JP2005337335A - 転がり軸受 - Google Patents

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賢二 山村
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Abstract

【課題】 より高速、高荷重条件においても、転動体と軌道輪軌道溝及び転動体と保持器軸方向案内面との接触応力や摩擦力を緩和して、転動体及び軌道輪の両方の寿命向上を図ると共に、低コスト化を図る。
【解決手段】 転動体5の素材として、少なくともC:0.3〜1.2重量%、Si:0.5〜2.0重量%、Mn:0.2〜2.0重量%、Cr:0.5〜2.0重量%を含有する鋼を用い、且つ該転動体5の表面に、窒素濃度:0.3〜2.0重量%、残留オーステナイト量:5〜20体積%の浸炭窒化層を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられる転がり軸受に関し、例えば、産業機械、ロボット、医療機器、食品機械、半導体/液晶製造装置、ダイレクトドライブモータ、光学及びオプトエレクトロニクス装置等の回転支持部に好適に用いられる転がり軸受に関する。
一つの軸受でラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられるものとしては、従来、クロスローラ軸受、4点接触玉軸受及び3点接触玉軸受が知られている。
クロスローラ軸受では、転動体がころであり、転動体と軌道輪が2箇所で線接触するので、モーメント剛性大の長所を持つ。
4点接触軸受又は3点接触玉軸受では、転動体が玉であり、転動体と軌道輪が4箇所又は3箇所で点接触するので、低トルク、作動円滑の長所を持つ。
しかしながら、クロスローラ軸受では、モーメント剛性大という長所を持つ一方、転動体と軌道輪との間に相対速度が生じるため、ころがスキューし易く、その結果、トルク変動が生じやすい短所もある。
4点接触玉軸受又は3点接触玉軸受は、転動体が玉なので、同寸法のクロスローラ軸受よりトルクが小さい長所を持つ一方、モーメント剛性小という短所もある。また、アキシアル荷重に対してラジアル荷重が優勢な場合又は純ラジアル荷重を受ける場合、各玉は、軌道輪と4点又は3点で接触するため、玉のスピンが大きく、小さなスピン摩擦特性は得られない。
さらに、通常、スピン摩擦特性を少しでも改善するためには、軸受の隙間が正に設定されるので、結果として軸受のモーメント剛性が小さくなってしまう。
そこで、このような問題を解決する従来の転がり軸受として、例えば図9及び図10に示すものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
この転がり軸受は、一対の軌道輪たる外輪100と内輪200の間に複数の転動体400が組み込まれ、上記各軌道輪100,200は転動体400の半径より大径状の軌道面101,201からなる軌道溝300を夫々有し、各軌道輪100,200の内の少なくとも一つの軌道輪100(200)は二つの軌道面からなり、上記各転動体400は転がり接触面となる外径401が軸方向にも曲率をもち、円周上に夫々交互に交差状に配されると共に、該転動体400の外径401が常に相対する一方の軌道輪100(200)の軌道面101(201)と他方の軌道輪200の軌道面201(101)にて夫々一点ずつ合計二点で接触している。
そして、上記転動体400は、図9及び図10に示すように、一組の平面部(相対面)402,402を有する上下切断状玉(玉の上下部分を切断して相対面を形成した構造のものをいう。)で、外径401を転がり接触面としている。なお、図中500は、転動体400の姿勢を安定させるため、少なくともポケット600の軸方向の相対する二面(軸方向案内面)601,601で拘束して案内する保持器、700は締結ボルトである。
また、上述のような転動体400を用いた転がり軸受として、予圧を負荷することにより、高モーメント荷重が得られることが開示されている(例えば特許文献2参照)。
更に、上述のような転動体400を用いた転がり軸受として、内外輪が共に一体型とされたものが提案されているが(例えば特許文献3参照)、保持器のポケットを案内面として転動体の姿勢を安定させることの開示はされていない。
ところで、上記のような転がり軸受を運転させると、転動体は保持器に案内されながら回転するようになっており、転動体は常にある範囲内の位置で各軌道輪と接触して負荷を受けることになる。
この場合、通常の玉軸受は転動体が球状であり、転動体を案内する保持器のポケットも球状であることから、転動体はポケット内で自由に回転でき、負荷を受ける位置が頻繁に変化するため、転動体の疲労寿命はほとんど無視することができるが、上記転がり軸受は、転動体の負荷を受ける位置が軸方向でほとんど変化しないことから、転動体や軌道輪の疲労寿命の低下が懸念される。
