JP2005336077A - 口内炎の予防・治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 抗生物質や副腎皮質ホルモン等に依存することなしに作用が温和で連用しても副作用のない口内炎予防・治療剤を提供する。
【解決手段】 本発明に係る口内炎予防・治療剤は、キトサンを食用有機酸(乳酸)に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体を有効成分とする。具体的には、キトサンを食用有機酸(乳酸)に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体を経口投与或は患部に直接塗布或は水にて溶解した後、口腔内にスプレーすることにより、口内炎の発症を予防する。
【選択図】なし
【解決手段】 本発明に係る口内炎予防・治療剤は、キトサンを食用有機酸(乳酸)に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体を有効成分とする。具体的には、キトサンを食用有機酸(乳酸)に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体を経口投与或は患部に直接塗布或は水にて溶解した後、口腔内にスプレーすることにより、口内炎の発症を予防する。
【選択図】なし
Description
本発明は、抗生物質や副腎皮質ホルモン等に依存することなしに口内炎を予防もしくは治療するための、口内炎の予防・治療剤に関するものである。
口内炎とは、重症疾患時、栄養失調、急性伝染疾患時などに口腔、舌、歯肉に発症する炎症である。口内炎、特にび爛または腫瘍を伴う難治性の口内炎(舌炎も含む)、疼痛、口内悪臭、拒食等を伴うこともあり、早期に治療することが望まれる。
従来、口内炎の治療には抗生物質、安息香酸エチル、キシロカイン、副腎皮質ホルモン剤等の薬剤が投与されてきた。しかしながら、これらの薬剤は乱用すると重大な副作用があるから、医師の指導下に慎重に使わねばならなかった。またそのため、予防的に連用することはほとんどできなかった。
従来、口内炎の治療には抗生物質、安息香酸エチル、キシロカイン、副腎皮質ホルモン剤等の薬剤が投与されてきた。しかしながら、これらの薬剤は乱用すると重大な副作用があるから、医師の指導下に慎重に使わねばならなかった。またそのため、予防的に連用することはほとんどできなかった。
従来の口内炎予防・治療には、乳を培地として得られたビフィドバクテリウム属菌の培養物(またはビフィドバクテリウム属菌と乳酸菌の混合培養物)を有効成分として(特許文献1参照。)、ナタマメ属の植物を有効成分として(特許文献2参照。)施したものがある。また、キトサン及びキトサン誘導体を有効成分とした口腔内組成物には(特許文献3及び特許文献4参照。)があるが、口腔内における微生物に対する抗菌性を施したものであるが、口内炎予防、治療に関しての報告はない。
そこで本発明は、作用が温和で連用しても副作用のない口内炎予防・治療剤を提供しようとするものである。
本発明による口内炎予防・治療剤は、キトサンを食用有機酸に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体を有効成分とするものである。
キトサンを食用有機酸に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体を経口投与或は患部に直接塗布或は水にて溶解した後、口腔内にスプレーすることにより、口内炎の発症は予防され、また、すでに発症した口内炎もその後の症状の悪化が抑えられ、軽快し治癒するに至った。
キトサンを食用有機酸に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体が口内炎予防もしくは治療する能力を持つことは、以下の実施例により確認された。
1.キトサンを食用有機酸に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体の調製方法:
キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末は、特開2003−047435号に記載の方法により調製した。この時に食用有機酸は、乳酸を使用した。この粉体は、ハードカプセルに充填され健康食品として「仙遊丹」としてキトサン食品工業株式より製造販売されている。
2.キトサンを食用有機酸に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体のヒト歯肉線維芽細胞に対するIN VITROでの細胞障害試験:ヒト歯肉線維芽細胞を、研究目的・使用方法を患者に充分に説明し、同意を得た上で採取した歯肉より、通報に従い分離・調整した。細胞培養はペニシリン・ストレプトマイシン・10%Fetal bovine serum(FBS)含有Dulbecco’sModifiedEagle’sMedium中で5%CO2存在下、37℃で継代培養した。
キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末をMilliQ(超純水)にて溶解し、試験液に供した。
細胞障害試験方法:
a.Viability assay
96 well plateに先に示した培地を用いて一穴あたり2.5×104個ずつ細胞を播種し、翌日に1%FBS含有DMEMに培地に交換すると同時に各種濃度のキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末を加え、24時間後にCell-counting kit −8(同仁科学)を用いてプロトコールに従い精細胞数を評価した。
b.Cytotoxicity (LDH release)assay
先に示したViability assayと同様の条件にて、培養上清中の乳酸脱水素酵素(LDH)活性をCytotoxicity Detection kit (Roche社)を用いてプロトコールに従い測定した。
結果:
キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末(0.1〜10μg/ml)の添加においてはViability(図1(a)のグラフ参照)及びCytotoxicity(図1(b)のグラフ参照)assayの結果、その細胞障害性はControl(無添加)と比較して、5%以内であった。この結果はキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末に細胞障害性がないと判断できた。
キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末は、特開2003−047435号に記載の方法により調製した。この時に食用有機酸は、乳酸を使用した。この粉体は、ハードカプセルに充填され健康食品として「仙遊丹」としてキトサン食品工業株式より製造販売されている。
