JP2005336168A - 4−アミノ−5−シアノピリミジン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全で且つ強力なアデノシンA2a受容体作動作用を有する新規な化合物を提供する。
【解決手段】
【化1】
Figure 2005336168

[式中、R1、R2およびR3は、本文に記載した各基を示す。]
で表される4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。

Description

本発明は、医薬品、殊にアデノシンA2a受容体作用薬として有用な4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはそれらの製薬学的に許容される塩およびこれらの化合物を有効成分として含有する医薬に関する。
アデノシンは、細胞表面に存在する受容体と結合することによって各種の生理作用を示す物質である。細胞表面に存在するアデノシン受容体は、G蛋白質共役型受容体のファミリーに属し、A1、A2a、A2bおよびA3に分類される。このうちアデノシンA1およびA3受容体は、Gi蛋白質と共役し、その活性化は細胞内c-AMPレベルを低下させる。また、アデノシンA2aおよびA2b受容体はGs蛋白質と共役し、その活性化は細胞内c-AMPレベルを上昇させる。これら4種のアデノシン受容体サブタイプはそれぞれクローニングされている。
上記アデノシン受容体サブタイプのそれぞれに作用する作動薬および阻害薬については、既に種々の研究がなされている。これらの作動薬および阻害薬は、心血管系障害、虚血再還流障害、炎症、パーキンソン病、統合失調症などの治療薬としての可能性が既に報告されている。特に、アデノシンA2a受容体作動薬の有効成分化合物としては、数多くのアデノシン誘導体が報告されている(特許文献1-24参照)。
更に、上記アデノシン誘導体とは構造的に異なってアデニン骨格を持たない化合物もアデノシンA1またはA2受容体作動薬の有効成分化合物として報告されている。その具体例としては、例えばジシアノピリジン誘導体を挙げることができる(特許文献25-32参照)。しかしながら、アデノシンA2a受容体を活性化する作用を有するシアノピリミジン誘導体は知られていない。
一方、緑内障は、霊長類を始めとして哺乳類全般が罹患する難治性眼疾患である。その症状としては、眼のかすみや痛みあるいは視力低下が観察され、視神経の障害で視野の欠損が生じ、場合によっては失明に至ることさえある。該緑内障は、眼内圧の上昇(眼圧亢進)を特徴とする高眼圧緑内障と眼圧亢進を伴わない正常眼圧緑内障に分類される。緑内障における眼圧亢進は、毛様体上皮から後眼房内に分泌される房水の分泌速度と、前房から主としてシュレム管を介して排出除去される房水の排出速度とのバランスが崩れた結果として起こる。このバランスの崩れは、主として房水の排出経路の目詰まりによる房水の流出抵抗の増加に起因すると考えられている。該緑内障は、超高齢化社会を迎えている先進諸国において、年々患者数が増加している重大な疾患であり、その治療剤の開発における社会的重要性は、今後、益々増大すると考えられる。
現在、緑内障の治療においては、最大の危険因子である眼圧のコントロールが最も重要な課題であり、その治療薬としては、例えばカルテオロール、チモロールなどのβ遮断薬、例えばラタノプロスト、イソプロピルウノプロストンなどのプロスタグランジン誘導体、例えばドルゾラミドなどの炭酸脱水素酵素阻害薬などが用いられている。これらの薬物は房水の産生または排出を調節し眼圧を降下させる作用を奏し得る。
アデノシンA2a受容体作動薬は、強い血圧降下作用を有し、前述したように、抗高血圧剤、心臓または脳の虚血性疾患の治療予防剤、抗動脈硬化症剤などとして有効であることが報告されている他にも、眼圧低下作用を持つことも報告されている(非特許文献1および2参照)。
また、眼圧降下作用を有するアデノシン誘導体についても既に一部研究、開発がなされている(特許文献23および24参照)。
しかるに、このようなアデノシン誘導体は、これを緑内障治療薬として使用する場合、中枢および心血管系に対する副作用が伴われるという重大な弊害が懸念される。
WO 01/027131 A1 WO 00/077018 A1 WO 00/078776 A1 WO 00/078777 A1 WO 00/078778 A1 WO 00/078779 A1 WO 00/072799 A1 WO 00/023457 A1 WO 99/67266 A1 WO 99/67265 A1 WO 99/67264 A1 WO 99/67263 A1 WO 99/41267 A1 WO 99/38877 A1 WO 98/28319 A1 US特許第5877180号明細書 WO 00/044763 A1 WO 93/22328 A1 特公平1-33477号公報 特許第2774169号明細書 US特許第4968697号明細書 特開昭63-201196号公報 特開2003-055395号公報 特開2002-173427号公報 WO 00/125210 A1 WO 02/070484 A1 WO 02/070485 A1 WO 02/070520 A1 WO 02/079195 A1 WO 02/079196 A1 WO 03/008384 A1 WO 03/053441 A1 J. Pharmcol. Exp. Ther. 320-326, 273 (1995) Eur. J. Pharmacol. 307-316, 486 (2004)。
以上のようにアデニン骨格を有するアデノシン誘導体は、アデノシンA2a受容体作動薬として、特に眼圧低下作用を奏し得ることから緑内障などの治療薬として、その効果が期待できるものの、尚、その眼圧低下作用は不十分である。しかも、これらの化合物は、アデニン骨格を有することに基づいて、アデノシンA2a受容体作動薬本来の強い血圧降下作用などの中枢および心血管系に対する副作用を伴うという致命的な欠点を有している。従って、これら化合物に代わって、より安全に使用できるアデノシンA2a受容体作動薬、特に緑内障などの治療薬として有効な眼圧低下作用を奏し得る化合物の開発が、当業界で要望されている。
本発明の目的は、当業界で要望されている、より安全で且つ強力なアデノシンA2a受容体作動作用を有する化合物を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ある種の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体の製造に成功すると共に、該化合物が優れたアデノシンA2a受容体作動作用を有するという事実を見出した。本発明はこの知見を基礎として更に研究を重ねた結果、完成されたものである。
本発明は下記項1〜10に記載の化合物を提供する。
項1. 一般式(1):
Figure 2005336168
[式中、
R1は水素原子、低級アルキルカルボニル基、低級アルケニルカルボニル基、フェニルカルボニル基または低級アルコキシカルボニル基を示す。
R2は低級アルキレン基を示す。
R3は(1)水素原子、(2)低級アルキル基または下記基(3)〜基(12)のいずれかを示す。
Figure 2005336168
上記基(3)〜基(12)において、R4は低級アルキレン基、R5は水素原子または低級アルキル基、R6は低級アルケニレン基、R7は低級アルキニレン基およびR8は低級アルキル基を示し、Z1〜Z3はそれぞれ下記(a1)-(a38)、(b1)-(b8)および(c1)-(c22)からなる群から選ばれるいずれかの基を示す。
Z1:(a1)低級アルキル基、(a2)アリール低級アルキル基、(a3)アミノアリール低級アルキル基、(a4)アリール低級アルケニル基、(a5)ヘテロアリール低級アルキル基、(a6)ヘテロアリール低級アルケニル基、(a7)ヘテロアリールアリール低級アルキル基、(a8)ヒドロキシ低級アルキル基、(a9)アリールオキシ低級アルキル基、(a10)アミノ低級アルキル基、(a11)アミノカルボニル低級アルキル基、(a12)低級アルキルカルボニル基、(a13)低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基、(a14)アミノ低級アルキルカルボニル基、(a15)アリールカルボニル基、(a16)アリール低級アルキルカルボニル基、(a17)アリール低級アルケニルカルボニル基、(a18)アリールオキシ低級アルキルカルボニル基、(a19)ヘテロアリールカルボニル基、(a20)ヘテロアリール低級アルキルカルボニル基、(a21)ヘテロアリール低級アルケニルカルボニル基、(a22)ヘテロアリールオキシ低級アルキルカルボニル基、(a23)ヘテロアリールスルファニル低級アルキルカルボニル基、(a24)ヘテロアリールアリールカルボニル基、(a25)アリールスルファニル低級アルキルカルボニル基、(a26)アリールカルボニル低級アルキルカルボニル基、(a27)アリールアミノ低級アルキルカルボニル基、(a28)低級アルコキシカルボニル基、(a29)低級アルキルスルホニル基、(a30)アリールスルホニル基、(a31)ヘテロアリールスルホニル基、(a32)水素原子、(a33)飽和複素環を有する低級アルキル基、(a34)飽和複素環を有するカルボニル低級アルキル基、(a35)飽和複素環を有するアリール低級アルキル基、(a36)飽和複素環を有するカルボニル基、(a37)飽和複素環を有する低級アルキルカルボニル基、(a38)飽和複素環を有するアリールカルボニル基。
尚、上記(a3)、(a10)、(a11)および(a14)に記載の各基の一部を構成するアミノ基は、低級アルキル基、カルボニル基および低級アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる置換基の1または2個で置換されていてもよく、上記(a2)、(a15)、(a16)、(a17)、(a18)、(a30)および (a35)に記載の各基の一部を構成するアリール基は、ハロゲン、水酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ低級アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、ジハロゲノメチレンジオキシ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、ニトロ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基およびアミノスルホニル基からなる群から選ばれる置換基の1〜3個で置換されていてもよく、上記(a5)、(a19)〜(a24)および(a31)に記載の各基の一部を構成するヘテロアリール基は、ハロゲン、水酸基、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、アリール基、ハロゲノアリール基、低級アルキルスルファニル基、アミノカルボニル基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる置換基の1〜3個で置換されていてもよい。更に、上記(a33)〜(a38)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、5-7員の含窒素飽和複素環基であって、該基には1乃至2個のベンゼン環が縮合してもよく、また該基は、これを構成する窒素原子上に1個の低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基を有していてもよく、また該環を構成する炭素原子上に1または2個のオキソ基を有していてもよい。
Z2:(b1)水素原子、(b2)低級アルコキシカルボニル基、(b3)アミノ低級アルキルカルボニル基、(b4)低級アルケニルカルボニル基、(b5)飽和複素環を有する低級アルキルカルボニル基、(b6)飽和複素環を有するピペリジノ低級アルキルカルボニル基、(b7)飽和複素環を有するカルボニル基および(b8)低級アルキルスルホニル基。
尚、上記(b3)に記載の各基の一部を構成するアミノ基は、1または2個の低級アルキル基で置換されていてもよい。更に、上記(b5)から(b7)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、5-7員の含窒素飽和複素環基であって且つ該環を構成する窒素原子上に1個の低級アルキル基を有していてもよい。
Z3:(c1)水酸基、(c2)低級アルコキシ基、(c3)アミノ基、(c4)アミノ低級アルキルアミノ基、 (c5)ピペラジノ基、(c6)アミノ低級アルキルピペラジノ基、(c7)アミノカルボニル低級アルキルピペラジノ基、(c8)1,4-ジアゼパン-1-イル基、(c9)アミノ低級アルキル-1,4-ジアゼパン-1-イル基、(c10)ピペリジノ基、(c11)アミノピペリジノ基、(c12)アミノ低級アルキルアミノピペリジノ基、(c13)アミノ低級アルキルピペリジノ基、(c14)ピロリジノ基、(c15)飽和複素環を有するアミノ基、(c16)飽和複素環を有する低級アルキルアミノ基、(c17)飽和複素環を有するピペラジノ基、(c18)飽和複素環を有する低級アルキルピペラジノ基、(c19)飽和複素環を有するカルボニル低級アルキルピペラジノ基、(c20)飽和複素環を有する低級アルキル-1,4-ジアゼパン-1-イル基、(c21)飽和複素環を有するピペリジノ基および(c22)飽和複素環を有する低級アルキルモルホリノ基。
尚、上記(c3)のアミノ基、並びに(c4)、(c6)、(c7)、(c9)、(c11)、(c12)、(c13)、(c15)および(c16)に記載の各基の一部を構成するアミノ基は、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール低級アルキル基、アルキコキシアリール低級アルキル基、ヘテロアリール低級アルキル基および低級アルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる置換基の1または2個で置換されていてもよく、上記(c11)に記載の基の一部を構成するアミノ基は、1個のアリール低級アルキルカルボニル基で置換されていてもよい。また上記(c5)のピペラジノ基および(c8)の1,4-ジアゼパン-1-イル基は、その4位に低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、アリール基、低級アルキルアリール基、ヒドロキシアリール基、シアノアリール基、ハロゲノアリール基、アリール低級アルキル基、低級アルコキシアリール低級アルキル基、ハロゲノアリールオキシ低級アルキル基、ヘテロアリール基、低級アルキルへテロアリール基、ハロゲノ低級アルキルへテロアリール基、シアノへテロアリール基、ヘテロアリール低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基および低級アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有していてもよい。更に、上記(c15)〜(c22)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、5-7員の含窒素飽和複素環基であって、該基には1乃至2個のベンゼン環が縮合してもよく、また該基は、これを構成する窒素原子上に低級アルキル基、アリール基、シアノアリール基、低級アルキルカルボニル基、ハロゲノ低級アルキルアリール基およびアリール低級アルキル基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有していてもよい。更に、上記(c5)のピペラジノ基、(c10)のピペリジノ基および(c15)〜(c22)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、これらの環を構成する炭素原子上に水酸基、オキソ基、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、アリール基、アリール低級アルキル基、アミノカルボニル基および低級アルキルアミノ基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有していてもよい。]
で表される4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項2. R2がメチレン基であり、R3が水素原子または低級アルキル基である項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項3. R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(3)または基(6)である項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項4. R4が低級アルキレン基であり、且つZ1が(a2)、(a14)、(a15)、(a28)、(a32)および(a37)から選ばれるいずれかの基である項3に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項5. R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(4)、基(5)または基(7)(但し、Z1は低級アルコキシカルボニル基または水素原子を示す)である項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項6. R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(8)である項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項7. R1が水素原子または低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)、基(10)または基(11)である項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項8. R1が水素原子または低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)、基(10)または基(11)(但し、Z3は(c1)、(c2)、(c4)、(c5)、(c6)、(c7)、(c8)、(c10)、(c11)、(c15)、(c16)、(c18)、(c21)または(c22)を示す)である項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項9. R1がアセチル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)(但し、Z3は(c4)、(c5)、(c6)、(c10)、(c11)、(c16)、(c18)、(c21)または(c22)を示す)である項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
項10. 下記1)〜19)から選択される項1-9のいずれかに記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
1) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
2) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
3) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセチル]ピペラジン-1-イルメチル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
4) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド、
5) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノエチル)プロピオンアミド、
6) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノエチル)-N-メチルプロピオンアミド、
7) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノプロピル)-N-メチルプロピオンアミド、
8) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-メチルピペリジン-1-イルエチル)プロピオンアミド、
9) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジエチルアミノエチル)プロピオンアミド、
10) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)プロピオンアミド、
11) N-(4-{6-アミノ-2-[6-(3-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル-3-オキソプロピル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]-5-シアノピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミド、
12) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-オキソ-3-(2-ピペリジン-1-イルメチルモルホリン-4-イル)プロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド、
13) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[2-(4-エチルピペラジン-1-イルメチル)モルホリン-4-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
14) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
15) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジイソプロピルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
16) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-オキソ-3-[4-(2-ピロリジン-1-イルエチル)ピペラジン-1-イル]プロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
17) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-モルホリン-4-イルエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
18) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
19) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド。
本発明の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体は、ピリミジン骨格を有し、該ピリミジン環の6位に特定置換基を有するフェニル環が置換し、また該ピリミジン環の2位にスルファニルアルキレン鎖を介してピリジン環が置換しているか或いは更に該ピリジン環上に特定の置換基を有するという構造上の特徴を有している。本発明化合物は、この特徴的構造に基づいて、アデノシンA2a受容体を活性化する作用、即ちアデノシンA2a受容体作動作用において優れるという薬理学的特徴を有している。従来、このような特有の構造的特徴を有する化合物は未知であり、そのような構造的特徴を有する化合物が何らかの薬理作用を奏し得ることも従来技術からは予測できない事項である。本発明化合物は、上記アデノシンA2a受容体作動作用を有することに基づいて、該アデノシンA2a受容体作動薬としてはもとより、眼圧降下薬、緑内障治療薬などとして有用である。
本発明化合物
本明細書において炭素を含む各基につき用いられる「低級アルキル基」とは、炭素数1乃至6の、即ちC1-6の直鎖または分枝のアルキル基を意味する。
「低級アルコキシ基」および「低級アルキレン基」なる語も、同様に、炭素数1乃至6の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基およびアルキレン基を意味する。
「低級アルケニル基」、「低級アルケニレン基」および「低級アルキニレン基」は、それぞれ炭素数2乃至6(C2-6)の直鎖状または分枝鎖状のアルケニル基、アルケニレン基およびアルキニレン基を意味する。
「アリール基」とは、単環式または多環式の芳香族炭化水素からなる1価の基を意味する。具体例には、フェニル基およびナフチル基が該基に含まれる。
「ヘテロアリール基」とは、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される同一または異なるヘテロ原子を1以上、特に1〜3個有する5乃至6員の単環式芳香族複素環または該基にアリール基が縮合した芳香族複素環基からなる1価の基を意味する。具体例には、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ベンゾフリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ピリジル、ピラジル基などが挙げられる。
「飽和複素環」とは、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される同一または異なるヘテロ原子を1以上、特に1〜3個有する5乃至7員の飽和複素環を意味する。該飽和複素環は、これを有する各基中に、具体的にはピロリジル、ピロリジノ、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジル、ピペラジノ、1,4-ジアゼパン-1-イル、テトラヒドロフリル、1,3-ジオキソラニル、テトラヒドロチエニル、モルホリル、モルホリノ、テトラヒドロイミダゾリル基などの1価の飽和複素環基として含まれる。即ち、例えば飽和複素環を有する低級アルキル基を例にとれば、該低級アルキル基は、上記飽和複素環基によって置換された低級アルキル基を意味する。該飽和複素環で置換された低級アルキル基における飽和複素環基の結合様式は、特に限定されず、該複素環基を構成するヘテロ原子としての窒素原子において低級アルキル基に結合するものであっても、或いは炭素原子において低級アルキル基に結合するものであってよい。また、上記5乃至7員の飽和複素環基は、更に1乃至2個のベンゼン環が縮合していてもよい。このような縮合環基の例としては、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロキノリノ、ベンゾモルホリル、ベンゾモルホリノ基などを例示することができる。
以下、前記一般式(1)で表される本発明化合物を示す各基について、それぞれ具体的に述べる。これらの各基は、一般式(1)で表される化合物に限らず、本明細書に記載の他の一般式で表される各化合物を示す場合においても同様とする。
R1で示される低級アルキルカルボニル基の具体例としては、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、イソプロピルカルボニル基などを挙げることができ、これらのうちではアセチル、プロパノイル基が好ましい。
R1で示される低級アルケニルカルボニル基の具体例としては、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイル基などを挙げることができ、これらのうちではアクリロイル基が好ましい。
R1で示される低級アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル基などを挙げることができ、これらのうちではメトキシカルボニル基が好ましい。
R2で示される低級アルキレン基の具体例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン若しくはヘキサメチレンおよび1-メチルエチレンなどのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちではメチレン基が好ましい。
R3で示される低級アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくはヘキシルおよびイソプロピルなどのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちではメチル基が好ましい。
R4で示される低級アルキレン基の具体例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘプタメチレン若しくはヘキサメチレンおよび1-メチルエチレンなどのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちで、R3が基(3)の場合、R4で示される低級アルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、R3基が基(6)および基(8)の場合、R4で示される低級アルキレン基としては、メチレン基が好ましく、R3基が基(9)の場合、R4で示される低級アルキレン基としては、エチレン基またはテトラメチレン基が好ましい。
R5で示される低級アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくはヘキシルおよびイソプロピルなどのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちではメチル基が好ましい。
R6で示される低級アルケニレン基の具体例としては、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、ブタンジエニレンなどの直鎖低級アルケニレン基若しくは2-メチルプロペニレン基などのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちではエテニレン基が好ましい。
R7で示される低級アルキニレン基の具体例としては、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン、ブタンジイニレンなどの直鎖低級アルキニレン基若しくは3-メチルブチニレン基などのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちではブチニレン基が好ましい。
R8で示される低級アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくはヘキシルおよびイソプロピルなどのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちではエチル基が好ましい。
Z1で示される低級アルキル基(a1)の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの直鎖低級アルキル基およびイソプロピルなどのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちではC1-4のアルキル基が好ましい。
Z1で示されるアリール低級アルキル基(a2)は、アリール基で置換された低級アルキル基を意味する。具体的には、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル基などが挙げられる。これらのうちではベンジル基若しくはフェネチル基が好ましい。
Z1で示されるアミノアリール低級アルキル基(a3)は、アリール基上にアミノ基を有するアリール低級アルキル基を意味する。具体的には、アミノベンジル、アミノフェネチル、アミノフェニルプロピル、アミノナフチルメチル基などが挙げられる。これらのうちではアミノベンジル基若しくはアミノフェネチル基が好ましい。
Z1で示されるアリール低級アルケニル基(a4)は、アリール基で置換された低級アルケニル基を意味する。具体的には、フェニルエテニル、フェニルプロペニル、フェニルブテニル基などが挙げられる。これらのうちではフェニルプロペニル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリール低級アルキル基(a5)は、ヘテロアリール基で置換された低級アルキル基を意味する。具体的には、フリルメチル、ピラゾリルエチル、イミダゾリルプロピル、ピリジルメチル基などが挙げられる。これらのうちではフリルメチル基若しくはピリジルメチル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリール低級アルケニル基(a6)は、ヘテロアリール基で置換された低級アルケニル基を意味する。具体的には、ピリジルエテニル、ピリジルプロペニル、フリルプロペニル基などが挙げられる。これらのうちではピリジルプロペニル基若しくはフリルプロペニル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリールアリール低級アルキル基(a7)は、アリール基上にヘテロアリール基が置換されたアリール低級アルキル基を意味する。具体的にはフリルフェニルメチル、チエニルフェニルエチル、ピリジルフェニルプロピル、トリアゾリルフェニルメチル、イミダゾリルフェニルメチル基などが挙げられる。これらのうちではトリアゾリルフェニルメチル基若しくはイミダゾリルフェニルメチル基が好ましい。
Z1で示されるヒドロキシ低級アルキル基(a8)としては、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基などを例示でき、これらのうちでは3-ヒドロキシプロピルおよび4-ヒドロキシブチル基が好ましい。
Z1で示されるアリールオキシ低級アルキル基(a9)としては、フェノキシメチル、1-フェノキシエチル、2-フェノキシエチル、1-フェノキシプロピル、2-フェノキシプロピル、3-フェノキシプロピル基などを例示でき、これらのうちでは3-フェノキシプロピル基が好ましい。
Z1で示されるアミノ低級アルキル基(a10)としては、アミノメチル、1-アミノエチル、2-アミノエチル、1-アミノプロピル、2-アミノプロピル、3-アミノプロピル基などを例示でき、これらのうちでは2-アミノエチルおよび3-アミノプロピル基が好ましい。
Z1で示されるアミノカルボニル低級アルキル基(a11)としては、アミノカルボニルメチル、1-アミノカルボニルエチル、2-アミノカルボニルエチル、1-アミノカルボニルプロピル、2-アミノカルボニルプロピル、3-アミノカルボニルプロピル基などを例示でき、これらのうちではアミノカルボニルメチル基が好ましい。
Z1で示される低級アルキルカルボニル基(a12)としては、アセチル、プロパノイル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、イソプロピルカルボニル基などを挙げることができ、これらのうちではアセチル、プロパノイル基が好ましい。
Z1で示される低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基(a13)としては、メトキシメチルカルボニル、メトキシエチルカルボニル、エトキシエチルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではメトキシメチルカルボニル基が好ましい。
Z1およびZ2で示されるアミノ低級アルキルカルボニル基((a14)および(b3))としては、アミノメチルカルボニル、アミノエチルカルボニル、アミノプロピルカルボニル、アミノブチルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではアミノメチルカルボニルおよびアミノエチルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるアリールカルボニル基(a15)としては、ベンゾイル、ナフチルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではベンゾイル基が好ましい。
Z1で示されるアリール低級アルキルカルボニル基(a16)としては、ベンジルカルボニル、ナフチルメチルカルボニル、フェネチルカルボニル、フェニルプロピルカルボニル、フェニルブチルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではベンジルカルボニルおよびフェネチルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるアリール低級アルケニルカルボニル基(a17)としては、フェニルエテニルカルボニル、フェニルプロペニルカルボニル、フェニルブテニルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではフェニルエテニルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるアリールオキシ低級アルキルカルボニル基(a18)としては、フェノキシメチルカルボニル、フェノキシエチルカルボニル、フェノキシプロピルカルボニル、フェノキシブチルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではフェノキシメチルカルボニルおよびフェノキシエチルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリールカルボニル基(a19)としては、フリルカルボニル、チエニルカルボニル、イミダゾリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、キノリルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではピリジルカルボニル基、フリルカルボニル基およびチエニルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリール低級アルキルカルボニル基(a20)としては、フリルメチルカルボニル、フリルエチルカルボニル、チエニルメチルカルボニル、ピリジルメチルカルボニル、ピリジルエチルカルボニル、ピリジルプロピルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではチエニルメチルカルボニルおよびピリジルメチルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリール低級アルケニルカルボニル基(a21)としては、ピリジルアクリロイル、イミダゾイルアクリロイル基などを例示でき、これらのうちではピリジルアクリロイル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリールオキシ低級アルキルカルボニル基(a22)としては、ピリジルオキシメチルカルボニル、キノリルオキシエチルカルボニル、テトラヒドロキノリノニルオキシメチルカルボニル、テトラヒドロキノリノニルオキシプロピルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではテトラヒドロキノリノニルオキシメチルカルボニルおよびテトラヒドロキノリノニルオキシプロピルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリールスルファニル低級アルキルカルボニル基(a23)としては、フリルスルファニルメチルカルボニル、ピリジルスルファニルエチルカルボニル、キノリルスルファニルプロピルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではピリジルスルファニルメチルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリールアリールカルボニル基(a24)としては、ピロリルフェニルカルボニル、ピラゾリルフェニルカルボニル、イミダゾリルフェニルカルボニル、トリアゾリルフェニルカルボニル、チエニルフェニルカルボニル、フリルフェニルカルボニル、ピリジルフェニルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではピロリルフェニルカルボニル、ピラゾリルフェニルカルボニル、イミダゾリルフェニルカルボニル、トリアゾリルフェニルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるアリールスルファニル低級アルキルカルボニル基(a25)としては、フェニルスルファニルメチルカルボニル、フェニルスルファニルエチルカルボニル、フェニルスルファニルプロピルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではフェニルスルファニルメチルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるアリールカルボニル低級アルキルカルボニル基(a26)としては、ベンゾイルメチルカルボニル、ベンゾイルエチルカルボニル、ベンゾイルプロピルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではベンゾイルエチルカルボニル基が好ましい。
Z1で示されるアリールアミノ低級アルキルカルボニル基(a27)としては、フェニルアミノメチルカルボニル、フェニルアミノエチルカルボニル、フェニルアミノプロピルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではフェニルアミノメチルカルボニル基が好ましい。
Z1およびZ2で示される低級アルコキシカルボニル基((a28)および(b2))としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル基などを例示できる。これらのうちではメトキシカルボニルおよびt-ブトキシカルボニル基が好ましい。