転がり軸受の疲労寿命を向上するための技術としては、素材のSi及びMnの含有量を高くした鋼を用い、その素材に浸炭窒化処理、焼入れ、焼戻し処理を行うことによって表層部の残留オーステナイト量を20〜50体積%としたものがあり(例えば特許文献4及び特許文献5参照)、この技術を転動体に用いることで、転動体の寿命を確保することが可能であるとされている。
特開2001−50264号公報 特開2002−130261号公報 DE4334195A1 特開平7−190072号公報 特開2000−234147号公報
しかしながら、上記特許文献4及び特許文献5の技術を転動体に適用するだけでは軌道輪の寿命に対して十分とは言えず、また、転動体と軌道輪の両方に前記技術を適用すれば、コストが高くなるといった問題が生じる。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、より高速、高荷重条件においても、転動体と軌道輪軌道溝及び転動体と保持器軸方向案内面との接触応力や摩擦力を緩和して、転動体及び軌道輪の両方の寿命向上を図ることができると共に、低コスト化を図ることができる転がり軸受を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、一対の軌道輪間に保持器を介して複数の転動体が組み込まれ、前記各軌道輪は前記転動体の半径より大径状の軌道面からなる軌道溝を夫々有し、前記各軌道輪の内の少なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、前記各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持ち、円周上に夫々交互に交差状に配されると共に、前記各転動体の外径が常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて夫々一点ずつ合計二点で接触している転がり軸受であって、
前記一対の軌道輪及び前記転動体の内で少なくとも該転動体の素材として軌道輪の軌道面との接触時の摩擦抵抗が高炭素クロム軸受鋼SUJ2より低摩擦抵抗の鋼を用い、且つ該転動体の表面層の残留オーステナイト量を5〜20体積%としたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、一対の軌道輪間に保持器を介して複数の転動体が組み込まれ、前記各軌道輪は前記転動体の半径より大径状の軌道面からなる軌道溝を夫々有し、前記各軌道輪の内の少なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、前記各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持ち、円周上に夫々交互に交差状に配されると共に、前記各転動体の外径が常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて夫々一点ずつ合計二点で接触している転がり軸受であって、
前記一対の軌道輪及び前記転動体の内で少なくとも該転動体の素材として、少なくともC:0.3〜1.2重量%、Si:0.5〜2.0重量%、Mn:0.2〜2.0重量%、Cr:0.5〜2.0重量%を含有する鋼を用い、且つ該転動体の表面に、窒素濃度:0.3〜2.0重量%、残留オーステナイト量:5〜20体積%の浸炭窒化層を形成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、前記転動体の前記軌道面と接触する球面部の表面粗さを中心線平均粗さ0.03μmRa以下としたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記保持器は、前記転動体を保持する夫々のポケットにおいて、軸方向のポケット面は一面のみ有し、相対する面側は開放されており、前記軸方向ポケット面は、円周方向に互いに交差状に組み込まれる前記転動体の傾斜の向きに対応して、互いに軸方向の反対側に傾斜状に配列されていることを特徴とする。
上記構成によれば、保持器ポケットの軸方向の片側が開放しているので、内外輪、保持器を組み込んだ状態で、片側ずつ組み込むことが可能となる。また、このような保持器を採用することにより、転動体の軸方向案内面が、従来の二面から一面に減少しているため、転動体を拘束する力が減少する結果、保持器と転動体の間に生じる端面摩擦が大幅(約半分)に小さくなるためトルクも減少する。
請求項5に係る発明は、請求項4において、前記転動体は、少なくとも一つの平面部を有し、該平面部が前記保持器の前記軸方向ポケット面と接することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記保持器は、少なくとも前記軸方向ポケット面が焼結材料で形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、保持器の剛性や耐摩耗性を損なうことなく保持器のコストを下げることができる。
