JP2005330139A - 水素生成装置および燃料電池発電システム - Google Patents

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Kiyoshi Taguchi
清 田口
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Abstract

【課題】従来の水素生成装置では、燃料中の硫黄化合物を除去するのみであり、供給される水に硫酸イオン、亜硫酸イオン、スルホン酸等の硫黄分が含まれる場合、水蒸気中に硫黄酸化物が混入してしまい、改質触媒の被毒が避けられなかった。
【解決手段】炭化水素系燃料を触媒層に流通させ改質反応を行う改質部7と、改質部に連通して燃料を供給する燃料供給部1と、改質部7に連通して水蒸気を生成供給する水蒸発部4とを備え、改質部7と水蒸発部4との間に、硫黄酸化物の吸収剤または吸着剤を充填した硫黄酸化物除去部5を備えることにより、水蒸気中の硫黄酸化物を除去することが可能になり、それによって改質触媒を被毒させることがなく、水素生成装置の安定的な動作を保証することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素系燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成し、燃料電池の燃料ガスとして供給する水素生成装置、および、水素生成装置から供給される水素ガスを用いる燃料電池発電システムに関する。
固体高分子型燃料電池(PEFC)やりん酸型燃料電池(PAFC)の発電に使用される燃料には水素ガスが用いられる。水素の工業的製造法としては水の電気分解などがあり、その他には炭化水素ガスの水蒸気改質法、部分酸化法、両者を組み合わせたオートサーマル法などがある。これらの改質法では、メタン、エタン、プロパン、ブタン、都市ガス、LPガス、その他の炭化水素ガス(二種類以上の炭化水素の混合ガスを含む)に例示される少なくとも炭素及び水素から構成される有機化合物を含む原料を改質して水素リッチガスを生成させるが、いずれの場合にも改質装置が用いられる。都市ガスやLPガスにはサルファイド類、メルカプタン類などの付臭剤が添加されている。改質触媒は、これらの硫黄化合物によって被毒し性能劣化をきたしてしまうため、硫黄化合物を除去する必要があり、水素化脱硫(例えば、特許文献1参照)や吸着脱硫(例えば、特許文献2参照)によって脱硫を行う。脱硫された原料は、改質部へ導入され、改質部中での改質反応により水素リッチな改質ガスが生成される。これらの水素は、燃料電池の燃料として用いることができる。ここではNi系やRu系等の触媒が用いられるが、その触媒を機能させるには600〜700℃程度の温度が必要である。PEFCに供給する燃料中の一酸化炭素(CO)含有量は50ppm(容量、以下同じ)程度が限度であり、これを越えると電池性能が著しく劣化するので、COはPEFCへ導入する前にできる限り除去する必要がある。改質部において生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、炭酸ガスのほか、COが副生し、改質器の性能にもよるが、通常、8〜15%(容量、以下同じ)程度含まれている。このため改質ガスは、この副生COを除去するためにシフト反応部へ導入される。シフト反応部ではシフト反応(1)によりCOが炭酸ガスと水素に変えられる。シフト反応部を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、微量のCOが含まれている。このため、空気等の酸化剤ガスを添加し、CO酸化部において、COの酸化反応(2)により、COを50ppm以下、好ましくは10ppm以下というように低減させる。こうして精製された水素リッチガスがPEFCの燃料極に供給される。
Figure 2005330139
特開2001−200278号公報 特開2003−020489号公報 J.Chem.Phys.vol.72.No.12,6332,1980 J.Chem.Phys.vol.74.No.10,5877,1981
しかしながら、上記従来の構成では、原料中の硫黄化合物を除去するのみであり、供給される水に硫酸イオン、亜硫酸イオン、スルホン酸等の硫黄分が含まれる場合、水蒸気中に硫黄酸化物が混入してしまい、改質触媒の被毒が避けられないという課題を有していた。
