JP2005338515A - 電解質およびそれを用いた電気化学表示装置 - Google Patents

電解質およびそれを用いた電気化学表示装置 Download PDF

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久美子 新井
Noriyuki Saito
則之 斉藤
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Abstract

【課題】 応答時間および表示特性の向上した電気化学表示装置、およびこれに用いる電解質を提供する。
【解決手段】 電解質13中に、金属(析出溶解材料)と共に、析出促進剤(エチレンチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、チオ尿素、2−メルカプトチアゾリンおよび2−メルカプト―1−メチルイミダゾールの析出促進剤のうちの少なくとも1種)を含む。これにより、金属イオンの析出溶解反応が促進され、書き込みおよび消去の温度依存性が小さくなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気化学的な酸化、還元を利用して表示を行う電気化学表示装置およびそれに用いる電解質に関する。
近年、ネットワークの普及につれ、従来印刷物として配布されていた文書類が、いわゆる電子書類で配信されるようになってきた。更に、書籍や雑誌などもいわゆる電子出版の形で提供される場合が多くなりつつある。これらの情報を閲覧するために、従来より、コンピュータのCRT(Cathode-Ray Tube;ブラウン管)または液晶ディスプレイが用いられている。
しかし、これら発光型のディスプレイでは、人間工学的理由から疲労が著しく、長時間の読書には耐えられないことが指摘されている。また、読む場所がコンピュータなどの設置場所に限られるという難点もある。
最近では、ノート型コンピュータの普及により、携帯型のディスプレイとして使えるものもあるが、それらは主にバックライトによる発光型であることに加えて消費電力との関係で、これも数時間以上の読書に用いることが難しい。また、反射型液晶ディスプレイも開発され、これによれば低消費電力で駆動することができるが、液晶の無表示(白色表示)における反射率は30%であり、紙への印刷物に比べ著しく視認性が悪く、疲労が生じやすく、これも長時間の読書に耐えるものではない。
そこで、金属イオンを含む白く着色した電解質を間にして一対の電極を対向配置し、表示側の電極に金属を析出させることにより画像の書き込みを行い、その析出させた金属を電解質に溶解させることにより画像の消去を行う電気化学表示装置(エレクトロデポジション型表示装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、使用する場所にとらわれることなく、且つ視認性が良好な画像表示をすることができる。
特開2002−258327号公報
しかしながら、この電気化学表示装置では温度依存性を有する酸化還元反応を利用して画像の書き込みおよび消去を行うものであることから、例えば、使用頻度の高い0℃以上40℃以下の温度範囲において、書き込みおよび消去からなるサイクルを重ねた場合の応答時間および表示特性の更なる向上が求められていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、書き込みおよび消去からなるサイクルを重ねた場合の応答時間および表示特性の温度依存性が低減された電気化学表示装置およびそれに用いる電解質を提供することにある。
本発明の電解質は、析出溶解材料(金属イオン)と共に析出促進剤を含むものである。析出促進剤としては、エチレンチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、チオ尿素、2−メルカプトチアゾリンおよび2−メルカプト―1−メチルイミダゾールのうちの少なくとも1種が好適に用いられる。
本発明の電気化学表示装置は、第1電極と第2電極との間の上記本発明の電解質を用いたものであり、この電解質中の金属の析出・溶解を利用して表示が行われる。
本発明による電気化学表示装置では、電解質に上記析出促進剤が含まれていることから、特に、0℃以上40℃以下の温度範囲において、金属の酸化還元反応が促進され、表示動作の温度依存性を小さくすることができる。さらに詳細な作用について以下のように考えることができるが、この原理に限定されるものではない。
<高速応答化、析出の均一化、着色濃度の向上および低消費電力化>
電気化学表示装置では、電解質に析出促進剤を添加した場合、電圧を印加して透明電極表面に金属を析出させたとき、まず、表面凹凸の角の部分や格子欠陥部分などの電流密度が高くなる部分に析出促進剤が付着して金属核の析出を促す。ここに金属が析出すると、その上に素早く析出促進剤が付着し、さらにその析出促進剤の上に金属が析出する。これを繰り返して金属および析出促進剤の析出が行われるため、個々の金属核が大きく成長することが抑制され、微細な金属が透明電極面内に緻密に堆積する。これにより析出が一定濃度に達するまでに要する時間が短縮され、書き込み速度が高速化される。また、書き込みが一定の濃度に達するまでに消費される電荷量は金属の析出量に比例するため、電解質に析出促進剤を混在させることにより、少量の金属で緻密な堆積を生じさせることができると共に電荷量を大幅に低減することができる。一方、金属結晶の粒径が微細で均一なことは、粒径が不均一で大きな粒径の金属結晶が含まれる場合よりも、逆電圧を印加したときの溶解性が向上し、消え残りなどの問題が起こりにくくなる。また、微細な金属と析出促進剤との共析物が堆積することにより、金属結晶間の結合力が弱まり溶解性が向上する。すなわち消去速度が高速化される。
<メモリ性向上>
析出促進剤を添加した電解質を用いて書き込みを行うと、透明電極表面に均一な微細粒子が緻密に堆積する。この状態では逆電圧を印加すると、金属粒子間の結合力が弱いために容易に溶解する。その一方、電圧印加を行わない状態では金属粒子の表面が絶縁物である析出促進剤に被覆されているため、析出促進剤を添加しない場合に比べて電解質への自然溶出が起こりにくくなり、メモリ性が向上する。
<消え残り防止>
析出促進剤は単独で用いるよりも抑制剤および平坦化剤を併用して用いた方が、金属の析出の均一性がより一層向上する。すなわち、析出促進剤と抑制剤とは分子量が大きく異なるため、電圧を印加したときの電解質内での拡散速度が異なる。また、被析出金属表面への吸着力は析出促進剤の方が抑制剤よりも遥かに強い。このため、析出促進剤は素早く凹部に侵入して金属核の発生を促進させるのに対し、抑制剤は凹部に入り込めずにその周辺の平坦部や突起部で析出促進剤の上を覆って弱い力で吸着され、金属核の成長を抑制する。さらに、平坦化剤を加えると、これらの効果は相乗的に高められる。これらを電気化学表示装置に用いる電解質に添加した場合、透明電極表面の凹部に析出の空洞が生じることを防ぐ一方、透明電極縁部やその他の活性点における局所的な析出金属の成長が抑制されるため、析出ムラが大幅に減少する。このため所定の書き込み濃度を短時間で効率的に制御することができる。同時に、均一膜厚の金属の析出が得られるため、逆電圧を印加して消去を行う際、消え残りが発生しにくくなる。
<温度特性・サイクル特性の向上>
電解液に析出促進剤を添加することにより金属核の発生が促進されると同時に、個々の金属核が大きく成長することが抑制される。金属核の発生は析出促進剤と金属イオンとの親和力の高さによるため、低温においても効果が失われにくい。このため析出促進剤を添加しない場合に比べて低温での核発生が促進されることになり、低温における応答特性が向上する。一方、電気化学反応は温度が高くなるにつれて反応速度が幾何級数的に増大するため、高温において低温の場合と同じ大きさの電圧を同じ時間だけ印加した場合、金属が析出過剰になる。さらに、析出物の堆積層が凹凸を形成することが多くなり、これに低温の場合と同一条件の逆電圧を印加した場合、析出量が多い部分で消え残りを起こしやすくなる。析出促進剤は発生した金属核に対しては成長阻害剤として作用するため、高温における析出量を抑制することができ、結果として温度依存性を小さくすることができると同時に、析出物の堆積が均一かつ少量になるため、低温の場合と同一条件の逆電圧の印加でも溶解(消去)することができるようになる。
<金属電極の凹凸発生の抑制>
電気化学表示装置は、第1電極(透明電極)と第2電極(金属電極)との間に金属イオンを含む電解質層を挟持した構造を有する。透明電極上への書き込みおよび消去に合せて、金属電極上でも金属の析出および溶解が生じており、書き込みおよび消去の動作を繰り返すうちに金属電極上に凹凸を生じてくる。これは透明電極側での表示特性の低下に繋がると同時に、極端な場合には金属電極の断線や透明電極との短絡を招くことがある。析出促進剤の他に、抑制剤や平坦化剤を適当な割合で配合して各々の作用を競合させることにより、金属電極上の凹凸発生を抑制し、表示装置を長寿命化させることができる。
本発明による電解質では、析出促進剤を含むようにしたので、この電解質を用いた電気化学表示装置において、表示動作の温度依存性を小さくすることができ、応答時間およびサイクル特性などの表示特性を向上させることができる。
