JP2005336308A - 導電性樹脂シートおよび電子部品などの収納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容器に成形されたとしても、導電性粒子の剥落がなく、また、帯電防止に有効な電気的性質を維持し、しかも容器に成形した状態でも残留帯電位を5ボルト以下に維持することができ、結果として電子部品を損傷させることがない導電性樹脂シートおよび電子部品の収納容器を提供すること。
【解決手段】 熱可塑性樹脂シートとその一方の表面に形成された導電層とからなり、上記熱可塑性樹脂シートが帯電防止剤を含有していることを特徴とする導電性樹脂シートおよび電子部品の収納容器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、帯電防止性に優れた導電性樹脂シートおよび電子部品などの収納容器に関する。なお、本発明において「導電性」とは帯電防止効果を有する程度の導電性を意味している。
従来、各種電子部品、例えば、IC、コンデンサ、トランジスタ、LSI、液晶表示素子用部品など(以下、纏めて「電子部品」という)は、帯電した静電気のスパークによって破壊され易いために、これらの電子部品は、導電性(帯電防止性)のキャリヤーテープやキャリヤートレイなどと称される容器に封入されて保管および輸送などが為されている。これらの電子部品の容器は、(1)熱可塑性樹脂に導電剤や帯電防止剤を練り込み、これをシート状に成形した後、所望の形状に成形する方法、または(2)熱可塑性樹脂シートの表面に導電塗料などにより導電層を形成した後、上記と同様に成形する方法によって製造されている。
上記(1)の方法における導電剤としては、それ自体の体積固有抵抗値が105Ω/□以下の金属粉、導電性カーボン、繊維状導電物質、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電剤粒子が挙げられ、また、帯電防止剤としては、それ自体の体積固有抵抗値が106Ω/□以上であるイオン性低分子物質やイオン性高分子物質、例えば、アニオン性、カチオン性、またはノニオン性親水性基を有する低分子物質や高分子物質が挙げられる。上記(1)の方法において、105Ω/□以下の体積固有抵抗値の導電剤粒子を使用した場合には、導電性樹脂シートを真空成形やプレス成形などの熱成形によって成形すると、樹脂シートが局部的に延伸され樹脂シートが薄くなる結果、導電剤粒子が成形物表面に露出する割合が増加し、これらの導電剤粒子の剥落が発生し、剥落した導電剤粒子が電子部品にショート損傷(剥落した導電剤粒子が電子部品の端子間に挟まり、回路をショートさせる現象)を与えたり、電子部品の外観汚染を生じるという課題がある。
一方、上記(1)の方法において、106Ω/□以上の体積固有抵抗値の帯電防止剤を使用し、上記と同様に熱成形した場合、帯電防止剤は通常樹脂と相溶していることから、当然導電性粒子の剥落は発生しないが、上記と同様に樹脂シートが局部的に延伸され、樹脂シートが薄くなる結果、得られる成形品の表面固有抵抗値が1010Ω/□以上となってしまい、充分な帯電防止性が得られないという課題がある。
また、前記(2)の方法の場合も同様に、導電層を有する樹脂シートを真空成形やプレス成形などの熱成形で容器形状に成形した場合、樹脂シートと同様に導電層も不均一に延伸され、局部的に非常に薄くなり、該薄くなった導電層内部の導電性粒子同士の接触機会が減少し、場合によっては導電層が不連続になる場合も考えられ、現実的には表面固有抵抗値が高くなり、帯電防止性が失われるという問題がある。
さらに近年、電子部品の小型化の進行に伴って、小型化電子部品の破壊電圧が非常に低くなり、これらの部品の容器の帯電位としては5ボルト以下であることが要求されるようになった。これに対して従来の帯電防止剤の性能は、主に表面固有抵抗値や体積固有抵抗値によって表わされてきたが、これらの表面固有抵抗値や体積固有抵抗値は一定の面積や体積における抵抗値の平均値を表現するものであって、これらの表面固有抵抗値や体積固有抵抗値が低い場合でも、局部的な帯電によって電子部品が破壊される場合が発生している。このような破壊は、容器の局部的な帯電と放電によって生じることが原因であると想像される。従って電子部品の静電気による破壊を完全に防止するためには、容器の表面固有抵抗値や体積固有抵抗値を基準に判断することは、現在では不適当であり、容器が帯電しかつ放電した後に容器に残る残存帯電位に注目することが重要である。