JP2005332849A - 赤外線加熱装置 - Google Patents

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Katsumi Tsuda
勝美 津田
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Abstract

【課題】 処理室内を真空排気する場合に、赤外線透過窓の板厚が薄くても、赤外線透過窓が破断しない赤外線加熱装置を提供する。
【解決手段】 ランプ室2と処理室3とが赤外線透過窓4で隔離され、ランプ室2内には赤外線ランプ5が配置され、処理室3内には基板6が配置されている。処理室3内を真空排気する際には、ランプ室2内も真空排気する。また、処理室3内にプロセスガスを導入する際には、ランプ室2内に大気を導入し、ランプ室2内の圧力と処理室3内の圧力とがほぼ同圧になるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体基板などを熱処理するために、基板に赤外線を照射して加熱する赤外線加熱装置に関する。
半導体基板などを熱処理するための熱源として、昇温速度が速い赤外線が広く用いられている。この赤外線による加熱装置としては、次のようなものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、赤外線ランプが配置されたランプ室と、基板が配置される処理室とが、石英製などの赤外線透過窓で隔離され、処理室内にプロセスガスが供給された状態で、赤外線ランプからの赤外線を赤外線透過窓を介して基板に照射して加熱するものである。
特開平7−29844号公報
ところで、処理室内のプロセスガスを置換する際に、処理室内に窒素ガスなどの不活性ガスを供給して一掃(パージ)する場合がある。この場合、ランプ室と処理室との圧力は、ほぼ大気圧であるため、赤外線透過窓に大きな差圧力がかかることがない。
しかしながら、残留プロセスガスによる不純物を減らすため、または、処理時間を短縮するために、プロセスガスを置換する際に、処理室内を真空排気する場合がある。この場合、ランプ室内は大気圧であるため、ランプ室と処理室との間に大きな差圧が生じ、この差圧によって赤外線透過窓に大きな差圧力が加わることになる。そして、この差圧力によって赤外線透過窓が破断するのを防止するために、赤外線透過窓の板厚を厚くする必要がある。
ところが、基板の面積が大きいと、赤外線透過窓の面積も大きくしなければならず、さらに、この大きな面積で受ける差圧力に耐え得るように、赤外線透過窓の板厚を厚くしなければならない。例えば、基板の面積が360mm×460mmの場合、石英製の赤外線透過窓では板厚を100mmにしなければならない。さらに将来、基板の大面積化が予測され、例えば、基板の面積が730mm×920mmの場合、赤外線透過窓の面積を1,200mm×1,500mmとし、板厚を200mm以上にしなければならい。これでは、基板と赤外線ランプとが離れすぎてしまい、加熱効率が著しく低下し、実用的ではない。また、経済的でもない。
そこで本発明は、処理室内を真空排気する場合に、赤外線透過窓の板厚が薄くても、赤外線透過窓が破断しない赤外線加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、隣接するランプ室と処理室とが赤外線透過窓で隔離され、ランプ室内に赤外線ランプが配置され、処理室内に配置された基板に、赤外線ランプからの赤外線を赤外線透過窓を介して照射し、基板を加熱する赤外線加熱装置において、ランプ室内の圧力と処理室内の圧力とをほぼ同圧に調整する圧力調整手段を設けたことを特徴としている。
(作用)
例えば、処理室内を真空排気する場合に、ランプ室内の圧力が処理室内の圧力とほぼ同圧になるように、圧力調整手段によってランプ室内の圧力が調整される。このため、ランプ室と処理室との間には差圧が生ぜず、赤外線透過窓の板厚が薄くても、差圧力によって赤外線透過窓が破断することがない。
