JP2005329133A - 連結具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワンプッシュで簡易迅速に着脱することのできる連結具を提供する。
【解決手段】連結具1は、カムを備えた連結凸部2と内部にバネを備えた筒状の連結凹部3とからなる。連結凸部2は、周面に係合突起23を備えた回転部21と、この回転部21を回動可能に保持する保持部22とからなる。連結凹部3は、連結凸部2を挿入する側に開口部31を備える筒状体で、開口部31と反対の端部には、バネ32が設けられている。開口部31付近には、連結凹部3の内周面に沿って、上記係合突起23あるいは固定突起25と係合する係合溝33が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、多種物品の連結部に適用可能で、ワンプッシュで簡易迅速に着脱することができる連結具に関する。
ネックレス等の装身具、玩具あるいはカーテンホック等の連結具や被服のボタン等の留め具等、多種物品の連結部分に用いられる機構には、従来よりユーザの利便性の向上とともに、取り付け易く、はずし易くかつ確実に連結する、という課題に対応して、例えば、下記各特許文献に示されるように、さまざまな工夫が施されてきた。
特開平7−213317号公報 特開2003−225107号公報 特開2002−191410号公報 特開2004−65943号公報
しかしながら、例えば特許文献1では、挿入部と筒状部とを連結するには、挿入方向への押圧と連結方向への回転をともに行わなければならず、連結操作としては煩雑である。一方、特許文献2では、特許文献1に比べて挿入方向のみの操作に簡略化されているが、挿入のきっかけとなる筒状金具の縦溝の数は、直径上に設けられた2箇所のみで、挿入時には必ず筒状金具の係合突起をこの縦溝に合わせて挿入しなければならないことから、この点からも連結作業が容易であるとは言いがたかった。
さらに、上記の連結具では、切り離す際にも、筒状金具のバネの付勢力に抗して挿入金具を挿入方向に押しながら回転させなければならず、例えばネックレスのように、頭部後方等、目視のできない範囲において着脱する装身具に用いた場合に、その着脱を容易に行うことはできなかった。このように、装身具等の連結具としては、より簡単に着脱可能な技術が望まれていた。
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、ワンプッシュで簡易迅速に着脱することのできる多種物品に適用可能な連結具を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、筒状の連結凹部と、前記連結凹部に挿入されることにより装身具を連結する連結凸部とを有する連結具において、前記連結凸部は、回転部とこれを回転可能に保持する保持部とを有し、前記回転部の外周には、係合突起が設けられ、前記連結凹部の内周には、前記係合突起に係合する係合部が設けられ、前記連結凹部に前記連結凸部が挿入された状態で、前記連結凹部及び前記連結凸部のいずれか一方が互いに近接する方向に押圧される毎に、前記係合突起が、前記係合部に係合する係合位置と前記係合部から解放される解放位置との間で交互に移動可能となるように、前記押圧方向の力を前記回転部の回動に変換する変換部が設けられていることを特徴とする。
以上のような請求項1の発明では、連結凸部の回転部に設けられた係合突起が、連結凹部に設けられた係合部と係合し、連結凹部及び連結凸部の一方が押圧されるたびに、係合突起が、前記係合部に係合する係合位置と前記係合部から解放される解放位置との間で交互に移動するので、連結凸部または連結凹部を連結方向に押圧するだけで、連結具の連結及び切り離しができる。
請求項2の発明は、筒状の連結凹部と、前記連結凹部に挿入されることにより装身具を連結する連結凸部とを有する連結具において、前記連結凸部は、回転部とこれを回転可能に保持する保持部とを有し、前記回転部の外周には、係合突起が設けられ、前記連結凹部の内周には、前記係合突起に係合する係合部と、この係合部から解放される解放位置とが設けられ、前記連結凹部に前記連結凸部が挿入された状態で、前記連結凹部及び前記連結凸部のいずれか一方が互いに近接する方向に複数回押圧された場合に、前記前記係合突起は前記係合部を複数回係合した後、前記解放位置に移動するように、前記押圧方向の力を前記回転部の回動に変換する変換部が設けられていることを特徴とする。
以上のような請求項2の発明では、連結凸部と連結凹部とは係合突起と係合部とが係合することによって連結され、係合突起が解放位置に移動することによって切り離しが行われるが、この係合部と解放位置とは、係合部が複数個連続した後に解放位置が1つ現れるように構成されている。そのため、例えば、係合部連続2つに対し、解放位置を1つで構成した場合、係合突起は二つの係合部に係合した後に解放位置に至るので、切り離し時には2回の押圧が必要となる。
したがって、連結時にはワンプッシュで連結でき、切り離し時には2回のプッシュが必要となるため、仮に不意に連結凸部あるいは連結凹部のいずれかが押圧され、係合突起が移動することとなってしまった場合であっても、1回のプッシュであれば連結が維持され、切り離しが行われることがない。これにより、不意の切り離しの可能性が軽減され、実質的にロック機構としての効果を奏することとなる。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記変換部は、前記回転部と前記保持部との接触面に設けられ、互いに接触する方向に付勢される毎に、前記回転部を回動させるカム機構と、前記連結凹部及び前記連結凸部のいずれか一方が押圧された場合に、前記回転部を前記保持部に接触する方向に付勢し、押圧が解除された場合に、前記連結凹部及び前記連結凸部が互いに離脱する方向に付勢する付勢部と、を有することを特徴とする。