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決し、容器に成形されたとしても、導電性粒子の剥落がなく、また、帯電防止に有効な電気的性質を維持し、しかも容器に成形した状態でも残留帯電位を5ボルト以下に維持することができ、結果として電子部品を損傷させることがない導電性樹脂シートおよび電子部品の収納容器を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂シート(以下、「樹脂シート」という)とその一方の表面に形成された導電層とからなり、上記樹脂シートが帯電防止剤を含有していることを特徴とする導電性樹脂シートを提供する。
上記導電性樹脂シートにおいては、樹脂シート中の帯電防止剤が、イオン性帯電防止剤であり、かつ導電層中の導電剤が、粒子状の導電剤であること;および導電性樹脂シートの少なくとも1部を延伸させて熱成形した場合の該成形物の帯電位が5ボルト以下であることが好ましい。
また、本発明は、樹脂シートを熱成形により容器形状またはトレイ形状に成形してなる電子部品などの収納容器において、一旦強制的に帯電させ、放電させた後の該容器の残留帯電位が5ボルト以下であることを特徴とする電子部品などの収納容器を提供する。上記樹脂シートとしては、前記本発明の導電性樹脂シートを使用することが好ましい。
本発明によれば、容器に成形されたとしても、導電性粒子の剥落がなく、また、帯電防止に有効な電気的性質を維持し、しかも容器にした状態でも残留帯電位を5ボルト以下に維持することができ、結果として電子部品を損傷させることがない導電性樹脂シートおよび電子部品の収納容器を提供することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。図1は、本発明の導電性樹脂シートの断面を図解的に説明する図である。本発明の導電性樹脂シートは図示の通り、樹脂シートの少なくとも一方の面、好ましくは両面に導電層が形成されている構成である。図2は、図1に示す導電性樹脂シートを熱成形により成形し、多数の容器を並列的に形成した状態を示している。導電性樹脂シートをこのような状態に成形すると、導電性樹脂シートは延伸され、樹脂シートとともに導電層も延伸され、その厚みが、もとの厚さの1/2〜1/4程度に減少する。この際、容器のコーナー部分は不均一な圧力がかかることにより、図2の拡大図に示すように、特に導電層の厚みが減少する。
従来技術においては、上記のように導電層を形成した樹脂シートから容器を熱成形した場合、導電層の厚みが局部的に著しく減少する結果、薄くなった導電層の導電性が低下したり、或いは導電層が不連続になって帯電防止性が失われることがあり、特に帯電・放電後の容器の残留帯電位を5ボルト以下にすることが困難であった。
本発明によれば、導電層を形成するための樹脂シート中に帯電防止剤を予め含有させておき、かつ導電層を形成して導電性樹脂シートとし、該導電性樹脂シートを熱成形した場合、従来と同様に導電層の厚みが局部的に極端に薄くなり、また、局部的に破断しても、得られた容器の帯電・放電後の残留帯電位を5ボルト以下に維持することができることを見出した。従って本発明の導電性樹脂シートから形成した容器は、静電気によって破壊され易い電子部品の包装に有用である。
本発明で使用する樹脂シートを構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。本発明では、これらの樹脂から樹脂シートを製造する際、樹脂中に帯電防止剤を含有させる。使用する帯電防止剤としては、従来公知の帯電防止剤がいずれも使用可能であるが、アニオン性基、カチオン性基、または親水性ノニオン性基を有する低分子量界面活性剤、およびこれらの基を有する高分子量界面活性剤が有用である。これらの界面活性剤は樹脂の帯電防止剤として従来から使用されており、これらの従来公知の帯電防止剤はいずれも本発明で使用できる。
上記帯電防止剤を含む樹脂シートは、樹脂ペレットに適量の帯電防止剤を混合し、該混合物を押出機などの適当な混練装置により均一に混練し、帯電防止剤含有樹脂ペレットを製造し、該樹脂ペレットを用いてTダイ法などにより適当な厚み、例えば、0.15〜1.5mmの厚みに成形することによって得られる。この際、使用する帯電防止剤の使用量は、用いる帯電防止剤の種類によって異なり、一概には決められないが、好ましい使用量の基準としては、得られた樹脂シートの表面固有抵抗値(20℃50%RHにて、Hiresta I P-HT260(三菱油化(株)製)にて測定した値である。以下同じ)が106〜1010Ω/□となる量である。
