JP2005337585A - ボイラ装置およびボイラ装置の腐食抑制方法 - Google Patents

ボイラ装置およびボイラ装置の腐食抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
給水中や蒸気凝縮水中の腐食促進成分の量や存否を監視し、腐食抑制剤の供給量を最適な状態に維持する。
【解決手段】
給水を加熱して蒸気を生成するボイラ2と、このボイラ2へ給水を供給する給水部3と、前記ボイラ2からの蒸気を負荷機器4へ供給する給蒸部5と、前記負荷機器4で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部6と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置17とを備えたボイラ装置1において、前記給水部3,前記給蒸部5,前記回収部6のいずれか一箇所以上に炭酸濃度測定手段21および溶存酸素濃度測定手段22を設け、これらの炭酸濃度測定手段21および溶存酸素測定手段22の測定値に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、腐食抑制剤を使用して復水配管や蒸気配管などの腐食の抑制を行うボイラ装置およびボイラ装置の腐食抑制方法に関する。
ボイラ装置は、さまざまな業種の工場設備において熱源に使用され、製造ラインの負荷機器へ蒸気を供給している。負荷機器へ供給された蒸気は、製品の生産に直接使用される場合と、熱交換などの方法によって間接的に使用される場合とがある。蒸気を間接的に使用する場合は、負荷機器で使用した蒸気の凝縮水を復水として回収し、新たな補給水と混合した給水をボイラへ供給することが一般的に行われている。
このようなボイラ装置では、蒸気を復水としてボイラへ還流させているため、ボイラへの補給水量を削減することができる。また、復水の熱で給水が加温されているため、蒸気を生成させるための熱量が少なくて済み、ボイラの燃料を節約することができる。したがって、復水を回収するボイラ装置では、経済的な運転が期待できる。
復水を回収する復水配管や蒸気を負荷機器へ供給する蒸気配管は、通常、鋼管が使用されているが、凝縮水中の炭酸や溶存酸素の影響により腐食が起こりやすい。凝縮水中の炭酸は、給水中の炭酸がボイラ内で加熱されて蒸気とともに持ち出されたのちに凝縮水に溶解して生成する場合と、給水中の炭酸イオンや炭酸水素イオンがボイラ内で熱分解されて生成した炭酸ガスがボイラから蒸気とともに持ち出されたのちに凝縮水に溶解して生成する場合とがある。この炭酸を含む凝縮水は、pHが酸性領域であって、接触している鋼管の内面を腐食させる。
一方、凝縮水中の溶存酸素は、給水中の溶存酸素がボイラ内で加熱されて蒸気とともに持ち出されたのちに凝縮水に溶解して生成する場合と、ボイラ装置の停止時などに配管内へ侵入した大気中の酸素が凝縮水に溶解して生成する場合とがある。この酸素を溶解した凝縮水は、横引き施工された配管の下部などで、鋼管と凝縮水との接触面側から厚さ方向の反対側へ向かう孔状の腐食,すなわち鋼管の肉厚方向に発生する孔食を引き起こす。したがって、ボイラ装置の経済的な運転を維持するためには、復水配管や蒸気配管の腐食による破損を防止することが重要になっている。
このため、復水を回収して再利用するボイラ装置では、復水配管や蒸気配管の腐食を抑制するために、給水および蒸気の少なくとも一方に揮発性アミンなどの腐食抑制剤を供給している。従来、この腐食抑制剤の供給量は、給水のMアルカリ度(すなわち、炭酸塩および炭酸水素塩の濃度)や溶存酸素濃度から推定した蒸気中へ持ち込まれる炭酸ガスおよび酸素の量に基づいて決定され、通常、単位量の給水,もしくは単位量の蒸気に対して一定量の腐食抑制剤を供給するようにボイラ装置を運転していた。
また、特許文献1および2には、蒸気凝縮水の溶存酸素濃度に基づいて、給水へ供給する脱酸素剤の濃度を決定する方法が開示されている。この方法によれば、蒸気凝縮水の溶存酸素濃度に対応して、給水へ供給する脱酸素剤の濃度を増減することにより、給水中の溶存酸素を除去し、蒸気中への酸素の移行を抑制するようにしている。しかしながら、特許文献1および2に記載の方法は、腐食の抑制に脱酸素剤を使用する方法であるため、炭酸に起因する腐食の抑制効果は期待できない。さらに、一般に使用される脱酸素剤は、揮発性を有していないため、ボイラ装置の停止時などに復水配管内へ大気が侵入するような場合までも十分に腐食を抑制できるとは言い難い。
特開2003−230890号公報 特開2003−240204号公報
ところで、一般的な工場設備におけるボイラ装置は、複数の負荷系統を持ち、それぞれに対して蒸気ヘッダを介して蒸気を分配供給している。このようなボイラ装置では、各系統の負荷状態は、設備の稼働状態によってさまざまであり、生成する凝縮水の温度と量が各系統で一定にならない場合がある。この凝縮水の温度と量の変動は、炭酸や酸素の溶解度,あるいは濃度を変化させることによって腐食の反応速度に影響を与えるため、従来の方法では、各系統に対して腐食抑制剤の供給量に過不足が生じる場合があった。
この発明が解決しようとする課題は、給水中や蒸気凝縮水中の腐食促進成分の量や存否を監視し、腐食抑制剤の供給量を最適な状態に維持することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、給水を加熱して蒸気を生成するボイラと、このボイラへ給水を供給する給水部と、前記ボイラからの蒸気を負荷機器へ供給する給蒸部と、前記負荷機器で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置とを備えたボイラ装置において、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部のいずれか一箇所以上に炭酸濃度測定手段を設け、この炭酸濃度測定手段の測定値に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部のいずれか一箇所以上に設けた前記炭酸濃度測定手段により、給水または蒸気凝縮水のいずれか,もしくは両方の炭酸濃度を測定しているため、系内の腐食促進成分,とくに炭酸の挙動を追跡することができる。また、前記薬剤供給装置から供給される腐食抑制剤は、測定された炭酸濃度に基づいて、供給量が設定される。このため、給水や蒸気凝縮水の炭酸濃度が変化した場合でも、その変化に追従して腐食抑制剤の供給を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、給水を加熱して蒸気を生成するボイラと、このボイラへ給水を供給する給水部と、前記ボイラからの蒸気を負荷機器へ供給する給蒸部と、前記負荷機器で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置とを備えたボイラ装置において、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部の少なくとも一箇所以上に溶存酸素濃度測定手段を設け、この溶存酸素濃度測定手段の測定値に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部のいずれか一箇所以上に設けた前記溶存酸素濃度測定手段により、給水または蒸気凝縮水のいずれか,もしくは両方の溶存酸素濃度を測定しているため、系内の腐食促進成分,とくに溶存酸素の挙動を追跡することができる。また、前記薬剤供給装置から供給される腐食抑制剤は、測定された溶存酸素濃度に基づいて、供給量が設定される。このため、給水や蒸気凝縮水の溶存酸素濃度が変化した場合でも、その変化に追従して腐食抑制剤の供給を行うことができる。
請求項3に記載の発明は、給水を加熱して蒸気を生成するボイラと、このボイラへ給水を供給する給水部と、前記ボイラからの蒸気を負荷機器へ供給する給蒸部と、前記負荷機器で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置
