JP2005329334A - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】河川水、上水、一般工場排水、下水処理水などから、ボイラー用水、冷却水、プロセス用水、一般産業用水などを製造する分野で用いられ、特に、界面活性剤、表面処理剤などが含まれる工場排水の生物処理水や有機汚染の進んだ河川水及び下水処理水の処理に有効な水処理方法及び水処理装置を提供する。
【解決手段】被処理水を、カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜に通水し、該分離膜の透過水を逆浸透膜に通水することを特徴とする水処理方法、及び、カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜と、該分離膜の透過水を通水する逆浸透膜を備えてなることを特徴とする水処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理方法及び水処理装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、河川水、上水、一般工場排水、下水処理水などから、ボイラー用水、冷却水、プロセス用水、一般産業用水などを製造する分野で用いられ、特に、界面活性剤、表面処理剤などの有機物によって汚染された河川水や工場排水及び下水処理水等の処理に有効な水処理方法及び水処理装置に関する。
これまで逆浸透膜、逆浸透膜装置は、上水、河川水などの比較的有機汚染の少ない水を対象に用いられてきた。近年、上水費の高騰に対応するコスト削減や、環境保全の観点などから、工場排水を生物処理した後、更に逆浸透膜によって処理して回収、再利用する動きが出てきている(例えば特許文献1)。回収、再利用の際、界面活性剤や表面処理剤といった生分解性の低い有機物は、生物処理では除去できず、これら有機物を含んだ状態で工場排水は逆浸透膜に供給される。最近の逆浸透膜は、ポリアミド系などの合成高分子材料で製造されているために、有機汚染されやすいという欠点がある。具体的には、このような逆浸透膜で汚染水を処理すると、短期間で処理水量が低下してしまうという欠点がある。
また、耐汚染性に優れた逆浸透膜としてはセルロース系の逆浸透膜があるが、ポリアミド系の逆浸透膜に比べて、操作圧力が高いために運転費が高くなる、脱塩率が低いために処理水の水質が悪いなどの欠点を有している。さらに、セルロース系逆浸透膜では、界面活性剤や表面処理剤などの低分子量の有機物がほとんど除去されず、工場排水の回収再利用に使用するためにはこれら低分子量の有機物の除去が課題であった。
このために、界面活性剤、表面処理剤などが含まれる河川水や工場排水及び下水処理水等の処理に有効な水処理方法及び水処理装置が求められている。
一方、空気清浄機などに利用できる集塵、集煙機能をもち、特に、煙や匂いの素となる粒子、分子又はイオンが侵入可能な空洞構造をなし、正の電荷をもった第1の帯電膜と、負の電荷をもった第2の帯電膜とを、基材上に交互に吸着させてなる交互吸着膜を用いたフィルターと、該フィルターとフィルターに水を通すためのろ過機構とを有する水処理装置が提案され、食塩水から純水を得るための装置が開示されている(特許文献2)。
特開2001−70989号公報 特開2000−334229号公報
本発明は、河川水、上水、一般工場排水、下水処理水などから、ボイラー用水、冷却水、プロセス用水、一般産業用水などを製造する分野で用いられ、特に、界面活性剤、表面処理剤などが含まれる工場排水の生物処理水や有機汚染の進んだ河川水及び下水処理水の処理に有効な水処理方法及び水処理装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜に通水し、該分離膜の透過水を逆浸透膜に通水することにより、逆浸透膜の流束の低下を防いで、良好な水質の処理水を安定して製造し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)被処理水を、カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜に通水し、該分離膜の透過水を逆浸透膜に通水することを特徴とする水処理方法、及び、
(2)カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜と、該分離膜の透過水を通水する逆浸透膜を備えてなることを特徴とする水処理装置、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(3)逆浸透膜が、ポリアミド系逆浸透膜である(1)記載の水処理方法、
(4)被処理水が、工場排水の生物処理水である(1)記載の水処理方法、及び、
