JP2005337612A - 冷却装置および表示装置 - Google Patents

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仁 玉城
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Abstract

【課題】 より大きな表示部分を有する表示パネルの冷却を可能としつつ、簡素かつコンパクトな構成を有する冷却装置を備えた表示装置を提供する。
【解決手段】 冷却領域30から放熱領域40に亘って連続的にグルーブ21G,11Gが形成された冷却装置20は、熱輸送媒体封止基板21および駆動パネル11と、熱輸送媒体封止基板21と駆動パネル11との間に設けられたシールパターン22とにより構成される。熱輸送媒体封止基板21と駆動パネル11との間には流路23が形成され、この流路23の内部に密封された熱輸送媒体24が、表示パネル10から吸熱して冷却領域30と放熱領域40との間を循環する。この結果、表示部分10Sにおいて発生した熱を外部へ放出することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷却装置およびそれを備えた表示装置に係り、特に、有機発光素子のような自発光素子を用いた表示パネルの昇温抑制に好適な冷却装置およびそれを備えた表示装置に関する。
近年、電子表示装置の軽量化、薄型化および高画質化の要望が高まるなか、プラズマ表示パネル(PDP;Plasma Display Panel)や、有機発光素子を用いた有機電界発光ディスプレイなど、様々な種類の電子表示装置が開発されている。
このような自発光型の電子表示デバイスでは、駆動に伴う消費電力として投入されるエネルギーのうち、表示パネルからの射出光に変換されるエネルギー以外のエネルギーの多くは熱に変換される。通常、自然放熱では、電子表示デバイスの温度上昇は避けられないので、何らかの放熱対策が必要である。従来、冷却ファンによる空冷を行う方法や表示パネルに放熱板を取り付けて熱伝導により冷却を行う方法のほか、放熱板にルートヒートパイプを設けて放熱性能を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
表示装置の冷却を行うものではないが、関連する技術として、パーソナルコンピュータ(パソコン)やディジタルカメラ等の電子機器装置の冷却を行う冷却装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の冷却装置は、毛細管構造を有する金属製パイプからなるヒートパイプを備える替わりに、接着剤によって貼り合わされる一対の基板の内部に、水などの流体および気体が循環する流路からなるルート状のヒートパイプを形成したものである。この冷却装置は、小型・薄型であるうえ、高い冷却性能を実現している。
また、比較的薄型のヒートパイプとしては、特許文献3に開示されたものがある。このヒートパイプは、複数の細孔を有するアルミニウム合金製の押出偏平管等により蛇行細管体を構成し、高効率の熱交換特性を確保している。
特開2003−280531号公報 特開2003−185369号公報 特開平8−200974号公報
ところで、最近では、電子表示装置の大型化(表示パネルにおける表示部分の大型化、大画面化)が進んでおり、これに対応可能な冷却装置が求められている。すなわち、より大きな表示部分を有する表示パネルの冷却を可能としつつも、より薄型かつ軽量であることが求められている。
しかしながら、特許文献1に記載された画像表示装置では、表示部分とほぼ同等の表面積を有するアルミニウム等の放熱板の上に、さらにループ状のヒートパイプを設けるようにしているので、大画面化に伴う重量増を避けることは困難である。特許文献3のヒートパイプについても、大画面化に伴ってアルミニウム合金製の押出偏平管を大型化する必要があるうえ、強度確保の観点から押出偏平管の厚みを厚くする必要もあるので、重量増は避け難い。さらに、特許文献2の冷却装置では、基板を加工して複雑な構造の流路を形成する作業が繁雑であるうえ、この流路を加工する装置の大きさによって表示部分のサイズも制限されてしまう。加えて、流路を確保するために基板を加工して比較的大きな凹部を形成するので、表示部分のサイズに応じて強度確保の観点から基板の厚みを大きくせざるを得ない。このように、大画面化と、薄型化および軽量化との両立が十分に図れていない状況であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、より大きな面積に亘る冷却を可能としつつ、簡素かつコンパクトな構成を有する冷却装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、大画面の表示パネルの冷却が可能であると共に、薄型化および軽量化を図ることができる表示装置を提供することにある。