特に、電解質として、エチレンチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、チオ尿素、2−メルカプトチアゾリンおよび2−メルカプト−1−メチルイミダゾールのうち少なくとも1種を用い、更に、電解液に対して0.1重量%以上20重量%以下の析出促進剤を添加した後、ゲル化したものを用いることにより、より良好な効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る電気化学表示素子10の概略構成を表すものである。電気化学表示素子10は、第1基板11と第2基板12とが電解質層13を間にして対向配置された構造を有している。第1基板11の第2基板12と対向する側の面には、複数の第1電極(透明電極)14がマトリクス状に形成され、第2基板12の第1基板11と対向する側の面には、第2電極(対向電極)15がべた状に形成されている。また、第1基板11と第2基板12との間は、電解質層13となっている。更に、第1基板11および第2基板12の側面は封止樹脂により封止されている。
第1基板11は、透明性を有する材料、具体的には、石英ガラスなどにより構成されている。また、この他にも、例えば、合成樹脂、具体的には、ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンテレフタレートあるいはポリカーボネートなどのエステル、または、酢酸セルロースなどのセルロースエステル、または、ポリフッ化ビニリデンあるいはポリテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素ポリマー、または、ポリオキシメチレンなどのポリエーテル、または、ポリアセタール,ポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレンあるいはメチルペンテンポリマーなどのポリオレフィン、または、ポリアミドイミドあるいはポリエーテルイミドなどのポリイミド、または、ポリアミドにより構成してもよい。これら合成樹脂は、容易に曲がらないような剛性基板状であってもよく、また、可撓性を有するフィルム状の構造体であってもよい。
第2基板12は、透明であっても、透明でなくてもよく、例えば、石英ガラス、白板ガラス、セラミックス、紙あるいは木材により構成することができる。また、この他にも、第1基板11で説明した合成樹脂により構成するようにしてもよい。
電解質層13は、溶媒中に、酸化還元反応により析出および溶解する析出溶解材料と、この析出溶解材料の析出を促進させる析出促進剤を含んでいる。
析出溶解材料は、析出した状態と溶解した状態とで色が変化することを利用して画素の表示を可能にするためのものである。析出溶解材料としては、還元により金属として析出する金属イオンが挙げられる。金属イオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスマスイオン、銅イオン、銀イオン、鉄イオン、クロムイオン、ニッケルイオンあるいはカドミウムイオンが挙げられる。その中でも特に好ましい金属イオンはビスマスイオンあるいは銀イオンであり、更に好ましいのは銀イオンである。この理由は、ビスマスイオンおよび銀イオンは、可逆的な反応を容易に進めることができると共に、析出時の変色度が高く、特に、銀イオンはイオン価数が通常1であるので、イオン価数が通常3であるビスマスイオンに比べて、1原子を還元させて金属にするのに必要な電荷量が3分の1となるからである。金属イオンは、例えば、金属塩として溶媒に添加されている。金属塩としては、銀塩であれば、例えば、硝酸銀、ホウフッ化銀、ヨウ化銀(AgI)などのハロゲン化銀、過塩素酸銀、シアン化銀あるいはチオシアン化銀が挙げられる。金属塩には、いずれか1種を用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
溶媒は、例えば、ジメチルスルホキシドとγ−ブチロラクトンとの混合溶媒あるいはN−メチルホルムアミドを用いることが好ましい。特に、N−メチルホルムアミドは、0℃以上40℃以下の温度範囲において書き込みおよび消去を繰り返し行った際、応答時間および表示特性の温度依存性を小さくすることができるのでより好ましい。
他の溶媒としては、例えば、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、γ−バレロラクトン、プロピレンカーボネート,ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、アセトニトリル、スルホラン、ジメトキシエタン、メチルセラソルブ、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンあるいはこれらの混合物などが挙げられる。
析出促進剤は発現する作用に応じて、一次析出促進剤と二次析出促進剤とに分類される。一次析出促進剤は二次析出促進剤の担体(キャリア)として作用し、二次析出促進剤の効果を増強させるものである。このような一次析出促進剤としては、例えば、スルホン酸、スルホン酸塩、スルフィン酸、スルフォンアミド、スルホンイミドなどのように、=C−SO2 −あるいは=C−C−SO2 −で表される構造を有する有機化合物が挙げられ、具体的にはパラトルエンスルホンアミド、1,3,6−トリナフタリンスルホン酸ナトリウム、サッカリンなどが挙げられる。
二次析出促進剤は、単独で光沢を得ることができるものである。このような二次析出促進剤としては、例えば、−C(=O)−、−C=C−、−C≡N、−C(=N−)−、−C≡C、−N−C(=S)−,−N=C(−SH)−、−N=N−あるいは−S−などの官能基を有する低分子量の有機化合物が挙げられる。これらの官能基により分類される化合物群を以下に示す。
−C(=O)−で表される官能基を有する二次析出促進剤としては、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸、脂肪酸などが挙げられ、特にアルデヒド類のホルマリン、クマリン、アルコキシクマリンなどは高い効果が得られるので好ましい。具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、ベンジリデンアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、バニリン、グリオキザ−ル、アルド−ル、カプロンアルデヒド、ベンズアルデヒド、ベラトルアルデヒド、アニスアルデヒド、サリチルアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、ナフタルアルデヒド、アセト酢酸アルデヒド、グリオキサ−ル、マロンアルデヒド、コハク酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、アセトン、ブタン2, 3−オン、2−ブタノン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、アセチルアセトン、ベンジリデンアセトン、ベンジリデンアセチルアセトン、アセトフェノン、ベンザルアセトン、ジアセトンアクリルアミド、ギ酸、酢酸、グリシン、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、システイン、グルコン酸、ヒスチジン、アセト酢酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、グルタル酸、これらのカルボン酸の低級アルキルエステル、尿素などが挙げられる。
−C=C−で表される官能基を有する二次析出促進剤としては、詳細には、アルキレン類、カルボン酸のエステル類、アルキレンのアルデヒド類、芳香族アルデヒド類、芳香族アルデヒド類のスルホン化物、アリル(CH2 =CH−CH2 −)類、ビニル(CH2 =CH−類、アルカロイド類などが挙げられ、特に芳香族アルデヒド類のスルホン化物は高い効果が得られるので好ましい。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、マレイン酸、フマル酸、プロピオ−ル酸、テトロ−ル酸、アセチレンジカルボン酸、これらのカルボン酸の低級アルキルエステル、クマリン、アクロレイン、クロトンアルデヒド、マレインアルデヒド、フマルアルデヒド、メチルビニルケトン、イソホロン、1, 3−ジメチルピラゾロンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。
