JP2005340071A - 非水系二次電池用正極板の製造方法 - Google Patents

非水系二次電池用正極板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池容量に寄与する活物質以外の構成材料である導電材、結着材、および増粘剤の配合方法を改善することによる電極板構成材料の均一分散化の効果を用いて、結着材および増粘剤の減量による高容量化と、塗布重量のバラツキ低減による長寿命化と、導電材の減量による高温保存特性の向上が可能な正極用電極板と、これを用いた高容量非水系二次電池を提供するものである。
【解決手段】活物質A、導電材B、アクリレート単位を有するゴム粒子結着材C、および水溶性高分子の増粘剤Dを、水にて混練分散することにより構成される電極板において、活物質A、および導電材Bを、増粘剤Dの水溶液にて湿潤し、一次混練したのち、結着材Cおよび水を添加して混練するという手順において、前記結着材Cが、前記活物質A100重量部当り0.2〜1.4重量部であり、前記導電材Bが、前記活物質A100重量部当り1.0〜2.5重量部であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池を高容量化するための、正極板の製造方法に関する。
近年、ポータブル電子機器の電源として用いられているリチウム二次電池は、負極にリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素質材料等を用い、正極にLiCoO2等の遷移金属とリチウムの複合酸化物を活物質として用いている。本電池系は、機器電源としての用途が拡大する中で、さらなる高容量化と充放電サイクル特性の改善が望まれている。
充放電サイクルに伴う容量低下の原因の一つとして正極の電子伝導性の低下が挙げられる。これは充放電に伴う正極の膨張・収縮により導電材の導電ネットワーク構造が部分的に破断されるために起こる。改善法としては、部分的に導電ネットワーク構造が破断されても十分な電子伝導性を確保するため、導電材の添加量を増量するか、不導体である結着材や増粘剤の添加量を減らすことが考えられる。しかしながら、導電材自身は電池容量を有さないので、多量の添加は電池容量の低下につながるために好ましくない。そこで正極の結着材や増粘剤の添加量の減量について種々の取り組みがなされつつある。中でも分散媒に水を用いる系は、有機溶剤(例えばN−メチルピロリドンなど)を用いる系と異なり、廃棄過程における環境負荷が小さいので、将来を見据えた製造仕様として有望視されており、上述した減量化の取り組みが特に活発である。
その代表例として、結着材にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を用いる正極が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながらPTFEのようなフッ素系の結着材は材料自身の結着性は低く、微細繊維(フィブリル)のからみあいにより結着性を発現しているため、添加量を減量すると集電体から合材が脱離し容量低下を招く。そこで結着材として2―エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)とアクリル酸(AA)とアクリロニトリル(AN)の共重合体を用いることにより、結着材と増粘剤の総添加量が複合リチウム酸化物100重量部に対して、2.6重量部まで減量可能となり、導電材量の添加量が5重量部で良好なサイクル維持率を得ることができることが報告されている(例えば、特許文献2参照)。
但し、活物質以外の材料である導電材、結着材、および増粘剤の配合量を減量した場合、一般的に材料の均一分散が困難となり、混練後の正極合材塗料は、集電体上に塗布乾燥する際に剪断力が加わると、導電材の再凝集を起こすため、塗布乾燥後の重量バラツキの要因となる。
上記の課題を解決する方法として、導電材、結着材と分散媒とを混練した後、活物質を添加して混練する方法(例えば、特許文献3)、導電材と分散媒とを混練した後、活物質と結着材とを添加して混練する方法(例えば、特許文献4)、結着材と分散媒とを混練した後、活物質と導電材とを添加して混練する方法(例えば、特許文献5)、導電材と分散媒とを混練した後、活物質を添加して混練し、さらに結着材を添加して混練する方法(例えば、特許文献6)などが開示されている。
特開平08−339828号公報 特開平11−025956号公報 特開平09−213309号公報 特開平10−144302号公報 特開平11−144714号公報 特開平11−213989号公報
