JP2014184378A - カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマー複合型半透膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】低処理圧力下でも硬度分を効率よく分離・除去することができる半透膜、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半透膜は、多孔質支持膜上にカチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部を有する半透膜であって、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部の総厚みが0.1〜1μmであり、表面電位が+10mV〜+60mVである。カチオン性ポリマーとしてはポリアリルアミン塩酸塩が好ましく、アニオン性ポリマーとしてはポリスチレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、水に含まれる硬度分(マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びこれらの塩)を分離・除去するための半透膜及びその製造方法に関する。
現在、水処理分野においては、水に含まれる不要分[例えば、硬度分、懸濁物質(ss)等]を分離・除去する方法として膜分離技術が利用されている。しかし、分離対象物が小さいため濾過膜の細孔径を極めて小さくする必要があり、水を膜透過させる際に高い圧力を加える必要があった。
特許文献1には、多孔質支持膜上にカチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層とを交互に10〜100層程度積層して得られるポリイオンコンプレックス膜は、それを構成するポリマーのクーロン力の反発作用により水中のイオンの通過を阻止して脱イオン効果を得ることができ、従来に比べて細孔径を大きくしても分離・除去能を維持することができ、処理圧力を低減することが可能であることが記載されている。しかし、処理圧力の低減は未だ十分ではなく、処理圧力が低い場合は透水速度が小さく、分離・除去効率が悪いことが問題であった。
特開2005−161293号公報
従って、本発明の目的は、低処理圧力下において硬度分を効率よく分離・除去することができる半透膜を提供することにある。
本発明の他の目的は、低処理圧力下において硬度分を効率よく分離・除去することができる半透膜の製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層を積層させた半透膜において、その厚み及び表面電位を特定の範囲に調整すると、低処理圧力下でも硬度分を効率よく分離・除去することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は多孔質支持膜上にカチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部を有する半透膜であって、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部の総厚みが0.1〜1μmであり、表面電位が+10mV〜+60mVである半透膜を提供する。
前記カチオン性ポリマーとしてはポリアリルアミン塩酸塩、アニオン性ポリマーとしてはポリスチレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
本発明の半透膜は、多孔質支持膜/カチオン性ポリマー層/アニオン性ポリマー層の順で積層されていることが好ましい。
前記多孔質支持膜としてはポリエーテルスルホンを含有するものが好ましい。
本発明は、また、前記半透膜の製造方法であって、下記工程を少なくとも含む半透膜の製造方法を提供する。
工程1:多孔質支持膜を0.001〜100mMのカチオン性ポリマー水溶液に60分以下の時間浸漬してカチオン性ポリマー層を有する多孔質支持膜を形成する
工程2:カチオン性ポリマー層を乾燥させる
工程3:カチオン性ポリマー層を有する多孔質支持膜を0.001〜100mMのアニオン性ポリマー水溶液に60分以下の時間浸漬してアニオン性ポリマー層/カチオン性ポリマー層積層部を有する多孔質膜を形成する
工程4:アニオン性ポリマー層を乾燥させる
前記カチオン性ポリマーとしてはポリアリルアミン塩酸塩、アニオン性ポリマーとしてはポリスチレンスルホン酸ナトリウムを使用することが好ましい。
ポリマー層を乾燥させる前に、水でリンスする工程を有することが好ましい。
本発明の半透膜は、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層を形成する間に、ポリマー層を乾燥させる工程を設けて製造されるため細孔径が小さい。そのため、帯電していない物質をその小さい細孔径により捕獲して排除することができる。また、本発明の半透膜は、特定の表面電位を有するため、優れた硬度除去能を発揮することができる。更にまた、本発明の半透膜は、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部の表面が凹凸構造で、その総厚みが0.1〜1μmなので、前記のように細孔径が小さくても低処理圧力下において硬度分を効率よく分離・除去することができる。本発明の半透膜によれば、水中のアニオンはアニオン性ポリマー層によって静電的に排除され、その層を通過することがなく、カチオンはアニオン性ポリマー層は通過するが次いで積層されているカチオン性ポリマー層において静電的に排除される。すなわち、本発明の半透膜は、クーロン力の吸着作用によってではなく、クーロン力の反発作用により硬度分を除去することができる。そのため、本発明の半透膜はイオンの飽和吸着後も連続して分離・除去能を発揮し続けることができる長寿命を有し、水道水の硬度分の分離・除去に好適に使用することができる。