家庭用の燃料電池システムは、コンパクトかつ安価である必要がある。金属を配管に用いると、取り回しが困難であり、高価なため、フッ素樹脂でコーティングしたゴムホース等を水経路に用いることがある。コーティングが不十分な場合など、水経路内へ加硫に用いた硫黄化合物や硫黄を含んだイオンが溶出してくることがある。純水製造を安価に行うため、通常、スルホン基を含むイオン交換樹脂を用いるが、モノマーとしての硫酸イオンが残存している場合がある。また、PEFCにおいて、燃料電池スタックは冷却水によって冷却されるが、スタックの絶縁性を保つ観点から、冷却水は純水であることが求められる。冷却水は、燃料電池スタックを出た後、カソード用空気などと全熱交換されるが、この全熱交換器は、冷却水流路とカソード空気流路の間に一般にパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜が用いられる。熱交換器を通った水は、まだ熱を持っているため、これを水蒸気改質に用いると効率が良くなるが、こうした場合、熱交換器から不純物としてスルホン酸が添加されてしまう。一般的な改質触媒であるRu系、Ni系触媒では、マカーティらの研究(例えば、非特許文献1及び2参照)が明らかにしているように、炭化水素中の硫黄含有量が極微量であっても、Ru、Niの硫黄吸着力が強力であるので、触媒の大部分は硫黄により覆われ、失活してしまう。燃料中の硫黄が100ppbでも大きく劣化することが知られている。これに対して、例えば、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を全熱交換器に用いた場合、使用する温度にもよるが、パーフルオロスルホン酸樹脂膜に残存している硫酸イオンや亜硫酸イオンが溶出したり、スルホン基を含む側鎖が高分子体から脱離し、水中にR−SO3Hとして混入したりしてしまう。これにより、全熱交換器を流通した冷却水は300ppb程度の硫酸イオンを含んでしまうこともある。これを改質水として用いた場合、下記式(3)〜(5)のように、水蒸気中に硫黄酸化物が混入してしまい、濃度が100ppb程度に相当する場合もある。この場合、原料と水蒸気を混合した後に水素化脱硫を行うことによって、前記課題は解決できるが、水素化脱硫には脱硫部への水素供給ライン等が必要であるので装置が複雑になってしまい、コンパクトにできないという課題があった。また、水素化脱硫に用いる触媒が、頻繁な起動停止には向かないといった課題があった。吸着脱硫は、原料中の硫黄化合物の吸着除去を行うが、選択性があるために、硫黄酸化物を除去することができない。本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水蒸気中の硫黄酸化物による改質触媒劣化を抑えた水素生成装置を提供することを目的とする。
Figure 2005330139
上記課題を解決するための、本発明の水素生成装置は、原料を触媒層に流通させ改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質部に連通して燃料を供給する燃料供給部と、水蒸気を生成し、前記改質部に生成された水蒸気を供給する水蒸発部とを有し、前記改質部と前記水蒸発部間に、水蒸気中の硫黄酸化物の吸収剤または吸着剤を充填した硫黄酸化物除去部を備えたことを特徴とする。
本発明の水素生成装置は、前記硫黄酸化物除去部に充填される物質が、アルカリ土類金属、Mn、Co、Ce、Zr、Cu、及びFeのうち少なくとも一つの金属を含む金属酸化物であることを特徴とする。
本発明の水素生成装置は、硫黄酸化物除去部への酸素供給手段を設けると共に、硫黄酸化物除去部に貴金属もしくは酸化バナジウムのうち少なくとも一つを含む物質を充填することを特徴とする。
本発明の水素生成装置は、水蒸発部に供給される水が、スルホン基を含む樹脂と接触した後に水蒸発部に流通するよう構成されていることを特徴とする。
本発明の水素生成装置は、原料供給部と改質部間に、原料中の硫黄化合物を除去する脱硫剤を充填した脱硫部を備えたことを特徴とする。
本発明の燃料電池システムは、上記本発明の水素生成装置と、前記水素生成装置から供給される水素ガスで発電を行う燃料電池とを備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池より回収した水を水蒸発部に供給することを特徴とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池がスルホン基を含む水素イオン導電性電解質膜を用いた燃料電池であることを特徴とする。
