JP2005340058A - 有機elディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラスチックフィルムを基板に使用する有機ELディスプレイにおいて、水蒸気の侵入による表示特性の劣化を防止できると共に、有機EL層を塗布法で形成する場合であっても歩留りよく製造される有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】 プラスチックフィルム11上に、透明導電バリア層14、接着層18、保護層26、該保護層26に埋設された透明電極24、有機EL層30、金属電極32、及び封止層36が順に形成されている。透明導電バリア層14は、有機EL層30への水蒸気の侵入をブロックするバリア機能とプラスチックフィルム11の帯電を防止する機能とを有し、有機EL層30は塗布法によって形成される。
【選択図】 図4

Description

本発明は有機ELディスプレイ及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、基板としてプラスチックフィルムを使用した有機ELディスプレイ及びその製造方法に関する。
近年、自己発光素子である有機EL素子を備えた有機ELディスプレイが注目されている。有機EL素子は自己発光型で視野角依存性が少ないため表示特性がよく、さらには低消費電力であるなどの特徴を有することから各種表示装置への利用が期待されている。
また、有機ELディスプレイは、薄型化や軽量化に容易に対応でき、しかも表示速度が速いために動画表示に適しているばかりではなく、非自己発光型のフラットパネルディスプレイよりも簡易な構成とすることができるので、コスト面でも有利になる可能性がある。
有機ELディスプレイに使用される有機EL素子は、発光体として用いる有機材料成分によって低分子有機EL素子と高分子有機EL素子とに分類される。高分子EL素子を構成する有機EL層は、導電性高分子層(ホール輸送層)と発光材料として高分子有機化合物を用いた発光層との2層構成となっている。そのような有機EL層は、スピンコート法、印刷又はインクジェット法などで所要の塗布液を基板上に塗布することにより、容易に形成することができる。
このように、高分子有機EL素子は、素子構造を簡易にできると共に、真空装置を使用することなく形成できるので低コストで形成できる利点がある。
有機ELディスプレイをフルカラー化するためには、3原色(赤(R),緑(G),青(B))の光を放出できるようにする必要がある。フルカラー化する方法としては、3原色の有機EL素子を塗り分けて形成する方式、色変換方式、カラーフィルタ方式などがある。そのうちカラーフィルタ方式は、白色発光する有機EL素子の発光方向側に3原色のカラーフィルタを設け、それぞれのカラーフィルタを透過させて3原色の光を得る方式である。
カラーフィルタ方式では、白色光を放出する有機EL素子をディスプレイ全面に形成すればよいので、有機EL層の塗り分けが必要なく、またカラーフィルタは液晶ディスプレイなどに一般的に用いられている既存技術であるため、低コスト化、高精細化に有利と考えられる方式である。
ところで、有機ELディスプレイの基板として、薄型化、軽量化及び破損防止などのためにガラス基板の代わりにプラスチックフィルムを用いたものがある。
これに関連する技術として、特許文献1及び2には、転写技術を利用することにより、プラスチックフィルムを基板とする液晶表示素子用電極基板を製造することが記載されている。また、特許文献3には、表示装置用に使用される透明導電膜付のプラスチックフィルムについて記載されている。
特開2002−221731号公報 特開2003−131199号公報 特開平9−174749号公報 特開2003−21705号公報
ところで、有機ELディスプレイでは、有機EL素子に水蒸気が侵入するとそれを構成する金属電極が劣化するなどして非発光の表示欠陥が発生しやすい。
その対策として、有機EL素子の上方に金属やガラスよりなる保護キャップが設けられ、その隙間に不活性ガスが充填される。また、プラスチックフィルムを基板として使用する有機ELディスプレイでは、プラスチックフィルムの防湿性が十分ではないことから、外気やプラスチックフィルムからの水蒸気が有機EL素子に浸入しないように対策することが必要になる。
特許文献4には、表示装置とした際に外側となるプラスチックフィルムの面に電極形成時に同時に除去可能なバリア層を設け、表示装置とした際に内側となるプラスチックフィルムの面に水蒸気をブロックするバリア層を設けることが記載されている。
また、特に高分子EL素子を採用する場合、プラスチックフィルムは帯電しやすい特性を有するので、高分子EL素子を構成する有機EL層(ホール輸送層や発光層)をプラスチックフィルム上に塗布して形成する際に、塵が付着しやすく有機EL層にピンホールが発生しやすい。このため、有機EL素子が電気的にショートすることで表示欠陥となりやすく、有機ELディスプレイの製造歩留りが低下したり、有機ELディスプレイの寿命が短くなったりする問題がある。