Z1およびZ2で示される低級アルキルスルホニル基((a29)および(b8))としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル基などを例示できる。特に、Z1で示される低級アルキルスルホニル基(a29)は、メチルスルホニルおよびエチルスルホニル基であるのが好ましく、Z2で示される低級アルキルスルホニル基(b8)は、エチルスルホニルおよびプロピルスルホニル基であるのが好ましい。
Z1で示されるアリールスルホニル基(a30)としては、フェニルスルホニル、トルエンスルホニル、ナフタレンスルホニル基などを例示でき、これらのうちではフェニルスルホニル基が好ましい。
Z1で示されるヘテロアリールスルホニル基(a31)としては、フリルスルホニル、チエニルスルホニル、ピリジルスルホニル、イミダゾリルスルホニル基などを例示でき、これらのうちではイミダゾリルスルホニル基が好ましい。
Z1で示される飽和複素環を有する低級アルキル基(a33)は、飽和複素環基で置換された低級アルキル基を意味する。具体的には、ピロリジノエチル、ピペリジノエチル、ピペリジルエチル、モルホリノエチル、モルホリルメチル基などを例示でき、これらのうちではピペリジノエチルおよびモルホリノエチル基が好ましい。
Z1で示される飽和複素環を有するカルボニル低級アルキル基(a34)は、飽和複素環基で置換されたカルボニル低級アルキル基を意味する。具体的には、ピロリジノカルボニルエチル、ピペリジノカルボニルエチル、ピペリジルカルボニルエチル、モルホリノカルボニルエチル、モルホリルカルボニルメチル基などを例示でき、これらのうちではピペリジノカルボニルメチル基が好ましい。
Z1で示される飽和複素環を有するアリール低級アルキル基(a35)は、アリール環上に飽和複素環基を有するアリール低級アルキル基を意味する。具体的には、ピロリジノフェニルエチル、ピペリジノフェニルメチル、ピペリジルフェニルエチル、モルホリノフェニルエチル、モルホリルフェニルメチル、ピペラジノフェニルメチル基などを例示でき、これらのうちではピペラジノフェニルメチル基が好ましい。
Z1およびZ2で示される飽和複素環を有するカルボニル基 ((a36)および(b7))は、具体的には、ピロリジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、ピペリジルカルボニル、モルホリノカルボニル、モルホリルカルボニル、ピペラジノカルボニル、ピペラジルカルボニル、チアゾリルカルボニル、ピロリルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではピペラジノカルボニル、チアゾリルカルボニルおよびピロリルカルボニル基が好ましい。
Z1およびZ2で示される飽和複素環を有する低級アルキルカルボニル基((a37)および(b5))は、具体的には、ピロリジノエチルカルボニル、ピペリジノメチルカルボニル、ピペリジノエチルカルボニル、ピペリジルメチルカルボニル、モルホリノエチルカルボニル、モルホリルメチルカルボニル、ピペラジノメチルカルボニル、ピペラジルプロピルカルボニル、チアゾリルメチルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではピペラジノメチルカルボニル、ピペリジノメチルカルボニルおよびピペリジノエチルカルボニル基が好ましい。
Z1で示される飽和複素環を有するアリールカルボニル基(a38)として、具体的には、ピロリジノフェニルカルボニル、ピペリジノフェニルカルボニル、ピペリジルフェニルカルボニル、モルホリノフェニルカルボニル、モルホリルフェニルカルボニル、チオモルホリノフェニルカルボニル、ピペラジノフェニルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではピロリジノフェニルカルボニル、モルホリルフェニルカルボニルおよびチオモルホリノフェニルカルボニル基が好ましい。
上記Z1で示される各基の一部を構成する基が有していてもよい置換基の具体例としては、次の各基を挙げることができる。
即ち、低級アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル基などを挙げることができる。これらのうちではメチル、エチル、イソプロピル基が好ましい。
低級アルキルカルボニル基の具体例としては、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル基などを例示でき、これらのうちではアセチル基が好ましい。
ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を例示でき、これらのうちではフッ素および塩素原子か好ましい。
低級アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシおよびイソプロポキシなどを挙げることができる。これらのうちではC1-4のアルコキシ基が好ましい。
ハロゲノ低級アルコキシ基の具体例としては、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ基などを例示でき、これらのうちではトリフルオロメトキシ基が好ましい。
アリール基の具体例としてはフェニル、ナフチル基などを例示でき、これらのうちではフェニル基が好ましい。
アリールオキシ基の具体例としてはフェノキシ、ナフトキシ基などを例示でき、これらのうちではフェノキシ基が好ましい。
ジハロゲノメチレンジオキシ基の具体例としては、ジフルオロメチレンジオキシ、ジクロロメチレンジオキシ基などを例示でき、ジフルオロメチレンジオキシ基が好ましい。
低級アルコキシカルボニル基の具体例としてはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル基などを例示でき、メトキシカルボニル基が好ましい。
低級アルキルカルボニルオキシ基の具体例としては、アセトキシ、プロピルカルボニルオキシ基などを例示でき、これらのうちではアセトキシ基が好ましい。
低級アルキルアミノ基の具体例としては、モノまたはジ(低級アルキル)アミノ基、例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ基などを例示でき、これらのうちではジメチルアミノ基が好ましい。
低級アルキルカルボニルアミノ基の具体例としてはアセチルアミノ、プロピオニルアミノ基などが例示でき、これらのうちではアセチルアミノ基が好ましい。
ヒドロキシ低級アルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシ-2-メチルエチル基などのヒドロキシル基1個を有する低級アルキル基を例示でき、これらのうちではヒドロキシメチルまたは2-ヒドロキシエチル基が好ましい。
ハロゲノ低級アルキル基の具体例としては、クロロエチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル基などのハロゲン原子1〜5個を有する低級アルキル基を例示でき、これらのうちではトリフルオロメチル基が好ましい。
ハロゲノアリール基の具体例としては、クロロフェニル、ジクロロフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ブロモフェニル、ヨードフェニル、クロロナフチル基などが例示でき、これらのうちではクロロフェニル基が好ましい。
低級アルキルスルファニル基の具体例としては、メチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル基などが例示でき、これらのうちではメチルスルファニル基が好ましい。
アミノアリール低級アルキル基(a3)、アミノ低級アルキル基(a10)、アミノカルボニル低級アルキル基(a11)およびアミノ低級アルキルカルボニル基(a14)の一部を構成するアミノ基が1または2個の低級アルキル基で置換されている基の具体例としては、ジメチルアミノフェニルエチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジイソプロピルアミノエチル、ジメチルアミノカルボニルメチル、ジエチルアミノメチルカルボニル、ジエチルアミノエチルカルボニル基などを例示できる。また同アミノ基が1個のカルボニル基で置換されている基の具体例としては、N-ホルミルアミノメチルカルボニル基を例示でき、同アミノ基が1個の低級アルキルカルボニル基で置換されている基の具体例としては、アセチルアミノメチルカルボニル基を例示できる。
アリール低級アルキル基(a2)、アリールカルボニル基(a15)、アリール低級アルキルカルボニル基(a16)、アリール低級アルケニルカルボニル基(a17)、アリールオキシ低級アルキルカルボニル基(a18)、アリールスルホニル基(a30)および飽和複素環を有するアリール低級アルキル基(a35)の各基の一部を構成するアリール基がハロゲン原子で置換されている基の具体例としては、クロロフェニルカルボニル、ジクロロ(アミノスルホニル)フェニルカルボニル、クロロフェニルメチルカルボニル、フルオロ(4-メチルピペラジノ)フェニルメチル基を例示できる。該アリール基が水酸基で置換されている基の具体例としては、ヒドロキシフェニルメチル基を例示できる。該アリール基が低級アルキル基で置換されている基の具体例としては、メチルフェニルカルボニル、メチルフェニルメチルカルボニル、メチルフェノキシメチルカルボニル、メチルフェニルスルホニル基を例示できる。該アリール基が低級アルコキシ基で置換されている基の具体例としては、メトキシフェニルメチル、トリメトキシフェニルメチル、ブトキシフェニルメチル、エトキシフェニルメチル、メトキシフェニルカルボニル、メトキシフェニルメチルカルボニル、メトキシフェノキシメチルカルボニル、メトキシフェニルスルホニル基を例示できる。該アリール基がハロゲノ低級アルコキシ基で置換されている基の具体例としては、トリフルオロメトキシフェニルメチルカルボニル基を例示できる。該アリール基がアリール基で置換されている基の具体例としては、ビフェニル基を例示できる。該アリール基がアリールオキシ基で置換されている基の具体例としては、フェノキシフェニルメチル、フェノキシフェニルカルボニル基を例示できる。該アリール基がメチレンジオキシ基で置換されている基の具体例としては、メチレンジオキシフェニルメチル、メチレンジオキシフェニルカルボニル基を例示できる。該アリール基がジハロゲノメチレンジオキシ基で置換されている基の具体例としては、ジフルオロメチレンジオキシフェニルメチル基を例示できる。該アリール基がカルボキシル基で置換されている基の具体例としては、ヒドロキシカルボニルフェニルメチル基を例示できる。該アリール基が低級アルコキシカルボニル基で置換されている基の具体例としては、メトキシカルボニルフェニルメチル、メトキシカルボニルフェニルカルボニル基を例示できる。該アリール基が低級アルキルカルボニルオキシ基で置換されている基の具体例としては、アセトキシフェニルメチル、アセトキシフェニルカルボニル基を例示できる。該アリール基がニトロ基で置換されている基の具体例としては、ニトロフェニルカルボニル基を例示できる。該アリール基が低級アルキルアミノ基で置換されている基の具体例としては、ジメチルアミノフェニルカルボニル、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基を例示できる。該アリール基が低級アルキルカルボニルアミノ基で置換されている基の具体例としては、アセチルアミノフェニルカルボニル基を例示できる。該アリール基がアミノスルホニル基で置換されている基の具体例としては、ジクロロ(アミノスルホニル)フェニルカルボニル基を例示できる。
ヘテロアリール低級アルキル基(a5)、ヘテロアリールカルボニル基(a19)、ヘテロアリール低級アルキルカルボニル基(a20)、ヘテロアリール低級アルケニルカルボニル基(a21)、ヘテロアリールオキシ低級アルケニルカルボニル基(a22)、ヘテロアリールスルファニル低級アルキルカルボニル基(a23)、ヘテロアリールアリールカルボニル基(a24)およびヘテロアリールスルホニル基(a31)に記載の各基の一部を構成するヘテロアリール基がハロゲンで置換されている基の具体例としては、クロロチエニルメチル、ジクロロイミダゾリルメチル、クロロ(ヒドロキシ)ピリジルカルボニル基を例示できる。該へテロアリール基が水酸基で置換されている基の具体例としては、ヒドロキシピリジルカルボニル、クロロ(ヒドロキシ)ピリジルカルボニル基を例示できる。該へテロアリール基が低級アルキル基で置換されている基の具体例としては、メチルチアゾリルメチル、n-ヘキシルテトラゾリルメチル、メチルイソオキサゾリルメチル、メチルイミダゾリルメチル基を例示できる。該へテロアリール基がヒドロキシ低級アルキル基で置換されている基の具体例としては、ヒドロキシメチルピリジルメチル基を例示できる。該へテロアリール基がハロゲノ低級アルキル基で置換されている基の具体例としては、トリフルオロメチルベンゾフラニルメチル基を例示できる。該へテロアリール基がアリール基で置換されている基の具体例としては、フェニルチアゾリルメチル、フェニルイミダゾリルメチル基を例示できる。該へテロアリール基がハロゲノアリール基で置換されている基の具体例としては、クロロフェニルピロリルメチル基を例示できる。該へテロアリール基が低級アルキルスルファニル基で置換されている基の具体例としては、メチルスルファニルピリジルカルボニル基を例示できる。該へテロアリール基がアミノカルボニル基で置換されている基の具体例としては、アミノカルボニルピラゾリルカルボニル基を例示できる。該へテロアリール基がカルボキシル基で置換されている基の具体例としては、ヒドロキシカルボニルフリルメチル、ヒドロキシカルボニルチエニルメチル基を例示できる。
(a33)〜(a38)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、その構成窒素原子上または炭素原子上に、特定の置換基(窒素原子上置換基として低級アルキル基または低級アルコキシカルボニル基、および炭素原子上置換基としてオキソ基)を有することができる。これら各基の内で好ましい各基としては、次の各基を例示できる。
即ち、飽和複素環を有する低級アルキル基(a33)の場合であって、更に該複素環を構成する窒素原子上に1個の低級アルキル基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。尚、該基中、Meはメチル基を意味する(以下同じ)。
飽和複素環を有するアリール低級アルキル基(a35)の場合であって、更に該複素環を構成する窒素原子上に1個の低級アルキル基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有するカルボニル基(a36)の場合であって、更に該複素環を構成する窒素原子上に1個の低級アルキルカルボニル基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。尚、上記基においてAcはアセチル基を意味する(以下同じ)。
飽和複素環を有するカルボニル基(a36)の場合であって、更に該複素環を構成する炭素原子上に1個のオキソ基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有する低級アルキルカルボニル基(a37)の場合であって、更に該複素環を構成する窒素原子上に1個の低級アルキル基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有する低級アルキルカルボニル基(a37)の場合であって、更に該複素環を構成する炭素原子上に2個のオキソ基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有するアリールカルボニル基(a38)の場合であって、該複素環を構成する炭素原子上に1個のオキソ基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
Z2で示される(b1)〜(b8)に記載の各基のうち、(b2)、(b3)、(b5)、(b7)および(b8)については、前述した通りである。
Z2で示される低級アルケニルカルボニル基(b4)の具体例としては、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイル基などを挙げることができ、これらのうちではアクリロイル基が好ましい。
Z2で示される飽和複素環を有するピペリジノ低級アルキルカルボニル基(b6)の具体例としては、ピロリジノピペリジノメチルカルボニル、ピロリジルピペリジノエチルカルボニ
ル、ピペリジノピペリジノメチルカルボニル、ピペリジルピペリジノエチルカルボニル、モルホリノピペリジノエチルカルボニル、ピペラジノピペリジノプロピルカルボニル基などが例示できる。該基としては、好ましくは、
Figure 2005336168
などを例示できる。
Z2で示される(b3)に記載の基の一部を構成するアミノ基が有していてもよい置換基としての低級アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくはヘキシルおよびイソプロピルなどのこれらの構造異性体を挙げることができる。これらのうちではメチル、エチル、イソプロピル基が好ましい。また、(b5)〜(b7)の各基の一部を構成する飽和複素環基の窒素原子上に置換し得る低級アルキル基も上記と同様である。これらの低級アルキル基を有するアミノ基および窒素原子上に低級アルキル基を有する飽和複素環を有する各基としては、好ましくは、ジメチルアミノメチルカルボニル、4-メチルピペラジノカルボニル基を例示することができる。
Z3で示される低級アルコキシ基(c2)としては、メトキシ、エトキシ、t-ブトキシ、n-ブトキシ基などを挙げることができ、これらのうちでは、メトキシ、エトキシおよびt-ブトキシ基が好ましい。
Z3で示されるアミノ低級アルキルアミノ基(c4)としては、アミノメチルアミノ、アミノエチルアミノ、アミノプロピルアミノ、アミノブチルアミノ基などを例示でき、これらのうちではアミノエチルアミノおよびアミノプロピルアミノ基が好ましい。
Z3で示されるアミノ低級アルキルピペラジノ基(c6)としては、アミノメチルピペラジノ、アミノエチルピペラジノ、アミノプロピルピペラジノ、アミノブチルピペラジノ基などを例示でき、これらのうちではアミノエチルピペラジノおよびアミノプロピルピペラジノ基が好ましい。
Z3で示されるアミノカルボニル低級アルキルピペラジノ基(c7)としては、アミノカルボニルメチルピペラジノ、アミノカルボニルエチルピペラジノ、アミノカルボニルプロピルピペラジノ、アミノカルボニルブチルピペラジノ基などを例示でき、これらのうちではアミノカルボニルメチルピペラジノ基が好ましい。
Z3で示されるアミノ低級アルキル-1,4-ジアゼパン-1-イル基(c9)としては、アミノメチル-1,4-ジアゼパン-1-イル、アミノエチル-1,4-ジアゼパン-1-イル、アミノプロピル-1,4-ジアゼパン-1-イル、アミノブチル-1,4-ジアゼパン-1-イル基などを例示でき、これらのうちではアミノプロピル-1,4-ジアゼパン-1-イル基が好ましい。
Z3で示されるアミノ低級アルキルアミノピペリジノ基(c12)としては、アミノメチルアミノピペリジノ、アミノエチルアミノピペリジノ、アミノプロピルアミノピペリジノ、アミノブチルアミノピペリジノ基などを例示でき、これらのうちではアミノエチルアミノピペリジノ基が好ましい。
Z3で示されるアミノ低級アルキルピペリジノ基(c13)としては、アミノメチルピペリジノ、アミノエチルピペリジノ、アミノプロピルピペリジノ、アミノブチルピペリジノ基などを例示でき、これらのうちではアミノエチルピペリジノ基が好ましい。
Z3で示される飽和複素環を有するアミノ基(c15)としては、ピペリジノアミノ、ピペリジルアミノ、ピペラジノアミノ、ピペラジルアミノ、ピロリジルアミノ、モルホリルアミノ基などを例示でき、これらのうちではピペリジノアミノおよびピペラジノアミノ基が好ましい。
Z3で示される飽和複素環を有する低級アルキルアミノ基(c16)としては、ピペリジノエチルアミノ、ピペリジルメチルアミノ、ピロリジノエチルアミノ、モルホリノプロピルアミノ、ピペラジノプロピルアミノ基などを例示でき、これらのうちではピペリジノエチルアミノ基が好ましい。
Z3で示される飽和複素環を有するピペラジノ基(c17)としては、ピペリジルピペラジノ、モルホリルピペラジノ基などを例示でき、これらのうちではピペリジルピペラジノ基が好ましい。
Z3で示される飽和複素環を有する低級アルキルピペラジノ基(c18)は、低級アルキル基に飽和複素環基が置換した低級アルキルピペラジノ基を意味する。具体例としてはピロリジノエチルピペラジノ、モルホリノエチルピペラジノ、ピペリジノエチルピペラジノ、ピペリジルエチルピペラジノ、ピペリジルメチルピペラジノ、1,3-ジオキソラニルメチルピペラジノ、テトラヒドロフリルメチルピペラジノ基などを例示でき、これらのうちではピロリジノエチルピペラジノ、モルホリノエチルピペラジノ、ピペリジノエチルピペラジノ、ピペリジルメチルピペラジノ基が好ましい。
Z3で示される飽和複素環を有するカルボニル低級アルキルピペラジノ基(c19)の具体例としては、ピロリジノカルボニルメチルピペラジノ、ピペリジノカルボニルエチルピペラジノ基などが例示でき、ピロリジノカルボニルメチルピペラジノ基が好ましい。
Z3で示される飽和複素環を有する低級アルキル-1,4-ジアゼパン-1-イル基(c20)の具体例としては、モルホリノプロピル-1,4-ジアゼパン-1-イル、ピペリジノエチル-1,4-ジアゼパン-1-イル基などが例示でき、これらのうちではモルホリノプロピル-1,4-ジアゼパン-1-イル基が好ましい。
Z3で示される飽和複素環を有するピペリジノ基(c21)の具体例としては、ピペリジノピペリジノ、ピペラジノピペリジノ、モルホリノピペリジノ、モルホリルピペリジノ基などが例示でき、これらのうちではピペリジノピペリジノおよびピペラジノピペリジノ基が好ましい。
Z3で示される飽和複素環を有する低級アルキルモルホリノ基(c22)の具体例としては、ピペリジノメチルモルホリノ、ピペラジノメチルモルホリノ、1,4-ジアゼパン-1-イルメチルモルホリノ基などが例示でき、ピペリジノメチルモルホリノおよびピペラジノメチルモルホリノ基が好ましい。
アミノ低級アルキルアミノ基(c4)、アミノ低級アルキルピペラジノ基(c6)、アミノカルボニル低級アルキルピペラジノ基(c7)、アミノ低級アルキル-1,4-ジアゼパン-1-イル基(c9)、アミノピペリジノ基(c11)、アミノ低級アルキルアミノピペリジノ基(c12)、アミノ低級アルキルピペリジノ基(c13)、 飽和複素環を有するアミノ基(c15)および飽和複素環を有する低級アルキルアミノ基(c16)の一部を構成するアミノ基、およびアミノ基(c3)が、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール低級アルキル基、アルコキシアリール低級アルキル基、ヘテロアリール低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基および低級アルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる置換基の1-2個で置換された基としては、好ましくは、以下の各基を例示できる。
Figure 2005336168
尚、上記例示の各基において、Phはフェニル基を、Bocはt-ブトキシカルボニル基を、i-Prはイソプロピル基を、n-Prはn-プロピル基を、Etはエチル基を、それぞれ示す(以下同じ)。
アミノピペリジノ基(c11)の一部を構成するアミノ基がアリール低級アルキルカルボニル基で置換された基としては、好ましくは
Figure 2005336168
などを例示できる。
ピペラジノ基(c5)および1,4-ジアゼパン-1-イル基(c8)が、その4位に低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、アリール基、低級アルキルアリール基、ヒドロキシルアリール基、シアノアリール基、ハロゲノアリール基、アリール低級アルキル基、低級アルコキシアリール低級アルキル基、ハロゲノアリールオキシ低級アルキル基、ヘテロアリール基、低級アルキルへテロアリール基、ハロゲノ低級アルキルへテロアリール基、シアノヘテロアリール基、ヘテロアリール低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基および低級アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有している基の具体例としては、好ましくは、下記各基を例示できる。
Figure 2005336168
尚、上記例示の各基において、OMeはメトキシ基を、O-t-Buは、tert-ブトキシ基を、それぞれ示す(以下同じ)。
(c15)〜(c22)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環が、該環を構成する窒素原子上に低級アルキル基、アリール基、シアノアリール基、低級アルキルカルボニル基、ハロゲノ低級アルキルアリール基およびアリール低級アルキル基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有する具体例としては、好ましくは、下記各基を例示できる。
Figure 2005336168
ピペラジノ基(c5)、ピペリジノ基(c10)および(c15)〜(c22)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環が、これらの環を構成する炭素原子上に水酸基、オキソ基、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、アリール基、アリール低級アルキル基、アミノカルボニル基および低級アルキルアミノ基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有する基としては、好ましくは、下記各基を例示できる。
Figure 2005336168
(c15)〜(c22)の飽和複素環であって、該飽和複素環を構成する窒素原子上に低級アルキル基、アリール基、シアノアリール基、低級アルキルカルボニル基、ハロゲノ低級アルキルアリール基およびアリール低級アルキル基からなる群から選ばれる置換基を有する各基、および該飽和複素環を構成する炭素原子上に、水酸基、オキソ基、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、アリール基、アリール低級アルキル基、アミノカルボニル基および低級アルキルアミノ基からなる群から選ばれる置換基を有する各基の好ましいものとしては、次の各基を例示できる。
即ち、飽和複素環を有するアミノ基(c15)であって、更に該複素環に置換基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有する低級アルキルアミノ基(c16)であって、更に該複素環に置換基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有するピペラジノ基(c17)であって、更に該複素環に置換基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有する低級アルキルピペラジノ基(c18)であって、更に該複素環に置換基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有するピペリジノ基(c21)であって、更に該複素環に置換基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
飽和複素環を有する低級アルキルモルホリノ基(c22)としては、
Figure 2005336168
などを例示でき、更に該飽和複素環を構成する窒素原子上に置換基を有する基としては、
Figure 2005336168
などを例示できる。
前記一般式(1)で表される本発明化合物のうちで第一の好ましい化合物群としては、R2がメチレン基であり、R3が水素原子または低級アルキル基である化合物を挙げることができる。
第二の好ましい化合物群としては、R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(3)または基(6)である化合物群を挙げることができる。この化合物のうちで、より好ましい化合物としては、R4が低級アルキレン基であり且つZ1が(a2)、(a14)、(a15)、(a28)、(a32)および(a37)から選ばれるいずれかの基である化合物を挙げることができる。
第三の好ましい化合物群としては、R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(4)、基(5)または基(7)(但し、Z1は低級アルコキシカルボニル基または水素原子を示す)である化合物群を挙げることができる。
第四の好ましい化合物群としては、R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(8)である化合物を挙げることができる。
第五の好ましい化合物群としては、R1が水素原子または低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)、基(10)または基(11)である化合物群を挙げることができる。
第六の好ましい化合物群としては、R1が水素原子または低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)、基(10)または基(11)(但し、Z3は(c1)、(c2)、(c4)、(c5)、(c6)、(c7)、(c8)、(c10)、(c11)、(c15)、(c16)、(c18)、(c21)または(c22)を示す)である化合物群を挙げることができる。
第七の好ましい化合物群としては、R1がアセチル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)(但し、Z3は(c4)、(c5)、(c6)、(c10)、(c11)、(c16)、(c18)、(c21)または(c22)を示す)である化合物群を挙げることができる。
好ましい本発明化合物の具体例としては、下記1)〜19)に記載の化合物を挙げることができる。
1) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
2) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
3) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセチル]ピペラジン-1-イルメチル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
4) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド
5) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノエチル)プロピオンアミド
6) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノエチル)-N-メチルプロピオンアミド
7) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノプロピル)-N-メチルプロピオンアミド
8) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-メチルピペリジン-1-イルエチル)プロピオンアミド
9) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジエチルアミノエチル)プロピオンアミド
10) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)プロピオンアミド
11) N-(4-{6-アミノ-2-[6-(3-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル-3-オキソプロピル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]-5-シアノピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミド
12) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-オキソ-3-(2-ピペリジン-1-イルメチルモルホリン-4-イル)プロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド
13) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[2-(4-エチルピペラジン-1-イルメチル)モルホリン-4-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
14) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
15) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジイソプロピルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
16) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-オキソ-3-[4-(2-ピロリジン-1-イルエチル)ピペラジン-1-イル]プロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
17) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-モルホリン-4-イルエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
18) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド
19) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド。
本発明化合物中には、置換基の種類により二重結合やアミド結合などに基づく幾何異性体や互変異性体が存在する場合があるが、本発明はこれらの異性体を分離したもの、あるいは混合物をすべて包含する。
また、本発明化合物は不斉炭素原子を有する場合があり、この場合、不斉炭素原子に基づく光学異性体が存在し得る。本発明はこれら光学異性体の混合物や、その単離したものも包含する。
また、本発明は、前記した本発明化合物を放射性同位元素でラベル化した化合物も包含する。
また、本発明化合物は、薬理学的に許容されるプロドラッグも包含する。薬理学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解などによりまたは生理学的条件下で本発明化合物に変換できる基(保護基)を有する化合物を言う。プロドラッグを形成する基は、公知である(例えば、Prog.Med., 5, 2157-2161, 1985、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻分子設計163-196頁など参照)。これらの各基は、上記加溶媒分解などにより、-NH2、-OH、-COOHなどの官能基に変換することができる。具体的には、エチルエステルの形態を有する本発明化合物、例えば実施例43に記載の化合物は、生体中のエステラーゼにより、カルボン酸形態の本発明化合物、即ち実施例45の化合物に変換され得る。
さらに、本発明化合物は、置換基の種類により、酸付加塩または塩基との塩を形成することができる。本発明は、このような塩類、特に製剤学的に許容される酸付加塩および塩基との塩をも包含する。酸付加塩の具体例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ素水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸などの有機酸との酸付加塩を挙げることができる。また、塩基との塩を形成させる塩基の具体例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの無機塩基;メチルアミン、エチルアミン、メグルミン、エタノールアミンなどの有機塩基;リジン、アルギニン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸を挙げることができる。塩基との塩には更にアンモニウム塩も含まれる。これらの塩類は常法により製造することができる。
さらに、本発明は、本発明化合物およびその製剤学的に許容される塩の水和物、溶媒和物および結晶多形の物質をも包含する。
本発明化合物の製造
以下、本発明化合物(その製剤学的に許容される塩を含む。以下、特筆しない限りこれらを「本発明化合物」)という)の製造法につき詳述する。
本発明化合物は、その基本骨格あるいは置換基の種類に応じて、既知の各種方法を原料化合物に適用して製造することができる。その際、目的化合物の有する官能基の種類によっては、原料化合物(若しくは中間体化合物)の有する当該官能基を適当な保護基(容易に当該官能基に変換可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような官能基としては、-NH2、-OH、-COOHなどが挙げられる。それらの保護基としては、例えばグリーン(Greene)およびウッツ(Wuts)の文献("Protective Groups in Organic Synthesis" (第3版), 1999年, John Wiley & Sons Inc.)に記載の保護基を挙げることができる。保護基の置換反応は、該保護基の種類に応じて、上記文献に記載の反応条件などに従って適宜決定することができる。また、上記置換反応により導入した保護基を、所望の反応によって目的化合物を得た後に該化合物から脱離させる方法も、常法、例えば上記文献に記載の方法に従って実施することができる。
本発明化合物は、下記反応工程式-1に示す方法により製造することができる。
Figure 2005336168
[各式中、R1、R2、R3は前記に同じ、但しR1が水素原子の場合を除く。Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を示す。]
本発明化合物(1)は、アルデヒド体(化合物(2a))からジシアノエチレン体(化合物(2b))および2-メルカプトピリミジン体(化合物(2c))または2-メルカプトジヒドロピリミジン体(化合物(2d))を経て製造できる。
ここで出発原料として利用する化合物(2a)は、公知化合物である。
また、化合物(2d)は、環内二重結合の位置の異なる異性体を含む。
反応工程式-1に示す各反応は、それぞれ文献に記載の方法に準じて実施することができる。より詳しくは、次のようにして実施することができる。
まず、化合物(2a)とマロノニトリル(11)との反応は、例えば文献(W. S. Emerson, T. M. Patrick, J. Org. Chem., 790, 14, 1949参照)に記載の方法に従って実施することができる。即ち、化合物(2a)に対して等モル量から過剰モル量のマロノニトリル(11)を、無溶媒で或いは水、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、エタノール、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、化合物(2a)と反応させることにより、化合物(2b)を得る。上記反応は、不活性溶媒中、特にエタノール中で実施されるのが好ましい。上記反応は、無触媒でも実施できるが、好ましくは、化合物(2a)に対して触媒量から等モル量の触媒を用いて実施される。該触媒としては、ピペリジンなどの有機塩基およびその塩、グリシンなどのアミノ酸、酢酸アンモニウムなどのアンモニウム塩などを挙げることができる。これらの内では特にピペリジンが好ましい。上記反応の温度条件としては、溶媒および触媒を利用するか否かに拘わらず、いずれの場合も、室温乃至加温条件を採用できる。特に、室温条件の採用が好ましい。
上記反応により得られる化合物(2b)は、次いでこれにチオウレア(12)を反応させることによって、化合物(2c)または化合物(2d)或いはこれらの混合物に変換できる。この反応は、例えば文献記載の方法に従って実施することができる(Daboun, H. A.; El-Reedy, A. M.; Z. Naturforsch., 1983, 38 (12), 1686)。より詳しくは、化合物(2b)に対して等モル量〜過剰モル量のチオウレア(12)を用いて、無溶媒で或いは水、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で実施できる。反応系内には、所望により、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミンなどの塩基を添加存在させ得る。上記反応は、好ましくは、エタノール中、ナトリウムエトキシドの存在下に行われる。上記反応の反応温度条件は、室温から加温条件でよく、特に溶媒の加熱還流温度条件の採用が好ましい。
反応工程式-1に従う方法によれば、次いで、上記により得られる化合物(2c)または化合物(2d)或いはこれらの混合物に、化合物(13)(例えばハロゲン、アリールスルホニルオキシ基,アルキルスルホニルオキシ基などの脱離基を有する置換ピリジル低級アルキル化合物)を反応させることにより、本発明化合物(1)またはそのジヒドロ体(2e)或いはこれらの混合物を製造することができる。この反応は、化合物(2c)または化合物(2d)或いはこれらの混合物に対して等モル量〜過剰モル量の化合物(13)を利用して実施できる。該反応は、無溶媒で或いはDMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で行われる。反応系内には、必要に応じて、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミンなどの塩基を更に存在させ得る。上記においては、特に反応溶媒としてDMFを用い且つ塩基としての炭酸水素ナトリウムの存在下で反応を行うことが好ましい。反応は、一般には、室温〜加温下で行われ、特に室温下での反応が好ましい。