とを備えたボイラ装置において、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部のいずれか一箇所以上に炭酸濃度測定手段および溶存酸素濃度測定手段を設け、これらの炭酸濃度測定手段および溶存酸素濃度測定手段の測定値に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定することを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部のいずれか一箇所以上に設けた前記炭酸濃度測定手段および前記溶存酸素濃度測定手段により、給水または蒸気凝縮水のいずれか,もしくは両方の炭酸濃度と溶存酸素濃度とを測定しているため、系内の腐食促進成分の複数について、その挙動を追跡することができる。また、前記薬剤供給装置から供給される腐食抑制剤は、測定された炭酸濃度および溶存酸素濃度に基づいて、供給量が設定される。このため、給水や蒸気凝縮水の炭酸濃度や溶存酸素濃度が変化した場合でも、その変化に追従して腐食抑制剤の供給を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のボイラ装置において、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部のいずれか一箇所以上に温度センサを設け、この温度センサの測定温度に基づいて、腐食抑制剤の供給量の設定値を補正することを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部のいずれか一箇所以上に設けた前記温度センサにより、給水または蒸気凝縮水のいずれか,もしくは両方の温度を測定し、その温度に基づいて腐食抑制剤の供給量の設定値を補正するように構成している。このため、系内の特定ポイントごとに腐食の反応速度を予測して、腐食抑制剤の供給量を増減することができる。
さらに、請求項5に記載の発明は、給水を加熱して蒸気を生成するボイラと、このボイラへ給水を供給する給水部と、前記ボイラからの蒸気を負荷機器へ供給する給蒸部と、前記負荷機器で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置とを備えたボイラ装置における腐食抑制剤を用いて腐食を抑制する方法であって、給水および/または蒸気凝縮水の炭酸濃度,あるいは給水および/または蒸気凝縮水の溶存酸素濃度を測定する測定工程と、測定された炭酸濃度および/または溶存酸素濃度に基づいて、腐食抑制剤を供給する薬剤供給工程とを含むことを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、給水および/または蒸気凝縮水の炭酸濃度,あるいは給水および/または蒸気凝縮水の溶存酸素濃度を測定する測定工程を含んでいるため、給水中や蒸気凝縮水中の腐食促進成分の挙動を追跡することができる。また、測定された炭酸濃度および/または溶存酸素濃度に基づいて、腐食抑制剤を供給する薬剤供給工程を含んでいるため、給水や蒸気凝縮水の炭酸濃度や溶存酸素濃度が変化しても、その変化に追従して腐食抑制剤の供給を行うことができる。
この発明によれば、腐食抑制剤の供給量を最適な状態に維持しているため、ボイラ装置における復水配管や蒸気配管の腐食が効果的に抑制される。この結果、ボイラ装置の破損を防止するとともに、経済的な運転を維持することができる。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、負荷機器で使用した蒸気の凝縮水を回収し、給水として再利用するボイラ装置に適用される。
この発明のボイラ装置は、給水を加熱して蒸気を生成するボイラと、このボイラへ給水を供給する給水部と、蒸気を使用する負荷機器と、前記ボイラで生成した蒸気を前記負荷
機器へ供給する給蒸部と、前記負荷機器で使用した蒸気の凝縮水を復水として回収する回収部とを主に備えている。
前記給水部は、水道水,工業用水,地下水などの原水を軟水化や脱酸素などの前処理を施した補給水と、前記回収部で回収された復水とを混合した給水を貯留する給水タンクを備えている。この給水タンクは、前記ボイラと給水ラインで接続されており、この給水ライン中には、給水をボイラへ圧送する給水ポンプが設けられている。
前記給蒸部は、ボイラで生成する蒸気を前記負荷機器の複数へ分配する蒸気ヘッダを備えている。この蒸気ヘッダは、前記ボイラおよび前記負荷機器とそれぞれ蒸気配管で接続されている。ここで、前記負荷機器は、前記ボイラから供給される蒸気を使用して所要の熱交換を行うものであり、前記蒸気配管の下流側に位置している。
前記回収部は、蒸気が前記負荷機器で使用された際に生成する凝縮水を前記給水タンクへ回収する復水配管を備えている。この復水配管は、一端が前記負荷機器と接続され、他端が前記給水タンクと接続されている。さらに、前記復水配管中には、凝縮水を蒸気圧力を利用して排出するためのスチームトラップが設けられている。
また、前記ボイラ装置は、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置を備えている。この薬剤供給装置は、腐食抑制剤を貯蔵する薬剤タンクと、腐食抑制剤を送り出す薬剤供給ポンプを有している。この薬剤供給ポンプは、一定量の給水,もしくは蒸気に対して所定量の腐食抑制剤を送り出すことができる電磁定量ポンプであり、液体を吐出するピストンやダイアフラムなどの駆動パルス間隔およびストロークを調整して、液体の吐出量を変更可能なものである。また、前記薬剤供給装置には、腐食抑制剤の供給量を制御する薬剤供給制御装置が接続されている。
ここで、前記薬剤タンク内に貯蔵されている腐食抑制剤は、前記蒸気配管および前記復水配管における腐食の発生と成長を抑制する機能を有する揮発性の薬剤であって、対象とする腐食促進成分により、中和型,皮膜型,複合型などに分類される。中和型の腐食抑制剤は、水中の酸性成分を中和することによって、炭酸に起因する腐食の抑制に効果を奏するものであり、たとえばモルホリンに代表される脂肪族環状アミン化合物などである。皮膜型の腐食抑制剤は、配管の内部表面に皮膜を形成することによって、溶存酸素に起因する腐食の抑制に効果を奏するものであり、たとえばオクタデシルアミンに代表される長鎖脂肪族アミン化合物などである。さらに、複合型の腐食抑制剤は、中和型の腐食抑制剤と皮膜型の腐食抑制剤を混合した薬剤であり、たとえばアミノメチルプロパノールに代表される脂肪族アミノアルコール系化合物(中和型の腐食抑制剤)とオクタデシルアミンに代表される長鎖脂肪族アミン化合物(皮膜型の腐食抑制剤)を混合して使用することができる。また、中和型の腐食抑制剤と皮膜型の腐食抑制剤をそれぞれ別の薬剤供給装置により供給した場合も、混合して使用した場合と同様の効果を得ることができる。
前記薬剤供給装置は、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部において、任意の部位に接続することができる。とくに、腐食促進成分の供給源,もしくは発生源に近い部位に腐食抑制剤を供給すると、系内全体で効果的に腐食を抑制できるため、前記給水タンク,前記給水ライン,前記蒸気ヘッダなどに接続することが好ましい。また、前記ボイラが電極を使用して水位制御を行っている場合には、皮膜型または複合型の腐食抑制剤を前記給水部へ供給すると、その成分が前記電極の表面に皮膜を形成して不都合が生じることがあるため、この種の腐食抑制剤を使用する場合は、前記蒸気ヘッダに前記薬剤供給装置を接続することが好ましい。
さて、この発明のボイラ装置においては、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部の
いずれか一箇所以上に、給水中や蒸気凝縮水中の腐食促進成分を測定する炭酸濃度測定手段および溶存酸素濃度測定手段と、給水や蒸気凝縮水の温度を測定する温度センサとが設けられている。そして、それぞれの測定値が前記薬剤供給制御装置へ送信または出力されるように設定されている。
前記炭酸濃度測定手段は、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度を計測する手段であり、たとえばJIS K0101に記載されているアルカリ消費量(pH8.3)の測定方法を応用した計測器が用いられる。ここで、アルカリ消費量(pH8.3)は、水中に含まれている炭酸,鉱酸,有機酸および水酸化物として沈殿する金属元素をpH8.3まで中和するために要する水酸化物イオンの量(すなわち、アルカリの量)として定義される。ボイラへの補給水に使用される水は、腐食やスケール形成などの各種障害を未然に防止する観点から、鉱酸,有機酸および金属元素を含まない水が要求される。このため、通常、補給水の水源は、事前の水分析に基づいて鉱酸,有機酸および金属元素を含まない水道水,工業用水,地下水などから選択される。したがって、給水のアルカリ消費量(pH8.3)は、そのまま給水の炭酸濃度として取り扱うことができる。また、補給水は、炭酸成分として炭酸以外に炭酸塩や炭酸水素塩を含む場合があるが、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンは、ボイラ内で熱分解されて炭酸ガスとなり、給水中の炭酸とともに蒸気中へ混入する。したがって、補給水が鉱酸,有機酸および金属元素を含まない場合、蒸気凝縮水のアルカリ消費量(pH8.3)は、そのまま蒸気凝縮水の炭酸濃度として取り扱うことができる。