上記樹脂シートの表面固有抵抗値を106Ω/□より低くするためには、多量の帯電防止剤を要するので樹脂シートの物性を低下させる場合があり、好ましくない。一方、樹脂シートの表面固有抵抗値が1010Ω/□より高くなる帯電防止剤の使用量では、本発明の目的が達成されない場合がある。なお、106〜1010Ω/□の表面固有抵抗値を有する樹脂シートを、図2に示すように熱成形により成形した場合には、成形物の表面固有抵抗値は1010Ω/□を超える値となってしまい、成形後の容器の残留帯電位を5ボルト以下に維持することができない。
本発明では上記の帯電防止剤含有樹脂シートの少なくとも一方の表面、好ましくは両面に導電層を形成する。これらの導電層の形成は導電塗料を用いて形成することが好ましい。導電塗料は、皮膜形成材料を含有する有機溶剤溶液中に導電剤粒子を分散させたものであって、それ自体は従来公知であり、公知の導電塗料はいずれも本発明で使用することができる。使用する導電剤粒子としては、導電性カーボンブラック、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、金属粉末などの導電剤粒子が挙げられ、皮膜形成材料としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、導電剤粒子と皮膜形成成分との使用割合は、導電剤粒子100質量部当たり、皮膜形成成分1,000〜300質量部の範囲が好ましい。有機溶剤としてはこれらの熱可塑性樹脂を溶解する有機溶剤であればよい。
上記導電塗料を樹脂シートに塗布する方法は、特に限定されず、グラビアコーター、ロールコーター、バーコター、スプレーコーターなど任意の方法でよい。導電塗料の塗布量は、導電塗料を構成している導電剤粒子の種類や導電塗料中の導電剤粒子の濃度などによって異なり、一概には規定できないが、好ましい塗布量の基準としては、乾燥後膜厚が1〜3μm程度になり、得られた導電層の表面固有抵抗値が104〜106Ω/□となる塗布量である。上記導電層の表面固有抵抗値を104Ω/□より低くするためには、多量の導電剤粒子を要し、導電層の中の皮膜形成成分の量が相対的に低下し、容器に成形した後の導電粒子の剥落が生じる畏れがある。一方、導電層の表面固有抵抗値が106Ω/□より高くなると、容器に成形した場合の該容器の残留帯電位を5ボルト以下に維持することが困難になる場合がある。
本発明の電子部品の容器は、樹脂シートを熱成形により容器形状に成形してなる電子部品の収納容器において、一旦強制的に帯電させ、放電させた後の該容器の残留帯電位が5ボルト以下であることを特徴としている。このような容器は、残留帯電位が5ボルト以下であれば、如何なる方法で成形してもよいが、前記本発明の導電性樹脂シートを用いて形成することが好ましい。
本発明の上記電子部品の容器を製造する方法は、何れの熱成形方法によってもよいが、代表的には真空成形が好ましい。真空成形には雌型を使用するストレート成形、雄型を用いるドレープ成形およびこれらの方法を組み合わせたプラグアシスト成形方法があり、いずれの方法も使用可能である。これらの成形方法においては、前記導電性樹脂シートをその軟化温度に加熱して雄型または雌型或いは雄型と雌型によって容器形状に成形し、冷却後脱型して容器が得られる。このようにして成形された容器の導電性樹脂シートの厚みは、通常0.04〜0.8mmの範囲が好ましい。
上記成形方法によって成形すると、成形時に導電性樹脂シートが面積比で数倍に引き伸ばされ、その結果、導電性樹脂シートの厚みが1/2〜1/4程度に減少し、図2に示すように特に容器のコーナー部においては、導電層が非常に薄くなって、導電剤粒子同士の接触機会が減少したり、場合によっては導電層が不連続になる部分が発生することもある。このような場合には従来技術においては帯電防止性が失われたが、前記本発明の導電性樹脂シートを用いて容器を成形した場合には、帯電防止性能は失われず、該容器の残留帯電位を5ボルト以下に維持することができる。
