JP2005340768A - 多値不揮発性半導体記憶素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定な多値記憶動作を可能とすると共に十分なメモリウィンドウを確保することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 半導体基板1上に形成され、ソース領域6と、ドレイン領域7と、チャネル形成領域上に形成されたトンネル絶縁層2と、チャネルから注入された電荷を保持する電荷保持層3と、ゲート間絶縁層4と、制御ゲート5とを備え、電荷保持層3が、1012〜1014個/cmの密度で独立分散した、粒子径5nm以下の浮遊ゲートとして機能する超微粒子(仕事関数が4.2eV以上)と、母相絶縁体(電子親和力が1.0eV以下の非晶質の物質)とによって構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多値不揮発性半導体記憶素子およびその製造方法に関し、詳しくは、浮遊ゲートとして機能する超微粒子と母相絶縁体とによって構成される電荷保持層を有し、室温環境下および高温環境下において安定的に多値動作が可能な多値不揮発性半導体記憶素子およびその製造方法に関する。
従来、データを書き換え可能に記憶する大容量の記憶素子または記録媒体として、DRAM、SRAM等の半導体記憶素子、または、ハードディスク、光磁気ディスク、光ディスク等の回転ディスク型記録媒体があり、これらを用いたシステムが開発され、使用されてきた。このうち、データの書き込み、読み出し速度が速く高集積化が容易などの特徴を有するDRAMは、パソコンなどの一時記憶素子として広く用いられてきた。しかし、DRAMは、揮発性(外部からの電源供給が停止されたとき、保持していた記録が消滅することをいう。)メモリであるため、記録の保持のためには外部からの電力供給が必要である。そのため、安定な電力供給が困難な情報携帯端末機器では、通常、DRAMは用いられなかった。
一方、ハードディスクシステム等に関しては、データの揮発性はないが、上記の記憶素子に比して、書き込みおよび読み出し速度が遅く、消費電力が比較的大きいという欠点がある。また機器構造上、機械的振動や衝撃に弱いという欠点がある。そのため、回転ディスク型記録媒体は、通常、携帯端末機器には多くは利用されない。
近年の携帯端末機器市場の広がりに伴い、携帯端末機器に用いる記憶素子として、不揮発性を有し、記憶容量が大きく、高速書き込みおよび高速読み出しが可能で、利用の際の機械的振動に対しても動作が安定し、消費電力が低い、等の性能を備えたものが求められている。また、従来の半導体製造技術を用いて簡易に作成できるということも、求められる。
ここで、上記の要求を満たす記憶素子として、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ、MRAM(Magnetic Random Access Memory)、相変化メモリ等の不揮発性半導体記憶素子は、現時点で開発段階または一部実用段階にあるが、今後の利用が期待されている。
上記の不揮発性半導体記憶素子には、例えば、以下に述べるような一長一短がある。まず、MRAMは、書き込み速度が速いことや書き換え可能回数が多いなど優れた点が多く、DRAMの置き換えメモリとして最有力候補の一つと言われている。しかし、MRAMは、メモリセルがトランジスタとTMR(Tunnel Magneto Resistive)素子(トンネル磁気抵抗素子)とによって構成されているため、構造が比較的複雑であること、素子の微細化が困難であること、それゆえ簡易に作成できないこと、作成プロセス上の技術的課題が多い強磁性材料を導入しなければならないこと等の問題がある。そして、何よりも、特性ばらつきの小さいTMR素子の製造技術の確立が困難という問題がある。
一方、フラッシュメモリのメモリセルは基本的にトランジスタ1つで構成された単純な構成を有するため、セルサイズを小さくでき、また、従来のDRAMプロセス技術を用いて微細化できるため、大きな記憶容量を有するフラッシュメモリを簡易に製造できる。このような理由から、フラッシュメモリは、既に、携帯端末機器用の記憶素子として大きな市場を形成している。近年、半導体素子の高速化、微細化が推進されているが、この流れに沿ってフラッシュメモリにおいても素子の微細化、高速化、電荷保持能力の向上など、高性能化のための研究が盛んに行われている。
現在、携帯端末機器用の記憶素子として用いられているフラッシュメモリのうち、NOR型フラッシュメモリを例にとり、以下に説明する。まず、NOR型フラッシュメモリからの読み出し時間に関してであるが、指定されたメモリセルからの保持データの読み出しは、100ns程度またはそれ以下の比較的短い時間で完了する。
一方、データの書き込みは、チャネルから浮遊ゲートへのチャネルホットエレクトロン(CHE)注入により行われるが、CHE注入の電荷注入効率(供給電流に対する注入電流の割合のことをいう。)が低いため、データの書き込みに要する時間は、データの読み出しに要する時間より長くなってしまう。また、データの消去は、浮遊ゲートからチャネル形成領域またはソースへの、ファウラ−ノルドハイム(Fowler−Nordheim、以下、FNという。)トンネル電流による電荷放出によって行われるが、FNトンネル電流による電荷放出に時間を要するため、データの消去に要する時間は、データの読み出しに要する時間より長くなる。
具体的には、書き込みには1μs台、消去にいたっては数百msから数s台の比較的長い時間が必要となる。このため、フラッシュメモリの大容量化・低コスト化が比較的容易であるにもかかわらずその用途が限定され、DRAMなど高速メモリへの置換えは難しい状況にある。このような問題を解決すべく、チャネル−浮遊ゲート間のトンネル絶縁層の物理的厚さを薄くして書き換え時間を律速している電荷放出または電荷注入に要する時間を低減しようとする試みがある。
しかし、このトンネル絶縁層を薄くすると、浮遊ゲートが帯電しているときにトンネル絶縁層の膜厚に反比例した非常に強い電界がトンネル絶縁層にかかるため、書き換え動作の繰返しによりトンネル絶縁層を電荷が何度も通過することによるストレスが発生し、トンネル絶縁層が絶縁破壊を起こしやすくなる。
トンネル絶縁層のどこか1ヶ所でも絶縁破壊が生じると、現状のフラッシュメモリはバルク浮遊ゲート型フラッシュメモリであるため、浮遊ゲートに保持されている電荷の大部分がリークし、以後そのメモリセルはデータ保持能力を失ってしまう。そのため、現状では電荷保持の信頼性を保つためにトンネル絶縁層の厚さを約10nmと厚くせざるを得ず、書き換え時間の短縮が困難な状況にある。また、トンネル絶縁層の膜厚と素子全体の寸法は相似的に縮小するという法則があるため、素子全体の微細化の妨げともなっている。
さらに、フラッシュメモリの高集積化に伴い、隣接する素子間の浮遊ゲートの間隔が縮まり、隣接浮遊ゲート間の容量結合が強まる。これにより指定アドレスの素子に隣接する素子の浮遊ゲートの電位が変化するなど、隣接浮遊ゲート間で相互に影響を及ぼしあい、読み出しおよび書き込み時に誤動作を起こしやすくなることが指摘されている。この隣接浮遊ゲート間の容量結合の影響は、特に高集積化の進行が著しいNAND型フラッシュメモリにおいて顕著である。
上記の理由から、上記のバルク浮遊ゲート型フラッシュメモリ素子の微細化および高密度化は、今後、急激に困難を増し、早ければ2007年頃には微細化の限界に到達するとさえ言われている。
高速動作を実現すると共に、絶縁破壊による電荷保持能力の低下を防止し、隣接素子の浮遊ゲート間の寄生容量の影響を低減する技術として、浮遊ゲートを複数に分割し、従来の構造のゲートが保持していた電荷を空間的に離散させて保持させるという技術がある。
この技術を用いた不揮発性半導体メモリとしては、MONOS(Metal−Oxide−Nitride−Oxide−Semiconductor)メモリまたはSONOS(MONOSメモリのゲート電極の材料を金属から半導体に置き換えたもの。電極材料としては、例えば、Poly−Siが用いられる。)がある。
図3は、MONOSメモリを構成するトランジスタの概念的な断面構造の一例を示す図である。図3に示すMONOSメモリ30を構成するトランジスタは、p型半導体基板1と、酸化膜からなるトンネル絶縁層2と、トンネル絶縁層2上に積層された、浮遊ゲートの代わりのSiN膜33と、SiN膜33上に積層された酸化膜からなる絶縁層34と、制御ゲート5と、ソース領域6と、ドレイン領域7とを備えた構成を有する。
