JP2005335286A - 印字記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 偽造防止性が高く、印字記録された内容の改竄を確実に防止することができ、製造コストが高くつかず、実用性の高い印字記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】 印字記録媒体1は、放電破壊印字層4と光学可変層3の積層された構成において、該放電破壊印字層3が印字記録により破壊、除去されて、印字部分5だけの箇所で、下地に位置する光学可変層3が露出して見える状態になる。そして、前記の光学可変層3と放電破壊印字層4とがこの順序で、基材2上の少なくとも一部分に積層されてなる構成が好ましく、偽造防止性が非常に高く、印字記録された内容の改竄が非常に困難となり、また光学可変層3と放電破壊印字層4とを基材2上に全面ではなく、部分的に設けることで、製造コストを抑えることができ、実用性の高い印字記録媒体1を得ることができた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、偽造防止性が高く、印字記録された内容の改竄を確実に防止することができ、製造コストが高くつくことがなく、実用性の高い印字記録媒体に関するものである。
記録媒体として、プラスチック等の基材表面に磁気記録層が設けられ、磁気ヘッド等により、該磁気記録層に磁気情報を記録する磁気記録媒体、また基材上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体(ロイコ染料)と、電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設け、熱ヘッド、レーザー光等で加熱により、染料前駆体と顕色剤とが瞬時に反応し、発色した記録画像が得られる感熱記録媒体、さらに、記録ピンによって記録情報に応じた放電を生じさせて、放電破壊印字記録層に放電破壊部位を形成することによって情報記録を行う放電破壊記録媒体等が知られている。
例えば、特許文献1、2に示すように、磁気記録媒体において記録された情報を目視確認するために、媒体に感熱記録や放電破壊記録等の記録を併用して形成することが行われている。感熱記録や放電破壊記録等の記録方法は、簡便かつ広く普及している方法であるが、これに偽造防止性を付与するための技術としては、例えば、特許文献3がある。これは、反射型レリーフホログラム層を構成する反射層が放電破壊印字層を兼ねることを特徴とする情報記録媒体であり、偽造が難しい反射型レリーフホログラムの金属反射層を破壊することによって印字を行なうことで偽造防止性を高めている。しかし、この場合では、印字記録エリア全面に反射型レリーフホログラムを用いることは、製造上のコストが高くついてしまい、問題がある。
記録媒体における偽造防止性を向上させるために、上記のように種々提案されているが、実用性が高いものとして、満足するものは未だ見い出されていないのが、現状である。
特開昭59−199284号公報 特開平7−52546号公報 特開平5−162487号公報
したがって、上記のような課題を解決するために、本発明は、偽造防止性が高く、印字記録された内容の改竄を確実に防止することができ、製造コストが高くつくことがなく、実用性の高い印字記録媒体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、放電破壊印字層と光学可変層の積層された印字記録媒体において、該放電破壊印字層が印字記録により破壊、除去されて、印字部分だけの箇所で、下地に位置する光学可変層が露出して見える状態になることを特徴とする。請求項2の発明は、請求項1に記載の光学可変層と放電破壊印字層とがこの順序で、これらの層の少なくとも1層が基材上の少なくとも一部分に積層されてなることを特徴とする。
請求項3は、請求項2に記載の基材と光学可変層との間に粘着層が設けられていることを特徴とする。請求項4は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の放電破壊印字の上に、保護層が積層されていることを特徴とする。請求項5は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の光学可変層の下に、隠蔽層が設けられていることを特徴とする。
本発明の印字記録媒体は、放電破壊印字層と光学可変層の積層された構成において、該放電破壊印字層が印字記録により破壊、除去されて、印字部分だけの箇所で、下地に位置する光学可変層が露出して見える状態になる。そして、前記の光学可変層と放電破壊印字層とがこの順序で、基材上の少なくとも一部分に積層されてなる構成が好ましく、偽造防止性が非常に高く、印字記録された内容の改竄が非常に困難となり、また光学可変層と放電破壊印字層とを基材上に全面ではなく、部分的に設けることで、製造コストを抑えることができ、実用性の高い印字記録媒体を得ることができた。