以上の如き本発明の効果が得られる理由は不明であるが、熱成形によって薄膜化された導電層において導電剤粒子同士の接触状態が減少したり、導電層に微細な亀裂が発生したとしても、導電層の下地である樹脂シート中に帯電防止剤が含有されていることで、容器全体における導電性が維持され、該容器全体が帯電したとしても、帯電気は直ちにアースされ、容器に残る帯電位が5ボルト以下に維持されるものと推測される。
なお、本発明において、容器の帯電位とは、以上に説明した容器を、アースされているステンレスの板上に載置し、この状態で容器の表面全体を絶縁ゴム手袋で軽く10回摩擦して容器を帯電させ、この状態で米国TREK社製の帯電位測定装置(モデル520)のセンサーを、上記容器の周囲の5〜25mmの範囲に近付け、上記容器の電位を測定した値である。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
実施例1
ハイインパクトポリスチレンペレット79部、CF3LiSO31部および分子量2万のポリエチレンオキサイド20部をタンブラーにて混合した後、該混合物を200℃の加工温度で押出機にて均一に混練してペレットを製造した。このペレットを用いて加工温度200〜220℃でTダイ法により厚み0.7mmの帯電防止剤含有樹脂シートを作成した。このシートの表面固有抵抗値は109Ω/□であった。表面固有抵抗値は20℃50%RHにて、Hiresta I P-HT260(三菱油化(株)製)にて測定した。以下の記載においても同様である。
一方、ポリウレタン樹脂15部をメチルエチルケトン/酢酸エチル(質量比1/1)混合溶剤73部に溶解したポリウレタン樹脂溶液に、12部の導電性カーボンを分散させて導電塗料を調製した。この導電塗料を前記の帯電防止剤含有樹脂シートの両面に乾燥後の厚みが0.5〜1.0μmとなる塗布量で塗布および乾燥して導電層を形成した。この導電層の表面固有抵抗値は105Ω/□であった。
次に上記の導電層を形成した樹脂シートの表面を180℃に加熱して真空成形により電子部品収納用容器に成形した。該成形品の各個所の厚みを測定した結果、最も薄い部分の厚みは0.16mmであった。この成形品をアースされているステンレス板上に載置し、この状態で成形品の表面全体を絶縁ゴム手袋で軽く10回摩擦して成形品を帯電させ、同時にステンレス板に放電させた。この状態で米国TREK社製の帯電位測定装置(モデル520)のセンサーを、上記成形品の5〜25mmの範囲に近付け、上記成形品の帯電位を測定した。結果を後記表1に示す。上記容器に所定の電子部品を収納し、これを10枚重ねて、振動機にセットして、振動条件を加振加速度29〜55Hz、X、Y方向各30分間およびZ方向1時間として振動させ、容器表面からの導電性粒子の剥落状況を観測した。この導電性粒子の剥落試験は以下の記載においても同様である。結果を後記表1に示す。
実施例2
脂肪族第4級アンモニウムサルフェート2部とハイインパクトポリスチレンペレット98部とをタンブラーにて混合し、該混合物を用いた以外は実施例1と同様にして帯電防止剤含有樹脂シートを作成した。このシートの表面固有抵抗値は1010Ω/□であった。このシートの両面に実施例1と同じ導電塗料を実施例1と同様にして同様な塗布量で塗布して導電層を形成した。この導電層の表面固有抵抗値は105Ω/□であった。以下実施例1と同様にして電子部品収納用容器を成形し、実施例1と同様にして該容器の帯電位および導電性粒子の剥落試験を行なった。得られた結果を後記表1に示す。
実施例3
パラトルエンスルホン酸でドーピングしたポリアニリン3部を、ポリメチルメタクリレート12部を85部のテトラヒドロフランに溶解した溶液中に分散させて導電塗料を調製した。この導電塗料を使用する以外は、実施例1と同様にして導電層を有する帯電防止剤含有樹脂シートを作成した。この導電層の表面固有抵抗値は104Ω/□であった。また、実施例1と同様にして電子部品収納用容器を成形し、該容器の帯電位および導電性粒子の剥落試験を行なった。得られた結果を後記表1に示す。
実施例4
ポリエチレンテレフタレート−G75部、分子量2万のポリエチレンオキサイド23部およびCF3LiSO32部をタンブラーにて混合し、該混合物を200〜240℃の加工温度で押出機にて均一に混練してペレットを製造した。このペレットを用いて加工温度200〜240℃でTダイ法により厚み0.7mmの帯電防止剤含有樹脂シートを作成した。このシートの表面固有抵抗値は1010Ω/□であった。このシートの両面に実施例3と同じ導電塗料を実施例1と同様にして同様な塗布量で塗布して導電層を形成した。この導電層の表面固有抵抗値は104Ω/□であった。以下実施例1と同様にして電子部品収納用容器を成形し、該容器の帯電位および導電性粒子の剥落試験を行なった。得られた結果を後記表1に示す。
