JP2005336585A - 銅合金箔及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
表面の粗度が適度に高い銅合金箔を低コストで提供すること。
【解決手段】
リン酸水溶液を用いて銅合金箔表面を電解研磨する銅合金箔の製造方法であって、前記電解研磨は、一定の電流密度で連続して前記銅合金箔表面の電解研磨を行った場合の電流効率が62%〜90%になる条件で行う銅合金箔の製造方法。該リン酸水溶液のリン酸濃度は、380g/l〜600g/lであることが好ましい。また、前記電解研磨の電流密度は、30A/dm〜60A/dmであることが好ましい。また、前記電解研磨に要する電荷量が、1000C/dm〜5000C/dmであることが好ましい。また、前記リン酸水溶液に用いられるリン酸はHPOであり、前記リン酸水溶液の温度が、20℃〜40℃であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銅合金箔及びその製造方法に関するものである。
銅合金箔は種々の用途があり、例えば、電子材料、電子部品の製造等に用いられる。近年、軽薄短小化の要請から、銅合金箔にも薄型化が求められている。該銅合金箔に関する公知文献としては、例えば、特開2002−266041号公報(特許文献1)には、Co、Ni、Fe等を所定量含有する圧延銅合金箔が開示されている。
特開2002−266041号公報(第2頁第1欄)
しかしながら、特許文献1記載の銅合金箔は、銅合金箔が上記所定の厚さになるまで全工程を圧延して製造しているため、製造コストが高くなるという問題があった。また、このように圧延して得られた銅合金箔は、表面が平滑すぎるため、電池用電極材としてみた場合、表面に塗布された負極活物質が脱落し易いという問題があった。
従って、本発明の目的は、表面の粗度が適度に高い銅合金箔を低コストで提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、比較的低濃度のリン酸水溶液を用い、且つ銅合金箔表面の電解研磨の電流効率が指定範囲内になる条件で電解研磨を行うと、投入した電荷量に対して効率よく銅合金箔表面の電解研磨を行うことができ、電解研磨時間が短く、低コストで薄型の銅合金箔を製造することができ、また、得られる銅合金箔表面の粗度が適度に大きくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、リン酸水溶液を用いて銅合金箔表面を電解研磨する銅合金箔の製造方法であって、前記電解研磨は、前記銅合金箔表面の電解研磨の電流効率が62%〜90%になる条件で行うことを特徴とする銅合金箔の製造方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、本発明(1)において、前記リン酸水溶液のリン酸濃度が、380g/l〜600g/lであることを特徴とする銅合金箔の製造方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、本発明(1)又は(2)において、前記電解研磨の電流密度が、30A/dm〜60A/dmであることを特徴とする銅合金箔の製造方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、本発明(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記電解研磨に要する電荷量が、1000C/dm〜5000C/dmであることを特徴とする銅合金箔の製造方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、本発明(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記リン酸水溶液の温度が、20℃〜40℃であることを特徴とする銅合金箔の製造方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、本発明(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記銅合金箔は、電解研磨に供される銅合金箔が厚さ12μm〜20μmであり、前記電解研磨に要する電荷量が3000C/dmの場合における電流効率が68%〜87%で、且つ前記銅合金箔の電解研磨量が2μm〜12μmであることを特徴とする銅合金箔の製造方法を提供するものである。