図1(a)は、本発明の印字記録媒体1の一つの実施形態を示す概略図であり、基材2上に、光学可変層3と放電破壊印字層4とがこの順序で、積層されたもので、光学可変層3と放電破壊印字層4は同等の大きさのもので、基材2表面の全面の大きさに対して、光学可変層3と放電破壊印字層4は両方とも小さく、基材2上の一部分に積層されたものである。また、図1(b)は、本発明の印字記録媒体1の別の実施形態を示す概略図であり、基材2上に、光学可変層3と放電破壊印字層4とがこの順序で、積層され、光学可変層3の大きさの方が放電破壊印字層4の大きさよりも大きく、光学可変層3上の一部分に放電破壊印字層4が積層されている。また、光学可変層3は、基材2上の一部分に積層されている。
また図1(c)は、本発明の印字記録媒体1の別の実施形態を示す概略図であり、基材2上に、光学可変層3と放電破壊印字層4とがこの順序で、積層され、光学可変層3の大きさが放電破壊印字層4の大きさよりも小さく、光学可変層3全体を覆う形態で放電破壊印字層4が積層されている。また、放電破壊印字層4は、基材2上の全面ではなく、基材2表面の一部分に積層されている。
図1に示した印字記録媒体1は、基材2表面の大きさに対して、光学可変層3と放電破壊印字層4の各々の大きさの関係は異なるが、全て印字記録前の状態を示すものである。それに対して、図2は本発明の印字記録媒体1の印字記録前と印字記録後の双方の状態を示す概略図である。印字記録前では、印字記録媒体1は基材2上の一部分に、放電破壊印字層4と光学可変層3が積層され、放電破壊印字層4と光学可変層3ともに均一な膜として形成されている。それに対し、印字記録後は、記録された部分5が放電破壊部位として、その放電破壊印字層4が破壊、除去されて、表面から見ると、光学可変層3が露出して見える状態になる。
図2に示した印字記録媒体1は、印字記録前では光学可変層3が隠蔽されて全く見えない状態であるが、印字記録後では光学可変層3が、放電破壊の部位として印字された部分だけの箇所5で、下地に位置していた光学可変層3が露出してきて、見える状態になる。その露出された記録部分5が可変のパターンを有しており、偽造防止性が高く、印字記録された部分の改竄が非常に困難なものとなる。
尚、図1(b)に示した印字記録媒体では、印字記録前から光学可変層3が部分的に見える状態であり、放電破壊印字層4の下に位置する光学可変層3は、印字記録後に記録された部分において、見える状態として加わることになる。また、図1(c)に示した印字記録媒体において、印字記録を行った場合、その印字記録部分5が放電破壊印字層4の下に光学可変層3が位置する真上の場合は、放電破壊印字層4が破壊、除去されて、印字部分の箇所で、下地に位置する光学可変層3が露出して見える状態になる。また、印字記録部分5が放電破壊印字層4の下に光学可変層3が無く、基材2が位置する場合は、放電破壊印字層4が破壊、除去されて、印字部分5の箇所で、下地に位置する基材2が露出して見える状態になる。
図3は、本発明の印字記録媒体1の別の実施形態を示す概略図であり、基材2上に、粘着層8、隠蔽層6、光学可変層3、放電破壊印字層4、保護層7がこの順序で積層されたものであり、粘着層8、隠蔽層6、光学可変層3、放電破壊印字層4、保護層7からなる部分は、いわゆる印字ラベル9として任意の物品としての基材2に粘着層8を利用して、貼付することができる。本発明の印字記録媒体を構成する各層について、以下に詳細に説明する。
(基材)
本発明の印字記録媒体は、放電破壊印字層と光学可変層の積層された構成であるが、その放電破壊印字層と光学可変層を支持する基材2とともに使用することが好ましい。この基材2はシート状、フィルム状あるいは板状の材質からなり、材料としては特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、セルロースジアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどのプラスチック、銅、アルミニウムなどの金属、紙、含浸紙などを単独あるいは組み合わせて、積層したりして用いることができる。基材の厚さは、0.005〜5mm程度が適当である。
(光学可変層)
本発明の印字記録媒体における光学可変層3は、ホログラム又は回折格子の構成をとったり、カラーシフト効果を有するセラミックス薄膜や金属薄膜から構成される多層膜で構成したり、あるいは偏光性を示す高分子液晶を使用したカラーシフト効果を有する潜像層を構成したものが使用できる。本発明の印字記録媒体は、光学可変層と後記する放電破壊印字層の両方とも、図1(a),(b),(c)に示したように、基材表面の大きさよりも、小さい状態であることが、製造する上でのコストが安くなり好ましい。