(5)逆浸透膜が、ポリアミド系逆浸透膜である(2)記載の水処理装置、
を挙げることができる。
本発明の水処理方法及び水処理装置によれば、界面活性剤や表面処理剤などを含む工場排水などを原水として、ポリアミド系逆浸透膜を使用して、大幅な流束の低下を招くことなく、長期間にわたって良好な水質を有する処理水を製造することができる。
本発明の水処理方法においては、被処理水を、カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜に通水し、該分離膜の透過水を逆浸透膜に通水する。本発明の水処理装置は、カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜と、該分離膜の透過水を通水する逆浸透膜を備えてなる装置である。
図1は、本発明方法及び本発明装置の一態様の工程系統図である。被処理水が、ポンプ1によりカチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなるポリイオンコンプレックス分離膜2に通水され、ポリイオンコンプレックス分離膜の透過水が、ポンプ3により逆浸透膜4に通水され、逆浸透膜の透過水として処理水が得られる。
本発明方法又は本発明装置を適用する被処理水に特に制限はなく、例えば、工場排水の生物処理水などを被処理水とし、逆浸透膜の大幅な流束の低下を招くことなく、長期間にわたって良好な水質を有する処理水を製造することができる。
本発明に用いるカチオンポリマーには、ハロゲン化物イオンなどを対イオンとして正の電荷を有するポリマーのみならず、ハロゲン化水素などと反応して塩を形成し、正の電荷を有する状態となり得るポリマーも含まれる。本発明に用いるカチオンポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン又はこれらのハロゲン化水素塩、硫酸塩、硝酸塩、ポリオルニチン、ポリリジンなどのポリアミノ酸又はこれらの塩、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド)(PSQ)、ポリ(ハロゲン化ジアリルジアルキルアンモニウム)、ジアルキルアミンとエピハロヒドリンとの縮合物、N,N,N',N'−テトラアルキルジアミンとジハロゲン化物との付加反応により生成するポリマー、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重合体を加水分解することによって得られるポリビニルアミジンなどを挙げることができる。
本発明に用いるアニオンポリマーには、アルカリ金属イオンなどを対イオンとして負の電荷を有するポリマーのみならず、アルカリ金属の水酸化物などと反応して塩を形成し、負の電荷を有する状態となり得るポリマーも含まれる。本発明に用いるアニオンポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリ(3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、DNA(デオキシリボ核酸)又はこれらのアルカリ金属塩などを挙げることができる。
本発明に用いる透水性支持材は、平均細孔径が0.1〜10μmであることが好ましく、0.2〜5μmであることがより好ましい。平均細孔径が0.1μm未満であると、分離膜の流束が小さくなりすぎるおそれがある。平均細孔径が10μmを超えると、分離膜の分離機能(排除機能)が低下するおそれがある。本発明に用いる透水性支持材の厚さに特に制限はないが、0.01〜1mmであることが好ましく、0.05〜0.5mmであることがより好ましい。本発明に用いる透水性支持材の材質に特に制限はなく、例えば、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ニトロセルロース、再生セルロース、ゼラチン、芳香族ポリアミド、アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。透水性支持材の形状に特に制限はなく、例えば、平面膜、スパイラル、管型、中空糸などを挙げることができる。管型、中空糸などは、それらの外側にポリマー層を積層し、外圧型の分離膜として用いることが好ましい。
