JP2005329900A - ステアリングシャフトカバー - Google Patents

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Yasuyuki Kawanishi
康之 川西
Mitsuhiro Ito
光洋 伊藤
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Inoac Corp
Inoac Elastomer Co Ltd
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

【課題】 構造が簡単で車両に対して容易に組み付けることができるとともに、車室内への騒音の漏れ出しを抑制することができるステアリングシャフトカバーを提供する。
【解決手段】 円筒状をなすカバー本体18の周壁の一部にスリット状の開放部22を形成する。カバー本体18の一端部に、車両の車体パネルに固定される固定部20を形成する。カバー本体18の外周面には、円弧状をなす蓋体23をカバー本体18の周方向に沿って周回移動可能に配設し、この蓋体23により開放部22を開閉できるように構成する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、ステアリングシャフトの一部をカバーするように、車両の室内側に設けられるステアリングシャフトカバーに関するものである。
一般に、乗用車等の車両においては、ステアリング機構のステアリングシャフトの一部を構成するエクステンションシャフトとインターミディエイトシャフトとがユニバーサルジョイント部を介して室内側で連結されている。そして、このユニバーサルジョイント部に異物が侵入して噛み込まれたりする問題に対処するため、ステアリングシャフトカバーを用いて、ユニバーサルジョイント部を含むエクステンションシャフト及びインターミディエイトシャフトの外周をカバーするようになっていた。
従って、このステアリングシャフトカバーは、円筒状に形成されている必要があるが、このような円筒状の構成においては、車両に対するステアリングシャフトの組み付け後にはステアリングシャフトカバーの装着ができないため、ステアリングシャフトカバーをステアリングシャフトに対してその組み付け前に嵌挿しておく必要がある。そして、この状態でインターミディエイトシャフトとエクステンションシャフトとをユニバーサルジョイント部を介して連結した後、ステアリングシャフトカバーを車両の床パネル等に固定していた。よって、ステアリングシャフトカバーの組み付け作業が面倒で時間がかかる。
このような組み付け作業性の改善を図るために、例えば特許文献1に開示されるような構成のステアリングシャフトカバーも従来から提案されている。すなわち、この従来構成においては、円筒状をなすカバー本体の周壁の一部にスリット状の開放部が形成されている。そして、ステアリングシャフトを車両に組み付けた後、このステアリングシャフトカバーをスリット状の開放部においてインターミディエイトシャフトに押し付けることにより、開放部の両側縁が弾性変形してスリット幅が広げられながら、ステアリングシャフトカバーがステアリングシャフトに装着されるようになっている。
特開平10−315988号公報
ところが、この従来のステアリングシャフトカバーにおいては、車両の運転時にロードノイズやエンジン音等の騒音が、カバー本体に形成されたスリット状の開放部を介して、エンジンルーム側から車室内に侵入して、遮音性能が悪くなるという問題があった。このような遮音性能を高めるために、例えばカバー本体に吸音材を貼り付けて、スリット状の開放部を塞ぐようにすることも従来から試みられている。しかしながら、このように構成した場合には、吸音材の貼り付け作業を両手で行う必要があって、作業性が悪くなるとともに、組み付けられる部品点数が多くなって、工程管理上好ましくないという問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、部品点数が少なくて構造が簡単であるとともに、車両に対して容易に組み付けることができ、しかも、ユニバーサルジョイント部への異物の侵入を防止することは勿論のこと、車両運転時における車室内への騒音の侵入を抑制することができるステアリングシャフトカバーを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