しかし、特許文献2の構成を基に上記特許文献3〜6の方法を試みた場合、塗布乾燥後の重量バラツキが発生した。特許文献3〜6の方法はいずれも合材塗料に剪断力がかからない状態で混練している。特許文献2で用いられるような粘着性の高い結着材を用いた場合、特許文献3〜6のように剪断力が不足した混練方法では、正極合材塗料を集電体上に塗布乾燥する際に生じる剪断力によって、逆に導電材の再凝集が起こり、塗布乾燥後の塗布重量バラツキの要因となる。
そこで、発明者らは鋭意研究の結果、正極合材塗料の作製方法を改善することにより、活物質以外の材料である導電材、結着材、および増粘剤の配合量を減らした場合でも、これらの電極板構成材料を均一に分散できることを見出した。本発明は上記研究結果に基づいて、成し遂げられたものであり、電池容量に寄与する活物質以外の材料である導電材、結着材、および増粘剤の配合方法を改善することにより、前述の活物質以外の材料配合量を大幅に低減した際にも電極板構成材料の均一分散が可能であり、かつ塗布した際の重量バラツキが少なく、高容量化および高温保存時のガス発生量を低減することが可能な正極用電極板を提供するものである。
本発明に記載の非水系二次電池の正極用電極板の製造方法は、活物質、および導電材を、増粘剤の水溶液にて湿潤し、一次混練したのち、アクリレート単位を有するゴム粒子結着材および水を添加し、混練するという手順において、前記結着材Cが、前記活物質A100重量部当り0.2〜1.4重量部であり、前記導電材Bが、前記活物質A100重量部当り1.0〜2.5重量部であることを特徴とするものである。
本発明によれば、より少ない結着材量で電極板構成材料の分散性を向上させることができるため、塗布重量バラツキの少ない高密度正極用電極板を提供することができる。さらに本発明によれば、電池容量バラツキが少なく、かつ良好な寿命特性を示し、さらに高温保存特性に優れた高容量非水系二次電池を提供することができる。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
本発明の骨子は、少なくとも複合リチウム酸化物を活物質とする正極と、リチウムを保持しうる材料を活物質とする負極と、セパレータと、非水溶媒からなる電解液により構成される非水系二次電池において、正極合材塗料の作製方法として、増粘剤とゴム粒子結着材とを分別して分散を行うことで、増粘剤および結着材の両者の分散性が向上するため、結着材を減量しつつ電極板を構成する材料の分散性を向上させたことにある。
一般的に増粘剤は活物質への吸着性が高く、均一分散を行うためにはより長時間の混練を必要とする。一方、特許文献2で用いられるような粘着性の高い結着材は、混練の時間が長すぎると界面活性剤の脱離等により、逆に凝集する可能性がある。したがって、混練時間の長さに関わらず結着材と増粘剤を同時に分散すると、結着材の分布が不均一となり、添加量を減量することができない。そこで増粘剤および結着材を分別して分散を行なうことにより、両者が均一に分散されるため、両者の添加量を大幅に減量しても充分な結着性を有しつつ高容量化を図ることが可能となる。
その作製方法を以下に示す。まず、活物質、および導電材を、増粘剤水溶液にて湿潤させ、粘度の高い状態で一次混練を行うことで、増粘剤を均一分散させる。次に、その混練物にゴム粒子結着材と水とを添加し、集電体への塗布に最適な粘度に調整して混練を行い、正極合材塗料を作製した。
正極用活物質としては、従来報告されている種々のコバルト酸リチウム(アルミニウムやマグネシウムなどとの共晶体を含む)ニッケル酸リチウム(コバルトなどの置換体を含む)、マンガン酸リチウムなどの複合酸化物を挙げることができる。
このときの導電材種としてはアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックや各種グラファイトを単独、あるいは組み合わせて用いても良い。
なお導電材の添加量は正極活物質100重量部当り1.0〜2.5重量部とする必要があり、さらには1.0〜2.2重量とすることがより好ましい。2.5重量部を超える場合、導電材と電解液との接触面積が増加するため、高温保存時に多量に反応ガスが発生し、電池ケースの変形、安全装置の誤作動、正極と負極の変形による容量低下などを誘発するため好ましくない。また1.0重量部を下回る場合、寿命特性が低下するため好ましくない。
用いる増粘剤としてはポリエチレンオキシド(PEO)やポリビニルアルコール(PVA)など、水溶液として粘性を有する材料であれば特に限定されないが、メチルセルロースおよびその変性体が、塗料増粘性、塗料分散性の観点から好ましい。添加量としては特に限定されないが、塗料化に適した物性の確保と高容量化の両方の観点から、活物質100重量部当り0.1〜1.5重量部が一般的に好ましい範囲である。
