JP2005329370A - 湿式集塵機 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気中から簡素で、確実に能率よく湿式で粉塵を回収できる。
【解決手段】水位により貯水管理された貯水槽2の水中に接触して仕切り、粉塵を含む空気を流す通路5を形成して波状の仕切板10を設ける。この仕切板10は多表面積を有していて、これに空気を接触させて多くの粉塵を含着させ空気から除去し水中に取り込む。この仕切板10は貯水槽2内で高さ調整ができる。含着された粉塵は貯水槽2の底部6にスラッジ7として堆積し、回収装置8により内部にスラッジ7を詰まらせることなく効率的に回収する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、破砕機等から発生する大気中の粉塵を集塵する湿式の集塵機に関する。更に詳しくは、貯水槽内に多表面積形状仕切り板を設け、空気を流す通路を形成して空気中の粉塵を除き、貯水槽内に沈殿したスラッジを効率よく回収する湿式集塵機に関する。
従来から破砕機等から発する塵埃を回収する湿式の集塵機はよく知られ、数多く提案もされている。その構成は一般に粉塵を含んだ空気を貯水槽等の容器内に吸い込み、その空気を容器内の水面に接触させるか、あるいは表面に水が付着した板状、若しくは網状のものに空気を接触させて粉塵を除去している。空気に含まれる粉塵を水面に付着させて空気と分離させ、付着させた粉塵を水とともに移動させるか沈降させて回収するものである。
本発明に関わる集塵機は、水槽に仕切り板を設ける構成のものであるが、通常仕切り板は平面形状をなすものである。この仕切り板自体を貯水槽内に設けることは、従来から行なわれている。これら仕切板を含めた従来の集塵技術において、例えば、仕切板を設けることに加えて風洞を有するサイクロンを浸漬状に設け、このサイクロンより起生される旋回流と旋回方向に回転する回転羽根を有する空気攪拌装置で水面を跳ね上げ、仕切り板の上部に通路を形成して脱塵された空気を外部へ排出する構成のものが知られている(特許文献1参照)。
又、水槽内に羽根車を吃水状態で横断して設け、吸引口を除塵用水の水位より上位に設け、排水口を吸引口高さと同じにし、含塵空気を羽根車の吃水している羽根を介して除塵用水に導く装置も知られている(特許文献2参照)。
更に、構成は異なるが、含塵空気中のダストを除去する気液攪拌部を集塵室に設け、含塵空気を集塵用水に攪拌混合してダストを除去するもの(特許文献3参照)、仕切り板を使用しないタイプでは、遠心力により汚水に含まれるスラッジ等を分離して沈殿させ回収する装置も知られている(特許文献4参照)。このように、強制的に水を攪拌して粉塵を空気中から除去する装置を設けるものは多数提案され公知である。
特開平5−7802号公報 特開2000−61236号公報 特開2003−220315号公報 特開2000−153123号公報
湿式集塵機は仕切り板を設けただけではなく、前述のように何らかの装置を取り込んだものが数多く提案されている。従来からの集塵機の構成は、送風機、貯水槽、集塵板、フィルター等の構成が一般的であり、沈降して堆積したスラッジはスクリューフィーダやスパイラルフィーダ、バーフィーダ等の搬送装置により回収されている。
このように、一般に粉塵等を取り除くためには、何らかの装置を組み入れたものであって、最近では、特に強制的に攪拌させるものが多い。これらの集塵装置は、設備として大型になり、コストも高いものになっているのが現状である。又、設置場所も限定され、メンテナンスの手間もかかる等の問題点もあった。
本発明は、このような従来の問題点を克服するために開発されたもので次の目的を達成するものである。
本発明の目的は、簡素な構成で、空気中の粉塵の水面への接触確率を高めることにより、粉塵等の除去効率を高めた湿式集塵機を提供することにある。
本発明の他の目的は、スラッジを閉塞することなくスムースに回収することのできる湿式集塵機を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、効率のよい位置に仕切り板を調整可能に設置できる湿式集塵機を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、給水する水位を適切な位置に変えることができる湿式集塵機を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の湿式集塵機は、水を貯水できる貯水槽(2)と、この貯水槽に粉塵を含む空気を送風機(4)により吸気口(3)から吸い込み前記粉塵を水中に含着させて集塵する湿式集塵機(1)において、
