JP2005341390A - 静電型マイクロホン - Google Patents

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真一 佐伯
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誠作 平井
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Abstract

【課題】 寄生容量による感度低下を抑制する。
【解決手段】 カプセル11の開口面を蓋するプリント配線基板31を3層構造とし、中層電極パターン32を内面に形成されている入力端子パターン23と重なり、かつ入力端子パターン23より広い面積を有するものとし、スルーホール26を介して外面に形成されている出力端子パターン21と接続する。振動膜15の振動による静電容量の変化は電圧変化に変換され、その入力信号はゲートリング18、入力端子パターン23を通って増幅器26に入力され、インピーダンス変換されて取り出されるが、入力信号と同相の出力信号が入力端子パターン23と中層電極パターン32で形成されるコンデンサを介して増幅器26に正帰還されるものとなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は例えば携帯電話機等に搭載されて使用される小型な静電型マイクロホンに関する。
図5はこの種のマイクロホンの従来構成例として、フロントエレクトレットタイプの静電型マイクロホンの構成を示したものである。
カプセル11は金属製とされて一端側が閉塞された円筒状をなすものとされ、その一端側の閉塞板部11aには音孔12が形成されている。閉塞板部11aの内面にはエレクトレット層13が被着形成され、このエレクトレット層13に、リング状をなす絶縁スペーサ14を介して振動膜15が対向配置されている。
振動膜15は金属製の振動膜リング16に周縁が固定支持されており、この振動膜15とエレクトレット層13が形成された閉塞板部11aとによって静電容量が形成されている。即ち、この例ではカプセル11の閉塞板部11aが背極として機能する。
一方、カプセル11の他端側(開口端側)には円形のプリント配線基板17が配置され、このプリント配線基板17と振動膜リング16との間には金属製のゲートリング18が介在されて所定の空間が形成されている。なお、ゲートリング18とカプセル11の内周面との間には絶縁リング19が配置されている。
プリント配線基板17のカプセル11への固定は、カプセル11内に絶縁リング19、絶縁スペーサ14、振動膜15を支持した振動膜リング16、ゲートリング18及びプリント配線基板17を順次収納し、カプセル11の開口端をかしめて内側へ折り曲げることによって行われ、これによりカプセル11の開口面がプリント配線基板17によって蓋される。図5中、11bはカプセル11のかしめ部を示す。
上記のように配置されて、カプセル11と共にマイクロホンの外形を構成するプリント配線基板17は両面プリント配線基板とされ、外面には出力端子パターン21とアース端子パターン22とが形成されている。出力端子パターン21は円形パターンとされ、アース端子パターン22は出力端子パターン21を囲む環状パターンとされている。カプセル11のかしめ部11bはアース端子パターン22に圧接されている。
一方、プリント配線基板17の内面の外周側には環状をなすように入力端子パターン23が形成されており、ゲートリング18はこの入力端子パターン23上に搭載されて入力端子パターン23に圧接されている。入力端子パターン23の内側には出力電極24及びアース電極25が形成されており、これら入力端子パターン23、出力電極24及びアース電極25と接続されて増幅器26がプリント配線基板17の内面に実装されている。増幅器26は例えば電界効果トランジスタ(FET)とされる。なお、出力電極24及びアース電極25はそれぞれスルーホール26,27を介して外面側の出力端子パターン21及びアース端子パターン22と接続されている。
このような構造により、背極をなすカプセル11の閉塞板部11aはかしめ部11bを介してアース端子パターン22に接続され、振動膜15は振動膜リング16、ゲートリング18を介して入力端子パターン23に接続されている。
上記のような構成とされた静電型マイクロホンでは、音孔12を通って音波が入射すると、音波によって振動膜15が振動し、この振動による振動膜15と閉塞板部11a(背極)との間の静電容量の変化がエレクトレット層13で形成される電界により電圧の変化に変換される。変換された入力信号はゲートリング18及び入力端子パターン23を通って増幅器26に入力され、増幅器26は入力信号をインピーダンス変換し、音声信号として出力するものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−95097号公報
