JP2005335573A - ハンドル中立位置検出方法及びハンドル中立位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 システム全体の小型化及びコストの低減化を図ることができるハンドル中立位置検出方法及びハンドル中立位置検出装置を提供すること。
【解決手段】 本発明に係るハンドル中立位置検出方法は、車両7に搭載されたカメラ3により路面8を撮像し、カメラ3により一定時間間隔で撮像された各画像から路面8に設置されたレーンマーカー13の位置をそれぞれ検出する。そして、検出されたレーンマーカー13の位置のデータに基づいて一定時間内におけるレーンマーカー13の位置の変位量dy1,dy2を算出し、算出された変位量dy1,dy2と予め設定された所定の閾値T1,T2とを対比して変位量dy1,dy2が閾値T1,T2以下の場合に、車両7に搭載されたステアリングセンサ4の出力値に対応する車両7のハンドルの位置をハンドルの中立位置として求めるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明に係るハンドル中立位置検出方法は、車両7に搭載されたカメラ3により路面8を撮像し、カメラ3により一定時間間隔で撮像された各画像から路面8に設置されたレーンマーカー13の位置をそれぞれ検出する。そして、検出されたレーンマーカー13の位置のデータに基づいて一定時間内におけるレーンマーカー13の位置の変位量dy1,dy2を算出し、算出された変位量dy1,dy2と予め設定された所定の閾値T1,T2とを対比して変位量dy1,dy2が閾値T1,T2以下の場合に、車両7に搭載されたステアリングセンサ4の出力値に対応する車両7のハンドルの位置をハンドルの中立位置として求めるようにする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両等のハンドルの中立位置を検出するためのハンドル中立位置検出方法及びハンドル中立位置検出装置に関する。
近年、例えば車をバックさせるときの運転者の運転を補助するためのシステムとして、ハンドルの操舵角の情報に基づいて予測される車の後退軌跡をリアカメラから得られる映像にスーパーインポーズして車室内のモニタに表示する軌道表示システムが考案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムに用いられるハンドルの操舵角については、まずハンドルの中立位置(車が直進するとき、すなわち、タイヤの向きが車体前後方向と揃うときのハンドル位置)を検出し、その中立位置を基準としたハンドルの回転角を求めることにより、その情報を得ることができる。
従来の操舵角検出装置においてハンドルの中立位置を検出する手法としては、例えばGセンサ、ヨーレートセンサ、車速センサ等により車の車速や走行状態を監視し、Gセンサの出力及びヨーレートセンサの出力が車速に対して予め設定された所定値以下のときに車が直進走行中であると判断し、そのときのハンドル位置を中立位置とする方法がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この特許文献2に記載の操舵角検出装置では、操舵角の情報を得るためにステアリングセンサ(舵角センサ)の他にもGセンサ、ヨーレートセンサ、車速センサ等を要する。したがって、この操舵角検出装置を上述の軌道表示システムに利用するとすると、本来このシステムに用いられていない複数のセンサを新たに設ける必要が生じるため、システム自体が大きくなるとともに、コストの増加をも招来する。
特開昭64−14700号公報
特許第2748456号公報
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、システム全体の小型化及びコストの低減化を図ることができるハンドル中立位置検出方法及びハンドル中立位置検出装置を提供することを課題としている。
このような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両に搭載されたカメラにより路面を撮像し、前記カメラにより一定時間間隔で撮像された各画像から前記路面に設置されたレーンマーカー位置をそれぞれ検出し、検出された前記レーンマーカー位置のデータに基づいて前記一定時間内におけるレーンマーカー位置の変位量を算出し、算出された前記変位量と予め設定された所定の閾値とを対比して前記変位量が前記閾値以下の場合に、前記車両に搭載された舵角センサの出力値に対応する前記車両のハンドルの位置を該ハンドルの中立位置として求めるようにするハンドル中立位置検出方法であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のハンドル