MONOSメモリ30を構成するトランジスタは、電荷を保持する、少なくとも2種類の準位が存在する。そのうちの1つは、トンネル絶縁層2または絶縁層34とSiN膜33との界面に存在する界面準位33aであり、もう1つは、SiN膜33中に離散的に分布するトラップ準位33aである。MONOSメモリ30を構成するトランジスタは、これらの準位に電荷を分離させて保持するようになっている。
このように、電荷を保持する界面準位33aおよびトラップ準位33aが空間的に離散して分布するため、トンネル絶縁層2のいずれか1ヶ所で絶縁破壊が生じたとしても、その絶縁破壊による電荷リークは局所的にしか生じない。そのため、一部に局所的な絶縁破壊が生じたとしても、メモリセルの電荷保持能力をほぼ維持できる。上記の理由から、MONOSメモリは、現状のバルク浮遊ゲート型フラッシュメモリに比して書き換え回数の点で優れていると共に、トンネル絶縁層2の物理的厚さも比較的薄くできることからメモリセルを微細化できるなどの点でも有利とされている。
しかし、SiN膜33のトラップ準位の深さ(電子に対してはトラップ準位と伝導帯下端とのエネルギー差、正孔に対してはトラップ準位と価電子帯上端とのエネルギー差をいう。)が電荷をトラップするのに必ずしも充分に深くないなどの理由により、一旦トラップされた電荷が逃げやすく、絶対的な電荷保持能力(絶縁破壊による電流リークがない素子が有する電荷保持能力のことをいう。)は低いという欠点がある。
一方、MONOSメモリと同様に電荷を離散的に保持させることによってトンネル絶縁層2の絶縁破壊の問題、および、隣接浮遊ゲート間の寄生容量の問題を解決できると共に、MONOSメモリよりも絶対的な電荷保持能力をさらに高める方法として、チャネル形成領域と制御ゲート5との間の絶縁層中にSiの超微粒子を多数分散させて浮遊ゲートとする構造が考えられている。
図4は、Si超微粒子を浮遊ゲートとする半導体記憶素子の概念的な断面構造の一例を示す図である(例えば、特許文献1参照。)。図4に示す超微粒子浮遊ゲート型不揮発性半導体記憶素子40を構成する各構成部のうち、図3に示すMONOSメモリ30を構成する各構成部と同様の構成のものについては、同一の番号を付し、その説明を省略する。
特許文献1に開示された技術では、図4に示すようにトンネル絶縁層2の上に、CVD法により形成された多数のSi超微粒子43が浮遊ゲートとして形成されている。
不純物を含まないSi超微粒子43が浮遊ゲートとして用いられる場合、注入された電子はSiの伝導帯準位にトラップされ、トラップされた電子から見たポテンシャル障壁の高さは、Si超微粒子43を囲む各酸化膜(トンネル絶縁層2および絶縁層44)の伝導帯準位とSiの伝導帯準位の差、すなわちSiと酸化膜の電子親和力の差となる。このポテンシャル障壁は、MONOSメモリ30のSiN膜33中のトラップが形成する障壁より概して深いため、トラップされた電子は、p型半導体基板1および制御ゲート5等に移動し難い。そのため、図4に示す断面構造の超微粒子浮遊ゲート型不揮発性半導体記憶素子40の電荷保持能力は、MONOSメモリよりも高くなる。
しかし、上記の超微粒子浮遊ゲート型不揮発性半導体記憶素子40を構成する電荷保持層3では、Si超微粒子の密度が十分でないため、メモリウィンドウの大きさを十分確保することが困難であったり、メモリウィンドウのばらつきが比較的大きくなりやすく、将来の素子の微細化への対応が困難であるという問題がある。
さらに、特許文献2に開示された不揮発性半導体記憶素子は、浮遊ゲートの材料にSi以外の金属などを用いることができる。ここで、金属の仕事関数がSiの電子親和力よりも概して大きいため、金属を浮遊ゲートとして用いた場合の方がSiを浮遊ゲートとして用いた場合よりもポテンシャル障壁を高くすることができ、電荷保持能力を高くできる。
このことは、以下のように説明される。図7は、浮遊ゲートとしてSi、WおよびCo超微粒子を用いた場合の、各材料の超微粒子に捕獲された電子がSiO膜の絶縁層を通ってSi基板にトンネルする確率を理論的に計算した結果を示す図である。なお、グラフの横軸は電子が透過するSiO膜のトンネル絶縁層の厚さを表している。この結果によれば、WおよびCoの金属浮遊ゲートを用いた場合のトンネル確率は、Si浮遊ゲートを用いた場合に比して、2〜5桁程度低い。すなわち、金属浮遊ゲートからのリーク電流は、Si浮遊ゲートのそれに比して、100〜10万分の1程度までに小さくなる。このように、浮遊ゲートにSiを用いるよりも、Siの電子親和力の値よりも大きな値の仕事関数を有する金属を用いることによって、高い電荷保持能力を得ることができる。かかる効果は、高温環境下においても同様である。また、浮遊ゲートの密度が1012〜1014/cmと非常に高く、メモリウィンドウの大きさ、および、メモリウィンドウの均一性において、特許文献2に開示されたSi浮遊ゲートの不揮発性半導体記憶素子のそれよりも優れている。
しかし、上記の特許文献2に開示された不揮発性半導体記憶素子では、浮遊ゲートの密度が高くなることがあり、特に多値記憶動作を行う上においては必ずしも最適な状態とは言えない場合があり、改善の余地があった。
ここで、多値記憶動作とは、通常の記憶動作では「0」または「1」を示す1ビットの情報を1つの記憶素子に記憶させるのに対し、1ビットを超える情報を1つの記憶素子に記憶させる動作をいう。これにより素子密度を向上させることなく記憶密度を向上できる。
絶縁膜中に電荷を保持させる構造の不揮発性半導体記憶素子における多値記憶動作の方式は、いくつかの方法が考えられている。MONOSメモリ、超微粒子浮遊ゲートを設けた不揮発性半導体記憶素子等の電荷離散保持型半導体記憶素子では、電荷は空間的に離散した状態で保持されることから、このことを利用し比較的容易に多値動作を行うことができる。
以下、多値記憶動作の1例として、2ビットの情報を記憶させる2ビット記憶動作について、上記の電荷離散保持型不揮発性半導体記憶素子を取り上げ、図5を用いて説明する。電荷離散保持型不揮発性半導体記憶素子は、電荷を空間的に独立離散して保持できることから、浮遊ゲートに電荷を保持させる態様として、例えば次の4つの態様をとることが可能である。電荷を異なる態様で保持することが可能であり、かつその異なる態様を検出することができれば、多値記憶動作が可能となる。
すなわち、(1)電荷保持層3を構成する浮遊ゲートの殆どに電荷が保持されていない態様、(2)電荷保持層3を構成する浮遊ゲートの殆どに電荷が保持されている態様、(3)電荷保持層3を構成する浮遊ゲートのうち、ドレイン側の浮遊ゲートに電荷が保持された態様、(4)電荷保持層3を構成する浮遊ゲートのうち、ソース側の浮遊ゲートに電荷が保持された態様、の合計4つの態様である。
まず、データの書き込み動作について説明する。上記の態様(2)を実現するためには、以下のように行う。電荷保持層3を構成する全浮遊ゲートの殆どに電荷を保持させるには、FNトンネル電流により、または、基板ホットエレクトロン(SHE)となった電子の注入により行われる。具体的には、p型半導体基板1と制御ゲート5との間に、FNトンネル電流が生ずるための、または、基板ホットエレクトロンを生成するための充分な電圧(++Vg)を印加し、p型半導体基板1、ソース領域6およびドレイン領域7を接地する。なお、以下では、特に断る場合を除いてp型半導体基板1をアース電位とする。したがって、上記の制御ゲート5は、「++Vg」の電位に有ることとなる。
上記の動作によって、p型半導体基板1と制御ゲート5の間に一様な電界分布を生じさせることができるため、ゲート長方向の殆どの浮遊ゲートに電荷が注入され、保持されることになる。図5(b)に、上記のようにして注入される電子を符号50aを付して示した。
また、電荷を保持する浮遊ゲートを電荷を保持しない浮遊ゲートと区別するため、前者を電荷保持浮遊ゲート、後者を無電荷浮遊ゲートといい、それぞれ、符号3a、3aを付して示した。
次に、上記の態様(3)を実現するためには、以下のように行う。電荷保持層3を構成する浮遊ゲートのうち、ドレイン端近傍の浮遊ゲートに電荷を保持させるには、チャネルホットエレクトロン(CHE)となった電子の注入により行われる。具体的には、p型半導体基板1とソース領域6をアース電位にし、制御ゲート5およびドレイン領域7に、CHEが再生され、かつ、そのCHEが浮遊ゲートに注入される現象が効果的に生じるために充分な電位(++Vg、++Vsd)をそれぞれ与える。
上記の動作によって、ドレイン端近傍でポテンシャル障壁を飛び越えるチャネルホットエレクトロンが発生するため、ドレイン端近傍の浮遊ゲートのみにチャネルホットエレクトロンが注入される。注入されたチャネルホットエレクトロンは、各浮遊ゲートが空間的に離散しているため、ドレイン端近傍の浮遊ゲート内に留まる。図5(c)に、上記のようにして注入されるチャネルホットエレクトロンを符号50bを付して示した。