前記貯水槽の水中に前記貯水槽を仕切り、前記空気を誘導する通路を形成して前記空気に含まれた粉塵を水中に取り込むための多表面積形状仕切板(10,11,12,13)を設けたことを特徴とする。
本発明2の湿式集塵機は、本発明1において、前記多表面積形状仕切板は、前記空気を流す通路近傍の形状を波形状にした仕切板(10)であることを特徴とする。この仕切板(10)は、水面に略平行になるように配置すると良い。
本発明3の湿式集塵機は、本発明1において、前記多表面積形状仕切板は、前記空気を流す通路近傍の形状を多段折り曲げ形状にした仕切板(12)であることを特徴とする。この多段折り曲げ形状にした仕切板(12)は、空気の流れを渦流にするためである。
本発明4の湿式集塵機は、本発明1において、前記貯水槽内に設けられ、前記多表面積形状仕切板の前記水中での高さを調整するための高さ調整部材(2d)を備えたことを特徴とする。
本発明5の湿式集塵機は、本発明1において、前記貯水槽の給水部分に設けられ、前記貯水槽の水位を変えることが可能な給水位置変更装置(9)を備えたことを特徴とする。
本発明6の湿式集塵機は、本発明1において、前記貯水槽の底部に設けられ、前記粉塵が堆積され前記貯水槽の底部(6)に沈殿するスラッジ(7)を回収する回収装置(8)を備えたことを特徴とする。
本発明7の湿式集塵機は、本発明6において、前記回収装置は、着脱自在なスラッジ回収容器(29)を貯水槽の下部に設けた装置であることを特徴とする。
本発明8の湿式集塵機は、本発明6において、前記回収装置は、前記貯水槽の底部の下に開閉バルブ(26)を設けた装置であることを特徴とする。
本発明9の湿式集塵機は、本発明6において、前記回収装置は、前記スラッジを強制的に排除する閉塞防止機構(30)を備えたことを特徴とする。
本発明10の湿式集塵機は、本発明9において、前記閉塞防止機構は、弾性による復元機能を有し、ポンピング動作で前記スラッジを除去し強制的に回収させる機構のものであることを特徴とする。
本発明の湿式集塵機は、貯水槽の仕切板を波状、網状等の多表面積形状にして水面の接触面積を多くし、又、この仕切板の高さ位置を調整できるようにしたことで、貯水槽内に吹き込まれる空気の粉塵を多く仕切板と水面、又は水中で捕捉できるようになった。更に、捕捉された粉塵は貯水槽底部に沈降しスラッジとして堆積されるが、貯水槽底部に着脱自在の回収装置を設けたので、堆積したスラッジを容易に回収できるようになった。
又、回収を容易にする閉塞防止装置を取り付けたので、スラッジを残留させることなく能率的に回収できることとなった。更に、貯水槽の給水は常に適切な量になるように給水位置を所望の位置に変更できる構成にした。このため、最小限の水の量を確保して補充のできる構成となり適切な貯水管理ができるようになった。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の湿式集塵機1の断面図であり、模式的にその構成を示している。本発明の湿式集塵機1は粉塵を含む空気を水に接触させ粉塵を水に付着させ除去し、除去された空気を大気に戻すものである。粉塵を含む大気は湿式集塵機1の貯水槽2の上部に設けられた吸気口3から矢印のように吸い込まれる。
この空気吸い込みは貯水槽2の上部に設けられた送風機4の吸引によっている。吸い込まれた空気は、複数の仕切板と貯水槽2内の水面で構成される通路5を始め複数の通路を通過する。この空気通過の過程で粉塵は水に付着され除去される。空気は複数の仕切板を掻い潜って貯水槽2の上部に導かれ、この空気は粉塵の除去された空気として外部に放出される。この空気は大気に放出されても環境を悪化させるものではない。
一方、水に接触したことで粉塵は水面に付着し水中に沈降していく。沈降した粉塵は貯水槽2の底部6へ移動し堆積してスラッジ7となる。スラッジ7は底部6から回収装置8により回収される。貯水槽2の水は給水位置変更装置9から供給される。又、この湿式集塵機1は、複数の脚部2bで支持され基台等に設置される。本発明の湿式集塵機1は、基本的にこのような構成になっている。次にこの湿式集塵機1の個々の構成について詳細に説明する。