前記炭酸濃度測定手段の第一形態では、まず所定量の試料水を収容した透明容器へ指示薬としてフェノールフタレイン溶液を添加したのち、試料水を攪拌しながら滴定液を滴下していく。この滴定液は、たとえば水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液などのアルカリ溶液である。また、この滴定液には、試料水への滴下量を光学的に検出するため、特定の色相をもつ色素が配合されている。この色素は、酸やアルカリ,あるいは酸化性物質などと実質的に反応することなく所定の色相を維持する物質であり、また熱によって容易に変性しない物質である。
フェノールフタレインの可視光領域における吸収スペクトルは、周知のように、pH<8.3では吸収波長がなく(すなわち、無色を呈する。)、pH=8.3〜11.0では550nm付近に極大吸収波長をもつ(すなわち、赤紫色を呈する。)。このため、前記滴定液を試料水に滴下したときの中和反応にともなう試料水の色相変化を第一特定波長の光(たとえば、発光波長520〜570nmの緑色光)を照射したときの透過光強度変化から追跡し、中和点(pH8.3)を検出する。つぎに、中和点までに要した前記滴定液の滴下量を第二特定波長の光を照射したときの透過光強度から検出し、試料水のアルカリ消費量を特定する。すなわち、この形態では、前記滴定液の滴下量を前記色素による試料水の着色度合いに基づいて検出するように構成されている。ここで、前記滴定液に配合されている前記色素をより詳しく説明すると、たとえば可視光領域における吸収スペクトルが380〜510nm,もしくは580〜780nmに極大吸収波長をもつ物質(すなわち、吸収スペクトルがフェノールフタレインが発色したときの極大吸収波長と重ならない物質)である。また、前記第二特定波長の光は、前記色素の色相を補色とする光であって、たとえば発光波長380〜510nm,もしくは580〜780nmから選ばれる光である。そして、アルカリ消費量の測定値は、前記薬剤供給制御装置へ送信される。また、この形態において、前記中和点(pH8.3)をpH計を使用して検出するように構成することもできる。
前記炭酸濃度測定手段の第二形態では、まず所定量の試料水を収容した容器を質量計や荷重検出器(たとえば、ロードセルなど)の上に配置したのち、試料水を攪拌しながら滴定液を滴下していく。この滴定液は、たとえば水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶
液などのアルカリ溶液である。そして、前記滴定液を試料水に滴下したときの中和反応にともなう試料水のpH変化をpH計を使用して計測し、中和点(pH8.3)を検出する。つぎに、中和点までに要した前記滴定液の滴下量を前記容器の質量変化から求め、試料水のアルカリ消費量を特定する。そして、アルカリ消費量の測定値は、前記薬剤供給制御装置へ送信される。また、この形態において、前記中和点(pH8.3)は、あらかじめ試料水にフェノールフタレイン溶液を加え、前記滴定液を試料水へ滴下したときの中和反応にともなう試料水の色相変化から光学的に検出するように構成することもできる。
前記炭酸濃度測定手段の第三形態では、とくに蒸気凝縮水を対象とする場合において、pH計を使用することもできる。前記したように、蒸気凝縮水に含まれる酸性成分は、通常は炭酸のみである。炭酸ガスや腐食抑制剤が溶け込む前の蒸気凝縮水は、ほぼ中性の純水とみなすことができるため、pH計を使用して水素イオン濃度を測定することにより、蒸気凝縮水中の炭酸濃度を特定することができる。
前記溶存酸素濃度測定手段は、給水または蒸気凝縮水の溶存酸素濃度を計測する手段であり、たとえば酸化発色性の色素を含む試薬を添加したときの発色度合いにより濃度を判定する計測器などが用いられる。この装置は、まず試料水を所定量収容した透明容器へインジゴカルミンなどの色素を含む試薬を添加する。この試薬は、試料水中に色素を溶存酸素に対して当量以上含むように添加される。インジゴカルミンの可視光領域における吸収スペクトルは、酸化されていない状態では吸収波長がなく(すなわち、無色を呈する。)、溶存酸素に酸化された状態では610nm付近に極大吸収波長をもつ(すなわち、青緑色を呈する。)。つぎに、試料水の発色度合いを特定波長の光(たとえば、発光波長600〜660nmの橙〜赤色光)を照射したときの透過光強度から検出し、試料水の溶存酸素濃度を判定する。そして、溶存酸素濃度の測定値は、前記薬剤供給制御装置へ送信される。
また、前記溶存酸素濃度測定手段には、カルバニ電極方式やポーラログラフ方式などの電気化学的な測定方法を利用する溶存酸素濃度計を用いることもできる。
前記温度センサは、給水または蒸気凝縮水の温度を測定するものであり、熱電対や測温抵抗体などを使用することができる。
以下、前記ボイラ装置の動作を説明し、あわせて前記ボイラ装置の腐食抑制方法について説明する。前記ボイラを運転する場合、水道水,工業用水,地下水などの原水を軟水化や脱酸素などの前処理を施したのち、給水として前記給水タンクへ貯留する。そして、前記給水ポンプを作動させ、前記給水タンク内の給水を前記給水ラインを介して前記ボイラへ供給する。
前記ボイラへ供給された給水は、ボイラ水として前記ボイラ内に貯留される。そして、このボイラ水は、前記ボイラ内で加熱されて蒸気になる。生成した蒸気は、前記蒸気ヘッダに集められたのち、工場設備内に配置された前記負荷機器へ前記蒸気配管を介して分配供給される。前記負荷機器へ供給された蒸気は、熱交換により冷却されて凝縮水となり、復水として前記復水配管を介して前記給水タンクへ還流される。
ところで、前記ボイラへ供給する給水は、炭酸成分(炭酸イオン,炭酸水素イオンおよび炭酸)や酸素を溶解している場合がある。この場合、前記ボイラ内で給水が加熱されて蒸気になるとともに、炭酸イオン,炭酸水素イオンは、熱分解により炭酸ガスを生成し、炭酸および酸素は、加熱により気化する。気体状態の炭酸ガスおよび酸素は、蒸気とともに前記負荷機器へ供給され、前記負荷機器で蒸気が熱交換されたとき,あるいは前記ボイラの停止中に蒸気が冷却されたときに蒸気凝縮水へ溶解する。この結果、前記復水配管や前記蒸気配管は、炭酸や溶存酸素に由来する腐食が発生し、破損に至る可能性がある。
そこで、前記ボイラ装置は、前記炭酸濃度測定手段および前記溶存酸素濃度測定手段により、給水中または蒸気凝縮水中に炭酸や溶存酸素が含まれているか否かを一定時間ごとに測定する。同時に、前記ボイラ装置は、前記温度センサにより、給水または蒸気凝縮水の温度を測定する。そして、前記炭酸濃度測定手段および前記溶存酸素濃度測定手段の測定結果に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定し、前記薬剤供給装置から給水または蒸気に対して腐食抑制剤を供給する。
より詳しく説明すると、中和型の腐食抑制剤を使用する場合には、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部において、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度がいずれの部位においても所定値未満,もしくはゼロになるように腐食抑制剤の供給量を設定する。
また、皮膜型の腐食抑制剤を使用する場合には、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部において、給水または蒸気凝縮水の溶存酸素濃度がもっとも高い部位に対して、十分な腐食抑制効果が得られるように腐食抑制剤の供給量を設定する。
さらに、複合型の腐食抑制剤を使用する場合には、前記給水部,前記給蒸部および前記回収部において、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度がいずれの部位においても所定値未満,もしくはゼロになり,かつ給水または蒸気凝縮水の溶存酸素濃度がもっとも高い部位に対して、十分な腐食抑制効果が得られるように腐食抑制剤の供給量を設定する。
ところで、前記蒸気配管,前記復水配管または前記給水ラインの腐食速度は、腐食促進成分の濃度以外に、温度によっても影響を受ける。たとえば、H.H.ユーリック,R.W.レヴィー共著「腐食反応とその制御(第3版)」産業図書(1989)の第97頁には、溶存酸素を含む水中における鉄の腐食について、腐食速度に対する温度の影響が記載されている。本書によると、溶存酸素が逃げることができる開放系では、約80℃までは腐食速度は温度とともに増大するが、沸点近くでは急激に低下する。この現象は、80℃以上になると、温度の上昇とともに反応速度が大きくなる一方で、酸素の溶解度の著しい低下が起こるためと説明されている。一方、炭酸の溶解度も温度の上昇とともに減少するため、溶存酸素と同様に、ある温度で腐食速度が極大になると考えられる。