上記の態様(4)を実現するためには、態様(3)と同様に行う。ただし、p型半導体基板1およびドレイン領域7をアース電位とし、ソース領域6を、チャネル内で電子を加速し、チャネルホットエレクトロンにするための充分な電位(++Vsd)にする。このようにすることにより、ソース端近傍でチャネルホットエレクトロンが生成され、ソース端近傍の浮遊ゲートにチャネルホットエレクトロンが注入されることになる。
次に、浮遊ゲートに電荷が、上記の4つの態様のうちのいずれの態様で保持されているか(電荷を保持しない態様(1)を含む)を検出することである、読み出し動作について説明する。まず、態様(3)であるか否かの検出、つまり、ドレイン側の浮遊ゲートに電荷が保持されている態様の検出、の動作について図6を用いて説明する。
この場合、電荷保持浮遊ゲートはドレイン端近傍に位置するため、電荷保持浮遊ゲートに保持された電荷による静電的な影響は、電荷保持浮遊ゲートの直近の領域である、ドレイン端近傍のみにあらわれる。この状態で、まず、電荷保持浮遊ゲートに近いドレイン側の領域が高電位となるようにドレイン領域7の電位(++Vsd)を設定する。
ドレイン領域7の電位(++Vsd)は、ドレイン端近傍で空乏層61aが形成されると共に、チャネル62aがドレイン端まで達しないような電位に設定されるものとする(図6(a)参照。)。すなわち、電荷保持浮遊ゲート近傍でチャネル62aが消滅し、空乏層61aが形成されている状態を実現する電位に設定される。
以下、このようにドレイン側またはソース側に空乏層が形成される動作領域での動作を、飽和領域動作という。この状態では、チャネル62aは、電荷保持浮遊ゲート近傍で消滅しているため、チャネル62a内を流れるソース−ドレイン間電流Isdは、電荷保持浮遊ゲートの影響を受けにくい。一方、チャネル62aを流れるソース−ドレイン間電流Isdは、空乏層内の強い電界に支配され、電荷保持浮遊ゲートから受ける影響は相対的に小さい。したがって、この場合、ソース−ドレイン間電流Isdは、電荷保持浮遊ゲートの影響をほとんど受けない。
この状態でソース−ドレイン間に所定のソース−ドレイン電流Isdを流すためのゲート電圧のしきい値電圧は、浮遊ゲートが電荷を保持しない態様(1)でのしきい値電圧にほぼ等しい。ここで、上記のように電位を設定した場合に流れるソース−ドレイン電流Isd(図6(a)参照。)をフォワード読み出し電流といい、フォワード読み出し電流と反対の向きのソース−ドレイン電流Isd(図6(b)参照。)をリバース読み出し電流という。
次に、図6(b)に示すようにリバース読み出し電流を流す電位、すなわち、ソース領域6を電位(++Vsd)に設定し、ドレイン領域7をアース電位に設定する。この場合も、不揮発性半導体記憶素子は、飽和領域動作を行い、一部にチャネルが形成されているものとする。このような電位の設定の下では、ソース端近傍で空乏層61bが形成され、ドレイン側にチャネル62bが形成される。
ここで、電荷保持浮遊ゲート3aがドレイン側にあるため、ドレイン側のチャネルは、電荷保持浮遊ゲート3aに保持されている電荷の静電的影響を受ける。電荷保持浮遊ゲート3aに保持されている電荷の静電的影響は、半導体表面に誘起する電荷の密度(以下、誘起電荷密度という。)を低下させるように働く。電荷保持浮遊ゲート3aに保持されている電荷が電子であるため、制御ゲート5の電位を引き下げるのと同様の効果を有するからである。
このドレイン側での誘起電荷密度の低下がソース−ドレイン電流Isdに対してボトルネックとなり、所定のリバース読み出し電流を得るためのしきい値電圧は、高電圧側へシフトする。このように、フォワード読み出し電流とリバース読み出し電流のそれぞれに対するしきい値電圧の相違により、態様(3)であるか否かを検出できる。態様(4)の場合も同様に検出することが可能である。
一方、上記の態様(2)に関しては、所定の読み出し電流を流すためのしきい値電圧が、態様(1)で同一の読み出し電流を流すためのしきい値電圧よりも高いと共に、フォーワード電流とリバース電流を流すためのしきい値電圧がほぼ同程度であることから、態様(2)を他の態様から識別して検出できる。これは、態様(2)では、電荷保持浮遊ゲートの分布がソース側、ドレイン側で偏りがなく、対称に分布するためである。
このように多値記憶動作が可能であるには、電荷保持浮遊ゲートの空間分布の対称性と非対称性が保存される必要がある。電荷保持浮遊ゲートに保持された電荷が浮遊ゲート間を容易に動き回れるようでは、初期状態として電荷保持浮遊ゲートの分布が空間的に非対称になるように電荷を注入した場合でも、その後の電荷の浮遊ゲート間の移動により電荷保持浮遊ゲートの分布の非対称性を失ってしまう。そのため、電荷保持浮遊ゲートの電荷が浮遊ゲート間を移動するのでは、多値記憶動作を安定に行うことは困難である。
特開平11−186421号公報 特願平14−213900号公報
しかし、このような従来の、バルク浮遊ゲート型フラッシュメモリ、MONOSメモリ、SONOSメモリでは、安定な多値記憶動作が困難であるという問題があった。また、Si超微粒子浮遊ゲート型フラッシュメモリでは、メモリウィンドウの大きさやその均一性が安定動作において不十分であるという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、従来の素子よりも室温環境下および高温環境下において安定な多値記憶動作を可能とすると共に十分なメモリウィンドウを確保することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子およびその製造方法を提供するものである。
下記の要旨を有する。
1.半導体基板上に形成され、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間のチャネルを形成するためのチャネル形成領域上に形成されたトンネル絶縁層と、前記トンネル絶縁層を通過して前記チャネルから注入された電荷を保持する電荷保持層と、前記電荷保持層上に形成されたゲート間絶縁層と、前記ゲート間絶縁層上に形成され前記電荷保持層に電荷を保持させまたは放出させる制御を行うための制御ゲートとを備えた不揮発性半導体記憶素子において、前記電荷保持層は、浮遊ゲートとして機能する、平均の粒子径が5nm以下で、1種類以上の単元素物質または化合物からなる独立分散した複数の超微粒子と、各前記超微粒子の一部または全部を取り囲む母相絶縁体とによって構成され、各前記超微粒子は、仕事関数が4.2eV以上の良導体材料からなると共に、最も隣接する前記超微粒子との平均の外殻間隔距離が1nm以上5nm以下であり、前記母相絶縁体は、1.0eV以下の電子親和力を有する物質からなる多値不揮発性半導体記憶素子。なお、ここでいう外殻とは、超微粒子表面、または別の表現をすれば超微粒子と母相絶縁層との界面をさす。また外殻間隔距離とは、超微粒子の表面と、その超微粒子に最隣接する超微粒子の表面の間の最短距離をさす。
この構成により、超微粒子の分散の密度、粒子径等の適正化がなされると共に、超微粒子および母相絶縁体を構成する材料の選択によるエネルギー障壁の高さの適正化がなされたため、従来の素子よりも室温環境下および高温環境下において安定な多値記憶動作を可能とすると共に十分なメモリウィンドウを確保することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子を実現できる。
2.半導体基板上に形成され、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間のチャネルを形成するためのチャネル形成領域上に形成されたトンネル絶縁層と、前記トンネル絶縁層を通過して前記チャネルから注入された電荷を保持する電荷保持層と、前記電荷保持層上に形成されたゲート間絶縁層と、前記ゲート間絶縁層上に形成され前記電荷保持層に電荷を保持させまたは放出させる制御を行うための制御ゲートとを備えた不揮発性半導体記憶素子において、前記電荷保持層は、浮遊ゲートとして機能する、平均の粒子径が5nm以下で、1種類以上の単元素物質または化合物からなる独立分散した複数の超微粒子と、各前記超微粒子の一部または全部を取り囲む母相絶縁体とによって構成され、各前記超微粒子は、電子親和力が4.2eV以上の半導体材料からなると共に、最も隣接する前記超微粒子との平均の外殻間隔距離が1nm以上5nm以下であり、前記母相絶縁体は、1.0eV以下の電子親和力を有する物質からなる多値不揮発性半導体記憶素子。