実施例1で得られた半透膜の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:10000倍)である。 実施例1で得られた半透膜の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:80000倍)である。 実施例1で得られた半透膜の断面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:10000倍)である。
本発明の半透膜は、多孔質支持膜上にカチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部を有する半透膜であって、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部(=イオンコンプレックス層)の総厚みが0.1〜1μmであり、表面電位が+10mV〜+60mVである。
本発明の半透膜は、例えば、下記工程を経て製造することができる。
工程1:多孔質支持膜を0.001〜100mMのカチオン性ポリマー水溶液に60分以下の時間浸漬してカチオン性ポリマー層を有する多孔質支持膜を形成する
工程2:カチオン性ポリマー層を乾燥させる
工程3:カチオン性ポリマー層を有する多孔質支持膜を0.001〜100mMのアニオン性ポリマー水溶液に60分以下の時間浸漬してアニオン性ポリマー層/カチオン性ポリマー層積層部(=イオンコンプレックス層)を有する多孔質膜を形成する
工程4:アニオン性ポリマー層を乾燥させる
前記多孔質支持膜は水の透過性を有する支持膜であり、その素材としては、例えば、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、なかでも、正または負に高い表面電位を有する点で、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンイミン等を95重量%以上(多孔質支持膜を構成する不揮発分における割合)含有する多孔質支持膜を使用することが好ましい。
また、多孔質支持膜の分画分子量としては、例えば5000以上、好ましくは10000〜800000程度が好ましい。本発明においては、例えば、商品名「UP020」(多孔質親水性ポリエーテルスルホン平膜、NADIR社製)、「MP005」(多孔質親水性ポリエーテルスルホン平膜、NADIR社製)等の市販品を好適に使用することができる。
多孔質支持膜は、予め、コロナ放電処理、ブラスト処理、プライマー処理、プラズマ処理等によりその表面を処理したものを使用しても良い。これらの処理を施すことによりイオンコンプレックス層との密着性を向上させることができる。
前記カチオン性ポリマーは正の電荷を有するポリマーであり、例えば、アミノ基、アンモニウム基、イミノ基等の窒素原子含有基を有する不飽和結合含有モノマーの共重合体[例えば、ポリアリルアミン、ポリスチレン第4級アンモニウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリリジン等の不飽和アミン]の塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸若しくは酢酸、プロピオン酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸等の有機酸との塩等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、なかでも、プラスの荷電を有し窒素原子含有基を高い密度で有するため、アニオンとのイオンコンプレックスを容易に形成することができる点で、ポリアリルアミンの塩酸塩を使用することが好ましい。
カチオン性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、例えば1000〜200000程度、好ましくは1500〜150000、特に好ましくは10000〜150000である。重量平均分子量が上記範囲を上回ると、溶媒への溶解に多くの時間を要し、生産性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が上記範囲を下回ると、塗布性が低下し、イオンコンプレックス層を形成しにくくなる傾向がある。
カチオン性ポリマー水溶液の濃度は0.001〜100mMであり、好ましくは0.005〜50mM、特に好ましくは0.01〜20mM、最も好ましくは0.1〜10mMである。カチオン性ポリマー水溶液の濃度が上記範囲を上回ると、形成されるイオンコンプレックス層が厚くなり、透水速度が低下する傾向がある。一方、カチオン性ポリマー水溶液の濃度が上記範囲を下回ると、塗布性が低下し、イオンコンプレックス層を形成しにくくなる傾向がある。
カチオン性ポリマー水溶液への多孔質支持膜の浸漬時間は60分間以下(例えば、30秒〜60分間)であり、好ましくは30分間以下、特に好ましくは20分間以下、最も好ましくは10分間以下である。浸漬時間が上記範囲を上回ると形成されるイオンコンプレックス層が厚くなり、満足できる透水速度が得難くなる傾向がある。また、生産性が低下する傾向もある。
カチオン性ポリマー層の乾燥温度としては、例えば20〜100℃程度、好ましくは25〜90℃、特に好ましくは30〜80℃である。乾燥時間としては、例えば1〜60分程度、好ましくは1〜30分、特に好ましくは1〜10分である。乾燥処理には、例えば、ドライヤー、乾燥機等を使用することができる。