(レリーフ形成層)
光学可変層として、ホログラム又は回折格子の構成の場合、レリーフ形成層と反射層を積層して形成することができる。図1で示された光学可変層3で説明すると、レリーフ形成層が放電破壊印字層4側に位置し、反射層が基材2側に位置する。レリーフ形成層を構成する材料としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタアクリレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、そして、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を硬化させたもの、不飽和エチレン系モノマーと不飽和エチレン系オリゴマーを適宜混合したものに増感剤を添加した組成物等の紫外線硬化性樹脂を硬化させたもの、或いは、上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合物やラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質が使用可能である。特に耐薬品性、耐光性及び耐候性等の耐久性に優れた熱硬化性樹脂、紫外線や電子線などの電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等の電離放射線硬化性樹脂を硬化させたものが適用できる。
レリーフ形成層を設ける方法としては、干渉縞が凹凸の形状で、表面に記録されたホログラム原版をプレス型として、そのプレス型の凹凸面と前述した樹脂からなるシートとを接するように重ね合わせて、加熱ロール等の手段で両者を加熱圧接して、樹脂シート表面にホログラム原版の凹凸模様を複製して、レリーフ形成層(ホログラム)を形成することができる。このような平面ホログラムに限らず、体積ホログラムとして、フォトポリマー等のシートと、あらかじめ作成してあるホログラム原版と重ね合せて、スリット状のレーザー光を照射することにより、複製することもできる。その後、熱現像等の処理をしてもよい。
上記のように、レリーフ形成層の表面へレリーフを賦形して、ホログラム画像を形成する。該レリーフは、凹凸レリーフであればよく、例えば、2次元または3次元画像を再生可能な表面凹凸パターン(光回折パターン)が形成されたものである。この表面凹凸パターンとしては、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞の光の強度分布が凹凸模様で記録されたホログラムや回折格子が適用できる。ホログラムとしては、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。回折格子としては、ホログラム記録手段を利用したホログラフィック回折格子があげられ、その他、電子線描画装置等を用いて機械的に回折格子を作成することにより、計算に基づいて任意の回折光が得られる回折格子をあげることもできる。これらのホログラムおよび/または回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。また、ホログラム、回折格子以外の表面凹凸パターンとしては、万線状の凹凸、干渉パターン、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズなども適用できる。
(反射層)
ホログラム又は回折格子等のレリーフ構造を設けたレリーフ形成層面のレリーフへ反射層を設けることにより、ホログラムの再生像及び/又は回折格子などが明瞭に視認できるようになる。該反射層として、光を反射する金属を用いると不透明タイプとなり、レリーフ形成層面と屈折率に差のある透明金属化合物を用いると透明タイプとなる。反射層としては、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、Pb、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rb等の金属、及びその酸化物、硫化物、窒化物等の薄膜を単独又は複数を組み合わせてもよい。好ましい金属としてはアルミニウム、クロム、ニッケル、金、銀である。