この構成により、上記1の多値不揮発性半導体記憶素子の効果に加え、良導体材料の代わりに、4.2eV以上の電子親和力を有する半導体材料を用いることとしたため、室温環境下および高温環境下において安定した多値記憶動作を可能とする超微粒子として用いることができる材料の種類を拡大することができ、素子設計上の自由度を拡大することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子を実現できる。
3.前記超微粒子の仕事関数と前記半導体基板の仕事関数との差が0.5eV以下である上記1または2の多値不揮発性半導体記憶素子。
この構成により、上記1または2の多値不揮発性半導体記憶素子の効果に加え、各超微粒子をなす物質の仕事関数と、半導体基板の仕事関数との差の絶対値が、0.5eV以下になるようにしたため、超微粒子に電荷を注入する書き込み動作以前に半導体基板から電荷が超微粒子に移動することを防止でき、室温環境下および高温環境下の動作において情報の保持に役立たない電荷の超微粒子への移動を防止することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子を実現できる。
4.前記超微粒子の仕事関数と前記制御ゲートの仕事関数との差が0.5eV以下である上記1または2の多値不揮発性半導体記憶素子。
この構成により、上記1または2の多値不揮発性半導体記憶素子の効果に加え、各超微粒子をなす物質の仕事関数と、制御ゲートの仕事関数との差の絶対値が、0.5eV以下になるようにしたため、超微粒子に電荷を注入する書き込み動作以前に制御ゲートから電荷が超微粒子に移動することを防止でき、室温環境下および高温環境下の動作において情報の保持に役立たない電荷の超微粒子への移動を防止することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子を実現できる。
5.上記1から4までのいずれかの多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法において、前記電荷保持層を物理的蒸着法によって形成するようにした多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法。
この構成により、物理的蒸着法は相分離を生じさせやすいため、上記1から4までのいずれかの多値不揮発性半導体記憶素子の効果を有する多値不揮発性半導体記憶素子の電荷保持層を容易に作成することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法を実現できる。
6.前記電荷保持層を形成する前記物理的蒸着法が、スパッタリング法である上記5の多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法。
この構成により、上記5の多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法の効果に加え、スパッタリング法は、成膜材料を幅広く選択できること、緻密な膜を得易いこと、下地との密着性が高い膜が得られること、量産性に優れていることなどのため、上記1から4までのいずれかの多値不揮発性半導体記憶素子の効果を有する多値不揮発性半導体記憶素子の電荷保持層を好適に製造することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法を実現できる。
本発明は、超微粒子の分散の密度、粒子径等の適正化がなされると共に、超微粒子および母相絶縁体を構成する材料の選択によるエネルギー障壁の高さの適正化がなされたため、従来の素子よりも室温環境下および高温環境下において安定な多値記憶動作を可能とすると共に十分なメモリウィンドウを確保することが可能な多値不揮発性半導体記憶素子およびその製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る多値不揮発性半導体記憶素子の断面構造を概念的に示す説明図である。図1において、多値不揮発性半導体記憶素子10は、p型半導体基板1上に形成され、ソース領域6と、ドレイン領域7と、ソース領域6とドレイン領域7との間のチャネルを形成するためのチャネル形成領域上に形成されたトンネル絶縁層2と、トンネル絶縁層2を通過してチャネルから注入された電荷を保持する電荷保持層3と、電荷保持層3上に形成されたゲート間絶縁層4と、ゲート間絶縁層4上に形成され電荷保持層3に電荷を保持させ、または、放出させる制御を行うための制御ゲート5とを備える。
上記の電荷保持層3は、浮遊ゲートとして機能する、平均の粒子径が5nm以下で、1種類以上の単元素物質または化合物からなる独立分散した複数の超微粒子3aと、各超微粒子3aの一部または全部を取り囲む母相絶縁体3bとによって構成される。各超微粒子3aは、仕事関数または電子親和力が4.2eV以上の材料からなると共に、最も隣接する超微粒子との平均の外殻間隔距離が1nm以上5nm以下である。
以下では、特に断る場合を除き、p型半導体基板1としてp型半導体基板を用いるものとするが、埋め込み酸化膜(Buried Oxide、BOX)を有するSOI(Silicon On Insulator)基板を用いるのでもよい。ここで、トンネル絶縁層2としては、p型半導体基板と界面接合性が比較的良好なSiO等の酸化膜や、制御ゲート電圧によるp型半導体基板表面の電界分布の制御性を高め、誘電率の高い、例えば、SiO(0≦x<2、0<y≦4/3)系材料、HfO等の材料が好適に使用できる。
また、トンネル絶縁層2の材料として、SiN(0<x≦4/3)等の窒素化合物系絶縁膜、HfOやLaO等の非Si系酸化物を用いることは、浮遊ゲート材料に金属材料を採用した場合に、浮遊ゲート材料の金属材料の一部がトンネル絶縁層を通してp型半導体基板1側へ拡散し、MOSFETのしきい値電圧を変化させることを防止できるため、極めて望ましい。
また、トンネル絶縁層2の膜厚は、データの書き込み/消去動作を高速に行わせるため、できるだけ薄い方がよく、8nm以下であることが好ましい。さらに、トンネル絶縁層2の膜厚を、5nm以下とすることが、高速化のために極めて好ましい。
トンネル絶縁膜2の絶縁破壊による蓄積電荷の損失量をできるだけ少なく抑え、メモリウィンドウを大きくかつその均一性を高めるという観点から、電荷保持層3を構成する超微粒子間の平均の外殻間隔距離を5nm以下とし、超微粒子3aが高密度に分散されるようになっている。また、超微粒子間の電気的絶縁を確保できるように、超微粒子間の平均の外殻間隔距離を1nm以上とした。超微粒子間の電気的絶縁性を高め、かつ超微粒子3aの密度を高めることから、外殻間隔距離は、特に、2nm以上3nm以下であることがより望ましい。
ここで、上記の平均の粒子径とは、例えば、素子の周辺部を除いた領域に分散された超微粒子3aのうち、粒子径が大きい方から10%の超微粒子3aを除去し、粒子径が小さい方から10%の超微粒子3aを除去したときの算術平均をいうものとする。同様に、最も隣接する超微粒子3a間の平均の外殻間隔距離とは、例えば、素子の周辺部を除いた領域に分散された超微粒子3aのうち、最も隣接する超微粒子3a間の外殻間隔距離が大きい方から10%の外殻間隔距離を除去し、最も隣接する超微粒子3a間の外殻間隔距離が小さい方から10%の外殻間隔距離を除去したときの算術平均をいうものとする。なお、算術平均を算出するためのサンプリングは、素子の周辺部を除いた領域のうち、超微粒子が一様に分布する平均的な領域から、例えば、100個、1000個等をとる方法で行うのでもよい。
ここで、上記の母相絶縁体3bは、各超微粒子3aの表面の一部または全部を取り囲む膜状の領域からなる絶縁体である。したがって、電荷保持層3は、母相絶縁体3b中に分散して存在する各超微粒子3aと、母相絶縁体3bとによって構成される。また、上記の母相絶縁体3bは、トンネル絶縁層2およびゲート間絶縁層4と異なる材料からなるのでもよい。同様に、トンネル絶縁層2とゲート間絶縁層4とは異なる材料からなるのでもよい。
電荷保持層3を構成する各超微粒子3aは、トンネル絶縁層2の絶縁破壊による蓄積電荷の損失量をできるだけ少なく抑えるために多数分散されるのが好適である。ただし、超微粒子3a間の電気的絶縁を確保できるように、各超微粒子3a間の距離が所定以上となるように超微粒子3aを分散することが、さらに、好適である。超微粒子3aの粒径は、5nm以下が好適である。
ここで、母相絶縁体3b中に分散する超微粒子3aと母相絶縁体3bとが形成するポテンシャル障壁の高さは、超微粒子3aの密度を高く維持すると共に、隣り合う超微粒子3a間でのトンネル効果によるトラップ電荷の移動を抑制するために、高いことが好ましい。高いポテンシャル障壁を形成するには、超微粒子3aの仕事関数または電子親和力が高く、母相絶縁体3bの電子親和力が低いことが望ましい。
