JP2005340543A - 発光装置および照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光素子が発光する光を色調むらが生じることなく、効率よく放射させるとともに、電気的接続の信頼性に優れた発光装置を提供すること。
【解決手段】 発光装置は、上側主面に発光素子4の載置部6が形成された基体1と、基体1の上側主面に載置部6を取り囲むように取着された環状部材2と、基体1の上側主面に取着され、内周面の下端が環状部材2の外周面に全周にわたって接しているとともに内周面が光反射面とされた枠状の反射部材3と、載置部6に載置された発光素子4と、環状部材2の内側に発光素子4を覆うように設けられた透光性部材5とを具備している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光素子から発光される光を外部に放射するための発光装置およびそれを用いた照明装置に関する。
従来の発光ダイオード(LED)等の発光素子14から発光される光を外部に放射するための発光装置を図6に示す。図6において、発光装置は、上側主面の中央部に発光素子14を載置するための載置部16を有し、載置部16やその周辺から発光装置の内外を電気的に導通接続するリード端子やメタライズ配線等からなる配線導体17が形成された絶縁体からなる基体11と、基体11上面に接着固定され、内周面が発光素子14が発光する光を反射する光反射面とされている枠状の反射部材13と、載置部16に載置固定された発光素子14と、反射部材13の内側で発光素子14を覆うように設けられた透光性部材15とから主に構成されている。
このような発光装置は発光素子14から発光された光を反射部材13で所望の方向に反射させ、外部に効率よく光を放射することができる。また、この透光性部材15に発光素子14が発光する光を波長変換する蛍光体を含有させることにより、発光素子14から発光される光を所望の波長スペクトルを有する光として放射させることができる。
また、発光素子14として近紫外線光や青色光等の光を発光するものを用い、透光性部材15に赤色,緑色,青色,黄色等の複数の蛍光体を含有させて発光素子14から発光される光を波長変換させることにより、白色発光可能な発光装置とすることができ、照明用として用いることが検討されている。
このような発光装置に用いられる基体11は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスや、エポキシ樹脂等の樹脂等から成る。基体11がセラミックスから成る場合、その上面や内部に配線導体17がタングステン(W),モリブデン(Mo)−マンガン(Mn)等から成る金属ペーストを高温で焼成して形成される。また、基体11が樹脂から成る場合、銅(Cu)や鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金等から成るリード端子がモールド成型されて基体11の内部に設置固定される。
また、反射部材13は、内周面に光を反射する光反射面が設けられた枠状となっている。具体的には、アルミニウム(Al)やFe−Ni−コバルト(Co)合金等の金属、アルミナセラミックス等のセラミックス、またはエポキシ樹脂等の樹脂から成り、切削加工や金型成型または押し出し成型等の成形技術により形成される。
さらに、反射部材13の光反射面は、反射部材13の内周面を平滑化することにより、あるいは、反射部材13の内周面にAl等の金属を蒸着法やめっき法により被着することにより形成される。そして、反射部材13は、半田,銀(Ag)ろう等のろう材または樹脂接着材等の接合材により、載置部16を反射部材13の内周面で取り囲むように基体11の上面に接合される。
そして、載置部16の周辺に配置した配線導体17と発光素子14とをボンディングワイヤや半田等の電気接続手段18を介して電気的に接続し、しかる後、蛍光体を含有するエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の透光性部材15をディスペンサー等の注入機で発光素子14を覆うように反射部材13の内側に充填しオーブンで熱硬化させることで、発光素子14からの光を蛍光体により長波長側に波長変換し所望の波長スペクトルを有する光を取り出せる発光装置となし得る。
特開2003-37298号公報