正極用結着材としては、アクリレート単位を有するゴム粒子結着材が望ましい。アクリレート単位を有する結着材はガラス転移点が低く、分子鎖のからみ合いによる結着ではなく、主に結着材表面の粘着成分により結着するため、結着材の添加量の減量が可能となる。これら結着材には、代表例としてアクリロニトリル(AN)とアクリレートの共重合体、ANとアクリル酸(AA)の共重合体などがあるが、とりわけAN・アクリレート・AAの3元系からなる共重合体が、ゴム弾性や密着性のバランスの観点からより好ましい態様として挙げることができる。
前記の正極用結着材は、正極活物質100重量部当り0.2〜1.4重量部とする必要があり、さらには0.2〜1.1重量部とすることがより好ましい。添加量が1.4重量部を超える場合、電池特性的には申し分ないものの本発明の製造方法による分散性向上の効果を高容量化に活用できないという難点がある。また添加量が0.2重量部を下回る場合、電池特性的には申し分ないものの結着性低下からハガレ不良による製造歩留の低下という困難を引き起こす。
さらに、負極については、負極用活物質として公知のものであれば良く、各種天然黒鉛および人造黒鉛、シリサイドなどのシリコン系複合材料、および各種合金組成材料を用いることができる。
負極用結着材としてはPVDFおよびその変性体をはじめ各種バインダーを用いることができるが、前述のようにリチウムイオン受入れ性向上の観点から、SBRおよびその変性体と、カルボキシメチルセルロース(CMC)をはじめとするセルロース系樹脂とを併用して少量添加するのがより好ましいといえる。
電解液については、塩としてLiPF6およびLiBF4などの各種リチウム化合物を用いることができる。また溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)を単独および組み合わせて用いることができる。また正負極上に良好な皮膜を形成させたり、過充電時の安定性を保証するために、ビニレンカーボネート(VC)やシクロヘキシルベンゼン(CHB)およびその変性体を用いることも可能である。
セパレータについては、リチウムイオン二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、ポリエチレン・ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いるのが一般的でありまた態様として好ましい。このセパレータの厚みは特に限定されないが、10〜25μmであることが好ましい。
<検討1.混練法および結着材種の検討>
(参考例1)
まず、図1に示すフローチャートのように、正極を作製した。
すなわち、(i)炭酸リチウムと4酸化3コバルトの混合物を750℃下で4.5時間仮焼きの後、900℃下で7.5時間焼成したものを解砕して篩い、BET法で測定される比表面積が1.4m2/gのコバルト酸リチウムを活物質として100重量部、(ii)導電材としてABを4重量部、(iii)増粘剤として1重量%水溶液とした場合の粘度(B型粘度計にて測定、25℃環境下、溶液の調整法は後に詳述)が1.7Pa・sのCMC(第一工業製薬(株)製セロゲン4H)の2重量%水溶液を20重量部(固形分換算で0.4重量部)、以上を水とともに双腕式練合機にて攪拌し、固形分比が80%の一時混練物を得た。次に上記混練物に、(iv)結着材として2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物(固形分重量40重量%)を固形分換算で2重量部、以上を水とともに双腕式練合機にて攪拌し、固形分比が70%の二次混練すなわち正極合材塗料を作製した。この塗料を15μm厚のアルミニウム箔に塗布乾燥し、厚みが約240μmの塗膜を、総厚が160μmとなるようにプレスした後、56mm幅にスリットし、正極電極板を得た。これを参考例1の正極電極板とする。
一方、負極は次のように作製した。
すなわち、(i)人造黒鉛(日立化成(株)製MAG−D)を活物質として100重量部、(ii)結着材としてSBR変性体(日本ゼオン(株)製BM−400B、固形分40重量%)を固形分換算で1重量部、(iii)増粘剤として1重量%水溶液とした場合の粘度(B型粘度計にて測定、25℃環境下、溶液の調整法は後に詳述)が1.7Pa・sのCMC(正極と同仕様)の2重量%水溶液を50重量部(固形分換算で1重量部)、以上を水とともに双腕式練合機にて攪拌し、固形分比が50%の負極合材塗料を作製した。この塗料を10μm厚の銅箔に塗布乾燥し、厚みが約250μmの塗膜を、総厚が180μmとなるようにプレスした後、59mm幅にスリットし、負極電極板を得た。
ここで、CMCの粘度測定のための溶液調整法について詳述する。なおCMCは溶液の粘度が攪拌法に大きく依存するため、以下の方法に準じて測定するのが好ましい。
