JP2005336169A - 切り花用鮮度保持剤を収容した構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】切り花用鮮度保持剤を収容した利便性にすぐれる構造体、特に、生け水に投入したとき、生け水に浮きながら、生け水中に望ましい量の切り花用鮮度保持剤を望ましい時間にわたって放出する、切り花用鮮度保持剤を収容した構造体を提供する。
【解決手段】本発明によれば、切り花用鮮度保持剤を保持した繊維集合体が耐水性を有するフィルムにて筒体状に巻き上げられてなる、切り花用鮮度保持剤を収容した構造体が提供される。好ましい態様によれば、上記フィルムには複数のピンホールが設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、切り花用鮮度保持剤を収容した利便性にすぐれる構造体に関し、詳しくは、生け水に浮きながら、生け水中に望ましい量の切り花用鮮度保持剤を望ましい時間にわたって放出する、切り花用鮮度保持剤を収容した構造体に関する。
生産農家や花屋において切り花の鮮度を保持する場合のみならず、一般家庭において切り花を生ける場合においても、切り花用鮮度保持剤を収容した利便性にすぐれる構造体が求められている。更には、近年、切り花は、その市場の統合化と大型化を背景として、流通に長時間を要するに至っていることから、切り花の流通段階においても、切り花用鮮度保持剤を収容した利便性にすぐれる構造体が求められている。
従来、切り花の鮮度を保持するための最も一般的な方法は、栄養剤としてのブドウ糖、果糖、ショ糖等の糖類、抗菌剤、界面活性剤、酸、その他の成分の1種又は2種以上を含む粉末状又は溶液状の薬剤の一定量を生け水に投入することである。
しかし、粉末状の薬剤からなる鮮度保持剤を水に溶解させれば、多くの場合、その比重が大きいので、生け水に均一に混じることなく、水容器の底部に高濃度のまま滞留し、かくして、切り花は、その切り口から高濃度の薬剤を吸い上げることとなり、切り花は却ってその寿命が短くなって、鮮度保持剤の使用が逆効果を生じる。
また、粉末状のみならず、溶液状の切り花用鮮度保持剤は、通常、高濃度の製剤として市販され、利用に供されているので、使用に当たっては、切り花を生けた水に投入する前に水にて希釈しなければならないし、しかも、このような切り花用鮮度保持剤は、正しい希釈率にて使用しなければ、良好な効果は保証されない。
本発明は、従来の切り花用鮮度保持剤における上述したような問題を解決するためになされたものであって、切り花用鮮度保持剤を収容した利便性にすぐれる構造体を提供することを目的とし、特に、生け水に投入したとき、生け水に浮きながら、生け水中に望ましい量の切り花用鮮度保持剤を望ましい時間にわたって放出する、切り花用鮮度保持剤を収容した構造体を提供することを目的とする。
本発明によれば、切り花用鮮度保持剤を保持した繊維集合体が耐水性を有するフィルムにて筒体状に巻き上げられていることを特徴とする切り花用鮮度保持剤を収容した構造体が提供される。本発明の好ましい態様によれば、上記フィルムには複数のピンホールが設けられている。
このような切り花用鮮度保持剤を収容した本発明による構造体は、本発明に従って、好ましくは、耐水性を有するフィルムにて繊維集合体を筒体状に巻き上げ、その巻き上げ端を接着して、スティック状物を得た後、切り花用鮮度保持剤を含む溶液を上記繊維集合体に含有させることによって得ることができる。切り花用鮮度保持剤を収容した上述した本発明による好ましい態様の構造体は、好ましくは、耐水性を有するフィルムに複数のピンホールを穿設した後、このフィルムにて繊維集合体を筒体状に巻き上げ、その巻き上げ端を接着して、スティック状物を得た後、切り花用鮮度保持剤を含む溶液を上記繊維集合体に含有させることによって得ることができる。
以下、本明細書において、切り花用鮮度保持剤を単に鮮度保持剤ということがあり、また、切り花用鮮度保持剤を収容した構造体を単に構造体ということがある。
切り花用鮮度保持剤を収容した本発明の構造体によれば、生け水に浮きながら、生け水中に上記切り花用鮮度保持剤の望ましい量が望ましい時間にわたって放出される。また、本発明に従って、鮮度保持剤を担持する繊維集合体がピンホールを有するフィルムにて筒状構造体に巻き上げられているときは、鮮度保持剤が構造体の端面のみならず、上記ピンホールからも生け水中に溶出するので、例えば、ピンホールの数や直径を調節することによって、構造体からの鮮度保持剤の溶出速度を任意に調節することができる。