そこで、給水または蒸気凝縮水の温度上昇にともなって腐食が進行しやすい温度範囲では、前記温度センサの測定値に基づいて、設定された腐食抑制剤の供給量を増加させるように補正してもよい。逆に、給水または蒸気凝縮水の温度上昇にともなって腐食が進行しにくい温度範囲では、前記温度センサの測定値に基づいて、設定された腐食抑制剤の供給量を減少させるように補正することもできる。
以上説明したように、前記ボイラ装置および前記ボイラ装置の腐食抑制方法は、復水配管や蒸気配管の腐食に影響する因子を追跡し、腐食抑制剤の供給量を最適な状態に維持するようにしている。したがって、この発明によれば、前記ボイラ装置における復水配管や蒸気配管の腐食が効果的に抑制される。この結果、長期間にわたって経済的な運転が可能なボイラ装置を提供することができる。
[実施例1]
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すボイラ装置1は、給水を加熱して蒸気を生成するボイラ2と、このボイラ2へ給水を供給する給水部3と、蒸気を使用する負荷機器4と、前記ボイラ2で生成した蒸気を前記負荷機器4へ供給する給蒸部5と、前記負荷機器4で使用した蒸気を復水として回収する回収部6とを主に備えている。
前記給水部3は、前記ボイラ2へ給水するために、補給水ライン7と、この補給水ライン7から供給された補給水を貯留する給水タンク8と、この給水タンク8に貯留された給水を前記ボイラ2へ供給する給水ライン9とを主に備えている。前記補給水ライン7は、前記給水タンク8と接続されており、この給水タンク8は、前記ボイラ2と前記給水ライン9で接続されている。ここで、前記補給水ライン7中には、軟水装置10と、脱酸素装置11とが上流側からこの順で配置されている。前記軟水装置10は、補給水中に含まれるカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンなどの硬度成分を陽イオン交換樹脂を使用してナトリウムイオンに置換するためのものであり、前記ボイラ2内で難溶性のスケールが生成することを防止するために設けられている。一方、前記脱酸素装置11は、補給水中に含まれる溶存酸素を,たとえば気体分離膜を使用して除去するものであり、前記ボイラ2内で溶存酸素に起因する腐食が発生することを抑制するために設けられている。さらに、前記給水ライン9は、給水を前記ボイラ2へ送る給水ポンプ12を備えている。
前記給蒸部5は、前記負荷機器4へ蒸気を供給するために、蒸気配管13と蒸気ヘッダ14とを主に備えている。前記蒸気ヘッダ14は、前記ボイラ2で生成した蒸気を前記負荷機器4の複数へ分配するためのものであり、前記ボイラ2および前記負荷機器4とそれぞれ前記蒸気配管13で接続されている。
前記回収部6は、前記負荷機器4で使用した蒸気の凝縮水を復水として回収するために、復水配管15とスチームトラップ16とを主に備えている。前記復水配管15は、一端が前記負荷機器4と接続され、他端が前記給水タンク8と接続されている。前記スチームトラップ16は、前記負荷機器4や前記蒸気配管13で生成する凝縮水を蒸気圧力を利用して排出するためのものであり、前記復水配管15中において上流側に配置されている。
さて、前記給蒸部5には、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置17が設けられている。この薬剤供給装置17は、腐食抑制剤を貯蔵する薬剤タンク18と、貯蔵された腐食抑制剤を前記給蒸部5へ供給するための薬剤供給ポンプ19とを主に備えている。具体的には、前記薬剤タンク18は、前記蒸気ヘッダ14と薬剤供給ライン20で接続されており、この薬剤供給ライン20中に前記薬剤供給ポンプ19が配置されている。この薬剤供給ポンプ19は、駆動パルス間隔を調整することにより、腐食抑制剤の吐出量を変更可能な電磁定量ポンプである。また、この薬剤供給ポンプ19は、腐食抑制剤の供給を制御する薬剤供給制御装置(図示省略)と信号線で接続され、この薬剤供給制御装置から出力される駆動パルス信号により作動するようになっている。
また、前記給水部3,前記給蒸部5および前記回収部6には、それぞれに対して、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度を計測する炭酸濃度測定手段21と、給水または蒸気凝縮水の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度測定手段22と、給水または蒸気凝縮水の温度を測定する温度センサ23とからなる測定手段群(符号省略)が採取ライン24を介して接続されている。具体的には、前記測定手段群は、前記給水部3において、前記給水タンク8と前記採取ライン24で接続されている。また、前記測定手段群は、前記給蒸部5において、前記蒸気配管13および前記蒸気ヘッダ14にぞれぞれ前記採取ライン24で接続されている。さらに、前記測定手段群は、前記回収部6において、前記復水配管15に前記採取ライン24で接続されている。前記蒸気配管13および前記蒸気ヘッダ14に接続された前記採取ライン24には、それぞれ蒸気を凝縮させるための冷却器25が設けられている。ここで、前記各測定手段21,22は、前記薬剤供給制御装置(図示省略)と通信線で接続され、それぞれの測定値を送信可能に設定されている。また、前記温度センサ23は、前記薬剤供給制御装置と信号線で接続され、測定された温度に対応する電流値,もしくは電圧値を出力可能に設定されている。
前記炭酸濃度測定手段21は、図2に示すように、第一測定セル26と、第一測定部27と、指示薬供給装置28と、滴定液供給装置29と、第一制御部30とを主に備えている。
前記第一測定セル26は、透明な合成樹脂(たとえば、アクリル樹脂),もしくは石英ガラスなどを筒状に形成した容器であり、上部に第一開口部31および第二開口部32を有している。また、前記第一測定セル26の底部近くの側面には、前記採取ライン24と接続された試料水導入路33が設けられている。この試料水導入路33は、前記採取ライン24側から順にフィルタ34,定流量弁35および電磁弁36をそれぞれ備えており、前記給水タンク8から前記採取ライン24を介して供給される給水,前記蒸気配管13,前記蒸気ヘッダ14または復水配管15から前記採取ライン24を介して供給される蒸気凝縮水のいずれかを前記第一測定セル26内へ供給可能になっている。また、前記第一測定セル26の上部近くの側面には、試料水を系外へ排出する試料水排出路37が設けられている。
さらに、前記第一測定セル26の底部には、攪拌装置38が設けられている。この撹拌装置38は、攪拌子39とステータ40とを備えている。前記攪拌子39は、前記第一測定セル26の底部において回転可能に配置されており、磁石(図示省略)をフッ素樹脂などで被覆したものである。前記ステータ40は、前記攪拌子39を取り囲むように、前記第一測定セル26の外側に配置されており、電磁誘導コイル(図示省略)を備えている。この電磁誘導コイルに電流を供給すると、前記攪拌子39が回転する。
前記第一測定部27は、給水または蒸気凝縮水から採取され、前記第一測定セル26内に貯留された試料水の透過光強度を測定するものであり、第一発光体41と第一受光体42とが、前記第一測定セル26を挟むように対向して配置されている。さらに、第二発光体43と第二受光体44とが、前記第一測定セル26を挟むように対向して配置されている。ここで、前記第一発光体41は、たとえば緑色光(発光波長520〜570nm)のLEDであり、前記第二発光体43は、たとえば赤色光(発光波長620〜670nm)のLEDである。また、前記各受光体42,44は、たとえばフォトトランジスタである。
前記各供給装置28,29は、共通の部材で構成されており、それぞれ前記各開口部31,32に着脱自在に装着されている。前記各供給装置28,29は、図3(前記各供給装置28,29をそれぞれ図2のA方向から見た縦断面図)に示すように、薬液カセット45と、薬液カートリッジ46と、吐出装置47を主に備えている。前記薬液カセット45は、装着具(図示省略)により底部が前記各開口部31,32にそれぞれ気密状態を維持するように装着されている。前記薬液カセット45の壁面には、上下方向へ延びるスリット48が形成されている。また、前記薬液カセット45の内部には、前記スリット48と対向する内面に上下方向へ延びる押圧部材49が装着されている。
