JP2005329571A - 複合成形体 - Google Patents

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高明 酒井
Tomoaki Okita
智昭 沖田
Kenji Hasegawa
研二 長谷川
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Abstract

【課題】 成形不良を好適に抑制することができる複合成形体を提供する。
【解決手段】複合成形体11は、ソリッドゴム層12と、該ソリッドゴム層12に積層されてなるスポンジゴム層13とから構成されている。ソリッドゴム層12は、EPDM及びNBRを含有する第1のゴム組成物より形成されるものである。一方、スポンジゴム層13は、EPDM及び発泡剤を含有する第2のゴム組成物より形成されるものである。また、当該第2のゴム組成物の気泡発生領域内では、第1のゴム組成物の粘度が、第2のゴム組成物の粘度に比べて高いものとなっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばウエザストリップ、トランクシール、オープニングトリム等の自動車部品に使用される複合成形体に関するものである。
従来の複合成形体として、例えばウエザストリップは、自動車ボディのドア開口周囲部のフランジに取り付けられる取付部と、ドアの当接を受けて弾性変形する中空シール部とを備えている。同ウエザストリップは、前記取付部を形成するソリッド部材と、前記中空シール部を形成するスポンジ部材とを備えた複合成形体より構成されている。この種の複合成形体としては以下に示すものが知られている。例えば特許文献1では、軽量化ソリッド部材とスポンジ部材とが接合されてなる複合成形体が開示されている。この軽量化ソリッド部材及びスポンジ部材は、それぞれエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合ゴム(EPDM)を含有するゴム組成物を発泡させて形成されている。また、軽量化ソリッド部材の比重は0.8〜1.0であり、スポンジ部材の比重は0.45以下である。この複合成形体では、軽量化ソリッド部材とスポンジ部材との界面での引張強度特性の向上が図られている。
特開2002−160327号公報
ところが、上記従来の複合成形体では、軽量化ソリッド部材のゴム組成物の含有成分に応じて以下に示す問題が挙げられる。即ち、軽量化ソリッド部材のゴム組成物の含有成分に応じて、図5に示すように、スポンジ部材のゴム組成物が発泡し終わった後に軽量化ソリッド部材のゴム組成物が加硫し始める場合がある。この場合、スポンジ部材のゴム組成物の発泡により生じた気泡が両部材の界面に留まってしまう可能性が高い。そして、図6に示すように、軽量化ソリッド部材101とスポンジ部材102との界面で気泡103が留まった状態で、両部材101,102のゴム組成物の加硫が進行してしまう。その結果、気泡が留まった箇所では軽量化ソリッド部材101とスポンジ部材102とが剥がれやすく、成形不良となるおそれがあった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、成形不良を好適に抑制することができる複合成形体を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の複合成形体は、第1層と該第1層に積層される第2層とを備えてなる複合成形体であって、前記第1層は、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有する第1のゴム組成物よりなり、前記第2層は、加硫時に気泡を発生する第2のゴム組成物よりなり、
前記第2のゴム組成物の加硫時における気泡発生領域において、前記第1層のゴム組成物の粘度が、前記第2のゴム組成物の粘度に比べて高いことを要旨とする。
この構成によれば、第1のゴム組成物は、加硫性に優れたアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有している。即ち、前記気泡発生領域では、第1のゴム組成物の加硫が既に始まっており、当該第1のゴム組成物がある程度硬化されている。そして、前記気泡発生領域においては、第1のゴム組成物の粘度が第2のゴム組成物の粘度に比べて高くなる。このため、前記気泡発生領域においては、第2のゴム組成物の発泡に際して生じる気泡が、第1層と第2層との界面で第1層を変形させる等して該界面に留まることを抑制することが可能となる。従って、本請求項1に記載の発明では、第1層と第2層との界面に気泡が留まることなく両者が加硫される。その結果、複合成形体の成形不良が好適に抑制される。
請求項2に記載の発明の複合成形体は、請求項1に記載の発明において、前記気泡発生領域は、90〜180℃であることを要旨とする。
この構成によれば、90〜180℃の範囲内で第2のゴム組成物の発泡が始まり、これに伴って気泡が発生する。即ち、90〜180℃の範囲内において、第1のゴム組成物の粘度が、前記第2のゴム組成物の粘度に比べて高くなる。