尚、上記反応において利用される化合物(13)は、その有するR2基およびR3基の種類によって新規化合物を含んでいる。この新規化合物については後述する。
上記反応により得られる本発明化合物のジヒドロ体(2e)は、更に該化合物を酸化反応させることによって、本発明化合物(1)に誘導できる。この反応は、該ジヒドロ体(2e)に対して触媒量〜過剰モル量の酸化剤、例えばDDQ (2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン)、NBS (N-ブロモスクシンイミド)などを用いて、無溶媒或いは水、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で実施できる。かくして、本発明化合物(1)を収得できる。この反応は、特に溶媒としてエタノールを用い、NBSの存在下で行われるか或いは溶媒としてジオキサンを用いて、DDQの存在下で行われるのが好ましい。反応温度条件としては、室温〜加温条件を採用でき、特に溶媒の加熱還流温度条件の採用が好ましい。
本発明化合物は、また、下記反応工程式-2に示す方法によっても製造することができる。
Figure 2005336168
[各式中、R1、R2、R3およびXは前記反応工程式-1に示すそれらに同じ。但しR1が水素原子の場合を除く。]
反応工程式-2に示す方法によれば、本発明化合物(1)は、チオウレア(12)と化合物(13)との反応によって製造される化合物(3a)と化合物(2b)との反応によって、化合物(2e)を経て製造することができる。即ち、本発明化合物(1)は、上記反応によって化合物(2e)(ジヒドロピリミジン体)を経て、該化合物(2e)との混合物として得られる。
ここで原料として利用する化合物(13)は、前記反応工程式-1の項で述べたように公知化合物および新規化合物の両者を包含する。新規化合物については後述する。
また、化合物(2b)は、前記反応工程式-1に示す化合物(2a)と化合物(11)との反応により製造することができる。
化合物(2e)は、環内二重結合の位置の異なる異性体を含む。
反応工程式-2に示す方法においては、まず、チオウレア(12)に対して等モル量〜過剰モル量の化合物(13)を用いて、無溶媒で或いは水、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、両者を反応させる。この反応は、例えば文献記載のS-アルキルイソチオウレアの合成法に従って実施することができる(Urquhart, G. G.; Gates, J. W. Jr; Connor, R.; Org. Synth., 1941, 21, 36)。反応系内には必要に応じて、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミンなどの塩基若しくは塩酸、硫酸などの鉱酸または酢酸などの有機酸を添加存在させ得る。反応溶媒としては、特にエタノールの使用が好ましい。反応は、室温乃至加温下で行い得、特に約60℃前後の加温条件の採用が好ましい。かくして、化合物(3a)を遊離形態で若しくは塩の形態で得ることができる。
次いで、得られる化合物(3a)(遊離形態および塩形態のいずれでもよい)に、該化合物に対して等モル量〜過剰モル量の化合物(2b)を、無溶媒で或いはDMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で加え、所望により化合物(3a)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を反応系内に添加存在させて、反応を行う。この反応は、文献記載の方法(El-Sharabsy, S. A.; Abdel Gawad, S. M.; Hussain, S. M.; J. Prakt. Chem., 1989, 331 (2), 207)に準じて実施することができる。この反応において、特に好ましい溶媒としてはエタノールを例示できる。また、反応系内には炭酸水素ナトリウムを添加存在させるのが好ましい。反応は、室温乃至加温下で行い得、特に溶媒の加熱還流温度条件下で反応を行うのが好ましい。かくして、本発明化合物(1)またはそのジヒドロ体(2e)或いはこれらの混合物を得る。
上記で得られる本発明化合物のジヒドロ体(2e)は、前記反応工程式-1に示した方法に従う酸化反応によって本発明化合物(1)に変換し得る。
反応工程式-2に示す方法においては、チオウレア(12)から化合物(3a)を製造し、該化合物を単離後、この化合物に化合物(2b)を反応させるが、化合物(3a)を単離することなく、その生成反応系内に化合物(2b)を添加して同様の条件下で反応させることによっても、本発明化合物(1)またはそのジヒドロ体(2e)或いはこれらの混合物が得られる。
本発明化合物は、また、下記反応工程式-3に示す方法によっても製造することができる。
Figure 2005336168
[各式中、R1、R2、R3およびXは前記反応工程式-1に示すそれらに同じ。但しR1が水素原子の場合を除く。]
反応工程式-3に示す方法によれば、チオウレア(12)と化合物(13)との反応により得られる化合物(3a)を単離し若しくは単離することなく、該化合物に化合物(2a)およびマロノニトリル(11)を同時に反応させることによって、本発明化合物(1)またはそのジヒドロ体(2e)或いはこれらの混合物を得ることができる。
化合物(3a)の製造反応は前記反応工程式-2に示したとおりである。該化合物(3a)と化合物(2a)およびマロノニトリル(11)との反応は、化合物(3a)(遊離形態および塩形態のいずれでもよい)に、該化合物に対して等モル量〜過剰モル量の化合物(2a)および等モル量〜過剰モル量のマロノニトリル(11)を、前記反応工程式-2の場合と同様の反応条件で反応させ本発明化合物(1)またはそのジヒドロ体(2e)或いはこれらの混合物を得ることができる。
上記で得られる本発明化合物のジヒドロ体(2e)は、前記反応工程式-1に示した方法に従う酸化反応によって本発明化合物(1)に変換し得る。
更に、本発明化合物は、後述するように、前記各種の方法に従って得られる化合物を原料として、公知の方法に従って製造することができる。
原料化合物の製造
前記反応工程式-1〜反応工程式-3において出発原料として利用する化合物(13)は、その有するR2基およびR3基の種類に応じて新規化合物を含んでいる。これらの化合物は、例えば下記反応工程式-4〜反応工程式-9に記載の各方法に従って製造することができる。
Figure 2005336168
[式中、X1およびX2は例えばハロゲン、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基などの脱離基を示す。また-NR9R10
Figure 2005336168
(各基中、Z1、Z2およびR5は、前記一般式(1)に同じ)を示す。]
反応工程式-4によれば、R2がメチレン基であり、R3が基(3)、基(6)および基(8)である本発明化合物の出発物質(化合物(4b))を、公知の化合物(4a)と化合物(15)との反応により製造することができる。
該反応において、化合物(15)は、化合物(4a)に対して通常等モル量〜過剰モル量で用いられる。反応は、無溶媒で或いはDMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で行い得る。場合により、反応系内には化合物(4a)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を存在させ得る。かくして、化合物(4b)を得る。この反応は、特に溶媒としてエタノールを用いて、化合物(4a)に対して過剰モル量の化合物(15)を使用して、塩基の非存在下に実施されるのが好ましい。反応は室温乃至加温下で行い得、室温条件の採用が好ましい。
Figure 2005336168
[式中、R11
Figure 2005336168
(各基においてR5およびZ1は一般式(1)に同じ)を示し、R12は低級アルキル基、アリール基またはハロゲノ低級アルキル基を示し、Xは前記反応工程式-1に同じである。]
反応工程式-5によれば、R2がメチレン基であり、R3が基(4)、基(5)または基(7)である本発明化合物の出発物質(化合物(5e))を製造できる。この方法に示す各反応は次のようにして実施できる。即ち、6-メチル-2-ピコリン酸(16) (または6-メチル-3-ピコリン酸, 6-メチル-4-ピコリン酸, 6-メチル-5-ピコリン酸)から常法に従って得られる化合物(5a)に、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、m-クロロ過安息香酸(m-CPBA)、過酸化水素水などの酸化剤を化合物(5a)に対して等モル量〜過剰モル量反応させて、化合物(5b)を得る。反応温度としては氷冷温度乃至は溶媒の加熱還流温度を採用できる。特にこの反応は、過剰量のm-CPBAなどの酸化剤を用いて、クロロホルム中、室温下で実施されるのが望ましい。
次に、得られる化合物(5b)に、該化合物に対して等モル量〜過剰モル量の無水酢酸などの有機酸無水物を、無溶媒で或いはDMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で加えて、室温乃至加熱下に反応させることにより、化合物(5c)を得る。
更に、得られる化合物(5c)を、水、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、該化合物(5c)に対して等モル量〜過剰モル量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの塩基の存在下に、室温乃至加熱下に加水分解反応させることにより、化合物(5d)を得る。この反応は、特に、メタノール中、過剰量の水酸化カリウムと共に加熱還流する方法に従うのが望ましい。尚、この反応により得られる化合物(5d)は、化合物(5b)から直接一段階で得ることもできる。この反応は、化合物(5b)に、該化合物に対して等モル量〜過剰モル量のトリフルオロ酢酸無水物を、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中或いは無溶媒で反応させた後、水、メタノール、エタノールなどを加えて加水分解することにより実施できる。とくにこの反応は、過剰モル量のトリフルオロ酢酸無水物を無溶媒で反応させた後、メタノールを加えて攪拌する方法によるのが好ましい。
最終的に、化合物(5d)から化合物(5e)を得る反応は、以下の3通りの方法により実施できる。
方法1):化合物(5d)に、該化合物に対して等モル量〜過剰モル量の塩化チオニル、臭化チオニル、塩化オキサリルなどのハロゲン化剤を、無溶媒で或いはジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で反応させる。
方法2):化合物(5d)に、該化合物に対して等モル量〜過剰モル量の塩化メタンスルホニルなどの塩化アルキルスルホニルを、無溶媒で或いはジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中、化合物(5d)に対して等モル量〜過剰量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に、反応させる。
方法3):化合物(5d)に対して等モル量〜過剰モル量の四塩化炭素、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化アルキルを、化合物(5d)に対して等モル量〜過剰モル量のトリフェニルホスフィン、トリ(n-ブチル)ホスフィンなどのホスフィンリガンドの存在下に、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で反応させる。
Figure 2005336168
[式中、R13は水素原子または保護基を示し、R14は低級アルキル基を示す。Xは前記反応工程式-1に同じ。R9およびR10は前記反応工程式-4に同じ。]
上記において、R13で示される保護基には、例えばアセチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基などのアルコール性水酸基の保護に通常用いられる保護基が含まれる。
反応工程式-6によれば、R4がエチレン基であり、R3が基(3)、基(6)および基(8)のいずれかである本発明化合物の出発原料である化合物(6e)を得ることができる。この方法における各反応は、次のようにして実施できる。即ち、まず、水酸基上に保護基を有するか若しくは有しない化合物(6a)と、該化合物に対して等モル量〜過剰量のトリアルキルシリルアセチレン(17)とを、トリエチルアミンなどの塩基中、触媒量のビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)などの有機金属触媒およびよう化銅(I)などの活性化剤の存在下に、カップリング反応させる。この反応によって化合物(6b)が得られる。
次いで、化合物(6b)を、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、該化合物(6b)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下に脱シリル化反応させることで、化合物(6c)を得る。保護基R12の種類によっては、上記反応においては、該保護基の脱離反応が伴われないことがあるが、その場合、該保護基は常法に従って脱離反応させることができる。
更に、得られる化合物(6c)に、該化合物に対して等モル量〜過剰モル量の化合物(15)を、無溶媒或いはDMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で加え、場合により等モル量〜過剰量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、氷冷下乃至溶媒の加熱還流温度で反応させることで、化合物(6d)を得る。過剰モル量の化合物(15)と共にエタノール中、加熱還流することが望ましい。
最後に、化合物(6d)に対し前記反応工程式-5に示した化合物(5e)の合成反応と同様の反応を行わせることによって、所望の化合物(6e)が得られる。
Figure 2005336168
[式中、R15は低級アルコキシ基を示す。Xは前記反応工程式-1に同じ。]
反応工程式-7に示す方法によれば、R2がメチレン基であり、R3が基(9)であり、Z3が(c2)低級アルコキシ基である本発明化合物の出発原料(化合物(7d))、およびR2がメチレン基であり、R3が基(10)であり、Z3が(c2)低級アルコキシ基である本発明化合物の出発原料(化合物(7e))を合成することができる。
この方法は、より詳しくは、まず化合物(7a)に、該化合物に対して等モル量〜過剰量のアクリル酸低級アルキルエステル(19)を反応させることにより化合物(7b)を得る。この反応は、次の2種の方法に従い実施できる。
即ち、無溶媒或いはDMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中、場合によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下で、等モル量〜過剰量のトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基および触媒量〜等モル量の酢酸パラジウム(II)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどの有機金属触媒および等モル量〜過剰量のトリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィンなどのホスフィンリガンドの存在下に、室温または加熱下に化合物(7a)と化合物(19)とを反応させる(Heck反応) (方法1)。
無溶媒或いはDMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中、場合によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下、等モル量〜過剰量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基および等モル量〜過剰量の塩化テトラ(n-ブチル)アンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウムなどの相関移動触媒、触媒量〜等モル量の酢酸パラジウム(II) 、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどの有機金属触媒、場合により更にモレキュラーシーブス(Molecular Sieves)などの脱水剤の存在下に、室温または加熱下に化合物(7a)と化合物(19)とを反応させる (Heck反応、Jeffery条件) (方法2)。
これらの内では、方法2、特に、アルゴン雰囲気下、DMF中、等モル量の塩化テトラ(n-ブチル)アンモニウム、過剰量の炭酸水素ナトリウム、過剰量のモレキュラーシーブス(例えば「3A 1/16」、昭和化学ケミカルデータベース参照)および触媒量の酢酸パラジウム(II)の存在下に80℃程度で反応させる方法が望ましい。
次いで、得られる化合物(7b)に、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレンなどの反応に不活性な溶媒中、室温または加熱下に、触媒量の二酸化白金、パラジウム−炭素などの接触還元触媒の存在下に、常圧または加圧下の水素ガスと反応させることによって、化合物(7c)を得る。この反応は、特に、メタノールまたはエタノール中、室温で、触媒量の二酸化白金の存在下に、常圧または加圧下(1-3 kgf/cm2)で水素雰囲気下激しく攪拌し反応させる方法によるのが望ましい。
かくして得られる化合物(7c)は、前記反応工程式-5に示した化合物(5d)から化合物(5e)を得る反応と同様にして、所望の化合物(7d)に変換できる。
また、上記化合物(7b)について、前記反応工程式-5に示した化合物(5d)から化合物(5e)を得る反応と同様の反応を行うことによって、化合物(7e)を得ることができる。
尚、この反応工程式-7に示す方法において、適当な出発原料を利用すれば、R2が低級アルキレン基であり、R3が基(9)、基(10) および基(12)である本発明化合物の出発原料化合物を合成することができる。
Figure 2005336168
[式中、R15は前記反応工程式-7に同じ。Phはフェニル基を示す。]
前記反応工程式-7に示した化合物(7b)は、また、上記反応工程式-8に示すように、公知の化合物(8a)を出発原料として用いて、Wittig反応(A.Maercher,OR,14,270(1965) B.E.Maryanoff et al.,CRV,89,863(1989))またはWittig-Horner反応(Wittig反応においてホスホニウム塩に換えて対応するホスホン酸エステルを用いる反応)に従っても製造することもできる。
Wittig反応の場合、化合物(8a)に対して等モル量〜過剰量の化合物(8b)を、無溶媒或いはDMF、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中、場合によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下に、氷冷下、室温または加熱下で、化合物(8a)に反応させることにより、所望の化合物(7b)を得る。特にDMF中、過剰量の化合物(8b)を反応させるのが望ましい。Wittig-Horner反応は、化合物(8b)に代えてその対応するホスホン酸エステルおよびナトリウムメトキシドなどの適当な塩基を用いて、同様にして実施することができる。
尚、この反応工程式-8に示す方法において、適当な出発原料を利用すれば、R2が低級アルキレン基であり、R3が基(9)、基(10) および基(12)である本発明化合物の出発原料の出発原料化合物を合成することができる。
Figure 2005336168
[式中、R16は水素原子、または
Figure 2005336168
[式中、R17は低級アルキル基を示す。]
R2がメチレン基であり且つR3が(2)低級アルキル基である本発明化合物の出発原料化合物(化合物(9b))、R2がメチレン基であり且つR3が基(9)(但しZ3は低級アルコキシ(c2)である)の本発明化合物の出発原料化合物(化合物(9a))、およびR2がメチレン基であり且つR3が基(11)(但しZ3はその4位に低級アルキル基を有する(c5)-である)の本発明化合物の出発原料化合物(化合物(9c))は、反応工程式-9に示す方法に従って製造することができる。
この方法においては、まず、化合物(7a)に、該化合物に対して等モル量〜過剰量のアルキン誘導体(20)をカップリング反応させることにより、化合物(9a)を得る。この反応は、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中、等モル量〜過剰量のトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、t-ブチルアミンなどの塩基の存在下、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (0)、塩化パラジウム (II)などの有機金属触媒およびよう化銅 (I)などの活性化剤の存在下、場合によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下、BHT (Butylhydroxytoluene)などの抗酸化剤の存在下に実施することができる。特に、アルゴン雰囲気下、DMF中で過剰量のt-ブチルアミン、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (0)、よう化銅 (I)およびBHTの存在下、80℃で反応を行うことが望ましい。
次いで、得られる化合物(9a)について、前記反応工程式-7に示した化合物(7b)を化合物(7c)に変換する反応と同様の反応を行うことによって、化合物(9b)を得る。
更に、該化合物(9b)について、前記反応工程式-5に示した化合物(5d)を化合物(5e)に導く反応と同様の反応を行うことによって、所望の化合物(9c)を得ることができる。
本発明化合物中のある種の化合物は、前述した各種の方法に従って得られる本発明化合物を原料として、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用して、公知の各種合成法に従って製造することもできる。以下、このような本発明化合物の製造方法を、下記反応工程式-10〜-12に従って説明する。
Figure 2005336168
[式中、R2およびR3は前記一般式(1)に同じ。R1aは低級アルキルカルボニル基を示す。R1bは低級アルキルカルボニル基、低級アルケニルカルボニル基またはフェニルカルボニル基を示す。]
反応工程式-10に示すように、一般式(1)中、R1が水素原子である本発明化合物(化合物1B)は、R1がアセチル基などのアルキルカルボニル基である本発明化合物(1A)を、水、DMF、DMSO、ジエチルジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、化合物(1A)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの塩基若しくは塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸などの酸を作用させることで加水分解して得ることができる。該加水分解反応は、室温乃至加温下で実施できる。特に、該加水分解反応は、エタノールおよび水の混合液中、塩酸水溶液を加えて80℃で加熱攪拌することにより行われるのが好ましい。
R1が低級アルキルカルボニル基、低級アルケニルカルボニル基、フェニルカルボニル基である本発明化合物(1C)は、R1が水素原子である本発明化合物(1B)を、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、該化合物(1B)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、等モル量〜過剰モル量の酸クロリド、活性エステルなどのアシル化剤を氷冷下、室温乃至加温下で作用させることで合成できる。
特にこの反応は、アセトニトリル中、過剰量のトリエチルアミン存在下、過剰量の酸クロリドを室温で反応させることにより行われるのが好ましい。
Figure 2005336168
[式中、R1、R2およびR4は前記一般式(1)に同じ。Z1aは(a12)低級アルキルカルボニル基または(a28)低級アルコキシカルボニル基を示す。またZ1bは水素原子を除く一般式(1)に記載のZ1基、即ち一般式(1)に記載の(a1)〜(a31)または(a33)〜(a38)のいずれかの基を示す。]
反応工程式-11に示すように、一般式(1)中、R3が基(6)であり且つZ1が(32)水素原子である本発明化合物(1E)は、一般式(1)中、R3が基(6)であり且つZ1が(a12)または(a28)に記載の各基、即ち脱離可能な基である本発明化合物(1D)から該脱離基可能な基を脱離反応させることにより合成できる。より詳しくは、本発明化合物(1D)に、水、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中または無溶媒で、該化合物(1D)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの塩基若しくは塩酸、硫酸などの鉱酸または酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸などの有機酸を作用させ、加水分解させることで得ることができる。該加水分解反応は、氷冷温度、室温および加温のいずれの温度条件下でも実施できる。特に好ましくは、Z1aがBOC基(t-butoxycarbonyl基) である本発明化合物に対し、無溶媒で過剰量のトリフルオロ酢酸を用いて、室温下に攪拌する方法を挙げることができる。
また、反応工程式-11に示すように、一般式(1)中、R3が基(6)であり且つZ1が(a1)〜(a31)または(a33)〜(a38)から選択される基である本発明化合物(1F)は、その有するZ1基の種類に応じて、一般式(1)中、R3が基(6)であり且つZ1が(32)水素原子である本発明化合物(1E)から、それぞれ以下のようにして合成できる。
即ち、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、化合物(1E)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に、化合物(1E)に等モル量〜過剰モル量のアルキルカルボニルクロリド、アリールカルボニルクロリド、活性エステルなどのアシル化剤を氷冷下、室温乃至加温下で作用させることでZ1が(a12)〜(a28)または(a36)〜(a38)に記載の置換カルボニル基である本発明化合物が合成できる。アセトニトリル中、過剰モル量の置換カルボニルクロリドを過剰モル量のトリエチルアミン存在下反応させるのが好ましい。
DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、化合物(1E)に対して等モル量〜過剰モル量の各種置換基を有するカルボン酸を、化合物(1E)に対して等モル量〜過剰モル量のDCC, WSC, BOP, DEPCなどの縮合剤の存在下に、場合により等モル量〜過剰モル量のHOSu, HOBt, HOOBtなどの活性化剤の共存下に、化合物(1E)と反応させることにより、Z1が(a12)〜(a28)または(a36)〜(a38)に記載の置換カルボニル基である本発明化合物を得ることができる。該反応は、氷冷温度、室温および加温のいずれの温度条件下でも実施できる。特に、該反応はWSCおよびHOBtの存在下に、室温下で実施されるのが好ましい。
DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、化合物(1E)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に、等モル量〜過剰モル量のアルキルスルホニルクロリド、アリールスルホニルクロリドなどのスルホニル化剤を化合物(1E)に作用させることで、Z1が(a29)〜(a31)に記載の各基である本発明化合物を合成できる。該反応は、氷冷温度、室温および加温のいずれの温度条件下でも実施できる。特に該反応は、DMF中、過剰モル量のジイソプロピルエチルアミンの存在下に、室温で実施されるのが好ましい。
DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、化合物(1E)に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に、等モル量〜過剰モル量のアルキルクロリド等のアルキルハライド、アルキルメタンスルホネートなどのアルキル化剤(アルケニル化剤を含む)を化合物(1E)に作用させることで、Z1が(a1)〜(a11)または(a33)〜(a35)に記載の各基である本発明化合物を合成できる。該反応は、氷冷温度、室温および加温のいずれの温度条件下でも実施できる。特に好ましくは、DMF中、過剰量の炭酸カリウムの存在下に、過剰量のアルキル化剤、好ましくはアルキルハライドを、室温で反応させる。
DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、メタノール、エタノールなどの反応に不活性な溶媒中で、化合物(1E)に対して等モル量〜過剰モル量の対応する置換基を有するアルデヒドを、場合により触媒量〜化合物(1E)に対して過剰モル量の酢酸などの触媒の存在下に化合物(1E)と反応させ、生成するイミン体を単離するかまたは単離することなく、化合物(1E)に対して等モル量〜過剰モル量の水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ジボランなどの還元剤を作用させることにより、Z1が(a1)〜(a11)または(a33)〜(a35)に記載の各基である本発明化合物を得ることができる(還元的アルキル化)。該反応は、氷冷温度、室温および加温のいずれの温度条件下でも実施できる。DMF中、過剰量のアルデヒドを5倍量の酢酸および過剰量のシアノ水素化ホウ素ナトリウム存在下に化合物(1E)と室温で反応させる方法によるのが好ましい。
一般式(1)中、R3が基(7)であり且つZ1が(a32)水素原子である本発明化合物および一般式(1)中、R3が基(8)であり且つZ2が(b1)水素原子である本発明化合物も、一般式(1)中、R3が基(7)であり且つZ1が(a12)または(28)に記載のいずれかの基である本発明化合物および一般式(1)中、R3が基(8)であり且つZ2が(b2)に記載の基である本発明化合物を原料として、上記反応工程式-11に示す化合物(1D)から化合物(1E)を得る反応と同様の反応により合成することができる。
また、一般式(1)中、R3が基(7)であり且つZ1が(a32)水素原子である本発明化合物および一般式(1)中、R3が基(8)であり且つZ2が(b1)水素原子である本発明化合物を原料として、上記反応工程式-11に示す化合物(1E)から化合物(1F)を得る反応と同様の反応により、一般式(1)中、R3が基(7)であり且つZ1が(a1)〜(a31) または(a33)〜(a38)に記載のいずれかの基である本発明化合物および一般式(1)中、R3が基(8)であり且つZ2が(b2)〜(b8)に記載のいずれかの基である本発明化合物を製造することができる。
Figure 2005336168
[式中、R1、R2およびR4は前記一般式(1)に同じ。Z3aは(c2)低級アルコキシ基を示す。Z3bは水酸基および低級アルコキシ基を除く一般式(1)に記載のZ3基、即ち一般式(1)に記載の(c3)〜(c22)のいずれかの基を示す。]
反応工程式-12に示すように、R3が基(9)でありZ3が(c1)水酸基である本発明化合物(1H)は、R3が基(9)でありZ3が低級アルコキシ基である本発明化合物(1G)から合成できる。この反応は、例えば本発明化合物(1G)に、水、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中または無溶媒で、該化合物に対して等モル量〜過剰モル量の炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの塩基若しくは塩酸、硫酸などの鉱酸または酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸などの有機酸を作用させて加水分解することにより実施できる。該加水分解反応は、氷冷温度、室温または加温下で進行する。特に、Z3aがtert-ブトキシ基である本発明化合物に対して無溶媒で、過剰量のトリフルオロ酢酸を用いて、室温下で攪拌する方法の採用が好ましい。
また、反応工程式-12に示すように、一般式(1)中、R3が基(9)であり且つZ3が(c3)〜(c22)から選択される基である本発明化合物(1I)は、R3が基(9)であり且つZ3が(c1)水酸基である本発明化合物(1H)から合成できる。この方法はより詳しくは、DMF、DMSO、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アセトン、MEK、アセトニトリル、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムなどの反応に不活性な溶媒中で、本発明化合物(1H)に対して等モル量〜過剰モル量の所望のZ3を与える対応する各種置換基を有するアミンまたは脂肪族含窒素複素環化合物を、本発明化合物(1H)に対して等モル量〜過剰モル量のDCC, WSC, BOP, DEPCなどの縮合剤の存在下に、場合により等モル量〜過剰モル量のHOSu, HOBt, HOOBtなどの活性化剤の共存下に、本発明化合物(1H)と反応させることにより実施できる。かくして、Z3が(c3)〜(c22)から選択される基である本発明化合物(1I) を得ることができる。該反応は、氷冷温度、室温および加温下のいずれの温度条件下でも実施できる。特に好ましい方法としては、DMFまたはアセトニトリル中、BOPまたはWSCおよびHOBtの存在下に、室温で反応させる方法を挙げることができる。
一般式(1)中、R3が基(10)であり且つZ3が(c1)水素原子である本発明化合物および一般式(1)中、R3が基(11)であり且つZ3が(c1)水素原子である本発明化合物も、一般式(1)中、R3が基(12)であり且つZ3が(c2)低級アルコキシ基である本発明化合物および一般式(1)中、R3が基(11)であり且つZ3が(c2) 低級アルコキシ基である本発明化合物を原料として、上記反応工程式-11に示す化合物(1D)から化合物(1E)を得る反応と同様の反応により合成することができる。
また、一般式(1)中、R3が基(10)であり且つZ3が(c1)水素原子である本発明化合物および一般式(1)中、R3が基(11)であり且つZ3が(c1)水素原子である本発明化合物を原料として、上記反応工程式-11に示す化合物(1E)から化合物(1F)を得る反応と同様の反応により、一般式(1)中、R3が基(10)であり且つZ3が(c3)〜(c22)に記載のいずれかの基である本発明化合物および一般式(1)中、R3が基(11)であり且つZ3が(c3)〜(c22)に記載のいずれかの基である本発明化合物を製造することができる。
前記各反応工程式に示す各工程における目的化合物および本発明化合物は、常法に従って、遊離のままで或いはその塩として、単離、精製することができる。この単離、精製手段としては、抽出、濃縮、蒸留、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィーなどの通常の化学操作を挙げることができる。
本発明化合物が、前述したように異性体混合物として存在する場合、各異性体は、異性体間の物理的性質の差を利用して常法により単離できる。より詳しくは、ラセミ化合物から立体化学的に純粋な異性体の分割は、通常のラセミ分割法(一般的な光学活性酸(酒石酸など)とのジアステレオマー塩を形成させた後、光学分割する方法など)に従って実施することができる。ジアステレオマーの混合物からの各異性体の分割は、例えば分別結晶化、クロマトグラフィーなどに従って実施することができる。また、光学的に活性な本発明化合物は、光学的に活性な原料化合物を用いることによっても製造することができる。
医薬組成物
本発明化合物およびその塩は、アデノシンA2a受容体を作動させる活性を有しており、アデノシンA2a受容体作動薬として、ヒトを含むほ乳類に対して、医薬品分野で有用である。従って、本発明はこのようなアデノシンA2a受容体作動薬などの医薬用途に適した医薬組成物をも提供する。以下、この医薬組成物を「本発明医薬組成物」ということがある。
本発明医薬組成物は、本発明化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効量を、製剤学的に許容される担体と共に含有する一般的な医薬製剤形態に調製されて実用される。本発明医薬組成物に利用される製剤学的に許容される担体としては、賦形剤などの固体でも希釈剤などの液体でもよい。これらの担体の具体例には、例えば乳糖、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコールなどが包含される。
また、本発明医薬組成物は、その投与適用に応じた投与単位製剤形態に調製することができる。その具体例としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤などの固形剤および液剤形態の経口投与形態、並びに、静注、筋注などの注射剤形態、点眼剤形態、眼軟膏剤形態、坐剤形態、経皮剤形態などの非経口投与形態を挙げることができる。特に、本発明医薬組成物は、そのアデノシンA2a受容体作動活性を利用して眼圧降下剤、緑内障治療剤などとして有利に利用できることを考慮すると、その医薬組成物形態としては点眼剤が好ましい。
この点眼剤の調製は、例えば次のようにして実施することができる。即ち、本発明化合物(その塩を含む、以下同じ)に、必要に応じて塩化ナトリウム、グリセリンなどの等張化剤;エデト酸ナトリウムなどの安定化剤;塩化ベンザルコニウム、パラベン類などの防腐剤;リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、塩酸、水酸化ナトリウムなどのpH調節剤などを適宜配合して、常法に従い点眼剤形態に調製する。
本発明医薬組成物のとり得る経口投与のための固形剤、例えば錠剤、散剤、顆粒剤などの調製は、本発明化合物と、少なくとも一つの不活性な担体、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸、アルミン酸マグネシウムとを混合し、混合物を常法に従って賦型することにより実施できる。該混合物には、更に適当な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;繊維素グルコール酸カルシウムのような崩壊剤;ラクトースのような安定化剤;グルタミン酸、アスパラギン酸のような溶解補助剤などを配合することができる。また甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤などを添加配合することもできる。錠剤および丸剤は、更に必要により、ショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣または胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液剤、例えば乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤などの調製は、本発明化合物を一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールなどに溶解乃至分散させることにより実施できる。この液剤には、更に湿潤剤、懸濁化剤などの補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤などを添加配合することもできる。
非経口投与のための注射剤には、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤などが含まれる。水性の注射剤は、例えば注射用蒸留水および生理食塩水を希釈剤として利用して常法に従い調製することができる。非水性の注射剤は、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油;エタノールなどのアルコール類;ポリソルベート80などを希釈剤乃至担体として利用して常法に従い調製できる。これらの注射剤には、更に防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えばラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を添加配合することができる。調製される注射剤は、常法に従って、例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合またはガンマ線などの放射線照射によって無菌化される。また、注射剤は、無菌の固形剤を製造後、無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して実用される、用時溶解剤形態に調製することもできる。