本発明によれば、転動体の摩擦特性を改善することによって、接線力による応力集中部からのクラックの発生、伝播を遅延させるとともに、転動体自身も強化させているので、転動体を変更するのみで、高速、高荷重条件においても、転動体と軌道輪軌道溝及び転動体と保持器軸方向案内面との接触応力や摩擦力を緩和して、転動体及び軌道輪の両方の寿命向上を図ることができると共に、低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施形態にすぎず、これに限定して解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
転がり軸受Aは、図1に開示しているように、一体型で形成された軸受軌道輪(軸受外輪)1の内径と、同じく一体型に形成された軸受軌道輪(軸受内輪)2の外径に形成される軌道溝3に、保持器6を介して複数の転動体5,5が組み込まれている。なお図中、8はシール溝で、本実施形態では密封板(シール・シールド)の図示を省略しているが、密封板は必要に応じて適宜設けることが出来る。なお、軸受寸法、接触角、転動体径あるいは材質などの諸仕様は限定されない。
本実施形態によれば、軌道輪としての外輪1と内輪2のいずれも一体型で形成されているため、締結ボルトなどの締結部品を含めた軌道輪の製作コスト・組立管理費及び組立費が大幅に削減できた。
軌道溝3は、転動体5の半径よりも大きな半径の軌道面1a・1b,2a・2bにより形成されている。この場合、軌道溝3の溝曲率半径比R/Da(R:溝曲率半径、Da:転動体径)を54%以上とすることにより、予圧が負荷された場合でも低トルクで、且つ予圧量の変化に伴うトルク増大を小さく抑えることができる。また、軌道溝3の溝曲率半径が大きくなりすぎると、接触面圧が大きくなり、寿命や摩耗等に悪影響を及ぼすので、溝曲率半径比R/Daを60%以下とすることが望ましい。特に、転がり軸受を0〜−30μmの負隙間で設計する場合に溝曲率半径比R/Daを56%以上とするとトルクのばらつきを小さく抑えることができる。
また、少なくとも一方の軌道輪の軌道溝が、二つの軌道面から構成されているものであればよく、本発明の範囲内で適宜選択される。
各軌道面1a・1b,2a・2bの形状は、転動体5の転がりに適切な形状を有しているものであれば、断面アーチ状あるいはV字状等任意で、また曲線状あるいは直線状等のいずれであってもよく特に限定されるものではないが、例えば本実施形態では、曲率中心を互いにオフセット配置した両円弧で形成されている、いわゆるゴシックアーチが適用される。
そして、内輪2の軌道溝3の一部に、この軌道溝3よりも小さな溝4を凹設している。この溝4は、溝幅l/転動体径Da=0.36〜0.4、溝深さd/転動体径Da=0.05〜0.3の範囲が望ましい。
本実施形態では、内輪2の二つの軌道面2a,2bからなる軌道溝3の中心(二つの軌道面2a,2bの交差部で軌道溝3の底部に相当)に、周方向に連続する所望深さの断面半円状の小径(例えば溝幅l=2.35mm、溝深さd=0.8mm、溝半径r=1.2mm)な溝4とする。この溝4は、転動体5の組み込み時における回転用溝として主に使用される。すなわち、後述する転動体5の転がり接触面5aと平面部5bとの繋ぎ部(交点)5fを、組み込み時に溝4内に挿入させることによって、転動体5を軌道溝3空間内で回転可能とする。なお、溝4は、その溝4内に潤滑剤を保有させておくことも可能で、軌道面内に備えられている潤滑剤(油、グリースなど)保有機能としての作用もあり、安定した軸受寿命が期待できる。
溝4の形状、径方向深さ、軸方向幅は軌道面を可能な限り大きく取れるように最小限の大きさにするのが好ましいが、転動体5の転がり接触面5aと平面部5bとの繋ぎ部5fが溝4内に一部挿入可能であれば全て本発明の範囲内であり、本発明の範囲内で適宜設計可能である。
溝4の溝幅lや溝深さdが小さすぎると、転動体5の転がり接触面5aと平面部5bとの繋ぎ部5fを溝4内に挿入させて転動体5を軌道溝3空間内で回転させるには不十分なので、l/Da=0.36以上、d/Da=0.05以上とすることが望ましい。ただし、転動体5と軌道面の接触面圧や接触面積のはみ出しを避けることを考慮し、軌道面を可能な限り大きくすることが望ましいので、l/Da=0.4以下とする。なお、溝深さdは深すぎると加工しづらいので、d/Da=0.3以下とすることが望ましい。
また、転動体5の周方向配設間隔を考慮すれば、溝4は所望長さをもって周方向に断続して設けてもよく本発明の範囲内である。
なお、軌道面2a,2bとの繋ぎ部2cのエッジを無くし曲面状に形成してもよい。
この溝4は、本実施形態では上述の通り内輪2の軌道溝3にのみ設けているが、外輪1の軌道溝3に設けてもよく、また外輪1と内輪2の双方に設けてもよい。