貯水槽2は上部に空気吸い込みのための吸気口3が設けられている。一方、水は給水位置変更装置9の給水口から供給され、貯水槽2には一定量の水が貯水される。貯水槽2内には、複数の仕切板が上下方向に沿って配置されている。吸気口3の近傍に第1仕切板10が貯水槽2の蓋2a部分から下方向(鉛直方向)に向け、配置されている。この第1仕切板10は、先端が所定角度折り曲げられた折り曲げ部10aが空気の流れ方向に傾斜して水面に接触している。
この第1仕切板10の下方向に沿って、水中下に第2仕切板11が配置されている。この第2仕切板は、第1仕切板10と同様に、第2仕切板11の上方先端部に、空気の流れ方向に傾斜した折り曲げ部11aを構成している。第1仕切板10と第2仕切板11との間は隙間を構成し、吸気口3から吸入された空気の通路5を構成する。通路5は、空気の流れを円滑にするように案内し、かつ絞る機能を果たす。即ち、第2仕切板11を設けることで、折り曲げ部10aを有する通路5への空気の流れが容易になる。
第1仕切板10の折り曲げ部10aは、図2〜図4に示すように波状になっている。図2は第1仕切板10の部分平面図で、図3はその側面図で、図4は図3のX矢視図である。この折り曲げ部10aは、水中側の先端部が図4に示すように、波状になっていて、この波形状部はプレス加工されたものである。波状にしたことで、水中に接触する表面積が平板に比し増える構成となる。
粉塵を含んだ空気は、貯水槽2上部の吸気口3から吸入され、第1仕切板10と第2仕切板11との間の隙間、即ち水面とで形成される通路5を通過する。この隙間は送風機4が空気を吸引しているときには水面が風圧で押され下方に移動し隙間が生じる。送風機4が停止すると、水面が上昇し第1仕切板10の折り曲げ部10aは水面下になる。送風機4が作動して吸気口3からの空気はこの隙間を通過するとき、折り曲げ部10aと水面に接触し、空気中の粉塵はより多く水面に付着し水中に沈降する。
この折り曲げ部10aは、その表面積を増大させるために多表面積形状とした部材となっていて、本実施の形態1では、前述のように、波状の形状としている。このため、波状に形成して表面積を多くしたことで、水面との隙間も波状になり水面の付着面積を多くすることができる。表面積を多くすることは、付着する粉塵の捕捉量を多くすることになるので、集塵効率を高めることになる。
表面積を多くする形状としては、波状に限定されるものではない。例えば、網状にしてもよい。又、形状は複雑になるが、多くの穴を有する部材を設けた仕切板としてもよく、多くのパイプ状の部材を設けた構成のものであっても良い。隙間面積が一定であれば送風機4の風量、即ち通過する空気の量は一定となるが、フラットな場合と比較し水面の表面積が多いと、空気中の粉塵が水面に接触する確率が増えることになる。この隙間を通過した空気は、粉塵が仕切板との間で除去され、続いて、貯水槽2の上部へ導かれる。
続いて、空気は水中に設けられ上部に張出す第3仕切板12から上方との隙間14を通過する。この第3仕切板12の上部は蓋2aとの間に通路を形成するように構成され、空気流れの上流側に傾斜した折り曲げ部12aを有している。この第3仕切板12を通過した空気は更に貯水槽2の上部から下方に張出している第4仕切板13と水面との通路15を通過し、さらに残留する粉塵を除去しながら排気口16へ導かれ、貯水槽2の外に排気される。
次に、第1仕切板10の高さ調整の構成について、図5、図6に基づき詳述する。この第1仕切板10は上下方向に移動させて取り付けることができる。この第1仕切板10の高さ調整は、集塵対象物の性状や送風機の出力、能力によって第1仕切板10の折り曲げ部10aの位置が最良の位置になるように調整するものである。このようにすることで、集塵効率を高めることができる。
第1仕切板10の両側端部10bは、貯水槽2の壁面に押し付けられるようにして固定されている。貯水槽2に設けられた固定部は、一部をリブ状にして貯水槽2の内側に張り出す張出し部2cを設け、この張り出し部2cに第1仕切板10が押し付けられる構成である。この押し付けは、壁面に固着された押さえ板2dを介して第1仕切板10を張出し部2cとの間で挟み、ボルト17のねじ込みにより行われる。押さえ板2dには雌ネジが設けられているのでねじ込みにより、両側端部10bは壁面側の張り出し部2cに押圧され固定される。