また、請求項2に記載された発明は、隣接するランプ室と処理室とが赤外線透過窓で隔離され、ランプ室内に赤外線ランプが配置され、処理室内に配置された基板に、赤外線ランプからの赤外線を赤外線透過窓を介して照射し、基板を加熱する赤外線加熱装置において、少なくとも処理室側から赤外線透過窓を支える支持具を移動可能に設け、基板の加熱時には、支持具を赤外線透過窓から待避させることを特徴としている。
(作用)
例えば、処理室内を真空排気する場合に、ランプ室と処理室との間に差圧が生じ、この差圧によって赤外線透過窓に、ランプ室側から処理室側への差圧力が加わる。しかし、赤外線透過窓は処理室側から支持具によって支えられているため、板厚が薄くてもたわむことがなく、破断することもない。また、基板の加熱時には、支持具が赤外線透過窓から待避するため、基板の加熱が良好に行われる。
本願発明によれば、処理室内を真空排気する場合に、赤外線透過窓の板厚が薄くても、赤外線透過窓が破断しない。このため、真空排気によって、不純物を減らし、また、処理時間を短縮することができる。さらに、基板が大きい場合でも、赤外線透過窓の板厚を厚くすることなく赤外線透過窓の面積を大きくなることができ、高い加熱効率で基板を加熱することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本実施形態に係わる赤外線加熱装置1の概略構成正面図である。
この赤外線加熱装置1は、隣接するランプ室2と処理室3とが赤外線透過窓4で隔離され、ランプ室2内に赤外線ランプ5が配置され、処理室3内に配置された基板6に、赤外線ランプ5からの赤外線を赤外線透過窓4を介して照射し、基板6を加熱するものである。
ランプ室2には排気管7が接続され、この排気管7に接続された真空ポンプ8によって、真空排気されるようになっている。符号9は、ランプ室2内の圧力を測定する真空圧力計である。また、ランプ室2には吸気管11が接続され、バルブ10,12を介して大気が導入されるようになっている。そして、このランプ室2内に複数の赤外線ランプ5が、ランプ室2の下側開口に対向するように配置されている。
このランプ室2の下に、上側に開口3aを有する処理室3が配置され、開口3aを塞ぐ赤外線透過窓4が、処理室3上に載置されている。この赤外線透過窓4は、本実施形態では石英製で、板厚が約1mmである。処理室3には排気管13が接続され、この排気管13に接続された真空ポンプ8によって、真空排気されるようになっている。符号14は、処理室3内の圧力を測定する真空圧力計である。また、処理室3には吸気管16が接続され、バルブ15,17を介してプロセスガスが導入されるようになっている。この処理室3内には、内壁から中央部に延びる基板支持台18が設けられ、この基板支持台18の載置部18aに基板6を載置すると、基板6が赤外線透過窓4および、赤外線ランプ5に対向するようになっている。
なお、この赤外線加熱装置1は気密構造をしており、図中Sは、気密するためのシール部材(Oリングなど)である。また、符号19,20は、真空ポンプ8用のバルブである。
次に、このような構成の赤外線加熱装置1によって、基板6を加熱する手順について説明する。
まず、バルブ20を開け、真空ポンプ8によって処理室3を一定の真空圧まで排気する。この際、バルブ19を開け、ランプ室2も同時に真空排気し、処理室3内の圧力とランプ室2内の圧力とがほぼ同圧になるように調整する。両室内の圧力が一定の真空圧に達した時点で、バルブ17を開けて処理室3内にプロセスガスを導入し、バルブ12を開けてランプ室2内に大気(空気)を導入する。この際、処理室3内の圧力とランプ室2内の圧力とがほぼ同圧になるように、プロセスガスと大気との導入量が調整される。
続いて、ランプ室2内の圧力と処理室3内の圧力とが大気圧に達した時点で、バルブ10,15を開け、バルブ19,20を閉じて、真空ポンプ8を停止する。この状態で、赤外線ランプ5を起動させると、赤外線ランプ5からの赤外線が赤外線透過窓4を介して基板6に照射され、基板6が加熱される。そして、基板6の加熱が終了すると、赤外線ランプ5を停止し、上記と同様にして、真空ポンプ8によってランプ室2と処理室3とを真空排気する。