また、本発明(7)は、本発明(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記電解研磨に用いられる銅合金箔が、銅合金箔の未処理箔であることを特徴とする銅合金箔の製造方法を提供するものである。
また、本発明(8)は、本発明(1)〜本発明(7)のいずれかの製造方法で得られることを特徴とする銅合金箔を提供するものである。
また、本発明(9)は、本発明(8)において、電解研磨された銅合金箔表面の粗度Rが2.5μm以下であることを特徴とする銅合金箔を提供するものである。
本発明に係る銅合金箔の製造方法によれば、本発明の電流効率で電解研磨を行うことにより、投入した電荷量に対して効率よく電解研磨を行うことができ、電解研磨時間が短く、低コストで薄型の銅合金箔を製造することができ、また、得られる銅合金箔表面の粗度が適度に大きくなり、箔の表面に物質を塗布する場合等に該物質が脱落し難くなる。また、電解研磨の際、研磨液のリン酸濃度が低くて済むため研磨液の廃水処理の負荷も小さくすることができる。
(本発明に係る銅合金箔の製造方法)
本発明に係る銅合金箔の製造方法では、リン酸水溶液を用いて銅合金箔表面を電解研磨する。電解研磨に供される銅合金箔としては、銅合金からなる未処理箔が挙げられる。ここで、未処理箔とは、その表面にコブを形成する粗化処理等の表面処理が行われていない銅合金箔を意味する。また、銅合金箔の組成としては、銅と合金化可能な金属元素と銅とからなる合金であればよく特に限定されないが、例えば、コルソン合金(Cu−Ni−Si系合金)、洋白(Cu−Zn−Ni系合金)、リン青銅(Cu−Sn−P系合金)、黄銅(Cu−Zn系合金)、Cu−Be系合金、Cu−Ti系合金等が挙げられる。また、本発明で用いられる銅合金箔は、圧延銅合金箔、電解銅合金箔等、特に限定されないが、通常は製造し易さ及びコストの点から圧延銅合金箔が用いられる。
本発明で電解研磨に供される銅合金箔は、厚さについては特に限定されず、例えば12μm〜70μmである。このうちでも、厚さが18μmの箔、すなわち、厚さが通常12μm〜20μmの範囲内にある銅合金箔を用いると、本発明の電解研磨処理により、効率よく且つ表面の粗度を適度に荒らして電解研磨した上で、厚さが8μm〜12μm程度の薄型化した回路や電極の材料用の銅合金箔を得易く好ましい。なお、本発明において電解研磨量とは、電解研磨により実際に溶解除去された銅合金箔の重量を単位面積当りの平均厚さに換算した値を示す。また、電解研磨に供される銅合金箔の表面の粗度Rも特に限定されない。
本発明で用いられるリン酸水溶液は、リン酸(HPO)の水溶液であり、溶媒として用いる水としては純水、超純水等が挙げられる。
リン酸水溶液は、リン酸濃度が、通常380g/l〜600g/l、好ましくは450g/l〜550g/lである。リン酸濃度が該範囲内にあると、銅合金箔表面に模様が出にくく、表面処理機で実現可能な電流密度で電解研磨を行い易いため好ましい。一方、リン酸濃度が380g/l未満であると、電流密度50A/dm以上が必要になってコストが高くなり、また場合によっては銅合金箔表面に赤っぽい模様が出ることがあるため好ましくなく、また、600g/lを超えると、研磨液の粘度が高いために気泡痕の縦筋模様が銅合金箔表面に発生し易く、また適正電流密度が下がることにより電解研磨に要する時間が長くなり、生産性が低くなり易いため好ましくない。
上記リン酸水溶液は、水、リン酸及び電解研磨により銅合金箔から溶出する成分以外の成分を含まないことが好ましい。例えば、リン酸水溶液は、塩化物イオン濃度が実質的にゼロであることが好ましい。