更に、本発明によれば、鮮度保持剤として抗菌剤を用いるとき、水溶性のもののみならず、難水溶性のものも、構造体から生け水中に有効に溶出させることができる。また、切り花用鮮度保持剤を収容した本発明による構造体は、これを生け水に投入すれば、水に浮くので、生け水に鮮度保持剤が投与されたことを目視にて確認できる利点もある。
切り花用鮮度保持剤を収容した本発明による構造体は、上記鮮度保持剤を保持した繊維集合体が耐水性を有するフィルムにて筒体状に巻き上げられてなるものであり、好ましい態様によれば、上記フィルムには複数のピンホールが設けられている。
本発明において、上記繊維集合体は、これに切り花用鮮度保持剤を保持させるための担体として用いられるものであって、上記繊維としては、酢酸セルロース、ポリエステル、ポリプロピレン、乳酸ポリマー、綿等からなる繊維を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。このような繊維集合体は、本発明による構造体が生け水に浮くように、その比重が1.0よりも小さい繊維からなることが好ましい。例えば、紙巻き煙草のフィルターに用いられている酢酸セルロースからなるトウは、酢酸セルロース繊維の比重が1.0よりも小さく、入手も容易であるので、本発明において好ましく用いることができる繊維集合体の一例であり、同様に、ポリエステル繊維のトウも、比重が1.0よりも小さく、入手も容易であるので、本発明において好ましく用いることができる繊維集合体の一例である。
上記耐水性を有するフィルムは、切り花用鮮度保持剤を担持する繊維集合体を筒体状に巻き上げてなる構造体を生け水に投入したとき、その構造体が崩れないように保持することができれば、特に限定されるものではなく、例えば、セロハンのような紙でも、プラスチックフィルムでも、また、樹脂加工した紙でもよく、また、積層フィルムでもよい。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム等を挙げることができる。
本発明において、切り花用鮮度保持剤は、栄養剤である糖類、抗菌剤、酸、エチレン阻害剤、植物成長調節剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含み、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。好ましく用いられる切り花用鮮度保持剤の代表例としては、例えば、栄養剤である糖類、抗菌剤、界面活性剤等を含み、必要に応じて、酸、エチレン阻害剤、植物成長調節剤等を含む。本発明による構造体においては、このような切り花用鮮度保持剤は前記繊維集合体に保持されている。
上記栄養剤である糖類としては、前述したように、ブドウ糖、果糖、ショ糖等が好ましく用いられるが、しかし、これらに限定されるものではない。上記抗菌剤には、防腐剤、防藻剤、防黴剤、除菌剤、スライム防止剤等が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、本発明によれば、抗菌剤は、水溶性のもののほか、難水溶性のものも用いられる。
本発明において好ましく用いることができる水溶性の抗菌剤としては、例えば、5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ポリリシン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドのような第四級アンモニウム化合物等を挙げることができる。
他方、本発明において、難水溶性の抗菌剤とは、水への溶解度が室温(25℃)において300mg/100mL以下のものをいう。従って、本発明において好ましく用いることができる難水溶性の抗菌剤としては、例えば、4−クロロ−3,5−キシレノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)等を挙げることができる。
