JP2005332772A - 磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡 - Google Patents

磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡に関し、磁性材料試料の局所に高電場を印加することができ、また単位面積あたりの磁束密度が高い磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡を提供することを目的としている。
【解決手段】 磁性材料試料11を透過した電子ビームと、該磁性材料試料11を透過していない電子ビームとの干渉を発生させるバイプリズムを用いる電子顕微鏡において、前記磁性材料試料11を保持するホルダ12と、磁性材料でできた先端が針状をなす磁性マイクロプローブ13と、該磁性マイクロプローブ13を磁性材料試料方向に移動させることができる移動機構とを設けて構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡に関する。
従来、透過型電子顕微鏡においては、電子ビームを試料に照射し、この試料を透過してきた電子ビームからなる試料像を磁界レンズで拡大してスクリーンに投影することで、試料の観察を行なうようになっている。このような従来の透過型電子顕微鏡の中に、バイプリズムにより、試料を透過していない電子ビームと試料を透過した電子ビームとの干渉による干渉縞(ホログラム)を得ると共に、このホログラムから電子ビームの位相変化の情報を取り出し、試料の厚さ分布、電場あるいは磁場等の情報を得る技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、バイプリズムを構成するワイヤの汚れを除去する機構を備えた技術も知られている(例えば特許文献2参照)。
また、磁場を印加した磁性材料の電子顕微鏡像を観察して磁区構造に関する情報を得るため、対物レンズの間に設置した磁場印加手段に磁場印加用電源で発生させた直流電流あるいは任意の位相、周期、振幅を持つ交流電流を任意の同期信号で印加する技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
従来の電子顕微鏡においては、磁性材料に外部磁場を印加し、その刺激による試料内部及びその近傍の磁場の変化を観察するために磁場の印加を行なう方法として以下に示すような方法が使用されている。
1.電子顕微鏡の対物レンズの磁場による試料への印加
2.磁場印加専用の磁場発生コイルを電子顕微鏡の試料室又は試料ホルダに設置したもの
図8は従来の試料への磁場印加方法を示す図である。図において、1は磁性材料試料、2は該磁性材料試料1を保持する試料ホルダ、3は磁性材料試料1へ磁界を印加するための励磁コイル、eは電子ビームである。励磁コイル3のN極から出た磁束はS極側の励磁コイル3に入る。この時、磁場発生用の励磁コイル3によって発生する磁束4が磁性材料試料1を貫くことによって、磁性材料試料1に磁場を印加している。なおeは磁性材料試料1に照射される電子ビームである。
特開2002−117800号公報(第3頁、第4頁、図1) 特開平9−80199号公報(第2頁、第3頁、第4頁、図2) 特開平8−96737号公報(第2頁、第3頁、図1)
前述した従来の方法は、励磁コイルによって発生させた磁場を磁性材料試料に印加するものであり、この方法では、磁性材料試料全体にほぼ均一の磁場が印加される。しかしながら、このように磁性材料試料全体に広範囲にわたって均一の磁場が印加されるため、強い大きな磁場(たとえば数百ガウス以上の磁場)を磁性材料試料に印加してしまうと、その磁場によって入射電子線は大きく偏向されてしまう。すなわち、上述した従来の方法では、磁性材料試料に強い大きな磁場を印加することができず、そのような高磁場の環境下での像観察は行えなかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、磁性材料試料に入射する電子線が殆ど偏向されることなく、磁性材料試料の局所に高磁場を印加することができ、また単位面積あたりの磁束密度が高い磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、磁性材料試料を透過した電子ビームに基づいて試料像を得るようにした電子顕微鏡において、前記磁性材料試料を保持するホルダと、磁性材料でできた先端が針状をなす磁性マイクロプローブと、該磁性マイクロプローブを磁性材料試料方向に移動させることができる移動機構とを設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、磁性試料を透過した電子ビームと、該磁性材料試料を透過していない電子ビームとの干渉を発生させるバイプリズムを備えた電子顕微鏡において、前記バイプリズムを通過した電子ビームによる像を画像データとして取り込み、取り込んだ画像データに所定の画像処理を加えることにより、磁性材料試料のホログラフィ画像を得ることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記試料像を処理してローレンツ画像を得るようにしたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記磁性マイクロプローブは、永久磁石を用いるものであることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記磁性マイクロプローブは、電磁石を用い、発生する磁場の強さを変化させる機構を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記移動機構として、その動力にモータ又はピエゾ素子を用いることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記磁性材料試料をX,Y,Z方向に駆動する駆動機構に載せるようにすると共に、前記磁性マイクロプローブをX,Y,Z方向に駆動する駆動機構に載せるようにしたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、磁性材料試料の任意の一部の領域を磁化させることができ、試料に入射する電子線は印加される磁場によって殆ど偏向されることはなく、その領域の画像データを取得することができる。
請求項2記載の発明によれば、取り込んだ画像に所定の演算処理(例えばフーリエ変換)を行なうことにより、磁性材料試料のホログラフィ画像を得ることができ、当該磁性材料の特性を分析することができる。
請求項3記載の発明によれば、ローレンツ画像を得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、磁性マイクロプローブとして永久磁石を用いることができ、磁性マイクロプローブの構成を簡略化することができる。
請求項5記載の発明によれば、磁性マイクロプローブとして電磁石を用いることにより、磁場の強さを調整することができる。
請求項6記載の発明によれば、モータ又はピエゾ素子を用いてマイクロプローブの移動を行なわせることができる。
請求項7記載の発明によれば、磁性材料試料及び磁性マイクロプローブをそれぞれ独立にX,Y,Z方向に駆動することができるので、磁性材料試料及び磁性材料プローブの位置を正確に変化させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1は本発明に係るマイクロプローブの構成例を示す図である。図はホルダの上部から見た図を示している。図において、1は磁性材料試料であり、試料ホルダ12に固定されている。13は磁性材料でできた先端が針状を示す磁性マイクロプローブ(針端,以下単にプローブという)である。この実施の形態例では、プローブ13は永久磁石で構成されている。該プローブ13の先端部の直径は約1μmである。プローブ13の先端の直径を1μm程度に形成する技術は非常な困難を伴うが、本発明者等はこのようなプローブを製造する技術を開発した。15はプローブ13を保持するプローブ保持部、14は該プローブ保持部15が取り付けられ、図の矢印方向(磁性材料試料方向)に移動が可能に構成されるステージである。このように構成されたプローブの動作を説明すれば、以下の通りである。
磁性材料試料11は、試料ホルダ12に固定されている。そこに、プローブ13を移動させて、磁性材料試料11の任意の位置に停止させる。プローブ13の先端は尖っているので、その磁束密度は極めて高い。このような磁束密度を持つプローブ13を磁性材料試料11の任意の位置に停止させることにより、当該磁性材料試料のプローブ13が位置している部分が磁化される。なお、プローブ13の駆動動力には、その力を外部から制御できる電気的な駆動機構、例えばステッピングモータやピエゾ素子が用いられる。
図に示す機構部全体が電子顕微鏡(ここでは図示せず)の試料室に挿入され、磁性材料試料11とプローブ13が電子顕微鏡像として同時に観察される。この時、ローレンツ法を用いれば、磁性材料試料11とプローブ13の磁区や磁壁が観察される。また、電子線ホログラフィ法を用いれば、磁束の分布をその再構成画像上で観察することができる。磁性材料試料11とプローブ13を電子顕微鏡で観察しつつ、電子顕微鏡外部からの制御によりプローブ13の駆動機構を使用して、プローブを磁性材料試料11方向に移動させ、プローブを磁性材料試料に近づけたり、離したりすることができる。
このように、この実施の形態例によれば、磁性材料試料11の任意の一部の領域を磁化して、その領域の画像データを取得することができる。
また、この実施の形態例によれば、プローブとして永久磁石を用いることにより、プローブの構成を簡略化することができる。
