音楽情報が記録されたCD(コンパクトディスク)を再生するCD再生装置において、使用上の便宜を図るため、ディスク再生情報に基づく各種表示がなされている。その一は、後述のQチャンネルサブコードにモード1として記録されている楽章番号いわゆるトラック番号や各トラック番号に割り当てられた時間情報を再生して表示するものである。
図24に示すように、CD101は中央に孔102を有し、その内周から外周に向かって、TOC(table Of contents)データが記録されたプログラム管理領域である、リードイン(lead in )領域103と、プログラムデータが記録されたプログラム領域104と、プログラム終了領域、いわゆるリードアウト(lead out)領域105とが形成されている。音楽情報を記録した音楽再生用CDにおいては、プログラム領域104に音楽データが記録され、この音楽データの時間情報等がリードイン領域103で管理される。また、CD再生装置によるプログラム領域104内の音楽データの読み出しが終了して、リードアウト領域105にピックアップが到達したときに、CD再生装置がCDの再生動作を終了する。
図25は、CD再生装置の一例を示す。このCD再生装置は、例えばCD101の音楽データをピックアップ112にて読み出し、この音楽データをディジタル信号処理回路116にて処理して得られる再生データを、ディジタル信号出力端子125、またはアナログ信号出力端子R、Lから出力するものである。
ピックアップ112は、対物レンズ等の光学素子、半導体レーザ、CD101からの戻りビームを受光する4分割ディテクタ等を有する。4分割ディテクタの出力信号が演算されることによって、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号が形成される。RF信号がアナログ波形整形回路114に供給され、フォーカスエラー信号がフォーカスサーボ回路120に供給され、トラッキングエラー信号がトラッキングおよびスレッドサーボ回路121に供給される。
アナログ波形整形回路114は、ピックアップ112からのRF信号の波形を整形して、その出力が同期検出回路115およびクロック生成回路117に供給される。クロック生成回路117は、アナログ波形整形回路114からのRF信号に基づいて、このRF信号と同期した再生クロックを生成して、この再生クロックを同期検出回路115と、ディジタル信号処理回路116と、回転サーボ回路122に供給する。同期検出回路115は、クロック生成回路117から送られる再生クロックに基づいて、RF信号からフレーム同期パターンを検出し、このフレーム同期パターンの検出信号をディジタル信号処理回路116に供給する。
ディジタル信号処理回路116は、同期検出回路115を介されたRF信号の再生処理を行う。より具体的には、EFF変調の復調、エラー訂正符号の復号、エラーの補間等の処理がディジタル信号処理回路116においてなされる。この処理のために、クロック生成回路117からの再生クロックと、水晶発振器119から送られる基準クロックとが使用される。また、ディジタル信号処理回路116から取り出された左右のチャンネルのディジタルオーディオ信号がディジタル出力端子125に取り出されると共に、D/A変換器123に供給され、アナログ信号へ変換される。オーディオアンプ124は、D/A変換回路123からのアナログオーディオ信号を増幅して、アナログ信号出力端子Rおよび端子Lに出力する。
ディジタル信号処理回路116に対してサブコード検出回路118が接続される。サブコード検出回路118は、ディジタル信号処理回路116からのデジタル信号から、後述するサブコードのPチャンネルおよびQチャンネルのデータを検出し、各チャンネルのデータをトラッキングおよびスレッドサーボ回路121に供給する。
フォーカスサーボ回路120からのフォーカスエラー信号がピックアップ112に供給され、ピックアップ112の対物レンズのフォーカス位置がCD101の信号面と合致するように、フォーカスサーボがなされる。回転サーボ回路122は、クロック生成回路117からの再生クロックおよび水晶発振器119からの基準クロックに基づいて回転駆動制御信号を発生し、この回転駆動制御信号をスピンドルモータ113に送り、スピンドルモータ113の回転動作を制御する。
トラッキングおよびスレッドサーボ回路121は、ピックアップ112からのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御駆動信号を発生し、このトラッキング制御駆動信号をピックアップ112に供給し、ピックアップ112のトラッキング動作を制御する。これと共に、ピックアップ112をCD101の半径方向にスレッドさせる送り装置を駆動する制御信号を発生する。例えばPチャンネルおよびQチャンネルからのデータに基づいてトラック位置制御信号を発生し、このトラック位置制御信号をピックアップ112の送り装置に供給し、例えばプログラミングモード時におけるピックアップ112のトラック位置を制御する。
ここで、サブコードおよびPチャンネルおよびQチャンネルのデータについて説明する。CDに記録される信号は、1サンプルあるいは1ワードが16ビットで、44.1kHzのサンプリング周波数でサンプリングされる。このサンプリングされたデータは、1サンプルあるいは1ワード16ビットが上位8ビットと下位8ビットに分割されてそれぞれシンボルとされ、このシンボル単位で誤り訂正符号化処理やインターリーブ処理が施され、オーディオデータの24シンボル毎に1つのフレームにまとめられる。これは、ステレオ左右チャンネルの各6サンプル分に相当する。
8−14変調により、各シンボルの8ビットが14ビットへ変換される。8−14変調後の1フレームのデータ構造を図26に示す。1フレーム135は、24チャンネルビットの同期パターンデータ領域131と、14チャンネルビットのサブコード領域132と、12シンボルのプログラムデータD1からD12を含むプログラムデータ領域133と、4シンボルのパリティデータP1からP4から成るパリティデータ領域134と、別のプログラムデータ領域133およびパリティデータ領域134とからなる。また、各領域、あるいはデータ部分を接続するために、各部分に対して3チャンネルビットの結合ビットが配される。従って、1フレーム135は、合計588チャンネルビットのデータを含む。
さらに、98個のフレーム135を集めて、このフレーム135の各領域およびデータ部分が縦方向に連続するように並べ換えたものを図27に示す。この図27に示される98フレームの周期は、サブコードが完結する単位であって、サブコードフレームと称される。このサブコードフレームは、フレーム同期パターン部136と、サブコード部137と、データおよびパリティ部138とから成る。なお、このサブコードフレームは、CDの再生時間の1/75秒に相当する。
ここで、図25中のサブコード検出回路118から送られるPチャンネルおよびQチャンネルのデータを含むサブコードデータは、図27中のサブコード部137に記録されているデータである。また、このサブコード部137のサブコードフレームのデータの構成の詳細を図28に示す。先頭のフレームF01、フレームF02は、サブコードフレームの同期パターンS0、S1である。この同期パターンは、フレーム同期パターンと同様に、8−14変調方式(eight to fourteen modulation: EFM)のアウトオブルール(out of rule )のパターンである。なお、図25中のサブコード検出回路118は、この同期パターンを検出し、サブコードフレームの区切りを検出する。さらに、1シンボルの8ビットの各ビットは、それぞれサブコードのPチャンネルからWチャンネルを構成する。例えば、Pチャンネルは、S0、S1のそれぞれ一部と、P01からP96とで構成される。
サブコードのPチャンネルは、曲の有無に対応した情報を有し、Qチャンネルには、CD上の絶対時間情報、各プログラムの時間情報、曲番号(トラック番号とも称される)、楽章番号(インデンクスとも称される)等の情報が含まれる。従って、Qチャンネルに含まれる情報によって、曲の頭だし等の再生動作の制御が可能であり、また、Qチャンネルの情報を表示することによって、演奏中の曲が音楽再生用光ディスクの何曲目であるのか、演奏の経過時間や始めからの絶対時間等を視覚で確認できる。さらに、サブコードのRチャンネルからWチャンネルまでの6チャンネル分のデータは、例えば静止画や、曲の歌詞の表示等に用いられている。
以下、この発明に係る記録媒体の一実施例について、図面を参照しながら説明する。一実施例では、記録媒体としてCDを使用しているが、これに限らず、他の種類の光ディスク(例えばDVD(ディジタル・ビデオ・ディスク)、磁気テープ、光テープ、半導体メモリ等に対してもこの発明を適用することができる。また、記録媒体に記録されている情報は、オーディオデータに限らず、ビデオデータ等であっても良い。
図1は、CDのプログラム領域に記録されるTOCデータの構成を示すものである。既存のCDの場合では、Qチャンネルのサブコードの1フレーム内の72ビットのデータを使用して、総プログラム(曲)数と、各プログラムの記録位置とが管理される。より具体的には、00〜99までの値の楽章のそれぞれが開始するアドレス(絶対時間)と、最初の楽章番号と、最後の楽章番号と、リードアウトが始まるアドレスとが記録されている。このQチャンネルのサブコードに加えて、図1に示すようなRチャンネル〜Wチャンネルで構成されるデータがTOCデータとして記録されている。