具体的には、超微粒子3aの仕事関数または電子親和力として4.2eV以上、母相絶縁体3bの電子親和力として1.0eV以下が好ましい。母相絶縁体3bとして酸化物を適用する場合、電荷保持層3の成膜時に微量の酸素ガスを成長時の雰囲気に含ませることは、トラップ電子のトンネル伝導を抑制する上で効果的である。
また、母相絶縁体3bが非晶質の物質であることは、超微粒子3a間での電子のトンネル伝導を抑制する上で好ましい。さらには、超微粒子3aおよび母相絶縁体3bとして、半導体製造プロセスにおける高温処理に対して耐性をもつ、後述の高融点材料を用いることが好適である。なお、超微粒子および絶縁体に適する具体的な材料名は後述する。
また、母相絶縁体3b中に分散する超微粒子3aと母相絶縁体3bとが形成するポテンシャル障壁、または、超微粒子3aとトンネル絶縁層2とが形成するポテンシャル障壁、もしくは、超微粒子3aとゲート間絶縁層4とが形成するポテンシャル障壁を実効的に高くするため、超微粒子3aをなす物質の仕事関数は、p型半導体基板1または制御ゲート5の仕事関数に近い方が好適であり、具体的には、超微粒子3aとp型半導体基板1との仕事関数の差、または、超微粒子3aと制御ゲート5との仕事関数の差の絶対値が0.5eV以下であることが好適である。これにより、超微粒子3aに電荷を注入する書き込み動作以前にp型半導体基板1または制御ゲート5から電荷が超微粒子3aに移動することを防止でき、情報の保持に役立たない電荷の超微粒子3aへの移動を防止できる。
以下、多値不揮発性半導体記憶素子10の多値記憶動作の1例として、2ビットの情報を記憶させる2ビット記憶動作について、図5を用いて説明する。多値不揮発性半導体記憶素子10は、電荷を空間的に独立離散して保持できることから、浮遊ゲートに電荷を保持させる態様として、少なくとも次の4つの態様がある。電荷を保持する態様が異なり、その異なる態様を検出することができれば、多値不揮発性半導体記憶素子10への情報の読み書きができることになる。
すなわち、(1)電荷保持層3を構成する浮遊ゲートの殆どに電荷が保持されていない態様、(2)電荷保持層3を構成する浮遊ゲートの殆どに電荷が保持されている態様、(3)電荷保持層3を構成する浮遊ゲートのうち、ドレイン端近傍の浮遊ゲートに電荷が保持された態様、(4)電荷保持層3を構成する浮遊ゲートのうち、ソース端近傍の浮遊ゲートに電荷が保持された態様、の合計4つの態様である。
まず、データの書き込み動作について説明する。上記の態様(2)を実現するためには、以下のように行う。電荷保持層3を構成する全浮遊ゲートの殆どに電荷を保持させるには、FNトンネル電流により、または、基板ホットエレクトロン(SHE)となった電子の注入により行われる。具体的には、p型半導体基板1と制御ゲート5との間に、FNトンネル電流が生ずるための、または、基板ホットエレクトロンを生成するための充分な電圧(++Vg)を印加し、p型半導体基板1、ソース領域6およびドレイン領域7を接地する。なお、以下では、特に断る場合を除いてp型半導体基板1をアース電位とする。したがって、上記の制御ゲート5は、「++Vg」の電位に有ることとなる。
上記の動作によって、p型半導体基板1と制御ゲート5の間に一様な電界分布を生じさせることができるため、ゲート長方向の殆どの浮遊ゲートに電荷が注入され、保持されることになる。図5(b)に、上記のようにして注入される電子を符号50aを付して示した。
また、電荷を保持する浮遊ゲートを電荷を保持しない浮遊ゲートと区別するため、前者を電荷保持浮遊ゲート、後者を無電荷浮遊ゲートといい、それぞれ、符号3a、3aを付して示した。
次に、上記の態様(3)を実現するためには、以下のように行う。電荷保持層3を構成する浮遊ゲートのうち、ドレイン端近傍の浮遊ゲートに電荷を保持させるには、チャネルホットエレクトロン(CHE)となった電子の注入により行われる。具体的には、p型半導体基板1とソース領域6をアース電位にし、制御ゲート5およびドレイン領域7に、CHEが生成され、かつ、そのCHEが浮遊ゲートに注入される現象が効果的に生じるために充分な電位(++Vg、++Vsd)をそれぞれ与える。
上記の動作によって、ドレイン端近傍でポテンシャル障壁を飛び越えるチャネルホットエレクトロンが発生するため、ドレイン端近傍の浮遊ゲートのみにチャネルホットエレクトロンが注入される。注入されたチャネルホットエレクトロンは、各浮遊ゲートが空間的に離散しているため、ドレイン端近傍の浮遊ゲート内に留まる。図5(c)に、上記のようにして注入されるチャネルホットエレクトロンを符号50bを付して示した。
一方、上記の態様(4)を実現するためには、態様(3)と同様に行う。ただし、p型半導体基板1およびドレイン領域7をアース電位とし、ソース領域6を、チャネル内で電子を加速し、チャネルホットエレクトロンにするための充分な電位(++Vsd)にする。このようにすることにより、ソース端近傍でチャネルホットエレクトロンが生成され、ソース端近傍の浮遊ゲートにチャネルホットエレクトロンが注入されることになる。
次に、浮遊ゲートに電荷が、上記の4つの態様のうちのいずれの態様で保持されているか(電荷を保持しない態様(1)を含む)を検出することである、読み出し動作について説明する。まず、態様(3)であるか否かの検出、つまり、ドレイン側の浮遊ゲートに電荷が保持されている態様の検出、の動作について図6を用いて説明する。
この場合、電荷保持浮遊ゲートはドレイン端近傍に位置するため、電荷保持浮遊ゲートに保持された電荷による静電的な影響は、電荷保持浮遊ゲートの直近の領域である、ドレイン端近傍のみにあらわれる。この状態で、まず、電荷保持浮遊ゲートに近いドレイン側の領域が高電位となるようにドレイン領域7の電位(++Vsd)を設定する。
ドレイン領域7の電位(++Vsd)は、ドレイン端近傍で空乏層61aが形成されると共に、チャネル62aがドレイン端まで達しないような電位に設定されるものとする(図6(a)参照。)。すなわち、電荷保持浮遊ゲート近傍でチャネル62aが消滅し、空乏層61aが形成されている状態を実現する電位に設定される。
以下、このようにドレイン側またはソース側に空乏層が形成される動作領域での動作を、飽和領域動作という。この状態では、チャネル62aは、電荷保持浮遊ゲート近傍で消滅しているため、チャネル62a内を流れるソース−ドレイン間電流Isdは、電荷保持浮遊ゲートの影響を受けにくい。一方、チャネル62aを流れるソース−ドレイン間電流Isdは、空乏層内の強い電界に支配され、電荷保持浮遊ゲートから受ける影響は相対的に小さい。したがって、この場合、ソース−ドレイン間電流Isdは、電荷保持浮遊ゲートの影響をほとんど受けない。
この状態でソース−ドレイン間に所定のソース−ドレイン電流Isdを流すためのゲート電圧のしきい値電圧は、浮遊ゲートが電荷を保持しない態様(1)でのしきい値電圧にほぼ等しい。ここで、上記のように電位を設定した場合に流れるソース−ドレイン電流Isd(図6(a)参照。)をフォワード読み出し電流といい、フォワード読み出し電流と反対の向きのソース−ドレイン電流Isd(図6(b)参照。)をリバース読み出し電流という。
次に、図6(b)に示すようにリバース読み出し電流を流す電位、すなわち、ソース領域6を電位(++Vsd)に設定し、ドレイン領域7をアース電位に設定する。この場合も、多値不揮発性半導体記憶素子は、飽和領域動作を行い、一部にチャネルが形成されているものとする。このような電位の設定の下では、ソース端近傍で空乏層61bが形成され、ドレイン側にチャネル62bが形成される。
ここで、電荷保持浮遊ゲート3aがドレイン側にあるため、ドレイン側のチャネルは、電荷保持浮遊ゲート3aに保持されている電荷の静電的影響を受ける。電荷保持浮遊ゲート3aに保持されている電荷の静電的影響は、半導体表面に誘起する電荷の密度(以下、誘起電荷密度という。)を低下させるように働く。電荷保持浮遊ゲート3aに保持されている電荷が電子であるため、制御ゲート5の電位を引き下げるのと同様の効果を有するからである。
このドレイン側での誘起電荷密度の低下がソース−ドレイン電流Isdに対してボトルネックとなり、所定のリバース読み出し電流を得るためのしきい値電圧は、高電圧側へシフトする。このように、フォワード読み出し電流とリバース読み出し電流のそれぞれに対するしきい値電圧の相違により、態様(3)であるか否かを検出できる。態様(4)の場合も同様に検出することが可能である。