中立位置検出方法において、前記カメラにより撮像された画像を俯瞰画像に変換し、変換された前記俯瞰画像に表される前記路面の路幅方向に直交する方向の座標の輝度を積分することにより積分輝度を求めて該積分輝度を前記路幅方向の座標別に検出し、高い積分輝度を示した前記路幅方向の座標に対応する前記路面の位置を求めることにより、前記レーンマーカー位置の検出を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、車両に搭載されたカメラにより一定時間間隔で撮像された路面の各画像から該路面に設置されたレーンマーカー位置をそれぞれ検出するレーンマーカー位置検出手段と、該レーンマーカー位置検出手段によって検出されたレーンマーカー位置のデータに基づいて前記一定時間内におけるレーンマーカー位置の変位量を算出する変位量算出手段と、該レーンマーカー位置変位量算出手段によって算出されたレーンマーカー位置の変位量と予め設定された所定の閾値とを対比して前記変位量が前記閾値以下の場合に、前記車両に搭載された舵角センサの出力値に対応する前記車両のハンドルの位置を該ハンドルの中立位置として求めるようにするハンドル位置検出手段とを備えたハンドル中立位置検出装置であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のハンドル中立位置検出装置において、前記レーンマーカー位置検出手段は、前記カメラより撮像された画像を俯瞰画像に変換する俯瞰変換手段と、該俯瞰変換手段によって変換された俯瞰画像において、前記路面の路幅方向に直交する方向の座標の輝度を積分することにより積分輝度を求め、該積分輝度を前記路幅方向の座標別に検出して輝度プロファイルを作成する輝度プロファイル作成手段と、該輝度プロファイル作成手段によって作成された輝度プロファイルにおいて、高い積分輝度を示した前記路幅方向の座標を求める高輝度座標検出手段と、該高輝度座標検出手段によって求められた座標に対応する前記路面の位置を求めて前記レーンマーカー位置とする路面位置検出手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係るハンドル中立位置検出方法又はハンドル中立位置検出装置では、Gセンサ、ヨーレートセンサ、車速センサ等のセンサが必要なく、本ハンドル中立位置検出方法又は本ハンドル中立位置検出装置を用いるシステムに既存の舵角センサのみでハンドルの中立位置を検出することができる。したがって、システム全体のダウンサイジング、小型化を図ることができる。また、システムに既存のセンサ等を利用するのでコストの低減化を図ることも可能となる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るハンドル中立位置検出装置を備えた軌道表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。ハンドル中立位置検出装置1は、車のハンドルの中立位置を検出するための装置であり、軌道表示システム2に組み込まれて利用される。
軌道表示システム2は、ハンドル中立位置検出装置1の他に、車両の後方の映像を取り込むカメラ3と、ハンドルの位置を検出するステアリングセンサ(舵角センサ)4と、中立位置の情報及び回転角の情報からハンドルの操舵角を求め、この操舵角の情報に基づいて車の後退軌跡を予測し、この後退軌跡をカメラ3からの映像にスーパーインポーズする画像重畳ユニット5と、車室内に設置されてスーパーインポーズされた重畳画像を表示するモニタ6とを備える。このような構成により、軌道表示システム2は車をバックさせるとき等に運転者の運転を支援する。
ハンドル中立位置検知装置1は、レーンマーカー検出ユニット(レーンマーカー位置検出手段)100と、中立位置検出ユニット200とを備える。そして、ハンドル中立位置検知装置1では、図2に示すように、レーンマーカー検出ユニット100がカメラ3からの映像に基づいてレーンマーカー(白線)の位置を検出するレーンマーカー位置の検出処理を行った後(ステップS100)、中立位置検出ユニット200がこのステップS100のレーンマーカー位置の検出処理によって取得される情報に基づいてハンドルの中立位置を検出する中立位置の検出処理を行う(ステップS200)ことにより、ハンドルの中立位置が求められるようになっている。
レーンマーカー検出ユニット100は、次に説明するとおりであるが、これは既に同出願人によって出願された特願2002−246859号及び特願2003−146535号の記載の内容に基づく。