しかしながら、上記従来の発光装置では、発光素子14から発光された光が透光性部材15を透過する行路長に差が生じ、発光装置から放射される光に色調むらが生じるという問題点があった。
また、発光素子14の発熱等の熱により反射部材13が熱膨張して反射部材13の内周面の光反射面や透光性部材15に歪みが生じ、その結果、透光性部材15と反射部材13との界面や透光性部材15と基体11との界面に剥離が生じて光がこの剥離部によって吸収され、放射効率が低下したり、発光素子14に応力が加わって発光素子14と配線導体17との電気的な接続が切断されるという問題点を有していた。
また、図7に示すように、透光性部材15を反射部材13の内側に充填するのではなく、発光素子14を覆うようにポッティングし、発光素子14から発光された光が透光性部材15を透過する行路長をすべての方向においてほぼ等しくすることも考えられる。
しかしながら、このように透光性部材15をポッティングすると、透光性部材15が基体11上や反射部材13の内周面上に濡れ拡がろうとし、透光性部材15の基体11との界面の外周部Aの表面に窪みが生じて透光性部材15を透過する光がこの表面で全反射して透光性部材15中に閉じ込められ、放射効率を向上させることが困難であるという問題点を有していた。
したがって、本発明は上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、発光素子が発光する光を色調むらが生じることなく、効率よく放射させるとともに、電気的接続の信頼性に優れた発光装置を提供することである。
本発明の発光装置は、上側主面に発光素子の載置部が形成された基体と、該基体の上側主面に前記載置部を取り囲むように取着された環状部材と、前記基体の上側主面に取着され、内周面の下端が前記環状部材の外周面に全周にわたって接しているとともに内周面が光反射面とされた枠状の反射部材と、前記載置部に載置された前記発光素子と、前記環状部材の内側に前記発光素子を覆うように設けられた透光性部材とを具備していることを特徴とする。
本発明の発光装置において、好ましくは、前記環状部材は、その熱膨張係数が前記反射部材よりも小さいとともに縦弾性係数が前記反射部材よりも大きいことを特徴とする。
本発明の発光装置において、好ましくは、前記載置部は、高さが前記環状部材よりも高くなるように突出していることを特徴とする。
本発明の照明装置は、上記本発明の発光装置を所定の配置となるように設置したことを特徴とする。
本発明の発光装置は、上側主面に発光素子の載置部が形成された基体と、この基体の上側主面に載置部を取り囲むように取着された環状部材と、基体の上側主面に取着され、内周面の下端が環状部材の外周面に全周にわたって接しているとともに内周面が光反射面とされた枠状の反射部材と、載置部に載置された発光素子と、環状部材の内側に発光素子を覆うように設けられた透光性部材とを具備していることから、環状部材によって発光素子を覆う透光性部材が基体の上側主面を濡れ拡がるのを有効に防止し、透光性部材の表面に窪みが生じて発光素子から発光された光が透光性部材表面で全反射して透光性部材中に閉じ込められるのを抑制することができる。その結果、放射効率の優れた発光装置とすることができる。
また、環状部材によって発光素子を覆う透光性部材の濡れ拡がりを有効に防止することにより、発光素子の上側を覆う透光性部材の厚みと発光素子の側面を覆う透光性部材の厚みとをより近いものとすることができ、発光素子から発光された光が透光性部材を透過する行路長にばらつきが生じて色調むらが生じるのをきわめて有効に防止することができる。
さらに、発光素子の発熱等によって反射部材が熱膨張しようとしても、環状部材によって反射部材の熱膨張を有効に防止することができ、反射部材の内周面や透光性部材に歪みや応力が生じるのを抑制し、放射光効率を良好に維持することができるとともに、透光性部材に封止された発光素子の接続信頼性を高いものとすることができる。
本発明の発光装置において、好ましくは、環状部材は、その熱膨張係数が反射部材よりも小さいとともに縦弾性係数が反射部材よりも大きいことから、反射部材の熱膨張を、より硬くて低熱膨張の環状部材によって強固に抑制することができ、透光性部材や反射部材の内周面に歪みが生じるのをより有効に抑制できる。
本発明の発光装置において、好ましくは、載置部は、高さが環状部材よりも高くなるように突出していることから、発光素子から斜め下方向に発光された光を基体の上側主面や環状部材で吸収されることなく直接反射部材の内周面で反射させて外部に放射させることができ、発光装置の放射効率を非常に高くすることができる。