さらに、3原色の光を放出する有機EL層を塗り分けてフルカラー化する場合は、塗布工程が増加するので上記した問題が顕在化する可能性がある。
本発明は上記した問題点を鑑みて創作されたものであり、プラスチックフィルムを基板に使用する有機ELディスプレイにおいて、水蒸気の侵入による表示特性の劣化を防止できると共に、有機EL層を塗布法で形成する場合であっても歩留りよく製造される有機ELディスプレイ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するため、本発明は有機ELディスプレイに係り、プラスチックフィルムと、前記プラスチックフィルム上に形成された透明導電バリア層と、前記透明導電バリア層上に形成された接着層と、前記接着層上に形成された保護層と、前記保護層に埋設された透明電極と、前記透明電極上に形成された有機EL層と、前記有機EL層上に形成された金属電極と、前記金属電極を被覆する封止層とを有することを特徴とする。
本発明の有機ELディスプレイは、まず、仮基板上に剥離できる状態で透明電極及びそれを被覆する保護層が順次形成された後に、プラスチックフィルムの透明導電バリア層が形成された面上に接着層を介して透明電極及び保護層が上下反転した状態で転写・形成される。
続いて、透明電極上に有機EL層が形成された後に、金属電極とそれを被覆する封止層が形成される。本発明では、プラスチックフィルムの有機EL層が形成された側の面に、外気からの水蒸気やプラスチックフィルムに含まれる水分が有機EL層に侵入することをブロックする透明導電バリア層が設けられている。
透明導電バリア層はそのようなバリア層の機能に加えて、プラスチックフィルムの帯電を解消するための帯電防止層としても機能する。これにより、有機EL層が塗布法で形成される場合に、プラスチックの帯電に起因する塵の付着が格段に低減されて有機EL層にピンホールが発生することが防止される。従って、本発明の有機ELディスプレイは、高歩留りでかつ低コストで容易に製造されると共に、有機EL素子の信頼性を向上させることができ、その長寿命化を図ることができる。
なお、前述した特許文献4は、バリア層が設けられたプラスチックフィルムに関して言及しているが、本発明の有機ELディスプレイの構成を示唆するものではない。
上記した発明において、プラスチックフィルムの有機EL層が形成された面側と反対面に透明絶縁バリア層がさらに形成されていてもよい。
また、上記した発明の一つの好適な態様では、透明導電バリア層は、アモルファス(非晶質)のITO層よりなり、透明電極は結晶質のITO層よりなる。
また、上記した発明の一つの好適な態様では、透明導電バリア層は、熱処理を行うことにより、シート抵抗値が熱処理前の90%未満の値に減少する特性を有し、そのシート抵抗値は例えば20乃至10000Ω/□である。
また、透明導電バリア層の水蒸気透過度は、0.1g/m2・day未満であることが好ましい。
また、上記した課題を解決するため、本発明は有機ELディスプレイの製造方法に係り、仮基板上に剥離層を形成する工程と、前記剥離層上に透明電極を形成する工程と、前記透明電極を被覆する保護層を形成する工程と、前記保護層上に、接着層を介して、一方の面に透明導電バリア層を備えたプラスチックフィルムを、該透明導電バリア層の面側から接着する工程と、前記仮基板を前記剥離層との界面から剥離し、前記積層された剥離層、透明電極、保護層を前記プラスチックフィルム上に転写する工程と、前記剥離層を除去する工程と、前記透明電極上に有機EL層を形成する工程と、前記有機EL層上に金属電極を形成する工程と、前記金属電極を被覆する封止層を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明の製造方法を使用することにより、上記した構成の有機ELディスプレイを容易に製造することができる。前述したように、有機EL層を塗布法により形成する場合、透明導電バリア層がプラスチックフィルムの帯電を防止する帯電防止層として機能するので、有機EL層への塵の付着が防止され、有機ELディスプレイを歩留りよく低コストで容易に製造することができる。
しかも、転写技術を利用することから、接着層が有機ELディスプレイとなる領域の端部まで隈なく被覆して形成されるので、透明導電バリア層と透明電極とが電気的にショートするおそれがない。さらに、透明電極は、仮基板(ガラス基板など)上に形成された後に、プラスチックフィルム上に転写・形成されるので、成膜条件が制限されることなく所要の膜特性の透明電極がプラスチックフィルム上に形成される。