リン酸水溶液は、温度が、通常20℃〜40℃、好ましくは30℃〜40℃である。温度が該範囲内にあると、銅合金箔表面の電解研磨を十分に図ることができるため好ましい。一方、温度が20℃未満であると、銅合金箔表面に波型模様が発生し易く、また電流効率が低下することにより投入電荷量を増加させ、この結果処理時間が長くなり易いため好ましくなく、また、40℃を超えると、銅合金箔表面の電解研磨を十分に図れなくなるため好ましくない。なお、ここにいう電流効率とは、本明細書で定義する後述の意味で用いる。
本発明において電解研磨は、上記リン酸水溶液を用い、銅合金箔表面をアノード(陽極)として直流エッチングを行う。なお、電解研磨の前には、銅合金箔表面を酸洗することにより銅合金箔表面の清浄な面を露出させると、銅合金箔表面の酸化膜等が除去されて電解研磨が均一に行われ易いため好ましい。該酸洗に用いる酸としては、例えば、希硫酸、リン酸等が挙げられる。このうち、リン酸の水溶液として上記リン酸水溶液を用いると、上記リン酸水溶液に銅合金箔を浸漬すればそのまま酸洗を行うことができるため、酸洗槽を別途用意する必要がなく低コスト且つ手順が簡単で済むと共に、酸洗と研磨液が同一組成であるため酸洗による研磨液の組成変化を生じることがなく電解研磨による銅合金箔表面の仕上がりが均一になり易いため好ましい。
電解研磨は、これに要する電流密度が、通常30A/dm〜60A/dm、好ましくは40A/dm〜50A/dmである。電流密度が該範囲内にあると、銅合金箔表面の電解研磨を十分に図ることができるため好ましい。一方、電流密度が30A/dm未満であると、電解研磨面の電解研磨が、研磨液中のリン酸、銅等の濃度変動の影響を大きく受けて充分に行えない場合があり、また、電解研磨に要する時間がかかり生産性が悪くなり易いため好ましくなく、また、60A/dmを超えると、銅合金箔の電解研磨面の十分な電解研磨が図れなくなり易い上、銅合金箔自体に電流を流す表面処理機では発熱が大きくなり処理できなくなる可能性があり、また、反応速度が速いために粗度のばらつきが大きくなる可能性もあるため好ましくない。
本発明において電解研磨は、これに要する電荷量が、通常1000C/dm〜5000C/dm、好ましくは1500C/dm〜4000C/dmである。電荷量が該範囲内にあると、電解研磨による電解研磨が十分に行われる一方、電解研磨に要する電荷量以上の電荷を供することにより無駄に銅合金箔表面を研磨しすぎることが起こり難いため好ましい。
電解研磨において、直流エッチングは電流を連続的に流し続けるようにすることが好ましい。このように電流を連続的に流すと銅合金箔表面の表面に銅濃度の勾配が生じて拡散層が形成されることにより、銅合金箔表面の電解研磨を図り易いため好ましい。一方、電流を断続的に流したりPR電解(極性反転電解)したりすると、拡散層が十分に形成されず、銅合金箔表面の粗度の適正化を図り難くなるおそれがある。
本発明において電解研磨は、これに要する電流効率が、通常62%〜90%、好ましくは68%〜87%になる条件で行う。電流効率が該範囲内にあると、銅合金箔表面の電解研磨を十分に図ることができるため好ましい。一方、電流効率が62%未満であると、銅合金箔表面の電解研磨を十分に図ることができないため好ましくなく、また、電流効率が90%を超えると、銅合金箔表面の粗度が高くなりすぎるおそれがあるため好ましくない。なお、好ましい値の上限を87%とした理由は、電流効率が87%を超え且つ90%以下の領域では、電流効率の変動に対する粗度の変動が生じ易いことにより粗度にバラツキが生じ易いことにある。なお、本明細書において電流効率とは、銅合金箔の電解研磨のために投入した電荷量、すなわち、電流と時間との積である電荷量(Q)と、電解研磨により銅合金がそれぞれの元素のイオンになるとし、実際に溶解除去された銅合金箔の重量より換算される電荷量(Q)とから、Q/Qで求められる値をいう。すなわち、電流効率が高いほど同量の電荷又は電流を流した場合に銅合金箔表面の研磨量が大きくなる関係にある。
上記電解研磨を行うと、銅合金箔表面が電解研磨された銅合金箔が得られる。また、電解研磨量は、通常2μm〜20μmである。また、厚さが12μm〜20μmの範囲内にある銅合金箔を用いる場合は、前記電解研磨に要する電荷量が3000C/dmの場合における電流効率が68%〜87%で、且つ電解研磨量を通常2μm〜12μm、好ましくは6μm〜10μmとすると、電解研磨の電流効率が本発明の好適な範囲内になり易いため好ましい。なお、電解研磨後の銅合金箔は、適宜水洗を行ってリン酸水溶液を除去することにより、後のコブ処理等の表面処理工程液を汚染しないようにすることが好ましい。