本発明の照明装置は、上記本発明の発光装置を所定の配置となるように設置したことから、半導体から成る発光素子の電子の再結合による発光を利用しているため、従来の放電を用いた照明装置よりも低消費電力かつ長寿命とすることが可能な小型の照明装置とすることができる。その結果、発光素子から発生する光の中心波長の変動を抑制することができ、長期間にわたり安定した放射光強度かつ放射光角度(配光分布)で光を照射することができるとともに、照射面における色むらや照度分布の偏りが抑制された照明装置とすることができる。
また、本発明の発光装置を光源として所定の配置に設置するとともに、これらの発光装置の周囲に任意の形状に光学設計した反射治具や光学レンズ、光拡散板等を設置することにより、任意の配光分布の光を放射する照明装置とすることができる。
本発明の発光装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明の発光装置の実施の形態の一例を示す断面図である。この図において、1は基体、2は環状部材、3は反射部材、4は発光素子、5は透光性部材であり、主としてこれらで発光素子4から発せられる光を方向性をもって外部に放射させ得る発光装置が構成される。
本発明の発光装置は、上側主面に発光素子4の載置部6が形成された基体1と、この基体1の上側主面に載置部6を取り囲むように取着された環状部材2と、基体1の上側主面に取着され、内周面の下端が環状部材2の外周面に全周にわたって接しているとともに内周面が光反射面とされた枠状の反射部材3と、載置部6に載置された発光素子4と、環状部材2の内側に発光素子4を覆うように設けられた透光性部材5とを具備している。
本発明における基体1は、アルミナセラミックスや窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスや、エポキシ樹脂等の樹脂、金属等から成る。
基体1は、その上側主面の載置部6やその周辺から、基体1の表面や内部を通って基体1の側面や下側主面などの外面に導出された配線導体7を有している。そして、基体1の上側主面の載置部6やその周辺に形成された配線導体7に発光素子4の電極が電気接続手段8によって電気的に接続され、基体1の側面や下面等の外面に導出された配線導体7が外部電気回路基板に接続されることにより、外部電気回路基板と発光素子4とが電気的に接続される。
電気接続手段8は、ワイヤボンディングや半田等であり、好ましくは、電気接続手段8としてバンプ状の半田を用いた半田フリップチップボンディング方式を用いるのがよい。これにより、配線導体7を発光素子4の直下に設けることができるため、発光素子4の周辺の基体1の上面に配線導体7を設けるための余分なスペースを設ける必要がなくなり、発光素子4から発光された光がこの基体1の余分なスペースで吸収されて放射光強度が低下するのを有効に抑制することができる。
この配線導体7は、例えば、W,Mo,Cu,Ag等の金属粉末のメタライズ層を基体1の表面や内部に形成することによって、Fe−Ni−Co合金等のリード端子を基体1に埋設することによって、または、配線導体が形成された絶縁体から成る入出力端子を基体1に設けた貫通孔に嵌着接合させることによって設けられる。
なお、配線導体7の露出する表面には、Niや金(Au)等の耐食性に優れる金属を1〜20μm程度の厚さで被着させておくのが良く、配線導体7の酸化腐食を有効に防止し得るともに、発光素子4と配線導体7との接続を強固にし得る。好ましくは、配線導体7の露出表面には、例えば、厚さ1〜10μm程度のNiめっき層と厚さ0.1〜3μm程度のAuめっき層とが電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されているのがより好ましい。
また、基体1の上側主面には枠状の反射部材3が設けられている。反射部材3は、基体1の上側主面に、半田,Agろう等のろう材やエポキシ樹脂等の接着剤等の接合材により取着される。または、基体1と一体に形成されてもよい。