本発明によれば、このような難水溶性の抗菌剤は、例えば、次のようにして、繊維集合体に保持させ、担持させることができる。即ち、難水溶性の抗菌剤を溶解し得ると共に水と混和し得る有機溶媒か、又は難水溶性の抗菌剤を溶解し得ると共に水と混和し得る有機溶媒と水との混合溶媒に上記難水溶性の抗菌剤を溶解して溶液とし、これを繊維集合体に保持させるのである。上記有機溶媒としては、通常、エタノールのような低級脂肪族アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のような炭素原子数2又は3の多価アルコールが好ましく用いられる。また、テトラヒドロフランのようなエーテル類も有機溶媒として用いることができる。しかし、本発明において、用いることができる有機溶媒は、上記に限定されるものではない。
本発明による切り花用鮮度保持剤を収容する筒体状の構造体は、好ましくは、円筒状であるが、しかし、直方体状乃至シート状であってもよい。例えば、図1に一例として示す円筒状の構造体においては、フィルム1にて切り花用鮮度保持剤を保持した繊維集合体2が円筒状に巻き上げられて、その巻き上げ端3がヒートシールされている。このような円筒状の構造体の寸法の一例を挙げれば、直径1cm程度、長さ数cm、例えば、2〜5cm程度である。
このような構造体を生け水に投入すれば、繊維集合体に担持された鮮度保持剤は、いわば、生け水に抽出されるように、主として構造体の両端面から生け水中に溶出して、生け花の鮮度を保持する。
図2は、本発明による円筒状の構造体の好ましい一例を示し、この構造体においては、切り花用鮮度保持剤を保持した繊維集合体2が長手方向に複数のピンホール4を有するフィルム1にて円筒状に巻き上げられて、その巻き上げ端3がヒートシールされている。
このような構造体を生け水に投入すれば、繊維集合体に担持された鮮度保持剤は、構造体の両端面のみならず、フィルムに穿設された上記複数のピンホールからも生け水中に溶出して、生け花の鮮度を保持する。
上記ピンホールは、フィルムに単一の列を形成するように穿設されていてもよく、複数列に穿設されていてもよい。また、ランダムに穿設されていてもよい。このように、繊維集合体を巻き上げたフィルムの有するピンホールの直径やピンホールの数や、また、フィルムにて繊維集合体を巻き上げるときの繊維集合体の巻き締めの度合いによって、構造体を生け水に投入したときの構造体からの鮮度保持剤の放出速度を自由に制御することができる。更に、構造体からの鮮度保持剤の放出速度は、用いる繊維集合体の種類によっても調節することができる。
また、図3に示すように、本発明による構造体は、引き延ばされた円筒状であってもよい。このような構造体においては、フィルム1に巻き上げられた繊維集合体2の長手方向にその長さに比例して鮮度保持剤が担持されていると共に、上記フイルムには生け水の量に応じて構造体の最適の投入量を示す目盛り5が施されており、必要な場合には、適宜のメッセージ6が印刷されている。図示した例においては、フィルムにはピンホールが穿設されていることが好ましいが、図3にはピンホールは示されていない。このような構造体を使用するには、例えば、上記目盛りによって、生け水の量に応じて最適の投入量となるように、構造体を鋏等にて切断し、これを生け水に投入すれば、最適量の鮮度保持剤を生け水に投入することができる。図示した例においては、例えば、「生け水の量に応じて切り取ってご使用下さい」というメッセージ6が印刷されている。
更に、本発明による構造体は、図示しないが、繊維集合体の長手方向にその長さに比例して鮮度保持剤が担持されているロープ状物とすることもできる。
図4は、本発明による切り花用鮮度保持剤を収容する筒体状の構造体の別の一例を示し、この直方体状乃至シート状の構造体においては、長手方向に複数のピンホール4を有するフィルム1にて切り花用鮮度保持剤を保持した繊維集合体2が直方体状乃至シート状に巻き上げられて、その巻き上げ端3がヒートシールされている。
本発明による切り花用鮮度保持剤を収容した構造体は、その製造方法において特に限定されるものではないが、例えば、図1に例示した構造体であれば、好ましくは、耐水性を有するフィルムにて繊維集合体を筒体状に巻き上げ、その巻き上げ端を接着して、スティック状物を得た後、切り花用鮮度保持剤を含む溶液をこのスティック状物の上記繊維集合体に含有させることによって得ることができる。
また、図2に例示した構造体であれば、好ましくは、耐水性を有するフィルムに複数のピンホールを穿設し、このフィルムにて繊維集合体を筒体状に巻き上げ、その巻き上げ端を接着して、スティック状物を得た後、切り花用鮮度保持剤を含む溶液をこのスティック状物の上記繊維集合体に含有させることによって得ることができる。