すなわち、レーンマーカー検出ユニット100は、図3に示すように、俯瞰変換部(俯瞰変換手段)101と、強度プロファイル作成部(輝度プロファイル作成手段)102と、メモリ部103と、レーンマーカー検出部(高輝度座標検出手段、路面位置検出手段)104とを備えている。俯瞰変換部101は、カメラ3により撮影された路面画像の歪みを修整して車両の上方より真下を見下ろした画面へと俯瞰変換し、また必要に応じて画像の拡大/縮小を行う。
ここで、カメラ3は、広角レンズが設けられた広角撮影可能なCCDカメラであり、図4に示すように車両7の後部に設置される。カメラ3は、車両7の真後ろの路面8を斜めに見下ろすようにして設置されており、例えば図5に示す撮像画像のように、水平線9とカメラ3の上下のフレーム(10,11)とが略平行となるように(広角レンズを用いている場合には完全に平行とはならない)路面が撮像され、撮像された画像は中心部に較べて周辺部が湾曲した画像となる。
例えば、俯瞰変換部101は、図5に示した路面8の撮像画像を、図6に示すように俯瞰表示した画像に変換する。なお、俯瞰画像に変換する技術は、特開平3−99952号公報、特開平9−171348号公報、特開2001−114048号公報、特開2001−116567号公報に公開されており、いわゆる当業者に公知の技術であるため、その詳細な説明は省略する。
強度プロファイル作成部102は、俯瞰変換部101により変換された俯瞰画像に対して横軸Yを路面の路幅方向とし、この横軸Yに直交する方向を縦軸Xとして画像を取り込み、縦軸X方向の明るさ(輝度)を積分して積分輝度を求め、横軸Yの座標(画素)別に並べた強度プロファイル(輝度プロファイル)を作成する。カメラ3は車両7の真後ろを撮像するように設置されているので、直線道路を車両7が走行する場合には、路面8に形成されたレーンマーカー13(中央ライン、又は境界ライン等)が延びる方向が縦軸X方向となる。
メモリ部103は、強度プロファイル作成部102により作成された強度プロファイルを記憶すると同時に、一般的なレーンマーカー13の規定幅L等の情報を記憶する。
図7(b)は、図6(図7(a))に示した俯瞰画像に対する強度プロファイルを示したグラフであり、レーンマーカー13は一般に白色、黄色等の輝度の高い明るい色彩で描かれるのに対して、路面8はグレー等輝度の低い色彩が用いられる。このため、俯瞰画像においてレーンマーカー13が設置される位置と設置されていない位置とを比較すると、レーンマーカー13の設置されている座標の積分輝度が際立って高い値を示すようになる。例えば、図7(b)に示す強度プロファイルにおいて最も高い積分輝度の値を示した座標は、図6(図7(a))において画面の縦軸X方向に延びるようにして表示されるレーンマーカー13の横軸Y上の座標に対応している。なお、俯瞰変換部101により俯瞰画像を縮小して俯瞰画像が表示することができる範囲を広くすることにより、レーンマーカー13の表示される縦軸X方向の長さに対してその他のマーカー14(路面8上に設けられたデザインや制限速度表示等のマーカー、例えば、図6、図7(a)の「40」等)の表示長さが相対的に短くなるので、レーンマーカー13とその他のマーカー14との積分輝度差を大きくすることができる。
レーンマーカー検出部104は、強度プロファイルにおいて高い積分輝度の値を示す横軸Y上の座標を求め、求められた座標よりレーンマーカー13の位置を判断する。図8は、レーンマーカー検出部104における処理の流れを示した第一のフローチャートである。
レーンマーカー検出部104は、まず、強度プロファイルより最も高い積分輝度の値を示す横軸Yの座標(例えば、図7(b)に示す強度プロファイルにおいてはY1)を検出し(ステップS101)、求めた座標及びその前後の座標の積分輝度の値を読み出す(ステップS102)。その後レーンマーカー検出部104は、求められた積分輝度の値から、この積分輝度がノイズにより生じたものであるか、又は、ノイズ以外のデータ(正しいデータ)であるかの判断を行う(ステップS103)。具体的には、レーンマーカー検出部104が、検出した座標の積分輝度とその座標に隣接する座標の積分輝度とを比較し、検出した座標と隣接する座標との積分輝度がほぼ同様の値を示す場合には、レーンマーカー13の規定幅Lだけほぼ同一の積分輝度を示す座標が連続したものと考えられることから正しいデータであると判断し、検出した座標又は隣接する座標のいずれかのみが突出して高い積分輝度を示している場合にはノイズにより生じたものであると判断する。
