JP2005330536A - かしめ加工用アルミニウム合金クラッド板、その製造方法及びアルミニウム合金製端子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板は、純度が99.0質量%以上のアルミニウムよりなる皮材と、Cu:0.2〜0.9質量%、Mg:0.6〜1.4質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物のうち、Si:0.8質量%以下、Fe:0.6質量%以下、Mn:0.15質量%以下、Cr:0.3質量%以下、Zn:0.3質量%以下、Ti:0.1質量%以下、Zr:0.15質量%以下に制限したアルミニウム合金よりなる芯材とを備えるクラッド板であって、皮材のクラッド率を2〜10%とし、芯材の結晶粒径を35〜300μmとした。
【選択図】 なし
Description
また、120〜160℃の温度下での銅合金の応力緩和性は、C2600(70%Cu−Zn合金)を160℃の温度に1000時間保持した場合、残存応力20%以下(応力緩和80%強)であることが開示されている(例えば、非特許文献2参照)。
村上陽太郎編、「銅および銅合金の基礎と工業技術」、第1版、日本伸銅協会、昭和63年5月25日、p.384 村上陽太郎編、「伸銅品データブック」、第1版、日本伸銅協会、平成9年8月1日、p.187
しかし、本発明者らは、近年のかしめ加工品の軽量化の要求に応じるべく、鋭意実験研究した結果、アルミニウム合金クラッド板の皮材及び芯材の組成や製造方法等を適切に規定することにより、応力緩和が少なく、かつ、耐食性に優れたアルミニウム合金並びにその好適な製造条件を見出すことに成功し、本発明を完成するに至った。
また、本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板は、皮材を純アルミニウムとしたので、この皮材の表面に犠牲防食効果が作用し、アルミニウム合金のみで合金クラッド板を作製した場合と比較して耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド板を得ることができる。
また、このかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板は、皮材のクラッド率を適切な範囲に規定したので、皮材と芯材との圧着性が良好であるとともに、高い強度を付与することができる。
このように、前記の一定条件下における応力緩和率を適正な数値以上に規定するので、170℃程度で長期間放置した場合であっても、応力緩和を小さく保つことが可能となる。
また、本発明によれば、前記のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板を製造するのに好適な製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、軽量で腐食し難く、導電性に優れ、応力緩和が小さいアルミニウム合金製の端子を好適に提供することができる。特に、自動車用部品の端子として好適に用いることができる。
初めに、本発明に係るかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板について説明する。
端子等の導電体用途には、導電性が高いこと(表面の接触抵抗が小さいこと)が要求され、アルミニウム及びアルミニウム合金の中では、JIS H 4000で1000系として規定されている純アルミニウム(純度が99.0質量%以上)が適しているのは明らかである。しかしながら、純アルミニウムは強度が低いため、強い応力でのボルト締め及びかしめ加工ができず、また、応力緩和も大きいため、170℃程度の温度環境に長時間放置されると締結部に緩みが生じる可能性が高い。
まず、本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板の皮材について説明する。
(純度が99.0質量%以上のアルミニウム)
皮材には、表面の接触抵抗を小さくして導電性を高めるため、及び耐食性を高めるために、純度が99.0質量%以上の純アルミニウムを用いる。純度が99.0質量%未満では、かしめ加工用合金に要求される導電性や接触抵抗を満足することができない。また、純度が低いと犠牲防食効果を有効に得ることができない。従って、本発明の皮材に用いるアルミニウムの純度は99.0質量%以上とする。