請求項3に記載の発明の複合成形体は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1層は、JIS K 6253に準拠したデュロメータタイプAで測定した硬度が85〜95であることを要旨とする。
この構成によれば、好適な硬度を確保しつつ、十分な可撓性を有する複合成形体が得られる。
本発明の複合成形体によれば、成形不良を好適に抑制することができる。
以下、本発明の複合成形体を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態における複合成形体11は、第1層としてのソリッドゴム層12と、該ソリッドゴム層12に積層されてなる第2層としてのスポンジゴム層13とから構成されている。この複合成形体11は、主にウエザストリップ、トランクシール、オープニングトリム等の自動車部品に使用される。
この複合成形体11に関し、まずソリッドゴム層12について以下に説明する。該ソリッドゴム層12は第1のゴム組成物より形成されるものである。当該第1のゴム組成物は、主成分(ポリマー成分)として含有されるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)と、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とを含有してなるものである。前記EPDMは、エチレン、プロピレン及び非共役ジエンからなり、このうち非共役ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、メチルテトラヒドロインデン、メチルノルボルネン等が挙げられる。これらの非共役ジエンは単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。本実施形態の様に、複合成形体11を自動車部品として使用する場合には、非共役ポリエンをエチリデンノルボルネンとしたEPDMを採用するのが好ましい。
NBRは、ソリッドゴム層12の硬度を確保するために含有される。このNBRの含有量は、EPDM100重量部に対して3〜40重量部が好ましく、5〜40重量部がより好ましく、5〜20重量部が特に好ましい。NBRの含有量が3重量部未満の場合には、ソリッドゴム層12の硬度が十分に得られない可能性が高い。一方、NBRの含有量が40重量部を超える場合には、ソリッドゴム層12の圧縮永久歪みが大きくなり、引張強度も低下する可能性が高い。
ソリッドゴム層12は、JIS K 6253(ISO 7619)に準拠したデュロメータタイプAで測定した硬度(デュロメータA硬度)が85〜95である。ソリッドゴム層12のデュロメータA硬度が85未満の場合には、十分な硬度の複合成形体11が得られない可能性が高い。一方、ソリッドゴム層12のデュロメータA硬度が95を越える場合には、複合成形体11の可撓性が低下する可能性が高い。
また、上記NBRとしては、特定の単量体が共重合された変性NBRであってもよい。前記特定の単量体としては、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸エステル基等のいずれかを有する化合物が挙げられる。変性NBRにおける単量体の含有量は、その加硫性の向上を図るとともに、ソリッドゴム層12の硬度の向上を図るという観点から、1〜60モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。
なお、同ソリッドゴム層12を形成するゴム組成物中に、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等のイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等をブレンドしてもよい。
さらに、本実施形態では、ソリッドゴム層12を形成するゴム組成物中に、充填剤、軟化剤、加硫剤、加工助剤等の配合剤を配合するのが好ましい。
当該充填剤は、ソリッドゴム層12の硬度の向上、又はそのゴム性能の向上を図るべく使用される。ソリッドゴム層12の硬度の向上を図るべく使用される充填剤としては、カーボンブラック、無水シリカ、含水シリカ等が挙げられる。これらの中でも本実施形態の充填剤としては、優れた補強性を発揮するカーボンブラックを使用するのが好ましい。一方、ソリッドゴム層12のゴム性能の向上を図るべく使用される充填剤としては、表面処理炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、表面処理クレー、クレー、タルク等が挙げられる。なお、これら充填剤は単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。