より詳細には、例えば、耐水性を有するフィルムに複数のピンホールを穿設し、このフィルムにて繊維集合体を筒体状に巻き上げ、巻き上げ端を接着し、例えば、ヒートシールし、必要に応じて、適宜の長さに切断して、スティック状物を得、次いで、切り花用鮮度保持剤を含む溶液をこのスティック状物の繊維集合体の中央部に注射するように注入針を用いて注入することによって、上記鮮度保持剤の一定量を含む溶液を容易に且つ確実に繊維集合体の中央部に保持させることができ、かくして、図5に示すように、複数のピンホール4を有するフィルム1内に巻き上げられた繊維集合体2の中央部に鮮度保持剤5を担持させた筒体状の構造体を得ることができる。
前述したように、酢酸セルロース繊維やポリエステル繊維のトウは、本発明において、繊維集合体として好ましく用いることができる。このような繊維のトウを用いる場合であれば、耐水性を有するフィルムに予め、複数のピンホールを穿設し、上記トウに必要に応じて接着剤を塗布した後、上記フィルムにて上記トウを筒体状に巻き上げ、次いで、これを適宜の長さに切断して、スティック状物とし、この後、このスティック状物内のトウの中央部に、上述したように、薬剤を含む溶液を注入すれば、図2に示したような本発明による鮮度保持剤を収容した構造体を得ることができる。
本発明によれば、このように、切り花用鮮度保持剤を溶液として構造体の繊維集合体に注入針を用いて注入すれば、繊維集合体の中央部に鮮度保持剤を保持させることができ、更に、前述したように、難水溶性の抗菌剤であっても、適当な有機溶媒か、又は適当な有機溶媒/水混合溶媒に溶解させ、得られた溶液をスティック状物内の繊維集合体の中央部に注入針を用いて注入すれば、繊維集合体に担持させることができる。
本発明においては、上述したように、構造体の製造の段階においては、鮮度保持剤は、これを溶液として、繊維集合体に注入して保持させ、そして、得られた構造体においては、上記鮮度保持剤は、溶液として、繊維集合体に保持されていることが望ましいが、しかし、鮮度保持剤の溶液から溶媒が揮散して、鮮度保持剤のみが粉末乃至固体として繊維集合体に保持されていてもよい。
本発明によれば、上記スティック状物内の繊維集合体に鮮度保持剤を含有させるに際して、スティック状物の端面から鮮度保持剤の溶液を吸収させてもよく、また、前述したように、鮮度保持剤を収容した構造体が引き延ばされたスティック状物やロープ状物であるような場合には、その側面から長手方向に適宜の間隔をおいて複数の位置でスティック状物やロープ状物に鮮度保持剤の溶液をいわば注射して、鮮度保持剤の溶液を繊維集合体に担持させてもよい。
本発明において、比重が1.0よりも小さい繊維の集合体を用いてなる構造体は、これを生け水に投入すれば、生け水に浮きながら、鮮度保持剤を生け水中に放出する。特に、本発明によれば、難水溶性の抗菌剤であっても、繊維集合体に保持させることができ、従って、難水溶性の抗菌剤であっても、生け水中に放出させることができる。従って、薬剤が水容器の底に滞留することもない。
本発明による切り花用鮮度保持剤を収容した構造体は、前述したように、その外装をなすフィルム上に適宜のメッセージ、例えば、本発明の構造体の使用法や特徴等のメッセージが印刷されていてもよく、また、フィルム上にそのようなメッセージが印刷されたラベルが貼り付けられていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。切り花用鮮度保持剤として抗菌剤を収容した構造体を水に投入した後、水中に溶出したその抗菌剤の溶出率は次のようにして求めた。即ち、一定時間ごとに水を少量採取し、その試料について、紫外可視分光光度計を用いて、例1、3及び5においては、275nmの吸光度を測定し、例2及び4においては、244nmの吸光度を測定して、それぞれ水中に溶出した抗菌剤の量Wを求め、この量と最初に構造体に担持させた抗菌剤の量W0 とから次式によって計算した。即ち、抗菌剤の溶出率をRとすれば、R=(W/W0)×100(%)である。
(円筒状の構造体の作製1)
予め、長さ100mm当たりに長手方向に2列に各5個のピンホールを穿設したポリエチレン/ポリプロピレン共押出しフィルムを用いて、直径10mm、長さ100mmの酢酸セルロース繊維のトウを巻き上げた後、巻き上げ端を重ね合わせてヒートシールして、形状が紙巻き煙草様の細長いスティック状物を得た。次いで、このスティック状物中の酢酸セルロース繊維のトウの中央部に下記の抗菌剤を含む溶液の所定量を注入針を用いて注入して、切り花用鮮度保持剤を収容した本発明による円筒状の構造体を得た。