本発明に係る冷却装置は、以下の(A)〜(C)に記載された各構成要件を備えるようにしたものである。
(A)互いに対向配置されると共に少なくとも一方の表面に冷却領域を有し、冷却領域が冷却対象物に接触するように配置される一対の基板
(B)一対の基板の間に設けられ、冷却領域から冷却領域以外の放熱領域に亘る流路を形成するシールパターン
(C)流路内に密封され、冷却領域と放熱領域との間を循環することにより熱輸送を行う熱輸送媒体
本発明に係る表示装置は、表示パネルを冷却するための冷却装置を備えており、その冷却装置が、以下の(A)〜(C)に記載された各構成要件を有するようにしたものである。
(A)互いに対向配置されると共に少なくとも一方の表面に冷却領域を有し、冷却領域が表示パネルの表示部分に接するように配置された一対の基板
(B)一対の基板の間に設けられ、冷却領域から冷却領域以外の放熱領域に亘る流路を形成するシールパターン
(C)流路内に密封され、冷却領域と放熱領域との間を循環することにより熱輸送を行う熱輸送媒体
本発明に係る冷却装置では、冷却対象となる物体(表示パネルの表示部分)から生じた熱が冷却領域へ伝達されたのち、流路に密封された熱輸送媒体によって放熱領域へ輸送される。ここでは、冷却領域において熱輸送媒体が気化することによって吸熱し、放熱領域において熱輸送媒体が液化することにより放熱する。この場合、冷却領域において気化した熱輸送媒体は、圧力差により流路の内部を放熱領域側へ移動し、放熱領域において液化した熱輸送媒体は流路の内部を冷却領域側へ移動する。
本発明に係る冷却装置によれば、一対の基板間にシールパターンを設けると共に、このシールパターンにより冷却領域から放熱領域に亘る流路を形成し、この流路内に密封された熱輸送媒体を冷却領域と放熱領域との間で循環させることにより熱輸送を行うようにしたので、簡素かつコンパクトな構成を確保しつつ、冷却対象物体がより広範囲に発熱する場合であっても十分な冷却を行うことができる。ここで、流路の内部圧力を調整することにより、所望の制御温度範囲を設定することができる。また、プラスチックフィルムにより一対の基板を構成するようにすると、可撓性が確保され、曲面を有する物体や、動きを伴う物体の冷却にも対応可能となる。また、シールパターンを、間隔調整部材を含んで構成することにより、一対の基板の間隔を高精度に調整することが容易であり、さらなる薄型化に有利となる。
また、本発明に係る表示装置によれば、上記本発明の冷却装置を表示パネルに対して一体化するようにしたので、簡素かつコンパクトな構成を確保しつつ、表示パネルが大型化しても十分な冷却を行うことができ、表示パネルの発熱に伴う損傷を防ぐことができる。また、表示パネルを構成する一方の基板が冷却装置を構成する基板を兼ねるようにすれば、より薄型化を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施の形態に係る表示装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態の表示装置における平面構成(図1(A))、断面構成(図1(B))および斜視構成(図1(C))を表すものである。但し、図1(A)では、一部の図示を省略している。図1(B)は、図1(A)のIB−IB切断線における矢視方向の断面に対応する。
この表示装置は、例えば、パーソナルコンピュータのモニタあるいはテレビジョンなどの中大型の有機発光表示装置、またはホームシアターなどの大型の有機発光表示装置として用いられるものである。この表示装置は、有機発光素子を含み、画像の表示をおこなう表示部分10Sを有する表示パネル10と、この表示部分10Sを冷却するための冷却装置20とを備えている。