レーンマーカー検出部104が、検出した座標の積分輝度がノイズにより生じたものであると判断した場合には、その座標の積分輝度を検出の対象とする座標から除外(ステップS104)して再度最も高い積分輝度の値を示す座標の検出を行う(ステップS101)。レーンマーカー検出部104が、検出した座標の積分輝度が正しいデータである(ノイズではない)と判断した場合には、検出した座標をレーンマーカー位置と判断して座標y1としてメモリ部103に記憶する(ステップS105)。その後、レーンマーカー検出部104は、レーンマーカー位置を中心としてレーンマーカー13の規定幅Lに該当する座標幅の座標の積分輝度のデータを強度プロファイルから削除し(ステップS106)、ステップS101〜S106の処理が一回目である場合には再度同一の処理を繰り返し、二本目のレーンマーカー位置を検出して座標y2としてメモリ部103に記録し(ステップS105)、一回目ではない場合(二回目の場合)にはレーンマーカー位置として検出した座標y1,y2を中立位置検出ユニット200に出力して、レーンマーカー位置の検出処理の一サイクル(ステップS100)を終了する(ステップS107)。
ステップS101〜S106の処理が一回目の場合には、一回目にレーンマーカーとして検出した座標を除いて最も高い積分輝度の値を示す座標を求め(ステップS101、S102)、求めた座標の積分輝度がノイズにより生じたものであるか否かの判断(ステップS103)を行った後に、二本目のレーンマーカー位置を検出して座標y2としてメモリ部103に記録する(ステップS105)。一般的にレーンマーカー13は道路の左右に存在するので、このように二度レーンマーカー位置の判断を行うことにより左右のレーンマーカー位置を検出することが可能となる。
また、レーンマーカー検出部104は、上述の図8に示す以外のレーンマーカー位置の検出処理を行うものであってもよい。図9は、レーンマーカー検出部104におけるレーンマーカー位置の検出処理の流れを示した第二のフローチャートである。図8に示す第一のフローチャートでは、最も高い積分輝度を示す座標を求めてレーンマーカー位置の検出処理を行っているのに対して、図9に示す第二のフローチャートでは、積分輝度の値が最も高い座標及びその近傍の座標であって他の座標よりも相対的に高い積分輝度を示す一群の座標の座標幅(画素幅)lを求め、この座標幅lとレーンマーカーの規定幅Lとを対比することによってレーンマーカー位置の検出処理を行う点において相違する。なお、第一のフローチャートと同一処理については同一符号を附して説明する。
レーンマーカー検出部104は、まず、強度プロファイルより最も高い積分輝度を示す座標を検出し(ステップS101)、検出した座標及びその近傍の座標の積分輝度の値を求めて、高い積分輝度の値を示す一群の座標幅lを求める(ステップS102’)。その後、レーンマーカー検出部104は、求められた座標幅lがメモリ部103に記憶されているレーンマーカー13の規格幅Lと同程度の幅であるかどうかを、横軸Yの座標全体に対する積分輝度の値の変化(ピーク分布等)等を考慮して判断する(ステップS103’)。求められた座標幅lがレーンマーカー13の規定幅Lに対応するものではないとレーンマーカー検出部104が判断した場合には、該当する座標の積分輝度を検出の対象から除外して(ステップS104’)して再度最も高い積分輝度を示す座標の検出を行う(ステップS101)。
レーンマーカー検出部104が、求められた座標幅lとこれに対応するレーンマーカー13の規定幅Lとは同程度の幅であると判断した場合には、座標幅lの中心部の座標をレーンマーカー位置と判断して座標y1としてメモリ部103に記憶する(ステップS105’)。その後、レーンマーカー検出部104は、一群の座標の積分輝度のデータを強度プロファイルから削除し(ステップS106’)、ステップS101〜S106’の処理が一回目である場合には再度同一の処理を繰り返し、二本目のレーンマーカー位置を検出して座標y2としてメモリ部103に記録し(ステップS105’)、一回目ではない場合(二回目の場合)にはレーンマーカー位置として検出した座標y1,y2を中立位置検出ユニット200に出力して、レーンマーカー位置の検出処理(ステップS100)の一サイクルを終了する(ステップS107)。
中立位置検出ユニット200は、図10に示すように、メモリ部201と、変位量算出部(変位量算出手段)202と、中立位置検出部(ハンドル位置検出手段)203とを備えている。メモリ部201は、レーンマーカー検出ユニット100のレーンマーカー検出部104が検出したレーンマーカー位置の座標y1,y2を記憶すると同時に、予め設定されたレーンマーカー位置の変位量の閾値T1,T2等の情報を記憶する。
変位量算出部202は、時間経過によるレーンマーカー位置の座標y1,y2の変位量を算出する。レーンマーカー位置の検出処理(ステップS100)の一サイクルは繰り返して行われ、各サイクルにおける検出結果の座標y1,y2がメモリ部201に記憶される。変位量算出部202は、所定のサイクル回数K分のレーンマーカー位置のデータがメモリ部201に蓄えられた段階で、その変位量を算出する。ここで、nサイクル目(0≦n≦K)の検出結果であるレーンマーカー位置の座標をy1(n),y2(n)とすると、そのKサイクルにおけるレーンマーカー位置の座標y1,y2の変位量dy1,dy2は以下の式で求められる。