、周壁の一部に軸線方向に延びるスリット状の開放部を形成した円筒状のカバー本体と、そのカバー本体の一端部に設けられた固定部とを備え、前記カバー本体によりステアリングシャフトの外周の一部をカバーした状態で、前記固定部において車両に固定されるようにしたステアリングシャフトカバーであって、前記カバー本体の外周面に、その周方向に沿って移動可能な蓋体を設け、この蓋体により、前記開放部を開閉できるように構成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、前記蓋体は、カバー本体の外周面に沿う円弧状をなしているものである。
請求項3に記載の発明においては、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記蓋体のカバー本体からの脱落を防止するための脱落防止手段を設けたものである。
請求項4に記載の発明においては、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記蓋体が開放部を閉鎖する位置において蓋体の移動を阻止するための阻止手段を設けたものである。
(作用)
請求項1に記載の発明においては、ステアリングシャフトを車両に組み付けた後、カバー本体が開放部を介してステアリングシャフトに被覆装着される。そして、固定部を介してカバー本体を車体パネルに固定した後、蓋体を移動させれば、スリット状の開放部が閉鎖される。
よって、前記の従来構成とは異なり、カバー本体に吸音材等の別部材を貼り付ける必要がなく、組み付けに要する部品点数が少なくて構造が簡単であるとともに、車両に対するカバー本体の組み付け作業及びスリット状の開放部の閉鎖作業を、片手にて容易に行うことができる。しかも、筒状のカバー本体によりユニバーサルジョイント部を含むステアリングシャフトが覆われているとともに、スリット状の開放部が蓋体により閉鎖されているため、ユニバーサルジョイント部への異物の侵入を防止することは勿論のこと、車両運転時における車室内への騒音の侵入を抑制することができる。
請求項2に記載の発明においては、蓋体が円弧状をなしているため、その蓋体をカバー本体の外周面に沿って容易に周回移動させることができて、開放部の閉鎖作業を一層容易に行うことができる。
請求項3に記載の発明においては、蓋体のカバー本体からの脱落を防止するための脱落防止手段が設けられているため、片手操作で組み付けを行っても、蓋体が脱落するのを防止でき、組み付け作業が容易になる。
請求項4に記載の発明においては、蓋体が開放部を閉鎖する位置において移動を阻止されるため、組み付け後において、蓋体が車両振動等によって開放されるのを防止できる。
以上のように、この発明によれば、構造が簡単で車両に対する組み付け作業を容易に行うことができる。また、ユニバーサルジョイント部への異物の侵入を確実に防止することができるとともに、車両運転時における車室内への騒音の侵入を抑制することができる。
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車両の室内側のステアリング機構において、床パネル12の一部を構成するダッシュパネル11の孔11aには、ステアリングシャフト13のインターミディエイトシャフト(以下、第1シャフトという)13aが貫通されている。第1シャフト13aには、ユニバーサルジョイント部14を介してエクステンションシャフト(以下、第2シャフトという)13bが連結され、その第2シャフト13bの先端側には図示しないステアリングホイールが連結されている。
前記ステアリングシャフト13の第1シャフト13a、第2シャフト13b及びユニバーサルジョイント部14をカバーするように、ダッシュパネル11にはポリプロピレン等の合成樹脂材料によりなるステアリングシャフトカバー15がゴム製のベローズ16を介して、複数の樹脂クリップ17により固定されている。なお、この実施形態では、第1シャフト13aがダッシュパネル11を貫通しているが、第1シャフト13aが床パネル12の底部側パネル12aを貫通する構成に適用してもよい。
図1〜図4に示すように、前記ステアリングシャフトカバー15のカバー本体18は円筒状に形成され、その上端部には円錐状のテーパ部19が一体に形成されている。カバー本体18の下端部には車両のダッシュパネル11に固定するためのフランジ状の固定部20が一体に形成され、その固定部20には前記樹脂クリップ17を挿通するための複数の挿通孔21が貫設されている。