本発明に用いるポリイオンコンプレックス分離膜の製造方法に特に制限はなく、例えば、透水性支持材上に、カチオンポリマーとアニオンポリマーとを交互に吸着させることにより、透水性支持材上にカチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを層状に保持させることができる。透水性支持材上に、カチオンポリマー又はアニオンポリマーを吸着させる方法に特に制限はなく、例えば、透水性支持材の表面を負又は正に帯電させたのち、帯電した電荷と異符号の電荷を有するポリマーの水溶液と接触させることにより、カチオンポリマー又はアニオンポリマーを透水性支持材の表面に吸着させ、第一のポリマー層を形成することができる。カチオンポリマー層又はアニオンポリマー層を形成したのち、純水などを用いてポリマー層を洗浄することが好ましい。ポリマー層を洗浄して緊密にポリマー層に取り込まれていないポリマーを除去することにより、緻密なポリマー層を形成することができる。
本発明に用いるポリイオンコンプレックス分離膜の製造においては、一方の電荷を有するポリマーを吸着させる工程と、他方の電荷を有するポリマーを吸着させる工程との間に、吸着されたポリマー層を乾燥させる工程を設けることが好ましい。乾燥工程の実施の態様に特に制限はなく、例えば、50〜90℃の温風を1〜10分間当てることにより、ポリマー層を乾燥することができる。吸着されたポリマー層を乾燥することなく、異符号の電荷を有するポリマーを吸着させると、ポリマー層が水分を含んだまま積層され、最後に水分が抜けて乾燥するときに、水分の存在した場所が空隙となり、積層されたポリマー層が疎な構造となるおそれがある。吸着されたポリマー層を乾燥することにより、緻密なポリマー層を形成することができる。
本発明方法において、積層するカチオンポリマー層と、アニオンポリマー層の層数に特に制限はないが、それぞれの層数が各1〜30層、合計して2〜60層であることが好ましく、それぞれの層数が各3〜20層、合計して6〜40層であることがより好ましい。それぞれのポリマー層の厚さに特に制限はないが、0.1〜20nmであることが好ましく、3〜12nmであることがより好ましい。
本発明に用いるポリイオンコンプレックス分離膜は、透水性支持材上に、カチオンポリマーとアニオンポリマーとを混合状態で吸着させることにより、透水性支持材上にカチオンポリマーとアニオンポリマーとが均一に分散されたポリイオンコンプレックス層を層状に保持させることができる。この場合は、例えば、カチオンポリマー水溶液とアニオンポリマー水溶液とを混合した溶液に透水性支持材を浸漬することによって、ポリイオンコンプレックス層を形成することができる。このような方法によって得られる分離膜においても、ポリイオンコンプレックス層の厚さと層数に特に制限はないが、ポリイオンコンプレックス層の層数が10〜100層であることが好ましく、ポリイオンコンプレックス層の全体の厚さが100〜1,000nmであることが好ましい。
本発明に用いる分離膜は、カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスが層状に積層されているので、水中の正の電荷を有する粒子又は負の電荷を有する粒子は、ポリイオンコンプレックス分離膜のクーロン力により反発され、分離膜の透過を阻止される。そのために、塩類や、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤などの電荷を有する不純物を高い阻止率で阻止することができる。また、ポリマー層の組織が緻密なので、帯電していない微粒子や溶存物に対しても高い阻止効果を得ることができる。
図2は、本発明に用いるポリイオンコンプレックス分離膜装置の一態様の断面図である。本態様の装置は、容器5内の両端部に仕切板6、7が設けられ、原水室8と透過水室9が形成されている。原水室には、2枚の仕切板の間に中空管状のポリイオンコンプレックス分離膜エレメント10が懸架されている。一方の仕切板7には、開口部11が設けられ、分離膜エレメントの一端側は、この開口部に取り付けられ、分離膜エレメントの中空管内が透過水室に連通している。原水は原水導入口12から導入され、透過水は透過水取出口13から取り出され、濃縮水は濃縮水取出口14から取り出される。
原水導入口からこの装置に導入された原水は、分離膜エレメントのポリマー層上をクロスフロー方式で流れ、分離膜エレメントのポリマー層の積層方向に通過し、イオン性物質と懸濁物質が除去される。ポリマー層を通過した透過水は、分離膜エレメントの中空部から透過水室を経て透過水取出口から取り出される。一方、分離膜エレメントで阻止されたイオン性物質や懸濁物質が濃縮された濃縮水は、濃縮水取出口から取り出される。濃縮水は、必要に応じて、一部を原水導入口に戻して循環処理し、残部を系外へ取り出すこともできる。
本発明方法及び本発明装置において、ポリイオンコンプレックス分離膜の型式に特に制限はなく、例えば、平面膜、スパイラル、管型、中空糸などを挙げることができる。いずれの型式の膜も容器内に収容し、原水を加圧して供給する加圧給水型とすることが好ましいが、開放系の水中に分離膜を浸漬し、透過水側を減圧にして処理水を得る浸漬型とすることもできる。ポリイオンコンプレックス分離膜への通水方式についても特に制限はなく、クロスフロー方式とデッドエンド方式のいずれともすることができるが、デッドエンド方式で膜に目詰まりを生ずるおそれがある場合は、クロスフロー方式とすることが好ましい。