−C≡Nで表される官能基を有する二次析出促進剤としては、シアノ化合物などが挙げられる。具体的な化合物としては、エチレンシアノヒドリン、イソチオシアン酸4−シアノフェニル、塩化4−シアノベンゾイル、2−シアノアセトアミド、シアノアセトヒドラジド、ベンゾイルアセトニトリル、4−シアノ安息香酸メチル、N−(2−シアノエチル)グリシン、シアノエチルスクロ−ス、N−(2−シアノエチル)ピロ−ル、シアノぎ酸エチル、ジシアノジアミド、シアノ酢酸、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸2−エチルヘキシル、シアノ酢酸メチル、2−シアノチオアセトアミド、α−シアノ−4−ヒドロキシけい皮酸、およびその低級アルキルエステル、4−シアノピリジン、3−シアノピリジン、2−シアノピリジン、9−シアノフェナントレン、4−シアノ−4−フェニルシクロヘキサノン、4−シアノ−4−フェニルピペリジン塩酸塩、2−シアノフェノ−ル、4−シアノフェノ−ル、(3−シアノプロピル)トリクロロシラン、p−シアノベンズアルデヒド、シアノホスホン酸ジエチル、1−シアノ−N−メチルチオホルムアミド、3−シアノ−6−メチル−2(1H)−ピリジノン、ジエチルシアノメチルホスホナ−ト、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、ピメロニトリル、マロノニトリル、ジメチルN−シアノジチオイミノカルボナ−ト、テトラシアノエチレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、フェニルシアノ酢酸エチル、N−フェニル−N’−シアノホルムアミジン、1−ベンジル−4−シアノ−4−ヒドロキシピペリジン、1−ベンジル−4−シアノ−4−ヒドロキシピペリジン塩酸塩、1−ベンジル−4−シアノ−4−フェニルピペリジン塩酸塩、アクリロニトリル、アジポニトリル、4−アセチルベンゾニトリル、2−アセトキシベンゾニトリル、アセトニトリル、1−アダマンタンカルボニトリル、3−アニリノプロピオニトリル、3−アミノクロトノニトリル、4−アミノ−2−クロロジフェニルアセトニトリル、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、3−アミノプロピオノニトリル、4−アミノベンゾニトリル、2−アミノベンゾニトリル、アントラニロニトリル、イソニコチノニトリル、イソフタロニトリル、イソブチロニトリル、インド−ル−3−アセトニトリル、3−エトキシアクリロニトリル、(1−エトキシエチリデン)マロノニトリル、エトキシメチレンマロノニトリル、3,3’−オキシジプロピオノニトリル、クロトノニトリル、クロロアセトニトリル、2−クロロ−5−ニトロベンゾニトリル、5−クロロバレロニトリル、p−クロロフェニルアセトニトリル、1−(4−クロロフェニル)−1−シクロプロパンカルボニトリル、2−クロロ−6−フルオロフェニルアセトニトリル、2−クロロ−6−フルオロベンゾニトリル、4−クロロブチロニトリル、3−クロロプロピオニトリル、3−クロロプロピオニトリル、2−クロロベンゾニトリル、3−クロロベンゾニトリル、p−クロロベンゾニトリル、グルタロニトリル、けい皮酸ニトリル、コハク酸ニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、ジアミノマレオニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、6,7−ジエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−イソキノリンアセトニトリル、3,3−ジエトキシプロピオニトリル、2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、3,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、ジフェニルアセトニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、3−(ジメチルアミノ)アクリロニトリル、4−ジメチルアミノけい皮酸ニトリル、3−(ジメチルアミノ)プロピオノニトリル、4−(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル、(3,4−ジメトキシフェニル)アセトニトリル、3,5−ジメトキシベンゾニトリル、スベロニトリル、セバシン酸ジニトリル、2−チオフェンカルボニトリル、テトラデカンジニトリル、デカノニトリル、トリクロロアセトニトリル、3−トリフルオロメチルベンゾニトリル、3−(トリフルオロメチル)フェニルアセトニトリル、3−トリフルオロメチルベンゾニトリル、4−トリフルオロメチルベンゾニトリル、トリメチルアセトニトリル、3,4,5−トリメトキシベンゾニトリル、p−トルイルアセトニトリル、ο−トルニトリル、m−トルニトリル、p−トルニトリル、ドデカンジニトリル、ドデカンニトリル、ニコチノニトリル、p−ニトロフェニルアセトニトリル、4−ニトロフタロニトリル、4−ニトロベンゾニトリル、n−バレロニトリル、3−ヒドロキシプロピオノニトリル、2−ヒドロキシベンゾニトリル、4−ヒドロキシベンゾニトリル、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾニトリル、ピコリノニトリル、ピペリジンアセトニトリル、1−ピペリジンプロピオニトリル、ピペロニロニトリル、ピメロニトリル、フェニルアセトニトリル、フェニルグリオキシロニトリル、1−フェニル−1−シクロヘキサンカルボニトリル、(フェニルスルホニル)アセトニトリル、ο−フェニレンジアセトニトリル、フタロジニトリル、イソフタロジニトリル、ο−フルオロフェニルアセトニトリル、3−フルオロフェニルアセトニトリル、4−フルオロフェニルアセトニトリル、2−フルオロベンゾニトリル、こはく酸ニトリル、n−ブチロニトリル、ブロモアセトニトリル、4−ブロモ−2,2−ジフェニルブチロニトリル、α−ブロモ−ο−トルニトリル、2−ブロモフェニルアセトニトリル、4−ブロモフェニルアセトニトリル、4−ブロモブチロニトリル、3−ブロモプロピオノニトリル、7−ブロモヘプタンニトリル、4−ブロモベンゾニトリル、プロピオニトリル、ヘプタンニトリル、ベンゾイルアセトニトリル、ベンゾニトリル、ペンタフルオロベンゾニトリル、マロノニトリル、マロン酸モノニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
−C(=N−)−で表される官能基を有する二次析出促進剤としては、アジン類、チアジン類、チアゾ−ル類、オキサジン染料、トリフェニルメタン染料、キニジン類、ピリミジン類、ピラゾ−ル類、イミダゾ−ル類、ピリジン化合物、キノリン化合物などが挙げられ、これらは単独で用いた場合には顕著な効果が得られにくいが、一次析出促進剤と併用すれば、より高い効果が得られるので好ましい。具体的には、トリアジン、2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジン、2, 4−ジアミノ−6−( 2′−メチルイミダゾリル( 1′))エチル−1, 3, 5−トリアジン、2, 4−ジアミノ−6−( 2′−エチル−4−メチルイミダゾリル( 1′))エチル−1, 3, 5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(P−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、イミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、4−メチルイミダゾ−ル、2,4−ジメチルイミダゾ−ル、2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル、2−アミル−イミダゾ−ル、1−イソアミル−2−メチルイミダゾ−ル、4,5−ジメチルイミダゾ−ル、2−エチルイミダゾ−ル、1−メチルイミダゾ−ル、2,4,5−トリメチルイミダゾ−ル、4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾ−ル、4−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルイミダゾ−ル、1−アリル−2−メチルイミダゾ−ル、1−ビニル−2−メチルイミダゾ−ル、4−ヒドロキシメチルイミダゾ−ル、4−(β−ヒドロキシエチル)イミダゾ−ル、1−(β−ヒドロキシエチル)イミダゾ−ル、インド−ル、キノリン、2−ビニルピリジン、2,2’−ビピリジル、5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジエチル−2,2’−ビピリジル、2,2’:6’,2”−テルピリジン、5,5’−ジエチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、2,2’−ビピリジル−4,4’−ビスカルボン酸、1,10−フェナントロリン、5−アミノ−1,10−フェナントロリン、4,7−ジクロロ−1,10−フェナントロリン、5−ニトロ−1,10−フェナントロリン、2−クロロ−1,10−フェナントロリン、5−クロロ−1,10−フェナントロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン、5−メチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、3,5,6,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、バソフェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩、ベンゾチアゾ−ル、2−メチルベンゾチアゾ−ル、2−( メチルメルカプト) ベンゾチアゾ−ル、2−アミノ−4−クロロベンゾチアゾ−ル、2−アミノ−5,6−ジメチルベンゾチアゾ−ル、2−アミノベンゾチアゾ−ル、2−アミノ−4−メチルベンゾチアゾ−ル、2−アミノ−6−フルオロベンゾチアゾ−ル、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾ−ル、N−クロロメチルベンゾチアゾ−ル−2−チオン、2−メチル−5−クロロベンゾチアゾ−ル、2−ヒドロキシベンゾチアゾ−ル、2−フェニルベンゾチアゾ−ル、ベンゾチアゾ−ル、3−メチル−2−セレノキソベンゾチアゾ−ル、2,2‘−メチレンビスベンゾチアゾ−ル、5−メトキシ−2−メチルベンゾチアゾ−ル、2−メルカプト−6−ニトリベンゾチアゾ−ル、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾ−ル、2−シアノ−6−メトキシベンゾチアゾ−ル、2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾ−ル−6−アミン、2−クロロベンゾチアゾ−ル、2, 5−ジメチルベンゾチアゾ−ル、2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2,5,6−トリメチルベンゾチアゾ−ル、6−ニトロ−2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−ヒドラジノベンゾチアゾ−ル、2−カリウムメルカプトベンゾチアゾ−ル、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ−ル、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾチアゾ−ル、2−ベンゾチアゾ−ルチオ酢酸、およびその低級アルキルエステル、2−(ο−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾ−ルなどが挙げられる。