本発明では、前述したように、ステージ14を駆動してプローブ13を磁性材料試料11に近づけたり、離したりすることができる。ここで、ステージ14を駆動する駆動機構としては、ステッピングモータ又はピエゾ素子を用いる。ステッピングモータ又はピエゾ素子を用いると、プローブ13の移動を外部からコントロールできかつ容易に行なわせることができる。
図2は、本発明の電子顕微鏡の構成例を示す図で、透過電子顕微鏡の構成におけるホログラムの表示例を示している。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、21は電界放射型電子銃、11は該電界放射型電子銃21の照射を受ける磁性材料試料である。該磁性材料試料11には、図1に示すような磁性のプローブ13が近づくことができるようになっている。この結果、磁性材料試料11の一部領域がプローブ13により磁化される。このように磁化された磁性材料試料11に電子ビームが照射される。
この電子ビームの透過像は、対物レンズで集束された後、バイプリズム22に入る。バイプリズム22は、磁性材料試料を透過していない電子ビーム(基準ウェーブ)と、磁性材料試料を透過した電子ビーム(オブジェクトウェーブ)とを干渉させて干渉縞を生じさせる。ここで、22aはバイプリズム22の構成要素である導電性ワイヤである。該導電性ワイヤ22aには、電界が印加されたり、接地されたりする機構が含まれている。22b、22cは導電性ワイヤ22aに平行でかつ導電性ワイヤ22aを間に挟むように対向配置され、導電性ワイヤ22aに発生する電界を整える接地電極である。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
図2に示す装置の場合、電子線ホログラフィのディジタル演算解析に基づくイメージングプロセスが得られる。電子線ホログラフィ解析は、2つのイメージングステップよりなる。第1のステップでは、バイプリズム22を用いてホログラムが形成される。このバイプリズム22では、透過電子ビームが磁性材料試料11を通過することにより得られたオブジェクウェーブ(試料透過像)が、真空中を通過する基準ウェーブに干渉することによりホログラムが得られる。
第2のステップでは、電子ウェーブの位相シフト(電子線ホログラフィ)が、フーリエ変換を用いてホログラムから抽出され、位相再成像(ホログラフィ画像)が得られる。
電子銃21から放射された電子ビームは、加速され、集束レンズ系より集束される。磁性材料試料の透過電子ビームは、コリメートされた電子ビームにより表示されるオブジェクトプレーンの半分の位置に位置決めされる。導電性ワイヤ22aに電界が印加されている状態でバイプリズム22を通過した電子線は、干渉フリンジ24に電子ホログラム23を結ぶ。この電子ホログラムを光電変換素子で電気信号に変換した後、A/D変換器(図示せず)でディジタルデータに変換する。ディジタルデータに変換された画像データは、パソコン24に入力される。パソコン24では、入力された画像データに所定の処理、例えばフーリエ変換を施して、磁化された磁性材料試料11の一部の領域の再構成された位相再成像(ホログラフィ画像)25を得る。このホログラフィ画像25を観測することにより、磁性材料試料11の特性を調べることができる。
図において、再構成画像の右半分がホログラフィ画像、左半分が磁場の影響を受けなかった画像である。ホログラフィ画像から磁力線が吹き出していることが分かる。
この実施の形態例によれば、取り込んだ画像に所定の演算処理(例えばフーリエ変換)を行なうことにより、磁性材料試料のホログラフィ画像を得ることができ、当該磁性材料試料の特性を分析することができる。
本発明によれば、試料ホルダを用いて、その中では材質Nd2Fe14Bの先が尖った針が磁性材料試料にステッピングモータやピエゾ素子を用いて駆動され、近づく。そして、硬質の磁性材料に対して磁化が行なわれる。ここでは、プローブ(針端)により発生した磁界は表示画面内ではフィールドの制限幅内で殆ど一定であるとしている。即ち、ローレンツ対物レンズがオンになった状態で460nm程度であり、電子線ホログラフィの解析が十分可能である。
しかしながら、ローレンツ対物レンズがオフの時において、比較的広い領域が観察される。磁界中の変化に基づく基準ウェーブの変化は、重要な意味を持っている。図3は本発明による処理画像例を示す図である。図3の(a)から(c)は、ローレンツ顕微鏡の画像を示している。(a)から(c)は、本発明の一実施例におけるディスプレイ上に表示した表示画面中のメイン画面の一例を中間調画像の写真で示す図である。(d)から(f)はそれぞれ、ローレンツ画像及び材質Nd2Fe14Bの磁性材料試料の再構成された画像(ホログラフィ画像)を示している。(a)から(c)に示す白い筋と黒い筋は磁性材料試料11の磁壁を示している。プローブと磁性材料試料間の距離は、それぞれの画像の右端に示されている。
