JP2005335177A - 感温変色薄層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気接点、機器の温度管理での異常な発熱の検出を行なうべく、水分や空気の浸入を防止する為の保護層が不要で、且つ、製造上皺が生じにくく、簡易な構造である感温変色薄層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂基材中に感温変色剤が分散された感温変色層と、前記感温変色層の形状を保持するための基体と、前記感温変色層と前記基体とを一体化させる第1接着層、とを少なくても有する感温変色薄層体であって、前記感温変色層は、樹脂基材を硬化させる硬化処理工程を経て得られることを特徴とする感温変色薄層体、及びその製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂基材中に感温変色剤が分散された感温変色層と、前記感温変色層の形状を保持するための基体と、前記感温変色層と前記基体とを一体化させる第1接着層、とを少なくても有する感温変色薄層体であって、前記感温変色層は、樹脂基材を硬化させる硬化処理工程を経て得られることを特徴とする感温変色薄層体、及びその製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、感温変色機能を有するシート、ラベル、及びテープ等の薄層体に関し、詳細には、色変化による変温をひと目で簡便に視認できる機能を有する感温変色薄層体に関する。
電気接点、機器の温度管理等異常な発熱の検出を行なうべく、従来より感温変色機能を有する薄層体、特にテープについては種々提案されており、下記特許文献1には、紙等で出来ているテープ基材に、感温変色剤を含むインクを印刷又は塗布することにより感温変色層を付設した感温変色性粘着テープが開示されている。
また下記特許文献2には、熱可塑性樹脂基材中に変色性顔料を分散し、前記樹脂基材の少なくとも片面に粘着層を付設した感温変色性粘着テープが開示されている。
特開2001−234134
特開2001−247828
また下記特許文献2には、熱可塑性樹脂基材中に変色性顔料を分散し、前記樹脂基材の少なくとも片面に粘着層を付設した感温変色性粘着テープが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている感温変色性粘着テープの問題点は、感温変色剤を含むインクを印刷又は塗布することにより付設される感温変色層の密度が非常に荒いため、水分や空気が容易に感温変色層内へ浸入することで感温変色層の劣化を招いたり、テープ基材の粘着性低下といった問題点があり、その結果別途保護層を付設する等の対策が必要となってしまう。
また特許文献2に記載の感温変色性粘着テープの問題点は、感温変色剤を分散した薄い樹脂基材に粘着層を付設する事が、製造上大変面倒なことである。すなわち、薄い樹脂基材は非常に歪みやすく、粘着層を付設すると樹脂基材に皺が発生しやすくなる。従って、樹脂基材を一旦基板に固定してから粘着層を付設するといった工程が別途必要となることから、製造上面倒になってしまう。更に、樹脂基材として熱可塑性樹脂を用いているが、特許文献1の問題点でもある水分や空気の浸入を抑制するには未だ不十分であった。
また特許文献2に記載の感温変色性粘着テープの問題点は、感温変色剤を分散した薄い樹脂基材に粘着層を付設する事が、製造上大変面倒なことである。すなわち、薄い樹脂基材は非常に歪みやすく、粘着層を付設すると樹脂基材に皺が発生しやすくなる。従って、樹脂基材を一旦基板に固定してから粘着層を付設するといった工程が別途必要となることから、製造上面倒になってしまう。更に、樹脂基材として熱可塑性樹脂を用いているが、特許文献1の問題点でもある水分や空気の浸入を抑制するには未だ不十分であった。
本発明の感温変色薄層体及びその製造方法は上記課題を鑑みて達成されたものである。その目的とするところは、水分や空気の浸入を効果的に抑制し、且つ皺を生じさせない構造を効果的に実現する感温変色薄層体、及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、特定の感温変色層を用い、特定の構造を付与することによって、水分や空気の浸入を効果的に抑制し、且つ皺を生じさせることのない感温変色薄層体を製造することに成功し、本発明に至った。