以上のように、本発明の有機ELディスプレイでは、透明導電バリア層によって、外気やプラスチックフィルムからの水蒸気が有機EL素子に侵入することをブロックできると共に、プラスチックフィルムの帯電が解消されるので有機EL素子を構成する有機EL層を塗布法で形成する場合であっても有機EL素子が歩留りよく形成される。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態の有機ELディスプレイの製造方法を順に示す断面図、図4は本発明の実施形態の有機ELディスプレイを示す断面図である。
本発明の実施形態の有機ELディスプレイの製造方法は、図1(a)に示すように、まず、仮基板としてのガラス基板20を用意し、このガラス基板20上にポリイミド樹脂などからなる剥離層22を形成する。
その後に、図1(b)に示すように、剥離層22上にストライプ状のITO(Indium Tin Oxide)よりなる透明電極24を形成する。本実施形態では、単純マトリクス駆動用の透明電極24を例に挙げるが、アクティブマトリクスタイプに対応するように透明電極24を形成してもよい。その場合は、透明電極24がTFT素子やMIM素子などのアクティブ素子(不図示)に接続され、アクティブ素子から透明電極24に表示信号が供給される。
本実施形態では、透明電極24となるITO層を耐熱性のガラス基板20上に形成することから、成膜温度が例えば200℃程度のスパッタ法などを採用することができる。これにより、透明電極24(ITO層)は低抵抗(比抵抗値:3×10-4Ω・cm以下)な電気特性をもって形成される。
続いて、図1(c)に示すように、透明電極24及び剥離層22上にアクリル樹脂などよりなる保護層26を形成する。これにより、透明電極24の段差は保護層26によって埋め込まれて平坦化される。
次いで、図2(a)に示すような構成のプラスチック基材10を用意する。このプラスチック基材10では、プラスチックフィルム11の下面に有機層12aを介して透明導電バリア層14が形成されている。また、プラスチックフィルム11の上面には有機層12bを介して透明絶縁バリア層13が形成されており、その上にさらにプロテクト層16が形成されている。有機層12a,12bは、プラスチックフィルム11と透明導電バリア層14及び透明絶縁バリア層13とをそれぞれ密着させるための密着層として機能する。
透明導電バリア層14としては、例えばITO層が使用され、透明絶縁バリア層13としては、シリコン酸化層、シリコン窒化層又は酸化アルミニウム層が使用される。後に説明するように、透明導電バリア層14及び透明絶縁バリア層13は有機EL素子への水蒸気の侵入をブロックするバリア層として機能する。透明導電バリア層14はバリア層の機能に加えて有機EL層を塗布法によって形成する際の帯電防止膜としても機能する。透明導電バリア層14の詳細な膜特性については後に説明する。
次いで、図2(b)に示すように、図1(c)の構造体の上に接着層18を介して上記したプラスチック基材10の透明導電バリア層14の露出面を対向させて配置する。その後に、熱処理することにより、接着層18を硬化させて、図2(a)の構造体の上にプラスチック基材10の透明導電バリア層14の面を接着する。このとき、接着層18は横方向に流動した状態で硬化し、ガラス基板20やプラスチック基材10のディスプレイとなる領域の端部まで隈なく被覆して形成される。このため、接着層18を使用する転写技術を採用することは、透明導電バリア層14と透明電極24との間で電気的なショートが発生するおそれがないという観点で都合がよい。
続いて、同じく図2(b)に示すように、プラスチック基材10の一端にロール40を固定し、このロール40を回転させながらプラスチック基材10を引き剥がす。このとき、ガラス基板20と剥離層22との界面(図2(b)のA部)に沿って剥離される。
これにより、図2(c)に示すように、プラスチック基材10上に、下から順に、接着層18、保護層26、透明電極24及び剥離層22が転写・形成される。
その後に、図3(a)に示すように、透明電極24及び保護層26に対して選択的に剥離層22を酸素プラズマなどで除去することにより、透明電極24及び保護層26の上面を露出させる。
続いて、図3(b)に示すように、透明電極24及び保護層26上にスピンコートや印刷などの塗布法で膜厚が20〜50nmの塗布膜を形成し、100〜200℃の温度でベークすることによりホール輸送層28を得る。ホール輸送層28の材料としては、例えばチオフェン系導電性高分子(PEDOT/PSS)が使用される。
続いて、ホール輸送層28上に発光層29を同様な塗布法により形成する。発光層29の材料としては、ポリパラフェ二レンビニレン(PPV)、ポリフルオレン(PFO)などの共役系高分子、シリコン主鎖を有するポリシラン、又は非共役のポリビニルカルバゾール(PVK)などの高分子EL発光層が使用される。また、発光層29の材料として燐光発光性高分子又はそれを含むものを使用してもよく、その場合超高効率の発光が得られるので好ましい。