多値不揮発性半導体記憶素子10における多値記憶動作は、上述のチャネル長方向における保持電荷分布の非対称性を利用するもののほか、それに垂直な方向の保持電荷分布の偏りを利用することもできる。具体的には、図2に示すように、超微粒子の配列を2段以上の3次元的な多重積層構造にし、この多重積層構造の超微粒子に保持される電荷の電荷重心となる層位置を制御すると共に、検出することにより、多値記憶動作を行うものである。
上記の多重積層構造は、例えば、超微粒子の配置がp型半導体基板1表面に平行な平面上に並んだものを1層とし、薄い絶縁層を挟んで再度同様な平面配列が繰返される構造をいう。以下では、例として多重積層構造を、超微粒子の層が2層配列した2層積層構造とする。図2に示す電荷保持層23の構造、すなわち母相絶縁体3b中に超微粒子3a、3aが高密度で独立分散する構造は、物理的蒸着法により自己組織的に形成されることから、このような超微粒子3a、3aの多層積層構造の形成には何ら複雑な工程を必要とせず、極めて容易に得ることが可能である。このような観点から、本発明に係る多値不揮発性半導体記憶素子10を構成する電荷保持層23の形成に用いる物理的蒸着法は、多層積層構造を形成する上で極めて適した方法である。
なお、チャネルに垂直な方向に電荷重心を変化させる制御と、チャネル長方向での上記の態様で保持電荷を分布させる制御とを同時に利用することによって、3ビット記憶動作を達成できる。
ここで、保持電荷の重心位置を明確に区別できるようにするという観点からは、層間距離はできるだけ長い方が好ましい。しかし、素子の微細化が進行して問題となる短チャネル効果を抑制するためには、制御ゲート5を介してp型半導体基板1表面付近の電界を強く制御できるようにする必要がある。半導体基板表面1付近の電界を強く制御するためには制御ゲート5とp型半導体基板1の距離を近づける必要があり、その観点からは、超微粒子の層間距離が短い方がよい。したがって、層間距離には適切な値が存在し、その値は1nm以上5nm以下であることが好ましく、特に、2nm以上3nm以下が好適である。
ゲート間絶縁層4は、制御ゲート電圧に応じたp型半導体基板1の表面付近の電界分布の制御性を高めること、および、データ消去時の放電動作を高速にすることなどの観点から、高い誘電率を有する材料を用いて薄い膜厚の膜を形成するのが好適である。このようにすることによって、制御ゲート5とp型半導体基板1との容量結合、および、制御ゲート5と浮遊ゲートすなわち超微粒子3aとの容量結合を強くすることができる。具体的には、SiO膜、SiO(0≦x<2、0<y≦4/3)膜、または、SiO膜とSiO(0≦x<2、0<y≦4/3)膜との積層膜などを、10nm以下の厚さにしたものが好適である。
一方、浮遊ゲートを構成する超微粒子3aに蓄積された電荷に対して単位電荷量あたりに得られるメモリウィンドウを大きくするという観点、または、超微粒子3aに蓄積された電荷が制御ゲート5にリークすることを抑制するという観点からは、ゲート間絶縁層4の厚さは厚い方が好ましい。以上のことから、メモリデバイスに求められる特性に応じてゲート間絶縁層の材質および厚さを調節、または、決定するものとする。
電荷保持層3、23は、いわゆる物理的蒸着法によって形成される。電荷保持層3、23用の薄膜の形成法としては、物理的蒸着法以外に化学蒸着法(化学気相蒸着法、別称CVD法)等も知られている。しかし、CVD法は、物理的成膜法に対し、成膜時の気相圧力が高いため反応原子種、分子種の気相における衝突頻度が高く、気相および基板表面温度が高いなどの理由により、相分離のない単一相の膜すなわち平衡相膜が形成されやすい。したがって、化学蒸着法は、本発明の電荷保持層3、23のような超微粒子3aと母相絶縁体3bとが分離した状態にある、準平衡相または非平衡相の膜を形成する目的には適さない。
これに対して、電荷保持層3、23は、物理的蒸着法を用いることにより一回のプロセスで形成しうる。物理的蒸着法としては、スパッタリング法、熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、レーザアブレーション法、分子線エピタキシー法などがあげられる。中でも、スパッタリング法は、成膜材料を幅広く選択できること、緻密な膜を得易いこと、下地との密着性が高い膜が得られることなどに加えて量産性に優れており、特に好ましい。
さらに、スパッタリング装置としては、下地のトンネル酸化膜に与えるダメージが少ない等の理由により、誘導結合型プラズマ(ICP)や電磁波結合型プラズマ(ECRプラズマ)を用いる装置、または、対向ターゲット方式の装置を用いるものがより好ましい。
スパッタリング法は、超微粒子の形成の際の自己組織化にとって適切な基板温度などが得られるため好ましい。具体的には、素子作成プロセス上、適切な基板温度で、半導体基板表面において成膜種粒子をマイグレーションさせ、自己組織化を起こさせることができる。
ここで、上記の自己組織化とは、超微粒子3aを構成する原子群と母相絶縁体3bを構成する原子群とが熱力学的相互作用などにより自発的にそれぞれ分離して配置し、その結果、絶縁体中に金属または半導体のナノスケールの超微粒子が組織化されることをいう。
この現象は、超微粒子3aの構成材料と母相絶縁体3bの構成材料の組み合わせ、存在比率等のターゲットの作成条件、および、成膜中の蒸気圧、基板温度等の成膜条件等に依存する。
自己組織化は、超微粒子3aおよび母相絶縁体3bの材料を適切に選択してターゲットを生成し、スパッタリングの条件を適切に選ぶことにより比較的容易に実現でき、電荷保持層3、23を形成できる。スパッタリング法は、自己組織化の発現に適した熱力学的条件を得ることができる好適な成膜方法である。
スパッタリング法によって電荷保持層3、23を形成する場合、成膜に用いるターゲットとして、超微粒子3aを形成するための材料(以下、母相絶縁体3b中に分散して存在する超微粒子の相を分散相という。)と、母相絶縁体3bの相を形成する材料の両方を含む混合ターゲットを用いることが好適である。混合ターゲットの作成方法は、特定の方法に限定されるものではなく、両相の粉末材料を混合して焼結したもの、または、一方の相の材料からなる単一相のターゲットを作成し、これに他方の相の材料のチップ片を表面に露出するように適当数埋め込んで生成する方法でもよい。
また、ターゲットのスパッタリング面が成膜装置の成膜室において鉛直上向きに設置される場合には、一方の相の材料の単一相ターゲット上に他方の相の材料のチップ片を適当数乗せたもの、または両相の混合粉末をガラスシャーレなどに敷き詰めたものもターゲットとして利用できる。ただし、粉末ターゲットは成膜環境において粉末が飛散し他の素子作成プロセスに悪影響を及ぼす恐れがあるなどの理由により、半導体デバイスを作成する上ではあまり好ましくない。
電荷保持層3、23を形成する場合、電荷保持層3、23中に分散相として現れる超微粒子からなる相(以下、超微粒子分散相という。)を得るための材料と、母相絶縁体3bを得るための材料(以下、マトリックス相材料という。)との組み合わせとしては、超微粒子分散相の材料とマトリックス相材料とが成膜時に相分離を起こす組み合わせの材料を選択するものとする。
超微粒子分散相の材料としては、金属、半導体および絶縁体のいずれからも選択できるが、室温環境下および高温環境下において高い電荷保持能力を得るという観点から、仕事関数または電子親和力のできるだけ大きい物質が好適である。また、高融点物質を超微粒子分散相の材料として用いるのは、素子作成プロセスにおける熱処理に対して耐熱性に優れているということから好適である。
超微粒子用の金属材料としては、4.2eV以上の仕事関数を有する、Os、Pt、Pd、Ni、Au、Co、Be、Rh、Te、Re、Ru、Cu、Mo、Sb、W、Cr、Fe、Ir、Sr、Se、Ba等、または、これらの合金、または、これらを主成分とする合金等が好適である。また、耐熱性という観点からは、超微粒子の融点は、1400℃以上であることが好適である。
さらに、超微粒子用の材料は、超微粒子を構成する原子が半導体基板、例えばSi基板、中に入り再結合中心を形成するとき、この再結合中心が半導体基板、例えばSi基板、のギャップの中心から少なくとも0.1eV以上離れていることが好ましい。これは、チャネルが形成される部分に電子とホールの再結合中心がある場合、この再結合中心を介した電子とホールの再結合の確率は、ギャップの中心からの再結合中心のエネルギーの関数であり、ほぼ双曲余弦関数の逆数で変化するからである。多値不揮発性半導体記憶素子10では、p型半導体基板中に形成されたチャネルを流れる電子のように、少数キャリアを動作に用いるため、再結合の影響は、少数キャリアほど大きい。また、超微粒子はチャネル上のナノメータオーダーの接近した位置に形成され、超微粒子とチャネルとの距離は小さいので、超微粒子を構成する原子がチャネルに拡散することによる影響が問題となる。