本発明の燃料電池システムは、スルホン基を含む水透過性樹脂膜で構成された加湿部を設け、燃料電池を加湿することを特徴とする。
本発明の燃料電池システムは、水蒸発部へ供給される水の供給経路の一部が加硫された高分子体で構成されたことを特徴とする。
本発明の水素生成装置によれば、水蒸気中の硫黄酸化物を除去することが可能になり、それによって改質触媒を被毒させることがなく、水素生成装置の安定的な動作を保証することができる。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における水素生成装置を燃料電池システムに組み込んだ概略構成を示す説明図である。
図1において、原料供給部1の下流に吸着剤を充填した原料脱硫部2が設置されている。改質水供給部3の下流に蒸発部4が設置され、蒸発部4の下流に硫黄酸化物除去部5が設置されている。改質部6の下流側にはシフト反応部7が設置されており、シフト反応部7の下流側には、CO酸化用空気供給部8が設置されており、CO酸化用空気供給部8の下流にCO酸化部9が設置されている。CO酸化部9の下流側には、燃料電池発電部10が設置されている。水タンク11と燃料電池発電部10の間には、冷却水を流通させるための冷却水循環部12が設置されており、冷却水循環部12には熱交換器13と冷却水温度検知器17が設置されている。燃料電池発電部からのオフガスは、凝縮器14を介して改質加熱部15に供給され、燃焼される。凝縮器14において得られた水は、イオン交換樹脂16を経て水タンク11へ供給される。また、カソード用空気供給部18から供給されるカソード用空気は、熱交換器において加湿され、燃料電池発電部へ供給される。
なお、改質部には耐熱性担体であるアルミナにRuを担持した改質触媒、シフト反応部には銅−亜鉛からなる変成触媒、CO酸化部にはアルミナにPtを担持したCO酸化触媒をそれぞれ充填している。これらの触媒は、水素生成装置において一般的に用いられる触媒であり、同様な機能を有する他の触媒を用いても本発明による効果は変わらない。例えば、改質触媒としてはNi触媒、シフト反応触媒としてはPt触媒やFe−Cr触媒、CO酸化触媒としてはRu触媒等も用いられる。また、硫黄酸化物除去部には酸化カルシウムが充填されているが、この場合には酸化カルシウムを300℃から500℃程度に保つことによって、下記式(6)、(7)によって硫黄酸化物が除去される。
Figure 2005330139
酸化マグネシウムを用いた場合も下記式(8)、(9)に示した反応によって硫黄酸化物が除去される。
Figure 2005330139
硫黄酸化物の大部分が三酸化硫黄である場合には、酸化バリウムや酸化セリウムなど同様の機能を有する材料を用いても、本発明による効果は変わらない。脱硫器へ充填される脱硫剤としては、例えばゼオライトが用いられる。
次に、本実施の形態における燃料電池発電システムの動作について説明する。
改質部に供給する原料は、天然ガス、メタノール、ガソリンなどに例示される少なくも炭素及び水素から構成される有機化合物を含む材料であり、改質方法も、水蒸気を加える水蒸気改質、空気を加えて行う部分改質などがある。本発明は水蒸気改質に限られるものではないが、ここでは、天然ガスを水蒸気改質して改質ガスを得る場合について述べる。
本発明の硫黄酸化物除去剤は、天然ガスに付臭成分として添加されている硫黄化合物を除去することができない。原料中の硫黄化合物を除去する必要があるために原料は、原料脱硫部2へ送られ脱硫される。改質水は水タンク11より改質水供給部3を通じて蒸発部4に供給され水蒸気となる。水蒸気は硫黄酸化物除去部5に流通して水蒸気に含まれた硫黄酸化物を除去する。脱硫した原料と硫黄酸化物を除去した水蒸気を混合し、改質部へ導入する。
改質触媒は650−700℃程度の温度になるように加熱し、原料と水蒸気を反応させて水素を主成分とする改質ガスに転換する。生成した改質ガスの組成は、改質触媒の温度によって多少変化するが、水蒸気を除いた平均的な値として、水素が約80%、二酸化炭素、一酸化炭素がそれぞれ約10%含まれる。この改質ガスのCO濃度を、改質部6の下流側に設置されたシフト反応部7において、シフト反応によって0.5%程度まで低減し、次にCO酸化用空気供給部8から供給された空気中の酸素とCOをCO酸化部9において反応させることで、10ppm以下まで低下させる。こうしてCOを除去された改質ガスは燃料電池発電部10に供給される。発電時には電気と同時に熱も発生するため、冷却水循環部12によって供給される冷却水によって燃料電池発電部10を冷却し、一定温度に制御する。燃料電池発電部10の温度は冷却水温度検知器17によって検知される温度が一定になるように、冷却水を増減させることによって制御される。