前記薬液カートリッジ46は、容器50と薬液の収納体51とを主に備えている。前記容器50は、前記薬液カートリッジ46の上部に装着されており、前記収納体51は、前記容器50内に収容されている。前記収納体51は、指示薬,もしくは滴定液が貯蔵された貯蔵部52と、この貯蔵部52内の指示薬,あるいは滴定液を外部へ吐出する吐出部53とを備えている。この吐出部53は、たとえばフッ素ゴム製のチューブからなり、前記貯蔵部52から延び,かつ先端部にノズル54を備えている。前記吐出部53は、前記薬液カートリッジ46内を上下方向へ延びており、前記ノズル54が前記各開口部31,32のいずれかから前記第一測定セル26内へ挿入される。また、前記ノズル54は前記第一測定セル26内の試料水が前記貯蔵部52内へ逆流することを防止する逆止弁(図示省略)を内蔵している。
ここで、前記指示薬は、アルカリ消費量(pH8.3)の測定に用いられるものであり、たとえばJIS K0101に規定されるフェノールフタレイン溶液である。フェノールフタレインは、pHによって色相が変化する色素であり、pH<8.3で無色,pH=8.3〜11.0で赤紫色の色相を呈する物質である。
また、前記の滴定液は、同じくアルカリ消費量(pH8.3)の測定に用いられるものであり、たとえばJIS K0101に規定される20mmol/リットルの水酸化ナトリウム溶液,もしくは水酸化カリウム溶液である。さらに、この滴定液には、試料水に対する滴下量を光学的に計量するため、青緑色の色相を有する色素(すなわち,赤色光の発光波長620〜670nmに吸収を示す色素)が添加されている。
前記吐出装置47は、前記貯蔵部52内に貯蔵された前記の指示薬または滴定液を吐出させるものであり、モータ(図示省略)に接続された回転駆動軸55,駆動アーム56,押圧ローラ57を主に備えている。前記回転駆動軸55は、前記スリット48の外側に配置されており、図3の反時計方向へ回転可能である。前記駆動アーム56は、一端が前記回転駆動軸55に連結されており、他端に前記押圧ローラが回転自在に装着されている。前記駆動アーム56は、前記回転駆動軸55の回転により、図3に二点鎖線で示すように、反時計方向へ回転可能であり、この回転により、前記スリット48の部分において、前記押圧ローラ57が前記薬液カセット45に対して出入り可能に構成されている。
因みに、前記各供給装置28,29は、本特許出願人の特許第3186577号「液体吐出装置」とほぼ同様の構成となっており、同公報には、さらに詳細な説明が記載されている。
前記第一制御部30は、前記炭酸濃度測定手段21の動作を制御するものであり、図4に示すように、演算装置58と入出力ポート59とを主に備えている。前記演算装置58は、中央処理装置60(以下、「CPU60」と云う。),読取り専用記憶装置61(以下、「ROM61」と云う。)および読み書き可能な記憶装置62(以下、「RAM62」と云う。)を主に備えている。
前記入出力ポート59の入力側には、操作者が動作条件などを入力するスイッチ63および前記各受光体42,44などが接続されている。一方、前記入出力ポート59の出力側には、測定結果などを表示する液晶ディスプレイ64(以下、「LCD64」と云う。),前記各発光体41,43,前記電磁弁36,前記ステータ40,前記回転駆動軸55を駆動するモータ(符号省略)などが接続されている。
前記第一制御部30は、前記ROM61に記憶させた動作プログラムにしたがって、前記演算装置58が前記入出力ポート59を介して入力された各種の情報を前記RAM62に適宜保存しながら演算処理する。そして、前記演算装置58は、得られた演算結果に基づいて、前記入出力ポート59を介して各種の動作指令を各部材に対して出力する。
つぎに、前記溶存酸素濃度測定手段22について説明すると、図5に示すように、図2〜4を用いて説明した前記炭酸濃度測定手段21と類似の構成を有している。図5において、図2と同一の符号は、同一の部材を示しており、その詳細な説明は省略する。
さて、前記溶存酸素濃度測定手段22は、第二測定セル65と、第二測定部66と、試薬供給装置67と、第二制御部68とを主に備えている。前記第二測定セル65は、透明な合成樹脂(たとえば、アクリル樹脂),もしくは石英ガラスなどを筒状に形成した容器であり、上部に第三開口部69を有している。
前記第二測定部66は、給水または蒸気凝縮水から採取され、前記第二測定セル65内に貯留された試料水の透過光強度を測定するものであり、第三発光体70と第三受光体71とが、前記第二測定セル65を挟むように対向して配置されている。ここで、前記第三発光体70は、たとえば赤色光(発光波長620〜670nm)のLEDであり、前記受光体71は、たとえばフォトトランジスタである。
前記試薬供給装置67は、前記第三開口部69に着脱自在に装着されており、図3で示した構成を有しているため、簡単に説明する。前記溶存酸素濃度測定手段22においては、前記薬液カートリッジ46の貯蔵部52には、溶存酸素濃度の測定に用いる試薬が貯留されている。
ここで、前記試薬は、酸化により発色する色素を配合した液状試薬であり、この色素は、たとえば酸化により青緑色の色相を呈するインジゴカルミンである。
前記第二制御部68は、前記溶存酸素濃度測定手段22の動作を制御するものであり、図5で示した構成を有しているため、簡単に説明する。前記第三発光体70は、前記各発光体41,43に代えて、前記入出力ポート59の出力側に接続されている。一方、前記発光体71は、前記各受光体42,44に代えて、前記入出力ポート59の入力側に接続されている。
つぎに、前記ボイラ装置1の動作を説明するとともに、前記ボイラ装置1の腐食抑制方法を説明する。前記ボイラ装置1の運転は、まず前記補給水ライン7から前記給水タンク8へ補給水を供給し、この補給水を前記ボイラ2への給水として前記給水タンク8内へ貯留する。ここで貯留される補給水は、前記軟水装置10および前記脱酸素装置11で処理された水,すなわち脱酸素された軟水である。また、この補給水の原水は、実質的に鉱酸,有機酸および金属元素を含まない水源から採取されている。つぎに、前記給水ポンプ12を作動させると、前記給水タンク8内に貯留された給水が前記給水ライン9を介して前記ボイラ2へ供給される。
前記ボイラ2へ前記給水ライン9を介して供給される給水は、ボイラ水として前記ボイラ2内に貯留される。そして、前記ボイラ2内に貯留されたボイラ水は、加熱されて蒸気になる。生成した蒸気は、前記蒸気ヘッダ14に集められ、工場設備内の各所に設置された前記負荷機器4へ前記蒸気配管13を介してそれぞれ供給される。前記負荷機器4へ供給された蒸気は、熱交換されることによって冷却されると凝縮水になる。この凝縮水は、前記スチームトラップ16から蒸気の圧力で前記復水配管15へ排出され、復水として前記復水配管15を介して前記給水タンク8へ還流される。そして、前記給水タンクに還流された復水は、補給水と混合され、前記ボイラ2への給水として再び利用される。
前記ボイラ装置1では、前記各測定手段21,22により、給水や蒸気凝縮水に炭酸および溶存酸素の腐食促進成分が含まれているか否かを一定時間ごとに測定する。同時に、前記ボイラ装置1では、前記温度センサ23により、給水および蒸気凝縮水の温度を連続,もしくは一定時間ごとに測定する。ここで、図6および図7に示す動作フローチャートにしたがって、前記各測定手段21,22の動作を詳細に説明する。
前記ボイラ装置1の運転が開始されると、前記炭酸濃度測定手段21におけるプログラムは、図6に示すように、ステップS1において、前記第一制御部30の内部タイマーの経過時間tをゼロに設定し、つぎのステップS2において、経過時間tが所定時間t1に到達したか否かを判断する。経過時間tが所定時間t1になると、プログラムはステップS3へ移行し、経過時間をゼロにリセットする。ここにおいて、所定時間t1は、前記炭酸濃度測定手段21の測定間隔時間に相当し、通常0.1〜24時間である。
ステップS3のあと、プログラムはステップS4へ移行し、前洗浄工程を実施する。まず、前記電磁弁36を開状態にすると、給水,蒸気凝縮水のいずれかが前記採水ライン24を経由して前記試料導入路33から前記第一測定セル26内へ流入する。このとき、水中に含まれる夾雑物は、前記フィルタ34により除去される。また、前記第一測定セル26内へ流入する水の流量は、前記定流量弁35により制御される。前記第一測定セル26内へ連続的に流入する水は、前記第一測定セル26内を満たし、前記試料排出路37から系外へ連続的に排出される。このとき、前記ステータ40の電磁誘導コイル(図示省略)が通電され、それによって生じる磁場を前記攪拌子39内の磁石(図示省略)が受ける。これにより、前記第一測定セル26内の前記攪拌子39が回転し、前記第一測定セル26内へ流入した水が攪拌される。この結果、前記第一測定セル26は、連続的に流入する水により洗浄される。