上記のように、ギャップの中心からの再結合中心のエネルギーが0.1eV以上離れていれば、多値不揮発性半導体記憶素子10の動作に必要な程度まで再結合の確率を抑制することが可能となる。以上、仕事関数、融点、不純物準位の観点を総合すると、具体的には、W、Mo、Ti、Pt、Pd、Ni、Ta、Cr等が好適であるが、Os、Re、Nb、Ru、Rhでもよい。
また、超微粒子用の元素半導体としては、Si、Ge、非晶質のSe、非晶質のTe等の半導体のうちのいずれかを用いることが好ましい。上記の半導体がP、As、Sb、B、Al、Ga、InおよびCuのうち少なくとも1種の元素を不純物として含むものでもよい。ここで、不純物がドープされたSiを超微粒子として用いることは、超微粒子を構成する原子または不純物の原子が拡散してp型半導体基板1に到達したとしても、少数キャリアのライフタイム低下に与える影響が少なく、好適である。
超微粒子用の化合物半導体または絶縁体としては、InAs、InGaAs、InGaNAs、InAlAs、InAsP、InGaAsP、InSb、InGaSb、InAlSb、InGaAsSb、SiC、CuO、ZnO、CdO、BaO、PbO、NiO、In、Sb、SnO、AgO、AgO、RuO、VGa、NbSn、NbAl、NbGa、NbGe、NbTi、NbMo、ZnS、CdS、HgS、PbS、Sb、Bi、ZnSe、CdSe、HgSe、SnSe、PbSe、InSe、SbSe、BiSe、ZnTe、CdTe、HgTe、SnTe、PbTe、InTe、BiTe、BN、GaN、InN、TiN、BP、AlP、GaP、InP、Zn、Cd、ZnP、CdP、AlAs、GaAs、ZnAs、CdAs、ZnAs、CdAs、AlSb、GaSb、ZnSb、CdSb、Siのうちの少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
また、これらの物質群の中でIn、Sb、SnO、ZnO、GaAsのうちの少なくとも1種の化合物は、Sn、Sb、Ga、Al、Inのうち少なくとも1種の元素を不純物として含むものでもよい。
母相絶縁体の材料としては、半導体および絶縁体のいずれからも選択できるが、高い電荷保持能力を得るという観点から、その電子親和力ができるだけ小さい材料が好適である。具体的には、電子親和力が1.0eV以下の材料がよい。また、高融点物質を母相絶縁体の材料として用いるのは、素子作成プロセスにおける熱処理に対して耐熱性に優れているということから好適である。
さらに、母相絶縁体として非晶質の材料を用いることは、以下の点で好適である。すなわち、超微粒子にトラップされた電子が母相絶縁体中をトンネル伝導によりリークする際に、母相絶縁体が結晶質であるよりも非晶質である方が、トンネル電子が母相絶縁体を構成する構成原子に散乱される確率が高くなるためである。この結果、電子のトンネル伝導による実効的なリーク量は低下することが期待される。また、母相絶縁体の融点も1,400℃以上であることが好ましい。母相絶縁体、超微粒子共に融点が1,400℃以上であると、半導体プロセスの熱処理においても超微粒子の粒成長を抑え、超微粒子の分散構造を保つことができる。
母相絶縁体として、具体的に、シリカ、アルミナ、チタニア、ムライト、コーディエライト、スピネル、ゼオライト、フォルステライトなどの酸化物、また炭化硼素(BC)などの炭化物、窒化ケイ素や窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの窒化物、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウムなどのフッ化物などを用いるのでも、これらのいずれか2つ以上の化合物を用いるのでもよい。
スパッタリング法による電荷保持層3、23の形成の際、ターゲット組成および成膜条件を制御することにより、マトリックス相の領域中に成長する各超微粒子の平均粒子径を変化させることができる。特に、各超微粒子の平均粒子径は、分散相の部分とマトリックス相の部分との体積分率、および、スパッタリング時のArガス圧、基板温度等の成膜条件によって変化することが確認されている。
具体的には、Co−SiO系のターゲットを用いてSiO絶縁体中にCo金属超微粒子が分散した膜を形成する場合、CoとSiOの体積比を50:50にして0.5PaのArガス圧で成膜したときは、Coからなる超微粒子の粒径が約2nmであるのに対して、8PaのArガス圧で成膜したときは、Coからなる超微粒子の粒径が約5nmになることが確認されている。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る多値不揮発性半導体記憶素子は、超微粒子の分散の密度、粒子径等の適正化がなされると共に、超微粒子および母相絶縁体を構成する材料の選択によるエネルギー障壁の高さの適正化がなされたため、従来の素子よりも室温環境下および高温環境下において安定な多値記憶動作を可能とすると共に十分なメモリウィンドウを確保できる。
また、超微粒子3a、3a、3aとして、4.2eV以上の電子親和力を有する半導体材料を用いることができるとしたため、超微粒子として用いることができる材料の種類を拡大することができ、素子設計上の自由度を拡大できる。
また、各超微粒子3a、3a、3aをなす物質の仕事関数と、p型半導体基板1の仕事関数との差の絶対値が、0.5eV以下としたため、超微粒子3a、3a、3aに電荷を注入する書き込み動作以前にp型半導体基板1から電荷が超微粒子3a、3a、3aに移動することを防止でき、情報の保持に役立たない電荷の超微粒子3a、3a、3aへの移動を防止できる。
また、電荷保持層の形成に物理的蒸着方法を用いる場合、物理的蒸着法は相分離を生じさせやすいため、多値不揮発性半導体記憶素子の電荷保持層を容易に作成できる。さらに、電荷保持層の形成にスパッタリング法を用いる場合、スパッタリング法は、成膜材料を幅広く選択できること、緻密な膜を得易いこと、下地との密着性が高い膜が得られること、量産性に優れていることなどのため、多値不揮発性半導体記憶素子の電荷保持層を好適に製造できる。
本発明の多値不揮発性半導体記憶素子のさらなる特徴については、以下に示す実施例により具体的に説明する。
本実施例に係る多値不揮発性半導体記憶素子について、図1を用いて説明する。なお、以下では、特に断る場合を除き、p型半導体基板1はp型半導体基板であるものとする。トンネル絶縁層2は、p型半導体基板1を酸素雰囲気中、800℃の温度で、5nmの膜厚になる処理時間、熱酸化して形成した。5nmの膜厚のトンネル絶縁層2を形成するための処理時間は、予め測定した処理時間と膜厚との関係に基づいて決定した。
トンネル絶縁層2を形成した後、容量結合型マグネトロンスパッタリング法により、以下の要領で5nmの膜厚の電荷保持層3を形成した。電荷保持層3を構成する超微粒子3aの材料として金属Wを、母相絶縁体3bの材料としてSiOを選択した。スパッタリングのターゲットとしては、直径3インチ(7.62cm)のSiOターゲット上に5mm角のWチップを置いたものを用いた。Wチップの量としては、ターゲットの垂直投影表面積のうちの15%をWチップの面積が占める量とした。
成膜に際し、スパッタリング装置の成膜室を5×10−4Paまで排気し、その後Arガスを導入し、成膜室のガス圧が0.5Paになるようにガス流量を調節した。200Wの高周波(13.56MHz)電力の入力によりプラズマを発生させた。上記の条件の下で超微粒子3aがW、母相絶縁体3bがSiOからなる膜(以下、W−SiO系電荷保持層という。)を成膜した。このようにして形成したW−SiO系電荷保持層を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、アモルファスのSiOの中に平均粒子径約2nmのW結晶の超微粒子がおよそ8×1012/cmの面密度で分散していることが確認された。
W−SiO系電荷保持層の上にゲート間絶縁層4としてSiO膜を形成した後、制御ゲート5としてタングステンナイトライド(WN)をバリアメタルとして積層し、その上にタングステンをスパッタリング法により積層成膜した。バリアメタルとしてのタングステンナイトライド(WN)は、この上に積層されるタングステンがゲート間絶縁膜4に拡散するのを防止するための膜である。
その後、ハードマスクとして用いるSiO膜を成膜した。ポジ型のフォトレジストをゲートエッチング用マスクとしてパターニングし、SiOハードマスクをエッチング後、さらに制御ゲート5であるタングステンおよびタングステンナイトライド、ゲート間絶縁層4、電荷保持層3をドライエッチングした。