−C≡Cで表される官能基を有する二次析出促進剤としては、アセチレン誘導体、アセチレン系アルコ−ル、アセチレン系カルボン酸、アセチレン系スルホン酸、アセチレン系アミンアルデヒド、アセチレン系プロパギルアルデヒドなどが挙げられ、これらは後述する平坦化剤としても用いることができるので好ましい。具体的には、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オ−ル、1−フェニル−1−プロピン、3−ブロモプリピン、2−プロピン−1−オ−ル、1,4−ジクロロ−2−ブチン、3,3−ジメチル−1−ブチン、1,1,4,4−テトラエトキシ−2−ブチン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ブチン、2−ブチン−1−ア−ルジエンアセタ−ル、2−ブチン−1−オ−ル、3−ブチン−1−オ−ル、2−ブチン酸、2−ブチン−1,4−ジオ−ル、2−メチル−3−ブチン−2−オ−ル、5−クロロ−1−ペンチン、1−ペンチン、2−ペンチン、2−ペンチン−1−オ−ル、3−ペンチン−1−オ−ル、4−ペンチン酸、3−メチル−1−ペンチン−3−オ−ル、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオ−ル、2−ヘキシン、3−ヘキシン、3−ヘキシン−2,5−ジオ−ル、5−ヘキシンニトリルなどが挙げられる。
−N{−C(=S)−}−または−N=C(−SH)−で表される官能基を有する二次析出促進剤としては、鎖状または環状のチオ尿素化合物など低分子量で吸着性の強い双極性分子が挙げられ、これらは平坦化剤としても用いることができるので好ましい。具体的には、チオ尿素、1, 3−ジメチルチオ尿素、1, 3−ジブチルチオ尿素、1, 3−ジエチル−2−チオ尿素、トリメチルチオ尿素、1−メチルチオ尿素、トリブチルチオ尿素、N, N′−ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1, 3−ジフェニルチオ尿素、S−メチルイソチオ尿素硫酸塩、塩酸ベンジルイソチオ尿素、1−ナフチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、1−フェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、環状化合物のチオ尿素化合物、オルソフェニルチオ尿素、アクリルチオ尿素、メルカプトアクリルスルフォン酸、チオカルボン酸アミド、チオカルバミン酸化合物、2−メルカプトチアゾリン、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリミジン、4−メルカプトフェノール、5−メルカプト−1−テトラゾール酢酸ナトリウム塩、4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン、2−チオウラシル、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリミジン、2−ベンゾチアゾ−ルチオ−ル、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−チオ−ル、2−アミノ−6−プリンチオ−ル、6−クロロ−2−ベンゾオキサゾ−ルチオ−ル、4,6−ジアミノ−2−ピリミジンチオ−ル、2−チアゾリン−2−チオ−ル、4−(トリフルオロメチル)−2−ピリミジンチオ−ルなどが挙げられる。
−N=N−で表される官能基を有する二次析出促進剤としては、アゾ染料が挙げられ、効果は−C(=N−)−を有する化合物に類似している。具体的には、1−フェニルアゾ−2−ナフト−ル、p−フェニルアゾフェノ−ル、4−フェニルアゾ−1−ナフト−ル、ベンゼンアゾ−β−ナフト−ル、p−ヒドロキシアゾベンゼンなどが挙げられる。
−S−で表される官能基を有する二次析出促進剤としては、メルカプタン、スルフィド、ジスルフィド、トリスルフィド、テトラスルフィドなどが挙げられる。具体的な化合物としては、N ,N −ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホプロピル)エステル、硫化ビス(ジメチルチオカルバミル)、二硫化テトラエチルチウラム、3−メルカプト−プロピルスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステル、3−メルカプト−プロピルスルホン酸、ビススルホプロピルジスルフィド、ピリジニウムプロピルスルホベタイン、1−ナトリウム−3−メルカプトプロパン−1−スルホネ−ト、チオビス( ジエチレングリコ−ル) 、チオビス( ヘキサエチレングリコ−ル) 、チオジグリセリン、チオビス( トリグリセリン) 、2, 2′−チオジブタノ−ルビス( オクタエチレングリコ−ルペンタグリセロ−ル) エ−テル、チオビス( オクタエチレングリコ−ル) ビス( 2−クロロエチル) エ−テル、チオジグリコ−ルビス( カルボキシメチル) エ−テル、ジチオジグリコ−ルビス(カルボキシメチル)エ−テル、ジチオビス(トリグリセロ−ル)、3,6−ジチアオクラン−1,8−ジオ−ル、1, 3−ジチオグリセロ−ルビス( ペンタエチレングリコ−ル) チオエ−テル、1, 2−エタンジチオ−ルビス( ペンタ( 1−エチル) エチレングリコ−ル) チオエ−テル、1, 3−ジチオグリセロ−ルビス( ジ( 1−エチル) エチレングリコ−ル) チオエ−テル、2−メルカプトエチルエ−テルビス( ジエチレングリコ−ル) 、ジエチレングリコ−ルモノメチルチオエ−テル、3, 3′−チオジプロパノ−ル、4, 8, 12−トリチアペンタデカン−1, 2, 6, 10, 14, 15−ヘキサオ−ル、トリデカエチレングリコ−ルモノメチルチオエ−テル、3, 3′−チオジプロパノ−ル、2, 2’−ジチオジアニリン、4, 4’−ジチオジアニリン、2, 4’−ジチオジアニリン、4−クロロフェニルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド、ジメチルスルホキシド、フェニルスルホキシド、DL−メチオニンスルホキシド、アルジカルブスルホキシド、エチオフェンカルブスルホキシドなどが挙げられる。
また、二次析出促進剤としては、チオシアン酸類などの無機化合物も用いることができる。具体的な化合物としては、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸第一銅などの含イオウ化合物、硫酸アルミニウム、亜セレン酸ナトリウム、ナフタレン−2−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、サッカリンナトリウムなどの含金属化合物などが挙げられる。
これらの析出促進剤は単体、一次析出促進剤または二次析出促進剤を複数を混合したもの、あるいは一次析出促進剤とニ次析出促進剤とを混合したものを用いることができる。特に、一次析出促進剤とニ次析出促進剤とを混合したものを用いると、二次析出促進剤を単独で用いた場合よりも以下の効果が得られる。1つ目の効果として、書き込みの電流密度依存性を低下させる。すなわち、書き込みをすることができる電流密度の範囲が広がり、特に高電流密度において書き込みの品位の低下を防ぐことができる。更に、ノニオン性界面活性剤を配合することにより高い効果が得られる。2つ目の効果として、一次析出促進剤は析出する金属の内部応力を収縮方向にかかるように作用し、一方、二次析出促進剤は引っ張り方向にかかるように作用する。このため、両者を併用することで析出する金属の内部応力を低減させ、析出する金属の強度を高めて表示特性を向上させることができる。3つ目の効果として、不純物の混合による金属の析出の低下を抑制することができる。
更に、これらの析出促進剤の添加量は、電解液に対して0.1重量%以上20重量%以下の範囲が好ましい。より好ましくは、0.1重量%以上10重量%以下、さらに好ましくは1重量%以上10重量%以下の範囲である。
電解質層13は、また、必要に応じて抑制剤、平坦化剤、界面活性剤、更には錯化剤を含んでいてもよい。