2.キトサンを食用有機酸に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体のヒト歯肉線維芽細胞に対するIN VITROでの細胞障害試験:ヒト歯肉線維芽細胞を、研究目的・使用方法を患者に充分に説明し、同意を得た上で採取した歯肉より、通報に従い分離・調整した。細胞培養はペニシリン・ストレプトマイシン・10%Fetal bovine serum(FBS)含有Dulbecco’sModifiedEagle’sMedium中で5%CO2存在下、37℃で継代培養した。
キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末をMilliQ(超純水)にて溶解し、試験液に供した。
細胞障害試験方法:
a.Viability assay
96 well plateに先に示した培地を用いて一穴あたり2.5×104個ずつ細胞を播種し、翌日に1%FBS含有DMEMに培地に交換すると同時に各種濃度のキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末を加え、24時間後にCell-counting kit −8(同仁科学)を用いてプロトコールに従い精細胞数を評価した。
b.Cytotoxicity (LDH release)assay
先に示したViability assayと同様の条件にて、培養上清中の乳酸脱水素酵素(LDH)活性をCytotoxicity Detection kit (Roche社)を用いてプロトコールに従い測定した。
結果:
キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末(0.1〜10μg/ml)の添加においてはViability(図1(a)のグラフ参照)及びCytotoxicity(図1(b)のグラフ参照)assayの結果、その細胞障害性はControl(無添加)と比較して、5%以内であった。この結果はキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末に細胞障害性がないと判断できた。
1.キトサンを食用有機酸に溶解した後、乾燥を行い得られた粉体のLPS刺激による炎症性サイトカイン(IL-6、IL-8)放出に与える影響;抗炎症性サイトカインIL−6、IL−8の測定を行った。
24well plateに細胞障害試験方法で使用した培地を用いて一穴あたり8×104個ずつ細胞を播種し、翌日に1%FBS含有DMEMに培地に交換し、一日starvationを行った。翌日、同様の培地に培地交換を行うと同時にPg.LPS(1μg/ml)と各種濃度のキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末を加え、6時間後に培養上清を回収した。培養上清中のIL−6、IL−8はEnzyme-linked immuno adsorbent assay(ELISA)法(Biosource社)を用いて測定した。
24well plateに細胞障害試験方法で使用した培地を用いて一穴あたり8×104個ずつ細胞を播種し、翌日に1%FBS含有DMEMに培地に交換し、一日starvationを行った。翌日、同様の培地に培地交換を行うと同時にPg.LPS(1μg/ml)と各種濃度のキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末を加え、6時間後に培養上清を回収した。培養上清中のIL−6、IL−8はEnzyme-linked immuno adsorbent assay(ELISA)法(Biosource社)を用いて測定した。
結果:
Control群(0.15FBS添加のみ)と比較して、キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末(0.1〜10μg/ml)の添加においては、Pg.LPS刺激によりヒト歯肉線維芽細胞より産生されるIL−6の産生抑制が認められた(図2(a)のグラフ参照)。また、IL−8においても同様の傾向が認められた(図2(b)のグラフ参照)。従ってキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末は、抗炎症作用を有すると判断した。
Control群(0.15FBS添加のみ)と比較して、キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末(0.1〜10μg/ml)の添加においては、Pg.LPS刺激によりヒト歯肉線維芽細胞より産生されるIL−6の産生抑制が認められた(図2(a)のグラフ参照)。また、IL−8においても同様の傾向が認められた(図2(b)のグラフ参照)。従ってキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末は、抗炎症作用を有すると判断した。
使用試験:
口内炎を発症しているボランティア9名に実施例で調製したキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末について、各3名ずつ経口投与、塗布、水に溶解した後口腔内スプレーを行ってもらい、その結果を表1に示す。
口内炎を発症しているボランティア9名に実施例で調製したキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末について、各3名ずつ経口投与、塗布、水に溶解した後口腔内スプレーを行ってもらい、その結果を表1に示す。
表1から判るように、全ての方法で、全員期間の差はあるが、良好になった。また、口内炎が発症しやすい体質の人が、発症しにくくなったとの結果も得られた。
Claims (2)
- キトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末を有効成分とする口内炎の予防・治療薬。
- 口内炎にキトサンを食用有機酸に溶解した後乾燥し得られた粉末を経口或は直接塗布或は水に溶解した後溶液で使用することを特徴とする請求項1記載の口内炎の予防・治療薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004155213A JP2005336077A (ja) | 2004-05-25 | 2004-05-25 | 口内炎の予防・治療剤 |
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JP2004155213A JP2005336077A (ja) | 2004-05-25 | 2004-05-25 | 口内炎の予防・治療剤 |
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-
2004
- 2004-05-25 JP JP2004155213A patent/JP2005336077A/ja active Pending
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