そして、そのような材料を含む塗布液をホール輸送層28上に塗布して膜厚が100nm程度の塗布膜を形成した後に、100〜200℃の温度でベークすることにより発光層29を得る。このようにして、ホール輸送層28と発光層29とにより構成される有機EL層30が得られる。
前述したように、基板としてプラスチックフィルムを使用する場合、塗布法により有機EL層30(ホール輸送層28/発光層29)を形成する際に、プラスチックフィルムの帯電により塵が付着しやすい。しかも、有機EL層30は、薄膜で形成されるため塗布形成時に非常にはじきやすい性質をもつ。このため、有機EL層30に塵が入り込むなどしてピンホールが発生するので、信頼性の高い有機EL層30を歩留りよく形成することが困難になる。
しかしながら、本実施形態では、プラスチックフィルム11上には低抵抗の透明導電バリア層14が全面にわたって形成されていることから、プラスチックフィルム11の帯電が解消され、有機EL層30を形成する際の塵の付着を格段に低減させることができる。従って、有機EL発光層30(ホール輸送層28/発光層29)は薄膜(例えば10〜100mn)であっても欠陥密度の極めて少ない状態で歩留りよく形成されるようになる。しかも、真空装置を使用する必要がないので、低コスト化を図ることができる。
次いで、同じく図3(b)に示すように、透明電極24に対応する部分又はディスプレイ領域全面に金属電極32が形成される。これにより、透明電極24と、ホール輸送層28及び発光層29よりなる有機EL層30と、金属電極32とにより構成される有機EL素子2が得られる。なお、有機EL素子2の発光特性を向上させる場合は、有機EL層30と金属電極32との間に、金属キレート系などの有機化合物層を1層又は2層形成して電子注入層を設けてもよい。
その後に、図4に示すように、有機EL素子2を被覆する封止層36を形成する。封止層36の材料としては、SiOX、SiNX又はSiONなどが使用される。あるいは、防湿層が形成された樹脂フィルムを貼着して封止層36としてもよい。
以上により、本実施形態の有機ELディスプレイ1が完成する。
本実施形態の有機ELディスプレイ1では、図4に示すように、基板としてプラスチック基材10が使用されている。プラスチック基材10では、プラスチックフィルム11の上面に有機層12aを介して透明導電バリア層14形成されている。またプラスチックフィルム11の下面には有機層12bを介して透明絶縁バリア層13が形成され、その下にはプロテクト層16が形成されている。
プラスチック基材10の透明導電バリア層14上には接着層18が形成され、接着層18上には保護層26が形成されている。保護層26には結晶質の透明電極24が埋設されており、透明電極24及び保護層26上には、ホール輸送層28及び発光層29が順に形成されている。
ホール輸送層28及び発光層29により有機EL層30が構成されている。さらに、有機EL層30上には金属電極32が形成されている。そして、透明電極24、有機EL層30(ホール輸送層28/発光層29)及び金属電極32により有機EL素子2が構成されている。有機EL素子2の上にはそれを被覆する封止層36が形成されている。
なお、フルカラー化された有機ELディスプレイを製造する場合で、白色光を放出する有機EL層30を使用するときは、接着層18と保護層26との間にカラーフィルタを形成してもよい。この場合、図1(c)の工程の後に、保護層26上にカラーフィルタが形成され、図4においてそのカラーフィルタが上下反転した状態で接着層18に埋設して配置される。
本実施形態の有機ELディスプレイ1は、このような構成になっており、有機EL素子2の透明電極24(陽極)に正の電圧、金属電極32(陰極)に負の電圧を印加することにより、透明電極24からホール輸送層28を介して発光層29に注入される正孔と、金属電極32から発光層29に注入される電子とが発光層29内で再結合することにより光が外部に放出されて画像が得られる(図4の矢印の方向)。
本実施形態の有機ELディスプレイ1では、プラスチックフィルム11の上面(有機EL素子2が設けられた面側)に全体にわたって透明導電バリア層14が形成されている。透明導電バリア層14は、外気からの水蒸気やプラスチックフィルム11に含まれる水分が有機EL素子2へ侵入することをブロックするバリア層として機能する。しかも、透明導電バリア層14は透明であるため、表示特性に悪影響を及ぼすおそれもない。また、プラスチックフィルム11の下面(有機EL素子2が設けられた面側と反対面)に形成された透明絶縁バリア層13は、外気からの水蒸気がプラスチックフィルム11内に侵入しないようにブロックするバリア層として機能する。