R〜Wチャンネルからなるデータの先頭の2フレームは、同期パターンS0、S1である。残りの96フレームには、それぞれが6ビットのシンボルが96シンボル含まれる。この96シンボルが24シンボルずつに分割される。この24シンボルを1パックと称し、4パックを1パケットと称する。
各パックの先頭位置にそのパックに記録される情報の記録モードを設定するモード情報と、テキスト情報の種類を示す識別情報を有するID1とその他の識別情報を有するIDコード(ID2、ID3およびID4)を含む計24ビットのIDコードが記録されるID領域1が配置される。このID領域1の後に、8ビット単位で主データに付随するテキスト情報が記録されるテキスト領域2が配される。さらに、各パックに、誤り検出符号として、巡回符号(CRC:cyclic redundancy code)による誤り検出を行うための16ビットのデータが記録されるCRC領域3が配される。
この発明によるR乃至Wチャンネルのサブコードの説明に先立ち、既存のグラフィック情報をCDへ記録する際のデータフォーマットについて説明する。図2Aは、図28に示したサブコード部137の構造を模式的に示す図である。サブコードは、8ビットで形成され、このサブコードを形成するビット群は、P、Q、R、S、T、U、V、Wの8チャンネルに分割されている。また、サブコード部137は、P乃至Wチャンネルから構成されるフレームが98フレーム集めたものである。
最初の2フレームは、同期パターンであり、第3番目のフレームから第98番目のフレームまでは、Pチャンネルのデータのみから成るサブコードPと呼ばれるブロック12、Qチャンネルのデータのみから成るサブコードQと呼ばれるブロック13、R乃至Wチャンネルのデータのみから成るブロック11が含まれている。
画像情報をサブコードとして記録し再生する方式においては、図2Bに示すように、R乃至Wチャンネルの6ビットで1シンボルを形成し、データ最小単位を0〜23の24個のシンボルで形成されるパックとしている。すなわち、ブロック11が4個のパックに分割される。パックを形成する24シンボルの内、最初のシンボル(以下シンボル0という)は、MSB(most significant bit)側から3桁がモードを示し、LSB(least significant bit )側から3桁がアイテムを示す。このモードおよびアイテムを示すシンボル0に続くシンボル1は、命令の種類を示すインストラクションである。インストラクションに続くシンボル3およびシンボル4は、誤り訂正符号であるパリティQである。このパリティQに続くシンボル4からシンボル19までの各シンボルは、データフィールドを形成し、色情報等を含む。データフィールドに続くシンボル20からシンボル23までの各シンボルはパック内の情報を保護するための誤り訂正符号であるパリティPである。
モードには、ゼロモード、ライングラフィックスモード、TVグラフィックスモードおよびユーザモードの4種類のモードが存在する。ゼロモードは、例えば表示画面に対して何らの操作も行わないモードである。すなわち、画像をそのままにしておきたいときのためのモードであり、パック内のデータは全て0である。ライングラフィックスモードは、例えばプレーヤの前面に液晶ディスプレイ等を設けて曲の説明文等を表示するためのモードである。
また、画像処理命令としては、例えば画面全体をある色でぬりつぶす命令、画面状の1フォントに2種類の色を使用して絵を描く命令、画面全体を縦方向又は横方向に移動させる命令等がある。
上述したように、グラフィックス情報をサブコード中に挿入する既存の方法(CDグラフィックス)では、R乃至Wチャンネルのデータを処理するためには、専用の処理回路が必要であり、また、パリティPおよびパリティQを用いた誤り訂正方法が複雑なので、処理回路は複雑である。そのため、既存の方法は、R乃至Wチャンネルのサブコードを利用して単にテキスト情報を記録し再生する用途では不適当であった。
そこで、この発明の一実施例では、R乃至Wチャンネルを利用するために、より簡単な処理回路で実現できるようにしたものである。図3Aは、図1で示したデータフォーマットをシリアルデータとして示す。図3Aに示すように、先頭から32ビットのデータ(図3Aでは、24ビットのみ示す)をバイト毎のデータに区切り、これらのバイトを識別用のID1、ID2、ID3、ID4に対して割り付け、ID領域1を形成する。その後のテキスト領域2もバイト単位のデータに区切られる。このようなバイト単位の処理によって、Qチャンネルの信号の処理方法で処理することが可能になり、簡単な処理回路の構成とできる。
