を使用する。例えば、LMSアルゴリズムは次のように示される。
Figure 2005341406
ここで、Wは受信ウエイトベクトル308、μは忘却係数、uは、デジタル受信信号300、eは符号間干渉を示した誤差、すなわち合成信号304と参照信号312との間の誤差を示す。
乗算部78は、デジタル受信信号300を受信ウエイトベクトル308で重み付けする。加算部80は、乗算部78からの出力を加算して、合成信号304を出力する。
受信応答ベクトル計算部200は、送信信号に対する受信信号の受信応答特性として受信応答ベクトルを計算する。受信応答ベクトル計算部200は、デジタル受信信号300と参照信号312の間における第1の相関行列を計算する。なお、参照信号312は信号処理部14からだけではなく、図示しない信号線あるいは入力制御信号314によって、他の端末装置26に対応する信号処理部からも入力されるものとする。説明の便宜のため端末装置26の数を2とし、第1の端末装置26に対応する参照信号はS1(t)、第2の端末装置26に対応する参照信号はS2(t)と示す。さらに、基地局装置10のアンテナ22の数を2とすれば、第1デジタル受信信号300aに相当するx1(t)、第2デジタル受信信号300bに相当するx2(t)は、次の式で示される。
Figure 2005341406
ここで、hijは、第i番目の端末装置26から第jアンテナ22jまでの応答特性であり、また雑音は無視する。第1の相関行列R1は、Eをアンサンブル平均として、次の式で示される。
Figure 2005341406
受信応答ベクトル計算部200は、参照信号間の第2の相関行列R2を計算し、これは次の式で示される。
Figure 2005341406
受信応答ベクトル計算部200は、第2の相関行列R2の逆行列を計算する。
最終的に受信応答ベクトル計算部200は、第2の相関行列R2の逆行列と第1の相関行列R1を乗算し、次の式のように受信応答ベクトルを計算する。また、計算した受信応答ベクトルは、出力制御信号316によって出力される。
Figure 2005341406
送信ウエイトベクトル計算部76は、分離前信号306の重み付けに必要な送信ウエイトベクトル310を導出する。ここで、送信ウエイトベクトル計算部76は、送信ウエイトベクトル310を導出する際に入力制御信号314として入力した初期値であって、図1の選択部204で選択した初期値を使用する。また、入力制御信号314に受信応答ベクトルが含まれて、これを使用してもよい。送信ウエイトベクトル310の導出方法は、任意とするが、最も簡易な方法として、初期値や受信応答ベクトルをそのまま使用すればよい。あるいは、受信処理と送信処理の時間差で生じる伝搬環境のドップラー周波数変動を考慮して、従来の技術によって、初期値あるいは受信応答ベクトルを補正してもよい。なお、送信ウエイトベクトル310の導出には、初期値と受信応答ベクトルのどちらかのみを使用してもよいが、ここでは、通常は初期値を使用し、初期値が使用できない場合に、受信応答ベクトルを使用する。
乗算部82は、分離前信号306を送信ウエイトベクトル310で重み付けし、デジタル送信信号302を出力する。なお、図4の説明では、図と対応させて受信ウエイトベクトル308と送信ウエイトベクトル310を説明した。しかしながら、以下の説明では、これらから符号を省略して、単に「受信ウエイトベクトル」と「送信ウエイトベクトル」と示す場合もある。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図5(a)−(b)は、基地局装置10における初期値の対応を示す。図5(a)は、本実施例の比較対象になるべき従来になされた初期値の対応を示す。ここでは、連続して配置されるフレームのうち、ふたつのフレーム、図中のフレームXとフレームX+1を示す。ここで、フレームXはフレームX+1のひとつ前のフレームに相当する。またひとつのフレームは、8つのタイムスロットで構成される。図中の「受信スロット」は前述の「上りタイムスロット」に相当し、「送信スロット」は前述の「下りタイムスロット」に相当する。ここで、ひとつのフレームは、図示のごとく4つの「受信スロット」に続いて4つの「送信スロット」が配置されるように定義する。
所定の受信スロットにおける受信ウエイトベクトルは、ひとつ前のフレームで対応した受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームX+1の受信スロット2および4における受信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット2および4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。また、所定の送信スロットにおける送信ウエイトベクトルは、同一のフレームで対応した受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームXの送信スロット2および4における送信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット2および4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。
図5(b)は、本実施例での初期値の対応を示す。フレームの構成およびタイムスロットの構成は、図5(a)と同一である。所定の受信スロットにおける受信ウエイトベクトルは、同一のフレームの前方に配置された受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。また、同一のフレームの前方に受信スロットが配置されていない場合は、ひとつ前のフレームの最後に配置された受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値に使用する。ここで、フレームXの受信スロット4における受信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット2での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。フレームX+1の受信スロット2における受信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。