前記カバー本体18の周壁の一部にはスリット状の開放部22が、テーパ部19から固定部20にわたってカバー本体18の軸線方向に延びるように形成されている。そして、車両に対するステアリングシャフト13の組み付け後に、この開放部22を介してステアリングシャフトカバー15がステアリングシャフト13に対して組み付けられて、第2シャフト13bが開放部22からカバー本体18内に挿入されるようになっている。
図1〜図4に示すように、前記カバー本体18及びテーパ部19の外周面には、180度強の範囲にわたってテーパ部19を含むカバー本体18の外周円弧に沿う円弧形状をなす蓋体23がカバー本体18の周方向に周回移動可能に嵌着されている。蓋体23の一端内面には、ほぼ半円球状の係合凸部24が突出形成されている。係合凸部24と係脱可能に対応するように、カバー本体18の外周面には一対のほぼ半円球状の係合凹部25,26が周方向に所定の間隔をおいて形成されている。
そして、図2〜図4に示すように、蓋体23を開放部22と反対側の位置に周回移動させたときには、開放部22が開放されるとともに、係合凸部24が一方の係合凹部25に弾性係合されて、蓋体23が開放位置に係合保持される。また、図5〜図7に示すように、蓋体23を開放部22側の位置に周回移動させたときには、開放部22が閉鎖されるとともに、係合凸部24が他方の係合凹部26に弾性係合されて、蓋体23が閉鎖位置に係合保持されるようになっている。従って、この係合凸部24と係合凹部25,26とにより、蓋体23が開放部22を閉鎖する位置に配置された状態において蓋体23の移動を阻止するための阻止手段が構成されている。また、蓋体23が180度強の範囲にわたってテーパ部19を含むカバー本体18の外周円弧に沿う円弧形状をなしているため、蓋体23は、カバー本体18の径方向外方への脱落が防止され、また、前記係合凸部24と係合凹部25,26とにより、カバー本体18の軸線方向外方への脱落が防止される。従って、蓋体23の形状と係合凸部24及び係合凹部25,26とにより、蓋体23の脱落防止手段が構成されている。
次に、前記のように構成されたステアリングシャフトカバー15の組み付け方法について説明する。
さて、ステアリングシャフト13を組み付ける場合には、車両の室内側において第1シャフト13aと第2シャフト13bとをユニバーサルジョイント部14を介して組み付ける。その後、図2〜図4に示すように、ステアリングシャフトカバー15を片手で持って、ステアリングシャフトカバー15のカバー本体18を、その開放部22が開放された状態で、開放部22側から第2シャフト13b側に移動させる。すると、開放部22のスリット幅が第2シャフト13bの径よりも狭い場合は、スリット幅がカバー本体18の弾性変形を伴いながら広げられて、カバー本体18が開放部22を介して両シャフト13a,13b及びユニバーサルジョイント部14に被せられる。そして、この状態でステアリングシャフトカバー15をダッシュパネル11側へ押し付けて固定部20の各挿通孔21にダッシュパネル11に固定の樹脂クリップ17を係合させると、カバー本体18が車両のダッシュパネル11に固定される。
次いで、図5〜図7に示すように、ステアリングシャフトカバー15を片手で持ったまま、蓋体23をカバー本体18の外周面に沿って前記の開放位置から回動させると、カバー本体18の開放部22が閉鎖される。このとき、蓋体23の係合凸部24がカバー本体18上の一方の係合凹部25から離脱して、他方の係合凹部26に係合され、蓋体23が閉鎖位置に係合保持される。従って、蓋体23が閉鎖位置に配置されたことは、目視確認しなくても、係合凸部24と係合凹部25との間で生じるクリック感により確認できる。
このように、シャフト13a,13b間にユニバーサルジョイント部14を組み付けた後、ステアリングシャフトカバー15を組み付けることができるため、予めカバーをステアリングシャフトに嵌挿しておくという面倒な作業を必要とせず、その組み付け作業を容易に行うことができる。また、カバー本体18を開放部22側から両シャフト13a,13b及びユニバーサルジョイント部14に被せる際には、開放部22の部分を介して第2シャフト13bに移動させれば、開放部22からカバー本体18内に挿入されるため、その組み付け作業を片手で容易に行うことができる。