また、図2Aに示したデータフォーマットでは、パリティPおよびパリティQを用いた誤り訂正符号が用いられているのに対して、この発明の一実施例におけるデータフォーマットでは、CRCによる誤り検出符号を用いて誤りを検出するのにとどめ、誤りが検出されると再度データを読み出すようにしている。このため、データは、TOC内で、パック毎に例えば4重書きされ、さらに、一連のデータ列がパケット単位で繰り返し記録されている。このような多重記録によって、誤り訂正のための複雑な回路を省略することができる。
なお、パック単位の多重書きは、4重書きに限らないし、また、多重書きの単位もパック単位に限らず、例えばパケット単位、あるいは数パケットを周期としてこの周期単位で多重書きしてもよい。
また、ID領域1の先頭のID1は、図3Bに示すように、従来の1シンボルより2ビット多い8ビットで扱うことになる。さらに、既存のR乃至Wチャンネルのサブコードを復号化する機能を有するCD再生装置に装着してもこの再生装置が誤動作を起こさないように、MSBから3ビットは、上述のモードと同様のデータを書き込み、且つこの3ビットで示されるモードとしては未定義のコード例えばモード4("100")を割り付ける。こうすることで、既存の再生装置に装着しても認識不可能なモードが検出されるだけなので、再生装置は動作を停止するだけであり誤動作するおそれがない。また、未定義のモードは、モード4の他に、モード5およびモード6があり、モード4の代わりにこれらのモードを用いることもできる。
また、ID1によりモード4が指示されるこの発明の一実施例では、パック内のデータフォーマットは、図4に示すように、8ビット(1バイト)毎に区切られたID1、ID2、ID3、ID4と、テキストバイトtext1〜text12と、16ビットのCRCコードとを含むものである。
ID1は、8ビットの構造を有し、ID1とパックで扱われるデータの内容が図5に示すように規定されている。ID1は、上述したように、モード4を上位側のビットで指示するために、8ラh(hは16進数を意味し、ラが下位側の4ビットの値を意味する)。
ID1は、text1以降に続く文字列の内容を示している。(80h)はアルバム名/曲名、(81h)は演奏者/指揮者/オーケストラ名、(82h)は作詩者、(83h)は作曲者、(84h)は編曲者、(85h)はメッセージ、(86h)はdiscID、(87h)は検索用キーワード、(88h)はTOC、(89h)は2ndTOC、(8ah)はユーザ、(8bh)は歌詞、(8ch)は歌詞2、(8dH)は予約、(8eh)は予約、(8fh)はサイズである。
ID2は、パックのtext位置から書かれている文字列がどのトラックに所属するかを示すものである。図6に示すように、ID2には、1から99までのトラックナンバが記録される。トラックナンバは1から99であるので、これ以外の数値「0」や「100」(64h)以上は特別な意味を持つ。「00」はディスク全体を代表することを意味する。MSBは常に0とされて、1は拡張用のフラグとなる。
ID3はブロックに付された連続番号である。図7に示すように、ブロック内の連続番号は、00から255(0からFFh)までである。ID3=0は、常にID1=80hの先頭パックであり、以降80が終了すれば、81、82とに戻って繰り返される。付加情報により無いID1は次のID1に置き換えられるが、必ず小さい番号順に記録される。
ID4は、現パックの文字コードと、その文字列の文字位置を示している。図8に示すように、最初の4ビットはキャラクタコードで、「0000」はASCIIコード、「0001」、「0010」、「0011」、「0100」は、8859−1(a) 、8859−1(b) 、8859−1(c) 、8859−1(d) コード、「0101」は予約、「0110」はJISカナコード、「0111」はMS−JISコードであることを示している。なお、「1000」以降は予約されている。LSBの4ビットは、現パックのtext1の文字が何文字目かを示している。「0000」が最初の文字、「0001」が2番目の文字、「0010」が3番目の文字、以下、「0011」、「0100」、・・・は、4番目、5番目、・・・の文字である。
図9は、(ID1=80h)のパックの構成例を示すものである。(ID1=80h)は、アルバム名と最大99曲の全曲名を記録するために用いられる。各々の文字情報の最後の文字は必ずヌル(00h)で終端される。次の曲名はそのヌルの続きに、連続して書かれていく。図10は、アルバムタイトルが「BEATLES THE BEST」、第1曲目の曲名が「LOVE ME DO」、第2曲目の曲名が「THE WAVE」、第3曲目の曲名が「PLEASE HELP」の例である。