抑制剤としては、ポリエチレングリコ−ル(PEG)およびポリプロピレングリコ−ル(PPG)などのポリアルキレングリコ−ル類が挙げられる。これらの抑制剤の分子量は500〜6,000が望ましい。分子量が低すぎると金属の被析出面の凹部に抑制剤が入り込み、逆に平坦化効果を失わせ、分子量が高すぎると金属の被析出面の凹部を覆う皮膜を形成することがあるからである。具体的な抑制剤としては、カルボキシメチルセルロ−ス、ノニルフェノ−ル−ポリグリコ−ルエ−テル、オクタンジオ−ル−ビス−(ポリアルキレングリコ−ルエ−テル)、オクタノ−ルポリアルキレングリコ−ルエ−テル、オレイン酸−ポリグリコ−ルエステル、ポリエチレン−プロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル−ジメチルエ−テル、ポリオキシプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリビニルアルコ−ル、ステアリン酸−ポリグリコ−ルエステル、ステアリルアルコ−ル−ポリグリコ−ルエ−テル、β−ナフト−ル−ポリグリコ−ルエ−テルなどが挙げられる。
平坦化剤としては、析出促進剤の中で平坦化剤として併記した分類の他に、アミン系化合物も用いることができ、具体的には、トリエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン、モノエタノ−ルアミン、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−( 3−ヒドロキシブチリデン) −p−スルファニル酸、N−ブチリデンスルファニル酸、N−シンナモイリデンスルファニル酸などの低分子量化合物のほか、ポリアクリルアミドやポリアルキルアミド、およびそれらの共重合化合物などの高分子量化合物なども挙げられる。これらの平坦化剤の1種類以上あるいは析出促進剤と併用して電解液に添加し、透明電極14上への金属の析出形態を制御することにより、電気化学表示装置の表示特性を向上させることができる。なお、平坦化剤の添加量は特に制限されるものではない。
界面活性剤は、析出する金属の緻密性、平滑性、均一電着性を向上させるためのものであり、特に、析出促進剤、抑制剤および平坦化剤からなる群のうちの少なくとも1種と界面活性剤とを併用することにより相乗的に効果を上げることができる。このような界面活性剤はとしては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系あるいは両性系のいずれの界面活性剤を用いることができる。
錯化剤は、析出する金属が配位して安定な錯体(キレ−ト)を生成するものである。このような錯化剤としては、チオ尿素誘導体などのイオウ系化合物、アルカンスルホン酸やアルカノールスルホン酸などの有機酸あるいはアミン系化合物などが挙げられる。具体的には、イオウ化合物としては、1, 3−ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、1, 3−ジエチル−2−チオ尿素、N, N’−ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1, 3−ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジドなどのチオ尿素誘導体が挙げられる。また、有機酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、1−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタン−1−スルホン酸、3−(ベンズチアゾリル−2−チオ)プロピルスルホン酸、3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸、エチレンジチオジプロピルスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p−フェノ−ルスルホン酸、クレゾ−ルスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン−4−スルホン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EDTA・2Na( エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩) 、HEDTA( ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸) 、DTPA( ジエチレントリアミン五酢酸) 、TTHA( トリエチレンテトラミン六酢酸) 、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンリン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンリン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコ−ル酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、スルホコハク酸、グルタル酸およびアジピン酸、更に、これら有機酸の金属塩あるいはアンモニウム塩などが挙げられ、特に、アルキルスルホン酸は金属の析出の電流密度依存性を低下させるので好ましい。更に、アミン系化合物としては、ニトリロ三酢酸NTA( NTA) 、イミノジ酢酸( IDA) 、イミノジプロピオン酸( IDP) 、アミノトリメチレンリン酸、アミノトリメチレンリン酸五ナトリウム塩、ベンジルアミン、2−ナフチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、シンナミルアミン、p−メトキシシンナミルアミンなどが挙げられる。
電解質層13は、更に、必要に応じて支持電解質塩や着色剤、更には添加剤を含んでいてもよい。
支持電解質塩は、電解質層13のイオン伝導性を高めることにより、析出溶解材料の析出溶解反応がより効果的に、且つ安定して行なわれるようにするためのものである。支持電解質塩としては、例えば、LiCl,LiBr,LiI,LiBF4 ,LiClO4 ,LiPF6 あるいはLiCF3 SO3 などのリチウム塩、または、KCl,KIあるいはKBrなどのカリウム塩、または、NaCl,NaIあるいはNaBrなどのナトリウム塩、または、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム塩,過塩素酸テトラエチルアンモニウム塩,ホウフッ化テトラブチルアンモニウム塩,過塩素酸テトラブチルアンモニウム塩あるいはテトラブチルアンモニウムハライド塩などのテトラアルキル四級アンモニウム塩が挙げられる。支持電解質塩にはいずれか1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
着色剤は、表示のコントラストを向上させるためのものである。着色剤としては、例えば、無機顔料あるいは有機顔料が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。例えば、銀のように金属の発色が黒色の場合には、白色の隠蔽性の高い材料が好ましい。このような材料として、例えば、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムなどの無機粒子を使用することができる。また、色素を用いることもできる。色素としては、油溶性染料を用いることが好ましい。
添加剤は、例えば、常温における電気化学的な反応、特に金属の析出溶解反応を可逆的、かつ効率的に行うためのものである。このような添加剤としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、クマリン、D−グルコノ−1,5−ラクトンが挙げられ、1種または2種以上を混合して含んでいることが好ましい。
また、アニオン種に起因した副反応に伴い、所望の発色以外の発色が生じる虞があるので、アニオン種に起因した副反応を抑制するための還元剤または酸化剤のいずれか1種または2種以上を混合して含んでいることが好ましい。
このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸化合物あるいはトリアルキルアルコールアミンなどが好ましい。中でも、トリアルキルアルコールアミン種であり、トリエタノールアミンは、長期保存性および高温保存性においても優れた効果を得ることができるので好ましい。
なお、この電解質層13は、これら溶媒,析出溶解材料および析出促進剤などを含む電解液の状態で用いてもよいが、ポリエーテル、ポリアクリロニトリルなどの原料となるモノマやオリゴマ、あるいは高分子化合物などを加えてゲル状の電解質としてもよい。ゲル状の電解質とする場合は、電解液に、例えば、ポリエーテル・オリゴマと有機過酸化物とを加えて加熱することにより架橋反応させてゲル状としてもよく、また、低沸点溶剤に溶解させた高分子化合物を含めて減圧乾燥することにより低沸点溶剤を揮発させてゲル状としてもよい。また、溶媒に加熱溶解させたのち放冷することによりゲル化するような高分子あるいは低分子量化合物を用いてゲル状としてもよい。更に、高分子化合物の出発原料であるモノマーあるいはオリゴマーと光開始剤とを電解液に添加したのち、活性エネルギー線照射法により重合あるいは架橋させてゲル化してもよい。この場合、架橋助剤あるいは光増感剤のうちの少なくとも一方を用いることが好ましい。効率的にゲル化を促進させることができるからである。ゲル状の電解質とする場合には、単層により構成してもよいが、複数層により構成してもよい。複数層にする場合には、着色剤は全ての層に含有させる必要はなく、少なくとも1層に含有させるようにすればよい。