次に、本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板の芯材の組成のうち、必須の元素であるCu及びMgの含有量の限定理由について説明する。
(Cu:0.2〜0.9質量%)
Cuは板の強度向上、及び粗大なβ′相(Mg−Si)の析出による応力緩和を抑制するために添加する。Cu含有量が0.2質量%未満では十分な効果が得られない。また、Cu含有量が0.9質量%を超えると、これらの効果が飽和するとともに、粗大析出物が形成されるため、かしめ加工性が低下する。従って、Cu含有量は0.2〜0.9質量%とする。
本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板を用いて例えば、端子等の締結部品を形成し、この端子を用いて他の部材をかしめて使用する場合において、初期に強くかしめるためには、その端子にある程度の強度及び伸びが必要である。これらの効果を得るためには、Mgを0.6質量%以上含有していることが必要である。但し、Mg含有量が1.4質量%を超えると、170℃以下の温度域であっても固溶限を超えてしまい、Mg単独でも析出して空孔移動を生じてしまうため、応力を緩和し易くなる。従って、Mg含有量は0.6〜1.4質量%とする。
(Si:0.8質量%以下)
不可避的不純物元素であるSiは、160℃で長時間保持されると過時効状態の粗大なβ′相組織となり、空孔移動を生じて応力を緩和し易くなる。従って、Si含有量は0.8質量%以下とする。なお、本質的にはSiは全く含有されないことが望ましいが、通常の生産においては0.4〜0.6質量%程度が含有されることが多く、その場合はCuを添加して粗大なβ′相の析出及び空孔の移動を抑制する。
Feの含有量が0.6質量%を超えると結晶粒が微細化され易くなるため、結晶粒径が35μm未満となる。結晶粒径が35μm未満になると空孔の消滅サイトである粒界までの距離が短くなり、かつ、粒界の面積も大きくなるため、応力緩和性が劣化する。従って、Fe含有量は0.6質量%以下とする。
Mnの含有量が0.15質量%を超えると応力緩和性が低下する。従って、Mn含有量は0.15質量%以下とする。
Crの含有量が0.3質量%を超えると結晶粒を微細化し易くなるので、応力緩和性が低下する。従って、Cr含有量は0.3質量%以下とする。
Znの含有量が0.3質量%を超えると応力緩和性が低下する。従って、Zn含有量は0.3質量%以下とする。
Tiは鋳塊組織微細化に寄与するが、その含有量が0.1質量%を超えると応力緩和性が低下する。従って、Ti含有量は0.1質量%以下とする。
Zrは含有量が0.15質量%を超えると巨大化合物Al3Zrを生成し易くなり、かしめ加工性を劣化させる。従って、Zr含有量は0.15質量%以下とする。
皮材のクラッド率が2%未満であると、クラッド圧延における圧着性が低下して製造が困難となる。また、クラッド率が10%を超えると強度が低下する。従って、皮材のクラッド率は2〜10%とする。
次に、本発明に係るかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板の製造方法について詳細に説明する。
本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板の製造方法としては、まず、純度が99.0質量%以上のアルミニウムの鋳塊を均質化熱処理(550〜630℃)した後、熱間圧延することで皮材用の板材を作製する(第一工程)。なお、最終冷間圧延後における皮材のクラッド率が2〜10%となるよう、芯材の鋳塊の厚さに応じて皮材用の板材の板厚を適宜調節する。
また、Cu:0.2〜0.9質量%、Mg:0.6〜1.4質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、Si:0.8質量%以下、Fe:0.6質量%以下、Mn:0.15質量%以下、Cr:0.3質量%以下、Zn:0.3質量%以下、Ti:0.1質量%以下、Zr:0.15質量%以下に制限したアルミニウム合金の鋳塊を均質化熱処理(450〜550℃)することで芯材用の鋳塊を作製する(同じく第一工程)。
更にその後、加工率7〜60%で最終冷間圧延を行う(第三工程)。このとき、最終冷間圧延の加工率が7%未満では最終的な熱処理後の再結晶粒が粗大になり過ぎ、60%を超えると再結晶粒が微細となり過ぎる。