このように、真空ポンプ8および、大気とプロセスガスとの導入量の調整(圧力調整手段)によって、全行程を通じて、ランプ室2内の圧力と処理室3内の圧力とがほぼ同圧になる。このため、ランプ室2と処理室3との間には差圧が生ぜず、赤外線透過窓4の板厚が1mm程度でも、差圧力によって赤外線透過窓4が破断することがない。
この結果、処理室3内のプロセスガスを置換する際に、上記のように真空排気することができ、これにより不純物を減らし、また、処理時間を短縮することができる。さらに、基板6が大きい場合でも、赤外線透過窓4の板厚を厚くすることなく赤外線透過窓4の面積を大きくすることができる。このため、赤外線ランプ5と基板6とを近くに位置させ、高い加熱効率で基板6を加熱することができる。
以上のように、本実施形態では、処理室3内のプロセスガスを真空排気(置換)する際に、ランプ室2内も真空排気することで、ランプ室2内の圧力と処理室3内の圧力とがほぼ同圧になるようにし、また、処理室3内にプロセスガスを導入する際に、プロセスガスと大気との導入量を調整することで、ランプ室2内の圧力と処理室3内の圧力とがほぼ同圧になるようにしている。すなわち、必要とされる処理室3内の圧力変化に応じてランプ室2内の圧力を調整し、両室内の圧力がほぼ同圧になるようにしている。
ところで、ランプ室2内の圧力と処理室3内の圧力とを完全に同圧にする必要はなく、赤外線透過窓4が破断しない安全率内の微小差圧が生じてもよい。さらに、本実施形態では、ランプ室2が1つであるが、複数のランプ室2を有する赤外線加熱装置1に対しても、本実施形態と同様にして、赤外線透過窓4の破断を防止することができる。
〈実施形態2〉
図2、3は、本実施形態に係わる赤外線加熱装置31の概略構成正面図であり、実施形態1に係わる赤外線加熱装置1と同一の構成要素については、同一符号を付している。
この赤外線加熱装置31では、処理室32の下部にシリンダ部32aが形成され、このシリンダ部32a内を摺動可能に、支持ピストン33(支持具)が設けられている。この支持ピストン33とシリンダ部32aとの間には、シール部材34が設けられ、また、支持ピストン33は駆動機構35(アクチュエータなど)によって、シリンダ部32a内を摺動できるようになっている。すなわち、駆動機構35によって支持ピストン33が上死点に達すると(図3参照)、処理室32の上部開口32bを通って赤外線透過窓4の下面に接し、支持ピストン33が下死点に達すると(図2参照)、支持ピストン33の上面がシリンダ部32aの上端に位置するようになっている。
一方、処理室32には、シリンダ部32aの上部外周側に格納部32cが設けられ、この格納部32cと処理室32の中央部(上部開口32bに対向する位置)との間を、搬送手段(図示せず)によって基板6が移動できるようになっている。
次に、このような構成の赤外線加熱装置31によって、基板6を加熱する手順について説明する。なお、本実施形態では、ランプ室2内の圧力を常に大気圧(バルブ12を常に開状態)としている。
まず、図3に示すように、基板6を格納部32c内に移動させ、支持ピストン33を上死点まで上昇させる。この際、基板6は格納部32c内に移動されているため、支持ピストン33が基板6に衝突し、基板6を損傷させることがない。
この状態で、真空ポンプ8によって処理室32内を真空排気する。この際、ランプ室2内は大気圧であるため、ランプ室2と処理室32との間に大きな差圧が生じ、この差圧によって赤外線透過窓4に大きな差圧力が加わる。しかしながら、赤外線透過窓4の下面が支持ピストン33によって支持されているため、この差圧力によって赤外線透過窓4がたわむことはなく、破断することもない。
処理室32内を一定の真空圧まで排気した後に、バルブ17を開けて処理室32内にプロセスガスを導入し、処理室32内の圧力を大気圧とする。次に、図2に示すように、支持ピストン33を下死点まで降下(待避)させ、基板6を処理室32の中央部に移動させる。