有機過酸化物としては、イソブチリルパーオキサイド、α,α′−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートおよびt−ブチルパーオキシネオデカノエート等が挙げられ、単独または2種以上を混合して用いてもよい。
高分子化合物としては、主骨格単位、側鎖単位、またはその両方に、アルキレンオキサイド、アルキレンイミン、アルキレンスルフィドの繰り返し単位を有するもの、または、これらの異なる単位を複数含む共重合物、または、ポリメチルメタクリレート誘導体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリルあるいはポリカーボネート誘導体が挙げられる。高分子化合物には、いずれか1種を用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
光開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’、5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4−ジメチルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−イソアミルエステル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−竅|メトキシエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス (4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、p−ジメチルアミノアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、瘁C瘁|ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシ)スチリル−s−トリアジンなどが挙げられ、単独または2種以上を混合して用いてもよい。
第1電極14は、画素として表示する後述の金属を析出させる析出基板として機能するものであり、例えば、透明導電性膜により構成されている。具体的には、酸化インジウム(In2 3 )、酸化錫(SnO2 )あるいは、錫(Sn)とインジウム(In)との酸化物であるITO(Indium Tin Oxide)、または、これらに錫あるいはアンチモン(Sb)などをドーピングしたものにより構成されることが好ましい。また、酸化マグネシウム(MgO)あるいは酸化亜鉛(ZnO)などにより構成してもよい。
第2電極15は、電気化学的に安定な金属により構成されていることが好ましく、例えば、金(Au),白金(Pt),クロム(Cr),アルミニウム(Al),コバルト(Co),パラジウム(Pd),ビスマス(Bi)または銀(Ag)などを用いることができ、あるいはこれらの合金により形成するようにしてもよい。また、析出させる金属と同じ金属により構成するようにすれば、電気化学的により安定な電極反応を実現することができるのでより好ましい。この他にも、主反応に用いる金属を予めあるいは随時十分に補うことができれば、カーボンにより構成するようにしてもよい。カーボンを使用することで、第2電極15の低価格化を図ることができるからである。
この電気化学表示素子10は、例えば、次のようにして製造することができる。
図2に示したように、例えば、絶縁材をマトリクス状にパターニングすることにより区分された石英ガラス製の第1基板11上に、公知の方法によりITO膜を成膜して複数の第1電極14を形成し、一方、例えば、第1基板11と同様の材料からなる第2基板12上に、公知の方法により銀をべた状に成膜して第2電極15を形成する。
次に、電解液を、例えば、ジメチルスルホキシドとγ−ブチロラクトンとの混合溶媒にヨウ化銀(AgI)などの析出溶解材料とエチレンチオ尿素などの二次析出促進剤と二酸化チタン(TiO2 )などの着色剤とを加え、更に、上述のポリエーテル・オリゴマと有機過酸化物とを加えて後の工程でゲル化できるものに調製する。
次に、電解質層13を形成すると共に第1基板11と第2基板12とを貼り合わせる。その際、第1電極14を含む第1基板11および第2電極15を含む第2基板12の上に調製した電解液を塗布して電解質層13を形成したのち、周縁を封止しながら第1基板11と第2電極15とを貼り合わせるようにしてもよく、また、電解液の注入予定部には封止しないようにして注入口を形成しつつ、第1基板11および第2基板12の周縁を封止して貼り合せたのち、真空注入法を用いて注入口から電解液を注入しすることにより電解質層13を形成し、そののち注入口を封止するようにしてもよい。
最後に、この電気化学表示素子10に加熱などをしてポリエーテル・オリゴマと過酸化物とを架橋反応させることによりゲル状の電解質層13を形成する。これにより電気化学表示素子10が完成する。
本実施の形態の電解質では、析出促進剤を含むようにしたので、金属の酸化還元反応が促進され、この電解質を用いた電気化学表示装置によれば、表示動作の温度依存性を小さくすることができ、特に0℃以上40℃以下の温度範囲において、書き込みおよび消去からなるサイクルを重ねた場合の応答時間および表示特性を向上させることができる。
具体的な析出促進剤として、エチレンチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、チオ尿素、2−メルカプトチアゾリンおよび2−メルカプト−1−メチルイミダゾールのうち少なくとも1種を含むようにすれば、より高い効果を得ることができる。
また、特に、電解質として、電解液に対して0.1重量%以上20重量%以下の析出促進剤を添加した後、ゲル化したものを用いることにより、更に良好な効果を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について、図2を参照して詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−5)
実施例1−1〜1−5では、上記析出促進剤を含む電解質を用いた電気化学表示素子10を作製した。
まず、第1基板11上にITO膜を成膜し、絶縁材をマトリクス状に形成することにより区分した、大きさが2×2mmの複数からなる第1電極14を形成し、一方、第2基板12上に銀をべた状に成膜することにより第2電極15を形成した。
この後、実施例1−1〜1−5で用いる電解液を次のようにして調製した。まず、ジメチルスルホキシド(DMSO) とγ−ブチロラクトン(γBL)とを3:2の体積比で混合した溶媒に、析出溶解材料として、0.5mol/lのヨウ化銀(AgI)および支持電解質塩として0.75mol/lのヨウ化ナトリウム(NaI)を溶解させ、更に、クマリンを5g/l、メルカプトベンゾイミダゾールを5g/l、トリエタノールアミンを10g/lとなるように加えて溶液を調製した。なお、本実施例では、クマリン、メルカプトベンゾイミダゾールおよびトリエタノールアミンを添加剤として扱う。
続いて、調製した溶液と、この溶液をゲル状にするためのアクリル基末端を有するポリエーテル・オリゴマと、表示背景を白くするための白色顔料である二酸化チタンとをそれぞれ質量比で、1:0.2:1.2の割合で混合し、ホモジナイザーおよび自転・公転方式ミキサーで均一に分散させて顔料分散液を調製した。
この顔料分散液に析出促進剤として、実施例1−1ではエチレンチオ尿素を、実施例1−2ではN,N’−ジメチルチオ尿素を、実施例1−3ではチオ尿素を、実施例1−4では2−メルカプトチアゾリンを、実施例1−5では2−メルカプト―1−メチルイミダゾールをそれぞれ顔料分散液に対して5重量%添加し、自転・公転方式ミキサーで攪拌することにより前駆体電解液を調製した。
更に、ポリエーテル・オリゴマを架橋化反応させるための有機過酸化物(日本油脂社製「パーへキシルND」)をポリエーテル・オリゴマに対して2質量%加え、自転・公転方式ミキサーで攪拌することにより、後の工程でゲル化することが可能な電解液を調製した。
この後、調製した電解液を第1電極14を含む第1基板11および第2電極15を含む第2基板12の上に塗布して電解質層13を形成したのち、第1基板11と第2基板12とを貼り合わせると共に周縁を封止した。
最後に、この素子を100℃の恒温槽で10分間加熱して過酸化物によって、ポリエーテル・オリゴマを架橋反応させることによりゲル状の電解質層13を形成した。これにより電気化学表示素子10を得た。
また、実施例1−1〜1−5に対する比較例1−1として、析出促進剤を添加しない電解液を用いたことを除き、他は、実施例1−1〜1−5と同様にして電気化学表示素子を作製した。
作製した実施例1−1〜1−5および比較例1−1の電気化学表示素子について、銀が析出する析出過電圧を調べるために、サイクリックボルタンメトリー(Cyclic Voltammetry;CV)測定を行った。その結果を表1および図2に示すと共に、図3には実施例1−1のサイクリックボルタモグラムを、図4には比較例1−1のサイクリックボルタモグラムをそれぞれ示す。なお、本測定は通常の参照極を含む三極式の測定法ではなく、対極に参照極を短絡させた二極式の測定法により行った。
CV測定は、0℃、25℃および40℃のそれぞれの温度で行った。また、対極の電位を基準電位(0V)とし、基準電位(0V)→−0.75V→基準電位(0V)→1.1V→基準電位(0V)を1サイクルとして繰り返し掃引を行った。このときの掃引速度を50mV/secとした。