転動体5は、転がりを接触面となる外径5aが軸方向に曲率を持ち、かつ軌道面1a,1b、2a,2bの夫々の半径よりも小径の半径を有する任意形状で、該転動体5は、隣接する転動体5が夫々交互に交差状に配されると共に、各転動体5の外径5aが、常に一方の軌道輪1の軌道面1a,1bと他方の軌道輪2の軌道面2b,2aにて二点接触している。
転動体5は、例えば本実施形態では図3に拡大して示すように、一組の平面部(本実施形態では相対面)5b,5bを有する上下切断状玉(玉の上下部分を切断して平面部5b,5bを形成した構造のもをいう。)で、該平面部5b,5bに垂直する自転中心軸5cが夫々交差状となるように夫々転動体5,5…が組込まれると共に、各転動体5の外径5aが、常に一方の軌道輪1の軌道面1a,1bと他方の軌道輪2の軌道面2b,2aにて二点接触している。図中5fは、転動体5の転がり接触面5aと平面部5bとの繋ぎ部(交点)である。
転動体5は、その上下の切断幅は、内輪外径と外輪内径とのすき間幅以下であれば特に限定されず、また上下の切断割合は、均等あるいは均等でないものであってもよく、本発明の範囲内で任意に選択可能である。すなわち、本実施形態では、平面部5b,5bを対称としたが、転動体5の平面部5b,5bは、対称であっても非対称であってもよくいずれも本発明の範囲内である。
また、図4に示す非対称の平面部5b,5dを有する転動体(上下切断状玉)5の場合、大端側の平面部5dが軸受の内輪2に向くように配することで、転動体5の回転がより安定になり、より低トルクを実現することができる。
転動体5の全体形状、相対面5b,5bの有無や、外径5aにおける軸方向の曲率の大小等は、本発明の範囲内において任意に変更可能である。すなわち、例えば、平面部5b,5bに代えて、非平行状の両面(平面部)を備え、該両面に垂直する自転中心軸を有するものとしてもよい(図示省略)。
また、図5に示す玉の片側をカット(切断)して一つの平面部(カット面)5eを設けた片側カット状玉としたものであってもよい。
また、平面部5b(5d,5e)は、任意形状であって、適宜最適な形状・大きさに変更・選択できる。
転動体5,5の組込みは、隣り合う転動体5,5における各平面部5b・5b,5b・5bに垂直する自転中心軸5c,5cが交互に交差状となるようにする。なお、その交差状態は直交状・非直交状のいずれでも構わない。
また、転動体5の交差状に配される方式は、両方の列で数が同じなら、周方向に交互に配されるのでなくともよく特に限定されない。すなわち、転動体5が1ヶ毎に交差してもよく、1ヶ毎に交差しなくとも両方の列で数が同じなら、2ヶずつ交差あるいは2ヶ1ヶ1ヶ2ヶ等のように交差していてもよくいずれも本発明の範囲内である。
ここで、本実施形態では、転動体5の素材として、軌道輪の軌道面と転動体5の転動面との接触時の摩擦抵抗が高炭素クロム軸受鋼SUJ2より低摩擦抵抗の鋼を用い、且つ該転動体5の表面層の残留オーステナイト量を5〜20体積%としている。具体的には、転動体5の素材として、少なくともC:0.3〜1.2重量%、Si:0.5〜2.0重量%、Mn:0.2〜2.0重量%、Cr:0.5〜2.0重量%を含有する鋼を用い、且つ該転動体5の表面に、窒素濃度:0.3〜2.0重量%、残留オーステナイト量:5〜20体積%の浸炭窒化層を形成している。また、転動体5の軌道面と接触する球面部(転動面)の表面粗さは0.03μmRa以下とされている。
これにより、転動体5の摩擦特性が改善されて、接線力による応力集中部からのクラックの発生、伝播を遅延させることができるとともに、転動体自身も強化されるので、既存の軸受に対して転動体を変更するのみで、高速、高荷重条件においても、転動体と軌道輪軌道溝及び転動体と保持器軸方向案内面との接触応力や摩擦力を緩和して、転動体及び軌道輪の両方の寿命向上を図ることができると共に、低コスト化を図ることができる。
更に、このような材質の転動体5を用いることで、二つの軌道面2a,2bからなる軌道溝3の交差部に小さな溝4を設けたことにより転動体5と接触する軌道面の表面積が設けない場合より小さくなり、接触面が溝4から外れることを避けるため及びトルクを小さくするために、溝曲率半径Rを転動体直径Daに対して54〜60%と通常の52%より大きくした場合に接触面圧が大きくなるが、このような場合にも長寿命となる。
また、内輪2、外輪1及び転動体5が0〜−35μmの負隙間の予圧を負荷した状態で組み立てられる場合でも長寿命となり、更に、転がり軸受1個で回転体を支持し、転がり軸受には大きなモーメント荷重を作用させることができる。
以下、詳述する。