表示パネル10は、駆動パネル11と、XY平面内において駆動パネル11よりも小さな面積を占める封止パネル12とが互いに貼り合わされた構成となっている。表示部分10Sは、駆動パネル11および封止パネル12の一部領域に対応する部分である。ここで、駆動パネル11、封止パネル12および表示部分10Sは、それぞれの中心位置が一致するように構成されている。駆動パネル11における駆動用基板111(後出)は、冷却装置20を構成する一対の基板のうちの一方をも兼ねている。なお、表示パネル10については、のちに詳述する。
冷却装置20は、複数のヒートパイプ構造20Hを備えており、表示部分10Sの冷却を行う冷却領域30と、冷却領域以外の領域に対応する放熱領域40との間で熱輸送媒体24(後出)を循環させて熱輸送をおこなうものである。
図2は、図1(B)の要部を拡大した断面図であり、冷却装置20におけるヒートパイプ構造20Hの1つを表している。冷却装置20は、互いに対向する一対の基板としての熱輸送媒体封止基板21および駆動パネル11と、これら熱輸送媒体封止基板21および駆動パネル11に挟まれるように設けられたシールパターン22とを有している。熱輸送媒体封止基板21および駆動パネル11は、例えばガラスからなり、それぞれ互いの対向面に冷却領域30から放熱領域40に亘って連続的に形成されたグルーブ21G,11Gを有している。グルーブ21G,11Gは、熱輸送媒体24の毛細管現象を利用するためのウィックであって、例えば100μmの深さを有しており、Y方向に延在している。なお、熱輸送媒体封止基板21および駆動パネル11は透明である必要はない。
シールパターン22は、冷却領域30から放熱領域40に亘りY方向に延在する複数の流路23を形成している。複数の流路23は、シールパターン22と共に熱輸送媒体封止基板21および駆動パネル11によってそれぞれ密閉された空間であり、適量の熱輸送媒体24を保持している。シールパターン22は、例えば紫外線(UV)硬化型樹脂や熱硬化型樹脂などの弾性を有する樹脂により構成され、熱輸送媒体24が外部へ流出するのを防ぐ密封層として機能するうえ、熱輸送媒体封止基板21と駆動パネル11との接着を行う接着層としても機能する。このシールパターン22には、一定の径をなす球状のスペーサ22S(間隔調整部材)が含まれており、熱輸送媒体封止基板21と駆動パネル11とのギャップ22Hが高精度に保持されている。
熱輸送媒体24としては、最大熱輸送量が大きく、化学的安定性、安全性および取扱い性に優れていることから純水を用いることが好ましい。流路23の内圧および熱輸送媒体24の内容量は、熱輸送媒体24が、冷却領域30において所望の制御温度範囲の上限に達した際に気化し、放熱領域40において液化するように調整されている。
次に、図3を参照して、表示パネル10の構成について説明する。図3は、表示パネル10の要部を拡大した断面構成を表している。表示パネル10は、駆動パネル11と封止パネル12とが対向配置され、接着層13により全面が貼り合わされている。駆動パネル11は、ガラスなどの絶縁材料よりなる駆動用基板111の上に、赤色光を発する有機発光素子110Rと、緑色光を発する有機発光素子110Gと、青色光を発する有機発光素子110Bとがこの順序で並ぶように全体としてマトリクス状に設けられたものである。ここで、有機発光素子110R,110G,110Bは、それぞれ1つのサブピクセルに対応し、隣接する三つの有機発光素子110R,110G,110Bにより1つの画素110を構成している。
この有機発光素子110R,110G,110Bは、例えば駆動用基板111の側から、陽極112と、発光層を含む有機層113と、陰極114とが順に積層されている。陰極114の上には、酸化シリコン(SiO2 )あるいは窒化シリコン(SiN)などからなる保護膜115が形成されている。
陽極112は、反射層としての機能も兼ねており、例えば白金(Pt),金(Au),クロム(Cr)またはタングステン(W)などの金属または合金などにより構成されている。
有機層113は、有機発光素子の発光色によって構成が異なっている。有機発光素子110R,110Bは、正孔輸送層、発光層および電子輸送層が陽極112の側からこの順に積層された構造を有しており、有機発光素子110Gは、正孔輸送層および発光層が陽極112の側からこの順に積層された構造を有している。正孔輸送層は、発光層への正孔注入効率を高めるためのものであり、発光層は、電流の注入により光を発するものであり、電子輸送層は、発光層への電子注入効率を高めるためのものである。