また、所定の送信スロットにおける送信ウエイトベクトルは、同一のフレームの中で近いタイミングの受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームXの送信スロット2および4における送信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。
図6(a)−(b)は、基地局装置10における初期値の対応を示す。図6(a)―(b)は、図5(a)−(b)にそれぞれ対応し、ひとつの受信スロットでのデータが誤っていた場合を示す。ここでは、ひとつのフレームにふくまれたふたつの受信スロットのうちで、後者が誤っているものとする。誤っているデータに対応した受信スロットを「エラー」と図に示す。また、図6(a)−(b)では、フレームXからフレームX+1の3つのフレームを示す。
図6(a)は、本実施例の比較対象になるべき従来なされた初期値の対応を示す。前述のごとく、所定の受信スロットにおける受信ウエイトベクトルは、ひとつ前のフレームで対応した受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームX+1の受信スロット2および4における受信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット2および4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。また、フレームX+2の受信スロット2における受信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット2での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。しかしながら、フレームX+1の受信スロット4におけるデータが誤っているので、フレームX+2の受信スロット4における受信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット4における受信ウエイトベクトルでなく、フレームXの受信スロット4における受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。
また、前述のごとく、所定の送信スロットにおける送信ウエイトベクトルは、同一のフレームで対応した受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームXの送信スロット2および4における送信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット2および4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。また、フレームX+1の送信スロット2における送信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット2での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。しかしながら、フレームX+1の受信スロット4におけるデータが誤っているので、フレームX+1の送信スロット4における送信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット4における受信ウエイトベクトルでなく、フレームXの受信スロット4における受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。
図6(b)は、本実施例での初期値の対応を示す。前述のごとく、同一のフレームの前方に受信スロットが配置されていない場合は、ひとつ前のフレームの最後に配置された受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値に使用する。ここで、フレームX+1の受信スロット4におけるデータが誤っているので、フレームX+2の受信スロット2における受信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット4での受信ウエイトベクトルでなく、フレームX+1の受信スロット2での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。また、前述のごとく、所定の送信スロットにおける送信ウエイトベクトルは、同一のフレームの中で近いタイミングの受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームX+1の受信スロット4におけるデータが誤っているので、フレームX+1の送信スロット2および4における送信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット4での受信ウエイトベクトルでなく、フレームX+1の受信スロット2での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。すなわち、送信ウエイトベクトルおよび受信ウエイトベクトルの初期値には、誤りのないデータに対応した受信スロットのうち、近いタイミングの受信スロットにおける受信ウエイトベクトルが選択される。
図7(a)−(b)は、基地局装置10における初期値の対応を示す。図7(a)―(b)は、図6(a)−(b)と同様に、ひとつの受信スロットでのデータが誤っていた場合を示す。ここでは、ひとつのフレームにふくまれたふたつの受信スロットのうちで、前者が誤っているものとする。誤っているデータに対応した受信スロットを「エラー」と図に示す。