すなわち、300ml共栓三角フラスコ中にCMCを2.3g量り取り、蒸留水200mlを加えた後に激しく振とうした後、一夜(約18〜20時間)放置する。その後、不足分の蒸留水を1重量%溶液となるように追加し、マグネチックスターラーにて5分間攪拌し、膨潤状態の溶液を完全に分散溶解させて得られるというものである。この溶液を上述のようにB型粘度計にて粘度測定することにより、CMCに固有な増粘作用を数値化することができる。
これらの正・負極の電極板を、20μm厚のポリエチレン微多孔フィルム(セルガード(株)製#2320)をセパレータとして捲回構成し、所定の長さで切断してNiメッキしたFeを基材とする電槽缶内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒(体積比3:3:2)100重量部にVCを3重量部添加し、さらにLiPF6を1Mの濃度となるように溶解させた電解液を、5.5g添加して封口し、公称容量2000mAh、直径18mm、高さ65mmの円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。これを参考例1のリチウムイオン二次電池とする。
(参考例2)
まず、図2に示すフローチャートのように、正極を作製した。
すなわち、結着材である2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物(固形分重量40重量%)および水について、参考例1では(iv)にて一括で添加したところを、等量となるよう2分割して添加した以外は参考例1と全く同様の作製手順で正極電極板を得た。これを参考例2の正極電極板とする。
負極電極板は参考例1と同様に作製したものを用い、また参考例1と同様に作製した電池を参考例2のリチウムイオン二次電池とする。
(比較例1)
まず、図3に示すフローチャートのように、正極を作製した。
すなわち、結着材である2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物(固形分重量40重量%)について、参考例1では他の材料を混練した後に添加したところを、他の材料と同時に添加した以外は参考例1と全く同様の作製手順で正極電極板を得た。これを比較例1の正極電極板とする。
負極電極板は参考例1と同様に作製したものを用い、また参考例1と同様に作製した電池を比較例1のリチウムイオン二次電池とする。
(比較例2)
図1に示すフローチャートに従い、参考例1では結着材として2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物(固形分重量40重量%)を活物質100重量部に対し固形分換算で2重量部添加したところを、PTFEとヘキサフルオロエチレンの共重合体の水分散物(固形分重量60重量%)を固形分換算で4.5重量部添加した以外は参考例1と全く同様の作製手順で正極電極板を得た。これを比較例2の正極電極板とする。
負極電極板は参考例1と同様に作製したものを用い、また参考例1と同様に作製した電池を比較例2のリチウムイオン二次電池とする。
まず、これらの正極電極板を以下に示す方法にて評価した。その結果を(表1)に記す。
(塗膜抵抗値)
混練直後の正極合材塗料をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布乾燥後、四探針法により塗膜の塗膜抵抗を測定した。
(塗布重量バラツキ)
正極合材塗料をダイコート方式により、15μm厚のアルミニウム箔に塗布乾燥する時に、β線重量計により、幅方向および長手方向を含む2000mでの電極板中の塗布重量バラツキを測定した。
(正極合材脱落)
正極と負極およびポリエチレン微多孔フィルムセパレータとを捲回構成する際、主に巻芯近くの負極の状態を目視観察した。各20個ずつの捲回仕掛品について、捲回によって欠けやクラック・脱落が生じた仕掛品の数量を求めた。
Figure 2005340071
以下、順を追って評価結果を記す。
増粘剤と結着材を分別して分散させることにより、作製した正極合材塗料は、塗膜抵抗値が小さく、分散性が良好であり、しかもこの正極合材塗料を塗布乾燥させた正極電極板の塗布重量バラツキが小さいことが判る(参考例1、2)。
一方、導電材、増粘剤、および結着材を一括混練して作成した正極合材塗料は、塗膜抵抗値の経時変化が大きく、しかも塗布重量バラツキが大きかった(比較例1、2)。これは、正極合材塗料中の導電材、増粘剤および結着材の分散性が低下したことによるものである。
また、結着材として2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物を用いることにより、正極合材の脱落が抑制されていることが分かる(参考例1、2および比較例1と比較例2との比較による)。これは結着材の結着機構の差によるものと考えられる。すなわちPTFE共重合体は、それら自身が持つ結着性は低く、分子鎖のからみ合いによって、結着性を確保しているのに対し、2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物のようなゴム粒子結着材はそれ自身の粘着成分により結着しているため、添加量を減量しても結着性を確保することが可能である。