軟化剤は、ソリッドゴム層12を形成するゴム組成物に可塑性を付与するとともに加工の容易化を図るべく使用される。該軟化剤としては、パラフィン系プロセスオイル(パラフィン系オイル)、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、潤滑油、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤や、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸及び脂肪酸塩、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質、トール油、サブ(ファチス)等が挙げられる。また、同軟化剤として、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等の可塑剤を用いてもよい。これらは単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。これらの中でも本実施形態の軟化剤としては、ソリッドゴム層12の汚染を好適に抑制することができる点から、パラフィン系プロセスオイル又はナフテン系プロセスオイルを使用するのが好ましい。
加硫剤は、鎖状のゴム分子を加硫して弾性を付与するために使用される。この加硫剤としては、粉末硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄等が挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。さらに該加硫剤としては、4,4'−ジチオ−ビス−ジモルフォリン、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の硫黄を放出し得る化合物を使用することもできる。
また、前記加硫剤とともに加硫促進剤及び加硫促進助剤を配合するのが好ましい。これら加硫促進剤及び加硫促進助剤は、鎖状のゴム分子の加硫反応を促進するために使用される。加硫促進剤としては、チウラム類、チアゾール類、ジチオカーバメート類等の化合物が挙げられる。加硫促進助剤としては、亜鉛華等の金属酸化物や、ステアリン酸等の高級脂肪酸等の化合物が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。
加工助剤は、ゴム組成物の成形性を向上するために使用される。この加工助剤としては、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類が挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。
次に、スポンジゴム層13について以下に説明する。同スポンジゴム層13は、発泡剤を含有する第2のゴム組成物から得られる発泡体である。当該第2のゴム組成物の主成分(ポリマー成分)としては、前述と同様のEPDM等が挙げられる。なお本実施形態では、当該第2のゴム組成物には前述のNBRを含有させず、スポンジゴム層13に柔軟性を付与している。
前記発泡剤としては、有機発泡剤と無機発泡剤とが挙げられる。有機発泡剤としては、4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)[OBSH]や、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4'-ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物等が挙げられる。無機発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。これらの中でも本実施形態の発泡剤としては、適当な発泡温度が得られる点から、OBSHを用いるのが好ましい。なお、このOBSHの発泡温度は凡そ140℃である。
前記第2のゴム組成物中に、上記と同様の充填剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤及び加工助剤を含有してもよい。
上記の第1のゴム組成物及び第2のゴム組成物の調製は、密閉型混練機を用いて行われる。
さて、本実施形態の複合成形体11は、押出成形機を用いて各種ゴム組成物を図1に示す積層状に押し出して成形される。その成形に際しては、UHF加硫槽内で各種ゴム組成物に加熱処理が施される。このとき、90〜180℃の範囲内で第2のゴム組成物が発泡する。ここで、90〜180℃の範囲内では、第1のゴム組成物の粘度が、第2のゴム組成物の粘度に比べて高くなっている。即ち、前記範囲内では既に第1のゴム組成物が加硫している。このため、第1のゴム組成物がある程度硬化している状態で、第2のゴム組成物が発泡する。
上記の様に、第1のゴム組成物がある程度硬化した状態では、第2のゴム組成物の発泡に際して生じる気泡が両ゴム層12,13の界面に流動することがない。即ち、両ゴム層12,13の界面に気泡が生じ、これが当該界面に留まることがない。従って、本実施形態によれば、図1に示すように、スポンジゴム層13内に気泡14が均一に留まった状態で、両ゴム組成物の加硫が進行する。そのため、従来の複合成形体とは異なり、成形不良が好適に抑制された複合成形体が得られる。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第1のゴム組成物を加硫する際には、NBRにより加硫反応が促進される。その結果、第2のゴム組成物の気泡発生領域においては、第1のゴム組成物が既に加硫しており、その粘度が第2のゴム組成物の粘度に比べて高くなる。このため、第1のゴム組成物が加硫する前に第2のゴム組成物が発泡してしまう従来の複合成形体に比べて、本実施形態では、発泡に際して生じる気泡が界面に向かって流動し難いものとなる。従って、本実施形態の複合成形体11によれば、ソリッドゴム層12とスポンジゴム層13との界面に気泡が留まることがなく、両ゴム層12,13が好適に接合されるため、成形不良を抑制することができる。