図7(a)は、本実施例の比較対象になるべき従来なされた初期値の対応を示す。前述のごとく、所定の受信スロットにおける受信ウエイトベクトルは、ひとつ前のフレームで対応した受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームX+1の受信スロット2および4における受信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット2および4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。また、フレームX+2の受信スロット4における受信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。しかしながら、フレームX+1の受信スロット2におけるデータが誤っているので、フレームX+2の受信スロット2における受信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット2における受信ウエイトベクトルでなく、フレームXの受信スロット2における受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。
また、前述のごとく、所定の送信スロットにおける送信ウエイトベクトルは、同一のフレームで対応した受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームXの送信スロット2および4における送信ウエイトベクトルは、フレームXの受信スロット2および4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。また、フレームX+1の送信スロット4における送信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。しかしながら、フレームX+1の受信スロット2におけるデータが誤っているので、フレームX+1の送信スロット2における送信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット2における受信ウエイトベクトルでなく、フレームXの受信スロット2における受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。
図7(b)は、本実施例での初期値の対応を示す。前述のごとく、所定の受信スロットにおける受信ウエイトベクトルは、同一のフレームの前方に配置された受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームX+1の受信スロット2におけるデータが誤っているので、フレームX+1の受信スロット4における受信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット2における受信ウエイトベクトルでなく、フレームXの受信スロット4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。フレームX+2の受信スロット2における受信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット4における受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。また、前述のごとく、所定の送信スロットにおける送信ウエイトベクトルは、同一のフレームの中で近いタイミングの受信スロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。ここで、フレームX+1の受信スロット2におけるデータが誤っているが送信ウエイトベクトルの導出には関係なく、フレームX+1の送信スロット2および4における送信ウエイトベクトルは、フレームX+1の受信スロット4での受信ウエイトベクトルを初期値にして導出される。すなわち、受信ウエイトベクトルの初期値には、誤りのないデータに対応した受信スロットのうち、近いタイミングの受信スロットにおける受信ウエイトベクトルが選択される。
図8は、基地局装置10による受信ウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。なお、ここで説明するスロットは、通信対象となるひとつの端末装置26に対するスロットを示す。受信ウエイトベクトルを導出すべき受信スロットに対して、同一フレームの前方に受信スロットがあり(S10のY)、前方の受信スロットのデータにエラーがなければ(S12のY)、選択部204は、当該受信スロットでの受信ウエイトベクトルを初期値に決定する(S14)。一方、前方の受信スロットのデータにエラーがあれば(S12のN)、選択部204は、データにエラーのない受信スロットでの受信ウエイトベクトルを初期値に決定する(S16)。
受信ウエイトベクトルを導出すべき受信スロットに対して、同一フレームの前方に受信スロットがなく(S10のN)、ひとつ前のフレームにおける受信スロットのデータにエラーがなければ(S18のY)、選択部204は、当該受信スロットでの受信ウエイトベクトルを初期値に決定する(S20)。一方、ひとつ前のフレームにおける受信スロットのデータにエラーがあれば(S18のN)、選択部204は、データにエラーのない受信スロットでの受信ウエイトベクトルを初期値に決定する(S22)。受信ウエイトベクトル計算部70は、決定した初期値にもとづいて受信ウエイトベクトルを導出する(S24)。
図9は、基地局装置10による送信ウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。なお、ここで説明するスロットは、通信対象となるひとつの端末装置26に対するスロットを示す。送信ウエイトベクトルを導出すべき送信スロットに対して、同一のフレーム内の受信スロット、特に近いタイミングの受信スロットのデータにエラーがなければ(S30のY)、選択部204は、当該受信スロットでの受信ウエイトベクトルを初期値に決定する(S32)。送信ウエイトベクトルを導出すべき送信スロットに対して、同一のフレーム内の受信スロット、特に近いタイミングの受信スロットのデータにエラーがあれば(S30のN)、選択部204は、データにエラーがない受信スロットでの受信ウエイトベクトルを初期値に決定する(S34)。送信ウエイトベクトル計算部76は、決定した初期値にもとづいて送信ウエイトベクトルを導出する(S36)。