ところで、この図5に示したような構造の静電型マイクロホンでは、入力端子パターン23とアース端子パターン22間、ゲートリング18とカプセル11間等で寄生容量が発生し、小型化に伴って振動系容量に対する寄生容量の割合が大きくなるといった問題がある。
図6は図5に示した静電型マイクロホンの回路構造を示したものであり、図中、Cmは振動系容量(カプセル11の閉塞板部11aと振動膜15で形成されるコンデンサ)を示し、M1は電界効果トランジスタを示す。また、V1は外部電源、R1は負荷抵抗、C2はDCカットコンデンサを示す。電界効果トランジスタM1はこの例ではドレイン接地のP型MOS FETとされている。
寄生容量は図6中、C1で示され、この寄生容量C1の振動系容量Cmに対する割合が大きくなると、入力信号が減衰し、マイクロホンの感度低下を招くものとなっていた。
この発明の目的はこの問題に鑑み、寄生容量による感度低下を抑制できるようにした静電型マイクロホンを提供することにある。
この発明によれば、静電容量を形成する振動膜及び背極と、その静電容量の変化を電圧の変化に変換するためのエレクトレットと、その変換された入力信号をインピーダンス変換して取り出す増幅器とを備え、筒状カプセルと、そのカプセルの開口面を蓋するプリント配線基板とによって外形が構成され、そのプリント配線基板は外面に出力端子パターンと、その出力端子パターンを囲むアース端子パターンとを有し、内面の外周側に入力端子パターンが形成されて、その入力端子パターン上にゲートリングが搭載され、上記入力信号がゲートリング及び入力端子パターンを通って上記内面に実装されている増幅器に入力される構造とされた静電型マイクロホンにおいて、
プリント配線基板が上記外面と内面の間に中層電極パターンを有する3層構造とされ、その中層電極パターンは入力端子パターンと重なり、かつ入力端子パターンより広い面積を有するものとされ、スルーホールを介して出力端子パターンと接続されているものとされる。
この発明によれば、入力信号と同相の出力信号が入力端子パターンと中層電極パターンで形成されるコンデンサを介して増幅器に正帰還され、従来のような入力端子パターンとアース端子パターン間の寄生容量が生じないものとなっており、よって寄生容量による感度低下を抑制することができる。
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1はこの発明による静電型マイクロホンの一実施例を示したものであり、この例では図5に示した従来の静電型マイクロホンと同様、フロントエレクトレットタイプとなっている。なお、図5と対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この例ではカプセル11の開口面を蓋する円形のプリント配線基板31は3層構造とされ、出力端子パターン21及びアース端子パターン22が形成されている外面と、入力端子パターン23等が形成されている内面との間に中層電極パターン32を有するものとされる。
図2A〜Cはこのプリント配線基板31の各層のパターン形状を示したものであり、図2A〜Cはそれぞれ内面(上面)パターン形状、中層パターン形状、外面(下面)パターン形状を示す。なお、これら図はすべて内面側(上面側)から見た形状として示している。
出力端子パターン21は円形パターンとされて図2Cに示したように中央に形成されており、アース端子パターン22はこの出力端子パターン21を囲む環状パターンとされて周縁まで形成されている。入力端子パターン23は図2Aに示したように環状とされて外周側に形成されており、この例ではこの入力端子パターン23の内周に沿って環状のガード電極パターン33が形成され、このガード電極パターン33の内側にアース電極25と出力電極24とが形成されている。
出力電極24及びアース電極25はそれぞれスルーホール26,27を介して出力端子パターン21及びアース端子パターン22と接続されており、この例ではスルーホール26は1個設けられ、スルーホール27は8個設けられている。
中層電極パターン32は図2Bに示したようにほぼ全面に形成され、スルーホール26を介して出力端子パターン21と接続されている。また、内面のガード電極パターン33はスルーホール34を介してこの中層電極パターン32と接続されている。なお、図2B中、35はアース接続用のスルーホール27と中層電極パターン32とが接触しないようにするための逃げを示す。
図3はこのような3層構造とされたプリント配線基板31を備えた静電型マイクロホンの回路構造を図6と同様に示したものであり、この例ではC1は入力端子パターン23と中層電極パターン32で形成されるコンデンサとなり、このコンデンサC1を介して入力信号と同相の出力信号が電界効果トランジスタM1のゲートに正帰還されるものとなっている。