即ち、第1に、本発明は感温変色薄層体の発明であり、樹脂基材中に感温変色剤が分散された感温変色層と、前記感温変色層の形状を保持するための基体と、前記感温変色層と前記基体とを一体化させる第1接着層、とを少なくとも有する感温変色薄層体であって、前記感温変色層は、樹脂基材を硬化させる硬化処理工程を経て得られることを特徴とする。
本構成は、感温変色層を形成する樹脂基材を硬化処理させることにより、感温変色層内への水分や空気の浸入を効果的に抑制するものである。本構成によると、硬化処理された樹脂材料は、分子間距離が非常に小さくなることから、水分や空気の浸入を効率的に抑制すると同時に、別途水分や空気の浸入を抑制する保護膜等を設ける必要もなくなり、感温変色薄層体の構造を簡易に済ませることも可能となる。
本構成は、感温変色層を形成する樹脂基材を硬化処理させることにより、感温変色層内への水分や空気の浸入を効果的に抑制するものである。本構成によると、硬化処理された樹脂材料は、分子間距離が非常に小さくなることから、水分や空気の浸入を効率的に抑制すると同時に、別途水分や空気の浸入を抑制する保護膜等を設ける必要もなくなり、感温変色薄層体の構造を簡易に済ませることも可能となる。
ここで前記硬化処理工程は、樹脂基材を150℃〜250℃で硬化処理させることが好ましく、150℃〜190℃で硬化処理させることが更に好ましい。硬化処理温度が150℃以下であると、樹脂基材が十分に硬化することができない。また硬化処理温度が250℃以上であると、基材として用いる樹脂の種類にもよるが、樹脂自体が軟化若しくは溶融してしまう。また硬化処理時間は15分〜30分が好ましい。
また前記樹脂基材は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、プロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びシリコン樹脂から選ばれることが好ましく、アクリル樹脂及びポリ塩化ビニル樹脂から選ばれることが更に好ましい。
また前記感温変色層には、紫外線吸収体が付設されていることが好ましい。本構成によると、感温変色層に含有される感温変色剤は、太陽光等からの紫外線を受けると、劣化するに伴い求められる変色特性を発現できなくなるだけでなく、変色・脱色を生じてしまう。従って本構成では、紫外線吸収体を感温変色層に付設することによって、感温変色剤の劣化、及び変色・脱色を防止するものである。
また前記感温変色層には、感温変色層の寿命を表示する寿命表示補助体が付設されていることが好ましい。本構成は、感温変色層の寿命を表示する寿命表示補助体を別途付設することにより、感温変色薄層体の取替え時期を容易に視認可能とするものである。
また前記寿命表示補助体の色調は、前記感温変色層の色調と略同一であることが好ましい。本構成によると、寿命表示補助体と感温変色層の色調とを略同一としておくことにより、感温変色層が劣化に伴う変色及び脱色を生じるにつれて、寿命表示補助体の色調と感温変色層との色調とが次第に相違し、その結果寿命表示補助体の形状が明確に視認できるようになることで、感温変色層の寿命及び取替え時期を容易に認識させるものである。
また前記基体において、前記第1接着層と当接する面と対向する面に、被接着物に対し接着可能な第2接着層が付設されていることが好ましい。本構成は、本件発明の感温変色薄層体をテープとして用いる場合には、被接着物に対し接着可能な構造を有する必要があるため、前記基体に第2接着層を付設したものである。
第2に、本発明は感温変色薄層体の製造方法の発明であり、樹脂基材中に感温変色剤を分散させる工程、樹脂基材を硬化処理する工程、及び前記感温変色層と前記感温変色層の形状を保持するための基体とを第1接着層を介して一体化させる工程を少なくとも含むことを特徴とする感温変色薄層体の製造方法である。
ここで、樹脂基材中に感温変色剤を分散させる方法としては、感温変色剤を分散剤を用いて樹脂基材中に分散させる方法を好ましく採用することができ、分散剤としてはマイクロカプセル化された分散剤であることがより好ましい。
更に、樹脂基材中に感温変色剤を分散させて分散物を得た後、前記分散物に含まれる水分を除去する工程を別途設けてもよい。前記水分を除去する工程とは、樹脂基材中に感温変色剤が分散された分散物を、真空になるように吸引する方法を採用することができる。
また樹脂基材を硬化処理する工程は、樹脂基材中に感温変色剤を分散させた後に設けられることが好ましい。
ここで、樹脂基材中に感温変色剤を分散させる方法としては、感温変色剤を分散剤を用いて樹脂基材中に分散させる方法を好ましく採用することができ、分散剤としてはマイクロカプセル化された分散剤であることがより好ましい。