本発明の実施例によれば、既に導出した受信ウエイトベクトルのうち、伝送路の特性に応じた値を選択して初期値にするので、受信ウエイトベクトルの収束が高速になる。また、既に導出した受信ウエイトベクトルのうち、伝送路の特性に応じた値を選択して初期値にするので、受信ウエイトベクトルの精度が高くなる。また、データに誤りが存在する場合は対応した受信ウエイトベクトルを初期値として選択しないので、受信ウエイトベクトルの精度が高くなる。また、既に導出した受信ウエイトベクトルのうち、伝送走路の特性に応じた値を選択して初期値にするので、送信ウエイトベクトルの精度が高くなる。また、データに誤りが存在する場合は対応した受信ウエイトベクトルを初期値として選択しないので、送信ウエイトベクトルの精度が高くなる。
また、受信ウエイトベクトルを導出しようとするスロットから近いタイミングのスロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にするので、受信ウエイトベクトルの収束が高速になる。また、受信ウエイトベクトルを導出しようとするスロットから近いタイミングのスロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にするので、受信ウエイトベクトルの精度が高くなる。また、送信ウエイトベクトルを導出しようとするスロットから近いタイミングのスロットにおける受信ウエイトベクトルを初期値にするので、送信ウエイトベクトルの精度が高くなる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1と同様に、簡易型携帯電話システムの基地局装置であって、かつアダプティブアレイアンテナ技術を有した基地局装置に関する。実施例1では、受信ウエイトベクトルについては、受信ウエイトベクトルを導出する際の初期値に対して、近いタイミングの上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを使用する。また、送信ウエイトベクトルについては、近いタイミングの上りタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを使用する。実施例2に係る基地局装置は、受信ウエイトベクトルを導出する際に受信ウエイトベクトルの誤差も導出し、これらを記憶する。
さらに、所定のタイムスロットにおける受信ウエイトベクトルを導出する際に、伝送路の特性として、受信した信号に含まれたドップラー周波数を導出する。ドップラー周波数が所定のしきい値以上であれば、記憶した受信ウエイトベクトルのうち、近いタイミングのタイムスロットで導出された受信ウエイトベクトルを初期値に選択する。一方、ドップラー周波数が所定のしきい値より小さければ、記憶した受信ウエイトベクトルのうち、受信ウエイトベクトルの誤差が小さい受信ウエイトベクトルを初期値に選択する。基地局装置は、選択した初期値にもとづいて、受信ウエイトベクトルを導出する。
図10は、実施例2に係る基地局装置10の構成を示す図である。図10の通信システム100は、図1の通信システム100と比較して、エラー計算部208、変動量計算部210を含む。
エラー計算部208は、出力制御信号316を入力し、出力制御信号316に含まれた受信ウエイトベクトルの誤差を計算する。受信ウエイトベクトルの誤差は、例えば次のように計算する。モデム部16で復調した信号、あるいは既知の信号を図示しない信号線で入力し、これらの信号と受信ウエイトベクトルから受信した信号のレプリカを生成する。さらに出力制御信号316を介してデジタル受信信号300も入力し、生成したレプリカとデジタル受信信号300との誤差を計算し、当該誤差を受信ウエイトベクトルの誤差とする。計算した誤差は、受信ウエイトベクトルとともに記憶部202に記憶される。図11は、記憶部202に記憶された受信ウエイトベクトルに関する情報のデータ構造を示す。「フレームNo.」は、フレームの順番を示す番号であり、大きい番号のフレームほど近いタイミングのフレームに相当する。「スロットNo.」は、上りタイムスロットの番号を示す。「受信ウエイトベクトル誤差」は、エラー計算部208で計算された誤差であり、ここでは「A1」、「A2」等によって示す。「受信ウエイトベクトル」は、信号処理部14で導出された受信ウエイトベクトルであり、ここでは、「B1」、「B2」等によって示す。
図10に戻る。変動量計算部210は、伝送路の特性として伝送路の変動の程度、ここではデジタル受信信号300に含まれたドップラー周波数を計算する。なお、ドップラー周波数の計算方法は任意の方法でよく、例えば、スペクトルの形状から計算される。また、ドップラー周波数の計算は、例えば、該当する上りタイムスロットの信号における先頭部分で実行されるものとする。
選択部204は、変動量計算部210で計算したドップラー周波数が所定のしきい値以上であれば、記憶部202に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、近いタイミングの上りタイムスロットで導出された受信ウエイトベクトルを初期値に選択する。一方、変動量計算部210で計算したドップラー周波数が所定のしきい値より小さければ、記憶部202に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを初期値に選択する。選択した初期値は、図1と同様に入力制御信号314に含まれて信号処理部14へ出力される。なお、図12は、選択部204に記憶されたしきい値を示す。前述のしきい値が図中のYであり、変動量計算部210で計算したドップラー周波数がY以上であれば、「処理」に示したごとく、近いタイミングのスロットでの受信ウエイトベクトルを選択する。一方、変動量計算部210で計算したドップラー周波数がYより小さければ、「処理」に示したごとく、誤差の小さい受信ウエイトベクトルを選択する。
図13は、基地局装置10による受信ウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。なお、ここで説明するスロットは、通信対象となるひとつの端末装置26に対するスロットを示す。選択部204は、変動量計算部210で計算したドップラー周波数がしきい値以上であれば(S50のY)、記憶部202に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、近いタイミングでの受信ウエイトベクトルを初期値に選択する(S52)。一方、選択部204は、変動量計算部210で計算したドップラー周波数がしきい値より小さければ(S50のN)、記憶部202に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、誤差の小さい受信ウエイトベクトルを初期値に選択する(S54)。受信ウエイトベクトル計算部70は、初期値にもとづいて受信ウエイトベクトルを導出する(S56)。