反射部材3は、Al等の金属やセラミックス、樹脂等から成り、切削加工や金型成形等を行なうことにより形成される。さらに、発光素子4から発光された光を良好に反射して放射光強度を高めるため、反射部材3の内周面を研磨や金型を押し付ける等の方法によって滑らかな面としたり、反射部材3の内周面に例えばめっきや蒸着等によりAl,Ag,Au,白金(Pt),チタン(Ti),クロム(Cr),Cu等の高反射率の金属薄膜を被着させたりしてもよい。なお、反射部材3の光反射面がAgやCu等の酸化により変色しやすい金属からなる場合には、その表面に、例えば厚さ1〜10μm程度のNiめっき層と厚さ0.1〜3μm程度のAuめっき層とが電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されているのが良い。これにより光反射面の耐腐食性が向上する。
また、反射部材3の光反射面の表面の算術平均粗さRaは4μm以下であるのが良く、これにより、光反射面が発光素子4から発光された光を良好に反射し得る。Raが4μmを超えると、発光素子4の光を均一に反射させるのが困難となり、発光装置の内部で乱反射しやすくなる。
光反射面は、例えば、縦断面形状が、上側に向かうにともなって外側に広がった図1に示すような直線状の傾斜面、上側に向かうにともなって外側に広がった曲面状の傾斜面、あるいは矩形状の面等の形状が挙げられる。
また、基体1の上側主面には載置部6を取り囲むように環状部材2が取着されている。環状部材2は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属、アルミナセラミックスや窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックス、エポキシ樹脂等の樹脂等から成り、基体1の上側主面にろう材や接着剤によって接合される。または、環状部材2は基体1と一体に形成したものであってもよい。
環状部材2は、その外周面が反射部材3の内周面と全周にわたって接している。環状部材2と反射部材3の内周面とはろう材や接着剤等を介して接合されていてもよく、接触しているだけでもよい。このように環状部材2と反射部材3とが接していることにより、反射部材3の熱膨張を環状部材2で有効に抑制することができるとともに、発光素子4から発した熱が基体1を介して環状部材2に伝わったとしても、反射部材3で良好に放熱することができ、環状部材2の温度が上昇して環状部材2が熱膨張し、透光性部材5に歪みを生じるのを有効に防止できる。
また、環状部材2の縦断面形状は図1に示すような四角形状に限らず、多角形状であってもよく、曲面状であってもよい。好ましくは、内周面が上側に向かうにともなって外側に拡がるとともに内周面が窪んでいるのがよい。これにより、発光素子4から発光された光を良好に上側に反射させることができ、放射光強度を高めることができるとともに、窪んだ内周面で透光性部材5を良好に保持することができ、透光性部材5が外側に拡がるのをより有効に防止でき、発光素子4と透光性部材5の表面との距離のばらつきをより小さくすることができる。
さらに、環状部材2の表面は光反射面となっていることが好ましく、これにより光を良好に反射して放射光強度を高めることができる。このような環状部材2の光反射面は、表面を研磨や金型等で滑らかにしたり、めっきを被着したりすることにより形成できる。
また、環状部材2は、その熱膨張係数が反射部材3よりも小さいとともに縦弾性係数が反射部材3よりも大きいことが好ましい。これにより、反射部材3の熱膨張を、より硬くて低熱膨張の環状部材2によって強固に抑制することができ、反射部材3の内周面や透光性部材5に歪みが生じるのをより有効に抑制できる。
このような環状部材2と反射部材3との組合せとしては、例えば熱膨張係数が7×10−6/℃であるとともに縦弾性係数が310GPaであるCu−W合金から成る環状部材2と、熱膨張係数が23×10−6/℃、縦弾性係数が71GPaであるAlから成る反射部材3が挙げられる。
また好ましくは、基体1の載置部6は、図1に示すように高さが環状部材2よりも高くなるように突出しているのがよい。これにより、発光素子4から斜め下方向に発光された光を基体1の上側主面や環状部材2で吸収されることなく直接反射部材3の内周面で反射させて外部に放射させることができ、発光装置の放射効率を非常に高くすることができる。
このような載置部6は、基体1の上側主面の載置部6の周囲を研磨や切削加工、エッチング等で除去することにより、または、基体1および載置部6と成るセラミックグリーンシートを積層して焼成一体化することにより形成することができる。または、基体1の上側主面に別の部材を接着剤等で取着してもよい。