図11は、(ID1=81h)のパックの構成例を示すものである。(ID1=81h)は、演奏者/指揮者/オーケストラ名等、アルバム名や各曲名に対応する人物名を記録するのに用いられる。図12に示すように、各々の名前は曲名と同様にヌル(00h)で終端とさた後、次々と連続して書かれていく。図12は、アルバムを代表する演奏者が「MICHEAL JACKSON」、1曲目の演奏者が「JANET JACKSON」、2曲目の演奏者が「M.JACK・・・」である場合の例である。
図13は、(ID=85h)のパックの構成例を示すものである。(ID=85h)は、アルバム名や各曲名を記録するのと同じ要領で、各トラック毎のメッセージを記録するのに用いられる。図14に示すように、メッセージはヌル(00h)で終端された後、次々と連続して書かれていく。ID2は、1から63まではメッセージに同期するトラックナンバを意味し、それ以外の数値は夫々特別な意味をもつ。「00」はアルバムを代表するメッセージになる。「70」から「7f」は、例外的に特性の国の言葉でメッセージを記録した場合に用いられる。「70」はドイツ語、「71」はフランス語、「72」はスペイン語、「73」はイタリア語、「74」はオランダ語、「75」はロシア語、「78」は中国語、「79」は日本語、「7A」は韓国語等である。図14は、ディスクに「Thank You Very much Please Enjoy!」というメッセージがあり、15曲目に「See You Bye」というメッセージがある場合を示している。
図15は、(ID1=86h)のパックの構成例である。(ID1=1)はdiskIDを示しており、ここには、IDコードの他に、発売元の名前やPOSコード、発売年等を記録するようにしても良い。
図16は、(ID1=87h)のパックの構成例である。(ID1=87h)は検索用キーワードで、検索IDは2バイトのジャンルコードとディスク全体を代表する人物名ないしキーワードで決められる。ここで表現できないジャンルコードの場合には、text3以降で/文字列/で捕捉することが可能である。図17は、ジャンルコード「00」「17」、ジャンル捕捉文字列「JapaneseRock'80」、検索用キーワードが「Y.Ozaki」の場合を示している。
図18は、(ID1=88h)のパックの構成例である。(ID1=88h)はTOC(Table Of Contents )で、通常のTOC情報をRからWの情報を記録するために設けられている。(ID2=01h〜63h)のときとで2種類存在する。
図19は、(ID1=89h)のパックの構成例である。(ID1=89h)が2ndTOCで、通常のTOCの中で表せない特殊な部分をポイントするために設けられている。この例では、2ndTOCは、所謂サビの部分のような曲の中で最も印象深い部分(ジャンル情報)を示すのに利用されている。text1は優先度を示し、「00h」が最優先、「01h」が次となり、「FFh」が最低となる。text2は、ポイントの総数を示し、1ディスクについて3ポイント程度が推奨される。text3〜text6は予約されている。text7、text8、text9によりダイジェストのスタートアドレスが指示され、その後の3個のテキストバイトtext10、text11、text12により、ダイジェストのエンドアドレスが指示される。このアドレスは、例えばCD上の絶対時間情報であり、テキストバイトの各バイトによって、分(00〜74の値)、秒(00〜59の値)、フレーム(00〜74の値)の各桁の数字が記録される。
図20の例では、第1番目のダイジェストのスタートアドレス(text7 〜text9 )が(1分2秒10フレーム)であり、そのエンドアドレス(text10〜text12)が(1分43秒20フレーム)であり、優先度(text1 )が「02」である。
次のパックには、第2番目のダイジェストのアドレスが記録される。第2番目のダイジェストは、スタートアドレス(text7 〜text9 )が(10分2秒20フレーム)であり、エンドアドレス(text10〜text12)が(10分20秒10フレーム)であり、優先度(text1 )が「01」である。そして、さらに第3番目のダイジェストのスタートアドレス(text7 〜text9 )は(12分50秒40フレーム)であり、エンドアドレス(text10〜text12)は(13分10秒20フレーム)であり、優先度(text1 )は「00」である。ダイジェストを再生する場合、text1 の優先度を基に、再生順が決められる。従って、この場合、第3番目のダイジェスト、第2番目のダイジェスト、第1番目のダイジェストの順に再生される。