また、水洗した銅合金箔は、リン酸よりも酸解離定数Kが大きい酸で且つ銅と錯体を実質的に形成しない酸を用いて酸洗すると、銅合金箔表面に吸着したリン酸が本酸洗工程によりリン酸がほぼ完全に除去されて電解研磨後の銅合金箔への防錆処理等が容易になるため好ましい。本工程で用いられる酸としては、例えば、希硫酸等が挙げられ、このうち希硫酸は安価であり、臭気の問題が生じ難いため好ましい。
また、該酸洗後の銅合金箔は、適宜水洗を行って銅合金箔表面の酸を除去すると、該酸による銅合金箔の不要な酸化を起こさないようにすることができるため好ましい。
また、該水洗後の銅合金箔は、このまま乾燥させてもよいが、乾燥前に、適宜BTA(ベンゾトリアゾール)等の防錆剤を表面に塗布し、水洗すると銅合金箔表面の防錆を図ることができるため好ましい。
(本発明に係る銅合金箔)
本発明に係る銅合金箔は、上記本発明に係る銅合金箔の製造方法で製造されるものである。該銅合金箔は、電解研磨された銅合金箔表面の粗度Rが、通常2.5μm以下、好ましくは0.5μm〜2.5μmであると、粗度が適度に大きく、銅合金箔を回路や電極の材料として用いた場合に表面に塗布されることが多い物質が表面から脱落し難いため好ましい。
本発明に係る銅合金箔及びその製造方法は、例えば、電極や回路を形成する材料用途の銅合金箔及びその製造に用いることができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
実施例で用いた装置、測定試料及び研磨液は以下のとおりである。
(電解研磨装置)
試料を電解研磨する装置として、アノード−カソード間の流路が断面矩形であり、且つ循環ポンプを用いてアノード−カソード間に電解液(研磨液)を下方から連続して供給しつつ電解可能なものを用いた。
(測定試料)
試料として縦10cm×横10cmの圧延コルソン合金箔(Cu−Ni−Si系合金、厚さ18μm、表面のR0.35μm)を用いた。
(研磨液の調製)
品位85%の特級リン酸(HPO)を純水に溶解し、品位85%のリン酸濃度が500g/l(リン酸に換算した濃度が425g/l)のリン酸水溶液(研磨液A)を調製した。
また、98%の濃硫酸を純水と混合し、98%の濃硫酸濃度が250g/lの希硫酸(研磨液I)を調製した。
(予備酸洗)
まず、電解研磨装置の電解槽に研磨液Aを2l満たし、上記試料を研磨液A中に浸漬し、循環ポンプを作動させ、研磨液を20l/minで循環させて15秒間試料の表面を酸洗した。
(電解研磨)
次に、研磨液A中において、循環ポンプを作動させて研磨液を20l/minで循環させたまま、試料の表面の縦10cm×横10cmの面と対極である銅板の縦10cm×横10cmの面とを、両者が対向し且つ4cm離間する位置に配置した後、速やかに、試料の表面をアノード、銅板をカソードとして、研磨液温度38℃、電流密度40A/dm、電解時間40秒(電荷量1600C/dm)の条件で電流を連続的に流して直流エッチングすることにより銅合金箔表面の電解研磨を行った。電解研磨終了後、試料を純水で洗浄した。
(酸洗)
次に、濃度が100g/lであり且つ温度が室温である希硫酸に試料を1秒間浸漬して、酸洗を行った。酸洗終了後、試料を純水で洗浄した。
(防錆処理)
次に、濃度1g/lのBTA水溶液に試料を1秒間浸漬して、防錆処理を行った。防錆処理終了後、試料を純水で洗浄し、乾燥し、研磨後試料を得た。
研磨後試料について、表面の粗度R、研磨量及び電流効率を測定した。測定方法を以下に示す。なお、ここに示す研磨量は、与える電荷量を一定(1600C/dm)にした条件の下での実際の電解研磨量であるから、電流効率に比例し、電流効率を間接的に示す指標である。
研磨後の箔の厚さは13.7μm、研磨後の表面の粗度Rは、2.35μm、研磨量は4.3μm、電流効率は73%、気泡による縦筋模様の発生は良好(○)であった。