また、透明タイプの反射層としては、レリーフ形成層面と屈折率に差のある透明金属化合物を用いる。その光学的な屈折率がレリーフ形成層のそれとは異なることにより、ほぼ無色透明な色相で、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラム等のレリーフを視認できる。該反射層の屈折率としては、レリーフ形成層面との屈折率の差が大きいほど効果があり、屈折率の差が0.3以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上である。例えば、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、TiO、SiO2、ITO、等が適用でき、好ましくは、ITO、又は酸化スズで、屈折率はいずれも2.0であり、充分な屈折率の差を有している。また、屈折率が小さいものでは、LiF、MgF2、AlF2などがある。なお、この透明とは、可視光が十分透過すれば良く、無色または有色で透明なものも含まれる。
上記の金属及び透明金属化合物の薄膜形成は、いずれも10〜5000nm程度、好ましくは20〜2000nmの厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られる。反射層の厚さがこの範囲未満では、光がある程度透過して効果が減じ、また、その以上では、反射効果は変わらないので、コスト的に無駄である。ラメ効果の点では、金属薄膜が好ましい。
(カラーシフト効果を有する多層膜)
光学可変層として、カラーシフト効果を有するセラミックス薄膜や金属薄膜から構成される多層膜で構成することができる。ここで、カラーシフトとは、見る角度により色の変化を生じることであり、このカラーシフト効果を有する多層膜は、異なる光学適性を有する多層の薄膜層であり、金属薄膜、セラミックス薄膜またはそれらを併設してなる複合薄膜として積層形成される。例えば、屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜を組み合わせても良く、また特定の組み合わせを交互に積層するようにしてもよい。それらの組み合わせにより、所望の多層薄膜を得ることができる。
この多層薄膜には、セラミックスや金属などの材料が用いられ、おおよそ屈折率が2.0以上の高屈折率材料と屈折率が1.5程度の低屈折率材料を所定の膜厚で積層したものである。以下に用いられる材料の一例を挙げる。まずセラミックスとしては、例えば、Sb23(3.0=屈折率:以下同じ)、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb23(2.0)、WO3(2.0)、SiO(2.0)、Si23(2.5)、In23(2.0)等が挙げられる。
金属単体もしくは合金の薄膜としては、例えば、Al、Fe、Mg、Zn、Au、Ag、Cr、Ni、Cu等が挙げられる。また、低屈折率の有機ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート(1.49)等が挙げられる。これらの高屈折率材料より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくとも一種選択し、所定の厚さで交互に積層させて、特定の波長の可視光に対する吸収あるいは反射を示す多層薄膜とする。
上記の多層薄膜の形成方法は公知の手法を用いることができ、通常の真空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出法やCVD法などの化学的気相析出法を用いることができる。また、低屈折率の有機ポリマーの成膜方法として、公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法等などの塗布方法を用いることができる。上記の多層薄膜層の膜厚は、多層を全て含んだ総合厚みで50〜20000Åの範囲で使用することができる。
(カラーシフト効果を有する潜像層)
光学可変層として、偏光性を示す高分子液晶を使用したカラーシフト効果を有する潜像層で構成することができる。この潜像層として、全面に同一の配向を有し全面に同一の偏光性を示す材料、部分的に配向の異なる材料、或いは、部分的に外力によって配向を変化させ、部分的に異なった偏光性を付与できる材料などが使用できる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル等の高分子の樹脂材料が使用可能である。
また、潜像層として、高分子液晶材料を用いることができ、具体的にはポリエステル共重合体、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリイソシアネート、ポリグルタミン酸エステル等の高分子液晶材料が使用可能である。また、この高分子液晶材料は、加熱・加圧で容易に配向させることが可能なサーモトロピック性を有していることが好ましい。また、配向させる方法として、ホットスタンプ、サーマルヘッド、レーザーによる加熱等の簡便な方法が挙げられ、これらの方法によって高精細な潜像部分を容易に形成することができる。