ここで、ローレンツ電子顕微鏡について説明する。磁化された磁性材料試料に電子ビームを照射する場合について考える。磁化された磁性材料試料は、N極とS極からなる小さな磁石の集まりと考えることができる。このような磁石の相互間においては、N極からS極に向かって磁束が流れる。電子ビームは、この磁界の影響を受けて、偏向される。そして、磁石を透過した電子ビームがぶつかる空間と電子がない空間とに分かれる。電子ビームがぶつかる部分では像が明るくなり、電子ビームのない空間は像が暗くなる。この像が明るくなったり、暗くなったりする部分は磁壁で生じるので、ローレンツ顕微鏡では、磁性材料の磁壁を検出することができる。この実施の形態例によれば、ローレンツ画像を得るときにはバイプリズムが光軸上から退避され、磁性材料試料を透過した電子線による像を処理してローレンツ画像を得ることができる。
(d)から(f)までは、Nd2Fe14B磁性体を用いた場合の再構成された位相イメージ(ホログラフィ画像)である。この(d)から(f)までは本発明により求めた電子線ホログラフィの図を示している。図では磁束の流れの方向が矢印で示されている。図中に示す数字は磁性材料試料11とプローブ13間の距離を示している。このような画像を得て、磁性材料試料の特性を調べることができる。再構成された位相イメージは、磁壁(図中に白いドットと黒いドットで示す)がプローブ13により生成された磁界により位相がシフトされた状態を示している。そして、そこではプローブ13と磁性材料試料11間の距離はより小さくなっている。このことは、生成された磁界が磁壁に垂直に押しているものと解釈される。また、図よりプローブの方向と平行な方向に磁化領域が増大していることが分かる。一方、平行でない向きの磁化された領域は徐々に減少していることが分かる。
図4は材質Nd4.5Fe7718.5の微細材料について、983Kまで焼き戻した時の実験結果を示す図である。この磁性材料試料の磁気的性質は、図5に示されている。図5は実験結果に基づく磁性材料試料の磁気的性質を示している。図4は、微細合成物であるNd4.5Fe7718.5(983Kまで焼き戻されたもの)のホログラフィ画像を示している。プローブと磁性材料試料間の距離は図中に示される。太い実線の矢印は、プローブが磁性材料試料に近づく方向を示している。
プローブと磁性材料試料との距離が小さいので、再構成された位相イメージ内の磁束分布はわずかに変化する。磁束の強さは、磁性材料試料のエッジに近くない部分は小さくなる。このことは、イオンの破壊により放射がダメージを受けることによるものと思われる。
しかしながら、プローブが磁性材料試料に近づくと、磁束の方向は図4の(a)の下部に示すように磁界と平行になる性質がある。
尖ったプローブにより生成された磁性材料試料11の磁界は、まだ正確には測定されていない。しかしながら、磁壁と磁束はNd2Fe14Bで作られたプローブによって作られたそして、このような測定プロセスにおいては、Nd2Fe14Bによる磁束の境界領域で作られた磁界に応じて動きうるということが示される。そして、その動作はステッピングモータとピエゾ素子により制御される。尖ったプローブとピエゾ素子を持つ試料ホルダが硬磁性材料の磁化プロセスを明らかにしてくれるものと思われる。
硬磁性材料の磁化プロセスを観察するために、強い磁界を発生させる磁性材料Nd2Fe14B(永久磁石)から作られた先の尖ったプローブが作られ、図6の(a)に示されるように、ステッピングモータ又はピエゾ素子により移動される試料ホルダ内にセットされる。そして、得られたホログラムをコンピュータで位相イメージとして再構成することで、(b)及び(c)に示すようなホログラフィ画像が得られる。(b)と(c)は、磁性材料試料のホログラフィ画像を示し、(b)はプローブが磁性材料試料面から遠い場合の特性を、(c)はプローブが磁性材料試料面に近い場合を示している。プローブの接近方向は、(b)の上に矢印で示している。(b)、(c)の図中に示す矢印は磁束の方向を示す。
磁性材料試料中の内側と外側の磁束はプローブのS極が試料表面に近づくにつれて徐々に変化する。このことは、硬磁性材料を用いた磁化プロセスを電子線ホログラフィにより明らかにすることが極めて有用であることを示す。しかしながら、プローブにより作られる強磁界は制限された磁性材料試料の領域内に限られる。
上述の実施の形態例においては、プローブを磁性材料試料方向に移動可能なステージで移動させる場合について説明した。しかしながら、本発明はこのような場合に限るものではない。例えば、磁性材料試料を固定しているステージをX,Y,Z方向に移動できる機構に載せ、またプローブも同様にX,Y,Z方向に駆動できる機構に載せるようにすることができる。この結果、磁性材料試料及びプローブをそれぞれ独立にX,Y,Z方向に駆動することにより、磁性材料試料及びプローブの位置を正確に変化させることができる。