その後、As(Pであってもよい)をイオン注入し、さらにアニール処理を行ってキャリアを活性化してソース領域6およびドレイン領域7を形成した。次に、保護膜を成膜し、保護膜の成膜後にコンタクトホールを形成し、制御ゲート5、ソース領域6、ドレイン領域7に接触するようにAl電極を形成した。このようにして作成したW−SiO系電荷保持層を電荷保持層3とするメモリセルは、2ビット記憶動作が可能であることが確認された。
本実施例2に係る多値不揮発性半導体記憶素子について、図2を用いて説明する。本実施例2では、半導体基板としてSOI(Silicon On Insulator)基板(以下、半導体基板21とする。)を用いた。図2において、半導体基板21は、基板1aと、基板1a上に設けられた膜厚100nmの埋め込み酸化膜1bと、埋め込み酸化膜1b上に設けられた膜厚50nmのp型SOI層1cとによって構成される。
本実施例2に係る多値不揮発性半導体記憶素子は、メサ型の構造とすることによって素子間分離がなされ、ホウ素(B)注入によりゲート制御電圧のしきい値が調整されている。その後、p型SOI層1c上にトンネル絶縁層2を形成した。このトンネル絶縁層2は、半導体基板21を800℃、酸素雰囲気中で熱酸化して得られたもので、膜厚は3nmである。
その後、超微粒子3a、3aと母相絶縁体3bとからなる電荷保持層23を、容量結合型マグネトロンスパッタリング法により、以下のように形成した。超微粒子3a、3aの材料として金属Rh、母相絶縁体3bの材料としてSiOを選択した。スパッタリングには、高純度Rhおよび高純度SiOの粉末を13:87の体積分率(Vol%)の割合で混合したものを焼結させた焼結ターゲットを用いた。
成膜に際し、スパッタリング装置の成膜室を5×10−4Paまで排気し、その後Arガスを導入し、成膜室のガス圧が0.5Paになるようにガス流量を調節した。200Wの高周波(13.56MHz)電力の入力によりプラズマを発生させ、Rh−SiO系電荷保持層を3nm堆積した。上記の条件の下で超微粒子3a、3aがRh、母相絶縁体3bがSiOからなる膜(以下、Rh−SiO系電荷保持層という。)を成膜した。
次に、低圧CVDによって、Rh−SiO系電荷保持層の上にゲート間絶縁層4としてSiO膜を形成した。次に、SiO膜からなるゲート間絶縁層4上に、低圧CVD法により、多結晶Siを制御ゲート5として成膜した。その後、ポジ型のフォトレジストをゲートエッチング用マスクとして形成し、制御ゲート5である多結晶Si、ゲート間絶縁層4、および、電荷保持層23をドライエッチングした。
次に、Asイオンを低エネルギーで浅く注入して接合領域6a、7aを形成し、さらに、低圧CVDによりSiO膜を成膜した。このSiO膜を異方性エッチングすることにより、サイドウォール8を形成した。その後、Asイオンをやや深く注入しコンタクト領域6b、7bを形成し、RTA(Rapid Thermal Anneal)処理によりキャリアを活性化させて、浅い接合領域6a、7aおよび深い接合領域6b、7bからなるソース領域6、ドレイン領域7を形成した。次に、保護膜を成膜し、ソース領域6、ドレイン領域7、制御ゲート5との電気的接触を得るためのコンタクトホールを形成し、これらのコンタクトホールを介して、制御ゲート5、ソース領域6、ドレイン領域7に接触するようにAl電極を形成した。
本発明に係る多値不揮発性半導体記憶素子およびその製造方法は、従来の素子よりも室温環境下および高温環境下において安定な多値記憶動作を可能とすると共に十分なメモリウィンドウを確保できるという効果が有用な、多値不揮発性半導体記憶素子およびその製造方法等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態に係る多値不揮発性半導体記憶素子の断面構造を概念的に示す説明図 本発明の実施の形態に係る、超微粒子の配列が多層構造を有する多値不揮発性半導体記憶素子の断面構造を概念的に示す説明図 MONOSメモリを構成するトランジスタの概念的な断面構造の一例を示す図 Si超微粒子を浮遊ゲートとする半導体記憶素子の概念的な断面構造の一例を示す図 多値不揮発性半導体記憶素子の多値記憶動作における書き込み動作を説明するための説明図 多値不揮発性半導体記憶素子の多値記憶動作における読み出し動作を説明するための説明図 浮遊ゲートとしてSi、WおよびCo超微粒子を用いた場合の、各材料の超微粒子に捕獲された電子がSiO膜の絶縁層をトンネルする確率を示す図
符号の説明
1、21 半導体基板
1a 基板
1b 埋め込み酸化膜
1c SOI層
2 トンネル絶縁層
3、23 電荷保持層
3a、3a、3a 超微粒子
3a 無電荷浮遊ゲート
3a 電荷保持浮遊ゲート
3b 母相絶縁体
4 ゲート間絶縁層
5 制御ゲート
6 ソース領域
6a、7a 浅い接合領域
6b、7b 深い接合領域
7 ドレイン領域
8 サイドウォール
10、20 多値不揮発性半導体記憶素子
30 MONOSメモリ
33 SiN
33a 界面準位
33a バルクのトラップ準位
34、44 絶縁層
40 超微粒子浮遊ゲート型不揮発性半導体記憶素子
43 Si超微粒子
50a、50b 超微粒子に注入される電子
61a、61b 空乏層
62a、62b、63 チャネル
Isd ソース−ドレイン間電流
Vg 制御ゲートの電位
Vsd ソース−ドレイン間の電圧

Claims (6)

  1. 半導体基板上に形成され、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間のチャネルを形成するためのチャネル形成領域上に形成されたトンネル絶縁層と、前記トンネル絶縁層を通過して前記チャネルから注入された電荷を保持する電荷保持層と、前記電荷保持層上に形成されたゲート間絶縁層と、前記ゲート間絶縁層上に形成され前記電荷保持層に電荷を保持させまたは放出させる制御を行うための制御ゲートとを備えた不揮発性半導体記憶素子において、
    前記電荷保持層は、浮遊ゲートとして機能する、平均の粒子径が5nm以下で、1種類以上の単元素物質または化合物からなる独立分散した複数の超微粒子と、各前記超微粒子の一部または全部を取り囲む母相絶縁体とによって構成され、
    各前記超微粒子は、仕事関数が4.2eV以上の良導体材料からなると共に、最も隣接する前記超微粒子との平均の外殻間隔距離が1nm以上5nm以下であり、
    前記母相絶縁体は、1.0eV以下の電子親和力を有する物質からなることを特徴とする多値不揮発性半導体記憶素子。
  2. 半導体基板上に形成され、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間のチャネルを形成するためのチャネル形成領域上に形成されたトンネル絶縁層と、前記トンネル絶縁層を通過して前記チャネルから注入された電荷を保持する電荷保持層と、前記電荷保持層上に形成されたゲート間絶縁層と、前記ゲート間絶縁層上に形成され前記電荷保持層に電荷を保持させまたは放出させる制御を行うための制御ゲートとを備えた不揮発性半導体記憶素子において、
    前記電荷保持層は、浮遊ゲートとして機能する、平均の粒子径が5nm以下で、1種類以上の単元素物質または化合物からなる独立分散した複数の超微粒子と、各前記超微粒子の一部または全部を取り囲む母相絶縁体とによって構成され、
    各前記超微粒子は、電子親和力が4.2eV以上の半導体材料からなると共に、最も隣接する前記超微粒子との平均の外殻間隔距離が1nm以上5nm以下であり、
    前記母相絶縁体は、1.0eV以下の電子親和力を有する物質からなることを特徴とする多値不揮発性半導体記憶素子。
  3. 前記超微粒子の仕事関数と前記半導体基板の仕事関数との差が0.5eV以下である請求項1または2に記載の多値不揮発性半導体記憶素子。
  4. 前記超微粒子の仕事関数と前記制御ゲートの仕事関数との差が0.5eV以下である請求項1または2に記載の多値不揮発性半導体記憶素子。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法において、前記電荷保持層を物理的蒸着法によって形成するようにした多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法。
  6. 前記電荷保持層を形成する前記物理的蒸着法が、スパッタリング法である請求項5に記載の多値不揮発性半導体記憶素子の製造方法。
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