入力信号はこのように出力信号(フィードバック信号)が正帰還されることにより増幅され、寄生容量が存在しない時の値に近づけることができ、よってこの例では寄生容量によってマイクロホンの感度が低下するのを抑制できるものとなっている。
なお、中層電極パターン32とアース端子パターン22間においてもコンデンサが形成されることになるが、出力信号はインピーダンス変換され、低インピーダンスになっているため、このコンデンサの影響は無視することができる。
中層電極パターン32はこの例では図2Bに示したようにほぼ全面にわたって形成されているが、入力端子パターン23と重なるように位置され、かつ確実に重なるように入力端子パターン23より広い面積を有するものとされ、その点でこの例のようにほぼ全面にわたって形成するのが良い。
また、この例では入力端子パターン23の内側にも出力端子パターン21と接続されているガード電極パターン33が設けられており、このガード電極パターン33の存在により、寄生容量による感度低下をより一層抑制できるものとなっている。このガード電極パターン33の幅は極力広くするのが良く、プリント配線基板31の厚み以上にするのが好ましい。
上述した例では、増幅器26としてP型MOS FETを使用し、ドレイン接地とすることでソースフォロア回路(増幅度<1)を形成しているが、これに限るものではなく、入力信号と同相のフィードバック信号を正帰還することができるものであればよい。但し、発振しないように増幅度を調整しておくことが必要となる。
図4はさらに良好な性能が得られるようにした構成を示したものであり、この例では図1に示した構成に加え、ゲートリング18とカプセル11の内周面との間に配されている樹脂製絶縁リング19内に電極層36を形成したものとなっている。
電極層36はゲートリング18とカプセル11との間に介在するように全周にわたって設けられ、つまり筒状をなすものとされており、その下端においてプリント配線基板31の中層電極パターン32と接触導通されている。このような電極層36を有する絶縁リング19はインサート成形されて作製される。
この例のように絶縁リング19内に電極層36を設けることにより、寄生容量によるマイクロホンの感度低下をさらに抑制でき、より大きな効果が得られるものとなる。
なお、上述した実施例ではフロントエレクトレットタイプの静電型マイクロホンを例に説明したが、例えばバックエレクトレットタイブの静電型マイクロホンであっても実施例と同様の構成を採用することができ、同様の効果を得ることができる。
この発明による静電型マイクロホンの一実施例を示す断面図。 図1におけるプリント配線基板の各層のパターン形状を示す図、Aは上面パターン、Bは中層パターン、Cは下面パターンを示す。 図1に示した静電型マイクロホンの回路図。 この発明による静電型マイクロホンの他の実施例を示す断面図。 静電型マイクロホンの従来構成例を示す断面図。 図5に示した静電型マイクロホンの回路図。

Claims (3)

  1. 静電容量を形成する振動膜及び背極と、その静電容量の変化を電圧の変化に変換するためのエレクトレットと、その変換された入力信号をインピーダンス変換して取り出す増幅器とを備える静電型マイクロホンであって、
    筒状カプセルと、そのカプセルの開口面を蓋するプリント配線基板とによって外形が構成され、そのプリント配線基板は外面に出力端子パターンと、その出力端子パターンを囲むアース端子パターンとを有し、内面の外周側に入力端子パターンが形成されて、その入力端子パターン上にゲートリングが搭載され、上記入力信号がゲートリング及び入力端子パターンを通って上記内面に実装されている上記増幅器に入力される構造とされた静電型マイクロホンにおいて、
    上記プリント配線基板が上記外面と内面の間に中層電極パターンを有する3層構造とされ、
    上記中層電極パターンは上記入力端子パターンと重なり、かつ入力端子パターンより広い面積を有するものとされ、スルーホールを介して上記出力端子パターンと接続されていることを特徴とする静電型マイクロホン。
  2. 請求項1記載の静電型マイクロホンにおいて、
    上記入力端子パターンの内周に沿ってガード電極パターンが上記内面に形成され、
    上記ガード電極パターンはスルーホールを介して上記中層電極パターンと接続されていることを特徴とする静電型マイクロホン。
  3. 請求項1又は2記載の静電型マイクロホンにおいて、
    上記ゲートリングとカプセルの内周面との間に配された絶縁リング内に全周にわたって電極層が形成され、
    その電極層は上記中層電極パターンと接触導通されていることを特徴とする静電型マイクロホン。
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