前洗浄工程のあと、プログラムはステップS5へ移行し、前記第一測定セル26内に貯留された試料水へ指示薬を添加する(指示薬添加工程)。ここでは、前記電磁誘導コイルへの通電を一旦停止し、前記電磁弁36を閉状態にする。これにより、前記第一測定セル26内への水の流入が遮断され、前記第一測定セル26内において、図2に一点鎖線で示す位置まで所定量の水が試料水として貯留される。また、前記排出ノズル54の先端部は、貯留された試料水中に位置することになる。この状態で前記第一測定部27を作動させ、前記第一発光体41から前記第一受光体42へ向けて緑色光を照射するとともに、前記第二発光体43から前記第二受光体44へ向けて赤色光を照射する。そして、試料水の緑色光の透過光強度(C)および赤色光の透過光強度(D)をそれぞれ測定する。
つぎに、前記電磁誘導コイルへの通電を開始して前記攪拌子39の回転を再開し、その状態を継続しながら、前記指示薬供給装置28の前記吐出装置47におけるモータを駆動させて前記回転駆動軸55を回転させる。すると、前記駆動アーム56が図3の反時計方向へ回転し、それにともなって前記押圧ローラ57が前記吐出部53を前記押圧部材49へ押し付けながら下方向へしごく。この結果、前記第一測定セル26内の試料水には、前記貯蔵部52内に貯蔵された指示薬の一定量が注入される。そして、前記駆動アーム56の回転運動を所定回数繰り返すことにより、規定量の指示薬を試料水へ注入する。
規定量の指示薬を注入すると、前記吐出装置47のモータを停止させ、プログラムはステップS6へ移行し、指示薬の添加された試料水に対して滴定液を用いてアルカリ消費量を測定する(アルカリ消費量測定工程)。ここでは、前記電磁誘導コイルへの通電を継続しながら、前記滴定液供給装置29の前記吐出装置47におけるモータを駆動させて前記回転駆動軸55を回転させる。すると、前記駆動アーム56が図3の反時計方向へ回転し、それにともなって前記押圧ローラ57が前記吐出部53を前記押圧部材49へ押し付けながら下方向へしごく。この結果、前記第一測定セル26内の試料水には、前記貯蔵部52内に貯蔵された滴定液の一定量が注入される。そして、前記駆動アーム56の回転運動を繰り返すと、試料水には前記駆動アーム56の回転動作ごとに、一定量の滴定液が前記第一測定セル26内へ断続的に注入される(滴定作動)。このようにして注入された滴定液は、配合されているアルカリ剤(水酸化ナトリウムなど)により、試料水中の炭酸を中和する。
前記滴定作動において、前記第一制御部30は、前記攪拌子39の回転を継続し、前記第一測定部27により、緑色光の透過光強度(E)および赤色光の透過光強度(F)をそれぞれ連続的に測定する。たとえば、図7に示すように、緑色光の透過光強度(E)は、滴定液の注入回数(すなわち、前記駆動アーム56の回転作動数)が第X−1回目までは試料水のpHが酸性〜中性領域なので、試料水中のフェノールフタレインが発色せず、滴定作動前の値から変化しない。滴定液の注入回数が第X回目のとき、試料水のpHが8.
3以上になると、試料水中のフェノールフタレインが赤紫色に発色するため、緑色光の透過光強度(E)は急激に減少する。したがって、滴定液注入時の緑色光の透過光強度(E)と滴定液注入前の緑色光の透過光強度(C)との比(透過光強度比:E/C)が所定値以下になったか否かを、滴定液を注入するごとに,あるいは連続的に判定することにより、中和反応の終点を検出することができる。一方、赤色光の透過光強度(F)は、滴定液が青緑色の色素を含んでおり、滴定液の注入回数にしたがって試料水の青緑色の着色が濃くなるために減少する。
前記第一制御部30は、前記透過光強度比:E/Cが所定値(たとえば、0.9〜0.5の範囲から選ばれる値)以下になったと判定したとき、前記滴定液供給装置29の前記駆動アーム56の回転作動を停止する。これにより、試料水への滴定液の追加注入が停止される。続いて、前記第一制御部30は、その時点における赤色光の透過光強度(F)と滴定液注入前の赤色光の透過光強度(D)との比(透過光強度比:F/D)を求め、予め作成された透過光強度比:F/Dと滴定液注入量との検量線データに基づいて、滴定液注入量を判定する。そして、前記第一制御部30は、判定された滴定液注入量と、滴定液中のアルカリ剤濃度および試料水の採取量(すなわち、前記第一測定セル26内の試料水貯留量)とから、試料水のアルカリ消費量を計算する。このアルカリ消費量(すなわち、炭酸濃度)の値は、前記LCD64に表示されるとともに、前記薬剤供給制御装置へ送信される。
アルカリ消費量測定工程を終えると、プログラムはステップS7へ移行し、後洗浄工程を実施する。この後洗浄工程において、プログラムは、前記攪拌子39を回転させながら、前記電磁弁36を開状態にし、給水や蒸気凝縮水を前記第一測定セル26へ供給する。ここで前記第一測定セル26内に貯留された指示薬および滴定液を含む試料水は、前記試料導入路33から新たに流入する水により押し出され、前記試料排出路37から系外へ排出される。この操作により、前記第一測定セル26は、新たに流入する水により洗浄される。そして、ステップS7の終了後は、プログラムはステップS2へ戻る。
一方、前記溶存酸素濃度測定手段22におけるプログラムは、図8に示すように、ステップS8において、前記第二制御部68の内部タイマーの経過時間tをゼロに設定し、つぎのステップS9において、経過時間tが所定時間t2に到達したか否かを判断する。経過時間tが所定時間t2になると、プログラムはステップS10へ移行し、経過時間をゼロにリセットする。ここにおいて、所定時間t2は、前記溶存酸素濃度測定手段22の測定間隔時間に相当し、通常0.1〜24時間である。
ステップS10のあと、プログラムはステップS11へ移行し、前記ステップS4と同様に、前洗浄工程を実施する。そして、前洗浄工程のあと、プログラムはステップS12へ移行し、試料水中の溶存酸素濃度を測定する(溶存酸素濃度測定工程)。ここでは、前記電磁誘導コイルへの通電を一旦停止し、前記電磁弁36を閉状態にする。これにより、前記第二測定セル65内への水の流入が遮断され、前記第二測定セル65内において、図5に一点鎖線で示す位置まで所定量の水が試料水として貯留される。また、前記排出ノズル54の先端部は、貯留された試料水中に位置することになる。この状態で前記第二測定部66を作動させ、前記第三発光体70から前記第三受光体71へ向けて赤色光を照射する。そして、試料水の赤色光の透過光強度(G)を測定する。
つぎに、前記電磁誘導コイルへの通電を開始して前記攪拌子39の回転を再開し、その状態を継続しながら、前記試薬供給装置67の前記吐出装置47におけるモータを駆動させて前記回転駆動軸55を回転させる。すると、前記駆動アーム56が図3の反時計方向へ回転し、それにともなって前記押圧ローラ57が前記吐出部53を前記押圧部材49へ押し付けながら下方向へしごく。この結果、前記第二測定セル65内の試料水には、前記
貯蔵部52内に貯蔵された試薬の一定量が注入される。そして、前記駆動アーム56の回転運動を繰り返すと、試料水には前記駆動アーム56の回転動作ごとに、一定量の試薬が前記測定セル65内へ断続的に注入される(注入作動)。このようにして注入された試薬は、配合されている色素(インジゴカルミン)が溶存酸素により酸化を受けると、試料水を青緑色に変色させる。
前記注入作動において、前記第二制御部68は、前記攪拌子39の回転を継続し、前記第二測定部66により、赤色光の透過光強度(H)を連続的に測定する。このとき、前記第二制御部68は、試料水へ注入される試薬量の増加にともなう透過光強度(H)の変化量を測定する。ここで、測定する透過光強度(H)の変化量は、通常一定量の試薬が注入される前後の透過光強度の差(ΔH)である。たとえば、図9に示すように、試料水の赤色光の透過光強度(H)は、試薬の注入回数(すなわち、前記駆動アーム56の回転作動数)にしたがって徐々に減少する。ここで、試料水中の溶存酸素の全てが第Y回目以前に注入された試薬中の色素と反応した場合、第Y+1回目以降の注入作動において、それ以上の試薬を注入しても試料水の変色は進行しにくくなるため、赤色光の透過光強度(H)は変化しにくくなる。すなわち、試薬の第Y回目注入後の透過光強度H1と第Y+1回目注入後の透過光強度H2との差(H1−H2,すなわち前記ΔH)は、微差になる。したがって、前記ΔHが所定値以下になったとき、試料水にそれ以上の試薬を注入しても、その試薬中の色素は試料水中の溶存酸素との反応に関与せず、そのままの状態で試料水中に残留することになる。