本実施の形態1では、片側で3本のボルト17で固定しているが、この本数に限定はされない。この構成により、ボルト17を緩めれば、第1仕切板10を上下方向にずらして位置調整をすることができるので、適切な位置に第1仕切板10を定めてボルト17を締め付けて固定すればよい。この高さ調整の方法は、この実施の形態1の構造に限定されるものではない。
調整中に第1仕切板10の落下のおそれがあれば、例えば、第1仕切板10に長溝のボルト案内を設けて第1仕切板10を確実に貯水槽2の壁面側で支持するようにしてボルト締めを行う構成にしてもよい。又、貯水槽2側に直接ねじ込める構成の方法であってもよい。このようにして、第1仕切板10の上下方向の高さ調整を行って簡単に位置を決めることができる。この位置調整は、第1仕切板10で行うことで説明したが、必要があれば他の仕切板にも同様に適用できることはいうまでもない。
次に給水位置変更装置9の構成について、図7、図8に基づき説明する。図7は、給水位置変更装置9の形態を示す図で、給水位置を変えた各形態の構成を示している。図8は、給水位置変更装置の部分断面図である。給水位置変更装置9は円盤状のプレート18で円周に配置されたボルト19により貯水槽2に固定される構成になっていて、給水口20はプレート18の中心より偏心した位置に設けられている。
この給水口20には、エルボ21、開閉バルブ22等から構成される給水のための部材が設けられていて、水は水道水等によって供給される。水は給水位置変更装置9にジョイント23、ホース24を介して供給され、開閉バルブ22のレバー22aの操作により供給遮断等を行うことができる。図7(a)は、給水口20が貯水槽2の一番高い位置にセットされた状態を示している。
この位置で給水すると、貯水槽2の水は一番多くなる。位置を変える場合は、ボルト19を外し、プレート18の位置を円周方向に位置をずらし、即ち、ボルト19穴のピッチをずらして変え、再取り付けを行うと、異なる高さ位置に給水口20を配置することができる。図7(a)、(b)、(c)、(d)の順に給水口20の高さは低く設定でき、図7(e)が最も低い位置となる。
このようにして、簡単に給水口20の高さ位置を変更することができる。給水位置変更装置9は貯水槽2内に浮玉である空気を含んだボール25を有していて、水の供給をコントロールするボールタップ構成となっている。即ち、図8に示すように水面が一定の高さに上昇すると、ボール25が浮き上がって水の供給を停止させる方式のもので、この構成は、例えば一般に水洗トイレ等に適用されている方法と同様の構成で公知である。
水面が下がったときは、ボール25が下がり再び水が自動的に供給されるようになる。例えば、スラッジ7を回収するときは、水も一部排出することになり、貯水槽2の水は不足し水位は下がる。前述のようにこのときボール25は下がるので、自動的に水を供給するように働き、常に貯水槽2は一定の貯水量を確保する。
次に回収装置について図9〜図11にもとづき説明する。貯水槽2内の第1仕切板10等で含着された粉塵は水中をゆっくりと沈降し、貯水槽2の底部6に堆積し、スラッジ7となる。底部6の排出口には、回収装置8が設けられている。この回収装置8は、貯水槽2外の底部に取り付けられる構成のものである。開閉バルブ26、カプラ27、ホース28、スラッジ回収容器29等で構成されている。
貯水槽2の底部6の排出口から排出されるスラッジ7は、最終的にスラッジ回収容器29に収容される。この構成において、通常開閉バルブ26は開いていて、貯水槽2内をゆっくり沈降して堆積されたスラッジ7は、排出口を経て、開閉バルブ26を通過し、カプラ27、ホース28を通過してペール缶等のスラッジ回収容器29に堆積される。
このスラッジ回収容器29は、透明な缶であり、又、ホース28も透明なものであるので、外部からスラッジ7の有無を確認することができる。このスラッジ回収容器29にある程度スラッジ7が堆積すると(図10の状態)、開閉バルブ26を閉じ、カプラ27を介してスラッジ回収容器29を取り外し、スラッジ7を処分する。
処分後の空の容器又は新しい容器を取り付けて開閉バルブ26を開ければ再びスラッジ7が堆積し回収できる。この作業を繰り返して空気中の粉塵を除去するのである。ペール缶以外にも、さらに大きな缶、又は搬送装置等を設けると、取り付け、取り外しの頻度は少なくなる。このように、本実施の形態1の湿式集塵機1は、スラッジ7が堆積すれば、簡単に除去できる構成となっている。