ここで、y1(1),y2(1)はKサイクル中で最初に検出されたレーンマーカー位置の座標であり、変位量dy1,dy2はこの最初に検出された座標を基準に求められる。
なお、変位量dy1,dy2は上述の式(i)及び式(ii)で求められるものに限定されるわけではなく、例えば自乗ノルムの和を求め、あるいは座標y1,y2それぞれの分散を求めて、その値を用いてもよい。
中立位置検出部203は、レーンマーカー位置の座標y1,y2の変位量dy1,dy2よりハンドルの中立位置を判断する。図11は、中立位置検出部203における処理の流れを示したフローチャートである。
中立位置検出部203は、変位量算出部202が算出したレーンマーカー位置の座標y1,y2の変位量dy1,dy2とレーンマーカー位置の変位量の閾値T1,T2とを比較し、変位量dy1,dy2が閾値T1,T2以下の場合には、Kサイクル間(一定時間内)でのレーンマーカー位置の変位が十分に少ないと考えられることから車は直進走行中であると判断し、変位量dy1,dy2が閾値T1,T2を超える場合には、車が直進走行中でないと判断する(ステップS201)。
中立位置検出部203が、直進走行中であると判断した場合には、中立位置信号を軌道表示システム2の画像重畳ユニット5に出力し(ステップS202)、直進走行中でないと判断した場合はその信号の出力を行わずに、中立位置の検出処理(S200)を終了する。
なお、Kサイクル間における検出後の次の中立位置の検出処理(S200)は、新たにKサイクルのレーンマーカー位置のデータがメモリ部201に蓄えられるのを待って(Kサイクルごとに)行われることとしてもよいし、あるいはメモリ部201の保存形式を古い検出結果の座標y1,y2を新しい検出結果の座標y1,y2に順次置き換えるリングバッファ形式として、新しい座標y1,y2が置き換わるごとに(一サイクルごとに)行われることとしてもよい。
中立位置信号を受けた画像重畳ユニット5は、そのときのステアリングセンサ4からの出力値が示すハンドルの位置を中立位置として記憶し、ハンドルの操舵角をこの中立位置を基準として求めていく。そして、この操舵角の情報に基づいて車の後退軌跡を予測し、この後退軌跡をカメラ3からの映像にスーパーインポーズし、モニタ6がこの重畳画像を表示する。
この実施の形態に係るハンドル中立位置検出装置1では、レーンマーカー検出ユニット100がカメラ3により撮像された路面8の各画像からレーンマーカー位置をそれぞれ検出した後、中立位置検出ユニット200の変位量算出部202が検出されたレーンマーカー位置のデータに基づいてKサイクル間におけるレーンマーカー位置の変位量dy1,dy2を算出し、中立位置検出部203が変位量dy1,dy2と閾値T1,T2とを対比して変位量dy1,dy2が閾値T1,T2以下の場合に、ステアリングセンサ4の出力値に対応するハンドルの位置をハンドルの中立位置として求めるようにするので、従来の操舵角検出装置のようにGセンサ、ヨーレートセンサ、車速センサ等のセンサを新たに設けることなく、軌道表示システム2に既存のステアリングセンサ4のみでハンドルの中立位置を検出することができる。したがって、システム全体のダウンサイジング、小型化を図ることができる。また、既存のステアリングセンサ4やカメラ3を利用するのでコストの低減化という面でも有利となる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、例えばレーンマーカー位置の検出処理(ステップS100)では、俯瞰変換した画像から強度プロファイルを作成し、この強度プロファイルからレーンマーカー位置を検出するものとしたが、時間経過によるレーンマーカー位置の座標が求められるものであれば、これに限定されるものではない。
また、図4ではカメラ3を一台のみしか明示していないが、複数台でもよく、必要に応じて任意の台数とする。なお、カメラを複数台設置することにより一台しかカメラを設置しない場合に較べて多角度から路面を撮像することが可能となるので、死角が減り広いエリアを撮像することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、車両7の後方にカメラ3を設置して車両7の後方の路面8を撮像する場合について説明を行ったが、カメラ3を設置する位置及び撮像する方向はこれに限定されるものではなく、カメラを車両前方又は側方等どの位置に設置し、どの方向の路面を撮像するように設定しても、撮像した画像に路面及びレーンマーカーが撮影されているならば、レーンマーカーの位置検出を行うことが可能である。