陰極114は、半透過性電極により構成されており、発光層で発生した光は陰極114の側から取り出されるようになっている。陰極114は、例えば、銀(Ag),アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの金属または合金などにより構成されている。
封止パネル12は、駆動パネル11の陰極114の側に設けられており、接着層130と共に有機発光素子110R,110G,110Bを封止する封止用基板121を有している。封止用基板121は、駆動用基板111上のすべての有機発光素子110R,110G,110Bを覆うことのできる大きさを有し、有機発光素子110R,110G,110Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。封止用基板121には、例えば、カラーフィルタ122が設けられており、有機発光素子110R,110G,110Bで発生して光を取り出すと共に、有機発光素子110R,110G,110Bならびにその間の配線において反射された外光を吸収し、コントラストを改善するようになっている。
接着層130は、駆動用基板111と封止用基板121との間に設けられ、表示装置の強度を確保すると共に、水分や酸素の侵入による有機発光素子110R,110G,110Bの結晶化および陰極114の剥離をより効果的に防止するようになっている。接着層130は、熱硬化型樹脂またはUV硬化型樹脂により構成されている。但し、カラーフィルタ122の材料は紫外線を透過しにくいので、製造上の理由から熱硬化型樹脂により構成されていることが好ましい。
次に、図4から図8を参照して、本実施の形態に係る表示装置のうちの冷却装置の製造方法について説明する。
まず、フロート法などにより所定の寸法に加工された2枚のガラス基板を用意する。次いで、それぞれの一方の面に、例えばレーザ加工装置によって互いに平行に延在する複数のグルーブ21G,11Gを形成することにより、熱輸送媒体封止基板21と駆動用基板111とを形成する。
次に、図4に示したように、熱輸送媒体封止基板21の、グルーブ21Gが形成された面の上に、のちにシールパターン22となるシール部材22Zを塗布する。ここでは、シール部材22Zとして、スペーサ22Sを含むエポキシ系のUV硬化型樹脂を用い、ディスペンサ1により図1(A)に示したシールパターン22のパターン形状に沿って描画するように塗布する。この際、塗布されたシール部材22Zの全体の厚みが、スペーサ22Sの直径よりも大きくなるようにする。
シール部材22Zを塗布したのち、図5に示したように、ディスペンサ2によって熱輸送媒体24を滴下する。
続いて、図6に示したように、加圧手段を備えたチャンバ3の内部に図5に示した熱輸送媒体封止基板21をそのまま載置したのち、この熱輸送媒体封止基板21の側にグルーブ11Gが形成された面を向けるようにして駆動用基板111を対向配置する。ここで、排気手段5によってチャンバ3の内部を減圧し、所定の真空度を保持する。さらに、相互の位置合わせを行ったのち、加圧手段(図示せず)によって矢印4の方向(上向き)に熱輸送媒体封止基板21を移動させ、駆動用基板111に押し当てることにより貼り合わせを行う。ここでは、図7に示したように、駆動用基板111および熱輸送媒体封止基板21の双方がスペーサ22Sとそれぞれ接するまで加圧することにより、互いのギャップ22Hを高精度に形成することができる。加圧した状態のまま、UV照射装置6によって所定の強度を有する紫外線を照射することによってシール部材22Zを半硬化状態とし、駆動用基板111と熱輸送媒体封止基板21とを仮固定する。これにより、流路23が形成される。こののち、吸気手段7によって外気を取り入れ、チャンバ3の内部を大気圧に戻す。
最後に、図8に示したように、矢印9の方向へ全体を移動させながらUV照射装置9によって所定の強度を有する紫外線を照射することにより、シール部材22Zを完全に硬化させる。これにより、冷却装置20が完成する。