上記の如くして調製される各種形態の本発明医薬組成物の投与量は、該医薬組成物を適用する患者(投与対象者)の症状の程度、年齢、性別などを考慮して、個々の場合に応じて適宜決定される。一般に、点眼剤形態の本発明医薬組成物の投与量は、有効成分としての本発明化合物の濃度が0.0001〜10%(w/v%)である点眼剤を、1日1〜数回、点眼または目に塗布する程度の量とすることができる。この1回当たりの点眼量は、一般に成人に対して約0.001〜1mLとされる。
本発明医薬組成物が経口剤または注射剤の場合、それらの投与量は、有効成分とする本発明化合物の量が1日成人1人当たり0.001〜1000mgとなる量とすることができる。この1日当たりの投与量は、これを1日に1回で投与してもよいが、通常1日に数回に分けて投与するのが好ましい。尚、上記投与量は、あくまでも目安であり、更に適宜増減することができる。前記したように、投与量は種々の条件に応じてその都度適宜決定することが望ましい。従って、条件によっては、上記投与量範囲より更に減少された投与量を採用する場合でも、十分な効果を奏し得る場合がある。
本発明化合物はアデノシンA2a受容体を活性化する作用(アデノシンA2a受容体作動活性)を有し、眼圧低下作用を介して、緑内障および高眼圧症の予防および/または治療に有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明するため、本発明化合物の製造のための原料化合物の製造例を参考例として挙げ、次いで本発明化合物の製造例を実施例として挙げる。また本発明化合物につき行われた薬理試験例を挙げる。これらの例は、本発明を具体化するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
以下に示す各例中、核磁気共鳴(NMR)スペクトルは下記条件で測定したものであり、その結果を示す略号は次の通りである。
装置:JNM-AL300 (JEOL社製)
内部標準物質:TMS
s : singlet, d : doublet, t : triplet, q : quartet, quint : quintet, sext : sextet
また、各例に用いる略号は次のことを示す。
IPE: イソプロピルエーテル
WSC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
LiAlH4 :水素化リチウムアルミニウム
THF:テトラヒドロフラン
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBAF/THF溶液:テトラブチルアンモニウムフルオリドとテトラヒドロフランとの混液
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
m-CPBA:m-クロロ過安息香酸
EtOH:エタノール
NBS:N-ブロモスクシンイミド
DDQ:2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン
DMSO:ジメチルスルホキシド
BOPおよびBOP試薬:ヘキサフルオロりん酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム
TFA:トリフルオロ酢酸。
参考例1
(4-ホルミルフェニル)カルバミン酸メチルエステル560mgおよびマロノニトリル206mgをエタノール10mLに溶解し、得られた溶液にピペリジン1滴を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応液にIPE10mLを加え、析出した結晶を濾取して、441mgの[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]カルバミン酸メチルエステルを得た。
黄色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.90 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.65 (1H, s), 7.56 (2H, d, J = 8.7 Hz), 6.92 (1H, br s), 3.83 (3H, s)。
参考例2
無水エタノール20mLに金属ナトリウム250mgを少量ずつ加えて完全に溶解させた後、得られた液中にチオウレア760mgを加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応液にN-[-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド2.11gを加え、3時間加熱還流した。その後、反応液から溶媒を減圧留去し、残留物を水30mLに溶解し、更にこの溶液に酢酸を少量ずつ加えて液性を酸性とし、次いで酢酸エチル30mLを加えて終夜撹拌した。析出した不溶物を濾取して、1.2gのN-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-メルカプト-2,3-ジヒドロピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 9.98 (1H, s), 9.65 (1H, br s), 7.56 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.14 (2H, d, J= 8.7 Hz), 6.16 (2H, s), 4.92(1H, s), 2.08 (3H, s)。
参考例3
2,6-ビス(ブロモメチル)ピリジン265mgをエタノール2mLに懸濁させ、得られた懸濁液に氷冷下にモルホリン87mgを加え、混合液を室温で終夜攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール−トリエチルアミン=400:20:1(v/v、以下同じ))で精製して、90mgの4-(6-ブロモメチルピリジン-2-イルメチル)モルホリンを得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 10.0 (1H, s), 7.54-7.48 (2H, m), 7.42 (1H, s), 7.24 (1H, s), 4.08 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.56 (2H, t, J = 4.5 Hz), 2.49 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.42-2.34 (4H, m), 1.89 (2H, quint., J = 6.6 Hz)。
参考例4
(1) 酢酸6-ブロモピリジン-2-イルメチルエステル2.3g、トリメチルシリルアセチレン1.18g、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II) 210mg、よう化銅(I)114mgおよびトリエチルアミン12mLをナス型フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下に5時間加熱還流した。反応混合物を放冷後、減圧乾固し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮し、濃縮物にメタノール7mLおよび1N水酸化カリウム水溶液30mLを加えて1時間撹拌した。反応液を1N塩酸にて酸性にし、減圧濃縮した。濃縮液を炭酸カリウムにて塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。かくして得られた生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=4:1)で精製して、212mgの(6-エチニルピリジン-2-イル)メタノールを得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.67 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.40 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.28 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.76 (2H, d, J = 5.1 Hz), 3.38 (1H, t, J = 5.1 Hz), 3.18 (1H, s)。
(2) (6-エチニルピリジン-2-イル)メタノール320mgおよびモルホリン1gをエタノール3mLに溶解し、アルゴン雰囲気下に24時間加熱還流した。反応液を放冷後、エタノールを減圧留去し、残渣に水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とし、クロロホルム抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水=200:10:1)で精製して、122mgの[6-(2-モルホリン-4-イルエチル)ピリジン-2-イル]メタノールを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.60 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.08 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.03 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.72 (2H, s), 3.73 (4H, t, J = 4.5 Hz), 3.00 (2H, dd, J = 10, 8.7 Hz), 2.77 (2H, dd, J = 10, 8.7 Hz), 2.53 (4H, t, J = 4.5 Hz)。
(3) [6-(2-モルホリン-4-イルエチル)ピリジン-2-イル]メタノール122mgおよびジイソプロピルエチルアミン104mgをジクロロメタン2.5mLに溶解し、溶解液に氷冷下にメタンスルホン酸クロリド47μLを滴下し、室温で終夜撹拌した。反応混合物から溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水=300:10:1)で精製して、80mgの4-[2-(6-クロロメチルピリジン-2-イル)エチル]モルホリンを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.30 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.64 (2H, s), 3.72 (4H, t, J = 4.8 Hz), 2.98 (2H, dd, J = 10, 8.7 Hz), 2.74 (2H, dd, J = 10, 8.7 Hz), 2.53 (4H, t, J = 4.8 Hz)。
参考例5
(1) 6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-カルボキシアルデヒド4.29gをDMF50mLに溶解し、溶解液に(カルボエトキシメチレン)トリフェニルホスホラン7.14gを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチル抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧乾固した。残渣にヘキサン−酢酸エチル (5:1)混液100mLを加え、不溶物を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=10:1)で精製して、5.45gの3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]アクリル酸エチルエステルを得た。
淡黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.72 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.66 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.49 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.29 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.88 (1H, d, J = 15.6 Hz), 4.83 (2H, s), 4.27 (2H, q, J = 7.2 Hz), 1.33 (3H, t, J = 7.2 Hz), 0.97 (9H, s), 0.13 (6H, s)。
(2) 3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]アクリル酸エチルエステル5.45gをエタノール100mLに溶解し、溶解液に二酸化白金200mgを加え、常圧の水素下に、室温で5時間攪拌した。反応液の雰囲気を窒素で置換後、反応液から触媒を濾去し、溶媒を留去して、5.07gの3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]プロピオン酸エチルエステルを得た。
淡黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.60 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.03 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.79 (2H, s), 4.12 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.07 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.75 (2H, t, J = 7.5 Hz), 1.23 (3H, t, J = 7.2 Hz), 0.96 (9H, s), 0.11 (6H, s)。
(3) 3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]プロピオン酸エチルエステル5.07gをエタノール100mLに溶解し、この液に1N水酸化ナトリウム水溶液23.5mLを加えて、室温で2時間攪拌した。反応混合物を約半量まで減圧濃縮し、濃縮物に氷水を加え、塩酸で弱酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=10:1)で精製して、2.77gの3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]プロピオン酸を得た。
無色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.77 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.47 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.13 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.84 (2H, s), 3.15 (2H, t, J = 6.0 Hz), 2.82 (2H, t, J = 6.0 Hz), 0.96 (9H, s), 0.14 (6H, s)。
(4) 3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]プロピオン酸1.65gを塩化メチレン20mLに溶解し、溶解液にモルホリン584μL、WSC 1.6gおよびトリエチルアミン1.56mLを加え、室温で終夜攪拌した。反応混合物をクロロホルムで希釈し、希釈物を分液ロートに移して水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=30:1)で精製して、1.91gの3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]-1-モルホリン-4-イルプロパン-1-オンを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.60 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.08 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.79 (2H, s), 3.62-3.43 (8H, m), 3.11 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.77 (2H, t, J = 7.5 Hz), 0.96(9H, s), 0.12(6H, s)。
(5) LiAlH4 420mgのTHF20mL懸濁液に、氷冷下に3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]-1-モルホリン-4-イルプロパン-1-オン1.9gのTHF30mL溶液を滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌後、水を加えて剰余のLiAlH4を失活させ、ハイフロスーパーセル(ナカライテスク社製)で濾過し、分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=40:1)で精製して、760mgの4-{3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]プロピル}モルホリンを得た。
次いで、4-{3-[6-(t-ブチルジメチルシラニルオキシメチル)ピリジン-2-イル]プロピル}モルホリン760mgのTHF4mL溶液に、氷冷下に、1 mol/LのTBAF/THF溶液4.34mLを滴下した。室温で2時間撹拌後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=40:1)で精製して、495mgの[6-(3-モルホリン-4-イルプロピル)ピリジン-2-イル]メタノールを得た。
更に、得られた[6-(3-モルホリン-4-イルプロピル)ピリジン-2-イル]メタノール495mgと、ジイソプロピルエチルアミン104mgとを塩化メチレンに溶解して溶液20mLを調製し、この溶液中に、氷冷下に、メタンスルホン酸クロリド0.18mLを滴下し、室温で終夜撹拌した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=40:1)で精製して、290mgの4-[3-(6-クロロメチルピリジン-2-イル)プロピル]モルホリンを得た。
黄色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.57 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.05(1H, d, J = 7.8 Hz), 7.02 (1H, d, J= 7.8 Hz), 4.65 (2H, s), 3.72 (4H, t, J = 4.8 Hz), 2.83 (2H, t, J = 7.8 Hz), 2.47-2.23 (6H, m), 1.96 (2H, quint., J= 7.8 Hz)。
参考例6
2,6-ビス(クロロメチル)ピリジン352mgをエタノール4mLに懸濁させ、この懸濁液に氷冷下にN-(t-ブトキシカルボニル)ピペラジン372mgを加え、室温で終夜攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物に水を加え、クロロホルム抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=30:1)で精製して、250mgの4-(6-クロロメチルピリジン-2-イルメチル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.69 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.37 (1H, dd, J = 7.8, 2.1 Hz), 4.66 (2H, s), 3.67 (2H, s), 3.45 (4H, t, J = 5.1 Hz), 2.45 (4H, t, J = 5.1 Hz), 1.48 (9H, s)。
参考例7
(1) 6-メチルピコリン酸1.37gおよびモルホリン870mgをDMF30mLに溶解し、溶解液中に氷冷下に攪拌しながらHOBt1.6gを加えた。混合物を同温で15分間攪拌後、更にWSC2.3gを加え、室温で終夜攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=900:30:1)で精製して、1.71 gの(6-メチルピリジン-2-イル)モルホリン-4-イルメタノンを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.67 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.41 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.20 (1H, d, J = 7.8 Hz), 3.80 (4H, br s), 3.67-3.58 (4H, m), 2.57 (3H, s)。
(2) (6-メチルピリジン-2-イル)モルホリン-4-イルメタノン1.38gをクロロホルム10mLに溶解し、この液にm-CPBA1.77gのクロロホルム23mL溶液を滴下し、混合物を室温で1日間攪拌した。反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液15mLを加えて分液した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=1000:25:1)で精製して、1.26 gの(6-メチル-1-オキシピリジン-2-イル)モルホリン-4-イルメタノンを得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.31-7.18 (3H, m), 3.94-3.64 (6H, m), 3.30-3.20 (1H, m), 3.18-3.12 (1H, m), 2.52 (3H, s)。
(3) (6-メチル-1-オキシピリジン-2-イル)モルホリン-4-イルメタノン1.26gに無水酢酸 0.53mLを加え、混合物を100℃で1時間攪拌した。反応混合物に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=1000:25:1)で精製して、1.13gの酢酸 6-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2-イルメチルエステルを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.82 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.61 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.42 (1H, d, J = 7.8 Hz), 5.22 (2H, s), 3.82 (4H, br s), 3.67-3.65 (4H, m), 2.17 (3H, s)。
(4) 酢酸 6-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2-イルメチルエステル1.13gに水酸化カリウム233mgおよびエタノール1.5mLを加え、4時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、濃縮物に水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−トリエチルアミン=500:25:1)で精製して、530mgの(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)モルホリン-4-イルメタノンを得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.81 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.57 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.79 (2H, s), 3.82 (4H, br s), 3.68 (2H, t, J = 4.8 Hz), 3.58 (2H, t, J = 4.8 Hz)。
(5) (6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)モルホリン-4-イルメタノン530mgおよびジイソプロピルエチルアミン614mgの塩化メチレン10 mL溶液に、氷冷下にメタンスルホン酸クロリド0.28 mLを滴下し、混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=50:1)で精製して、570mgの(6-クロロメチルピリジン-2-イル)モルホリン-4-イルメタノンを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.84 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.70 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.52 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.65 (2H, s), 3.82 (4H, br s), 3.69-3.65 (4H, m)。
参考例8
(1) 6-メチルピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステル3.03gをクロロホルム30mLに溶解し、得られた液にm-CPBA3.96gのクロロホルム45mL溶液を滴下し、混合物を室温で終夜攪拌した。反応液を分液ロートに移し、10%Na2SO3水溶液35mLを加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=30:1)で精製して、3.28 gの6-メチル-1-オキシピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.29-7.13 (3H, m), 2.66 (3H, s), 1.63 (9H, s).
(2) 6-メチル-1-オキシピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステル3.28gに無水酢酸1.5mLを加え、混合物を100℃で1時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、クロロホルム抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=30:1)で精製して、6-アセトキシメチルピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.94 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.80 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.50 (1H, d, J= 7.5 Hz), 5.32 (2H, s), 2.17 (3H, s), 1.58 (9H, s)。
(3) 6-アセトキシメチルピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステル3.0gに炭酸カリウム330mg、メタノール20mLおよび水20mLを加え、混合物を室温で3時間撹拌した。メタノールを減圧留去後、クロロホルム抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−エタノール=50:1)で精製して、6-ヒドロキシメチルピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
黄色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.95 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.80 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.43 (1H, d, J= 7.5 Hz), 4.83 (2H, d, J = 5.1 Hz), 3.68 (1H, t, J= 5.1 Hz), 1.59 (9H, s)。
(4) 6-ヒドロキシメチルピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステル1.34gおよびジイソプロピルエチルアミン1.24gを塩化メチレン30mLに溶解し、この液に氷冷下にメタンスルホニルクロリド0.54mLを滴下し、室温で終夜攪拌した。反応混合液から溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=5:1)で精製して、6-クロロメチルピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
黄色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.96 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.83 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.67 (1H, d, J= 7.5 Hz), 4.80 (2H, s), 1.59 (9H, s)。
参考例9
(1) 6-メチルピコリン酸2.15gおよびt-ブチル 1-ピペラジンカルボキシレート3.21gをDMF45mLに溶解し、溶解液に氷冷下にHOBt4.24gを加えて15分間攪拌後、更にWSC3.0gを加えて室温で終夜撹拌した。反応混合液から溶媒を減圧留去後、該液に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=30:1)で精製して、4.57gの4-(6-メチルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.67 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.21 (1H, d, J = 7.8 Hz), 3.77 (2H, t, J = 4.8 Hz), 3.55 (4H, t, J = 4.8 Hz), 3.46 (2H, t, J = 4.8 Hz), 2.57 (3H, s), 1.47 (9H, s)。
(2) 4-(6-メチルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステル 4.57gをクロロホルム30mLに溶解し、得られた液にm-CPBA3.9gのクロロホルム40mL溶液をゆっくり滴下した。その後、混合液を室温で1日撹拌後、反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液35mLを加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=40:1)で精製して、4.2gの4-(6-メチル-1-オキシピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.31-7.17 (3H, m), 3.91 (1H, br s), 3.62-3.56 (4H, m), 3.45 (1H, br s), 3.26 (1H, br s), 3.13 (1H, br s), 2.51 (3H, s), 1.47 (9H, s)。
(3) 4-(6-メチル-1-オキシピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステル4.2gに無水酢酸1.2mLを加え、混合物を100℃で1時間攪拌した。冷後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、クロロホルム抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=40:1)で精製して、3.7gの4-(6-アセトキシメチルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.82 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.60 (1H, d, J= 7.8 Hz), 7.40 (1H, d, J = 7.8 Hz), 5.22 (2H, s), 3.77 (2H, t, J = 4.8 Hz), 3.59-3.56 (4H, br), 3.69 (2H, t, J = 4.8 Hz), 2.17 (3H, s), 1.47 (9H, s)。
(4) 4-(6-アセトキシメチルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステル3.7gのメタノール10mL溶液に水酸化カリウム840mgを加えて4時間加熱還流した。溶媒を留去後、溶液中に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=50:1)で精製して、1.26gの4-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.81 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.55 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.79 (2H, s), 3.79 (2H, t, J = 4.8 Hz), 3.58-3.45 (6H, br), 1.47 (9H, s)。
(5) 4-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステル1.26gおよびジイソプロピルエチルアミン1.0gを塩化メチレン20mLに溶解し、溶解液に氷冷下にメタンスルホン酸クロリド0.1mLを滴下し、混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物から溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=40:1)で精製して、1.07gの4-(6-クロロメチルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.84 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.60 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.54 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.66 (2H, s), 3.76 (2H, br), 3.57-3.48 (6H, br), 1.47 (9H, s)。
参考例10
(1) 6-ヒドロキシメチルピリジン-2-カルボアルデヒド15.3gを乾燥DMF250mLに溶解し、溶解液中に(t-ブトキシカルボニルメチレン)トリフェニルホスホラン50gを加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物を氷水に投じ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物にヘキサン−酢酸エチル(2:1)の混液300mLを加え、不溶物を濾去した。濾液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=2:1)で精製して、16.86 gの3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 t-ブチルエステルおよび5.69 gの3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)シス-アクリル酸 t-ブチルエステルを得た。
trans体 : 無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.70 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.58 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.31 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.18 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.88 (1H, d, J = 15.6 Hz), 4.77 (2H, d, J = 4.8 Hz), 3.88 (1H, t, J = 4.8 Hz), 1.54 (9H, s)。
cis体 : 無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.67 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.51 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.14 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.86 (1H, d, J = 12.6 Hz), 6.07 (1H, d, J = 12.6 Hz), 4.74 (2H, d, J = 4.8 Hz), 3.77 (1H, t, J = 4.8 Hz), 1.46 (9H, s)。
(2) 3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 t-ブチルエステル(トランス体)16.86gをエタノール200mLに溶解し、溶解液に二酸化白金0.5gを加え、常圧の水素雰囲気下に室温で5時間攪拌した。その後、触媒を濾去し、新たに二酸化白金0.5gを加え、常圧の水素雰囲気下に室温で6時間攪拌した。反応混合物から触媒を濾去し、溶媒を減圧留去して、16.13gの3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)プロピオン酸 t-ブチルエステルを得た。
淡黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.58 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.08 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.03 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.70 (2H, s), 3.10 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.72 (2H, t, J = 7.5 Hz), 1.42 (9H, s)。
(3) 3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)プロピオン酸 t-ブチルエステル16.13gを乾燥塩化メチレン200mLに溶解し、溶解液中に四臭化炭素33.8gを加え、更に氷冷下に攪拌しながらトリフェニルホスフィン21.5gを少量ずつ加え、同温度で30分間攪拌した。反応混合物を分液ロートに移し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物にヘキサン−酢酸エチル(2:1)混液200 mLを加え、析出した不溶物を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=5:1)で精製して、14.12gの3-(6-ブロモメチルピリジン-2-イル)プロピオン酸 t-ブチルエステルを得た。
淡黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.58 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.26 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.09 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.51 (2H, s), 3.06 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.70 (2H, t, J = 7.5 Hz), 1.42 (9H, s)。
参考例11