ここでは、効率を向上させるため、燃料電池発電部10の冷却水を改質水の一部として利用する形態について述べる。このような場合には、冷却水タンク11には、300ppb程度の硫酸イオン、亜硫酸イオン、スルホン酸等の硫黄分が含まれる。これらは、蒸発時に二酸化硫黄、三酸化硫黄となり、水蒸気とともに改質触媒へ供給される。改質触媒と硫黄酸化物除去剤の充填量にもよるが、硫黄酸化物除去剤を充填した場合には、1000時間後でも転化率(数1)が90%以上を維持できたが、硫黄酸化物除去剤を充填しなかった場合には、1000時間後には転化率が75%に落ちる。
Figure 2005330139
ここでは、脱硫された原料が硫黄酸化物を除去した水蒸気と混合する形態を説明したが、図2のように、原料脱硫部2を経て脱硫された原料が水蒸気と混合され、硫黄酸化物除去部に供給される形態でも良いし、図3のように、原料脱硫部2を経て脱硫された原料が水蒸発部4に供給される形態でも良い。また、効率を向上させるために熱交換器を通った冷却水を改質水の一部に用いる場合を述べたが、図4、図5、図6のように、水タンク内に仕切りを設け、水タンク内において、凝縮器14で得られた水と熱交換器を通ってきた水とを熱交換させる様態でも良い。このような場合には、50ppb程度の硫酸イオン、亜硫酸イオン、スルホン酸等の硫黄分が含まれる。
(実施の形態2)
次に本発明の実施2の形態について述べる。本実施の形態は、図7に示すように、蒸発部と硫黄酸化物除去部の間に、硫黄酸化物除去用空気供給部を設けたこと以外は、実施の形態1と類似である。したがって図3には図1と同一部または相当部には同一符号を付し、詳細な説明は省略し、異なる点を中心に本実施の形態を説明するとともに、これにより、本発明の水素生成装置、水素生成方法の説明を行う。
貴金属や酸化バナジウムと酸素を用いることによって、硫黄酸化物の除去をより効率的に行うことができる。これは、貴金属上や酸化バナジウム上で二酸化硫黄が下記式(4)のように酸化反応によって三酸化硫黄となるため、硫黄酸化物除去剤との反応が容易におこるためであり、水蒸気中に二酸化硫黄が多く含まれる場合には特に有効である。
Figure 2005330139
例えば、Ptを酸化バリウムに担持した硫黄酸化物除去剤を硫黄酸化物除去部5に充填し、硫黄酸化物除去用空気供給部21より水蒸気に空気を添加し、水蒸気中の硫黄酸化物を除去する。酸素源として空気の代わりに酸素を用いても効果は変わらない。添加する空気の量は、水蒸気改質反応やオートサーマル反応など目的とする反応の種類によって調節する。なお、改質部には耐熱性担体であるアルミナにPtを担持した改質触媒を上流側に充填し、Ruを担持した改質触媒をその下流側に充填している。Ru触媒は酸化に弱いため、上流側に酸化に強いPt触媒を配置している。シフト反応部にはPtを担持したセリアージルコニア固溶体からなる変成触媒、CO酸化部にはアルミナにPtを担持したCO酸化触媒をそれぞれ充填している。これらの触媒は、水素生成装置において一般的に用いられる触媒であり、同様な機能を有する他の触媒を用いても本発明による効果は変わらない。また、効率を向上させるために熱交換器を通った冷却水を改質水の一部に用いる場合を述べたが、図8のように、水タンク内に仕切りを設け、水タンク内において、凝縮器14で得られた水と熱交換器を通ってきた水とを熱交換させる様態でも良い。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはもちろんである。
(実施例1)
常圧流通式反応装置を用い、改質水中の硫酸濃度を変化させ、改質触媒へ与える影響を評価した。メタンガスを毎分500mL供給した。改質水には濃度が10−1000ppbの硫酸を用い、S/Cが3となるように供給した。改質触媒にはペレット状のRu触媒を用い、30mL充填した。改質触媒の温度が650℃になるように電気炉を用いて加熱した。図9に1000時間後の触媒活性を示す。改質水中の硫黄濃度と触媒活性には相関があることがわかった。