・ 第1のゴム組成物及び第2のゴム組成物は、UHF加硫槽で加硫される。即ち、これらのゴム組成物に対して均一に熱が伝達されるため、NBRの作用効果を好適に発揮させることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて上記実施形態をさらに具体的に説明する。
<第2のゴム組成物の発泡挙動>
EPDMとしてのエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合ゴム、発泡剤としてのOBSH及び各種配合剤を含有する第2のゴム組成物を調製した。次いで、この第2のゴム組成物に一定の昇温速度で加熱処理を施し、その発泡挙動を観測した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、当該第2のゴム組成物では、90〜125℃の範囲でEPDMの水分気化が確認された。また、同第2のゴム組成物は、その発泡圧の顕著な上昇から140〜170℃の範囲で発泡していた。従って、当該第2のゴム組成物の気泡発生領域は、水分気化領域(90〜125℃)と発泡領域(140〜170℃)との2つに分類される。
なお、当該発泡領域において第2のゴム組成物から過剰量の気泡が発生した場合、この気泡に起因して複合成形体の成形不良が発生し易くなる。そこで、成形不良を抑制するに足る適量の気泡を発生させるべく、当該第2のゴム組成物より形成されるスポンジゴム層の発泡倍率を1.85〜1.91又は1.92〜2.3とした。
<第2のゴム組成物の所定温度における発泡挙動>
ここでは、前記気泡発生領域に該当する任意の温度(150℃及び170℃)での第2のゴム組成物の発泡挙動を観測した。図3に、150℃における第2のゴム組成物の発泡挙動を示す。同図に示すように、150℃においては、加熱をし始めてから23〜75秒の範囲が、当該第2のゴム組成物の発泡領域である。また、図4に、170℃における第2のゴム組成物の発泡挙動を示す。同図に示すように、170℃においては、加熱をし始めてから7〜20秒の範囲が、当該第2のゴム組成物の発泡領域である。
<加硫トルク値の評価>
表1に示す各成分を配合し、第1層としてのソリッドゴム層を形成する第1のゴム組成物を調製した(実施例1〜2、比較例1〜3)。なお、表1における各成分の含有量を示す数値の単位は重量部である。
次に、第1,第2のゴム組成物の加硫時における粘度を検討するため、それぞれの加硫トルク値を測定した。即ち、当該第1のゴム組成物及び第2層(スポンジゴム層、微発泡ゴム層及び第2のソリッドゴム層)を形成する第2のゴム組成物に関し、キュラストメータWR型(JSR(株)製)を用い、所定温度(150℃、170℃)で12分の条件で、JIS K 6300に準拠して加硫トルク値を測定した。なお、微発泡ゴム層とは、その発泡倍率が、上記スポンジゴム層の発泡倍率より小さいものである。この微発泡ゴム層の発泡倍率は、1.08〜1.25である。また、第2のソリッドゴム層を形成する第2のゴム組成物は、上記スポンジゴム層を形成する第2のゴム組成物と比較して、発泡剤を含有しないものである。
Figure 2005329571
このとき、表1中の各成分は以下に示すものである。
EPDM:エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合ゴム
NBR:アクリロニトリル−ブタジエンゴム
液状PB(ポリブテン−1):新日本石油株式会社製、B3000
カーボンブラック:旭カーボン株式会社製、旭60
パラフィン系オイル:出光興産株式会社製、PW380
OBSH:永和化成株式会社製、ネオセルボン
(1)150℃での加硫トルク値の評価
ここでは、実施例1、比較例1,2及び各種第2層において、加熱をし始めてから20秒後及び80秒後の各ゴム組成物の加硫トルク値を測定した。また、実施例1及び比較例1,2のゴム組成物より形成されるソリッドゴム層を第1層とし、スポンジゴム層を第2層とした場合の界面気泡の有無を目視により確認した。なお、界面気泡とは、ソリッドゴム層とスポンジゴム層との界面に生じる気泡をいう。これらの結果を表2に示す。同表における加硫トルク値の単位はN/mである。
Figure 2005329571
表2に示すように、実施例1ではNBRが含有されているため、第1のゴム組成物の加硫反応が促進されており、20秒後及び80秒後のいずれにおいても第1のゴム組成物の加硫トルク値が、第2のゴム組成物のいずれの加硫トルク値よりも高いものとなった。即ち、発泡領域(23〜75秒)の臨界域において、第1のゴム組成物の粘度が、第2のゴム組成物の粘度に比べて高いものとなった。従って、発泡領域内では既に第1のゴム組成物が加硫(硬化)しており、これに伴って界面気泡の生成が好適に抑制されたものと推察される。