更に、熱処理として、500〜570℃の温度で1時間以下保持し、その後1℃/秒以上の速度で冷却することが望ましい(第四工程)。このとき、加熱温度が500℃未満では構成元素の固溶が充分でなく、かしめ加工時に目的とする強度及び使用時に必要とされる耐応力緩和性が得られ難く、加熱温度が570℃を超えるとバーニングの懸念がある。また、加熱時間が1時間より長くなると結晶粒径が粗大化し過ぎる。
芯材の結晶粒径が35μm未満であると、空孔の消滅サイトである粒界までの距離が短くなり、かつ、粒界の面積も大きくなるため、応力緩和性が劣化する。一方、芯材の結晶粒径が300μmを超えると、かしめ加工時に肌割れや荒れの原因となる。従って、本発明においては、芯材の結晶粒径を35〜300μmとする。
かしめ加工に相当する、加工率30%の加工を付与して、160℃の温度条件下で100時間保持した後の応力緩和率が60%を超えると、実使用において締結部に緩みが生じて通電が遮断される。或いは、端子から電線が抜けてしまうなどの問題が発生し易くなる。そこで、同条件での応力緩和率は60%以下とする。
次に、図1から図3を参照して本発明に係るアルミニウム合金製端子について説明する。なお、図1(a)は自動車用蓄電池電線板端子を示す平面図であり、図1(b)はその側面図である。また、図2(a)は自動車用丸形板端子を示す平面図であり、図2(b)はその側面図である。更に、図3(a)は本発明のアルミニウム合金製端子が配線に取り付けられた状態の一例を示す斜視図であり、図3(b)はその接続部を示す拡大図である。
このように、本発明に係るかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板を用いた端子は、所定の組成を有するので耐食性及び導電性に優れるとともに、アルミニウムとアルミニウム合金によって構成されているので、従来用いられてきた銅合金製の端子より軽量であり、自動車部品の端子として広く活用され得る。
<第1実施例>
第1実施例では、本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板について説明する。
皮材の化学成分としては、表1に示すように、純度が98.5〜99.5質量%のアルミニウムを使用した。また、芯材としては、同じく表1に示すように、合金番号1〜25に表す化学成分を有するアルミニウム合金を使用した。なお、表1中で下線が付されているものは、化学組成が本発明で規定する範囲から外れていることを示している。
合金番号1〜25に示すアルミニウム合金クラッド板の製造方法としては、まず、表1中の純度を有するアルミニウムの鋳塊を600℃で均質化熱処理した後、熱間圧延して皮材用の板材を作製する。また、表1中の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊を510℃で均質化熱処理することで芯材用の鋳塊とした後、これらを張り合わせて再加熱し、熱間圧延した後に冷間圧延及び中間焼鈍(370℃×4時間)を行った。その後、加工率を50%として最終冷間圧延を施し、板厚が1.5mmのアルミニウム合金板とした。なお、このときの皮材のクラッド率は5%とした。
次に、530℃の温度条件下で30秒間保持した後、5℃/秒の速度で冷却した。このようにして合金番号1〜25に示すアルミニウム合金クラッド板を作製した。
すなわち、合金番号14のアルミニウム合金クラッド板は、皮材のアルミニウムの純度が98.5%と下限値未満である。また、合金番号15及び16のアルミニウム合金クラッド板は、芯材におけるCuの含有量が本発明で規定した範囲の下限値未満又は上限値を超えているものであり、合金番号17及び18のアルミニウム合金クラッド板は、芯材におけるMgの含有量が本発明で規定した範囲の下限値未満又は上限値を超えているものである。更に、合金番号19〜25のアルミニウム合金クラッド板は、芯材における不可避的不純物であるSi,Fe,Mn,Cr,Zn,Ti及びZrが各々本発明で規定した範囲の上限値を超えているものである。
これら合金番号1〜25に示す各発明例及び各比較例を用いて下記の試験及び評価を行った。
合金番号1〜25のアルミニウム合金クラッド板について、引張り方向が圧延方向と平行となるようにJIS Z 2201に記載されている5号試験片を作製した。その後、各アルミニウム合金板の5号試験片について、JIS Z 2241に記載されている金属材料引張試験方法による引張試験を実施し、引張強さ、耐力及び伸びを求めた。