Figure 2005338515
表1および図2に示したように、実施例1−1〜1−5によれば、比較例1−1に比べて、同温条件下において析出過電圧の絶対値が小さくなった。この理由は、析出促進剤の添加によって、核発生が促進されていることを示す。すなわち、小さい印加電圧で書き込みが行なえることを示している。また、図3と図4とを比較すると実施例1−1では還元側の核発生後の電流密度の絶対値が比較例1−1よりも小さくなった。この理由は、析出促進剤の添加によって、核成長が抑制されたためと考えられる。すなわち、電解質に析出促進剤を含むようにすれば、金属を析出させるための核発生が促進され、また、この後に続く不要な核成長が抑制されることが分かった。
(実施例2−1〜2−5)
実施例2−1〜2−5では、実施例1−1〜1−5と同様にして電気化学表示素子を作製して、40℃の温度下において以下に示す駆動法を用いて書き込みおよび消去を行ったときの光学濃度(Optical Density :OD)を測定することにより、応答時間および表示特性を評価した。また、実施例2−1〜2−5に対する比較例2−1として、比較例1−1と同様にして電気化学表示素子を作製して、実施例2−1〜2−5と同様にして応答時間および表示特性を評価した。これらの結果を応答時間については図5に、表示特性については図6に示す。
駆動法については、第2電極15を電圧基準として表示画面側の第1電極14に、電圧が−1.2Vで電圧印加時間が30msの第1電圧印加を行い、続いて電圧が−0.5Vで電圧印加時間が2sの第2電圧印加を行う二段階パルス駆動によって書き込みを行ったのち、電圧を0V(開回路)に設定して5s間の休止を行い(修正しました。)、続いて電圧が1.6Vで電圧印加時間が1.5sの消去電圧印加によって消去を行った。この一連の書き込みおよび消去を1サイクルとし、繰り返し駆動させた。また、各サイクルの間には、電圧を0V(開回路)に設定して5s間の休止を行った。なお、消去時の濃度がOD値で0.4以上となり、更にサイクルを繰り返したときOD値が増加した時点で評価を終えた。ここで、繰り返し動作を終了する際の消去時の濃度をOD値で0.4以上とした理由は、繰り返し駆動を行う前の白表示状態でのOD値は0.3であり、OD値が0.4以上になれば視認できる着色濃度となり、消去後にOD値が0.4以上であれば消え残りとして視認することができるからである。
光学濃度は、水平に設置した電気化学表示素子10の垂直上方から波長670nmのレーザ光を照射し、入射光から30°傾いた斜め上方で受光した反射光の強度を測定し、得られた反射光の強度を換算して求めた。
応答時間は、各サイクルの書き込み直後からOD値が1.0、すなわち絶対反射率10%に達する間での時間(応答時間)を測定した。ここで、応答時間を評価する際のOD値を1.0(絶対反射率では10%)とした理由は、OD値は1.0が表示特性として十分な濃さであり、OD値が1.0以上の書き込み濃度の差は視認できないからである。
書き込み時の表示特性は、各サイクルにおける書き込みの第2電圧印加直後の光学濃度(書き込み濃度)を測定したのち、消去電圧印加直後の光学濃度(消去時の濃度)を測定した。
図5に示したように、析出促進剤を含む電解液を用いた実施例2−1〜2−5は、析出促進剤を含まない電解液を用いた比較例2−1よりも10サイクル目までの応答時間が速くなった。特に、1サイクル目で最も応答時間が速かったのは185msの実施例2−1であり、比較例2−1の応答時間1.3sと比較して約6倍高速化され、5サイクル目で最も応答時間が速かったのは34msの実施例2−4であり、比較例2−1と比較して約10倍高速化された。析出促進剤として2−メルカプトチアゾリンを用いた実施例2−4では5サイクル目から250サイクル目までの応答時間が100ms以下に安定して高速化され、消え残りなどを生じることなく良好な書き込みおよび消去をすることができることが分かった。また、析出促進剤としてエチレンチオ尿素を用いた実施例2−1は、20サイクル目以降サイクル数が増加するに連れて徐々に応答時間が増加し、N,N’−ジメチルチオ尿素を用いた実施例2−2は、20サイクル目で応答時間が増加したが、それ以降は徐々に応答時間が減少する結果が得られ、いずれの実施例も250サイクル目まで消え残りなどを生じることなく書き込みおよび消去をすることができることが分かった。なお、実施例2−3,2−5および比較例2−1は、後述の表示特性で説明するように、それぞれ20サイクル目、50サイクル目および10サイクル目で消え残りが生じたためその時点で測定を中止した。
また、表示特性は、書き込みについては実施例2−1〜2−5および比較例1−1のいずれにおいてもOD値が1.0以上の良好な結果が得られたため、消去についての表示特性のみを図6に示した。析出促進剤としてエチレンチオ尿素を用いた実施例2−1および2−メルカプトチアゾリンを用いた実施例2−4は、250サイクル目まで消え残りが全く発生せず書き込みおよび消去が安定に繰り返された。また、N,N’−ジメチルチオ尿素を用いた実施例2−2は、サイクル途中で消え残りが発生するが、50サイクル以降は消え残りが無くなり安定に駆動した。なお、実施例2−3は20サイクル、実施例2−5は50サイクルで消え残りが発生し、比較例2−1は10サイクルで明らかな消え残りが生じたため、その時点で測定を中止した。
以上の結果から、動作温度が40℃において電気化学表示素子10の書き込みおよび消去の特性を向上させる析出促進剤としては、2−メルカプトチアゾリン、エチレンチオ尿素およびN,N’−ジメチルチオ尿素が挙げられ、2−メルカプトチアゾリンが特に好ましいことが分かった。
(実施例3−1〜3−5)
実施例3−1〜3−5では、実施例1−1〜1−5と同様にして電気化学表示素子を作製して、0℃の温度下において実施例2−1〜2−5と同様にして表示特性を評価した。また、実施例3−1〜3−5に対する比較例3−1として、比較例1−1と同様にして電気化学表示素子を作製して、実施例3−1〜3−5と同様にして表示特性を評価した。この結果を図7に示す。なお、0℃の低温下では銀の析出反応が起こり難くなるため、実施例3−1〜3−5の表示特性については、書き込みについての表示特性のみを図7に示した。
図7に示したように、各サイクルにおいて、析出促進剤を含む電解液を用いた実施例3−1〜3−5はOD値が0.4以上で書き込みを行うことができたのに対し、析出促進剤を含まない電解液を用いた比較例3−1はOD値がほぼ0.3で推移しほとんど書き込みを行うことはできなかった。この結果から、析出促進剤の添加によって低温における表示特性が改善されることが分かった。特に、1〜5サイクルにおいて表示特性が優れていた析出促進剤は、実施例3−1で用いたエチレンチオ尿素であり、1サイクル目のOD値が0.7と最も大きな値を示した。実施例3−2および実施例3−3では、サイクルを重ねるごとに書き込みの着色濃度が濃くなり、実施例3−3は10サイクル目でOD値が1以上となり表示特性を十分に満たす結果が得られた。
以上の結果から、動作温度が0℃において電気化学表示素子10の書き込みおよび消去の特性を向上させる析出促進剤としては、エチレンチオ尿素、チオ尿素およびN,N’−ジメチルチオ尿素が挙げられ、エチレンチオ尿素が特に好ましいことが分かった。
(実施例4−1,4−2)
実施例4−1では、溶媒をジメチルスルホキシドとγ−ブチロラクトンとの混合溶媒に代えてN−メチルホルムアミド(NMF)を用い、この溶媒に0.25mol/lのヨウ化銀および1.2mol/lのヨウ化ナトリウムを溶解させ、更に、クマリンを5g/lおよびトリエタノールアミンを10g/l添加し、また、2−メルカプトベンゾイミダゾールは添加しないで調製した電解液を用いたこと除き、他は実施例1−1〜1−5と同様にして電気化学表示素子を作製した。また、実施例4−2では、ヨウ化銀の濃度を0.5mol/lにして調製した電解液を用いたことを除き、他は実施例4−1と同様にして電気化学表示素子を作製した。
また、実施例4−1,4−2に対する比較例4−1,4−2として、比較例4−2および比較例4−2は析出促進剤を添加しない電解液を用いたことを除き、他は、比較例4−2については実施例4−1と同様に、比較例4−2については実施例4−2と同様にして電気化学表示素子を作製した。
作製した実施例4−1,4−2および比較例4−1,4−2の電気化学表示素子について、実施例2−1〜2−5と同様にして、応答時間および表示特性を評価した。これらの結果を応答時間については図8に、表示特性については図9に示す。
図8に示したように、析出促進剤を含む電解液を用いた実施例4−1,4−2は、析出促進剤を含まない電解液を用いた比較例4−1,4−2よりも10サイクル目までの応答時間が速くなった。特に、1サイクル目で最も応答時間が速かったのは32msの実施例4−2であり、同一濃度でAgIを含み析出促進剤を添加しない比較例4−2の応答時間333msと比較して、約10倍高速化された。また、析出促進剤としてエチレンチオ尿素を、溶媒としてN−メチルホルムアミドを用いると共に、ヨウ化銀の濃度を0.25mol/lに調製した実施例4−1は1サイクル目から200サイクル目までの応答時間が100ms以下に安定して高速化され、ヨウ化銀の濃度を0.5mol/lに調製した実施例4−2では、1サイクル目から200サイクル目までの応答時間がほぼ50ms以下に一定して高速化され、消え残りなどを生じることなく良好な書き込みおよび消去をすることができることが分かった。