(鮮度保持剤の放出性試験)
例1(水溶性抗菌剤の放出性試験)
水溶性抗菌剤ケーソンWT(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン10重量%と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン4重量%よりなる。)14.0重量%と水86.0重量%とからなる抗菌剤水溶液0.2mLを上記円筒状の構造体中の酢酸セルロース繊維のトウ中に注入して、鮮度保持剤を収容した本発明による構造体を得た。この構造体の抗菌剤の含有量は3.92mgであった。この構造体を温度20℃にて水1L中に浸漬して、構造体からの抗菌剤の溶出率を測定した。結果を図6に示す。
例2(難水溶性抗菌剤の放出性試験)
難水溶性抗菌剤2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル2.0重量%、エタノール70.0重量%及び水28.0重量%からなる抗菌剤の溶液0.2mLを用いた以外は、例1と同様にして、鮮度保持剤を収容した本発明による円筒状の構造体を得た。この構造体の抗菌剤の含有量は4.00mgであった。例1と同様にして、この構造体からの抗菌剤の溶出率を測定した。結果を図7に示す。
例3(糖類を含む水溶性抗菌剤の放出性試験)
水溶性抗菌剤ケーソンWT1.40重量%、ブドウ糖40.0重量%及び水58.6重量%からなる鮮度保持剤の水溶液2.0mLを用いた以外は、例1と同様にして、鮮度保持剤を収容した本発明による円筒状の構造体を得た。この構造体の抗菌剤の含有量は3.92mgであった。例1と同様にして、この構造体からの抗菌剤の溶出率を測定した。結果を図8に示す。
例4(糖類を含む難水溶性抗菌剤の徐放放出性試験)
難水溶性抗菌剤2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル0.20重量%、ブドウ糖40.0重量%、エチレングリコール12.8重量%及び水47.0重量%からなる鮮度保持剤の水溶液2.0mLを用いた以外は、例1と同様にして、鮮度保持剤を収容した本発明による円筒状の構造体を得た。この構造体の抗菌剤の含有量は4.00mgであった。例1と同様にして、この構造体からの抗菌剤の溶出率を測定した。結果を図9に示す。
(円筒状の構造体の作製2)
予め、長さ100mm当たりに長手方向に2列に各5個のピンホールを穿設したポリエチレン/ポリプロピレン共押出しフィルムを用いて、直径10mm、長さ100mmのポリエステル繊維のトウを巻き上げた後、巻き上げ端を重ね合わせてヒートシールして、形状が紙巻き煙草様の細長いスティック状物を得た。別に、ピンホールをもたないポリエチレン/ポリプロピレン共押出しフィルムを用いた以外は、上記と同様にして、スティック状物を得た。
例5(糖類を含む水溶性抗菌剤の放出性試験)
水溶性抗菌剤ケーソンWT1.40重量%、ショ糖40.0重量%及び水58.6重量%からなる鮮度保持剤の水溶液2.0mLを上記フィルムにピンホールを有するスティック状物のポリエステル繊維のトウと上記フィルムにピンホールをもたないスティック状物のポリエステル繊維のトウとに例1と同様にしてそれぞれ注入して、鮮度保持剤を収容した本発明による円筒状の構造体をそれぞれ得た。これらの構造体の抗菌剤の含有量はそれぞれ3.92mgであった。例1と同様にして、これらの構造体からの抗菌剤の溶出率を測定した。結果を図10に示す。図中、(A)はフィルムにピンホールを有する構造体からの抗菌剤の溶出率を示し、(B)はフィルムにピンホールをもたない構造体からの抗菌剤の溶出率を示す。
例1〜例4にみられるように、鮮度保持剤を収容した本発明の構造体によれば、水溶性抗菌剤は勿論、難水溶性の抗菌剤も、約96時間でその90〜100%が構造体から水中に放出されている。
抗菌剤の放出速度は、前述したように、構造体の外装をなすフィルムに穿設するピンポールの大きさや数、フィルムによる繊維集合体の巻き締め度合いや、更には、用いる繊維集合体の種類等によって自由に調節することができる。例えば、例5にみられるように、鮮度保持剤を担持させる繊維集合体として、ポリエステル繊維のトウを用いた本発明による構造体によれば、フィルムがピンホールをもたないときは、繊維集合体に担持させた鮮度保持剤は約144時間でほぼすべてが放出されており、他方、フィルムがピンホールを有するときは、繊維集合体に担持させた鮮度保持剤は約48時間でほぼすべてが放出されている。