また、本実施の形態において、レーンマーカー検出ユニット100は、俯瞰変換部101と、強度プロファイル作成部102と、メモリ部103と、レーンマーカー検出部104とを備え、また中立位置検出ユニット200は、メモリ部201と、変位量算出部202と、中立位置検出部203とを備えているが、これらの両ユニットにおける各部は、全てが異なる半導体デバイスにより構成されていてもよく、また全てを一つの半導体デバイスにまとめた構成でもよい。例えば、上記デバイスの機能を一般的に用いられているCPUにより処理させることとし、CPUが行う処理に対応するプログラムを実行させることによってハンドルの中立位置の検出を行う場合であっても本発明と同様の効果を奏することができる。
1 ハンドル中立位置検出装置
3 カメラ
4 ステアリングセンサ(舵角センサ)
7 車両
8 路面
13 レーンマーカー
100 レーンマーカー検出ユニット(レーンマーカー位置検出手段)
101 俯瞰変換部(俯瞰変換手段)
102 強度プロファイル作成部(輝度プロファイル作成手段)
104 レーンマーカー検出部(高輝度座標検出手段、路面位置検出手段)
202 変位量算出部(変位量算出手段)
203 中立位置検出部(ハンドル位置検出手段)
3 カメラ
4 ステアリングセンサ(舵角センサ)
7 車両
8 路面
13 レーンマーカー
100 レーンマーカー検出ユニット(レーンマーカー位置検出手段)
101 俯瞰変換部(俯瞰変換手段)
102 強度プロファイル作成部(輝度プロファイル作成手段)
104 レーンマーカー検出部(高輝度座標検出手段、路面位置検出手段)
202 変位量算出部(変位量算出手段)
203 中立位置検出部(ハンドル位置検出手段)
Claims (4)
- 車両に搭載されたカメラにより路面を撮像し、前記カメラにより一定時間間隔で撮像された各画像から前記路面に設置されたレーンマーカー位置をそれぞれ検出し、検出された前記レーンマーカー位置のデータに基づいて前記一定時間内におけるレーンマーカー位置の変位量を算出し、算出された前記変位量と予め設定された所定の閾値とを対比して前記変位量が前記閾値以下の場合に、前記車両に搭載された舵角センサの出力値に対応する前記車両のハンドルの位置を該ハンドルの中立位置として求めるようにすることを特徴とするハンドル中立位置検出方法。
- 請求項1に記載のハンドル中立位置検出方法において、
前記カメラにより撮像された画像を俯瞰画像に変換し、変換された前記俯瞰画像に表される前記路面の路幅方向に直交する方向の座標の輝度を積分することにより積分輝度を求めて該積分輝度を前記路幅方向の座標別に検出し、高い積分輝度を示した前記路幅方向の座標に対応する前記路面の位置を求めることにより、前記レーンマーカー位置の検出を行うことを特徴とするハンドル中立位置検出方法。 - 車両に搭載されたカメラにより一定時間間隔で撮像された路面の各画像から該路面に設置されたレーンマーカー位置をそれぞれ検出するレーンマーカー位置検出手段と、
該レーンマーカー位置検出手段によって検出されたレーンマーカー位置のデータに基づいて前記一定時間内におけるレーンマーカー位置の変位量を算出する変位量算出手段と、
該レーンマーカー位置変位量算出手段によって算出されたレーンマーカー位置の変位量と予め設定された所定の閾値とを対比して前記変位量が前記閾値以下の場合に、前記車両に搭載された舵角センサの出力値に対応する前記車両のハンドルの位置を該ハンドルの中立位置として求めるようにするハンドル位置検出手段と
を備えたことを特徴とするハンドル中立位置検出装置。 - 請求項3に記載のハンドル中立位置検出装置において、
前記レーンマーカー位置検出手段は、前記カメラより撮像された画像を俯瞰画像に変換する俯瞰変換手段と、
該俯瞰変換手段によって変換された俯瞰画像において、前記路面の路幅方向に直交する方向の座標の輝度を積分することにより積分輝度を求め、該積分輝度を前記路幅方向の座標別に検出して輝度プロファイルを作成する輝度プロファイル作成手段と、
該輝度プロファイル作成手段によって作成された輝度プロファイルにおいて、高い積分輝度を示した前記路幅方向の座標を求める高輝度座標検出手段と、
該高輝度座標検出手段によって求められた座標に対応する前記路面の位置を求めて前記レーンマーカー位置とする路面位置検出手段と
を備えたことを特徴とするハンドル中立位置検出装置。
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JP2004157999A JP2005335573A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | ハンドル中立位置検出方法及びハンドル中立位置検出装置 |
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