前記第二制御部68は、前記ΔHが所定値以下になったと判定したとき、前記試薬供給装置67の前記駆動アーム56の回転作動を停止する。これにより、試料水への試薬の追加注入が停止される。続いて、前記第二制御部68は、その時点における赤色光の透過光強度(H)と試薬注入前の赤色光の透過光強度(G)との比(透過光強度比:H/G)を求め、予め作成された透過光強度比:H/Gと溶存酸素濃度との検量線データに基づいて、試料水中の溶存酸素濃度を計算する。この溶存酸素濃度の値は、前記LCD64に表示されるとともに、前記薬剤供給制御装置へ送信される。
溶存酸素濃度測定工程を終えると、プログラムはステップS13へ移行し、前記ステップS9と同様に、後洗浄工程を実施する。そして、ステップS13の終了後は、プログラムはステップS9へ戻る。
さて、前記のように、前記各測定手段21,22で測定された前記各部3,5,6における給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度および溶存酸素濃度の測定値は、前記薬剤供給制御装置へ送信される。この薬剤供給制御装置は、前記各測定手段21,22で新たな測定が行われるごとに各測定値を受信し、前記温度センサ23で測定された温度とともに記憶する。そして、この薬剤供給制御装置は、記憶した各測定値に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定し、前記薬剤供給装置17から蒸気中へ腐食抑制剤を供給する。ここで、図10に示す動作フローチャートにしたがって、前記薬剤供給制御装置の動作を詳細に説明する。
この薬剤供給制御装置におけるプログラムは、ステップS14において、給水または蒸気凝縮水から腐食促進成分が検出された否かを判定する。具体的には、記憶された最新の炭酸濃度および溶存酸素濃度の各測定値が、前記各部3,5,6において同時にゼロ,もしくは同時に所定値未満であるか否かを判定する。腐食促進成分が検出されたと判定されたとき(すなわち、炭酸濃度および溶存酸素濃度の各測定値が、前記各部3,5,6において同時にゼロ,もしくは同時に所定値未満でないとき)、プログラムはステップS14からステップS15へ移行して、前記薬剤供給ポンプ19が作動中か否か(すなわち、前記薬剤供給ポンプ19へ駆動パルスを出力中か否か)を判定する。前記薬剤供給ポンプ1
9が作動中でないときは、プログラムはステップS16へ移行して、前記薬剤供給ポンプ19への駆動パルス出力を開始する。この結果、前記蒸気ヘッダ14を前記負荷機器4へ向けて通過中の蒸気へ腐食抑制剤が供給される。ここにおいて、前記薬剤供給ポンプ19は、前記薬剤供給制御装置が駆動パルスの出力を停止しない限り作動を継続する。そして、ステップS16の終了後、プログラムはステップS14へ戻る。
一方、ステップS15において、前記薬剤供給ポンプ19が作動中の場合(すなわち、前記薬剤供給ポンプ19へ駆動パルスを出力中の場合)、プログラムはステップS17へ移行し、腐食抑制剤供給量設定工程を実施する。
この腐食抑制剤供給量設定工程は、ステップS17において、最新の炭酸濃度および溶存酸素濃度の測定値に基づいて、前記薬剤供給ポンプ19の駆動パルス間隔を設定する。より具体的には、炭酸濃度および溶存酸素濃度の測定値が、前記各部3,5,6の全てにおいて小さいときは、前記蒸気ヘッダ14を通過する単位量の蒸気に対して比較的少量の腐食抑制剤が供給されるように、前記薬剤供給ポンプ19の駆動パルス間隔を長く設定する。一方、炭酸濃度または溶存酸素濃度の測定値が、前記各部3,5,6のいずれかにおいて大きいときは、前記蒸気ヘッダ14を通過する単位量の蒸気に対して比較的多量の腐食抑制剤が添加されるように、前記薬剤供給ポンプ19の駆動パルス間隔を短く設定する。すなわち、前記薬剤供給装置は、蒸気に対して供給する腐食抑制剤の量が腐食促進成分の濃度に比例するように、前記薬剤供給ポンプ19を作動させる。また、前記温度センサ23で測定された前記各部3,5,6の給水や蒸気凝縮水の温度が、温度上昇とともに腐食が速く進行すると予測される範囲にあるときには、さらに前記薬剤供給ポンプ19の駆動パルス間隔が短くなるように補正し、より多量の腐食抑制剤が添加されるように設定する。
この結果、腐食促進成分が検出されている間は、炭酸濃度および溶存酸素濃度の測定値が更新される度に、前記蒸気ヘッダ14から前記負荷機器4へ移動する蒸気に対して供給される腐食抑制剤の量が増減,もしくは維持されることになる。そして、ステップS17の終了後、プログラムはステップS14へ戻る。
一方、ステップS14において、腐食促進成分が検出されなかったと判定されたとき(すなわち、炭酸濃度および溶存酸素濃度の各測定値が同時にゼロ,もしくは同時に所定値未満のとき)は、プログラムはステップS14からステップS18へ移行して、前記薬剤供給ポンプ19が作動中か否か(すなわち、前記薬剤供給ポンプ19へ駆動パルスを出力中か否か)を判定する。前記薬剤供給ポンプが作動中でない場合は、プログラムはステップS14へ戻る。
これに対し、ステップS18において、前記薬剤供給ポンプ19が作動中のとき(すなわち、前記薬剤供給ポンプ19へ駆動パルスを出力中のとき)は、プログラムはステップS19へ移行して、前記薬剤供給ポンプ19への駆動パルス出力を停止する。この結果、前記ボイラ装置1が給水や蒸気凝縮水に腐食促進成分を含まないか,あるいは腐食のおそれのないレベルにあるときは、腐食抑制剤の無駄な供給が防止される。そして、ステップS19の終了後、プログラムはステップS14へ戻る。
前記薬剤供給制御装置におけるプログラムは、ステップS14へ戻ったのち、再びステップS14以降の処理を繰り返す。したがって、前記ボイラ装置1では、前記各測定手段21,22により、前記各所定時間t1,t2の間隔で炭酸濃度と溶存酸素濃度とがそれぞれ測定され、その結果に基づいて、必要に応じて前記薬剤供給装置17から腐食抑制剤が、前記蒸気ヘッダ14を介して蒸気へ添加されることになる。
前回の測定で腐食促進成分が検出されたときでも、最新の測定で腐食促進成分が検出されなかったときは、プログラムはステップS14からステップS18へ移行する。ここで、前記薬剤供給ポンプ19は、前回の測定結果に基づいて、すでにステップS16で駆動されているため、プログラムはステップS18へ移行し、ステップS19を経由してステップS14へ戻る。したがって、前記蒸気ヘッダ14への腐食抑制剤の供給が停止されることになる。
逆に、前回の測定で腐食促進成分が検出されなかったときでも、最新の測定で腐食促進成分が検出されたときは、プログラムはステップS14からステップS15へ移行する。ここで、前記薬剤供給ポンプ19は、前回の測定結果に基づいて、ステップS19で停止されているため、プログラムはステップS16へ移行し、前記薬剤供給ポンプ19を駆動させ、ステップS17を経由してステップS14へ戻る。そして、ステップS14からステップS15を経由してステップS17へ移行し、測定された最新の腐食促進成分濃度に基づいて設定された供給量で、前記薬剤供給装置17から腐食抑制剤が供給されることになる。
一方、前回の測定で腐食促進成分が検出され、最新の測定でも腐食促進成分が検出されたときは、プログラムはステップS14からステップS15を経由してステップS17へ移行し、前記蒸気ヘッダ14への腐食抑制剤の供給を設定された供給量で継続する。もし、最新の腐食促進成分濃度が前回の腐食促進成分濃度と異なるときは、ステップS17において、プログラムが最新の腐食促進成分濃度に基づいて腐食抑制剤の供給量を再設定するため、前記蒸気ヘッダ14を移動する蒸気に対して供給される腐食抑制剤の量が変化する。
[実施例2]
前記実施例1では、前記各測定手段21,22により、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度および溶存酸素濃度を測定し、これらの結果に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定しているが、いずれか一方のみを測定し、その結果に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定するように構成することができる。
たとえば、前記各部3,5,6に前記炭酸濃度測定手段21のみを設け、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度を所定時間ごとに測定し、この結果に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定するように構成する。同様に、たとえば前記各部3,5,6に前記溶存酸素濃度測定手段22のみを設け、給水または蒸気凝縮水の溶存酸素濃度を所定時間ごとに測定し、この結果に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定するように構成する。