(粗度Rの測定方法):先端がφ2μmのダイヤモンドボールである接触式の表面粗度計(小坂株式会社製、商品名:SEF−30D)を用いて、表面粗度を測定した。測定長さは0.8mmとした。RはJISB0601に準拠して測定したものであり、具体的には、Rは十点平均値粗さを示す。
(研磨量の測定方法):電解研磨前の試料の縦10cm×横10cmの単位面積当り重量W(g/dm)から電解研磨した試料の縦10cm×横10cmの単位面積当り重量W(g/dm)を差し引いて、試料の縦10cm×横10cmにおける重量減少分ΔW(g/dm)を求め、該ΔWを銅合金の密度8.82(g/cm)で除した値についてμm単位で示した値を、試料の縦10cm×横10cmにおける研磨量(μm)とした。
電流効率:与えた電気量が全て銅合金箔を構成する元素のイオンになる反応に消費されるものとして算出される理論的な試料の単位面積当りの重量減少分ΔWid(g/dm)に対する、実際に電解研磨により溶解除去された銅合金箔の重量ΔW(g/dm)の割合ΔW/ΔWidを、電流効率とした。
(気泡による銅合金箔への縦筋模様の発生の有無の評価方法):電解研磨後の銅合金箔の電解研磨面を肉眼で観察し、気泡による縦筋模様が発生しているか否かを判断した。評価基準は、縦筋模様の発生が全く認められないものを○、縦筋模様の発生が少し認められるが出荷の際の検査に支障がない程度のものを△、縦筋模様の発生が多く認められるものを×と判断した。
本発明に係る銅合金箔の製造方法によれば、本発明の電流効率で電解研磨を行うことにより、投入した電荷量に対して効率よく電解研磨を行うことができ、電解研磨時間が短く、低コストで薄型の銅合金箔を製造することができ、また、得られる銅合金箔表面の粗度が適度に大きくなり、箔の表面に物質を塗布する場合等に該物質が脱落し難くなる。また、電解研磨の際、銅合金箔に縦筋模様等の見た目の不良が発生し難く、さらに研磨液のリン酸濃度が低くて済むため研磨液の廃水処理の負荷も小さくすることができる。
本発明に係る銅合金箔及びその製造方法は、例えば、電極や回路を形成する材料用途の銅合金箔及びその製造に用いることができる。


Claims (9)

  1. リン酸水溶液を用いて銅合金箔表面を電解研磨する銅合金箔の製造方法であって、前記電解研磨は、一定の電流密度で連続して前記銅合金箔表面の電解研磨を行った場合の電流効率が62%〜90%になる条件で行うことを特徴とする銅合金箔の製造方法。
  2. 前記リン酸水溶液のリン酸濃度が、380g/l〜600g/lであることを特徴とする請求項1に記載の銅合金箔の製造方法。
  3. 前記電解研磨の電流密度が、30A/dm〜60A/dmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅合金箔の製造方法。
  4. 前記電解研磨に要する電荷量が、1000C/dm〜5000C/dmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の銅合金箔の製造方法。
  5. 前記リン酸水溶液の温度が、20℃〜40℃であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の銅合金箔の製造方法。
  6. 前記銅合金箔は、電解研磨に供される銅合金箔が厚さ12μm〜20μmであり、前記電解研磨に要する電荷量が3000C/dmの場合における電流効率が68%〜87%で、且つ前記銅合金箔の電解研磨量が2μm〜12μmであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の銅合金箔の製造方法。
  7. 前記電解研磨に用いられる銅合金箔が、銅合金箔の未処理箔であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の銅合金箔の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の製造方法で得られることを特徴とする銅合金箔。
  9. 電解研磨された銅合金箔表面の粗度Rが2.5μm以下であることを特徴とする請求項8に記載の銅合金箔。

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