次に、これらの電池を、以下に示す方法にて評価した。その結果を(表2)に記す。
(電池容量バラツキ)
封口後の完成電池(捲回による電極中の合材の欠け・クラック・脱落のない良品)について定電流充電1400mA/4.1Vカット・定電流放電1400mA/3Vカットの慣らし充放電を2度行い、45℃環境で7日間充電状態(充電条件は下記の200サイクル容量維持率を参照)で保存した後の電池20個の電池容量を測定した。
(200サイクル容量維持率)
封口後の完成電池について、定電流充電1400mA/4.1Vカット・定電流放電1400mA/3Vカットの慣らし充放電を2度行い、45℃環境で7日間保存した後、以下の充放電サイクルを200回繰り返した。
充電:定電流1400mA/4.2Vカットの後、定電圧4.2V保持/100mAカット
放電:定電流2000mA/3Vカット
このときの1サイクル目に対する200サイクル目の放電容量比を200サイクル容量維持率として求めた。
Figure 2005340071
以下、順を追って評価結果を記す。
増粘剤と結着材を分別して分散させた正極電極板を用いた電池は、電池容量バラツキが小さく、しかもサイクル特性が良好であることが判る。
一方、導電材、増粘剤、および結着材を一括混練した正極電極板は、電池容量バラツキが大きく、しかも200サイクル後の容量維持率が低かった。このような正極電極板を用いた場合、負極への負荷が局所的に大きくなるところが存在するため、負極活物質の層間に挿入しきれなかったリチウムイオンがリチウム金属として析出しやすくなる。そのためサイクル特性が低下したと推察できる。
以上の結果から、本発明の製造方法を用いることにより、容量バラツキが少なく、サイクル特性に優れた非水系二次電池が実現可能であることが分かった。
<検討2.結着材量の検討>
図1に示すフローチャートに従い、結着材である2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物(固形分重量40重量%)を活物質100重量部に対し固形分換算で0.1、0.2、0.8、1.1、1.4および2重量部添加した以外は参考例1と全く同様の作製手順で正極電極板を得た。これを参考例3〜8の正極電極板とする。
負極電極板は参考例1と同様に作製したものを用い、また参考例1と同様に作製した電池を参考例3〜8のリチウムイオン電池とする。
次に、これらの電池を、以下に示す方法にて評価した。その結果を(表3)に記す。
(正極合材脱落)
検討1と同様の方法にて評価した。
(電池容量)
封口後の完成電池(捲回による電極中の合材の欠け・クラック・脱落のない良品)について、定電流充電1400mA/4.1Vカット・定電流放電1400mA/3Vカットの慣らし充放電を2度行い、45℃環境で7日間充電状態(充電条件は検討1の200サイクル容量維持率を参照)で保存した後の電池について以下の充放電を行い、その放電容量から電池容量を求めた。
充電:定電流1400mA/4.2Vカットの後、定電圧4.2V保持/100mAカット
放電:定電流2000mA/3Vカット
Figure 2005340071
以下、順を追って評価結果を記す。
まず、結着材量が活物質100重量部当り0.1重量部の場合、結着力不足による正極合材の脱落不良が増加する(参考例3)。
一方結着材量が活物質100重量部当り2.0重量部の場合、電池容量の低下が比較的顕著であるという結果が得られた(参考例4)。これは合材に占める活物質の割合が設計上低下するという課題と、電池反応に対する抵抗成分の増加による放電容量低下が複合的に寄与した結果であると考えることができる。
以上の結果から、本発明の製造方法を充分に活用するためには、結着材量が活物質100重量部当り0.2〜1.4重量部である必要があり、好ましくは0.2〜1.1重量部であることが好ましいことがわかる。
<検討3.導電材量の検討>
図1に示すフローチャートに従い、導電材であるアセチレンブラック(AB)を活物質100重量部に対し3.0、2.5、2.2、2.0、1.0および0.8重量部添加した以外は参考例5と全く同様の作製手順で正極電極板を得た。これを参考例9、実施例1〜4、および参考例10の正極電極板とする。
負極電極板は参考例1と同様に作製したものを用い、また参考例1と同様に作製した電池を参考例9、実施例1〜4、および参考例10の正極電極板とする。
次に、これらの電池を、以下に示す方法にて評価した。その結果を(表4)に記す。
(200サイクル容量維持率)
検討1と同様の方法にて評価した。
(保存ガス量)
封口後の完成電池について、2度慣らし充放電を行い、45℃環境で7日間保存した後、以下の充放電を行った。