さらに、ステアリングシャフトカバー15の組み付け後に、カバー本体18の外周において蓋体23を回動させることにより、スリット状の開放部22を閉鎖することができる。よって、カバー本体の内周面に吸音材等の別部材を貼り付けて開放部を閉鎖していた従来構成のように、開放部の閉鎖作業を両手で行う必要がなく、前記のように片手作業にて容易に行うことができる。しかも、蓋体23は、前述した脱落防止手段によりカバー本体18からの脱落が防止されるとともに、前述したクリック感覚により蓋体23の位置を確認できるため、片手作業がさらに容易となる。
そして、このステアリングシャフトカバー15の組み付け状態においては、カバー本体18によりシャフト13a,13b及びユニバーサルジョイント部14が覆われ、蓋体23が係合凸部24と係合凹部26との係合により開放部22の閉鎖位置に保持されている。このため、ユニバーサルジョイント部14に問題となる異物が侵入することを確実に防止できる。よって、ユニバーサルジョイント部14への異物の侵入や噛み込みにより、ユニバーサルジョイント部14から異常音が発生したり、操舵フィーリングが悪化したりするのを防ぐことができる。しかも、開放部22が蓋体23により閉鎖された状態にある。このため、車両運転時において、エンジン音等の騒音が開放部22を介して、エンジンルーム側から車室内へ侵入するのを抑制することができ、静謐な室内環境を確保できる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図8に示すように、カバー本体18の一端の固定部20上に円環状のガイド部28を、カバー本体18の外周面に沿って延びるように形成し、このガイド部28により蓋体23の周回移動を案内するように構成すること。
・ 前記実施形態において、カバー本体18の外周面の係合凹部25,26を省略し、蓋体23の内面の係合凸部24が開放部22の開口縁に係合することにより、蓋体23が閉鎖位置に係合保持されるように構成すること。
・ カバー15の固定部20を車両のダッシュパネル11や床パネル12に対して、嵌め込み係合やボルト等の他の固定構造により固定するように構成すること。
一実施形態のステアリングシャフトカバーの取り付け構造を示す断面図。 図1のステアリングシャフトカバーの取り付け前の状態を示す斜視図。 図2のステアリングシャフトカバーの平面図。 同ステアリングシャフトカバーの横断面図。 ステアリングシャフトカバーの取り付け後の状態を示す斜視図。 図5のステアリングシャフトカバーの平面図。 同ステアリングシャフトカバーの横断面図。 ステアリングシャフトカバーの変形例を示す要部断面図。
符号の説明
11…車体パネルとしてのダッシュパネル、12…車体パネルとしての床パネル、13…ステアリングシャフト、13a…インターミディエイトシャフト(第1シャフト)、13b…エクステンションシャフト(第2シャフト)、14…ユニバーサルジョイント部、15…ステアリングシャフトカバー、17…樹脂クリップ、18…カバー本体、20…固定部、22…開放部、23…蓋体、24…係合凸部、25…係合凹部、26…係合凹部。

Claims (4)

  1. 周壁の一部に軸線方向に延びるスリット状の開放部を形成した円筒状のカバー本体と、そのカバー本体の一端部に設けられた固定部とを備え、前記カバー本体によりステアリングシャフトの外周の一部をカバーした状態で、前記固定部において車両に固定されるようにしたステアリングシャフトカバーであって、
    前記カバー本体の外周面に、その周方向に沿って移動可能な蓋体を設け、この蓋体により、前記開放部を開閉できるように構成したことを特徴とするステアリングシャフトカバー。
  2. 前記蓋体は、カバー本体の外周面に沿う円弧状をなしている請求項1に記載のステアリングシャフトカバー。
  3. 前記蓋体のカバー本体からの脱落を防止するための脱落防止手段を設けた請求項1または請求項2に記載のステアリングシャフトカバー。
  4. 前記蓋体が開放部を閉鎖する位置において蓋体の移動を阻止するための阻止手段を設けた請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のステアリングシャフトカバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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