[実施例3]
前記実施例1では、前記各測定手段21,22および前記温度センサ23からなる測定手段群(符号省略)を前記給水タンク8,前記蒸気配管13,前記蒸気ヘッダ14および前記復水配管15にそれぞれ設けているが、この測定手段群を設ける箇所や数量は、適宜変更することができる。
たとえば、前記ボイラ装置1が前記負荷機器4を複数備えている場合には、それぞれの前記負荷機器4に接続されている前記蒸気配管13および前記復水配管14に対して、前記測定手段群をそれぞれ設けることができる。また、たとえば前記蒸気配管13および前記復水配管15が比較的長い配管で施工されている場合には、前記各配管13,15のそれぞれに対して、前記測定手段群を複数箇所に設けることができる。さらに、特定の箇所,たとえば前記復水配管15のみに限定して、前記測定手段群を設けることも可能である。
[実施例4]
前記実施例1では、前記蒸気ヘッダ14内の蒸気に対して腐食抑制剤を供給するように前記薬剤供給装置17を設けているが、図1に破線で示すように、前記給水ライン9内の給水に対して腐食抑制剤を供給するように、前記薬剤供給装置17を設けることができる。腐食抑制剤は、通常、揮発性を有しているため、給水へ添加した場合でも、蒸気へ添加した場合と同様の効果が発揮され、前記蒸気配管13や前記復水配管15の腐食を効果的に抑制することができる。
また、腐食抑制剤は、前記蒸気ヘッダ14および前記給水ライン9の両方に対して同時に供給することができる。この場合は、1台の前記薬剤供給装置17において、前記薬剤供給ライン20を分岐させ、前記蒸気ヘッダ14および前記給水ライン9の両方へ接続する構成としてもよいし、前記蒸気ヘッダ14および前記給水ライン9のぞれぞれに前記薬剤供給装置17を接続する構成とすることができる。後者の場合、腐食抑制剤の供給量は、前記蒸気ヘッダ14側の前記薬剤供給装置17からの供給量と、前記給水ライン9側の薬剤供給装置17からの供給量との合計量が、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度や溶存酸素濃度に応じた適正量になるように設定する。
[実施例5]
前記実施例1では、前記各測定手段21,22により、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度および溶存酸素濃度を測定し、これらの結果に基づいて、腐食抑制剤の供給量の設定値を変化させているが、この供給量は、一定量を保持するようにすることもできる。
たとえば、前記各測定手段21,22により、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度および溶存酸素濃度が所定値以上か否かのみを単純に測定する。そして、炭酸濃度または溶存酸素濃度が所定値以上の場合には、これらの値とは無関係に一定量の腐食抑制剤を前記蒸気ヘッダ14内の蒸気へ供給する。
[実施例6]
前記実施例1では、前記各測定手段21,22により、給水または蒸気凝縮水の炭酸濃度および溶存酸素濃度を測定し、この結果に基づいて、前記薬剤供給制御装置を用いて腐食抑制剤の供給量を自動で設定しているが、この設定操作を前記ボイラ装置1の保守管理者,もしくは使用者が行うようにすることもできる。
たとえば、一定期間ごとに前記各測定手段21,22の前記LCD64に表示される炭酸濃度または溶存酸素濃度の測定値を監視し、適宜これらの測定値に基づいて、前記薬剤供給装置17からの腐食抑制剤の供給量を手動で設定する。
また、前記各測定手段21,22から送信させた炭酸濃度および溶存酸素濃度の測定値を、工場設備の管理室,保守管理者の監視施設などに設置した監視装置で受信する。そして、ディスプレイなどの表示機器に測定値を表示させ、適宜この測定値に基づいて、前記薬剤供給装置17からの腐食抑制剤の供給量を手動,もしくは遠隔操作で設定する。
この発明の実施例に適用されるボイラ装置の概略構成を示すブロック図。 炭酸濃度測定手段の概略構成を示す縦断面図。 炭酸濃度測定手段を構成する指示薬供給装置または滴定液供給装置,もしくは溶存酸素濃度測定手段を構成する試薬供給装置の内部構造を示す縦断面図。 炭酸濃度測定手段または溶存酸素濃度測定手段における制御部の概略構成を示すブロック図。 溶存酸素濃度測定手段の概略構成を示す縦断面図。 炭酸濃度測定手段の動作を示すフローチャート。 炭酸濃度(アルカリ消費量)の測定における試料水に対する緑色光および赤色光の透過光強度変化を概念的に示すグラフ。 溶存酸素濃度測定手段の動作を示すフローチャート。 溶存酸素濃度の測定における試料水に対する赤色光の透過光強度変化を概念的に示すグラフ。 腐食抑制剤の供給動作を示すフローチャート。
符号の説明
1 ボイラ装置
2 ボイラ
3 給水部
4 負荷機器
5 給蒸部
6 回収部
17 薬剤供給装置
21 炭酸濃度測定手段
22 溶存酸素濃度測定手段
23 温度センサ

Claims (5)

  1. 給水を加熱して蒸気を生成するボイラ2と、このボイラ2へ給水を供給する給水部3と、前記ボイラ2からの蒸気を負荷機器4へ供給する給蒸部5と、前記負荷機器4で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部6と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置17とを備えたボイラ装置1において、
    前記給水部3,前記給蒸部5および前記回収部6のいずれか一箇所以上に炭酸濃度測定手段21を設け、
    この炭酸濃度測定手段21の測定値に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定することを特徴とするボイラ装置。
  2. 給水を加熱して蒸気を生成するボイラ2と、このボイラ2へ給水を供給する給水部3と、前記ボイラ2からの蒸気を負荷機器4へ供給する給蒸部5と、前記負荷機器4で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部6と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置17とを備えたボイラ装置1において、
    前記給水部3,前記給蒸部5および前記回収部6のいずれか一箇所以上に溶存酸素濃度測定手段22を設け、
    この溶存酸素濃度測定手段22の測定値に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定することを特徴とするボイラ装置。
  3. 給水を加熱して蒸気を生成するボイラ2と、このボイラ2へ給水を供給する給水部3と、前記ボイラ2からの蒸気を負荷機器4へ供給する給蒸部5と、前記負荷機器4で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部6と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置17とを備えたボイラ装置1において、
    前記給水部3,前記給蒸部5および前記回収部6のいずれか一箇所以上に炭酸濃度測定手段21および溶存酸素濃度測定手段22を設け、
    これらの炭酸濃度測定手段21および溶存酸素濃度測定手段22の測定値に基づいて、腐食抑制剤の供給量を設定することを特徴とするボイラ装置。
  4. 前記給水部3,前記給蒸部5および前記回収部6のいずれか一箇所以上に温度センサ23を設け、
    この温度センサ23の測定温度に基づいて、腐食抑制剤の供給量の設定値を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のボイラ装置。
  5. 給水を加熱して蒸気を生成するボイラ2と、このボイラ2へ給水を供給する給水部3と、前記ボイラ2からの蒸気を負荷機器4へ供給する給蒸部5と、前記負荷機器4で使用した蒸気を凝縮水として回収する回収部6と、腐食抑制剤を供給する薬剤供給装置17とを備えたボイラ装置1における腐食抑制剤を用いて腐食を抑制する方法であって、
    給水および/または蒸気凝縮水の炭酸濃度,あるいは給水および/または蒸気凝縮水の溶存酸素濃度を測定する測定工程と、
    測定された炭酸濃度および/または溶存酸素濃度に基づいて、腐食抑制剤を供給する薬剤供給工程と、
    を含むことを特徴とするボイラ装置の腐食抑制方法。
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