軌道輪の軌道面と転動体の転動面が接触するときの転動体表面に生じる摩擦抵抗を低減すると、圧痕縁における接線力が低減し、クラックの発生、伝播を遅延させる効果があり、転動体を変えるだけで、軌道輪に発生するフレーキング寿命を改善できる効果がある。摩擦抵抗が鋼製転動体より小さいものの代表例として、セラミックス製転動体があるが、セラミックス製転動体の場合、コストが大幅に高くなるだけでなく、そのヤング率が鋼製転動体の場合に比較して著しく大きいため、圧痕縁での応力集中がかえって大きくなり、寿命を低下させる場合がある。
また、摩擦抵抗だけ低くしても、表面層の残留オーステイト量が十分に確保されていないと、転動体にフレーキングが発生しやすくなるため、上記摩擦抵抗に加え、転動体表面層には、少なくとも5体積%以上、好ましくは8体積%以上の残留オーステナイト量の確保が必要である。
残留オーステナイト量は、多いほど、転動体に発生する圧痕縁を起点としたフレーキングは生じにくくなるが、多すぎると、かえって耐疲労性が低下したり、摩擦特性が低下して、転動体の低摩擦抵抗化による寿命延長効果が得られなくなる場合がある。そこで、本発明においては、転動体表面層の残留オーステナイト量は5〜20体積%、好ましくは、8〜20体積%とする。
また、転動体に十分な疲れ寿命と高炭素クロム軸受鋼SUJ2よりも良好な摩擦特性(低摩擦抵抗)を付与するため、後述する鋼を浸炭窒化処理し、表面層の窒素濃度を0.5重量%以上、且つ、残留オーステナイト量を5〜20体積%とした転動体を用い、また、表面粗さを0.3μmRa以下としている。
そして、転動体自身の寿命を改善しつつ、転動体による軌道輪の寿命延長効果を得て、結果として軸受全体での寿命改善を図るために、本発明においては次のような材料組成とする。
[C:0.3〜1.2重量%]
炭素は、鋼に必要な強度と寿命を得るために必要な元素であるが、これが少なすぎると、十分な強度が得られないだけでなく、後述する浸炭窒化処理の際に、必要な硬化層深さを得るための熱処理時間が長くなり、熱処理コストの増大につながる。そのため、炭素含有量は0.3重量%以上、好ましくは、0.8重量%以上とする。
また、逆に、炭素含有量が多すぎると、製鋼時に巨大炭化物が生成され、その後の焼入れ特性や転動疲労寿命に悪影響を与えたり、ヘッダー性が低下してコストの上昇を招く虞れがあるため、上限を1.2重量%とする。
[Si:0.5〜2.0重量%]
Siは、製鋼時に脱酸剤として必要であるだけでなく、基地マルテンサイトを強化するとともに、焼戻し軟化抵抗性を高め、疲労寿命を延長するのに極めて有効な元素である。また、浸炭窒化層の諸特性を満足するための、表面窒素濃度や残留オーステナイト量等をバランス良く確保するためには、なくてはならない必須元素である。その効果を十分に発揮させるためには、少なくとも0.5重量%以上、好ましくは、0.8重量%以上が必要である。
一方、Siは含有量が多すぎると、ヘッダー性、被削性等を低下させるだけでなく、浸炭窒化処理特性が低下して十分な硬化層深さや窒素拡散深さを確保できなくなる場合があり、完成品転動体においては、後述する所定の表面品質が得られない場合があるため、上限を2.0重量%以下、好ましくは1.5重量%以下とする。
[Mn:0.2〜2.0重量%]
Mnは、Siと同様に、脱酸剤としての働きがある他、焼入れ性を向上させたり、また、転がり寿命に有効な残留オーステナイトの生成を促進させる作用があり、0.2重量%以上必要である。
一方、Mnは含有量が多すぎると、被削性、ヘッダー性を低下させるだけでなく、熱処理後においては、多量の残留オーステナイトが生成して、かえって耐疲労性が低下して良好な寿命が得られなくなる場合もあるため、上限を2.0重量%以下、好ましくは0.7重量%以下とする。
[Cr:0.5〜2.0重量%]
Crは、基地に固溶して焼入れ性、焼戻し軟化抵抗性などを高めるとともに、高硬度の微細な炭化物または炭窒化物を形成して、軸受材料の硬さや熱処理時の結晶粒粗大化を防止して軸受寿命を高める作用がある。その効果を出すためには少なくとも0.5重量%以上、好ましくは1.3重量%以上必要であるが、2.0重量%を超えると、製鋼過程で巨大炭化物が生成して、その後の焼入れ特性や転動疲労寿命に悪影響を与えたり、ヘッダー性や被削性が低下するため、その上限は、2.0重量%以下、好ましくは1.6重量%以下とする。
その他、MoやV等の炭化物形成促進元素もCrと同様の作用効果が得られるので、素材費や加工性低下によるコストアップが生しない範囲で、それぞれ選択的に0〜2重量%程度添加しても良い。
また、その他残部は、実質的にFeからなるが、不可避不純物としてS、P、Al、Ti、O等を含有する。これらの元素は、表面起点型フレーキングには特に際立った影響はないとされているが、その品質が著しく悪い場合には、内部起点型フレーキングが生じるようになるので、コストアップを招くような厳しい不純物規制は行なわないが、通常、軸受材料として使用できる清浄度規制(JIS G 4805)を満足する品質(ベアリングクオリティー)レベルとする。