また、表示特性は、書き込みについては実施例2−1〜2−5と同様にOD値が1.0以上の良好な結果が得られたため、消去についての表示特性のみを図9に示した。析出促進剤としてエチレンチオ尿素を添加した実施例4−1および実施例4−2は、200サイクル駆動させても全く消え残りを生じなかった。析出促進剤を添加していない比較例4−2,4−3については、AgIを0.5mol/lと多く添加した比較例4−2では10サイクルで明らかな消え残りが発生したが、AgIを0.25mol/lと少なく添加した比較例4−1では150サイクル目まで消え残りが発生しなかった。このことから、AgIが過剰に存在する場合でも、析出促進剤の添加によって析出核が微細化され、かつ析出物の過剰な成長が抑制される効果が明確に発揮されることが分かった(修正しました。)。
以上の結果から、動作温度が40℃において電気化学表示素子10の書き込みおよび消去を行う際、溶媒としてN−メチルホルムアミドを用いると共に、析出促進剤を用いることにより更に高い効果が得られることが分かった。
(実施例5−1,5−2)
実施例5−1,5−2では、実施例4−1,4−2と同様にして電気化学表示素子を作製して、25℃の室温下において実施例2−1〜2−5と同様にして応答時間および表示特性を評価した。これらの結果を応答時間については図10に、表示特性については図11に示す。
図10に示したように、25℃の室温下において析出促進剤としてエチレンチオ尿素を、溶媒としてN−メチルホルムアミドを用いると共に、ヨウ化銀の濃度を0.25mol/lに調製した実施例5−1は、1サイクル目から200サイクル目までの応答時間が50ms以上220ms以下の間で変動したが、消え残りなどを生じることなく良好な書き込みおよび消去をすることができることが分かった。また、ヨウ化銀の濃度を0.5mol/lに調製した実施例5−2では、1サイクル目から200サイクル目までの応答時間がほぼ100ms前後に一定して高速化され、実施例4−1と同様に、消え残りなどを生じることなく良好な書き込みおよび消去をすることができることが分かった。
また、表示特性は、書き込みについては実施例2−1〜2−5と同様にOD値が1.0以上の良好な結果が得られたため、消去についての表示特性のみを図11に示した。析出促進剤としてエチレンチオ尿素を添加した実施例5−1および実施例5−2は、25℃の室温下において200サイクル駆動させても全く消え残りは生じなかった。
以上の結果から、動作温度が25℃の室温において電気化学表示素子10の書き込みおよび消去を行う際、溶媒としてN−メチルホルムアミドと共に、析出促進剤を用いることにより高い効果が得られることが分かった。
(実施例6−1,6−2)
実施例6−1,6−2では、実施例4−1,4−2と同様にして電気化学表示素子を作製して、0℃の温度下において実施例2−1〜2−5と同様にして応答時間および表示特性を評価した。また、実施例6−1,6−2に対する比較例6−1,6−2として、比較例6−1は比較例4−1と同様に、比較例6−2は比較例4−2と同様にして電気化学表示素子を作製して、実施例6−1,6−2と同様にして応答時間および表示特性を評価した。これらの結果について応答時間は図12に示し、表示特性は図13に示す。なお、実施例6−1,6−2および比較例6−1,6−2の表示特性については、書き込みについての表示特性のみを示した。
図12に示したように、0℃の室温下において析出促進剤としてエチレンチオ尿素を、溶媒 としてN−メチルホルムアミドを用いると共に、ヨウ化銀の濃度を0.25mol/lに調製した実施例6−1は、1サイクル目から150サイクル目までの応答時間が900ms以上1000ms以下の間で変動したが、消え残りなどを生じることなく書き込みおよび消去をすることができることが分かった。また、ヨウ化銀の濃度を0.5mol/lに調製した実施例6−2では、1サイクル目から150サイクル目までの応答時間が800ms以下に高速化され、実施例6−1と同様に、消え残りなどを生じることなく書き込みおよび消去をすることができることが分かった。なお、比較例6−1,6−2の応答時間については、OD値が1.0に達しなかったため図12には記載しなかった。
図13に示したように、0℃の温度下において、析出促進剤としてエチレンチオ尿素を、溶媒としてN−メチルホルムアミドを含む電解液を用いた実施例6−1,6−2は、1サイクル目からOD値が1.0以上で書き込みを行うことができたのに対し、析出促進剤を含まない電解液を用いた比較例6−1,6−2はOD値がほぼ0.3で推移し、ほとんど書き込みを行うことはできなかった。この結果から、溶媒としてN−メチルホルムアミドと析出促進剤とを添加することによって低温における表示特性が大幅に改善されることが分かった。また、析出促進剤としてエチレンチオ尿素を用いると共に、溶媒としてN−メチルホルムアミドを用いた実施例6−1,6−2は、溶媒としてジメチルスルホキシドとγ−ブチロラクトンとの混合溶媒を用いた実施例3−1よりも、高いOD値を示した。実施例3−1のOD値は約0.7であったが、実施例6−1,6−2のOD値は1.0以上であり、表示特性として更に良好な結果が得られることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施例では、析出溶解材料として銀を用いた場合について説明したが、銀と同様な性質を有するものであれば、他の析出溶解材料を用いてもよい。
また、上記実施例では、電解質中にエチレンチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、チオ尿素、2−メルカプトチアゾリンおよび2−メルカプト―1−メチルイミダゾールの析出促進剤のうちの1種類のみ含まれる場合について説明したが、これらの析出促進剤を混合して用いるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態および実施例では、パッシブマトリックス駆動を用いた場合における析出促進剤の効果について説明したが、アクティブマトリックス駆動を用いる場合においても析出促進剤を含む本発明の電解質を用いてもよい。これにより、アクティブマトリックス駆動により動作する表示装置においても駆動電圧を小さくすることができ、消費電力を低減することができると共に、表示素子の長寿命化などの表示性能についても向上させることができるからである。
本発明の一実施の形態に係る電気化学表示素子の構成を表す分解斜視図である。 実施例1−1〜1−5および比較例1−1における温度と析出過電圧との関係を表す図である。 実施例1−1のサイクリックボルタモグラムである。 比較例1−1のサイクリックボルタモグラムである。 実施例2−1〜2−5および比較例2−1における駆動サイクル数に対する応答時間の関係を表す図である。 実施例2−1〜2−5および比較例2−1における駆動サイクル数に対する光学濃度(OD)の関係を表す図である。 実施例3−1〜3−5および比較例3−1における駆動サイクル数に対する光学濃度(OD)の関係を表す図である。 実施例4−1,4−2および比較例4−1,4−2における駆動サイクル数に対する応答時間の関係を表す図である。 実施例4−1,4−2および比較例4−1,4−2における駆動サイクル数に対する光学濃度(OD)の関係を表す図である。 実施例5−1,5−2における駆動サイクル数に対する応答時間の関係を表す図である。 実施例5−1,5−2における駆動サイクル数に対する光学濃度(OD)の関係を表す図である。 実施例6−1,6−2における駆動サイクル数に対する応答時間の関係を表す図である。 実施例6−1,6−2および比較例6−1,6−2における駆動サイクル数に対する光学濃度(OD)の関係を表す図である。
符号の説明
10…電気化学表示素子、11…第1基板、12…第2基板、13…電解質層、14…第1電極(透明電極)、15…第2電極(対向電極)

Claims (6)

  1. 金属の析出溶解反応を利用して表示を行う電気化学表示装置に用いられる電解質であって、
    析出溶解材料と共に析出促進剤を含むことを特徴とする電解質。
  2. 前記析出促進剤として、エチレンチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、チオ尿素、2−メルカプトチアゾリンおよび2−メルカプト―1−メチルイミダゾールのうちの少なくとも1種を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の電解質。
  3. 電解液に対して前記析出促進剤を0.1重量%以上20重量%以下の範囲で添加した後、固化されたものである
    ことを特徴とする請求項2記載の電解質。
  4. 第1電極と第2電極とが電解質を間にして対向配置された構造を有し、前記電解質中の金属の析出・溶解を利用して表示を行う電気化学表示装置であって、
    前記電解質は、析出溶解材料と共に析出促進剤を含む
    ことを特徴とする電気化学表示装置。
  5. 前記析出促進剤として、エチレンチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、チオ尿素、2−メルカプトチアゾリンおよび2−メルカプト―1−メチルイミダゾールのうちの少なくとも1種を用いる
    ことを特徴とする請求項4記載の電気化学表示装置。
  6. 前記電解質は、電解液に対して前記析出促進剤を0.1重量%以上20重量%以下の範囲で添加した後、固化されたものである
    ことを特徴とする請求項4記載の電気化学表示装置。
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