また、予め配向させて偏光性を有した高分子材料を微小片に細かくして、ポリエステルやアクリルなどの高分子樹脂に分散させた塗工液を準備し、その液を塗布することにより潜像層を形成することができる。その塗工方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルコーター法等の既知の塗布手段を用いることができ、或いは、押し出し成型法、二軸延伸法等のフィル成形技術で得られたフィルムを貼り合わせて形成することも可能である。このような潜像層の膜厚は、上記のカラーシフト効果を有する多層膜の場合と同様である。
(放電破壊印字層)
放電破壊印字層4は単体金属、合金あるいは化合物の薄膜からなり、放電現象を利用して記録部位が破壊され得る層からなる。その放電破壊印字層を構成する材料は、具体的には、Al、Ni、Sn、Zn、Te、In、Bi、Pbなどの金属、あるいはこれらの合金、化合物が挙げられる。また放電破壊印字層は、真空蒸着法、スパッタ法、メッキ法などの方法によって、光学可変層の上に形成することができる。放電破壊印字層の膜厚は、100Å〜1μm、さらに好ましくは300Å〜1000Å(1μm)程度である。
(隠蔽層)
本発明の印字記録媒体は、光学可変層を見るうえで、明瞭に視認できるように、隠蔽層6を光学可変層の下に設けることができる。この隠蔽層としては、カーボンブラック等の黒色の着色剤を、バインダーでインキ化したものや、亜鉛末、アルミニウム顔料、金属粉(黄銅、銅)を含む金属顔料や、チタン系白色顔料、有機系白色顔料等の隠蔽性の高い顔料をバインダーでインキ化したものを使用して、公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法等などの塗布方法により形成することができる。隠蔽層の厚さは、10nm〜1500μm程度である。隠蔽層を上記の黒色の着色剤を含むインキにより、印刷して形成すれば、黒色の隠蔽層として、光学可変層のバック(背景)が黒色になって、隣接した部分とのコントラストが高くなり、光学可変層における再生像やパターンが明瞭に視認できるようになり、好ましく用いられる。
(保護層)
本発明の印字記録媒体では、記録面の最上層として、保護層7を設けることができる。保護層は、一般には、記録媒体の物理特性、耐久性を確保するために、記録層である放電破壊印字層の保護を目的として形成する。保護層の材料を選択することにより、融着現象を防止し、かつ放電ピンの走行跡が付きにくくできる。保護層は以下に挙げるようなバインダー樹脂にテフロン(登録商標)ワックス、滑剤等の添加剤を加えることができる。
保護層のバインダー樹脂は、放電ピンの走行跡が付きにくくするために、紫外線又は電子線硬化型樹脂であることが好ましく、特に、多官能樹脂を用いることが適当である。多官能樹脂としては多官能アクリル樹脂を挙げることができる。多官能アクリル樹脂としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。
また、上記バインダー樹脂には、必要に応じてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類等の光重合開始剤や、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、N−ビニルピロリドン等の光増感剤を含有させることができる。
保護層を形成する方法としては、例えばオフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法、ロールコート法、リバースコート法、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、キスコート法、コンマコート法等が用いられる。紫外線硬化型樹脂の硬化は、カーボンアーク、キセノンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の光源又は各種電子線加速器により、100〜1000kev、好ましくは100〜300kevのエネルギーの紫外線を照射することにより行うことができる。また電子線硬化型樹脂の硬化は、非走査型電子線硬化装置、走査型電子線硬化装置等を用いて電子線照射することにより行うことができる。保護層の厚さは0.5〜5μm程度である。
(粘着層)