(1) 2-ブロモピリジン-6-メタノール2gを乾燥DMF10mLに溶解し、溶解液中にアクリル酸エチル1.73mL、塩化テトラ(n-ブチル)アンモニウム2.95g、炭酸水素ナトリウム1.78gおよびモレキュラーシーブス(Molecular Sieves 3A (1/16))2gを加え、アルゴン雰囲気下に、更に酢酸パラジウム(II)119mgを加え、混合物を80℃で5時間攪拌した。冷後、不溶物を濾去し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で乾燥後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=2:1)で精製して、1.39gの3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 エチルエステルを得た。
淡黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.71 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.66 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.32 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.20 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.96 (1H, d, J = 15.6 Hz), 4.78 (2H, d, J = 4.8 Hz), 4.29 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.85 (1H, t, J = 4.8 Hz), 1.35 (3H, t, J = 7.2 Hz)。
(2) 参考例10-(2)に記載の方法と同様の方法によって、3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 エチルエステルを還元して、3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)プロピオン酸 エチルエステルを得た。
淡黄色油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.58 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.08 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.02 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.71 (2H, d, J = 4.5 Hz), 4.14 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.01 (1H, t, J = 4.5 Hz), 3.15 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.80 (2H, t, J = 7.5 Hz), 1.24 (3H, t, J = 7.2 Hz)。
参考例12
(1) アクリル酸エチルに代えてアクリル酸メチルを用いて、参考例11-(1)に記載の方法と同様にして、3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 メチルエステルを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.72 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.32 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.21 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.97 (1H, d, J = 15.6 Hz), 4.78 (2H, d, J = 4.2 Hz), 3.85 (1H, t, J = 4.2 Hz), 3.83 (3H, s)。
(2) 参考例10-(2)に記載の方法と同様の方法によって、3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 メチルエステルを還元して、3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)プロピオン酸 メチルエステルを得た。
淡褐色油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.58 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.09 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.03 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.71 (2H, s), 4.01 (1H, br s), 3.69 (3H, s), 3.15 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.81 (2H, t, J = 7.2 Hz)。
また、本化合物は、以下の方法によっても合成した。
即ち、3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 メチルエステル50.02gをIPA 502mLに溶解し、アルゴン置換後、この溶液に5%パラジウム-炭素(50%含水) 2.51gを加え、1〜4気圧の水素雰囲気下に、50℃で2.5時間攪拌した。冷後、触媒を濾去し、溶媒を減圧留去して、目的化合物である3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)プロピオン酸 メチルエステルを淡褐色黄色粉末として得た。この化合物は、1H-NMR (CDCl3)分析によりより同定された。
参考例13
(1) 6-ヒドロキシメチルピリジン-2-カルボアルデヒド2.95gおよび2−ホスホノプロピオン酸トリエチル5.12gを乾燥DMF20mLに溶解し、溶解液中にナトリウムメトキシド1.30gのメタノール10mL溶液を滴下し、室温で20分間攪拌した。反応混合物を氷水に投じ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=1:1)で精製して、2.42 gの(E)-3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)-2-メチルアクリル酸 エチルエステルを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.71 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.63 (1H, q, J = 1.5 Hz), 7.29 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.14(1H, d, J = 7.8 Hz), 4.79 (2H, d, J = 4.8 Hz), 4.29 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.84 (1H, t, J = 4.8 Hz), 2.35 (3H, d, J = 1.5 Hz), 1.36 (3H, t, J = 7.2 Hz)。
(2) 参考例10-(2)に記載の方法と同様の方法に従って、(E)-3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)-2-メチルアクリル酸 エチルエステルを還元して、3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)-2-メチルプロピオン酸 エチルエステルを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.57 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.04 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.02 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.70 (2H, br s), 4.11 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.22 (1H, dd, J = 14.1, 7.8 Hz), 3.05 (1H, sextet, J = 6.3 Hz), 2.88 (1H, dd, J = 14.1, 6.3 Hz), 1.27-1.16 (6H, m)。
参考例14
参考例10-(1)に記載の3-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 t-ブチルエステル(トランス体)2gと四臭化炭素4.23gとを塩化メチレンに溶解させて調製した溶液20mLに氷冷下に、トリフェニルホスフィン2.68gを少量ずつ加え、同温で15分間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、クロロホルムで希釈して飽和重曹水および飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=10:1)で精製して、2.23gの3-(6-ブロモメチルピリジン-2-イル)トランス-アクリル酸 t-ブチルエステルを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.70 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.56 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.41 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.32 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.87 (1H, d, J = 15.6 Hz), 4.54 (2H, s), 1.53 (9H, s)。
参考例15
(1) 4-ペンチノイン酸1.03gおよびN-メチルピペラジン1.0 gをDMF30 mLに溶解し、溶解液に氷冷下に攪拌しながらHOBt1.6gを加えた。同温度で15分間撹拌後、更にWSC2.3gを加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物からDMFを減圧留去後、残渣に水を加え酢酸エチル抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=600:20:1)で精製して、510mgの1-(4-メチルピペラジン-1-イル)ペンタ-4-イン-1-オンを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.64 (2H, t, J = 5.1 Hz), 3.48 (2H, t, J = 5.1 Hz), 2.59-2.52 (4H, m), 2.41-2.35 (4H, m), 2.30 (3H, s), 1.97 (1H, s)。
(2) 50mLの丸底フラスコに、2-ブロモピリジン-6-メタノール484mg、1-(4-メチルピペラジン-1-イル)ペンタ-4-イン-1-オン510mg、BHT 20mg、よう化銅(I)162mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)118 mg、t-ブチルアミン375mgおよびDMF 7.5mLを加え、混合物をアルゴン雰囲気下に80℃で6時間撹拌した。DMFを減圧留去後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=600:20:1)で精製して、540mgの5-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)ペンタ-4-イン-1-オンを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.27 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.18 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.73 (2H, s), 3.67 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.53(2H, t, J = 6.6 Hz), 2.84-2.78 (2H, m), 2.72-2.67 (2H, m), 2.43-2.38 (4H, m), 2.30 (3H, s)。
参考例16
(1) 200mLの丸底フラスコに、2-ブロモピリジン-6-メタノール3.49g、4-ペンチノイン酸 t-ブチルエステル3.0g、BHT 190mg、よう化銅(I)1.17g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)877mg、t-ブチルアミン2.72gおよびDMF56 mLを加え、アルゴン雰囲気下に混合物を80℃で6時間撹拌した。反応混合物からDMFを減圧留去後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=2:1)で精製して、2.76 gの5-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)ペンタ-4-イン酸 t-ブチルエステルを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.61 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.28 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.17 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.72 (2H, d, J = 5.1 Hz), 3.32 (1H, t, J = 5.1 Hz), 2.75 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.57 (2H, t, J = 7.2 Hz), 1.45 (12H, s)。
(2) 200mLの丸底フラスコに、5-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)ペンタ-4-イン酸 t-ブチルエステル2.76g、二酸化白金50mgおよびEtOH25mLを加え、水素雰囲気下に、混合物を室温で8時間撹拌した。不溶物を濾去後、濾液を濃縮して、2.78 gの5-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)ペンタン酸 t-ブチルエステルを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.57 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.02 (2H, t, J = 7.8 Hz), 4.71 (2H, s), 2.80 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.56 (2H, t, J = 7.2 Hz), 1.82-1.60 (4H, m), 1.42 (12H, s)。
(3) 200mLの丸底フラスコに、ジクロロメタン50mLを入れ、5-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)ペンタン酸 t-ブチルエステル2.78gおよびジイソプロピルエチルアミン2.0gを加え、混合物を氷冷下に10分間撹拌した。反応混合物にメタンスルホン酸クロリド0.89mLを滴下し、混合物を室温下に3時間撹拌した。反応混合物に水を加えて分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=3:1)で精製して、2.28gの5-(6-メタンスルホニルオキシメチルピリジン-2-イル)ペンタン酸 t-ブチルエステルを得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.65 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.30 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.13 (1H, d, J = 7.8 Hz), 5.29 (2H, s), 3.08 (3H, s), 2.80 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.25 (2H, t, J = 7.2 Hz), 1.75-1.50 (4H, m), 1.44 (12H, s)。
参考例17
(1) アクリル酸エチルに代えてエチルビニルケトンを用いて、参考例11に記載の方法と同様にして、(E)-1-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)ペンタ-1-エン-3-オンを得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.72 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.55 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.36 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.23 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.22 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.79 (2H, d, J = 4.5 Hz), 3.84 (1H, br t, J = 4.5 Hz), 2.74 (2H, q, J = 7.2 Hz), 1.18 (3H, t, J = 7.2 Hz)。
(2) 参考例10-(2)に記載の方法と同様の方法に従って、(E)-1-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル)ペンタ-1-エン-3-オンを還元して、1-(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イル) ペンタン-3-オンを得た。
淡褐色油状物。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.57 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.09 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.02 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.70 (2H, s), 3.94 (1H, br s), 3.09 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.92 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.47 (2H, q, J = 7.2 Hz), 1.06 (3H, t, J = 7.2 Hz)。
上記参考例1〜17-(2)で得られた各化合物の構造を下記表1〜表5にまとめて示す。尚、表中の略号は下記各基を示す。以下の明細書中の各表においても、用いた略号は同じ意味である。
MeOおよびOMe: メトキシ基、
Me: メチル基
Et: エチル基
AcOおよびOAc: アセチルオキシ基、
TBDMS: tert-ブチルジメチルシリル基、
OEtおよびEtO: エトキシ基、
OtBuおよびtBuO: tert-ブチルオキシ基、
Ac: アセチル基、
tBuおよびt-Bu: tert-ブチル基
n-Pr: n-プロピル基、
iPrおよびi-Pr: イソプロピル基、
Ph: フェニル基
n-Bu: n-ブチル基
i-Bu: 2-メチルプロピル基
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
参考例2で得た化合物285mg、2-(クロロメチル)ピリジン塩酸塩172mg、炭酸水素ナトリウム184mgおよびヨウ化ナトリウム157mgをDMF3mL中に加え、混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=40:1)で精製して、31mgのN-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 8.51 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.83 (2H, d, J = 8.4Hz), 7.75-7.70 (3H, m), 7.54 (1H, d, J = 7.8Hz), 7.26 (1H, dd, J = 6.6, 4.8Hz), 4.50 (2H, s), 2.08 (3H, s)。
6-メチル-2-ピリジンメタノール5gを塩化メチレン50mLに溶解し、溶解液中にジイソプロピルエチルアミン10.6 mLを加え、氷冷撹拌下に更にメタンスルホニルクロリド3.5mLを滴下した。氷冷撹拌を1時間続けた後、反応液に水を加えて有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して6.98gの褐色油状物を得た。
このうち4.56gをエタノール50mLに溶解し、この液中にチオウレア1.72gを加えて1時間加熱還流した。次に、反応液にエタノール20mLを加えて冷却し、更にN-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド4.79gおよび炭酸水素ナトリウム3gを加えて、1.5時間加熱還流した。反応液を放冷後、該液にNBS 2.02gを加えて30分間加熱還流した。反応液を放冷後、更にジイソプロピルエーテルを加え、析出した無機物を濾去し、母液を濃縮して再度エタノールに溶解させた。この溶液に飽和重曹水を加えて析出晶を濾取し、得られた結晶を水とエタノールで洗浄後、減圧乾燥して、3.2gのN-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.60 (1H, t, J= 7.5 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.44 (2H, s), 2.45 (3H, s), 2.09(3H, s)。
6-メチル-2-ピリジンメタノールに代えて5-メチル-2-ピリジンメタノールを用いて、実施例2に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(5-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 8.34 (1H, s), 7.60-8.20 (2H, br s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.54 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.43 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.46 (2H, s), 2.26 (3H, s), 2.09 (3H, s)。
6-メチル-2-ピリジンメタノールに代えて4-メチル-2-ピリジンメタノールを用いて、実施例2に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(4-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 8.62 (1H, s), 7.65-8.25 (2H, br s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.73 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.36 (1H, s), 7.00 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.56 (2H, s), 2.26 (3H, s), 2.09 (3H, s)。
6-メチル-2-ピリジンメタノールに代えて3-メチル-2-ピリジンメタノールを用いて、実施例2に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(3-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 8.34 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.70-8.25 (2H, br s), 7.87 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.73 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.60 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.19-7.24 (1H, m), 4.61 (2H, s), 2.36 (3H, s), 2.09 (3H, s)。
6-メチル-2-ピリジンメタノールに代えて1-(6-メチルピリジン-2-イル)エタノールを用いて、実施例2に記載の方法と同様にして、N-(4-{6-アミノ-5-シアノ-2-[1-(6-メチルピリジン-2-イル)エチルスルファニル]ピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 10.25 (1H, brs), 7.83 (2H, d, J = 7 Hz), 7.73 (2H, d, J = 6 Hz), 7.62 (1H, t, J = 6 Hz), 7.32 (1H, d, J = 6 Hz), 7.13 (1H, d, J = 6 Hz), 5.10 (1H, q, J = 6 Hz), 2.47 (3H, s), 2.09 (3H, s),1.69 (3H, d, J = 6 Hz)。
6-メチル-2-ピリジンメタノールに代えて1-(6-メチルピリジン-2-イル)ペンタン-1-オールを用いて、実施例2に記載の方法と同様にして、N-(4-{6-アミノ-5-シアノ-2-[1-(6-メチルピリジン-2-イル) ペンチルスルファニル]ピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCl3)δ: 8.40 (1H, brs), 7.94 (2H, d, J = 6 Hz), 7.63 (2H, d, J = 6 Hz), 7.52 (1H, t, J = 6 Hz), 7.22 (1H, d, J = 6 Hz), 7.00 (1H, d, J = 6 Hz), 5.79 (1H, brs), 5.03 (1H, t, J = 6 Hz), 2.55 (3H, s), 2.21 (3H, s), 2.00-2.15 (2H, m), 1.20-1.45 (4H, m), 0.86 (3H, t, J = 6 Hz)。
実施例2で得た化合物5.5gをエタノール50mLおよび水50mLの混合溶媒に懸濁させ、この懸濁液に5N塩酸50mLを加え、得られた液を80℃で5時間加熱撹拌した。反応混合物を冷後、エタノールを減圧留去し、氷冷下に5N水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。析出した結晶を濾取し、エタノールで再結晶して、2.3 gの4-アミノ-6-(4-アミノフェニル)-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-5-カルボニトリルを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.48-7.98 (2H, br s), 7.74 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.60 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.32 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.61 (2H, d, J = 8.7 Hz), 5.90 (2H, s), 4.44 (2H, s), 2.45 (3H, s)。
実施例8で得た化合物170mgおよびトリエチルアミン0.2mLをアセトニトリル10mLに溶解し、溶液にプロピオニルクロリド0.12gを滴下して、室温で終夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、減圧乾燥して、85mgのN-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}プロピオンアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.16 (1H, s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.74 (2H, d, J = 8.7Hz), 7.61 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.45 (2H, s), 2.45 (3H, s), 2.37 (2H, q, J = 8.7Hz), 1.10 (3H, t, J = 7.5 Hz)。
プロピオニルクロリドに代えて塩化アクリロイルを用いて、実施例9に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アクリルアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.43 (1H, s), 7.79-7.89 (4H, m), 7.61 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.42-6.52 (1H, m), 6.31 (1H, dd, J = 16.8, 2.1 Hz), 5.81 (1H, dd, J = 9.9, 2.1 Hz), 4.45 (2H, s), 2.45 (3H, s)。
プロピオニルクロリドに代えて塩化ブチリルを用い、実施例9に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}ブチルアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.17 (1H, s), 7.65-8.20 (2H, br s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.74 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.61 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.45 (2H, s), 2.45 (3H, s), 2.33 (2H, t, J = 7.5Hz), 1.63 (3H, sext, J = 7.5Hz), 0.93 (3H, t, J = 7.5Hz)。
プロピオニルクロリドに代えて塩化ベンゾイルを用い、実施例9に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}ベンズアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.53 (1H, s), 7.80-8.01 (6H, m), 7.51-7.70 (4H, m), 7.35 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.13 (1H, d, J = 7.5Hz), 4.47 (2H, s), 2.46 (3H, s)。
6-メチル-2-ピリジンメタノール、チオウレアおよび参考例1で得た化合物を用いて、実施例2に記載の方法と同様の方法を繰り返して、{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}カルバミン酸メチルエステルを得た。
黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.01 (1H ,s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.61 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.60 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.45 (2H, s), 3.70 (3H, s), 2.45 (3H, s)。
上記実施例1〜13で得られた化合物について、その構造を下記表6〜表7に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
参考例2で得た化合物10g、参考例3で得た化合物9.8g、炭酸水素ナトリウム3.52gおよびヨウ化ナトリウム5.40gをDMF 100mL中に加え、混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール−トリエチルアミン=800:40:1)で精製して、1.67gのN-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-モルホリン-4-イルメチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)-2,3-ジヒドロピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
本化合物600mgを1,4-ジオキサン12mLに溶解し、溶解液中にDDQ 290mgを加えて2時間加熱還流した。得られる反応液から溶媒を留去後、残留物に水を加え、更に1N塩酸を加えて液性を酸性にした。この反応液を酢酸エチルで洗浄後、水層に1N水酸化ナトリウム水溶液を加えて液性を塩基性にし、該液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をエタノールから再結晶して、290mgのN-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-モルホリン-4-イルメチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
その全量をエタノールに溶解し、得られる溶液に1mol/L塩酸エタノール溶液0.61mLを加え、減圧下に乾固して塩酸塩形態の上記化合物を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.82 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72-7.67 (3H, m), 7.40 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.31 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.47 (2H, s), 3.57 (4H, br t), 2.39 (4H , br t), 2.08 (3H, s)。
参考例2で得た化合物287mgのDMF3mL溶液に、参考例4で得た化合物260mg、炭酸水素ナトリウム100mgおよびヨウ化ナトリウム150mgを加えて室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣にアセトニトリル1mLおよびNBS 7.3mgを加え、30分間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をエタノールで再結晶して、35mgのN-(4-{6-アミノ-5-シアノ-2-[6-(2-モルホリン-4-イルエチル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]ピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミドを得た。
その全量をエタノールに溶解し、得られる液に1mol/L塩酸エタノール溶液0.14mLを加え、減圧下に乾固して塩酸塩形態の目的化合物40 mgを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J= 8.7 Hz),, 7.71 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.66 (1H, t, J = 7.2 Hz), 7.33 (1H, d, J= 7.2 Hz), 7.15 (1H, d, J= 7.2 Hz), 4.46 (2H, s), 3.55-3.52 (4H, m), 2.86 (2H, t, J= 7.2 Hz), 2.60 (2H, t, J= 7.2 Hz), 2.39 (4H, br t), 2.03 (3H, s)。
チオウレア86mgおよび参考例5で得た化合物290mgをエタノール50mLに懸濁し、得られた懸濁液を60℃で1 時間攪拌した。放冷後、この液中にN-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド240mgおよび炭酸水素ナトリウム287mgを加え、5時間加熱還流した。放冷後、更にNBS 200mgを加えて1時間加熱還流した。反応液に水を加え、クロロホルム抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水=300:10:1)で精製して、85mgのN-(4-{6-アミノ-5-シアノ-2-[6-(3-モルホリン-4-イルプロピル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]ピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミドを得た。
その全量をエタノールに溶解し、この液中に1mol/L塩酸エタノール溶液0.38mLを加えた後、溶媒を留去して、110 mgの塩酸塩形態の目的化合物を得た。
黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.71 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.61 (1H, t, J= 7.5 Hz), 7.32 (1H, d, J= 7.5 Hz), 7.12 (1H, d, J= 7.5 Hz), 4.40 (2H, s), 3.64-3.50 (4H, m), 2.70 (2H, t, J= 7.5 Hz), 2.40-2.24 (6H, m), 2.08 (3H, s), 2.49-2.45 (2H, m) 。
参考例6で得た化合物15gおよびチオウレア3.8gをエタノール200mLに懸濁させ、懸濁液を60℃で1時間撹拌した。反応混合物にN-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド 9.72gを加えて終夜加熱還流した。溶媒を減圧留去後、残留物に水を加え、クロロホルム抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−アンモニア水=300:10:1)で精製して、10.3gの4-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]-ピリジン-2-イルメチル}ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72-7.70 (3H, m), 7.40 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.32 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.47 (2H, s), 3.57 (2H, s), 2.50-2.35 (8H , m), 2.20 (3H, s), 1.38 (9H, s)。
実施例17で得た化合物123mgをナス型フラスコに入れ、この中に氷冷下にトリフルオロ酢酸0.35mLを加えた。混合物を室温で1時間撹拌後、トリフルオロ酢酸を減圧留去した。残留物に0.1mol/L塩酸エタノール溶液6mLを加えて溶媒を蒸発させて乾固した。残留固体をエタノールから再結晶して、80mgのN-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-ピペラジン-1-イルメチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.3 (1H, s), 9.42 (1H, br s), 7.89-7.81 (3H, m), 7.73 (2H, d, J= 8.7Hz), 7.63 (1H, d, J = 7.5Hz), 7.52 (1H, d, J= 7.5 Hz), 4.55 (2H, s), 3.37-3.25 (10H, m), 2.03 (3H, s)。