なお、本実施の形態では、駆動用基板111と熱輸送媒体封止基板21との貼り合わせを行う前に熱輸送媒体24を滴下するようにしたが、シール部材22Zを塗布する際に、完全に閉じたパターン形状とせず、一部に注入口を設けておき、貼り合わせののちに真空注入法などにより熱輸送媒体24を注入するようにしてもよい。この場合、シール部材22Zとして熱硬化樹脂を用いることが可能である。
また、シール部材22Zの塗布方法としては、ディスペンサによらず、例えばスクリーン印刷などの印刷法を用いてパターン形成をおこなうようにしてもよい。その場合、パターン形成されたシール部材22Zの上からスペーサ22Sを散布するようにすればよい。
次に、図3を参照して、表示パネル10の製造方法について説明する。
まず、駆動用基板111の、冷却装置20とは反対側の表面に、例えば直流スパッタリングにより陽極112および配線パターン(図示せず)を形成する。次いで、例えば蒸着法により、陽極112の上に、各色ごとに正孔輸送層、発光層および電子輸送層を順次選択的に成膜して有機層113を形成する。さらに、例えば蒸着法により、各有機層113の上に陰極114をそれぞれ形成する。これにより、有機発光素子110R,110G,110Bが形成される。その後、陰極114の上に保護膜115を形成する。これにより駆動パネル11が形成される。
一方、封止用基板121の上に、カラーフィルタ122を各色毎に設けて封止パネル12を形成する。そののち、封止パネル12の、カラーフィルタ122側の面と、駆動パネル11の保護膜115側の面との双方に接着性樹脂を塗布して対向配置する。次いで、所定の貼り合わせ装置を用いて位置決めを行ったのち加圧し、その状態を保ちつつ硬化させることにより貼り合わせを行う。これにより、封止パネル12と駆動パネル11との間に接着層130が形成され、表示パネル10が形成される。
以上により、本実施の形態の表示装置が完成する。
このように形成された表示装置では、例えば、陽極112と陰極114との間に所定の電圧が印加されると、有機層113の発光層に電流が注入され、正孔と電子とが再結合することにより、主として発光層の正孔輸送層側の界面において発光が起こる。そのときの光は陰極114、カラーフィルタ122および封止用基板121などを透過し、射出光として取り出される。
この際、表示パネル10の駆動に要する投入電力のうち、表示部分10Sからの射出光以外のエネルギーの多くは熱に変換されることから、駆動中の表示装置では、表示部分10Sの温度が上昇することとなる。その一方で、表示部分10S以外の非表示部分は発熱せず、ほぼ一定の温度を保つ。このため、冷却装置20では、表示部分10Sに対応する冷却領域30と、それを(XY平面において)取り囲む放熱領域40との間において温度勾配が生じることとなる。この場合、表示部分10SはXY平面において全面に亘ってほぼ一様に発熱することから、冷却領域30のうちの中心付近が最も高温となり、周辺部に向かうほど徐々に低い温度となる傾向がある。ここで、各々のヒートパイプ構造20Hがヒートパイプとして機能することにより、冷却領域30と放熱領域40との間で熱輸送が行われ、その結果、表示パネル10の表示部分10Sが冷却される。
すなわち各ヒートパイプ構造20Hでは、上記のように温度勾配が生じると、熱輸送媒体24がその状態を変化させながら、図1(A)に示した矢印に沿って流路23を循環する。具体的には、冷却領域30では、平衡状態にあった熱輸送媒体24が表示部分10Sから生じた熱により蒸発して蒸気へ変化する。その際、蒸発潜熱を表示部分10Sから受け取ることとなり、冷却領域30では、放熱領域40の内圧よりも高い蒸気圧となる。この流路23の内部における圧力差により、蒸気(気化した熱輸送媒体24)は圧力の低い部分、すなわち放熱領域40の側へ移動する。図1(A)では、各流路23においてY方向の中心位置から+Y方向および−Y方向へ向けて蒸気が移動する様子を破線矢印で表している。
温度の低い非表示部分に対応する放熱領域40に蒸気が到達すると、蒸気の凝縮が起こり、凝縮潜熱が放出される。凝縮して液体となった熱輸送媒体24は、毛細管現象により、グルーブ21G,11Gに沿って再び冷却領域30の側へ移動することとなる。図1(A)では、流路23において実線矢印によって液体としての熱輸送媒体24の移動を表している。以上のサイクルが連続的に行われることにより、簡素かつコンパクトな構成でありながら効率的な冷却が達成される。