本発明の印字記録媒体では、光学可変層と放電破壊印字層を順次積層したもので、光学可変層の下、つまり放電破壊印字層のある側とは反対側に、基材と貼着させて固定させるために、粘着層8を設けることができる。粘着層は、従来から公知である溶剤系及び水系のいずれの粘着剤を用いて形成することができる。粘着剤として、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。粘着層の厚さは、約8〜30μmが一般的であり、従来公知の方法、すなわち、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の方法で、塗布し、乾燥して粘着層を形成できる。
ウレタン変性アクリレート樹脂のシート(厚さ0.5mm)を用意し、その樹脂シート表面にホログラムのレリーフを形成して、光学可変層とし、その光学可変層の上にアルミニウムを用いて真空蒸着法で400Åの厚さの放電破壊印字層を形成して、本発明の印字記録媒体を作製した。
基材として、厚み0.2mmの白色に着色された塩化ビニルのセンターコアに対し、そのコアの両面に、厚み0.15mmの塩化ビニルの透明シートを熱圧着させて作製した3層構造のカード基材を用意した。その基材上の一部分に、カーボンブラックを含有する黒色インキを印刷して、隠蔽層を形成し、また、その隠蔽層の上に、隠蔽層の印刷パターンと重なるように、同じパターンで、ウレタン変性アクリレート樹脂を塗工し、レリーフ形成層を形成した。そのレリーフ形成層の表面にホログラムのレリーフを形成して、光学可変層を設けた。その光学可変層の上に、アルミニウムを用いて真空蒸着法で400Åの厚さで、隠蔽層の印刷パターンと重なる位置で、放電破壊印字層を形成した。また、その放電破壊印字層の上に、下記組成により、厚さ1μmで、隠蔽層の印刷パターンと重なる位置で、保護層を形成して、本発明の印字記録媒体を作製した。
(保護層塗工液)
ポリビニルブチラール樹脂 10部
ウレタン樹脂 10部
テトラフルオロエチレンパウダー 10部
酢酸エチル 30部
トルエン 30部
メチルエチルケトン 30部
上記の「部」は全て質量基準である。
上記の実施例2で作製した印字記録媒体において、保護層/放電破壊印字層/光学可変層/隠蔽層の条件は同様にしたが、隠蔽層の下に下記組成により、厚さ10μmで、隠蔽層の印刷パターンと重なる位置で、粘着層を形成して、印字ラベルを用意した。そして、その印字ラベルを身分証明書(基材)の一定の位置に、粘着層を利用して貼着させて、固定した。(図3に示すような構成となる。)
(粘着層塗工液)
アクリル共重合体(SKダイン1310L、綜研化学(株)製) 48部
エポキシ樹脂(硬化剤E−AX、綜研化学(株)製) 0.36部
酢酸エチル 51.64部
上記の作製した実施例1〜3の印字記録媒体に対し、記録ピンによって記録情報に応じた放電を生じさせて、放電破壊印字層に放電破壊部位を形成し、情報記録を行った。その結果、実施例全てにおいて、放電破壊の記録部分が破壊、除去されて、印字部分だけの箇所で、下地に位置する光学可変層が露出して見える状態になった。これにより、偽造防止性が高く、印字記録された内容の改竄を確実に防止することができた。また、実施例2、3では、光学可変層と放電破壊印字層とを基材上に全面ではなく、部分的に設けることにより、製造コストを抑えることができ、実用性の高い印字記録媒体を得ることができた。
本発明の印字記録媒体の実施形態を示す概略図である。 本発明の印字記録媒体の印字記録前と印字記録後の双方の状態を示す概略図である。 本発明の印字記録媒体の別の実施形態を示す概略図である。
符号の説明
1 印字記録媒体
2 基材
3 光学可変層
4 放電破壊印字層
5 記録された部分
6 隠蔽層
7 保護層
8 粘着層
9 印字ラベル

Claims (5)

  1. 放電破壊印字層と光学可変層の積層された印字記録媒体において、該放電破壊印字層が印字記録により破壊、除去されて、印字部分だけの箇所で、下地に位置する光学可変層が露出して見える状態になることを特徴とする印字記録媒体。
  2. 前記の光学可変層と放電破壊印字層とがこの順序で、これらの層の少なくとも1層が基材上の少なくとも一部分に積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の印字記録媒体。
  3. 前記の基材と光学可変層との間に粘着層が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の印字記録媒体。
  4. 前記の放電破壊印字の上に、保護層が積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の印字記録媒体。
  5. 前記の光学可変層の下に、隠蔽層が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の印字記録媒体。
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