(実施例2)
概略が図10で示すような常圧流通式反応装置を用い、様々な硫黄酸化物除去剤を用いた場合の改質触媒性能の評価を行った。メタンガスをメタン供給部31より毎分500mL供給した。改質水には濃度が1000ppbの硫酸を用い、S/Cが3となるように改質水供給部より供給した。改質触媒36にはペレット状のRu触媒を用い、30mL充填した。ペレット状の硫黄酸化物除去剤35を用い、50mL充填した。硫黄酸化物除去剤の温度が400℃になるように電気炉34を用いて加熱した。改質触媒の温度が650℃になるように電気炉34を用いて加熱した。表1に1000時間後の転化率を示す。硫黄酸化物除去剤を充填する効果が確認できた。
Figure 2005330139
(実施例3)
概略が図1に示すような燃料電池発電システムを作製した。都市ガス13A供給部の下流に、ゼオライト系吸着脱硫部を設置し、改質水蒸発部は、水蒸気改質反応の廃熱を利用できるように円柱状水蒸気改質反応器の外周に設置した。水蒸気改質反応部は、燃料電池発電部からのアノードオフガスを燃焼させることによって加熱され、改質反応部中心に配置したオフガスバーナーの周囲にRu触媒を配置させ、そのRu触媒に上方から下方へ水蒸気を含む都市ガスを供給する構成とした。水蒸発部の下流とRu触媒の間で、20−600℃となる位置に酸化カルシウムからなる直径約3mmの硫黄酸化物除去剤を50cc充填した。改質部の下流側には筒状のシフト反応部を設置し、シフト反応部の下流には、CO酸化用空気供給部を設置し、CO酸化用空気供給部の下流に筒状のCO酸化反応器を設置した。改質部には0.2LのRu触媒、シフト反応部に2Lの銅亜鉛触媒、CO酸化部には0.2LのPt触媒をそれぞれ充填した。充填した触媒は全てペレット状のものを用いた。原料供給部より1分当たり7Lの13Aと、改質水供給部よりS/Cが3となるように調節した改質水とをそれぞれ改質部に供給した。改質部内のRu触媒が650℃となるように加熱部の燃焼量を調節し、改質ガスを生成させ、燃料電池発電部に供給した。燃料電池発電部において直流電力が2kWとなるように発電させた。水蒸気改質に利用される改質水は、燃料電池で発生する水を凝縮させ、スチレン系でスルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂と弱塩基性アニオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂部を通ったものであり、改質水タンクに貯蔵されている。イオン交換樹脂部を通った水は、冷却水循環部を介してスタック冷却にも用いた。スタック冷却に用いられる水は、スタック内のカーボンセパレーターの冷却水流路を通り、燃料電池発電部の熱を除去し、その後、パーフルオロスルホン酸樹脂膜からなる熱交換器でカソード用空気と膜を介して接することにより、カソード空気を加湿すると共に、冷却される。その後、改質水タンクに戻るため、改質水タンク内の水は50−60℃まで加熱される。冷却水温度検知部で検知される温度が80度となるように冷却水の流量を調節し、原料供給部と加熱部に供給された都市ガス13Aの総発熱量と直流電力2kWから算出される発電効率を求めたところ、37%であった。また、通電開始時において、水蒸気改質部出口の転化率を求めたところ、89%であった。1000時間後の水タンク内の硫酸イオン濃度は300ppbであり、改質率は88%であり、改質触媒には特に劣化は見られなかった。
(実施例4)
概略が図11で示すような常圧流通式反応装置を用い、硫黄酸化物除去剤および触媒性能の評価を行った。二酸化硫黄が1000ppbとなるように調製したメタンガスをメタン供給部31より毎分500mL供給した。改質水には純水を用い、S/Cが3となるように改質水供給部32より供給した。硫黄酸化物除去用空気供給部37より、空気を毎分1mL供給した。改質触媒にはPt触媒38を10mLとRu触媒36を20mL用い、充填した。硫黄酸化物除去剤35の温度が400℃になるように電気炉34を用いて加熱した。改質触媒の温度が650℃になるように電気炉34を用いて加熱した。表2に1000時間後の転化率を示す。硫黄酸化物除去剤を充填する効果が確認できた。
Figure 2005330139
(実施例5)