充電:1400mA/4.2V−100mA/CV
さらにこの電池を60℃環境で20日間保存した後、ガスクロマトグラフィーにて発生ガス量を測定した。
Figure 2005340071
以下、順を追って評価結果を記す。
まず導電材量が活物質100重量部当り3.0重量部の場合、高温保存時のガス発生量が増加していることが分かる。これは検討2で結着材量を減量したことにより、導電材と電解液との反応面積が増加したためと考えられる(参考例9)。また導電材量が活物質100重量部当り0.8重量部の場合、200サイクル後の容量維持率が低下している。これは充放電に伴う正極の膨張・収縮により導電材の導電ネットワーク構造が部分的に破断され、電子伝導性が大幅に低下したためである(参考例10)。一方、導電材量が活物質100重量部当り1.0重量部以上を添加した場合は導電ネットワーク構造が部分的に破断されても、電子伝導性を確保できるだけの導電材量が添加されているため、良好な寿命特性を示している(実施例1〜4)
以上の結果から、本発明の製造方法を充分に活用するためには、導電材量が活物質100重量部当り1.0〜2.5重量部である必要があり、好ましくは1.0〜2.2重量部であることが好ましいことがわかる。
<検討4.検討3の導電材量に対する結着材量の検討>
図1に示すフローチャートに従い、結着材である2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物(固形分重量40重量%)を活物質100重量部に対し固形分換算で0.1、0.2、0.8、1.4および2重量部を添加した以外は実施例1と全く同様の作製手順で正極電極板を得た。これを参考例11、実施例5〜7、および参考例12の正極電極板とする。
また図1に示すフローチャートに従い、結着材である2―EHAとAAとANの共重合体の水分散物(固形分重量40重量%)を活物質100重量部に対し固形分換算で0.1、0.2、0.8、1.4および2重量部を添加した以外は実施例4と全く同様の作製手順で正極電極板を得た。これを本検討における参考例13、実施例8〜10、および参考例14の正極電極板とする。
負極電極板は参考例1と同様に作製したものを用い、また参考例1と同様に作製した電池を参考例11、実施例5〜7、参考例12、参考例13、実施例8〜10、参考例14のリチウムイオン電池とする。
次に、これらの電池を、以下に示す方法にて評価した。その結果を(表5)に記す。
(200サイクル容量維持率)
検討1と同様の方法にて評価した。
(保存ガス量)
検討3と同様の方法にて評価した。
(正極合材脱落)
検討1と同様の方法にて評価した。
Figure 2005340071
以下、順を追って評価結果を記す。
それぞれの導電材量において、結着材量が活物質100重量部当り0.8重量部の場合、結着力不足による正極合材の脱落不良が増加することが分かる(参考例11および13)。一方、結着材量が活物質100重量部当り2.0重量部の場合、200サイクルの容量維持率が大幅に低下していることが分かる(参考例12および14)。これは不導体である結着材を増量することにより、電子伝導性が大幅に低下したためであると考えられる。
以上の結果から、本発明の製造方法を充分に活用するためには、結着材量が活物質100重量部当り0.2〜1.4である必要があり、好ましくは0.2〜1.1重量部であることが好ましいことがわかる。
本発明の非水系二次電池は、容量バラツキが少なく、サイクル特性に優れたポータブル用高容量電源等として有用である。
実施例1における正極合材塗料の作製方法を示すフローチャート 参考例2における正極合材塗料の作製方法を示すフローチャート 比較例1および比較例2おける正極合材塗料の作製方法を示すフローチャート

Claims (2)

  1. 少なくとも複合リチウム酸化物からなる活物質A、導電材B、アクリレート単位を有するゴム粒子結着材C、および水溶性高分子の増粘剤Dを、水にて混練分散した正極合材塗料を集電体上に塗布してなる正極板の製造方法であって、前記活物質A、および前記導電材Bを、前記増粘剤Dの水溶液にて湿潤し、一次混練したのち、前記結着材Cおよび水を添加し、混練するという手順において、前記結着材Cが、前記活物質A100重量部当り0.2〜1.4重量部であり、前記導電材Bが、前記活物質A100重量部当り1.0〜2.5重量部であることを特徴とする非水系二次電池用正極板の製造方法。
  2. 前記ゴム粒子結着材Cが2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とアクリロニトリルとの共重合体である、請求項1記載の非水系二次電池用正極板の製造方法。

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