このスラッジ回収装置29に使用される開閉バルブ26等は、比較的管径の細い器具、配管である。そのため、スラッジ7が内部に詰まりやすく、そのおそれがある。図11は、そのおそれを解消する装置の形態として構成されたものである。図11の構成は、開閉バルブ26の下部(又は上部であってもよい)に、簡易的な閉塞防止機構としてポンピング部材30を設けたものである。このポンピング部材30は、T形エルボ31を介して開閉バルブ26に結合しており、弾性を有する伸縮部材であって、矢印の方向に押すことの繰り返しでポンピング作用をなすものである。
このポンピング部材30を圧縮すると縮まり、ポンピング内の水又は空気により配管等に詰まっているスラッジ7を強制的に押し出し、スラッジ回収容器29に回収する。即ち、開閉バルブ26を閉じスラッジ回収容器29を取り外す前に、このポンピング部材30を操作することにより、開閉バルブ26より下部のスラッジ7をスラッジ回収容器29側へ移動させ、閉塞状態を解消する。この閉塞状態が解消されたら、開閉バルブ26を閉じる。このように、湿式集塵機1が稼動中であっても、貯水槽2下部に閉塞状態が生じたら、スラッジ回収容器29が満杯でなくても、時々このポンピング部材30を操作して閉塞状態を解消できる。
上記実施の形態1では、スラッジ回収容器29で回収するものであったが、例えば破砕機が稼働している現場によって、開閉バルブ26を制御してこの開閉バルブ26からスラッジ7を被破砕物が流れているコンベヤ等に落下させても良い。
(実施の形態2)
次に本発明の主要部をなす仕切板構成についての他の実施の形態2を図12に基づき説明する。図12は、図1に相当する湿式集塵機の全体構成を示す断面図である。基本構成は図1と同様であるので、同じ構成部分については同じ符号を付して説明する。
粉塵を含む空気は図1と同様に吸気口3から矢印のように吸い込まれ、第1仕切板10と第2仕切板11で構成される通路5に導かれる。第1仕切板10は水面に接触する端部が2段階に折り曲げられ、折り曲げ部10eと折り曲げ部10cを構成している。折り曲げ部10cは水面に略平行である。又、第1仕切板10の上部には、空気の流れ方向に沿って略水平に折り曲げ部10dを張出して構成している。この折り曲げ部10dは実質的に第1仕切板10に直交して設けられた板である。
第2仕切板11も折り曲げ部11aを図1と同様に構成している。折り曲げ部10cは折り曲げ部11aを越えて空気の流れ方向に向かって張出している。通路5を通過する空気は、第3仕切板12に突き当たって接する。この第3仕切板12の先端部も2段階に折り曲げられ、折り曲げ部12b及び折り曲げ部12cを構成している。折り曲げ部12cは、略水平に設けられている。
このような構成の仕切板に対して、空気は通路5を通過すると、折り曲げ部10cに沿って水平方向に流れる。この流れの過程で空気は水面に接触する機会が多くなるので、水中に粉塵を捕捉し多く取り込むことになる。即ち、粉塵を含む空気は、通路5を通過するときにこの複数の折り曲げ部10e,10c,11aに案内されて流れ、このときの流れで空気中の粉塵が多く取り込まれることになる。
折り曲げ部10cを通過した空気は第3仕切板12に正面から接して衝突する。衝接した空気は通路14aを通過し上方へ導かれる。上方には折り曲げ部12b,12cが設けられているので、これに誘導されて空気は逆方向に戻される流れとなる。このとき空気は、渦巻き状の気流を発生させることになる。空気は粉塵を含んで回転し、粉塵は遠心力により外側にはじき出されるようになる。
このとき水もまた空気と接触している一部が、渦巻き状に空気とともに混在しながら回転しているので、このとき粉塵が水中に取り込まれる。粉塵が除去された空気は、通路14bを経て上昇し第1仕切板10の折り曲げ部10dに接して衝突する。この衝突により空気は更に粉塵が取り除かれ略水平方向に流れ、第4仕切板13に接して衝突する。
この第4仕切板13に衝接した空気は、図1の場合と同様に第4仕切板13の下方に設けられた通路15を経てさらに粉塵除去がなされ、排気口16から外部に放出される。本実施の形態2は、折り曲げ部を多段にして表面積を多くし、空気の流れを多表面積を有する複数の折り曲げ部を経由させることで空気に回転気流を発生させ、粉塵を効率よく除去し集塵させるものである。
尚、仕切板以外は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。又、図示はしていないが、折り曲げ部を実施の形態1と同様に波状等の形状にしてもよいことはいうまでもない。以上、本発明の湿式集塵機について説明したが、本発明は、説明以外の形態にも適用できることはいうまでもない。