概略が図7に示すような燃料電池発電システムを作成した。都市ガス13A供給部の下流に、ゼオライト系吸着脱硫部を設置し、改質水蒸発部は、水蒸気改質反応の廃熱を利用できるように円柱状水蒸気改質反応器の外周に設置した。水蒸気改質反応器は、燃料電池発電部からのアノードオフガスを燃焼させることによって加熱され、改質反応器中心に配置したオフガスバーナーの周囲にPt触媒とRu触媒を配置させ、そのPt触媒とRu触媒に上方から下方へ水蒸気を含む都市ガスを供給する構成とした。水蒸発部の下流に硫黄酸化物除去用空気供給部を配置し、硫黄酸化物除去部へ空気を供給できるようにした。硫黄酸化物除去用空気供給部とRu触媒の間で、300−600℃となる位置にCe、Zr、Baの複合酸化物にPt、Pd各成分を担持させ、アルミナハニカムへ固定化した硫黄酸化物除去剤を50cc充填した。改質部の下流側には筒状のシフト反応部を設置し、シフト反応部の下流には、CO酸化用空気供給部を設置し、CO酸化用空気供給部の下流に筒状のCO酸化反応器を設置した。改質部には0.05LのPt触媒と0.2LのRu触媒、シフト反応部に2LのPt触媒、CO酸化部には0.2LのPt触媒をそれぞれ充填した。充填した触媒は全てペレット状のものを用いた。原料供給部より、1分あたり7Lの13Aと、改質水供給部よりS/Cが3となるように調節された改質水とをそれぞれ、改質部に供給した。硫黄酸化物除去用空気供給部から空気を1分あたり16cc供給した。改質部内のRu触媒が650℃となるように加熱部の燃焼量を調節し、改質ガスを生成させ、燃料電池発電部に供給した。燃料電池発電部において直流電力が2kWとなるように発電させた。水蒸気改質に利用される改質水は、燃料電池で発生する水を凝縮させ、スチレン系でスルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂と弱塩基性アニオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂部を通ったものであり、改質水タンクに貯蔵されている。イオン交換樹脂部を通った水は、冷却水循環部を介してスタック冷却にも用いた。スタック冷却に用いられる水は、スタック内のカーボンセパレーターの冷却水流路を通り、燃料電池発電部の熱を除去し、その後、パーフルオロスルホン酸樹脂膜からなる熱交換器でカソード用空気と膜を介して接することにより、カソード空気を加湿すると共に、冷却できる。その後、改質水タンクに戻るため、改質水タンク内の水は50−60℃まで加熱される。冷却水温度検知部で検知される温度が80度となるように冷却水の流量を調節し、原料供給部と加熱部に供給されたメタンの総発熱量と直流電力2kWから算出される発電効率を求めたところ、37%であった。また、通電開始時において、水蒸気改質部出口のメタン残存率から転化率を求めたところ、88%であった。1000時間後の水タンク内の硫酸イオン濃度は300ppbであり、転化率は87%であり、水蒸気改質触媒には特に劣化は見られなかった。
(比較例1)
実施例1で、硫黄酸化物除去部に硫黄酸化物除去剤を充填しないで実施例1と同様に、燃料電池発電部10において直流電力が2kWとなるように発電させた。冷却水温度検知部17で検知される温度が80℃となるように冷却水の流量を調節し、1000時間運転させた。1000時間後の水タンク内の硫酸イオン濃度は300ppbであり、改質率は65%であった。
(比較例2)
実施例5で、硫黄酸化物除去部に硫黄酸化物除去剤を充填しないで実施例2と同様に、燃料電池発電部8において直流電力が2kWとなるように発電させた。冷却水温度検知部11で検知される温度が80℃となるように冷却水の流量を調節し、1000時間運転させた。1000時間後の水タンク内の硫酸イオン濃度は300ppbであり、改質率は60%であった。
本発明にかかる水素生成装置は、安定した水素生成能力を有し、PEFC用水素生成装置等として有用である。また水素ガス製造等の用途にも応用できる。
本発明の実施の形態1における燃料電池システムの概略図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの概略図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの概略図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの概略図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの概略図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの概略図 本発明の実施の形態2における燃料電池システムの概略図 本発明の実施の形態2における燃料電池システムの概略図 本発明の実施例1における1000時間後のメタン転化率を示した図 本発明の実施例2における触媒性能の評価を行うための固定床常圧流通式反応装置を示す概略図 本発明の実施例4における触媒性能の評価を行うための固定床常圧流通式反応装置を示す概略図