次に、材料組成を除く、転動体表面の浸炭窒化層の窒素含有量、残留オーステナイト量、表面粗さ等について述べる。
まず、上記材料組成の線材をヘッダー加工及びフラッシング加工等によって、素球を製作し、その後、表面層に所定の窒素を富化させるために浸炭窒化処理を行なう。
窒素は、炭素と同じように、マルテンサイトの固溶強化及び残留オーステナイトの安定確保に作用するだけでなく、窒化物または炭窒化物を形成して、摩擦摩耗特性を著しく高める作用がある。その効果を十分に発揮させるためには、少なくとも窒素濃度は0.3重量%以上、好ましくは0.5重量%以上が必要である。
但し、窒素濃度が必要以上に高いと、窒化物または炭窒化物の析出量が増大して、十分な残留オーステナイト量が確保できなくなったり、焼入れ性が低下して、十分な耐疲労性が得られない場合がある。そこで、窒素濃度の上限は2.0重量%以下とする。残留オーステナイトの作用、効果については、前述した通りである。
また、浸炭窒化処理は、鋼を一旦オーステナイト化させ、焼入れ後において、表面層に十分な残留オーステナイト量を確保できるように、炭素と窒素を基地組織に固溶させるとともに、表面層に摩擦、摩耗低減効果の高い窒化物あるいは炭窒化物を析出分散させることを狙いとして行なわれる。
また、転動体の表面粗さが大きくなると、潤滑条件が厳しい場合は勿論であるが、圧痕の盛り上がり部において、金属接触が生じ、接線力が大きくなることによって、十分な寿命延長効果が得られない場合がある。そのため、転動体5の軌道面と接触する球面部(転動面)の表面粗さは中心線平均粗さが0.03μmRa以下、好ましくは0.01μmRa以下とする。
各転動体5,5の運動は、保持器6で案内される(図2参照)。
保持器6は、転動体5を保持案内するポケット(保持部)7が、周方向に複数個備えられた円環状に形成され、夫々のポケット7が、周方向に相対する二面のポケット面(周方向案内面)7a,7aを有すると共に、軸方向は一面のポケット面(軸方向に転動体姿勢を安定させる軸方向案内面)7bのみ有し、相対する面側は開放(開放面)されており、該軸方向のポケット面7bは、互いに交差状に組み込まれる転動体5の傾斜の向きに対応して、互いに軸方向の反対側に傾斜状に配列されている。なお、周方向のポケット面7aの形状は特に限定されず任意である。
軸方向のポケット面7bは、転動体5の外輪対向側の平面部5b(図1で左上方に向いている面)を案内するように外径6aから内径6bにわたり傾斜状に形成されている。よって、ポケット7の外径側開口7cより内径側開口7dが広く形成されることとなる。
このポケット面7bの傾斜角度は任意で、軌道溝3空間内で配される転動体5の角度を考慮して決定される。
本実施形態では、円周上で転動体5数量と同一数をもって等間隔で設けられると共に、周方向で隣り合うポケット7の軸方向ポケット面7bは、周方向に交互に交差状に配されており、隣り合う各転動体5,5を上述の通り平面部5b・5b,5b・5bに垂直する自転中心軸5c,5cが夫々交差状になるように交互に組み込み可能とする。
なお、本実施形態では、円周上で転動体5数量と同一数のポケット7が等間隔で、かつ交互に交差状に配されているが、特に限定されず、両方の列で数が同じなら、2ヶずつ交差あるいは2ヶ1ヶ1ヶ2ヶ等のように交差していても良く本発明の範囲内である。よって、上述した転動体5の配される方式に応じたポケット構成を周方向に設けた保持器とする。
保持器6の案内方式は特に限定されるものではなく、内輪案内でも、外輪案内でも、転動体案内でもよい。また、本実施形態では保持器6を一体型の構成としているが、特に限定されるものではなく、幾つかの部分から形成したものでも良い。
本実施形態の保持器6によれば、外輪1、内輪2と共に組み立てた後、転動体5を保持器6の開放側より軸受軌道溝3空間内へ順次挿入できる。
本実施形態は予圧品であるが、すきま品でもよい。
転動体と軌道面との間における予圧の付与される状態は特に限定されず、すなわち、製造段階で予圧が付与されても付与されなくてもよくいずれも本発明の範囲内である。
これら軸受の軌道輪1,2と転動体5の材質としては、通常軸受鋼が用いられるが、使用環境に応じて耐食性や、耐熱性を向上させる場合にはステンレス鋼やセラミック等が適宜選択される。
また、保持器6の材料としては、もみ抜き保持器、プレス保持器、樹脂保持器等が適宜選択されるので、例えば黄銅や鉄等の金属や、例えばポリアミド66(ナイロン66)・ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の合成樹脂が本発明の範囲内で選ばれる。
更に、転動体5の姿勢制御や転動体5を等間隔に保持するための保持器6の少なくとも軸方向ポケット面7bを焼結材料で形成してもよい(図8参照)。