更に、樹脂基材中に感温変色剤を分散させて分散物を得た後、前記分散物に含まれる水分を除去する工程を別途設けてもよい。前記水分を除去する工程とは、樹脂基材中に感温変色剤が分散された分散物を、真空になるように吸引する方法を採用することができる。
また樹脂基材を硬化処理する工程は、樹脂基材中に感温変色剤を分散させた後に設けられることが好ましい。
本発明によれば、感温変色層内への水分や空気の浸入を効果的に抑制し、且つ皺を生じさせることなく、延いては簡易な構造の感温変色薄層体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、この実施の形態に限定するものではない。
本発明に使用される感温変色剤としては特に制限されず、公知のものを使用することができる。具体的には、コバルト、ニッケル、マンガン等の遷移金属塩とヘキサメチレンテトラミン等のアミン性アマイド類との複塩類、ヨウ化水銀、クロム酸鉛、メタバナジン酸アンモニウム等の重金属化合物、ジキサンチレン、又は電子供与性呈色色素類、電子受容性顕色剤、及び減感剤を含む公知の熱可逆変色性組成物等が挙げられる。
本発明に使用される感温変色剤としては特に制限されず、公知のものを使用することができる。具体的には、コバルト、ニッケル、マンガン等の遷移金属塩とヘキサメチレンテトラミン等のアミン性アマイド類との複塩類、ヨウ化水銀、クロム酸鉛、メタバナジン酸アンモニウム等の重金属化合物、ジキサンチレン、又は電子供与性呈色色素類、電子受容性顕色剤、及び減感剤を含む公知の熱可逆変色性組成物等が挙げられる。
本発明に使用される樹脂基材としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及びポリ塩化ビニル等から適宜選択されるが、中でもアクリル樹脂、エポキシ樹脂、プロピレン樹脂、又はポリ塩化ビニル樹脂が好ましく、アクリル樹脂、又はポリ塩化ビニル樹脂が更に好ましい。
樹脂基材の形状は、特に制限はされないが、粉末状、ペレット状、又はゾル状であることが好ましい。
樹脂基材の形状は、特に制限はされないが、粉末状、ペレット状、又はゾル状であることが好ましい。
本発明に使用される感温変色層の形状を保持するための基体としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及びポリ塩化ビニル系樹脂等から適宜選択されるが、樹脂基材として用いられた樹脂と同一の樹脂を選択することが製造上好ましい。
本発明に使用される感温変色層と基体とを一体化させる第1接着層としては、特に制限されず公知の接着剤を使用することができるが、中でもエポキシ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、又はポリイミド系樹脂の接着剤を用いることが好ましい。また、感温変色層の基材として用いられる樹脂と同一の樹脂より主に構成される接着剤を用いることが更に好ましい。樹脂基材及び第1接着剤が同一の樹脂より構成することにより、接着性が向上するためである。
また第1接着層は、感温変色層及び/又は基体の表面の少なくとも一部に付設されている。付設方法は特に制限はないが、スプレー塗りや刷毛塗り等の方法で付設される。
また第1接着層は、感温変色層及び/又は基体の表面の少なくとも一部に付設されている。付設方法は特に制限はないが、スプレー塗りや刷毛塗り等の方法で付設される。
本発明の感温変色薄層体を構成する第2接着層としては、特に制限されず公知の接着剤を使用することができる。
しかしながら、第2接着層が付設された感温変色薄層体を同心円状に巻き取って保管する場合は、感温変色薄層体の最外層となる感温変色層及び第2接着層とが当接するため、感温変色薄層体をテープ等として被接着物に対し接着させて利用する際には、感温変色層と第2接着層とが容易に剥離可能にしておく必要がある。従って第2接着層としては、感温変色層とは剥離しやすく、被接着物に対しては容易に剥離しない接着剤を選択する必要があることから、粘着性を有するアクリル系樹脂、又はシリコン系樹脂の接着剤を用いることが好ましい。
また感温変色層と第2接着層とが容易に剥離可能にするためには、感温変色層の表面の少なくとも一部に、剥離容易化部を別途付設してもよい。剥離容易化部とは、ポリテトラフルオロエチレンやシリコン系組成物による被覆や、凸凹部であることが好ましい。凸凹部は、凸凹面を有する型等を、感温変色層の表面に熱圧着する方法等により、感温変色層の表面に凸凹部を付与することができる。