本発明においては、ポリイオンコンプレックス分離膜の透過水を、逆浸透膜に通水する。本発明に用いる逆浸透膜の材質に特に制限はなく、例えば、ポリアミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリイミド系、ポリエチレンイミン系、ポリエチレンオキシド系、酢酸セルロース系などを挙げることができる。これらの中で、ポリアミド系逆浸透膜は、イオン性物質の阻止率が高く、流束が大きいので好適に用いることができる。界面活性剤や表面処理剤などを含む被処理水をポリアミド系逆浸透膜に通水すると、目詰まりを生じて逆浸透膜の流束が急速に低下するが、本発明においては、被処理水をポリイオンコンプレックス分離膜に通水して、界面活性剤や表面処理剤などを除去した透過水を逆浸透膜に通水するので、大幅な流束の低下を招くことなく、安定して長時間の処理を行うことができる。逆浸透膜を構成するポリアミドとしては、例えば、テレフタル酸とm−アミノベンズアミド、m−フェニレンジアミンからなる共重合ポリアミド、イソフタル酸とm−アミノベンズヒドラジドからなるポリアミドヒドラジド、フマル酸とジメチルピペラジンから得られるポリピペラジンアミド、m−フェニレンイソフタルアミド−テレフタルアミド共重合体などを挙げることができる。
本発明に用いる逆浸透膜の種類に特に制限はなく、相転換法により製造される相転換膜と界面重合法やコーティング法などにより支持層上に超薄膜を形成した複合膜のいずれをも用いることができる。本発明に用いる逆浸透膜モジュールの型式に特に制限はなく、例えば、平膜を耐圧板の上に重ねあげた平面膜モジュール、海苔巻き状に巻いて膜充填密度を上げたスパイラルモジュール、管状の膜を用いる管型モジュール、中空糸状の膜を用いる中空糸モジュールなどを挙げることができる。モジュール体積当たりの膜面積は、管型、平面膜、スパイラル、中空糸の順に大きくなるが、耐汚染性と洗浄性はこの順に低下するので、逆浸透膜モジュールの型式は、ポリイオンコンプレックス分離膜の透過水の水質に応じて選択することが好ましい。
本発明に用いるポリイオンコンプレックス分離膜は、ポリアミド系逆浸透膜に比べて親水性が高く、界面活性剤や表面処理剤などの有機物を吸着しない。また、ポリイオンコンプレックス分離膜が、セルロース系逆浸透膜で除去しにくい界面活性剤や表面処理剤などを除去し得るのは、より緻密な膜ができているためか、あるいは、構成材料が類似であるなどの理由によると推定される。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
図3は、実施例及び比較例において用いた平膜試験装置の概略図である。この装置は、内径36mmφ、有効膜径33mmφのSUS304製の小径平膜セル15に、ポンプ16により試験水を通水し、背圧弁17により操作圧を調整する。
製造例1(分離膜の調製)
透水性支持材として精密ろ過膜[日本ミリポア(株)、メンブレンフィルター、HAWP047 00、平膜、細孔径0.45μm、直径47mm]、カチオンポリマーとしてポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド)(PSQ)[SCIENTIFIC POLYMER PRODUCTS,INC、試薬、重量平均分子量40万]、アニオンポリマーとしてポリスチレンスルホン酸ナトリウム[東ソー(株)、PS−100、重量平均分子量100万]を用いて、分離膜を作製した。
図4に示す膜固定容器18の支持板19上に、精密ろ過膜20の片面のみにポリマーが吸着されるように載置し、支持棒21で押さえた。カチオンポリマーの10mmol/L水溶液を容器に注入し、1分間静置してカチオンポリマーを精密ろ過膜の表面に吸着させたのち排出し、膜面を純水で洗浄し、ドライヤーで温風を5分間送って乾燥させた。次いで、アニオンポリマーの10mmol/L水溶液を容器に注入し、1分間静置してアニオンポリマーを吸着させたのち排出し、膜面を純水で洗浄し、ドライヤーで温風を5分間送って乾燥させた。さらに、カチオンポリマーの吸着とアニオンポリマーの吸着を4回ずつ交互に繰り返し、合計して10層のポリマー層からなるポリイオンコンプレックスが積層された分離膜を得た。
実施例1
機械製造工場の工場排水を、生物処理したのち、ろ過処理した処理水を原水として用いた。この原水を、精密ろ過膜[日本ミリポア(株)、メンブレンフィルター、HAWP047 00、細孔径0.45μm]を用いてろ過し、ろ過水を、製造例1で調製した分離膜を装着した平膜試験装置に操作圧0.5MPaで通水し、透過水20Lを採取した。