実施例18で得た化合物292mg、安息香酸61mgおよびトリエチルアミン0.2mLをDMF3mLに溶解し、溶解液中に氷冷攪拌下にHOBt80mgを加えた。混合物を同温で15分間攪拌後、ここにWSC 115mgを加えて室温で終夜攪拌した。反応液を減圧下に乾固し、得られた残渣に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=300:10:1)で精製して、261mgのN-(4-{6-アミノ-2-[6-(4-ベンゾイルピペラジン-1-イルメチル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]-5-シアノピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72-7.70 (3H, m), 7.44-7.32 (7H, m), 4.48 (2H, s), 3.60 (2H, s), 2.08(3H, s)。
実施例18で得た化合物146mg、ベンズアルデヒド28mgおよびトリエチルアミン75mgをDMF1mLおよびメタノール2mLの混液に溶解し、得られた液を室温で終夜攪拌した。反応混合物に氷冷下、シアノ水素化ホウ素ナトリウム30mgを加え、同温で1時間攪拌した。反応液を減圧乾固し、このものに氷水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=600:20:1)で精製して、60 mgのN-(4-{6-アミノ-2-[6-(4-ベンジルピペラジン-1-イルメチル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]-5-シアノピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.98 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.64 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.58 (1H, t, J = 7.5Hz), 7.53-7.50 (2H, m), 7.42-7.29 (5H, m), 4.54 (2H, s), 3.75 (2H, s), 2.61-2.48 (10H , m), 2.20 (3H, s)。
安息香酸に代えて(4-メチルピペラジン-1-イル)酢酸を用い、実施例19に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセチル]ピペラジン-1-イルメチル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.73-7.70 (3H, m), 7.40 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.32 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.48 (2H, s), 3.59 (2H, s), 3.43 (2H , br t ), 3.36-3.33 (4H, m), 3.08 (2H, s), 2.49-2.27 (10H, m), 2.12 (3H, s), 2.08 (3H, s)。
安息香酸に代えてp-メトキシ安息香酸を用いて、実施例19に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[4-(4-メトキシベンゾイル)ピペラジン-1-イルメチル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.97 (1H, d, J= 8.4 Hz),, 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.73-7.68 (3H, m), 7.53 (1H, t, J= 7.2 Hz), 7.43-7.32 (3H, m), 6.96 (1H, d, J= 8.7 Hz), 4.47 (2H, s), 3.78 (3H, s), 3.62 (3H, s), 3.48-3.32 (2H, m), 2.49-2.45 (4H, m), 2.08 (3H, s)。
安息香酸に代えてN,N-ジメチルグリシンを用いて、実施例19に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[4-(2-ジメチルアミノアセチル)ピペラジン-1-イルメチル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.72-7.68 (3H, m), 7.42 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.48 (2H, s), 3.59 (2H, s), 3.49-3.41 (4H, m), 3.15 (2H , br s), 2.48-2.42 (4H, m), 2.21 (6H, s), 2.08 (3H, s)。
安息香酸に代えて1-ピペリジンプロピオン酸を用いて、実施例19に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[4-(3-ピペリジン-1-イルプロピオニル)ピペラジン-1-イルメチル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J= 8.7 Hz),, 7.74-7.68 (3H, m), 7.43 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.33 (1H, d, J= 7.5 Hz), 4.47 (2H, s), 3.60 (2H, s), 3.44-3.34 (4H, m), 2.51-2.50 (4H, m), 2.43-2.37 (4H, m), 2.09 (3H, s), 1.58 (4H, br s), 1.43 (2H, br t)。
安息香酸に代えてピペリジン-1-イル酢酸を用いて、実施例19に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[4-(2-ピペリジン-1-イルアセチル)ピペラジン-1-イルメチル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 7.90-7.81 (3H, m), 7.73 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.69 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.43 (1H, t, J = 7.8 Hz), 4.64 (2H, s), 4.55 (2H, s), 4.42 (2H, s), 3.92 (1H, br s), 3.77-3.72 (3H, m), 3.58-3.51 (2H, m), 3.44-3.31 (2H, m), 3.29-3.14 (2H, m), 2.16 (3H, s), 2.10-2.06 (2H, m), 1.36-1.31 (2H, m)。
実施例14〜25で得られた化合物の構造を下記表8〜表9に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
参考例7で得た化合物571mgおよびチオウレア180mgをエタノール20mLに溶解し、この液を1時間加熱還流した。冷後、反応混合物にN-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド500mgおよび炭酸水素ナトリウム600mgを加えて4時間加熱還流した。冷後、反応混合物にNBS 356 mgを加えて1時間加熱還流した。冷後、更に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5mLおよび水10mLを加え、析出した不溶物を濾取、水洗し、減圧乾燥して、N-(4-{6-アミノ-5-シアノ-2-[6-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]ピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミド塩酸塩380mgを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.86 (1H, t, J= 7.8 Hz), 7.79 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.70 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.62 (1H, d, J= 7.8 Hz), 7.47 (1H, d, J= 7.8 Hz), 4.53 (2H, s), 3.63 (4H, br t), 3.49-3.44 (2H, m), 2.08 (3H, s)。
参考例7で得た化合物に代えて参考例8で得た化合物を用いて、実施例26に記載の方法と同様にして、6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.82-7.72 (7H, m), 4.55 (2H, s), 2.08 (3H, S), 1.54 (9H, s)。
参考例7で得た化合物に代えて参考例9で得た化合物を用いて、実施例26に記載の方法と同様にして、4-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-カルボニル}ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.89 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.75 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.63 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.47 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.53 (2H, s), 3.60-3.56 (2H, br), 3.45-3.31 (6H, br), 2.09 (3H, s), 1.40 (12H, s)。
実施例28で得た化合物600 mgに氷冷下にTFA2mLを加え、混合物を室温で1時間攪拌した。剰余のTFAを減圧留去し、残渣に0.1mol/L塩酸エタノール溶液20mLを加えて攪拌し、析出した結晶を濾取して、80mgのN-(4-{6-アミノ-5-シアノ-2-[6-(ピペラジン-1-カルボニル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]ピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 9.16 (2H, br), 7.90 (1H, t, J= 7.8 Hz), 7.80 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.69 (1H, d, J= 7.8 Hz), 7.55 (1H, d, J= 7.8 Hz), 4.54 (2H, s), 3.86 (2H, br), 3.70 (2H, br), 3.20-3.10 (4H, br), 2.09 (3H, s)。
上記実施例26〜29で得られた化合物について、その構造を下記表10に示す。
Figure 2005336168
(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イルメチル)カルバミン酸 t-ブチルエステル1gおよびジイソプロピルエチルアミン1.1mLをジクロロメタン20mLに溶解し、得られる液中に室温でメタンスルホニルクロリド0.33mLを滴下し、混合液を同温で1 時間撹拌した。反応液に水を加え、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた油状物を、チオウレア0.32gとともにエタノール25mLに溶解し、得られた液を1時間加熱還流した。反応混合物にNBS0.4gを加えて5分間加熱還流し、放冷後、溶媒を留去した。残渣をクロロホルムに溶解し、水で2回および飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−アンモニア水=90:10:1)で精製した。得られた粗結晶を酢酸エチル‐ヘキサンから再結晶して、0.97 gの{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イルメチル}カルバミン酸 t-ブチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.25 (1H, s), 8.25-7.49 (2H, br s), 7.98 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.73 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.64 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.53 (1H, br s), 7.33 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.54 (2H, s), 4.29 (2H, d, J = 5.7 Hz), 2.09 (3H, s), 1.40 (9H, s)。
実施例30で得た化合物0.2gにトリフルオロ酢酸1mLを加え、混合物を30分間室温で撹拌後、混合物からトリフルオロ酢酸を留去した。残留物にトリエチルアミン2mLを加えて撹拌後、更にWSC 0.19 g、HOBt 0.14gおよびN,N-ジメチルグリシン41mgを加え、得られる混合物を室温で終夜撹拌した。反応液に水を加えて析出晶を濾取し、エタノールにて洗浄後乾燥して、76mgのN-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イルメチル}-2-ジメチルアミノアセトアミドを得た。
本品全量をエタノール2mLに溶解し、得られた液に1 mol/L塩酸エタノール溶液1mLを加えた後、エタノールを減圧留去して、塩酸塩形態の目的化合物を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 8.36 (1H, t, J = 6.0 Hz), 8.25-7.65 (2H, br s), 7.85 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72-7.66 (3H, m), 7.41 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.14 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.48 (2H, s), 4.38 (2H, d, J = 6.0 Hz), 2.94 (2H, s), 2.24 (6H, s), 2.09 (3H, s)。
実施例30で得た化合物0.3gにトリフルオロ酢酸2mLを加え、混合物を室温で1時間撹拌した。その後反応混合物からトリフルオロ酢酸を減圧留去し、残渣をアセトニトリル2mLに溶解し、得られる液中に28%アンモニア水4mLを加えて、析出した結晶を濾取して、0.2gのN-{4-[6-アミノ-2-(6-アミノメチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)-5-シアノピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.25 (1H, s), 8.25-7.65 (2H, br s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.75-7.65 (3H, m), 7.29-7.40 (2H, m), 4.47 (2H, s), 3.78 (2H, s), 2.09 (3H, s)。
実施例32で得た化合物0.2gおよびトリエチルアミン0.5mLをDMF2 mLに溶解し、溶解液中に4-ピロリジン-1-イル酪酸塩酸塩0.1g、HOBt 0.07gおよびWSC 0.1gを加え、混合物を室温にて終夜撹拌した。反応液に水を加えて析出晶を濾取し、得られた粗結晶をエタノールから再結晶して、43 mgのN-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イルメチル}-4-ピロリジン-1-イルブチルアミドを得た。
本品全量をエタノール2mLに溶解し、得られた液に1 mol/L塩酸エタノール溶液1mLを加えた後、エタノールを減圧留去して、目的化合物の塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 8.40 (1H, t, J = 6.0 Hz), 8.25-7.65 (2H, br s), 7.85 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.74-7.66 (3H, m), 7.41 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.47 (2H, s), 4.31 (2H, d, J = 6.0 Hz), 2.32-2.38 (6H, m), 2.20 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.09 (3H, s), 1.75-1.57 (6H, m)。
(6-ヒドロキシメチルピリジン-2-イルメチル)-メチルカルバミン酸t-ブチルエステル0.76gおよびジイソプロピルエチルアミン0.78mlを塩化メチレン10mlに溶解し、得られる液に室温でメタンスルホニルクロリド0.23mlを加え1時間攪拌した。反応液に水を加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をエタノール20mlに溶解し、この液にチオウレア0.23gを加え1時間加熱還流した。反応混合物を放冷後、溶媒を減圧留去し、残渣をジエチルエーテルで洗浄して、淡褐色の油状物0.9gを得た。
本品全量およびN-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド0.63gをエタノール20mLに溶解し、得られた液を2時間加熱還流した。反応混合物にNBS 0.32gを加えて更に5分間加熱還流し、放冷後、溶媒を減圧留去した。残渣をクロロホルムに溶解し、得られた液を水で2回および飽和食塩水で1回それぞれ洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−アンモニア水=90:10:1)で精製した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンより再結晶して、0.51 gの{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イルメチル}メチルカルバミン酸 t-ブチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 7.84 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.75-7.69 (3H, m), 7.43 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.05 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.48 (3H, s), 4.43 (2H, s), 2.85 (3H, s) 2.09 (3H, s), 1.51-1.25 (9H, m)。
実施例30で得た化合物に代えて実施例34で得た化合物を原料として用いて、実施例32に記載の方法に従って、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルアミノメチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 7.65-8.25 (2H, br s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72-7.66 (3H, m), 7.41 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.30 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.48 (2H, s), 3.74 (2H, s), 2.31 (3H, s), 2.09 (3H, s)。
実施例32で得た化合物に代えて実施例35で得た化合物を用いて、実施例33に記載の方法に従って、N-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イルメチル}-N-メチル-4-ピロリジン-1-イルブチルアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 8.22-7.66 (2H, br s), 7.86-7.65 (5H, m), 7.47-7.39 (1H, m), 7.13-7.01 (1H, m), 4.71-4.42 (4H, m), 3.05-2.78 (3H, m), 2.45-2.20 (8H, m), 2.09 (3H, s), 1.75-1.55 (6H, m)。
実施例32で得た化合物0.5gおよびトリエチルアミン0.3mLをDMSO 5mLに溶解し、得られた液に、氷冷下に、3-ブロモプロピオニルクロリド0.17gを加えて、30分間撹拌した。反応混合物をクロロホルムで希釈し、水で2回および飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗結晶をジエチルエーテルで洗浄して、0.12gのN-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イルメチル}アクリルアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.29 (1H, s), 8.73-8.65 (1H, m), 8.25-7.65 (2H, br s), 7.84 (2H, d, J = 9 Hz), 7.81-7.70 (3H, m), 7.50-7.45 (1H, m), 7.23-7.11 (1H, m), 6.20-5.79 (3H, m), 4.51-4.32 (4H, m), 2.10 (3H, s)。
実施例37で得た化合物0.11gおよび4-ピペリジノピペリジン0.1gをDMSO 2mLに溶解し、得られた液を終夜室温にて撹拌した。反応液にクロロホルムと水を加え、有機層を水で2回、次いで飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−28%アンモニア水=90:10:1)で精製して、50mgのN-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-}イルメチル}-3-[1,4']ビピペリジニル-1'-イルプロピオンアミドを得た。このものを実施例31に記載の方法に従って塩酸塩とした。得られた塩酸塩の物性を次に示す。
淡黄色油状物
1H-NMR(DMSO-d6)δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J= 8.7 Hz),, 7.71 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.66 (1H, t, J = 7.2 Hz), 7.33 (1H, d, J= 7.2 Hz), 7.15 (1H, d, J= 7.2 Hz), 4.46 (2H, s), 3.55-3.52 (4H, m), 2.86 (2H, t, J= 7.2 Hz), 2.60 (2H, t, J= 7.2 Hz), 2.39 (4H, br t), 2.03 (3H, s)。
実施例30で得た化合物0.2gにトリフルオロ酢酸1mLを加え、混合物を室温で30分間撹拌後、反応混合物を減圧乾固した。残渣をアセトニトリル5mLに溶解し、得られた液にトリエチルアミン2mLを加えて室温で撹拌し、次に、4-メチル-1-ピペラジンカルボニルクロリド塩酸塩63mgを加えて室温で終夜撹拌した。反応液に水を加えて析出晶を濾取し、エタノールで洗浄後、乾燥して、35mgの4-メチルピペラジン-1-カルボキシル酸 {6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イルメチル}アミドを得た。このものを実施例31に記載の方法に従って塩酸塩とした。得られた塩酸塩の物性は次の通りである。
白色粉末
1H-NMR(DMSO-d6)δ: 10.24 (1H, s), 8.25-7.65 (2H, br s), 7.86 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.74-7.65 (3H, m), 7.38 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.17-7.10 (2H, m), 4.47 (2H, s), 4.31 (2H, d, J = 6.0 Hz), 3.35-3.30 (4H, m), 2.31-2.24 (4H, m), 2.37(3H, s), 2.10 (3H, s)。
実施例32で得た化合物0.1gのDMSO 5mL懸濁液にジイソプロピルエチルアミン0.25mLを加え、混合物に攪拌下に更に1-プロパンスルホニルクロリド0.04mLを滴下した。滴下30分後、反応混合物に水を加えて析出した結晶を濾取し、減圧乾燥して、80mgのN-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[(プロパン-1-スルホニルアミノ)メチル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 7.65-8.20 (5H, m), 7.46 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.48 (2H, s), 4.22 (2H, d, J = 6.3 Hz), 2.94-3.01 (2H, m), 2.09 (3H, s), 1.55-1.70 (2H, m), 0.89 (3H, t, J = 7.5 Hz)。
実施例35で得た化合物0.1gのアセトニトリル5mL懸濁液にジイソプロピルエチルアミン0.25mLを加え、混合物に攪拌下に更に1-プロパンスルホニルクロリド0.04mLを滴下した。滴下1時間後、反応混合物に水を加えて析出した結晶を濾取し、減圧乾燥して、80mgのN-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{[メチル(プロパン-1-スルホニル)アミノ]メチル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 7.65-8.20 (5H, m), 7.49 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.27 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.50 (2H, s), 4.40 (2H, s), 2.77-3.32 (2H, m), 2.79 (3H, s), 2.09 (3H, s), 1.61-1.76 (3H, m), 0.96 (3H, t, J = 7.2 Hz)。
実施例30〜41で得られた化合物の構造を下記表11〜表12に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
チオウレア5.33gを60℃でエタノール70mLに溶解し、得られた液中に参考例10で得た化合物19.21gのエタノール50mL溶液を加え、混合物を同温で2時間攪拌した。冷後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム14.7gを加え、混合物を室温で10分間攪拌した。更に、混合物中にN-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド14.8gおよびエタノール50mLを加えて終夜加熱還流した。反応混合物を氷水に投じ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧乾固した。残留物をエタノール200mLに溶解し、加熱還流しながらNBS 2gずつを1時間毎に合計4回加えた。冷後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に投じ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=10:1)で精製し、アセトン-IPEから再結晶して、16.19gの3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}プロピオン酸 t-ブチルエステルを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.63 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.14 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.45 (2H, s), 2.94 (2H, t, J = 7.5Hz), 2.61 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.09 (3H, s), 1.34 (9H, s)。
参考例11で得た化合物3gをジクロロメタン50mLに溶解し、得られた液中にジイソプロピルエチルアミン4mLを加え、更に氷冷下にメタンスルホニルクロリド1.3mLを滴下し、混合物を1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた褐色油状物をエタノール50mLに溶解し、溶解液にチオウレア1.0gを加えて1時間加熱還流した。反応液を放冷後、これにN-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド2.5g、ジイソプロピルエチルアミン5mLおよびDBU 1滴を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物から溶媒を減圧留去後、残渣を酢酸エチル50mLに溶解し、得られる液に氷冷撹拌下にNBS1.8gを加えて、30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた白色油状物に2-プロパノールを加えて結晶化させ、さらに2-プロパノールから再結晶して、2.3gの3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}プロピオン酸 エチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 7.26-8.20 (2H, br s) 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.63 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.8 Hz) 7.15 (1H, d, J = 7.8 Hz) 4.45 (2H, s), 4.03 (2H, q, J = 7.2 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.70 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.09 (3H, s), 1.14 (3H, t, J = 7.2 Hz)。
参考例11で得た化合物に代えて参考例12で得た化合物を用いて、実施例43に記載の方法に従って、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}プロピオン酸 メチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 8.20-7.60 (2H, br s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.63 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.15 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.45 (2H, s), 3.57 (3H, s), 2.96 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.74 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.09 (3H, s)。
実施例42で得た化合物8.21gを氷冷し、このものにTFA30mLを加え、混合物を室温で1.5時間攪拌した。減圧下にTFAを留去後、反応液にクロロホルム100mLを加えて再び減圧下に蒸留し、得られる残渣をアセトンに溶解し、このものに1N塩酸18mLを加えて減圧乾固した。残留物をアセトン中に分散させ、濾過操作により、6.82gの3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}プロピオン酸塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.38 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.05 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.82 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.81 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.69 (2H, s), 3.15 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.84 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.16 (3H, s)。
実施例45で得た化合物100mgを塩化メチレン2mL中に懸濁し、得られた懸濁液中にN-メチルピペラジン34μL、WSC 79mgおよびジイソプロピルエチルアミン72μLを加え、室温で終夜攪拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−28%アンモニア水=100:10:1)で精製して、95mgのN-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミドを得た。
本化合物69mgをメタノールに溶解し、得られる液に1N塩酸0.29mLを加えて減圧乾固した。残留物をメタノール-IPEから再結晶して、上記化合物の塩酸塩67mgを得た。この塩酸塩の物性を次に示す。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.39 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.04 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.83 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.82 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.72 (2H, s), 3.65-3.40 (4H, m), 3.26-2.99 (8H, m), 2.91 (3H, s), 2.16 (3H, s)。
参考例10で得た化合物に代えて参考例14で得た化合物を用いて、実施例42に記載の方法と同様にして、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}アクリル酸 t-ブチルエステルを得た。
淡褐色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.22 (1H, s), 7.82 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.79 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.70 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.60 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.55 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.53 (1H, d, J = 15.9 Hz), 6.78 (1H, d, J = 15.9 Hz), 4.53 (2H, s), 2.08 (3H, s), 1.48 (9H, s)。
ナス型フラスコに、実施例47で得た化合物251mgを入れ、氷冷後、更にTFA0.5mLを加えて混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物からTFAを減圧留去後、油状残渣にアセト二トリル5mLを加え、氷冷下に撹拌しながら更にトリエチルアミン5mLを滴下した。このものに更に、N-メチルピペラジン50mgおよびBOP試薬455mgを加えて室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水=200:10:1)で精製して、40 mgのN-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロペニル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミドを得た。
本品全量をエタノールに溶解し、得られた液に1 mol/L塩酸エタノール溶液0.15mLを加え、溶媒を留去して、塩酸塩形態の上記化合物48mgを得た。この塩酸塩の物性を次に示す。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.82 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.76 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.70 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.61 (1H, d, J= 7.8 Hz), 7.51 (1H, d, J= 7.8 Hz), 7.46 (2H, s), 4.53 (2H, s), 3.57 (4H, br t), 2.31 (4H, br t), 2.19 (3H, s), 2.08 (3H, s) 。
参考例11で得た化合物に代えて参考例13で得られた化合物を用い、実施例43に記載の方法と同様にして、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-2-メチルプロピオン酸 エチルエステルを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.99 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.64 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.50 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.28 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.99 (1H, d, J = 7.5 Hz), 5.82 (2H, br s), 4.52 (1H, d, J = 14.4 Hz), 4.44 (1H, d, J = 14.4 Hz), 4.13 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.17 (1H, dd, J = 13.8, 7.8 Hz), 3.08-3.00 (1H, m), 2.87 (1H, dd, J = 13.8, 6.0 Hz), 2.21 (3H, s), 1.26-1.12 (6H, m)。
実施例49で得た化合物1.13gをエタノール30mLに溶解し、得られる液に1N水酸化ナトリウム水溶液7.5mLを加え、室温で終夜攪拌した。反応混合物から溶媒を減圧留去し、残留物に2%クエン酸水溶液を加えて中和、分散し、不溶物を濾取後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール=10:1)で精製して、597mgの3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-2-メチルプロピオン酸を得た。