そのような透明導電バリア層14(ITO層)の水蒸気透過度(WVTR)は0.1g/m2・day未満であり、従来のSiOX、SiNX又はAl23よりなる絶縁性バリア層よりも高いバリア性をもっている。本願発明者の実験によれば、プラスチックフィルム上に透明導電バリア層を設けないで有機EL素子を作成したサンプルでは、日増しに非発光部が増加し、2週間経過した時点でほとんど発光しなくなった。しかしながら、本実施形態の透明導電バリア層14を設けたサンプルでは、2週間経過しても大部分で発光が認められ、透明導電バリア層14が有機EL素子への水蒸気の侵入をブロックするバリア層として機能することが確認された。
また、透明導電バリア層14は、フレキシブル性のプラスチックフィルム11上に形成されることから、フレキシブル性を維持することやクラックが発生しないように、その膜厚が好適には10〜150nmに設定される。
また、フレキシブル性のプラスチックフィルム11に追随できるように、透明導電バリア層14はアモルファス(非晶質)であることが好ましい。アモルファスの透明導電バリア層14(ITO層)は、例えば、温度:150℃で30分の熱処理を施すと、そのシート抵抗値が熱処理前のシート抵抗値に対して90%未満に低下する電気特性を有する。また、アモルファス(非晶質)の透明導電バリア層14はプラスチックフィルム11との密着性が良好である。
なお、必ずしも、プラスチックフィルム11の下面に透明絶縁バリア層13を設ける必要はない。少なくともプラスチックフィルム11の上面に透明導電バリア層14を設けることにより、外気からの水蒸気やプラスチックフィルム11に含まれる水分の有機EL素子2への侵入は透明導電バリア層14によってブロックされるからである。
また、透明導電バリア層14(ITO層)は帯電防止層としての機能をもっており、そのシート抵抗値が20〜10000Ω/□のものが好適に使用される。プラスチックフィルム11の上面側全体にわたって低抵抗の透明導電バリア層14が形成されているので、前述したように、有機EL層30(ホール輸送層28/発光層29)を塗布法により形成する際に、有機EL層30に塵が入り込むことに起因するピンホールの発生が防止され、欠陥密度の低い有機EL層30が得られるようになる。
これにより、有機EL層30(ホール輸送層28/発光層29)を薄膜化しても電気的にショートするおそれがなくなるので、有機EL素子2の低電圧化が可能になり、有機ELディスプレイの低消費電力化を図ることができる。これに加えて、有機ELディスプレイの製造歩留りを向上させることができると共に、有機EL素子2の信頼性を向上させることができる。しかも、有機EL層30は塗布法によって歩留りよく形成されることから、真空装置を特別に導入する必要もないので、有機ELディスプレイの低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態では、透明導電バリア層14(ITO層)は前述したような理由でアモルファス(非晶質)であることが好ましく、一方、透明電極24(ITO層)は、低抵抗で高透明性が得られる結晶質であることが好ましい。
さらに、本実施形態では、水蒸気をブロックするバリア層として透明導電バリア層14を使用するが、前述したように、転写技術を使用するので透明導電バリア層14と透明電極24との間に絶縁層として機能する接着層18を介在させることができる。接着層18は押圧されて横方向に流動化した状態で硬化することから、透明導電バリア層14の端面まで隈なく接着層18で被覆されるので、透明導電バリア層14と透明電極24とが電気的にショートするおそれがない。
このように、転写技術を使用することにより、プラスチック基材10の透明導電バリア層14上に信頼性の高い有機EL素子を高歩留りでかつ低コストで容易に形成することができる。
図1は本発明の実施形態の有機ELディスプレイの製造方法を示す断面図(その1)である。 図2は本発明の実施形態の有機ELディスプレイの製造方法を示す断面図(その2)である。 図3は本発明の実施形態の有機ELディスプレイの製造方法を示す断面図(その3)である。 図4は本発明の実施形態の有機ELディスプレイを示す断面図である。
符号の説明
1…有機ELディスプレイ、2…有機EL素子、11…プラスチックフィルム、10…プラスチック基材、12a,12b…有機層、13…透明絶縁バリア層、14…透明導電バリア層、16…プロテクト層、18…接着層、20…ガラス基板(仮基板)、22…剥離層、24…透明電極、26…保護層、28…ホール輸送層、29…発光層、30…有機EL層、32…金属電極、36…封止層、40…ロール。

Claims (18)

  1. プラスチックフィルムと、
    前記プラスチックフィルム上に形成された透明導電バリア層と、
    前記透明導電バリア層上に形成された接着層と、
    前記接着層上に形成された保護層と、
    前記保護層に埋設された透明電極と、
    前記透明電極上に形成された有機EL層と、