図14は、基地局装置10による送信ウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。なお、ここで説明するスロットは、通信対象となるひとつの端末装置26に対するスロットを示す。選択部204は、変動量計算部210で計算したドップラー周波数がしきい値以上であれば(S60のY)、記憶部202に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、近いタイミングでの受信ウエイトベクトルを初期値に選択する(S62)。一方、選択部204は、変動量計算部210で計算したドップラー周波数がしきい値より小さければ(S60のN)、記憶部202に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、誤差の小さい受信ウエイトベクトルを初期値に選択する(S64)。送信ウエイトベクトル計算部76は、初期値にもとづいて送信ウエイトベクトルを導出する(S66)。なお、変動量計算部210は、送信ウエイトベクトルを導出しようとする下りタイムスロットに近い上りタイムスロットでのデジタル受信信号300にもとづいて、ドップラー周波数を計算しているものとする。
本発明の実施例によれば、既に導出した受信ウエイトベクトルのうち、伝送路の特性に応じた値を選択して初期値にするので、受信ウエイトベクトルの収束が高速になる。また、既に導出した受信ウエイトベクトルのうち、伝送路の特性に応じた値を選択して初期値にするので、受信ウエイトベクトルの精度が高くなる。また、伝送路の変動の程度に応じて、受信ウエイトベクトルの中からひとつを初期値として選択する際の基準を変更するので、伝送路の変動の程度に適した初期値を選択できる。また、既に導出した受信ウエイトベクトルのうち、伝送走路の特性に応じた値を選択して初期値にするので、送信ウエイトベクトルの精度が高くなる。また、ドップラー周波数が大きければ、近いタイミングで導出された受信ウエイトベクトルを初期値にするため、変化の小さい値を使用できる。また、ドップラー周波数が小さければ、誤差の小さい受信ウエイトベクトルを初期値にするので、正確な値を使用できる。
(実施例3)
本発明の実施例3は、簡易型携帯電話システムの基地局装置である。実施例3に係る基地局装置はアダプティブアレイ技術の有無を問わない。基地局装置は、受信処理としてAGCやAFCを備え、それらのゲイン係数や周波数オフセットを導出するにあたって、実施例1や2と同様に近いタイミングのタイムスロットで導出したゲイン係数や周波数オフセットを初期値とする。
図15は、実施例3に係るAGC46の構成を示す。これは、図3のAGC46、AD変換部48に相当し、AGC46は、アンプ212、ゲイン調節部214、初期値決定部216を含む。
アンプ212は、入力した信号を処理するが、ここでは増幅する。入力する信号は、実施例1や2のようなフレームおよびタイムスロットを構成する。ここで、増幅する際のゲイン係数は、ゲイン調節部214から入力されるものとする。ゲイン調節部214は、アンプ212で入力した信号を増幅する際に使用するゲイン係数を導出する。具体的に説明すると、ゲイン調節部214は、AD変換部48から出力されたデジタル受信信号300の大きさと予め定めた基準の値を比較して、デジタル受信信号300の大きさが基準の値に近くなるように、ゲイン係数を導出する。さらに、ゲイン調節部214は、決定したゲイン係数をアンプ212に出力する。なお、ゲイン調節部214は、ゲイン係数を導出する際に初期値決定部216から初期値を入力する。
初期値決定部216は、ゲイン調節部214で既に導出されたゲイン係数にもとづいて、ゲイン係数を導出する際の初期値を決定する。ゲイン係数の初期値の導出は、実施例1や2に準じた方法でなされるものとする。実施例1に準じた方法は、以下のとおりであってもよい。入力した信号に対応したタイムスロットを含んだフレームの中で、入力した信号に対応したタイムスロットよりも前方に割り当てたタイムスロットであって、かつ端末装置26から入力したタイムスロットでのゲイン係数を初期値に選択する。また、入力した信号に対応したタイムスロットを含んだフレームの中に、入力した信号に対応したタイムスロットよりも前方に割り当てたタイムスロットであって、かつ端末装置26から入力したタイムスロットが存在しない場合、当該フレームより前方のフレームに含まれたタイムスロットであって、かつ端末装置26から入力したスロットでのゲイン係数を初期値に選択する。
また、通信対象の端末装置26に対する伝送路の特性として、入力した信号に誤りが存在するか否かを検出し、誤りが存在すれば、前述の処理の代わりに、誤りが存在しない信号に対応したゲイン係数を選択する。すなわち、ゲイン調節部214で導出したゲイン係数を記憶し、入力した信号に誤りが存在するか否かにもとづいて、記憶したゲイン係数のうちからひとつを選択するといえる。
実施例2に準じた方法は、以下のとおりであってもよい。導出したゲイン係数の誤差を計算する。ここで、ゲイン係数の誤差は、実施例2と同様に導出したゲイン係数にもとづいて生成したレプリカによって計算される。計算したゲイン係数の誤差は、ゲイン係数とともに記憶される。また、入力した信号に対応した伝送路の特性として伝送路の変動の程度、例えばドップラー周波数を計算する。初期値決定部216は、計算したドップラー周波数が所定のしきい値以上であれば、記憶したゲイン係数のうちで、近いタイミングで導出されたゲイン係数を初期値に選択する。一方、計算したドップラー周波数が所定のしきい値より小さければ、記憶したゲイン係数のうちで、誤差が小さいゲイン係数を初期値に選択する。
図16は、実施例3に係るAFC220の構成を示す。AFC220は、実施例1および2に示されていないが、所定の位置に設けられるものとする。AFC220は、乗算部222、周波数オフセット検出部226、積算部224、初期値決定部228を含む。