もみ抜き保持器の場合、任意の形状を作り込むことが可能であり、保持器の剛性を考慮した自由な設計が可能であるが、加工時間が非常に長いためコストが高い。また、プレス保持器の場合、安価に製作可能ではあるが、加工性を良くするために断面を小さくする必要があり、保持器の剛性が小さくなる。また、特別複雑な形状には対応困難なことがある。更に、射出成形による樹脂製保持器の場合、もみ抜き保持器と同様に任意の形状を作り込むことが可能であるが、樹脂材料そのものの機械的性質が鉄や黄銅に比べ非常に小さく、同じ断面で比較すると剛性が非常に小さくなる。
従って、保持器6の少なくとも軸方向ポケット面7bを焼結材料で形成することで、保持器6の剛性や耐摩耗性を損なうことなく保持器のコストを下げることができる。この場合、加工性を考慮すると保持器6を焼結材料で一体に成形することが望ましいが、後述する油溜りの効果による耐摩耗性の向上は、少なくとも保持器6が転動体5を保持する軸方向ポケット面7b(軸方向案内面)を焼結材料で形成することによって実現することができる。
ここで、焼結とは、ある材料の粉末を金型に入れ、高圧力にて押し固めた後高温にて結合させたものをいい、機械的性質には何ら変わりがなく、強度や剛性、および耐摩耗性についても変化がない。なお、焼結材料としては黄銅や青銅等の銅合金、鉄系材料、セラミックス等があるが、これらは要求される条件によって使い分けることができる。
また、形状についても従来と変更することなく一体成形が可能であり、プレス成形や樹脂の射出成形品に比べて、高強度・高剛性が見込まれる。
―方、生産性についてはプレス加工には劣るものの、切削加工に比べれば加工時間は短縮される。したがって加工コストは従来のもみ抜きよりも安くなる。
更に、焼結によって成形されているため、転動体と接触する表面には微小なディンプル(油溜り)が形成され、潤滑性にも優れ結果的に耐摩耗性が向上する。また、焼結材料に、予め潤滑剤を含浸させておくことも可能である。予め含浸させておく潤滑剤は、転がり軸受の内部を潤滑する油と同種類の油、転がり軸受の内部を潤滑するグリースと同種類のグリース、転がり軸受の内部を潤滑するグリースの基油と同種類の油を用いることが好ましい。
更に、この実施形態によれば、転動体5の外径5aが相対する外輪1の軌道面1bと内輪2の軌道面2aに夫々点接触(接触点を11,11で示す)し、隣接する転動体5が外輪1の軌道面1aと内輪2の軌道面2bに夫々点接触(接触点を12,12で示す)する。転動体5,5の接触角交互に交差するので、一つの軸受でラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けることができる。
更に、本実施形態の転がり軸受Aは、図6に示すように、ダイレクトドライブモータに組み込むことにより従来品に比して優れたこの種のモータが提供できる。
図6はダイレクトドライブモータの一例を示す概略図で、図中17は回転子(ロータ)、18は固定子(ステータ)、21はコイルを示し、回転子17と固定子18との間に転がり軸受Aが組み込まれ、コイル21に通電することにより、ロータ17およびパルサーリング19が回転し、パルサーリンク19の凹凸を位置検出器20により検出し、制御器(図示しない)によって回転速度や位置決めの制御を行う。本実施形態では、モータの外側が回転するアウターロータ型にて説明しているが、モータの内側が回転するインナーロータ型を採用することもできる。
軸受外輪1はロータ17に嵌合され、パルサーリング19とともに固定される。一方、軸受内輪2はコイル21の巻かれたステータ18側に嵌合され、位置検出器20と共に固定されている。
本実施形態のダイレクトドライブモータは、転がり軸受Aの部分を除いて従来のダイレクトドライブモータと同一であるため、特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更可能である。
このように、ダイレクトドライブモータに本実施形態の転がり軸受Aを内蔵することにより、軸受のトルクを従来のクロスローラ軸受よりも小さく出来、発熱が抑えられる。また、前記軸受に予圧を付与することにより剛性が得られる。従って、従来のダイレクトドライブモータの機能を損なうこと無く、高速化が可能となる。
次に、本実施形態の転がり軸受A(図1)を本発明例とし、従来の転がり軸受(図8)を従来例として、図6と略同一構造のダイレクトドライブモータを用いて寿命試験を行った。本発明例及び従来例共に、転がり軸受1個で回転体を支持し、図6の回転中心からL=約300mmの位置にF=約110Nの荷重を垂直方向に負荷することにより、転がり軸受に33N・mのモーメント荷重が作用する。
試験条件は次の通りである。
試験軸受サイズ :内径φ60mm×外径φ90mm×幅13mm
転動体数 :32個(片側16個)
転動体径 :6.35mm
転動体の平面部厚さ:4mm
アキシアルすき間:−15μmの予圧品
接触角 :30°
軌道輪材質 :SUJ2
転動体材質 :従来例(SUJ2)
本発明例(上述した摩擦特性を改善した材料)
回転速度 :600min-1