このように、本実施の形態では、複数のヒートパイプ構造20Hを含む冷却装置20を備え、冷却領域30と放熱領域40との間で熱輸送媒体24を循環させるようにしたので、表示部分10Sにおいて発生した熱を効率的に外部へ放出し、表示パネル10の冷却を十分に行うことができる。特に、表示パネル10と冷却装置20とを一体化することにより、薄型化および軽量化を実現している。さらに、冷却装置20を駆動させるための外部電源等が不要であるので、表示装置として簡素な構成となっている。したがって、より大きな表示部分10Sを有する表示パネル10を備えるようにした場合であっても十分な冷却を容易に行うことができる。その上、冷却ファンなどを用いた場合のような騒音が発生しないので、静音設計にも適している。
また、各流路23の内部圧力を調整することにより、所望の制御温度範囲を設定することが可能である、すなわち、稼働中の表示部分10Sの温度を所望の一定温度となるように保持することもできる。
なお、本実施の形態では、熱輸送媒体封止基板21、駆動用基板111および封止用基板121をガラスにより構成するようにしたが、いずれもプラスチックフィルムにより構成してもよい。その場合には、配置場所の制限が少なく、携帯性にも優れたフレキシブルな形状の表示装置とすることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、表示パネルを構成する一方の基板が冷却装置における一方の基板を兼ねるようにした表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図9に示した第1の変形例(変形例1)のように、別体としての冷却装置20Aと表示パネル10Aとによって表示装置を構成してもよい。なお、その場合には、熱輸送媒体封止基板21と対向する基板として、駆動パネル11の代わりに第2の熱輸送媒体封止基板51を設けるようにすればよい。冷却装置20Aは、単体として用いることができ、表示パネルに限らずディジタルカメラなどにおける回路基板や、各種記録媒体のドライバなどの冷却装置として適用可能である。特に、熱輸送媒体封止基板21,51をガラスではなくプラスチックフィルムなどの可撓性を有する材料により構成すれば、被冷却体が曲面を有する場合や動作を伴う場合にも密着させることができ、より効率的な冷却が可能となる。
また、上記実施の形態では、図1に示したように、互いに平行配置された短冊状の複数の流路が、全てY方向に延在するようにしたが、例えばX方向に延在するようにしてもよい。その場合には、各グルーブについても流路の延在方向と同一方向(X方向)に延在するように構成することが望ましい。また、本実施の形態では、シールパターンが複数の流路を有するようにしたが、図10に示した第2の変形例(変形例2)のように、シールパターン22Aによって1つの連続した流路23Aを設けるようにしてもよい。また、各グルーブの断面形状についても、図2などに示したような逆台形状に限定されず、例えばV字形状やU字形状としてもよい。
熱輸送媒体としては、本実施の形態で挙げた純水のほか、エチルアルコール(C2 5 OH)やアセトン(C3 6 O)、各種代替フロン(例えばHFC系,HCFC系)などを用いることが可能である。
また、本実施の形態では、冷却装置の一方の側にのみ表示パネルと設けるようにしたが、冷却装置を挟んで両側に表示パネルを設けるようにすることもできる。さらに、本実施の形態では、一対の基板の各対向面にグルーブを設けるようにしたが、いずれか一方の面に設けるようにしてもよいし、あるいは、全く設けなくともよい。
本発明の一実施の形態に係る表示装置における概略構成を表す平面図、断面図および斜視図である。 図1に示した表示装置の要部構成を表す断面図である。 図1に示した表示パネルの構成を表す断面図である。 図1に示した表示装置を製造する方法における一工程を説明するための断面図である。 図4に続く工程を説明するための断面図である。 図5に続く工程を説明するための断面図である。 図6に続く工程を説明するための断面図である。 図7に続く工程を説明するための断面図である。 図1に示した表示装置の第1の変形例を表す断面図である。 図1に示した表示装置の第2の変形例を表す断面図である。
符号の説明