乗算部222は、入力した信号を処理するが、ここでは入力した信号の位相を回転する。入力する信号は、実施例1や2のようなフレームおよびタイムスロットを構成する。ここで、回転する際の位相は、積算部224から入力されるものとする。周波数オフセット検出部226は、乗算部222で入力した信号の位相を回転する際に使用する周波数オフセット量を導出する。周波数オフセット量の導出方法は、任意のものでよいが、例えば、所定の間隔における位相差にもとづいて導出するものとする。なお、周波数オフセット検出部226は、周波数オフセットを導出する際に初期値決定部228から初期値を入力する。積算部224は、周波数オフセット検出部226で導出した周波数オフセットを積算し、乗算部222に出力する。
初期値決定部228は、周波数オフセット検出部226で既に導出された周波数オフセットにもとづいて、周波数オフセットを導出する際の初期値を決定する。初期値は、図5においてゲイン係数の初期値を決定する場合と同様の方法で決定される。ここでは、説明を省略する。
本発明の実施例によれば、既に導出したパラメータのうち、伝送路の特性に応じた値を選択して初期値にするので、パラメータの収束が高速になる。また、既に導出したパラメータのうち、伝送路の特性に応じた値を選択して初期値にするので、パラメータの精度が高くなる。また、伝送路の変動の程度に応じて、パラメータの中からひとつを初期値として選択する際の基準を変更するので、伝送路の変動の程度に適した初期値を選択できる。また、データに誤りが存在する場合は対応したパラメータを初期値として選択しないので、パラメータの精度が高くなる。また、パラメータを導出しようとするスロットから近いタイミングのスロットにおけるパラメータを初期値にするので、パラメータの収束が高速になる。また、パラメータを導出しようとするスロットから近いタイミングのスロットにおけるパラメータを初期値にするので、パラメータの精度が高くなる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例1から3において、通信システム100を簡易型携帯電話システムとした。しかしながらこれに限らず例えば、携帯電話システム、第3世代携帯電話システム、無線LANシステム、FWA(Fixed Wireless Access)システムであってもよい。すなわち、TDMAだけでなくCDMA等であってもよい。本変形例によれば、さまざまな通信システム100に本発明を適用できる。つまり、所定の周期で信号が送受信されればよい。
本発明の実施例1から3において、通信装置を基地局装置10として説明した。しかしながらこれに限らず例えば、端末装置26であってもよい。本変形例によれば、端末装置26に本発明の効果を提供できる。つまり、アダプティブアレイ、AFC、AGC等を備えていればよい。
本発明の実施例1から3において、伝送路の特性として、信号に誤りがあるかまたはドップラー周波数を考慮した。しかしながらこれに限らず例えば、受信レベル、誤り率等であってもよい。本変形によれば、通信システム100の特性に影響を及ぼす項目に応じた初期値の選択が可能になる。つまり、通信システム100の特性に影響を及ぼす項目であればよい。
本発明の実施例1から3の任意の組み合わせも有効である。本変形例によれば、実施例1から3を組み合わせた効果が得られる。
実施例1に係る通信システムの構成を示す図である。 実施例1に係るバーストフォーマットを示す図である。 図1の第1無線部の構成を示す図である。 図1の信号処理部の構成を示す図である。 図5(a)−(b)は、図1の基地局装置における初期値の対応を示す図である。 図6(a)−(b)は、図1の基地局装置における初期値の対応を示す図である。 図7(a)−(b)は、図1の基地局装置における初期値の対応を示す図である。 図1の基地局装置による受信ウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。 図1の基地局装置による送信ウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。 実施例2に係る基地局装置の構成を示す図である。 図10の記憶部に記憶された受信ウエイトベクトルに関する情報のデータ構造を示す図である。 図10の選択部に記憶されたしきい値を示す図である。 図10の基地局装置による受信ウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。 図10の基地局装置による送信ウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。 実施例3に係るAGCの構成を示す図である。 実施例3に係るAFCの構成を示す図である。
符号の説明
10 基地局装置、 12 無線部、 14 信号処理部、 16 モデム部、 18 ベースバンド部、 20 制御部、 22 アンテナ、 24 ネットワーク、 26 端末装置、 34 アンテナ、 36 スイッチ部、 38 受信部、 40 送信部、 42 周波数変換部、 44 直交検波部、 46 AGC、 48 AD変換部、 50 増幅部、 52 周波数変換部、 54 直交変調部、 56 DA変換部、 68 合成部、 70 受信ウエイトベクトル計算部、 72 参照信号生成部、 74 分離部、 76 送信ウエイトベクトル計算部、 78 乗算部、 80 加算部、 82 乗算部、 100 通信システム、 200 受信応答ベクトル計算部、 202 記憶部、 204 選択部、 206 誤り検出部、 208 エラー計算部、 210 変動量計算部、 212 アンプ、 214 ゲイン調節部、 216 初期値決定部、 220 AFC、 222 乗算部、 224 積算部、 226 周波数オフセット検出部、 228 初期値決定部、 300 デジタル受信信号、 302 デジタル送信信号、 304 合成信号、 306 分離前信号、 308 受信ウエイトベクトル、 310 送信ウエイトベクトル、 312 参照信号、 314 入力制御信号、 316 出力制御信号、 318 無線部制御信号、 320 モデム部制御信号、 322 ベースバンド部制御信号。

Claims (16)

  1. 通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部と、