かしめ加工性の評価は、90°曲げ試験(R=0.5)によって行った。肌荒れ及び肌割れが発生しなかったものをかしめ加工性が良好であると評価して「○」とし、肌荒れ及び肌割れが発生したものを不良であると評価して「×」とした。
かしめ強度は、かしめ加工後の剛性で評価した。なお、かしめ強度は板厚及び耐力に比例する。そこで、かしめ加工を想定して加工率30%の冷間圧延加工を行った後の耐力(かしめ加工を想定した冷間圧延加工後の耐力)を求め、この耐力と、別途測定した板厚との積を算出して、その値が260mm・N/mm2以上となるものを、かしめ強度が合格であると評価した。
応力緩和性の評価は、図4の模式図に示す応力緩和試験によって行った。
まず、合金番号1〜25の各アルミニウム合金クラッド板を用いて、かしめ加工を想定して圧延率30%の冷間圧延を行い、その後、幅10mm、長さ150mmの試験片を切り出した。次に、図4に示すように、日本電子材料工業会標準規格EMAS−3003に記載の片持ち梁式により、試験片S1に耐力の80%の応力を付加して変形させ、各試験片の変形量(δ0)を測定する。そして、その状態のまま160℃で100時間保持した後、応力を除去して再度試験片の変形量(ε)を測定する。応力緩和性の評価指標となる応力緩和率は、「応力緩和率=(ε/δ0)×100」で求めることができる。この応力緩和率の値が60%以下のものを応力緩和性に優れる(応力緩和が小さい)として合格とした。
図5(a)は接触抵抗の測定方法を示す斜視図であり、図5(b)は図5(a)に示す接触子を示す斜視図であり、図5(c)はその形状を示す側面図である。
接触抵抗は、大気中において160℃で100時間加熱した合金番号1〜25のアルミニウム合金板S2を、室温に放置して冷却した後、図5(a)に示す電気接点シミュレータ30に供して、電流I,Iと電圧V,Vを用いた4端子法によって測定した。測定は、図5(b)及び(c)に示すように、直径1mmの金製ワイヤを曲げ加工した接触子31を使用し、荷重負荷ΔWを5Nとして行った。なお、接触抵抗値が0.32mΩ以下のアルミニウム合金板を合格とした。
以上の試験・評価を行った結果を表2に示す。
すなわち、合金番号14に示すアルミニウム合金クラッド板は、皮材のアルミニウムの純度が本発明で規定した範囲の下限値未満であるため、接触抵抗が高いものとなった。
また、合金番号16に示すアルミニウム合金クラッド板は、芯材におけるCuの含有量が本発明で規定した範囲の上限値を超えるため、かしめ加工性が劣るものであった。
また、合金番号18に示すアルミニウム合金クラッド板は、芯材におけるMgの含有量が本発明で規定した範囲の上限値を超えるため、応力緩和性が劣るものであった。また、接触抵抗も高いものであった。
また、合金番号20に示すアルミニウム合金クラッド板は、芯材におけるFeの含有量が本発明で規定した範囲の上限値を超えているため、応力緩和性が劣るものであった。
また、合金番号25に示すアルミニウム合金クラッド板は、芯材におけるZrの含有量が本発明で規定する範囲の上限値を超えているため、かしめ加工性が劣るものであった。
第2実施例では、本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板について更に説明する。
まず、皮材として、純度が99.5質量%のアルミニウムを用い、芯材には表3に示す化学成分のアルミニウム合金を使用し、これら皮材と芯材とのクラッド率を1〜15%の間で4水準に変化させた合金番号26〜29のアルミニウム合金クラッド板を製作した。
合金番号26〜29に示すアルミニウム合金クラッド板の製造方法としては、まず、表3中の純度を有するアルミニウムの鋳塊を600℃で均質化熱処理した後、熱間圧延して皮材用の板材を作製する。また、表3中の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊を510℃で均質化熱処理することで芯材用の鋳塊とした後、これらを張り合わせて再加熱し、熱間圧延した後に冷間圧延及び中間焼鈍(370℃×4時間)を行った。その後、加工率を50%として最終冷間圧延を施し、板厚が1.5mmのアルミニウム合金板とした。
更に、530℃の温度条件下で30秒間保持した後、5℃/秒の速度で冷却して合金番号26〜29のアルミニウム合金板を作製した。そして、これらのアルミニウム合金板について、前記各種の試験・評価を行った。結果を表4に示す。