無色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.71 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.63 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.36 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.47 (2H, s), 3.05 (1H, dd, J = 13.8, 6.9 Hz), 2.86 (1H, sext, J = 6.9 Hz), 2.71 (1H, dd, J = 13.8, 7.2 Hz), 2.09 (3H, s), 1.04 (3H, d, J = 6.9 Hz)。
実施例45で得た化合物に代えて実施例50で得た化合物を用いて、実施例46に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[2-メチル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミドを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 7.84 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.60 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.04 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.49 (1H, d, J = 13.8 Hz), 4.42 (1H, d, J = 13.8 Hz), 3.35-3.25 (5H, m), 2.97 (1H, dd, J = 17.1, 8.4 Hz), 2.69 (1H, dd, J = 17.1, 6.0 Hz), 2.54-1.91 (4H, m), 2.09 (6H, s), 1.04 (3H, d, J = 6.0 Hz)。
ジクロロメタン9mLに参考例15で得た化合物540mgおよびジイソプロピルエチルアミン244mgを加え、混合物を氷冷下に10分間撹拌後、該混合物中にメタンスルホン酸クロリド0.16mLを滴下して室温で1時間撹拌した。得られたメシレート溶液を、チオウレア142mgのエタノール2mL溶液中に60℃で滴下し、混合液を同温度で1時間攪拌した。反応混合物から溶媒を留去後、残渣にエタノール9mL、N-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド396mgおよび炭酸水素ナトリウム473mgを加えて2時間加熱還流した。反応液を放冷後、このものにNBS 270mgを加えて30分間加熱還流した。反応混合物から溶媒を減圧留去後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルム抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=600:20:1)で精製し、精製物をエタノールから再結晶して、190mgのN-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-オキソペンタ-1-イニル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.73-7.67 (3H, m), 7.49 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.30 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.45 (2H, s), 3.38-3.32 (4H, m), 2.62 (4H, s), 2.29-2.21 (4H, m), 2.14 (3H, s), 2.09 (3H, s)。
エタノール7mLに参考例16で得た化合物2.28gおよびチオウレア545mgを加え、混合物を60℃で1.5時間撹拌した。放冷後、混合物中にN-[4-(2,2-ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド1.40gおよびトリエチルアミン1.46gを加えて60℃で4時間撹拌した。得られた反応液を氷冷し、このものにNBS8 27mgを加えて同温度で30分間撹拌した。反応混合物から溶媒を減圧留去し、残渣に水を加えて酢酸エチル抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−エタノール=30:1)で精製して、1.86gの5-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}ペンタン酸 t-ブチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.70 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.10 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.45 (2H, s), 2.69 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.19 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.08 (3H, s), 1.66-1.47 (4H, m), 1.37 (9H, s)。
実施例53で得た化合物1.06gを氷冷し、このものにTFA 2mLを滴下し、混合物を室温で1.5時間攪拌した。剰余のTFAを減圧留去し、残渣をDMF 20mLに溶解し、溶解液に氷冷下にトリエチルアミン3mLを加えて中和し、更にHOBt 1.8gを加えて15分間攪拌した。反応混合物にN-メチルピペラジン200mgおよびWSC 764mgを加え、混合物を室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧乾固し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてクロロホルム抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−トリエチルアミン=300:10:1)で精製して、1.0 gのN-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-オキソペンチル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.34 (1H, s), 7.90 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.52 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.31 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.01 (1H, d, J = 7.5 Hz), 5.71 (2H, s), 4.50 (2H, s), 3.62 (2H, t, J = 5.1 Hz), 3.50 (2H, t, J = 5.1 Hz), 2.82 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.44-2.34 (6H, m), 2.30 (3H, s), 2.20 (3H, s), 1.86-1.73 (4H, m)。
N-メチルピペラジンに代えて1-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジンを用いて、実施例54に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{5-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-5-オキソペンチル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, t, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.64 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.46 (2H, s), 2.70 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.31-2.26 (8H, m), 2.09 (3H, s), 1.65-1.63 (2H, m), 1.52-1.49(2H, m), 0.97-0.90 (6H, m)。
実施例46で得た化合物1gをエタノール10mLおよび水10mLの混合溶媒に懸濁させ、懸濁液に5N塩酸10mLを加えて60℃で4時間加熱撹拌した。反応混合物からエタノールを減圧留去後、得られた混合物中に氷冷下に5N水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。析出した結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、減圧乾燥して、0.85gの4-アミノ-6-(4-アミノフェニル)-2-{6-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-5-カルボニトリルを得た。
白色粉末
1H-NMR(DMSO-d6)δ: 7.73 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.80-7.55 (2H, br s), 7.61 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.14 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.61 (2H, d, J = 8.7 Hz), 5.90 (2H, s), 4.45 (2H, s), 3.40-3.34 (4H, m), 2.94 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.70 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.25-2.19 (4H, m), 2.12 (3H, s)。
実施例56で得た化合物150mgおよびトリエチルアミン0.5mLをアセトニトリル10mLに溶解し、混合物にプロピオニルクロリド0.1gを滴下して室温で30分間撹拌した。溶媒を留去後、残渣をクロロホルムに溶解し、溶解液に水を加え、得られる有機層を水で2回、次いで飽和食塩水で1回それぞれ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール−アンモニア水=90:10:1)で精製して、50mgのN-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]プロピオンアミドを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR(DMSO-d6)δ: 10.16 (1H, s), 8.20-7.64 (2H, br s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.74 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.8 Hz) 7.14 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.46 (2H, s), 3.42-3.35 (4H, m), 2.94 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.70 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.37 (2H, q, J = 7.5 Hz), 2.20-2.16 (4H, m), 2.12 (3H, s), 1.10 (3H, t, J = 7.5 Hz)。
実施例57においてプロピオニルクロリドに代えてブチリルクロリドを用いて同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]ブチルアミドを得た。
白色粉末
1H-NMR(DMSO-d6)δ: 10.24 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.73 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.2 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.14 (1H, d, J = 7.2 Hz), 4.46 (2H, s), 3.40-3.35 (4H, m), 2.94 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.70 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.20-2.16 (4H, m), 2.12 (3H, s), 1.63 (2H, sext, J = 7.5 Hz), 0.93 (3H, t, J = 7.5 Hz)。
N-メチルピペラジンに代えてN-(tert-ブトキシカルボニル)エチレンジアミンを用いて、実施例46に記載の方法と同様にして、[2-(3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}プロピオニルアミノ)エチル]カルバミン酸 t-ブチルエステルを得た。
無色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 7.88 (1H, br t, J = 7.5 Hz), 7.83 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.77 (1H, br t, J = 7.5 Hz), 4.46 (2H, s), 3.05 (2H, q, J = 7.5 Hz), 2.98-2.90 (4H, m), 2.46 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.09 (3H, s)。
実施例59で得た化合物100mgに氷冷下にTFA1mLを加え、混合物を30分間攪拌した。反応液を減圧乾固して得られた固体をエタノール10mLに溶解し、溶解液に1N塩酸0.37mLを加えて減圧乾固した。得られた固体をメタノール-IPEから再結晶して、90mgの3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-アミノエチル)プロピオンアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 8.12 (1H, br t, J = 7.5 Hz), 7.85 (2H, br s), 7.82 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.57 (1H, br d, J = 7.5 Hz), 7.34 (1H, br d, J = 7.5 Hz), 4.56 (2H, s), 3.29 (2H, q, J = 6.0 Hz), 3.07 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.85 (2H, q, J = 6.0 Hz), 2.59 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.09 (3H, s)。
実施例45で得た化合物200mgをDMF3mLに溶解し、得られた液にN,N-ジメチルエチレンジアミン54mg、BOP 365mgおよびトリエチルアミン172μLを加え、混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水=50:10:1)で精製した。
上記で得られた遊離形態の化合物187mgをメタノールに溶解し、溶液中に1N塩酸0.721mLを加えて減圧乾固し、得られた固体をメタノール-アセトン-IPEから再結晶して、186mgの3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノエチル)プロピオンアミド塩酸塩を得た。この塩酸塩の物性を次に示す。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.38 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.05 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.83 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.82 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.73 (2H, s), 3.53 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.27-3.22 (4H, m), 2.90 (6H, s), 2.82 (2H, t, J = 6.0 Hz), 2.16 (3H, s)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えてN,N,N’-トリメチルエチレンジアミンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノエチル)-N-メチルプロピオンアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.37 (1H, t, J = 8.1 Hz), 8.03 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.83 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.73 (2H, s), 3.72 (2H, t, J = 5.4 Hz), 3.32-3.21 (4H, m), 3.07 (3H, s), 3.02 (2H, t, J = 5.4 Hz), 2.92 (6H, s), 2.16 (3H, s)。
実施例61に記載の方法において、N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて3-ジメチルアミノプロピルアミン39μLを用いて、同様にして、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノプロピル)プロピオンアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.38 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.05 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.83 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.80 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.73 (2H, s), 3.23 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.10 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.87 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.85 (6H, s), 2.79 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.16 (3H, s), 1.89 (2H, quint, J = 6.9 Hz)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えてN,N,N’-トリメチル-1,3-プロパンジアミンを用いて、実施例61に記載の方法に従って、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノプロピル)-N-メチルプロピオンアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.36 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.01 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.84 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.82 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.72 (2H, s), 3.40 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.22 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.06 (3H, s), 3.06-2.98 (4H, m), 2.82 (6H, s), 2.16 (3H, s)。
N-メチルピペラジンに代えて1-(2-アミノエチル)ピペリジンを用いて、実施例46に記載の方法と同様にして、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-メチルピペリジン-1-イルエチル)プロピオンアミド塩酸塩を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 8.25-7.61 (3H, m), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.46 (2H, s) 3.17-3.12 (2H, m), 2.98-2.89 (2H, m), 2.49-2.45 (2H, m), 2.40-2.22 (6H, m), 2.09 (3H, s), 1.30-2.01 (6H, m)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えてN,N-ジエチルエチレンジアミンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジエチルアミノエチル)プロピオンアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.39 (1H, t, J = 8.1 Hz), 8.06 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.83 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.81 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.73 (2H, s), 3.51 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.30-3.19 (8H, m), 2.82 (2H, t, J = 6.3 Hz), 2.17 (3H, s), 1.29 (6H, t, J = 9.0 Hz)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて1-メチル-4-(メチルアミノ)ピペリジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)プロピオンアミド塩酸塩を得た。
黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.39 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.03 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.86 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.83 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.73 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.80 (2H, s), 3.64-3.47 (2H, m), 3.24 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.17-3.12 (1H, m), 2.99 (2H, t, J = 6.3 Hz), 2.98-2.89 (2H, m), 2.91 (3H, s), 2.79 (3H, s), 2.16 (3H, s), 2.10-1.76 (4H, m)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて4-(ジエチルアミノ)ピペリジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-ジエチルアミノピペリジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド塩酸塩を得た。
無色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.39 (1H, t, J = 7.2 Hz), 8.03 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.83 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.73 (2H, s), 4.58 (1H, br d, J = 12.6 Hz), 4.06 (1H, br d, J = 12.6 Hz), 3.64-3.53 (1H, m), 3.33-2.62 (8H, m), 2.16 (3H, s), 2.16-1.56 (4H, m), 1.35 (6H, t, J = 7.2 Hz)。
N-メチルピペラジンに代えて4-ピペリジノピペリジンを用いて、実施例46に記載の方法と同様にして、N-(4-{6-アミノ-2-[6-(3-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル-3-オキソプロピル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]-5-シアノピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.45 (1H, s), 8.27 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.93 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.81 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.76 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.74 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.76 (2H ,s), 4.46 (1H, br d, J = 13.2 Hz), 4.00 (1H, br d, J = 13.2 Hz), 3.35-3.17 (6H, m), 3.05-2.84 (4H, m), 2.56-2.48 (1H, m), 2.15-2.07 (2H ,m), 2.10 (3H, s), 1.97-1.35 (8H, m)。
N-メチルピペラジンに代えて2-ピぺリジンメタノールを用いて、実施例46に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(2-ヒドロキシメチルピペリジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.24 (1H, s), 8.25-7.50 (2H, br s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.15 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.47 (2H, s), 3.85-4.70 (5H, m), 3.70-3.35 (1H, m), 3.01-2.62 (4H, m), 2.09 (3H, s), 1.80-1.05 (6H, m)。
N-メチルピペラジンに代えて2-ピペリジン-1-イルメチルモルホリンを用いて、実施例46に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-オキソ-3-(2-ピペリジン-1-イルメチルモルホリン-4-イル)プロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.4Hz), 7.71 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.15 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.45 (2H, s), 4.25-3.75 (3H, m), 2.94 (4H, m), 2.80-2.73 (2H, m), 2.48-2.20 (8H, m), 2.08 (3H, s), 1.42-1.32 (6H, m)。
N-メチルピペラジンに代えて2-(4-エチルピペラジン-1-イルメチル)モルホリンを用いて、実施例46に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[2-(4-エチルピペラジン-1-イルメチル)モルホリン-4-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.2 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.4Hz), 7.71 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.16 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.46 (2H, s), 4.25-3.75 (3H, m), 2.94-2.73 (4H, m), 2.48-2.20 (13H, m), 2.08 (3H, s), 0.93 (3H, br t)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて1-tert-ブトキシカルボニルピペラジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、4-(3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}プロピオニル)ピペラジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.71 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.16 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.46 (2H, s), 3.41-3.38 (4H, m), 3.30-3.25 (4H, m), 2.95 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.73 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.09 (3H, s), 1.39 (9H, s)。
実施例73で得た化合物を用いて、実施例60に記載の方法と同様にして、N-(4-{6-アミノ-5-シアノ-2-[6-(3-オキソ-3-ピペラジン-1-イルプロピル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]ピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.34 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.00 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.79 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.71 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.70 (2H, s), 3.77-3.74 (4H, m), 3.29-3.16 (6H, m), 3.04 (2H, t, J = 6.6 Hz), 2.16 (3H, s)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて1-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
無色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.39 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.05 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.86 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.83 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.73 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.73 (2H, s), 3.69-3.07 (20H, m), 2.17 (3H, s), 1.38 (6H, t, J = 7.2 Hz)。
N-メチルピペラジンに代えて1-(2-ジイソプロピルアミノエチル)ピペラジンを用いて、実施例46に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジイソプロピルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
無色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 7.65-8.20 (2H, br s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.14 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.47 (2H, s), 3.40-3.29 (4H, m), 2.97-2.71 (4H, m), 2.69-2.51 (2H, m), 2.49-2.42 (2H, m), 2.30-2.18 (6H, m) 2.09 (3H, s), 0.92 (12H, d, J = 6.3Hz)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて1-[2-(ピロリジン-1-イル)エチル]ピペラジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-オキソ-3-[4-(2-ピロリジン-1-イルエチル)ピペラジン-1-イル]プロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6+D2O) δ: 8.09 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.80 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.77 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.57 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.62 (2H, s), 3.58 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.65-3.11 (16H, m), 2.91 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.11 (3H, s), 1.99 (4H, br s)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて1-[2-(モルホリン-4-イル)エチル]ピペラジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-モルホリン-4-イルエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.39 (1H, t, J = 8.1 Hz), 8.05 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.73 (2H, s), 4.00 (4H, br s), 3.72 (4H, br s), 3.66-3.27 (14H, m), 3.09 (2H, br s), 2.17 (3H, s)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて1-(N-メチルピペリジン-4-イルメチル)ピペラジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.39 (1H, t, J = 8.1 Hz), 8.03 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.84 (3H, br d, J = 9.0 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.74 (2H, s), 3.58-2.92 (18H, m), 2.88 (3H, s), 2.28-1.57 (5H, m), 2.17 (3H, s)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて1-メチルホモピペラジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.38 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.02 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.84 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.84 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 4.72 (2H, s), 4.03-3.05 (12H, m), 2.89 (3H, s), 2.23-2.06 (2H, m), 2.16 (3H, s)。
N,N-ジメチルエチレンジアミンに代えて1-アミノ-4-メチルピペラジンを用いて、実施例61に記載の方法と同様にして、3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド塩酸塩を得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CD3OD) δ: 8.40 (1H, t, J = 8.1 Hz), 8.08 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.82 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.72 (2H, s), 3.48-2.70 (12H, m), 2.85 (3H, s), 2.16 (3H, s)。
参考例11で得た化合物に代えて参考例17-(2)で得た化合物を用い、実施例43と同様の方法に従って、N-(4-{6-アミノ-5-シアノ-2-[6-(3-オキソペンチル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]ピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミドを得た。
無色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.23 (1H, s), 7.83 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.72 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.61 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.13 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.45 (2H, s), 2.93 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.81 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.46 (2H, q, J = 7.2 Hz), 2.09 (3H, s), 0.90 (3H, t, J = 7.2 Hz).