    前記有機EL層上に形成された金属電極と、
    前記金属電極を被覆する封止層とを有することを特徴とする有機ELディスプレイ。
  2. 前記有機EL層は、塗布法により形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
  3. 前記プラスチックフィルムの前記有機EL層が形成された面側と反対面に透明絶縁バリア層がさらに形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ELディスプレイ。
  4. 前記プラスチックフィルムと、前記透明導電バリア層及び前記透明絶縁バリア層との間に有機層がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項3に記載の有機ELディスプレイ。
  5. 前記透明導電バリア層は、アモルファス(非晶質)のITO層よりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機ELディスプレイ。
  6. 前記透明導電バリア層は、熱処理を行うことにより、シート抵抗値が熱処理前のシート抵抗値に対して90%未満に低下する特性を有することを特徴とする請求項5に記載の有機ELディスプレイ。
  7. 前記透明導電バリア層のシート抵抗値は、20乃至10000Ω/□であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機ELディスプレイ。
  8. 前記透明導電バリア層の水蒸気透過度は、0.1g/m2・day未満であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機ELディスプレイ。
  9. 前記透明導電バリア層の膜厚は、10乃至150nmであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機ELディスプレイ。
  10. 前記透明電極は、結晶質のITO層よりなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の有機ELディスプレイ。
  11. 前記透明電極の比抵抗値は、3×10-4Ω・cm以下であることを特徴とする請求項10に記載の有機ELディスプレイ。
  12. 前記透明絶縁バリア層は、シリコン酸化層、シリコン窒化層、酸化アルミニウム層のうちのいずれか1つよりなることを特徴とする請求項3に記載の有機ELディスプレイ。
  13. 仮基板上に剥離層を形成する工程と、
    前記剥離層上に透明電極を形成する工程と、
    前記透明電極を被覆する保護層を形成する工程と、
    前記保護層上に、接着層を介して、一方の面に透明導電バリア層を備えたプラスチックフィルムを、該透明導電バリア層の面側から接着する工程と、
    前記仮基板を前記剥離層との界面から剥離し、前記積層された剥離層、透明電極、保護層を前記プラスチックフィルム上に転写する工程と、
    前記剥離層を除去する工程と、
    前記透明電極上に有機EL層を形成する工程と、
    前記有機EL層上に金属電極を形成する工程と、
    前記金属電極を被覆する封止層を形成する工程とを有することを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
  14. 前記有機EL層を形成する工程は、塗布法によって行われることを特徴とする請求項13に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  15. 前記有機EL層を形成する工程は、
    前記透明電極上にホール輸送層を形成する工程と、
    前記ホール輸送層上に発光層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項14に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  16. 前記プラスチックフィルムの他方の面には、透明絶縁バリア層が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  17. 前記透明導電バリア層はアモルファス(非晶質)のITO層よりなり、前記透明電極は結晶質のITO層よりなることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  18. 前記透明導電バリア層のシート抵抗値は、20乃至10000Ω/□であることを特徴とする請求項13乃至17のいずれか一項に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
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