潤滑剤 :アルバニアグリースNo.2(昭和シェル石油(株)製)
試験結果を図7に示す。なお、図では従来例の寿命を1とした相対比で示している。
図から明らかなように、本発明例は従来例に比べて約2倍の寿命が確保できることが確認された。
本発明に係る転がり軸受の一実施形態を一部省略して示す概略断面図である。 本発明に係る転がり軸受における保持器への転動体の組み込み方向を一部省略して示す概略平面図である。 本発明に係る転がり軸受に組み込まれる転動体の一実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る転がり軸受に組み込まれる転動体の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る転がり軸受に組み込まれる転動体の他の実施形態を示す斜視図である。 ダイレクトドライブモータに本発明に係る転がり軸受を組み込んだ例を一部切欠いて示す概略断面図である。 本発明例と従来例との寿命比の比較を示すグラフ図である。 保持器の全体斜視図である。 従来の転がり軸受を一部省略して示す概略断面図である。 従来の転がり軸受における保持器への転動体の組み込み方向を一部省略して示す概略平面図である。
符号の説明
A:転がり軸受
1:外輪
2:内輪
3:軌道溝
4:溝(回転用)
5:転動体
5a:外径
5b:平面部
5f:繋ぎ部
6:保持器
7:ポケット
7b:軸方向ポケット面

Claims (6)

  1. 一対の軌道輪間に保持器を介して複数の転動体が組み込まれ、前記各軌道輪は前記転動体の半径より大径状の軌道面からなる軌道溝を夫々有し、前記各軌道輪の内の少なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、前記各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持ち、円周上に夫々交互に交差状に配されると共に、前記各転動体の外径が常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて夫々一点ずつ合計二点で接触している転がり軸受であって、
    前記一対の軌道輪及び前記転動体の内で少なくとも該転動体の素材として軌道輪の軌道面との接触時の摩擦抵抗が高炭素クロム軸受鋼SUJ2より低摩擦抵抗の鋼を用い、且つ該転動体の表面層の残留オーステナイト量を5〜20体積%としたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 一対の軌道輪間に保持器を介して複数の転動体が組み込まれ、前記各軌道輪は前記転動体の半径より大径状の軌道面からなる軌道溝を夫々有し、前記各軌道輪の内の少なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、前記各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持ち、円周上に夫々交互に交差状に配されると共に、前記各転動体の外径が常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて夫々一点ずつ合計二点で接触している転がり軸受であって、
    前記一対の軌道輪及び前記転動体の内で少なくとも該転動体の素材として、少なくともC:0.3〜1.2重量%、Si:0.5〜2.0重量%、Mn:0.2〜2.0重量%、Cr:0.5〜2.0重量%を含有する鋼を用い、且つ該転動体の表面に、窒素濃度:0.3〜2.0重量%、残留オーステナイト量:5〜20体積%の浸炭窒化層を形成したことを特徴とする転がり軸受。
  3. 前記転動体の前記軌道面と接触する球面部の表面粗さを中心線平均粗さ0.03μmRa以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載した転がり軸受。
  4. 前記保持器は、前記転動体を保持する夫々のポケットにおいて、軸方向のポケット面は一面のみ有し、相対する面側は開放されており、前記軸方向ポケット面は、円周方向に互いに交差状に組み込まれる前記転動体の傾斜の向きに対応して、互いに軸方向の反対側に傾斜状に配列されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載した転がり軸受。
  5. 前記転動体は、少なくとも一つの平面部を有し、該平面部が前記保持器の前記軸方向ポケット面と接することを特徴とする請求項4に記載した転がり軸受。
  6. 前記保持器は、少なくとも前記軸方向ポケット面が焼結材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載した転がり軸受。
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