一方、比較例1,2では、発泡領域の直後(80秒後)の加硫トルク値が、スポンジゴム層13を形成する第2のゴム組成物の加硫トルク値に比べて低いものとなった。即ち、比較例1,2においては、第1のゴム組成物が前記発泡領域内で十分に硬化されていないことが確認された。これは、第1のゴム組成物中にNBRが含有されていないために加硫反応が十分に促進されず、結果的に界面気泡が生成したものと推察される。
(2)170℃での加硫トルク値の評価
ここでは、実施例1〜2、比較例1〜3及び各種第2層において、加熱をし始めてから5秒後及び20秒後の各ゴム組成物の加硫トルク値を測定した。また、各例のゴム組成物より形成されるソリッドゴム層を第1層とし、スポンジゴム層を第2層とした場合の界面気泡の有無を目視により確認した。これらの結果を表3に示す。同表における加硫トルク値の単位はN/mである。
Figure 2005329571
表3に示すように、170℃でも前記150℃の結果と同様に、NBRを含有する実施例1,2では第1のゴム組成物の加硫反応が促進されるため、結果的に成形不良が好適に抑制された。また、比較例1〜3では、NBRが含有されていないため、第1のゴム組成物の加硫反応が十分に促進されず、結果的に成形不良を抑制することができなかった。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 発泡体としての微発泡ゴム層(発泡倍率:1.08〜1.25)、又は非発泡体としての第2のソリッドゴム層を第2層に採用してもよい。この場合、前述した様に第2のソリッドゴム層を形成するゴム組成物は、上記スポンジゴム層13を形成する第2のゴム組成物と比較して発泡剤を含有しないものであるため、当該スポンジゴム層と同様に90〜125℃の範囲でEPDMの水分気化が起こると推察される。
・ 第1のゴム組成物及び第2のゴム組成物に周知の老化防止剤、消泡剤、スコーチ防止剤、難燃剤、粘着付与剤、滑剤、顔料等を配合してもよい。
・ UHF加硫槽に替えて、プレス加硫、缶加硫、射出成形、ホットエアー加硫、LCM加硫、PCM加硫等により、若しくはこれらを組み合わせることにより各ゴム組成物の加硫を行ってもよい。
・ 第1のゴム組成物及び第2のゴム組成物の調製を、ミキシングロールを用いて行ってもよい。
・ 本実施形態の複合成形体11を、ゴムロール、シール材、パッキン等の工業用部品や、セッティングブロック、ゴムタイル、ガスケット等の建築ゴム層に使用してもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記第2層は発泡体よりなり、当該発泡体の発泡倍率は1より高く1.91以下、又は1.92以上2.3以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の複合成形体。
・ 第1層に第2層を積層し、次いでこれらに加熱処理を施して得られる複合成形体の成形方法において、前記第1層は、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有する第1のゴム組成物よりなり、前記第2層は、加硫時に気泡を発生する第2のゴム組成物よりなり、前記第2のゴム組成物の加硫時における気泡発生領域において、前記第1層のゴム組成物の粘度が、前記第2のゴム組成物の粘度に比べて高いことを特徴とする複合成形体の成形方法。
本実施形態の複合成形体を示す概略図。 第2のゴム組成物の発泡挙動を示すグラフ。 150℃における第2のゴム組成物の発泡挙動を示すグラフ。 170℃における第2のゴム組成物の発泡挙動を示すグラフ。 従来の複合成形体の加硫挙動を示すグラフ。 従来の複合成形体を示す概略図。
符号の説明
11…複合成形体、12…第1層としてのソリッドゴム層、13…第2層としてのスポンジゴム層。

Claims (3)

  1. 第1層と該第1層に積層される第2層とを備えてなる複合成形体であって、
    前記第1層は、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有する第1のゴム組成物よりなり、
    前記第2層は、加硫時に気泡を発生する第2のゴム組成物よりなり、
    前記第2のゴム組成物の加硫時における気泡発生領域において、前記第1層のゴム組成物の粘度が、前記第2のゴム組成物の粘度に比べて高いことを特徴とする複合成形体。
  2. 前記気泡発生領域は、90〜180℃であることを特徴とする請求項1に記載の複合成形体。
  3. 前記第1層は、JIS K 6253に準拠したデュロメータタイプAで測定した硬度が85〜95であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合成形体。
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