図7は電磁石を用いた磁性マイクロプローブの他の構成例を示す図である。図において、30は磁性材料である磁性体棒、31は該磁性体棒30に巻回された励磁コイル、32は磁性体棒30の一端に設けられたプローブである。Eは直流電圧、VRは励磁コイル31の一端と接続される可変抵抗である。磁性体棒30と励磁コイル(ソレノイドコイル)31とでソレノイドを構成している。そして、直流電圧Eは、その一端が励磁コイル31に、他端が可変抵抗VRに接続されている。つまり、励磁コイル31と可変抵抗VRの直列回路に直流電圧Eが印加される構成となっている。そして、図に示すプローブ32はソレノイドと共に、図の矢印に示す方向に移動できるようになっている。このように構成されたプローブの動作を説明すれば、以下の通りである。
図に示す回路に直流電圧Eを印加すると、ソレノイドコイル31に電流が流れ、図に示す磁性体棒は電磁石として動作するようになる。この結果、プローブ32の先端には極めて強い磁界が発生する。従って、プローブ32を磁性材料試料に近づけることにより、磁性材料試料の一部領域を磁化することができる。この実施の形態例によれば、可変抵抗VRを設けているので、この可変抵抗の抵抗値を変えることにより、励磁の大きさ、つまり磁場の強さを変化させることができる。
この図に示すプローブは、図1に示すプローブと比べると、構成が複雑になるが、磁界の強さを変えられるという特徴をもつ。このように、この実施の形態例によれば、磁性マイクロプローブとして電磁石を用いることにより、磁場の強さを調整することができる。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、電子顕微鏡の試料ホルダで磁性材料と、先端が1ミクロンサイズの磁性材料でできたプローブをホルダにセットして、磁性材料試料とプローブとの距離を可変できるようにしたため、磁性材料試料の局所領域に強力な磁場を発生しつつ、その磁場の強さを変化させることができるようになり、磁性材料試料の磁気特性や動的変化が観察できるようになる。
本発明は、電子顕微鏡、電子線ホログラフィ電子顕微鏡、ローレンツ電子顕微鏡に関する分野で利用される。
本発明に係るマイクロプローブの構成例を示す図である。 本発明の電子顕微鏡の構成例を示す図である。 本発明による処理画像例を示す図である。 本発明による他の処理画像例を示す図である。 磁性材料試料の特性を示す図である。 磁性材料試料に対する磁化の様子とホログラフィ画像を示す図である。 本発明の電磁石を用いた磁化マイクロプローブの構成例を示す図である。 従来の試料への磁場印加方法を示す図である。
符号の説明
11 磁性材料試料
12 試料ホルダ
13 磁性マイクロプローブ
14 ステージ
15 プローブ保持部

Claims (7)

  1. 磁性材料試料を透過した電子ビームに基づいて試料像を得るようにした電子顕微鏡において、
    前記磁性材料試料を保持するホルダと、
    磁性材料でできた先端が針状をなす磁性マイクロプローブと、
    該磁性マイクロプローブを磁性材料試料方向に移動させることができる移動機構と、
    を設けたことを特徴とする磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡。
  2. 磁性試料を透過した電子ビームと、該磁性材料試料を透過していない電子ビームとの干渉を発生させるバイプリズムを備えた電子顕微鏡において、
    前記バイプリズムを通過した電子ビームによる像を画像データとして取り込み、取り込んだ画像データに所定の画像処理を加えることにより、磁性材料試料のホログラフィ画像を得ることを特徴とする請求項1記載の磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡。
  3. 前記試料像を処理してローレンツ画像を得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡。
  4. 前記磁性マイクロプローブは、永久磁石を用いるものであることを特徴とする請求項1記載の磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡。
  5. 前記磁性マイクロプローブは、電磁石を用い、発生する磁場の強さを変化させる機構を備えることを特徴とする請求項1記載の磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡。
  6. 前記移動機構として、その動力にモータ又はピエゾ素子を用いることを特徴とする請求項1記載の磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡。
  7. 前記磁性材料試料をX,Y,Z方向に駆動する駆動機構に載せるようにすると共に、前記磁性マイクロプローブをX,Y,Z方向に駆動する駆動機構に載せるようにしたことを特徴とする請求項1記載の磁性マイクロプローブを具備した電子顕微鏡。
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