本発明による切り花用鮮度保持剤を収容した円筒状の構造体の一例を示す斜視図である。 本発明による円筒状の構造体の別の一例を示す斜視図である。 本発明による円筒状の構造体の更に別の一例を示す斜視図である。 本発明によるシート状の構造体の一例を示す斜視図である。 第2図に示した構造体の長手方向に沿った断面図である。 本発明による切り花用鮮度保持剤を収容した構造体からの水溶性抗菌剤ケーソンWTの時間に対する水中への溶出率を示すグラフである。 例2の構造体からの難水溶性抗菌剤2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルの時間に対する水中への溶出率を示すグラフである。 例3の構造体からの水溶性抗菌剤ケーソンWTの時間に対する水中への溶出率を示すグラフである。 例4の構造体からの難水溶性抗菌剤2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルの時間に対する水中への溶出率を示すグラフである。 例5において、水溶性抗菌剤ケーソンWTを担持させた繊維集合体がピンホールを有するフィルムによって巻き上げられてなる構造体からの上記抗菌剤の時間に対する水中への溶出率(A)と共に、上記抗菌剤を担持させた繊維集合体がピンホールをもたないフィルムによって巻き上げられてなる構造体からの上記抗菌剤の時間に対する水中への溶出率(B)を示すグラフである。
符号の説明
1…フィルム
2…繊維集合体
3…巻き上げ端
4…ピンホール
5…目盛り
6…メッセージ

Claims (11)

  1. 切り花用鮮度保持剤を保持した繊維集合体が耐水性を有するフィルムにて筒体状に巻き上げられていることを特徴とする切り花用鮮度保持剤を収容した構造体。
  2. フィルムに複数のピンホールが設けられている請求項1に記載の切り花用鮮度保持剤を収容した構造体。
  3. 切り花用鮮度保持剤が糖類、抗菌剤、酸、エチレン阻害剤、植物成長調節剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1に記載の切り花用鮮度保持剤を収容した構造体。
  4. 構造体が比重1.0よりも小さい繊維の集合体を有し、生け水に投与したとき、生け水に浮くものである請求項1に記載の切り花用鮮度保持剤を収容した構造体。
  5. フィルム上にメッセージが印刷され、又はメッセージが印刷されたラベルが貼り付けられている請求項1又は2に記載の切り花用鮮度保持剤を収容した構造体。
  6. 耐水性を有するフィルムにて繊維集合体を筒体状に巻き上げ、その巻き上げ端を接着して、スティック状物を得た後、切り花用鮮度保持剤を含む溶液を上記繊維集合体に含有させることを特徴とする切り花用鮮度保持剤を収容した構造体の製造方法。
  7. 耐水性を有するフィルムに複数のピンホールを穿設した後、このフィルムにて繊維集合体を筒体状に巻き上げ、その巻き上げ端を接着して、スティック状物を得た後、切り花用鮮度保持剤を含む溶液を上記繊維集合体に含有させることを特徴とする切り花用鮮度保持剤を収容した構造体の製造方法。
  8. 切り花用鮮度保持剤を含む溶液をスティック状物の端面又は側面から繊維集合体に注入する請求項6又は7に記載の切り花用鮮度保持剤を収容した構造体の製造方法。
  9. 切り花用鮮度保持剤を含む溶液をスティック状物の端面から繊維集合体に吸収させる請求項6又は7に記載の切り花用鮮度保持剤を収容した構造体の製造方法。
  10. 難水溶性の抗菌剤を含む切り花用鮮度保持剤を上記抗菌剤を溶解し得ると共に水と混和し得る有機溶媒か、又は上記抗菌剤を溶解し得ると共に水と混和し得る有機溶媒と水との混合溶媒に溶解させ、得られた溶液を繊維集合体に含有させる請求項6又は7に記載の切り花用鮮度保持剤を収容した構造体の製造方法。
  11. 難水溶性の抗菌剤が2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルである請求項10に記載の切り花用鮮度保持剤を収容した構造体の製造方法。


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