図21は、(ID1=8fh)のパックの構成例である。(ID1=8fh)はサイズを示すもので、サイズは1ブロックにおける各項目のパックの構成数をまとめたものであり、図21A及び図21Bの2パックにより構成される。
上述したように、この発明に係る記録媒体例えばCDは、主データ(音楽データ)に付随して、TOC領域に記録されるサブコードのR乃至Wチャンネルに対応する6ビットで構成されるシンボルの24シンボル分を1パックとし、4パック分を1パケットとして、パケット単位でデータが構成され、各パックの先頭位置にそのパックで記録される情報の記録モードを設定するモード情報が記録されるとともに、各パックに書き込まれた情報が8ビット単位で識別情報と、テキスト情報またはダイジェスト情報が記録されたものである。
このようなCDを再生する再生装置の一例を図22に示す。この再生装置は、複数枚のCDの中で、オートチェンジャ機能により、選択された1枚のCDを再生可能とされている。このチェンジャ機能により選択されたCD41は、スピンドルモータ43により回転駆動され、光学ピックアップ42により記録内容が読み出される。この光学ピックアップ42からの信号は、RF信号処理回路44を介して、ディジタル処理のための信号処理回路45に供給される。信号処理回路45からのディジタルオーディオ信号成分は、D/A変換器47でアナログのオーディオ信号に変換されて、アナログオーディオ信号出力端子より取り出される。このようなオーディオデータの処理は、従来のCDプレーヤと同様である。
また、図22に示すCD再生装置は、光学ピックアップ42により読み出した信号から信号処理回路45にて取り出されたサブコードをQチャンネルとR乃至Wチャンネルとに分離するサブコード分離回路51と、サブコード分離回路51により分離されたR乃至Wチャンネルのサブコードのモード情報を取り出すとともに、このモード情報に基づいて記録媒体の種類を識別するディスク識別回路66と、ディスク識別回路66の出力に応じて、サブコード分離回路51から送られるR乃至Wチャンネルのサブコードを処理するサブコード処理回路54と、サブコード処理回路54にて処理される情報の内、テキスト情報を表示するための文字表示部58とを装備している。
サブコード分離回路51により、サブコードがQチャンネルとR乃至Wチャンネルとに分離され、Qチャンネルのサブコードが時間情報処理回路52に供給され、R乃至Wチャンネルのサブコードがサブコード処理回路54およびディスク識別回路66に供給される。時間情報処理回路52は、Qチャンネルで管理される時間情報を時間表示部53に供給し、時間表示がなされる。
ディスク識別回路66は、R乃至Wチャンネルに書き込まれたモード情報を抽出し、モード情報に基づいてCDの種類が識別される。すなわち、挿入されたCDが識別情報とテキスト情報(またはダイジェスト情報)とがR乃至Wチャンネルに記録されたものか、否かが識別される。CDが、識別情報とテキスト情報(またはダイジェスト情報)とがR乃至Wチャンネルに記録されたCDであると識別されたときは、サブコード処理回路54に動作入力信号を出力する。また、CDが、上述したCD以外のCD、特にグラフィック情報がR乃至Wチャンネルに記録されたCDである場合、グラフィック処理回路48に対して動作入力信号を送る。
装着されたCDが識別情報とテキスト情報(またはダイジェスト情報)とがR乃至Wチャンネルに記録されたCDである場合、サブコード処理回路54は、ディスク識別回路66から動作入力信号を受け付け、サブコード分離回路51からのR乃至Wチャンネルを、上述したようなASCIIコード等の所定の変換コードに基づいて処理して得られる各項目の情報、例えばジャンル情報55a、ID情報55b、ダイジェスト情報アドレス55c、アルバム名や演奏者名等の文字情報55d、サイズ情報55e等が取り出され、これらが別個に記憶される。
サブコード処理回路54により分離された文字情報55dは、文字内容分離回路57に送られ、表示内容スイッチ56の操作等に応じて表示項目や内容が選択分離され、文字表示部58に送られて表示される。
サブコード処理回路54により分離されたジャンル情報55aは、いわゆるCPU等を用いた制御回路60に送られ、ユーザにより指定されたジャンルのディスクあるいは曲のみ再生するような制御が行われる。この制御回路60にはRAM61が接続されており、ユーザが操作部62中のジャンルスイッチを操作することで指定されたジャンル情報がRAM61に記憶され、この指定されたジャンル情報がサブコード処理回路54からのジャンル情報55aと一致しているか否かの判別がなされ、一致しているときのみサーボ回路65を制御してディスクの再生動作を行わせる。オートチェンジャタイプでは、ディスクを自動交換しながらジャンルの一致したディスクのみを再生制御するようにして、特定のジャンルのディスクのみを選択再生することができる。