図1は、湿式集塵機の全体を示す断面図である。 図2は、第1仕切板を示す部分正面図である。 図3は、第1仕切板を示す側面図である。 図4は、図3のX矢視図である。 図5は、第1仕切板の高さ調整の構成を示す部分正面図である。 図6は、第1仕切板の高さ調整の構成を示す部分側面図である。 図7は、給水位置変更装置であって、給水口の高さ位置を段階的に変更した配置を示す説明図である。 図8は、給水位置変更装置を示す断面図である。 図9は、回収装置の構成図で、スラッジの回収状態を示す。 図10は、回収装置の構成図で、スラッジが堆積した状態を示す。 図11は、ポンピング部材を設けた回収装置の構成図である。 図12は、他の実施の形態による湿式集塵機の全体を示す断面図である。
符号の説明
1…湿式集塵機
2…貯水槽
3…吸気口
4…送風機
5…通路
6…底部
7…スラッジ
8…回収装置
9…給水位置変更装置
10…第1仕切板
10a…折り曲げ部
20…給水口
26…開閉バルブ
30…ポンピング部材

Claims (10)

  1. 水を貯水できる貯水槽(2)と、この貯水槽に粉塵を含む空気を送風機(4)により吸気口(3)から吸い込み前記粉塵を水中に含着させて集塵する湿式集塵機(1)において、
    前記貯水槽の水中に前記貯水槽を仕切り、前記空気を誘導する通路を形成して前記空気に含まれた粉塵を水中に取り込むための多表面積形状仕切板(10,11,12,13)を設けた
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  2. 請求項1に記載の湿式集塵機において、
    前記多表面積形状仕切板は、前記空気を流す通路近傍の形状を波形状にした仕切板(10)である
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  3. 請求項1に記載の湿式集塵機において、
    前記多表面積形状仕切板は、前記空気を流す通路近傍の形状を多段折り曲げ形状にした仕切板(12)である
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  4. 請求項1に記載の湿式集塵機において、
    前記貯水槽内に設けられ、前記多表面積形状仕切板の前記水中での高さを調整するための高さ調整部材(2d)を備えた
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  5. 請求項1に記載の湿式集塵機において、
    前記貯水槽の給水部分に設けられ、前記貯水槽の水位を変えることが可能な給水位置変更装置(9)を備えた
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  6. 請求項1に記載の湿式集塵機において、
    前記貯水槽の底部に設けられ、前記粉塵が堆積され前記貯水槽の底部(6)に沈殿するスラッジ(7)を回収する回収装置(8)を備えた
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  7. 請求項6に記載の湿式集塵機において、
    前記回収装置は、着脱自在なスラッジ回収容器(29)を貯水槽の下部に設けた装置である
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  8. 請求項6に記載の湿式集塵機において、
    前記回収装置は、前記貯水槽の底部の下に開閉バルブ(26)を設けた装置である
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  9. 請求項6に記載の湿式集塵機において、
    前記回収装置は、前記スラッジを強制的に排除する閉塞防止機構(30)を備えた
    ことを特徴とする湿式集塵機。
  10. 請求項9に記載の湿式集塵機において、
    前記閉塞防止機構は、弾性による復元機能を有し、ポンピング動作で前記スラッジを除去し強制的に回収させる機構のものである
    ことを特徴とする湿式集塵機。
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