符号の説明
1 原料供給部
2 原料脱硫部
3 改質水供給部
4 蒸発部
5 硫黄酸化物除去部
6 改質部
7 シフト反応部
8 CO酸化用空気供給部
9 CO酸化部
10 燃料電池発電部
11 水タンク
12 冷却水循環部
13 熱交換器
14 凝縮器
15 改質加熱部
16 イオン交換樹脂
17 冷却水温度検知器
18 カソード用空気供給部
21 硫黄酸化物除去用空気供給部
31 メタン供給部
32 改質水供給部
33 蒸発部
34 電気炉
35 硫黄酸化物除去剤
36 Ru触媒
37 硫黄酸化物除去用空気供給部
38 Pt触媒

Claims (10)

  1. 原料を触媒層に流通させ改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質部と、
    前記改質部に原料を供給する原料供給部と、
    水蒸気を生成し、前記改質部に生成された水蒸気を供給するための水蒸発部とを有し、
    前記改質部と前記水蒸発部間に、水蒸気中の硫黄酸化物の吸収剤または吸着剤を充填した硫黄酸化物除去部を備えたことを特徴とする水素生成装置。
  2. 硫黄酸化物除去部に充填される物質が、アルカリ土類金属、Mn、Co、Ce、Zr、Cu、及びFeのうち少なくとも一つの金属を含む金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の水素生成装置。
  3. 硫黄酸化物除去部への酸素供給手段を設けると共に、硫黄酸化物除去部に貴金属、酸化バナジウムのうち少なくとも一つを含む物質を充填することを特徴とする請求項1または2記載の水素生成装置。
  4. 水蒸発部に供給される水が、スルホン基を含む樹脂と接触した後に水蒸発部に流通するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水素生成装置。
  5. 原料供給部と前記改質部との間に、原料中の硫黄化合物を除去する脱硫剤を充填した脱硫部を備えたことを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかに水素生成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の水素生成装置と、前記水素生成装置から供給される改質ガス中の水素を用いて発電を行う燃料電池とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 燃料電池より回収した水を前記水蒸発部に供給することを特徴とした請求項6記載の燃料電池システム。
  8. 燃料電池が、スルホン基を含む水素イオン導電性高分子電解質膜を用いた燃料電池であることを特徴とする請求項6または7記載の燃料電池システム。
  9. スルホン基を含む水透過性樹脂膜で構成された加湿部を設け、前記加湿部を用いて、燃料電池に供給する空気を加湿することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の燃料電池発電システム。
  10. 水蒸発部へ供給される水の供給経路の一部が加硫された高分子体で構成されたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の燃料電池発電システム。
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WO2012099287A1 (ko) * 2011-01-21 2012-07-26 대우조선해양 주식회사 상선의 전기 생산 장치 및 방법
CN109847937A (zh) * 2019-03-04 2019-06-07 佛山华碳环境科技有限公司 一种电除尘除雾方法

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