好ましくは、突出した載置部6の側面が下側に行くに伴って外側に拡がるように傾斜しているのがよい。これにより、透光性部材5と成る液状の未硬化の透光性部材5を基体1に設ける際、突出した載置部6と基体1の上側主面との間の角部に気泡が生じるのを有効に防止できるとともに、発光素子4から発光された光をこの側面で上方向に良好に反射させることができ、放射効率をより高めることができる。また、発光素子4で生じた熱を載置部6を介して基体1により効率よく伝達することができ、発光素子4の温度上昇をより有効に抑制できる。
また、好ましくは、突出した載置部6の側面に凹凸が形成されているのがよい。これにより、透光性部材5に蛍光体が含有されている場合、発光素子4から発光された光を突出した載置部6の側面の凹凸で乱反射させ、透光性部材5中の蛍光体に万遍なく照射することができ、蛍光体による波長変換効率を向上させることができる。このような側面に凹凸を有する突出した載置部6は、例えば、基体1をブラスト研磨することによって形成することができ、このブラスト研磨によって基体1の載置部6の周囲を除去する際、ブラスト研磨に用いる粒子の粒径等のブラスト研磨条件を変えることにより凹凸の大きさを調整することができる。または、基体1および載置部6と成るセラミックグリーンシートを積層して焼成一体化する際、載置部6と成るセラミックグリーンシートを適度にずらすことにより側面に凹凸を形成することができる。
透光性部材5は、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の透明樹脂や、金属アルコキシドの加水分解によって形成した透明無機材料等から成り、環状部材2の内側に発光素子4を覆うように設けられている。なお、透光性部材5は、環状部材2の上面に接触していてもよい。
透光性部材5は、その表面と発光素子4の表面との距離がほぼ一定になるように形成されているのがよく、このような透光性部材5は、液状の未硬化の透光性部材5を発光素子4の上方から注ぎ、環状部材2をダムとして濡れ拡がらないようにしながら半球形状等の形状でポッティングした後、熱硬化させることにより形成することができる。
また、透光性部材5は、発光素子4が発光する光を波長変換することが可能な蛍光体を含有させてもよい。これにより、発光素子4の光を所望の波長スペクトルを有する光や白色光として放射することができる。
また、透光性部材5の表面をさらに透明樹脂等で被覆したり、あるいは反射部材3にガラスや透明樹脂等から成る透明な蓋体を取着して、発光装置を保護してもよい。また、このような透明樹脂や透明な蓋体をレンズ状にすることで、放射光を良好に収束させることも可能である。
また、本発明の発光装置は、1個のものを所定の配置となるように設置したことにより、または複数個を、例えば、格子状や千鳥状,放射状,複数の発光装置から成る、円状や多角形状の発光装置群を同心状に複数群形成したもの等の所定の配置となるように設置したことにより、照明装置とすることができる。これにより、半導体から成る発光素子4の電子の再結合による発光を利用しているため、従来の放電を用いた照明装置よりも低消費電力かつ長寿命とすることが可能であり、発熱の小さな小型の照明装置とすることができる。その結果、発光素子4から発生する光の中心波長の変動を抑制することができ、長期間にわたり安定した放射光強度かつ放射光角度(配光分布)で光を照射することができるとともに、照射面における色むらや照度分布の偏りが抑制された照明装置とすることができる。
また、本発明の発光装置を光源として所定の配置に設置するとともに、これらの発光装置の周囲に任意の形状に光学設計した反射治具や光学レンズ、光拡散板等を設置することにより、任意の配光分布の光を放射できる照明装置とすることができる。
例えば、図2,図3に示す平面図,断面図のように複数個の発光装置101が発光装置駆動回路基板102に複数列に配置され、発光装置101の周囲に任意の形状に光学設計した反射治具103が設置されて成る照明装置の場合、隣接する一列上に配置された複数個の発光装置101において、隣り合う発光装置101との間隔が最短に成らないような配置、いわゆる千鳥状とすることが好ましい。即ち、発光装置101が格子状に配置される際には、光源となる発光装置101が直線上に配列されることによりグレアが強くなり、このような照明装置が人の視覚に入ってくることにより、不快感や目の障害を起こしやすくなるのに対し、千鳥状とすることにより、グレアが抑制され人間の目に対する不快感や目に及ぼす障害を低減することができる。さらに、隣り合う発光装置101間の距離が長くなることにより、隣接する発光装置101間の熱的な干渉が有効に抑制され、発光装置101が実装された発光装置駆動回路基板102内における熱のこもりが抑制され、発光装置101の外部に効率よく熱が放散される。その結果、人の目に対しても障害の小さい長期間にわたり光学特性の安定した長寿命の照明装置を作製することができる。