また、合金番号29に示すアルミニウム合金クラッド板は、クラッド率が本発明で規定した範囲の上限値を超えているため、応力緩和性に劣るものであった。また、かしめ強度も劣っていた。
次に、第3実施例では、本発明のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板の製造方法について説明する。
皮材の化学成分としては、純度が99.5質量%のアルミニウムを用いた。また、芯材の化学成分としては、前記表1の合金番号1に示すアルミニウム合金を用いた。これら皮材用のアルミニウムの板材と芯材用のアルミニウム合金の鋳塊とを使用し、中間焼鈍後の最終冷間圧延における加工率を5〜65%の間で4水準に変化させて、合金番号30〜33のアルミニウム合金板を作製した。
次に、530℃の温度条件下で30秒間保持して溶体化処理を行った後、5℃/秒の速度で冷却した。このようにして合金番号30〜33に示すアルミニウム合金クラッド板を作製した。
一方、冷間圧延加工率が本発明で規定する範囲より低く、本発明の比較例である合金番号32に示すアルミニウム合金クラッド板は、結晶粒径が粗大(300μmを超える)であるために、かしめ加工性が劣っていた。
また、冷間圧延加工率が本発明で規定する範囲より高い合金番号33に示すアルミニウム合金クラッド板は、結晶粒径が微細(35μm未満)であるために応力緩和性が劣っていた。
21,21a 自動車用丸形板端子
Claims (5)
- 純度が99.0質量%以上のアルミニウムよりなる皮材と、
Cu:0.2〜0.9質量%、Mg:0.6〜1.4質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、Si:0.8質量%以下、Fe:0.6質量%以下、Mn:0.15質量%以下、Cr:0.3質量%以下、Zn:0.3質量%以下、Ti:0.1質量%以下、Zr:0.15質量%以下に制限したアルミニウム合金よりなる芯材とを備えるかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板であって、
前記皮材のクラッド率が2〜10%であり、芯材の結晶粒径が、35〜300μmであることを特徴とするかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板。 - かしめ加工に相当する、加工率30%の加工を付与して、160℃の温度条件下で100時間保持した後の応力緩和率が60%以下であることを特徴とする請求項1に記載のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板。
- 純度が99.0質量%以上のアルミニウムの鋳塊を均質化熱処理した後に熱間圧延し、皮材用の板材を作製すると共に、
Cu:0.2〜0.9質量%、Mg:0.6〜1.4質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、Si:0.8質量%以下、Fe:0.6質量%以下、Mn:0.15質量%以下、Cr:0.3質量%以下、Zn:0.3質量%以下、Ti:0.1質量%以下、Zr:0.15質量%以下に制限したアルミニウム合金からなる芯材用の鋳塊を作製し、この芯材用の鋳塊を均質化熱処理する第一工程と、
熱間圧延において、前記第一工程で作製した皮材用の板材と芯材用の鋳塊とを、最終冷間圧延後の前記皮材のクラッド率が2〜10%となるように張り合わせた後、加熱して熱間圧延する第二工程と、
前記第二工程後の冷間圧延において、加工率7〜60%で最終冷間圧延する第三工程と、
前記第三工程後に熱処理と冷却を行う第四工程と、
を含むことを特徴とするかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板の製造方法。 - 前記熱間圧延と前記最終冷間圧延との間に、冷間圧延及び中間焼鈍を行うことを特徴とする請求項3に記載のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板の製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載のかしめ加工用アルミニウム合金クラッド板を用いて製造されたことを特徴とするアルミニウム合金製端子。
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