平膜試験装置に、ポリアミド系逆浸透膜[日東電工(株)、NTR−975−HR]を装着し、上記の透過水を操作圧1.2MPaで通水し、流束の経時的変化を調べた。流束は、通水開始直後0.97m/day、1時間後0.90m/day、4時間後0.89m/day、9時間後0.85m/day、24時間後0.82m/day、30時間後0.82m/day、48時間後0.82m/day、56時間後0.81m/day、72時間後0.81m/day、77時間後0.78m/day、120時間後0.76m/day、240時間後0.75m/day、360時間後0.72m/dayであった。
比較例1
分離膜として、製造例1で調製した分離膜の代わりに、セルロース系逆浸透膜[GE Water Technologies社、CG膜]を用いて、操作圧1.4MPaで精密ろ過膜のろ過水を通水した以外は、実施例1と同じ操作を行った。
ポリアミド系逆浸透膜[日東電工(株)、NTR−975−HR]を装着した平膜試験装置の流束は、通水開始直後0.97m/day、1時間後0.78m/day、4時間後0.65m/day、9時間後0.60m/day、24時間後0.50m/day、30時間後0.45m/day、48時間後0.43m/day、56時間後0.43m/day、72時間後0.42m/day、77時間後0.42m/day、120時間後0.41m/day、240時間後0.40m/day、360時間後0.40m/dayであった。
比較例2
原水を、精密ろ過膜[日本ミリポア(株)、メンブレンフィルター、HAWP047 00、細孔径0.45μm]を用いてろ過して得られたろ過水を、ポリアミド系逆浸透膜[日東電工(株)、NTR−975−HR]を装着した平膜試験装置に操作圧1.2MPaで通水し、流束の経時的変化を調べた。
流束は、通水開始直後0.97m/day、1時間後0.76m/day、4時間後0.60m/day、9時間後0.50m/day、24時間後0.45m/day、30時間後0.44m/day、48時間後0.42m/day、56時間後0.42m/day、72時間後0.40m/day、77時間後0.42m/day、120時間後0.40m/day、240時間後0.38m/day、360時間後0.37m/dayであった。
実施例1及び比較例1〜2の結果を、第1表及び図5に示す。
Figure 2005329334
第1表及び図5に見られるように、透水性支持材上にポリイオンコンプレックスを層状に保持してなる分離膜に精密ろ過膜のろ過水を通水し、その透過水をポリアミド系逆浸透膜に通水した実施例1では、ポリアミド系逆浸透膜の流束の低下が少なく、360時間後も0.72m/dayを保っている。これに対して、精密ろ過膜のろ過水をセルロース系逆浸透膜に通水し、その透過水をポリアミド系逆浸透膜に通水した比較例1では、ポリアミド系逆浸透膜の流束の低下が大きく、72時間後にすでに0.42m/dayとなり、精密ろ過膜のろ過水を直接ポリアミド系逆浸透膜に通水した比較例2と大差のない結果となっている。
本発明の水処理方法及び水処理装置を用いることにより、生分解性の低い界面活性剤や表面処理剤などを含む被処理水に対しても、脱塩率と透過水量に優れるポリアミド系逆浸透膜を適用し、流束を大きく低下させることなく、安定して水処理し、ボイラー用水、プロセス用水、冷却水などとして使用することができる。
本発明方法及び本発明装置の一態様の工程系統図である。 ポリイオンコンプレックス分離膜装置の一態様の断面図である。 実施例で用いた平膜試験装置の概略図である。 ポリイオンコンプレックス分離膜調製装置の説明図である。 流束の経時的変化を示すグラフである。
符号の説明
1 ポンプ
2 ポリイオンコンプレックス分離膜
3 ポンプ
4 逆浸透膜
5 容器
6 仕切板
7 仕切板
8 原水室
9 透過水室
10 分離膜エレメント
11 開口部
12 原水導入口
13 透過水取出口
14 濃縮水取出口
15 小径平膜セル
16 ポンプ
17 背圧弁
18 膜固定容器
19 支持板
20 精密ろ過膜
21 支持棒

Claims (2)

  1. 被処理水を、カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜に通水し、該分離膜の透過水を逆浸透膜に通水することを特徴とする水処理方法。
  2. カチオンポリマーとアニオンポリマーとが結合して形成されるポリイオンコンプレックスを透水性支持材上に層状に保持してなる分離膜と、該分離膜の透過水を通水する逆浸透膜を備えてなることを特徴とする水処理装置。
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