また、サブコード処理回路54からのID情報55bは、制御回路60に送られ、オートチェンジャ機構の動作を効率よく行わせるのに用いられる。さらに、ダイジェスト情報アドレス(スタートアドレスおよびエンドアドレス)55cは、各曲および各ダイジェスト毎に記憶されている。このアドレスを制御回路60が読み出し、ダイジェストを再生することができる。
また、サブコード処理回路54からのサイズ情報55eは、TOC読み出し待ち時間処理回路64に送られる。このTOC読み出し待ち時間処理回路64は、信号処理回路45にてQチャンネルのデータが正常に読み取られたか否かを示すサブQエラー情報63と、当該サイズ情報55eとに基づいて、R乃至Wチャンネルの全てを読み出すのに要する時間、すなわち待ち時間を算出し、これを時間表示部52に送る。この待ち時間表示は、文字表示部58に行わせてもよい。
なお、装着されたCDが図2、図3に示すようなデータ構成を有し、画像情報を含むグラフィックコードと、文字に対応して所定のビットパターンを有する文字コードとが記録されたCDである場合、グラフィック処理回路48は、ディスク識別回路66から動作入力信号を受け取り、グラフィックコードおよび文字コードを所定の処理を行い表示用データを形成する。グラフィック表示回路49は、グラフィック処理回路48からの表示用データから表示信号を形成するとともに、グラフィック出力端子からこの表示信号を出力する。
図23は、この発明の特徴とするダイジェスト再生動作の概略を示すフローチャートである。図23中のスタートの状態においては、CD41が装着され、そのTOCデータが読み取られ、サブコード分離回路51によりQチャンネルのサブコードとR〜Wチャンネルのサブコードとが分離され、ディスク識別回路66によって、装着されたCD41がテキスト情報またはダイジェスト情報がTOCデータとして記録されているいることが既に決定されている。サブコード処理回路54では、ステップS1において、ID1=(89)hかどうかが決定される。
ID1=(89)hでないならば、次に、処理がステップS2へ移り、ID1=(87)hかどうかが決定される。若し、そうならば、このID1に含まれるジャンル情報55aが記憶される(ステップS3)。ID1が(87)hでないならば、図示しないが、ID1が他のコードかどうかが順に決定され、ID1で識別されるデータ毎に文字情報55dが記憶される。
ステップS1において、ID1=(89h)が満たされる場合には、ステップS4において、ダイジェスト情報アドレス及び優先度55cが記憶される。ダイジェスト情報アドレスは、CD41の各曲および各ダイジェストのそれぞれと、スタートアドレスおよびエンドアドレスが対応したテーブルとして記憶される。
そして、ステップS5では、操作部62中のダイジェストキーがONされたかどうかが監視される。ダイジェストキーがONされた場合には、制御回路60がサーボ回路65を制御して、優先度の高い方から順にi番目の曲のダイジェストのスタートアドレスへ読み取りスポットを位置させる頭出し動作がなされる(ステップS6)。頭出しが完了すると、このスタートアドレスからダイジェストの再生動作が開始する(ステップS7)。ステップS8では、再生中の現在アドレスとエンドアドレスとの一致検出がなされ、一致した場合には、次のステップS9へ処理が移行する。
ステップS9では、そのCDの全てのダイジェストの再生が終了したかどうかが決定される。若し、終了した場合には、ダイジェスト再生動作が完了する。この検出のために、例えば、ダイジェストアドレス情報を記憶するテーブルにおいて、最後のダイジェストアドレス情報の次のアドレスに対して、終了を示すフラグ、あるいはコードを記憶するようになされる。全てのダイジェストの再生が完了していないと、ステップS9において決定されるならば、ステップS10において、優先度iの値がインクリメントされ、そして、ステップS6へ戻る。
また、上述した実施例では、CDのTOCがプログラム管理領域であるが、媒体が例えばテープの場合では、プログラム管理領域がテープの始端部分に記録されるように、記録媒体に応じたプログラム管理領域が設けられる。さらに、上述の一実施例では、サブコードとして、テキスト情報を記録しているが、テキスト情報を併せて記録する必要はない。よりさらに、この発明は、CD等の再生専用の記録媒体に限らず、記録も可能な記録媒体、再生専用領域と記録可能領域との両者を有する記録媒体に対しても適用することができる。