第2接着層は、基体の第1接着層と当接する面と対向する面の少なくとも一部に付設され、その付設方法は特に制限はなく、第1接着層の付設方法と同様、スプレー塗り、又は刷毛塗り等が挙げられる。
しかしながら、第2接着層が付設された感温変色薄層体を同心円状に巻き取って保管する場合は、感温変色薄層体の最外層となる感温変色層及び第2接着層とが当接するため、感温変色薄層体をテープ等として被接着物に対し接着させて利用する際には、感温変色層と第2接着層とが容易に剥離可能にしておく必要がある。従って第2接着層としては、感温変色層とは剥離しやすく、被接着物に対しては容易に剥離しない接着剤を選択する必要があることから、粘着性を有するアクリル系樹脂、又はシリコン系樹脂の接着剤を用いることが好ましい。
また感温変色層と第2接着層とが容易に剥離可能にするためには、感温変色層の表面の少なくとも一部に、剥離容易化部を別途付設してもよい。剥離容易化部とは、ポリテトラフルオロエチレンやシリコン系組成物による被覆や、凸凹部であることが好ましい。凸凹部は、凸凹面を有する型等を、感温変色層の表面に熱圧着する方法等により、感温変色層の表面に凸凹部を付与することができる。
第2接着層は、基体の第1接着層と当接する面と対向する面の少なくとも一部に付設され、その付設方法は特に制限はなく、第1接着層の付設方法と同様、スプレー塗り、又は刷毛塗り等が挙げられる。
尚、本件発明の感温変色薄層体の厚みについては、被接着物に対する接着性、及び同心円状の巻き取り性を考慮すると、1mm以下であることが好ましい。
本発明に使用される紫外線吸収体としては、特に制限はなく公知のものを使用することができる。具体的には、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロオキシベンゾフェノン系、2−ヒドロオキシフェニルベンゾトリアゾール系、サリシレート系、シアノアクリレート系、又はパラメトキシケイ皮酸(オクチル)系の紫外線吸収体が挙げられる。
また、紫外線吸収体を感温変色層の層内及び/又は層外に付設する方法としては、特に制限はないが、前記紫外線吸収体をポリエステル、ポリエチレン、アクリル、ポリウレタン、又はポリ塩化ビニル等の樹脂中に分散させ、厚さ0.1〜0.5mm程度の薄層状にした後、150〜200度で加熱処理することにより、紫外線吸収層を得、この紫外線吸収層を適宜選択される接着剤を用いて感温変色層に付設する方法、若しくは紫外線吸収体を酢酸ビニル系溶剤、ゴム系溶剤、エポキシ樹脂系溶剤、及び塩化ビニル系溶剤等から適宜選択される溶剤に溶解させた後、感温変色層にスプレー及び/又は刷毛塗りにて塗布する方法、若しくは感温変色剤と共に紫外線吸収体を樹脂基材粉末中に添加することにより、紫外線吸収体を含有する感温変色層を得る方法等が挙げられる。
また、紫外線吸収体を感温変色層の層内及び/又は層外に付設する方法としては、特に制限はないが、前記紫外線吸収体をポリエステル、ポリエチレン、アクリル、ポリウレタン、又はポリ塩化ビニル等の樹脂中に分散させ、厚さ0.1〜0.5mm程度の薄層状にした後、150〜200度で加熱処理することにより、紫外線吸収層を得、この紫外線吸収層を適宜選択される接着剤を用いて感温変色層に付設する方法、若しくは紫外線吸収体を酢酸ビニル系溶剤、ゴム系溶剤、エポキシ樹脂系溶剤、及び塩化ビニル系溶剤等から適宜選択される溶剤に溶解させた後、感温変色層にスプレー及び/又は刷毛塗りにて塗布する方法、若しくは感温変色剤と共に紫外線吸収体を樹脂基材粉末中に添加することにより、紫外線吸収体を含有する感温変色層を得る方法等が挙げられる。
本発明に使用される寿命表示補助体としては特に制限はないが、例えばインキ及び樹脂による文字やパターンを用いることができる。
また、寿命表示補助体の付設方法としては特に制限はないが、例えばインキ及び樹脂を感温変色層に対して部分塗布、印刷、又は貼付けすることにより付設する方法が挙げられる。
また、寿命表示補助体の付設方法としては特に制限はないが、例えばインキ及び樹脂を感温変色層に対して部分塗布、印刷、又は貼付けすることにより付設する方法が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
樹脂基材としてエポキシアクリレートを用い、この粉末1kg中に可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル0.8kgと、感温変色剤として熱変色性塩化ビニルプラスチゾルを0.2kg加えた混合物を作成し、15分間の攪拌処理、及び1分間の吸引処理後、前記混合物を型に流し込み150℃で15分間硬化処理して感温変色層を得た。この感温変色層を、第1接着層としてブチルアクリレート系接着剤がスプレー塗布により付設されたポリエステル不織布である基体に一体化させて感温変色薄層体を得た。尚、製造された感温変色薄層体のサイズは、厚み0.7mm、幅20mmであった。