前記アニオン性ポリマーは負の電荷を有するポリマーであり、例えば、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基等のアニオン性基を有する不飽和結合含有モノマーの共重合体[例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸等]のアルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)塩、若しくはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)塩等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、なかでも、マイナスの荷電を有し強酸基であるスルホン酸基を多く有するため、カチオンとのイオンコンプレックスを容易に形成することができる点で、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを使用することが好ましい。
アニオン性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、例えば5000〜200000程度、好ましくは5000〜150000、特に好ましくは10000〜150000である。重量平均分子量が上記範囲を上回ると、溶媒への溶解に多くの時間を要し、生産性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が上記範囲を下回ると、塗布性が低下し、イオンコンプレックス層を形成することが困難となる傾向がある。
アニオン性ポリマー水溶液の濃度は0.001〜100mMであり、好ましくは0.005〜50mM、特に好ましくは0.01〜10mM、最も好ましくは0.3〜10mMである。アニオン性ポリマー水溶液の濃度が上記範囲を上回ると、形成されるイオンコンプレックス層が厚くなり、満足できる透水速度が得難くなる傾向がある。一方、アニオン性ポリマー水溶液の濃度が上記範囲を下回ると、塗布性が低下し、イオンコンプレックス層を形成することが困難となる傾向がある。
アニオン性ポリマー水溶液への多孔質支持膜の浸漬時間は60分間以下(例えば、30秒〜60分間)であり、好ましくは30分間以下、特に好ましくは20分間以下、最も好ましくは10分間以下である。浸漬時間が上記範囲を上回ると、形成されるイオンコンプレックス層が厚くなり、満足できる透水速度が得難くなる傾向がある。また、生産性が低下する傾向もある。
アニオン性ポリマー層の乾燥温度としては、例えば20〜100℃程度、好ましくは25〜90℃、特に好ましくは30〜80℃である。乾燥時間としては、例えば1〜60分程度、好ましくは1〜30分、特に好ましくは1〜10分である。乾燥処理には、例えば、ドライヤー、乾燥機等を使用することができる。
本発明においては、カチオン性ポリマー層を形成後、アニオン性ポリマー層を形成する前、及びアニオン性ポリマー層形成後に乾燥工程を設けるため、ポリマー高分子鎖に取り込まれた水分子が乾燥により取り除かれ、緻密なポリマー層を形成することができ、被処理水中に含まれる帯電していない微細な懸濁物質等を効率よく捕獲し、分離・除去することができる。
本発明の半透膜の平均細孔径は、例えば1〜10μm程度、好ましくは1〜5μm、特に好ましくは1〜2μmである。
また、カチオン性ポリマー層を形成後、乾燥工程前(すなわち、上記工程1と2の間)、及びアニオン性ポリマー層形成後、乾燥工程前(すなわち、上記工程3と4の間)に、水(例えば、純水、イオン交換水等)でリンスして余分なポリマーや未反応ポリマーを除去することが、高純度のイオンコンプレックスを得られる点で好ましい。
上記方法により得られる本発明の半透膜は、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部の総厚みが0.1〜1.0μm、好ましくは0.15〜0.80μm、特に好ましくは0.18〜0.70μmである。カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部の総厚みが上記範囲を上回ると、透水速度が減少するため好ましくない。一方、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部の総厚みが上記範囲を下回ると、硬度除去率が低下するため好ましくない。
本発明の半透膜の表面電位は+10mV〜+60mVであり、上限は好ましくは+50mV、より好ましくは+40mV、特に好ましくは+25mVである。下限は好ましくは+15mV、特に好ましくは+20mVである。表面電位が上記範囲を上回ると、カチオン性が強くなりカチオン均一膜が形成するため好ましくない。一方、表面電位が上記範囲を下回ると、アニオン性が強くなりアニオン均一膜が形成するため好ましくない。表面電位はアニオンポリマー及びカチオンポリマーの種、分子量、及び塗布量等を調整することによりコントロールすることができる。
本発明の半透膜は低処理圧力下でも優れた透水速度を有し、純水透水速度は、例えば5〜500L/m2/Hr/0.1MPa程度、好ましくは5〜50L/m2/Hr/0.1MPa、特に好ましくは20〜50L/m2/Hr/0.1MPaである。硬度分55mg/Lの水の透水速度は、例えば1〜50L/m2/Hr/0.1MPa程度、好ましくは1〜30L/m2/Hr/0.1MPa、特に好ましくは1〜20L/m2/Hr/0.1MPaである。