比較例1
実施例1において、導電層を形成しない以外は実施例1と同様にして電子部品収納用容器を成形し、該容器の帯電位の測定を行なった。得られた結果を後記表1に示す。
比較例2
実施例1において、帯電防止剤を使用しないで、ハイインパクトポリスチレンペレットのみで実施例1と同様にして樹脂シートを作成した。該シートの表面固有抵抗値は1012Ω/□であった。このシートを用いて他は実施例1と同様にして導電層を形成し、さらに実施例1と同様にして電子部品収納用容器を成形し、該容器の帯電位の測定および導電性粒子の剥落試験を行なった。得られた結果を後記表1に示す。
比較例3
実施例1と同様な条件でハイインパクトポリスチレンペレットの代わりにポリエチレンテレフタレート−Gを用いて帯電防止剤含有樹脂シートを作成した。このシートに導電層を形成せずに実施例1と同様にして電子部品収納用容器を成形し、該容器の帯電位の測定を行なった。得られた結果を後記表1に示す。
比較例4
ハイインパクトポリスチレンペレット85部と導電性カーボン15部とをニーダーにて200℃で5分間均一に混練した。この混練物を用いて加工温度200〜220℃でTダイ法により厚み0.7mmの導電剤含有樹脂シートを作成した。このシートの表面固有抵抗値は105Ω/□であった。このシートを用いて実施例1と同様にして電子部品収納用容器を成形し、該容器の帯電位の測定および導電性粒子の剥落試験を行なった。得られた結果を後記表1に示す。
比較例5
ハイインパクトポリスチレンペレット単独を用いて実施例1と同様にして樹脂シートを作成し、該シートに導電層を形成することなく、実施例1と同様にして電子部品収納用容器を成形し、該容器の帯電位の測定を行なった。得られた結果を後記表1に示す。
Figure 2005336308
上記表1から明らかであるように、本発明による電子部品の収納容器は、その帯電位が5ボルト以下であり、電子部品を収納した状態で振動させても導電性粒子の剥落が生じない。これに対して比較例1〜3、5の場合には帯電位が5ボルトよりも遥かに高く、また、帯電位が5ボルト以下の比較例4では導電性粒子の剥落が生じた。
本発明によれば、容器に成形されたとしても、導電性粒子の剥落がなく、また、帯電防止に有効な電気的性質を維持し、しかも容器にした状態でも残留帯電位を5ボルト以下に維持することができ、結果として電子部品を損傷させることがない導電性樹脂シートおよび電子部品の収納容器を提供することができる。
本発明の導電性樹脂シートの断面を図解的に示す図。 導電性樹脂シートから容器を成形する状態を説明する図。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂シートとその一方の表面に形成された導電層とからなり、上記熱可塑性樹脂シートが帯電防止剤を含有していることを特徴とする導電性樹脂シート。
  2. 熱可塑性樹脂シート中の帯電防止剤が、イオン性帯電防止剤であり、かつ導電層中の導電剤が、粒子状の導電剤である請求項1に記載の導電性樹脂シート。
  3. 導電性樹脂シートの少なくとも1部を延伸させて熱成形した場合の該成形物の帯電位が5ボルト以下である請求項1に記載の導電性樹脂シート。
  4. 熱可塑性樹脂シートを熱成形により容器形状またはトレイ形状に成形してなる電子部品などの収納容器において、一旦強制的に帯電させ、放電させた後の該容器の残留帯電位が5ボルト以下であることを特徴とする電子部品などの収納容器。
  5. 熱可塑性樹脂シートが、請求項1〜3の何れか1項に記載の導電性樹脂シートである請求項4に記載の電子部品などの収納容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010509108A (ja) * 2006-11-14 2010-03-25 コロン グロテック,インコーポレイテッド 発熱ファブリックおよびその製造方法
JP2010158795A (ja) * 2009-01-06 2010-07-22 Regulus Co Ltd 電子部品の収納容器および帯電防止樹脂シート

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