製造された感温変色薄層体は、水分及び空気の浸入を効果的に抑制することを確認した。また皺を生じないことも目視により確認した。
(実施例1)
樹脂基材としてエポキシアクリレートを用い、この粉末1kg中に可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル0.8kgと、感温変色剤として熱変色性塩化ビニルプラスチゾルを0.2kg加えた混合物を作成し、15分間の攪拌処理、及び1分間の吸引処理後、前記混合物を型に流し込み150℃で15分間硬化処理して感温変色層を得た。この感温変色層を、第1接着層としてブチルアクリレート系接着剤がスプレー塗布により付設されたポリエステル不織布である基体に一体化させて感温変色薄層体を得た。尚、製造された感温変色薄層体のサイズは、厚み0.7mm、幅20mmであった。
製造された感温変色薄層体は、水分及び空気の浸入を効果的に抑制することを確認した。また皺を生じないことも目視により確認した。
(実施例2)
感温変色薄層体をテープやフィルム等被接着物に対し接着させて用いるため、実施例1にて製造された感温変色薄層体において、基体の第1接着層と当接する面と対向する面に第2接着層としてブチルアクリレート系接着剤をスプレー塗布により付設した。更に感温変色層の表面に剥離容易化部として、シリコン系ポリマーである長鎖アルキルペンダントポリマーをスプレー塗布により付設した。
図1は本実施例の感温変色薄層体の断面を示す図であり、図2は本実施例の感温変色薄層体をテープとして用いる場合に、感温変色薄層体を同心円状に巻き取った状態を示す図である。本構成の感温変色薄層体は、感温変色層に皺が生じることもなく、その結果感温変色層に凸凹面がないため、同心円状に巻き取ることも容易になることが確認された。
感温変色薄層体をテープやフィルム等被接着物に対し接着させて用いるため、実施例1にて製造された感温変色薄層体において、基体の第1接着層と当接する面と対向する面に第2接着層としてブチルアクリレート系接着剤をスプレー塗布により付設した。更に感温変色層の表面に剥離容易化部として、シリコン系ポリマーである長鎖アルキルペンダントポリマーをスプレー塗布により付設した。
図1は本実施例の感温変色薄層体の断面を示す図であり、図2は本実施例の感温変色薄層体をテープとして用いる場合に、感温変色薄層体を同心円状に巻き取った状態を示す図である。本構成の感温変色薄層体は、感温変色層に皺が生じることもなく、その結果感温変色層に凸凹面がないため、同心円状に巻き取ることも容易になることが確認された。
(実施例3)
紫外線吸収体としてベンゾトリアゾール系のシーソルブ(seesorb:シプロ化成株式会社製)をポリ塩化ビニル樹脂中に分散させ、厚さ0.2mmに延伸後、150℃で30分間加熱処理することにより紫外線吸収層を得た。この紫外線吸収層を、実施例1にて製造された感温変色層の表面にポリ塩化ビニル系接着剤を介して感温変色層に付設した。
紫外線吸収層が付設されたことにより、感温変色層の劣化が効果的に低減されることが確認された。
紫外線吸収体としてベンゾトリアゾール系のシーソルブ(seesorb:シプロ化成株式会社製)をポリ塩化ビニル樹脂中に分散させ、厚さ0.2mmに延伸後、150℃で30分間加熱処理することにより紫外線吸収層を得た。この紫外線吸収層を、実施例1にて製造された感温変色層の表面にポリ塩化ビニル系接着剤を介して感温変色層に付設した。
紫外線吸収層が付設されたことにより、感温変色層の劣化が効果的に低減されることが確認された。
(実施例4)
実施例2にて製造された感温変色薄層体において、感温変色層と基体との層間に感温変色薄層体の寿命を表示する寿命表示補助体として赤の色調を有するインキを感温変色層の表面にグラビア印刷法により円形状に付設した。尚、感温変色層の色調は、実施例1において感温変色剤として使用した熱変色性塩化ビニルプラスチゾル由来の赤の色調を有するものである。
図3は、本実施例の寿命表示補助体が付設された感温変色薄層体を示す図である。
本実施例の感温変色薄層体においては、赤の色調を有する感温変色層が劣化に伴い白色化すると、寿命表示補助体である赤の色調を有するインキの円形パターンが明確に視認できるようになったため、感温変色薄層体の寿命を容易に確認することができた。