この状態で、赤外線ランプ5を起動させると、赤外線ランプ5からの赤外線が赤外線透過窓4を介して基板6に照射され、基板6が加熱される。そして、基板6の加熱が終了すると、赤外線ランプ5を停止し、上記と同様にして、基板6を格納部32c内に移動させ、支持ピストン33を上昇させて、処理室32内を真空排気する。
このように、処理室32内が真空状態の際には、赤外線透過窓4が支持ピストン33によって支持されているため、赤外線透過窓4の板厚が薄くてもたわむことがなく、破断することもない。
ところで、シール部材34がOリングやベローズなどの場合、処理室32内を真空排気している状態において(図3参照)、支持ピストン33と駆動機構35との連結を切り離してもよい。この場合、赤外線透過窓4の上面が受ける大気圧による力と、支持ピストン33の下面が受ける大気圧による力とがほぼ釣り合い、赤外線透過窓4の破断が防止されるとともに、支持ピストン33と駆動機構35との連結部に力がかからないため、この連結部の強度を低減することができる。
また、本実施形態では、基板6を移動させるようにしているが、基板6を処理室32の中央部(上部開口32bに対向する位置)に固定し、この基板6と赤外線透過窓4との間に板状の支持具を移動可能に設けてもよい。この場合、基板6と赤外線透過窓4との間をより狭くするために、ステンレス綱などの高強度、高靱性材で支持具を製作することが望ましい。
さらに、本実施形態では、赤外線透過窓4の下面(処理室側)のみを支持しているが、処理室32内の圧力がランプ室2内の圧力よりも高くなる(プロセスガスが過剰導入される)可能性がある場合には、赤外線透過窓4の両面を支持するようにしてもよい。
実施形態1に係る赤外線加熱装置の概略構成正面図。 実施形態2に係る赤外線加熱装置の概略構成正面図であって、基板を加熱している状態を示す図。 実施形態2に係る赤外線加熱装置の概略構成正面図であって、処理室内を真空排気している状態を示す図。
符号の説明
1 赤外線加熱装置
2 ランプ室
3 処理室
4 赤外線透過窓
5 赤外線ランプ
6 基板
8 真空ポンプ
11 大気の吸気管
16 プロセスガスの吸気管
33 支持ピストン(支持具)

Claims (3)

  1. 隣接するランプ室と処理室とが赤外線透過窓で隔離され、前記ランプ室内に赤外線ランプが配置され、前記処理室内に配置された基板に、前記赤外線ランプからの赤外線を前記赤外線透過窓を介して照射し、前記基板を加熱する赤外線加熱装置において、
    前記ランプ室内の圧力と前記処理室内の圧力とをほぼ同圧に調整する圧力調整手段を設けた、
    ことを特徴とする赤外線加熱装置。
  2. 隣接するランプ室と処理室とが赤外線透過窓で隔離され、前記ランプ室内に赤外線ランプが配置され、前記処理室内に配置された基板に、前記赤外線ランプからの赤外線を前記赤外線透過窓を介して照射し、前記基板を加熱する赤外線加熱装置において、
    少なくとも前記処理室側から前記赤外線透過窓を支える支持具を移動可能に設け、前記基板の加熱時には、前記支持具を前記赤外線透過窓から待避させる、
    ことを特徴とする赤外線加熱装置。
  3. 少なくとも前記処理室側から前記赤外線透過窓を支える支持具を移動可能に設け、前記基板の加熱時には、前記支持具を前記赤外線透過窓から待避させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の赤外線加熱装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008215728A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Tdk Corp 焼成炉
TWI424495B (zh) * 2009-12-31 2014-01-21 Lig Adp Co Ltd 具有視窗加熱結構的基材處理設備

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