1,2…ディスペンサ、3…チャンバ、5…排気手段、6,9…UV照射装置、7…吸気手段、10,10A…表示パネル、10S…表示部分、11…駆動パネル、11G,21G…グルーブ、12…封止パネル、20,20A…冷却装置、20H…ヒートパイプ構造、21,51…熱輸送媒体封止基板、22,22A…シールパターン、22H…ギャップ、22S…スペーサ、22Z…シール部材、23,23A…流路、24…熱輸送媒体、30…冷却領域、40…放熱領域、110…画素、110R,110G,110B…有機発光素子、111…駆動用基板、121…封止用基板。

Claims (13)

  1. 互いに対向配置されると共に少なくとも一方の表面に冷却領域を有し、前記冷却領域が冷却対象物に接触するように配置される一対の基板と、
    前記一対の基板の間に設けられ、前記冷却領域から前記冷却領域以外の放熱領域に亘る流路を形成するシールパターンと、
    前記流路内に密封され、前記冷却対象物から吸熱して前記冷却領域と前記放熱領域との間を循環することにより熱輸送を行う熱輸送媒体とを備えた
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記一対の基板の少なくとも一方の対向面に前記冷却領域から前記放熱領域に亘る連続的な溝部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記冷却領域において前記熱輸送媒体を気化させて吸熱し、前記放熱領域において前記熱輸送媒体を液化させて放熱する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  4. 前記シールパターンは、間隔調整部材を含んで構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  5. 前記一対の基板は、ガラスまたはプラスチックフィルムからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  6. 前記シールパターンにより、各々短冊状で互いに平行配置された複数の流路が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  7. 表示部分を有する表示パネルと、この表示パネルを冷却するための冷却装置とを備えた表示装置であって、
    前記冷却装置は、
    互いに対向配置されると共に少なくとも一方の表面に冷却領域を有し、前記冷却領域が前記表示パネルの表示部分に接するように配置された一対の基板と、
    前記一対の基板の間に設けられ、前記冷却領域から前記冷却領域以外の放熱領域に亘る流路を形成するシールパターンと、
    前記流路内に密封され、前記表示パネルの表示部分から吸熱して前記冷却領域と前記放熱領域との間を循環することにより熱輸送を行う熱輸送媒体と
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  8. 前記表示パネルを構成する一方の基板が前記冷却装置の一方の基板を兼ねている
    ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記冷却装置を構成する一対の基板の少なくとも一方の対向面に前記冷却領域から前記放熱領域に亘る連続的な溝部を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  10. 前記冷却領域において前記熱輸送媒体を気化させて吸熱し、前記放熱領域において前記熱輸送媒体を液化させて放熱する
    ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  11. 前記シールパターンは、間隔調整部材を含んで構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  12. 前記一対の基板は、ガラスまたはプラスチックフィルムからなる
    ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  13. 前記シールパターンにより、各々短冊状で互いに平行配置された複数の流路が形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
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