    前記端末装置に対する受信ウエイトベクトルを導出する受信ウエイトベクトル導出部と、
    前記導出した受信ウエイトベクトルを記憶する記憶部と、
    前記導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、前記端末装置から受信した信号を処理する処理部とを備え、
    前記受信ウエイトベクトル導出部は、前記導出した伝送路の特性にもとづいて、前記記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、前記選択したひとつを初期値として受信ウエイトベクトルを導出することを特徴とする無線装置。
  2. 前記導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算する計算部をさらに備え、
    前記伝送路特性導出部は、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、
    前記受信ウエイトベクトル導出部は、前記導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、前記記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを選択し、前記導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、前記記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを選択することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記伝送路特性導出部は、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、
    前記受信ウエイトベクトル導出部は、前記記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちから、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを選択することを特徴とする請求項1または2に記載の無線装置。
  4. 通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部と、
    前記端末装置に対する受信ウエイトベクトルを導出する受信ウエイトベクトル導出部と、
    前記導出した受信ウエイトベクトルを記憶する記憶部と、
    前記導出した伝送路の特性にもとづいて、前記記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、前記選択したひとつを初期値として送信ウエイトベクトルを導出する送信ウエイトベクトル導出部と、
    前記導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、前記端末装置に信号を送信する送信部と、
    を備えることを特徴とする無線装置。
  5. 前記導出した受信ウエイトベクトルの誤差を計算する計算部をさらに備え、
    前記伝送路特性導出部は、伝送路の特性として伝送路の変動の程度を導出し、
    前記送信ウエイトベクトル導出部は、前記導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値以上であれば、前記記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、近いタイミングに導出された受信ウエイトベクトルを選択し、前記導出した伝送路の変動の程度が所定のしきい値より小さければ、前記記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちで、誤差が小さい受信ウエイトベクトルを選択することを特徴とする請求項4に記載の無線装置。
  6. 前記伝送路特性導出部は、伝送路の特性として受信した信号に誤りが存在するか否かを検出し、
    前記送信ウエイトベクトル導出部は、前記記憶部に記憶した受信ウエイトベクトルのうちから、誤りが存在しない信号に対応した受信ウエイトベクトルを選択することを特徴とする請求項4または5に記載の無線装置。
  7. 複数のスロットによって形成されたひとつのフレームのうちの少なくともふたつのスロットを割り当てた端末装置から、当該少なくともふたつのスロットで信号を受信する受信部と、
    前記受信した信号から受信ウエイトベクトルを導出する受信ウエイトベクトル導出部と、
    前記導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、前記受信した信号を処理する処理部とを備え、
    前記受信ウエイトベクトル導出部は、前記受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中で、前記受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ前記端末装置から信号を受信したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値として、受信ウエイトベクトルを導出することを特徴とする無線装置。
  8. 前記受信部で受信した信号に対応したスロットを含んだフレームは、連続して配置されており、
    前記受信ウエイトベクトル導出部は、前記受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中に、前記受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ前記端末装置から信号を受信したスロットが存在しない場合、当該フレームより前方のフレームに含まれたスロットであって、かつ前記端末装置から信号を受信したスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値として、受信ウエイトベクトルを導出することを特徴とする請求項7に記載の無線装置。