実施例42〜82で得た化合物の構造を下記表13〜表15に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
実施例18で得た化合物(塩酸塩として)20mg (25μM)、各種カルボン酸(30μM)、MP-カーボネート(25μM、Argonaut社製、macroporous polystyrene anion-exchange resin)およびHOBt-H2O 4.5mg(29μM)を、塩化メチレン-DMF(0.5mL-0.1mL)に添加し、得られた懸濁液を室温にて1時間振とうした。その後、反応混合物中にPS-カルボジイミド(33μM、Argonaut社製、N-Cyclohexylcarbodiimide-N'-propyloxymethyl polystyrene)を加え、室温にて終夜(約18時間)振とうした。反応液にPS-イソシアネート(75μM、Argonaut社製、Polystyrene methylisocyanate)を加えて室温にて3時間振とうし、未反応の原料を除去した。その後、MP-カーボネートを濾過し、塩化メチレン0.2mLおよびDMF 0.2mLで洗浄した。濾液と洗液とを合わせ、窒素ガスを吹き付け、塩化メチレンを揮発させ、残渣について下記条件のHPLCを行って、生成物を分取精製した。精製後の水溶液を凍結乾燥し、乾燥品を秤量後、下記条件下にLC/MS分析を行って、その構造を確認した。
<HPLC条件>
カラム:CAPCELL PAK C18 (UG 120 S-5, 20mm×50mm) (分取精製)
CAPCELL PAK C18 (UG 120 S-3, 3.0mm×50mm) (分析)
溶離液:0.05%TFA-MeCN, 0.05%TFA-H2Oの混合溶液(適宜溶媒比を変更)
流速:36 mL/min (分取精製)
1.8 mL/min (分析)
<LC/MS分析条件>
システム:Waters Alliance 2795, Waters ZQ
MS検出:ESI positive。
この方法により、下記表16〜表24に示す各化合物を合成した。各表には、得られた化合物の理論質量数およびLC/MS観測結果([M+H])を併記する。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
実施例18で得た化合物(塩酸塩として)20mg (25μM)のDMF 0.2mL溶液に、MP-カーボネート(125μM)を加えて室温にて3時間振とうした。その後、反応混合物を濾過し、濾液を各種スルホニルクロリド(50μM)のDMF 0.1mL溶液に加えた後、混合物中にジイソプロピルエチルアミン8.7μL(50μM)を加え、室温にて終夜(約18時間)振とうした。
反応液を実施例83-193に記載の条件下に同様にHPLCに付し、生成物を分取精製した。精製後の水溶液を凍結乾燥し、乾燥品を秤量後、実施例83-193に記載の条件下に同様にしてLC/MS分析して、その構造を確認した。
得られた化合物の構造および理論質量数およびLC/MS観測結果を表25に示す。
Figure 2005336168
実施例18で得た化合物(塩酸塩として)16mg (20μM)、各種アルキルハライド(22μM)および飽和炭酸カリウム水溶液(100μM)をDMF 0.2mLに溶解した溶液を、室温にて終夜(約18時間)振とうした。反応液にDMF 0.2mLを加えて希釈した後、希釈液を実施例83-193に記載の条件下に同様にHPLCに付して、生成物を分取精製した。また、精製後の水溶液を凍結乾燥し、乾燥品を秤量後、同様にしてLC/MS分析して、その構造を確認した。
得られた各化合物の構造および理論質量数およびLC/MS観測結果を表26〜表28に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
実施例18の化合物 (塩酸塩として)20mg(25μM)のTHF-DMF(3:1)混液0.6mLに、各種アルデヒド(28μM)のDMF28μL溶液および酢酸7μL(125μM)を加えた。反応混合物に MP-シアノボロハイドライド(63μM、Argonaut社製、Macroporous triethylammonium methylpolystyrene cyanoborohydride)を加え、室温にて2日間振とうした。MP-シアノボロハイドライドを濾去し、濾液を実施例83-193に記載の条件下に同様にしてHPLCに付し、生成物を分取精製した。また、精製後の水溶液を凍結乾燥し、乾燥品を秤量後、同様にしてLC/MS分析を行って、生成物の構造を確認した。
得られた各化合物の構造および理論質量数およびLC/MS観測結果を表29〜表33に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
実施例45で得た化合物24mg(50μM)、原料アミン類としての各種1級或いは2級アルキルアミン(100μM)およびHOBt-H2O 8.9mg(58μM)を塩化エチレン-DMF(0.5mL-0.2mL)混液に懸濁させ、得られる液を、室温にて10分間振とうした。原料として塩形態のアミン類を用いる場合には、該原料アミン類と等モル量のMP-カーボネート(Argonaut社製)を反応系内に添加した。その後、反応混合物にPS-カルボジイミド(Argonaut社製、67μM)を加えて、室温にて終夜(約18時間)振とうした。
反応混合物を濾過し、PS-カルボジイミドおよびMP-カーボネート(該レジンを利用する場合)を濾去後、DMF (0.15mL)を用いて洗浄した。濾液および洗液を合わせ、窒素ガスを吹き付けて塩化エチレンを揮発させ、残渣をDMF 0.15mLで希釈し、希釈液を実施例83-193に記載の条件下に同様にしてHPLCに付して生成物の分取精製を行った。また、精製後の水溶液を凍結乾燥し、乾燥品を秤量後、同様にしてLC/MS分析を行って、生成物の構造を確認した。
得られた各化合物の構造および理論質量数およびLC/MS観測結果を表34〜表45に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
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Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
以下、本発明化合物につき行われた薬理試験例を挙げる。
(1)アデノシンA2a受容体発現細胞におけるc-AMP産生作用
本実験は、文献(Klotz k.N. et al., Naunyn- Schmiedeberg's Arch. Pharmacol., (1998) 357, 1-9; Shryock J.C. et al., Molecular Pharmacology, (1998) 53, 886-893)に記載された方法を参考に以下の通り行った。
細胞としてはアデノシンA2a受容体(Human)を発現させたHEK293 cell (PerkinElmer Life Sciences, Code No. RBHA2AC)を使用した。
培地としては10%FBS (Fetal bovine serum)および1mM sodium pyruvateを含むDulbecco’s modified Eagles medium (DMEM)を使用した。
本細胞を96 well plateに播き(1×105 /well)、一晩培養した。上清を除去した後、20mM HEPES、0.1mM IBMX(3-isobutyl-1-methylxanthine)および2unit/mL Adenosine deaminase を含むDMEM(FBSは除く)を0.1mL/well添加し、37℃で30分間インキュベートした。培地中被検薬物濃度が所定濃度となるよう被検薬物のDMSO溶液を添加した培地を各ウェルに0.1mL/well加え、更に30分間インキュベートした。上清を除去した後、細胞溶解液を添加して反応を停止させた。各ウェルのc-AMP量をc-AMP enzyme immunoassay(EIA)system (Amersham Biosciences, Code No.RPN225)を用いて測定した。
対照薬としてCGS-21680 (2-p-carboxyethyl)phenethylamino-5'-N-ethylcarboxamidoadenosine hydrochloride, Sigma, code C141) を用いて同一操作を繰り返した。
対照薬の培地中濃度が1μMの際のc-AMP量測定結果を100(%)として、各被検薬物を所定濃度で使用して求められたc-AMP測定値をそれぞれ換算し、該値が50(%)となる場合の各被験薬物の培地中濃度を求めて、これをEC50値とした。
被検薬物として前記各実施例で製造した以下の本発明化合物を使用して得られた上記試験の結果を、下記表46および表47に示す。尚、表には、比較のため、下記構造を有するWO 03/053441 A1の実施例6に記載の化合物(比較化合物Aとする)およびWO 03/008384 A1の実施例1に記載の化合物(比較化合物Bとする)を用いて行った同一試験の結果を併記する。
<比較化合物A>
Figure 2005336168
<比較化合物B>
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
表46および表47に示される結果から、本発明化合物はいずれも強力なA2a受容体活性化作用を有することが明らかである。
(2)アデノシンA1アゴニスト作用
本実験は文献(Shryock J.C. et al., Molecular Pharmacology, (1998) 53, 886-893; Ito H. et al., European Journal of Pharmacology, (1999) 365, 309-315)に記載された方法を参考にして以下の通り行った。即ち、雄性Wistarラット(日本チャールズリバー)の大脳皮質を摘出し、Tris buffer (50mM Tris-HCl : pH7.4)を加えてホモジナイズした後、遠心分離(1000×g、10min)した。上清を採取し、遠心分離(20,000×g、20min)した。上清を除去した後、沈殿物にTris bufferを加えて懸濁させ、再度遠心分離(20,000×g、20min)した。上清を除去後、沈殿物に2units/mL ADA(adenosine deaminase)を含むTris bufferを加えて懸濁させ、以後の試験に用いる細胞膜調製液を調製した。この液は使用まで-80℃で保存した。
上記細胞膜調製液の細胞膜10μgに相当する量を5mM MgCl2、1mM EDTA、1mM dithiothreitol、100mM NaCl、0.01mM GDP(guanosine diphosphate)、5mg/mL BSAおよび2units/mL ADAを含むTris-bufferに加えて、25℃で30分間インキュベートした。更に[35S] GTPγS (Guanosine 5'-[γ-thio]triphosphate)(最終濃度0.4nM)および所定濃度(被験化合物の最終濃度から換算した濃度)の被験化合物を加えて、25℃で45分間インキュベートした。反応混合物をガラス繊維フィルター(unifilter-96 GF/B, Perkin Elmer Life Sciences)で濾過し、反応を停止させた。フィルターを氷冷した5mM MgCl2を含むTris-bufferで5回洗浄した。フィルターの放射活性をTop count NXT(Perkin Elmer Life Sciences)で測定した。非特異的結合は0.01mM GTPγS存在下での[35S]GTPγS結合活性で表した。
対照薬としてCPA (N6-Cyclopentyladenosine, Sigma, code C-8031)1μMを用いて得られた上記試験の結果([35S] GTPγS結合活性)を100%として、各被験化合物の相対活性(%、A1アゴニスト作用)を算出した。
前記各実施例で得た本発明化合物(その塩を含む)の1μM、100nMおよび10nMをそれぞれ被験化合物として用いた場合の上記試験結果を、下記表48に示す。尚、表48には、比較化合物として、前記薬理試験例(1)に記載の比較化合物AおよびBを用いた場合の結果を併記する。
Figure 2005336168
表48に示される結果から次のことが明らかである。即ち、本発明化合物のA1受容体活性化作用(A1アゴニスト作用)は比較化合物に比してかなり弱く、このことから、本発明化合物は、アデノシンA2a受容体に選択的に作用し得ることが判る。
上記表48に記載した本発明化合物以外の前記各実施例で得た本発明化合物について、同一試験を行った結果、いずれの化合物も表48に示される本発明化合物の場合とほぼ同様のA1アゴニスト作用を示すことが確認された。
(3)家兎眼圧測定試験
被験化合物は10mMリン酸緩衝液(pH7.5)(以下点眼基剤という)を用いて、所定濃度の溶液または懸濁液に調製して試験に利用した。即ち、所定濃度に調製した際、完全に溶解しない被験化合物の場合は、その濃度の懸濁液として使用した。
試験には体重2.0-4.0kgのNewZealand系雌性白色家兎 (北山ラベス)を用いた。
眼圧測定はPneumatonometer(Model 30 Classic、メンター社)を用いて無麻酔下で行った。また、眼圧測定の前に0.4%オキシブプロカイン塩酸塩(「べノキシールTM」0.4%点眼液、参天製薬)で表面麻酔を行った。
眼圧が安定している動物を選択し、1群4匹として、被験化合物を片眼に50μL点眼し、反対眼を対照眼として点眼基剤を投与した。眼圧測定は点眼前、点眼0.5、1、2、3、4および6時間後に、それぞれ実施した。眼圧に対する作用は、点眼前値からの変化量(ΔIOP、mmHg、平均±標準誤差)で表した。被験化合物として、前記薬理試験例(1)に記載の比較化合物AおよびB(いずれも1%懸濁液として利用した)を用いて得られた結果を、被験化合物毎に下記表49および表50に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
上記と同様に動物を前処置し、眼圧が安定している動物を選択し、各群5-8匹として、各被験化合物に対して2群を用いた。投与群の家兎の片眼に被験化合物を投与し、眼圧を測定した。対照群の家兎の片眼に点眼基剤を投与し、眼圧を測定した。眼圧測定は前記と同様、点眼前、点眼0.5、1、2、3、4および6時間後に実施し、眼圧に対する作用は、点眼前値からの変化量(ΔIOP、mmHg、平均±標準誤差)で表した。
被験化合物として、対照化合物CGS-21680および本発明化合物(実施例で得た化合物)のそれぞれを用いて得られた結果を、被験化合物毎に下記表51〜表67に示す。
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
Figure 2005336168
上記表51〜表67に記載した本発明化合物以外の前記各実施例1〜84で得た本発明化合物について、同一試験を行った結果、いずれの化合物も表51〜表67に示す結果とほぼ同様の結果を与えることが確認された。
表49〜表67に示される結果から次のことが明らかである。
即ち、表49および表50に示す通り、比較化合物AおよびBは、1%懸濁液という比較的高濃度でも、有意な眼圧降下作用を示さなかった。
試験した本発明化合物は、表52〜表67に示すとおり、いずれも、眼圧降下作用を示した。特に表54〜表67に示す本発明化合物は、既に眼圧降下作用を報告されているCGS-21680(表51参照)と対比して、該化合物より低濃度で同等の眼圧降下作用を示した。また表55〜表67に示す本発明化合物は試験した濃度(0.01%〜0.03%)以上の高濃度(0.3%〜1%)で溶解補助剤なしに可溶であり、この点からも点眼剤として有用であることが判った。

Claims (10)

  1. 一般式(1):
    Figure 2005336168
    [式中、
    R1は水素原子、低級アルキルカルボニル基、低級アルケニルカルボニル基、フェニルカルボニル基または低級アルコキシカルボニル基を示す。
    R2は低級アルキレン基を示す。
    R3は(1)水素原子、(2)低級アルキル基または下記基(3)〜基(12)のいずれかを示す。
    Figure 2005336168
    上記基(3)〜基(12)において、R4は低級アルキレン基、R5は水素原子または低級アルキル基、R6は低級アルケニレン基、R7は低級アルキニレン基およびR8は低級アルキル基を示し、Z1〜Z3はそれぞれ下記(a1)-(a38)、(b1)-(b8)および(c1)-(c22)からなる群から選ばれるいずれかの基を示す。
    Z1:(a1)低級アルキル基、(a2)アリール低級アルキル基、(a3)アミノアリール低級アルキル基、(a4)アリール低級アルケニル基、(a5)ヘテロアリール低級アルキル基、(a6)ヘテロアリール低級アルケニル基、(a7)ヘテロアリールアリール低級アルキル基、(a8)ヒドロキシ低級アルキル基、(a9)アリールオキシ低級アルキル基、(a10)アミノ低級アルキル基、(a11)アミノカルボニル低級アルキル基、(a12)低級アルキルカルボニル基、(a13)低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基、(a14)アミノ低級アルキルカルボニル基、(a15)アリールカルボニル基、(a16)アリール低級アルキルカルボニル基、(a17)アリール低級アルケニルカルボニル基、(a18)アリールオキシ低級アルキルカルボニル基、(a19)ヘテロアリールカルボニル基、(a20)ヘテロアリール低級アルキルカルボニル基、(a21)ヘテロアリール低級アルケニルカルボニル基、(a22)ヘテロアリールオキシ低級アルキルカルボニル基、(a23)ヘテロアリールスルファニル低級アルキルカルボニル基、(a24)ヘテロアリールアリールカルボニル基、(a25)アリールスルファニル低級アルキルカルボニル基、(a26)アリールカルボニル低級アルキルカルボニル基、(a27)アリールアミノ低級アルキルカルボニル基、(a28)低級アルコキシカルボニル基、(a29)低級アルキルスルホニル基、(a30)アリールスルホニル基、(a31)ヘテロアリールスルホニル基、(a32)水素原子、(a33)飽和複素環を有する低級アルキル基、(a34)飽和複素環を有するカルボニル低級アルキル基、(a35)飽和複素環を有するアリール低級アルキル基、(a36)飽和複素環を有するカルボニル基、(a37)飽和複素環を有する低級アルキルカルボニル基、(a38)飽和複素環を有するアリールカルボニル基。
    尚、上記(a3)、(a10)、(a11)および(a14)に記載の各基の一部を構成するアミノ基は、低級アルキル基、カルボニル基および低級アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる置換基の1または2個で置換されていてもよく、上記(a2)、(a15)、(a16)、(a17)、(a18)、(a30)および (a35)に記載の各基の一部を構成するアリール基は、ハロゲン、水酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ低級アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、ジハロゲノメチレンジオキシ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、ニトロ基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基およびアミノスルホニル基からなる群から選ばれる置換基の1〜3個で置換されていてもよく、上記(a5)、(a19)〜(a24)および(a31)に記載の各基の一部を構成するヘテロアリール基は、ハロゲン、水酸基、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、アリール基、ハロゲノアリール基、低級アルキルスルファニル基、アミノカルボニル基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる置換基の1〜3個で置換されていてもよい。更に、上記(a33)〜(a38)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、5-7員の含窒素飽和複素環基または該基に1乃至は2個のベンゼン環が縮合した基であって且つ該環を構成する窒素原子上に1個の低級アルキル基または低級アルキルカルボニル基を有していてもよく、また該環を構成する炭素原子上に1または2個のオキソ基を有していてもよい。
    Z2:(b1)水素原子、(b2)低級アルコキシカルボニル基、(b3)アミノ低級アルキルカルボニル基、(b4)低級アルケニルカルボニル基、(b5)飽和複素環を有する低級アルキルカルボニル基、(b6)飽和複素環を有するピペリジノ低級アルキルカルボニル基、(b7)飽和複素環を有するカルボニル基および(b8)低級アルキルスルホニル基。
    尚、上記(b3)に記載の各基の一部を構成するアミノ基は、1または2個の低級アルキル基で置換されていてもよい。更に、上記(b5)から(b7)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、5-7員の含窒素飽和複素環基であって且つ該環を構成する窒素原子上に1個の低級アルキル基を有していてもよい。
    Z3:(c1)水酸基、(c2)低級アルコキシ基、(c3)アミノ基、(c4)アミノ低級アルキルアミノ基、 (c5)ピペラジノ基、(c6)アミノ低級アルキルピペラジノ基、(c7)アミノカルボニル低級アルキルピペラジノ基、(c8)1,4-ジアゼパン-1-イル基、(c9)アミノ低級アルキル-1,4-ジアゼパン-1-イル基、(c10)ピペリジノ基、(c11)アミノピペリジノ基、(c12)アミノ低級アルキルアミノピペリジノ基、(c13)アミノ低級アルキルピペリジノ基、(c14)ピロリジノ基、(c15)飽和複素環を有するアミノ基、(c16)飽和複素環を有する低級アルキルアミノ基、(c17)飽和複素環を有するピペラジノ基、(c18)飽和複素環を有する低級アルキルピペラジノ基、(c19)飽和複素環を有するカルボニル低級アルキルピペラジノ基、(c20)飽和複素環を有する低級アルキル-1,4-ジアゼパン-1-イル基、(c21)飽和複素環を有するピペリジノ基および(c22)飽和複素環を有する低級アルキルモルホリノ基。
    尚、上記(c3)のアミノ基、並びに(c4)、(c6)、(c7)、(c9)、(c11)、(c12)、(c13)、(c15)および(c16)に記載の各基の一部を構成するアミノ基は、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール低級アルキル基、アルキコキシアリール低級アルキル基、ヘテロアリール低級アルキル基および低級アルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる置換基の1または2個で置換されていてもよく、上記(c11)に記載の基の一部を構成するアミノ基は、1個のアリール低級アルキルカルボニル基で置換されていてもよい。また上記(c5)のピペラジノ基および(c8)の1,4-ジアゼパン-1-イル基は、その4位に低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、アリール基、低級アルキルアリール基、ヒドロキシアリール基、シアノアリール基、ハロゲノアリール基、アリール低級アルキル基、低級アルコキシアリール低級アルキル基、ハロゲノアリールオキシ低級アルキル基、ヘテロアリール基、低級アルキルへテロアリール基、ハロゲノ低級アルキルへテロアリール基、シアノへテロアリール基、ヘテロアリール低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基および低級アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有していてもよい。更に、上記(c15)〜(c22)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、5-7員の含窒素飽和複素環基であって、該基には1乃至2個のベンゼン環が縮合していてもよく、また該基は、これを構成する窒素原子上に低級アルキル基、アリール基、シアノアリール基、低級アルキルカルボニル基、ハロゲノ低級アルキルアリール基およびアリール低級アルキル基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有していてもよい。更に、上記(c5)のピペラジノ基、(c10)のピペリジノ基および(c15)〜(c22)に記載の各基の一部を構成する飽和複素環は、これらの環を構成する炭素原子上に水酸基、オキソ基、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、アリール基、アリール低級アルキル基、アミノカルボニル基および低級アルキルアミノ基からなる群から選ばれる置換基のいずれか1個を有していてもよい。]
    で表される4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  2. R2がメチレン基であり、R3が水素原子または低級アルキル基である請求項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  3. R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(3)または基(6)である請求項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  4. R4が低級アルキレン基であり、且つZ1が(a2)、(a14)、(a15)、(a28)、(a32)および(a37)から選ばれるいずれかの基である請求項3に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  5. R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(4)、基(5)または基(7)(但し、Z1は低級アルコキシカルボニル基または水素原子を示す)である請求項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  6. R1が低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(8)である請求項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  7. R1が水素原子または低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)、基(10)または基(11)である請求項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  8. R1が水素原子または低級アルキルカルボニル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)、基(10)または基(11)(但し、Z3は(c1)、(c2)、(c4)、(c5)、(c6)、(c7)、(c8)、(c10)、(c11)、(c15)、(c16)、(c18)、(c21)または(c22)を示す)である請求項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  9. R1がアセチル基であり、R2がメチレン基であり、且つR3が基(9)(但し、Z3は(c4)、(c5)、(c6)、(c10)、(c11)、(c16)、(c18)、(c21)または(c22)を示す)である請求項1に記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
  10. 下記1)〜19)から選択される請求項1-9のいずれかに記載の4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体またはその製剤学的に許容される塩。
    1) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    2) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-メチルピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    3) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセチル]ピペラジン-1-イルメチル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    4) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド、
    5) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノエチル)プロピオンアミド、
    6) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノエチル)-N-メチルプロピオンアミド、
    7) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジメチルアミノプロピル)-N-メチルプロピオンアミド、
    8) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-メチルピペリジン-1-イルエチル)プロピオンアミド、
    9) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-(2-ジエチルアミノエチル)プロピオンアミド、
    10) 3-{6-[4-(4-アセチルアミノフェニル)-6-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イルスルファニルメチル]ピリジン-2-イル}-N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)プロピオンアミド、
    11) N-(4-{6-アミノ-2-[6-(3-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル-3-オキソプロピル)ピリジン-2-イルメチルスルファニル]-5-シアノピリミジン-4-イル}フェニル)アセトアミド、
    12) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-オキソ-3-(2-ピペリジン-1-イルメチルモルホリン-4-イル)プロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド、
    13) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[2-(4-エチルピペラジン-1-イルメチル)モルホリン-4-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    14) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    15) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジイソプロピルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    16) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-オキソ-3-[4-(2-ピロリジン-1-イルエチル)ピペラジン-1-イル]プロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    17) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-モルホリン-4-イルエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    18) N-{4-[6-アミノ-5-シアノ-2-(6-{3-[4-(2-ジエチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル]-3-オキソプロピル}ピリジン-2-イルメチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]フェニル}アセトアミド、
    19) N-[4-(6-アミノ-5-シアノ-2-{6-[3-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-3-オキソプロピル]ピリジン-2-イルメチルスルファニル}ピリミジン-4-イル)フェニル]アセトアミド。
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