実施例2にて製造された感温変色薄層体において、感温変色層と基体との層間に感温変色薄層体の寿命を表示する寿命表示補助体として赤の色調を有するインキを感温変色層の表面にグラビア印刷法により円形状に付設した。尚、感温変色層の色調は、実施例1において感温変色剤として使用した熱変色性塩化ビニルプラスチゾル由来の赤の色調を有するものである。
図3は、本実施例の寿命表示補助体が付設された感温変色薄層体を示す図である。
本実施例の感温変色薄層体においては、赤の色調を有する感温変色層が劣化に伴い白色化すると、寿命表示補助体である赤の色調を有するインキの円形パターンが明確に視認できるようになったため、感温変色薄層体の寿命を容易に確認することができた。
本発明で得られる感温変色薄層体は、水分や空気の浸入を効果的に抑制し、且つ皺を生じさせることがなく、また同心円状の巻き取りが容易なため、電気接点、機器の温度管理での異常な発熱の検出に利用が可能である。
11 感温変色層
12 基体
13 第1接着層
14 第2接着層
15 寿命表示補助体
12 基体
13 第1接着層
14 第2接着層
15 寿命表示補助体
Claims (8)
- 樹脂基材中に感温変色剤が分散された感温変色層と、前記感温変色層の形状を保持するための基体と、前記感温変色層と前記基体とを一体化させる第1接着層、とを少なくても有する感温変色薄層体であって、前記感温変色層は、樹脂基材を硬化させる硬化処理工程を経て得られることを特徴とする感温変色薄層体。
- 前記硬化処理工程は、樹脂基材を150℃〜250℃で硬化処理させる工程であることを特徴とする請求項1記載の感温変色薄層体。
- 前記樹脂基材は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、プロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びシリコン樹脂から選ばれることを特徴とする請求項1又は2記載の感温変色薄層体。
- 前記感温変色層には、紫外線吸収体が付設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感温変色薄層体。
- 前記感温変色層には、感温変色層の寿命を表示する寿命表示補助体が付設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感温変色薄層体。
- 前記寿命表示補助体の色調は、前記感温変色層の色調と略同一であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感温変色薄層体。
- 前記基体において、前記第1接着層と当接する面と対向する面に、被接着物に対し接着可能な第2接着層が付設されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感温変色薄層体。
- 樹脂基材中に感温変色剤を分散させる工程、樹脂基材を硬化処理する工程、及び前記感温変色層と前記感温変色層の形状を保持するための基体とを第1接着層を介して一体化させる工程を少なくとも含むことを特徴とする感温変色薄層体の製造方法。
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KR101159812B1 (ko) | 2011-06-13 | 2012-06-26 | 이흥수 | 실온 변화에 변색하는 가구용 몰딩재와 그 제조방법 |
CN105331199A (zh) * | 2015-11-27 | 2016-02-17 | 国家电网公司 | 一种电力产品可视测温、绝缘方法 |
CN115287011A (zh) * | 2022-08-25 | 2022-11-04 | 国网湖北省电力有限公司咸宁供电公司 | 一种电气绝缘用感温变色绝缘包材 |
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2004
- 2004-05-26 JP JP2004156495A patent/JP2005335177A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101159812B1 (ko) | 2011-06-13 | 2012-06-26 | 이흥수 | 실온 변화에 변색하는 가구용 몰딩재와 그 제조방법 |
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