  9. 複数のスロットによって形成されたひとつのフレームのうちの少なくともふたつのスロットを割り当てた端末装置から、当該少なくともふたつのスロットで信号を受信する受信部と、
    前記受信した信号から受信ウエイトベクトルを導出する受信ウエイトベクトル導出部と、
    前記導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、送信ウエイトベクトルを導出する送信ウエイトベクトル導出部と、
    前記導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、前記受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中のスロットであって、かつ前記受信した信号に対応したスロットよりも後方に割り当てたスロットで、前記端末装置に信号を送信する送信部とを備え、
    前記送信ウエイトベクトル導出部は、前記少なくともふたつのスロットのうち、前記端末装置に信号を送信すべきスロットに近いタイミングのスロットでの受信ウエイトベクトルを初期値として、送信ウエイトベクトルを導出することを特徴とする無線装置。
  10. 通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出する伝送路特性導出部と、
    前記端末装置から受信した信号を処理するためのパラメータを導出するパラメータ導出部と、
    前記導出したパラメータを記憶する記憶部と、
    前記導出したパラメータにもとづいて、前記端末装置から受信した信号を処理する処理部とを備え、
    前記パラメータ導出部は、前記導出した伝送路の特性にもとづいて、前記記憶部に記憶したパラメータのうちからひとつを選択し、前記選択したひとつを初期値としてパラメータを導出することを特徴とする無線装置。
  11. 複数のスロットによって形成されたひとつのフレームのうちの少なくともふたつのスロットを割り当てた端末装置から、当該少なくともふたつのスロットで信号を受信する受信部と、
    前記受信した信号を処理するためのパラメータを導出するパラメータ導出部と、
    前記導出したパラメータにもとづいて、前記受信した信号を処理する処理部とを備え、
    前記パラメータ導出部は、前記受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中で、前記受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ前記端末装置から信号を受信したスロットでのパラメータを初期値として、パラメータを導出することを特徴とする無線装置。
  12. 前記受信部で受信した信号に対応したスロットを含んだフレームは、連続して配置されており、
    前記パラメータ導出部は、前記受信した信号に対応したスロットを含んだフレームの中に、前記受信した信号に対応したスロットよりも前方に割り当てたスロットであって、かつ前記端末装置から信号を受信したスロットが存在しない場合、当該フレームより前方のフレームに含まれたスロットであって、かつ前記端末装置から信号を受信したスロットでのパラメータを初期値として、パラメータを導出することを特徴とする請求項11に記載の無線装置。
  13. 通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出し、前記導出した伝送路の特性にもとづいて、既に導出した前記端末装置に対する受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、前記選択したひとつを初期値として受信ウエイトベクトルを導出し、前記導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて前記端末装置から受信した信号を処理することを特徴とする受信方法。
  14. 通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出し、前記導出した伝送路の特性にもとづいて、既に導出した前記端末装置に対する受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、前記選択したひとつを初期値として送信ウエイトベクトルを導出し、前記導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて前記端末装置へ信号を送信することを特徴とする送信方法。
  15. 無線ネットワークを介して、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出するステップと、
    前記端末装置に対する受信ウエイトベクトルを導出するステップと、
    前記導出した受信ウエイトベクトルをメモリに記憶するステップと、
    前記導出した受信ウエイトベクトルにもとづいて、前記端末装置から受信した信号を処理するステップとを備え、
    前記受信ウエイトベクトルを導出するステップは、前記導出した伝送路の特性にもとづいて、前記メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、前記選択したひとつを初期値として受信ウエイトベクトルを導出することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  16. 無線ネットワークを介して、通信対象の端末装置に対する伝送路の特性を導出するステップと、
    前記端末装置に対する受信ウエイトベクトルを導出するステップと、
    前記導出した受信ウエイトベクトルをメモリに記憶するステップと、
    前記導出した伝送路の特性にもとづいて、前記メモリに記憶した受信ウエイトベクトルのうちからひとつを選択し、前記選択したひとつを初期値として送信ウエイトベクトルを導出するステップと、
    前記導出した送信ウエイトベクトルにもとづいて、前記端末装置に信号を送信するステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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