また、照明装置が、図4,図5に示す平面図,断面図のような発光装置駆動回路基板102上に複数の発光装置101から成る円状や多角形状の発光装置101群を、同心状に複数群形成した照明装置の場合、1つの円状や多角形状の発光装置101群における発光装置101の配置数を照明装置の中央側より外周側ほど多くすることが好ましい。これにより、発光装置101同士の間隔を適度に保ちながら発光装置101をより多く配置することができ、照明装置の照度をより向上させることができる。また、照明装置の中央部の発光装置101の密度を低くして発光装置駆動回路基板102の中央部における熱のこもりを抑制することができる。よって、発光装置駆動回路基板102内における温度分布が一様となり、照明装置を設置した外部電気回路基板やヒートシンクに効率よく熱が伝達され、発光装置101の温度上昇を抑制することができる。その結果、発光装置101は長期間にわたり安定して動作することができるとともに長寿命の照明装置を作製することができる。
このような照明装置としては、例えば、室内や室外で用いられる、一般照明用器具、シャンデリア用照明器具、住宅用照明器具、オフィス用照明器具、店装,展示用照明器具、街路用照明器具、誘導灯器具及び信号装置、舞台及びスタジオ用の照明器具、広告灯、照明用ポール、水中照明用ライト、ストロボ用ライト、スポットライト、電柱等に埋め込む防犯用照明、非常用照明器具、懐中電灯、電光掲示板等や、調光器、自動点滅器、ディスプレイ等のバックライト、動画装置、装飾品、照光式スイッチ、光センサ、医療用ライト、車載ライト等が挙げられる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を行なうことは何等支障ない。例えば、放射光強度の向上のために載置部6に発光素子4を複数設けてしても良い。
また、本発明の照明装置は、複数個の発光装置101を所定の配置となるように設置したものだけでなく、1個の発光装置101を所定の配置となるように設置したものでもよい。
本発明の発光装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の照明装置の実施の形態の一例を示す平面図である。 図2の照明装置の断面図である。 本発明の照明装置の実施の形態の他の例を示す平面図である。 図4の照明装置の断面図である。 従来の発光装置の断面図である。 従来の発光装置の断面図である。
符号の説明
1:基体
2:環状部材
3:反射部材
4:発光素子
5:透光性部材
6:載置部
101:発光装置
102:発光装置駆動回路基板
103:反射治具

Claims (4)

  1. 上側主面に発光素子の載置部が形成された基体と、該基体の上側主面に前記載置部を取り囲むように取着された環状部材と、前記基体の上側主面に取着され、内周面の下端が前記環状部材の外周面に全周にわたって接しているとともに内周面が光反射面とされた枠状の反射部材と、前記載置部に載置された前記発光素子と、前記環状部材の内側に前記発光素子を覆うように設けられた透光性部材とを具備していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記環状部材は、その熱膨張係数が前記反射部材よりも小さいとともに縦弾性係数が前記反射部材よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記載置部は、高さが前記環状部材よりも高くなるように突出していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の発光装置。
  4. 請求項1乃至請求項3記載のいずれかに記載の発光装置を所定の配置となるように設置したことを特徴とする照明装置。
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