そして、本発明の半透膜は低処理圧力下でも優れた硬度除去能を発揮することができ、供給圧0.4MPaの際の硬度除去率は、例えば10〜99%程度、好ましくは20〜95%、特に好ましくは50〜90%、最も好ましくは70〜90%である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、膜厚は走査型電子顕微鏡(商品名「FE-SEM JSM-6700F」、日本電子製)を使用して3カ所の膜厚を測定し、その平均値とした。
実施例1
200mL三角フラスコに水とポリスチレンスルホン酸ナトリウム(Mw:70000、florochem製)とを仕込み、スターラーで溶解させて3mMのアニオン性ポリマー水溶液100mLを得た。同様に、ポリアリルアミン塩酸塩(商品名「PAA-HCL-3S」、Mw:15000、日東紡績(株)製)を溶解して3mMのカチオン性ポリマー水溶液100mLを得た。
得られたアニオン性ポリマー水溶液とカチオン性ポリマー水溶液をそれぞれ10mm×15mmのプレートに入れた。
支持膜として多孔質親水性ポリエーテルスルホン平膜(商品名「UP020」、分画分子量20000、NADIR製)を、コロナ放電表面処理装置(商品名「A3SW-FNLW-A型」、ウェッジ製)を使用し、200W、2cm/s、処理回数2回(1往復)の操作条件で前処理を行った。処理後の支持膜をカチオン性ポリマー水溶液のプレートに5分間浸漬させてキャストした。5分後、キャストした支持膜を取り出し、500mLの純水に浸してリンスした。その後、ドライヤーで5分間乾燥させた。
その後、この膜をアニオン性ポリマー水溶液のプレートに5分間浸漬させてキャストした。5分後、キャストした支持膜を取り出し、500mLの純水に浸してリンスした。その後、ドライヤーで5分間乾燥させた。これによりイオンコンプレックス層の厚みが500nmの半透膜(1)(表面電位:21.3mV)を得た。
比較例1
アニオン性ポリマー水溶液の濃度をポリスチレンスルホン酸ナトリウム3mMから0.3mMに変更し、カチオン性ポリマー水溶液をポリアリルアミン塩酸塩(商品名「PAA-HCL-3S」、Mw:15000、日東紡績(株)製)3mMからポリアリルアミン塩酸塩(商品名「PAA-HCL-3S」、Mw:150000、日東紡績(株)製)0.03mMに変更した以外は実施例1と同様にした。これによりイオンコンプレックス層の厚みが200nmの半透膜(2)(表面電位:−33.6mV)を得た。
比較例2
アニオン性ポリマー水溶液の濃度をポリスチレンスルホン酸ナトリウム3mMから10mMに変更し、カチオン性ポリマー水溶液をポリアリルアミン塩酸塩3mMから10mMに変更した以外は実施例1と同様にした。これによりイオンコンプレックス層の厚みが5μmの半透膜(3)(表面電位:40.5mV)を得た。
評価
[硬度分離能評価]
実施例及び比較例で得られた半透膜を使用して下記条件により硬度除去処理を行い、透水速度を測定した。また、処理前後の水の硬度から、下記式により硬度除去率を算出することにより硬度分離能を評価した。尚、水の硬度はドロップテスト(共立理化学研究所)により測定した。有効膜面積は28cm2であった。
硬度除去率(%)=(処理前硬度−処理後硬度)/処理前硬度×100
<硬度除去処理条件>
濾過装置:回分式濾過装置(新型撹拌式セル、グレースジャパン製)
被処理液:水道水(硬度分:45〜55mg)
撹拌回転数:1000rpm
供給圧:0.4MPa
水温:室温(25℃)
上記結果を下記表にまとめて示す。
[膜構造観察]
実施例1で得られた半透膜(1)について、走査型電子顕微鏡(商品名「FE-SEM JSM-6700F」、日本電子製)を使用して膜構造を観察した(図1〜3参照)。

Claims (7)

  1. 多孔質支持膜上にカチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部を有する半透膜であって、カチオン性ポリマー層とアニオン性ポリマー層の積層部の総厚みが0.1〜1μmであり、表面電位が+10mV〜+60mVである半透膜。
  2. カチオン性ポリマーがポリアリルアミン塩酸塩、アニオン性ポリマーがポリスチレンスルホン酸ナトリウムである請求項1に記載の半透膜。
  3. 多孔質支持膜/カチオン性ポリマー層/アニオン性ポリマー層の順で積層されている請求項1又は2に記載の半透膜。
  4. 多孔質支持膜がポリエーテルスルホンを含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の半透膜。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の半透膜の製造方法であって、下記工程を少なくとも含む半透膜の製造方法。
    工程1:多孔質支持膜を0.001〜100mMのカチオン性ポリマー水溶液に60分以下の時間浸漬してカチオン性ポリマー層を有する多孔質支持膜を形成する
    工程2:カチオン性ポリマー層を乾燥させる
    工程3:カチオン性ポリマー層を有する多孔質支持膜を0.001〜100mMのアニオン性ポリマー水溶液に60分以下の時間浸漬してアニオン性ポリマー層/カチオン性ポリマー層積層部を有する多孔質膜を形成する
    工程4:アニオン性ポリマー層を乾燥させる
  6. カチオン性ポリマーがポリアリルアミン塩酸塩、アニオン性ポリマーがポリスチレンスルホン酸ナトリウムである請求項5に記載の半透膜の製造方法。
  7. ポリマー層を乾燥させる前に、水でリンスする工程を有する請求項5又は6に記載の半透膜の製造方法。
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