以上のような請求項3の発明では、請求項1における変換部として、回転部と保持部との接触面にカム機構を設けて回転部の回転を可能とすることにより、係合突起の係合位置と解放位置への移動がスムーズかつ正確に行えるようになる。また、例えばバネ等の弾性体からなる付勢部を用いることによって、回転部と保持部とが近接する方向に押圧された場合には、それらの接触面の接触を支持することができると共に、押圧が解除された場合には、連結凹部及び連結凸部が離脱する方向に付勢することができるので、ワンプッシュでの連結及び切り離しをより容易に行うことが可能となる。
請求項4の発明は、請求項3に記載の発明において、前記カム機構は、前記係合突起の一部であることを特徴とする。
以上のような請求項4記載の発明では、係合突起がカム機構も兼ねるため、より簡素な構成の連結具を提供することできる。
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記回転部と前記保持部とには、軸芯が貫通するとともに、この軸芯の両端部には当止めが設けられ、前記回転部と前記一方の当止めとの間に前記付勢部が設けられていることを特徴とする。
連結具では、連結凸部に軸芯とその両端部に当止めを設け、さらに連結凸部の挿入端部である回転部と当止めとの間に付勢部を設けることによって、連結凸部と連結凹部とをワンプッシュで連結・切り離しを行うことができるとともに、連結凹部の構成を簡略化することができる。
請求項6の発明は、請求項3から5のいずれか1項に記載の発明において、前記係合部の間には、前記連結凸部の挿入時に、前記係合突起を通過させる係合溝が設けられ、前記連結凹部には、前記係合突起を前記各係合溝に誘導するガイドが設けられていることを特徴とする。
以上のような請求項6の発明では、係合部の間に係合溝を設けることにより、係合突起と係合部の係合を支持することができると共に、この係合溝に係合突起を誘導するガイドが設けられているため、連結凸部の挿入時に係合突起を係合溝に合わせて挿入しなくとも、ガイドに沿って挿入することができるので、連結凸部の連結凹部への挿入作業がより容易に行えるようになる。
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明において、前記回転部の挿入先端面は、略球面状であることを特徴とする。
以上のような請求項7の発明では、連結凸部を連結凹部に挿入するに際して、例えば、連結凹部と連結凸部の挿入方向中心軸がずれた状態で挿入しようとした場合であっても、回転部の先端面が球面形状であるため、この回転部が連結凹部の開口部に引っかかることなく連結凹部に挿入されるようになる。特に、請求項4の構成と組み合わせた場合には、連結凸部と連結凹部の中心軸の位置関係および係合突起と係合溝の位置関係がずれていても、そのずれを補正して連結することが可能となる。
請求項8の発明は、請求項1から7記載のいずれか1項に記載において、前記連結凸部は、連結時において、その外周を前記連結凹部に覆われていることを特徴とする。
以上のような請求項8の発明では、連結凸部を連結凹部によって覆うことによって、両部材の連結が確実となり、連結凸部の連結凹部内での遊動等が生じなくなるともに、連結時には、この連結凹部の外装により連結凸部の挿入方向がガイドされるため、装着感が向上する。
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の発明において、前記連結凸部と前記連結凹部とは、連結時において互いに回動自在に構成されていることを特徴とする。
以上のような請求項9の発明では、例えば、ネックレス等の装身具を取りつける場合に、ネックレス等がよじれたままの状態で、連結凸部と連結凹部とを連結したとしても、連結時においても連結凸部あるいは連結凹部のいずれかを回転させることができるため、このよじれを容易に修正することが可能となる。
請求項10の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の発明において、前記保持部の外装にはロック部が設けられ、このロック部は、前記連結凸部を軸方向に所定範囲で摺動可能に支持するとともに、連結時には前記連結凹部と当接して、当該連結凸部の端部の押圧によっては連結凸部が摺動しないようにすることを特徴とする。
以上のような請求項10の発明では、連結凸部の保持部外装にロック部を設け、このロック部に対して保持部を摺動可能とし、さらに、このロック部が連結時には連結凹部と当接して連結凸部の摺動を抑制するため、連結時においては、連結凸部と連結凹部の端部同士を押圧したとしても、切り離しは行われない。したがって、例えば、例えば、連結凸部と連結凹部とを各種物品の連結部分として適用した場合、当該物品が例えばネックレス等の装身具のように高価値品である場合や、シートベルト等のように安全上切り離しが容易に行われては不都合な物品において、連結時においては連結凸部あるいは連結凹部の一方の端部が押圧されたとしても連結凸部が摺動することはない。したがって、不意な外力が連結凸部や連結凹部の軸方向にかかったとしても、切り離しが行われることはない。
請求項11の発明は、請求項10に記載の発明において、前記保持部には、前記ロック部に対して前記連結凸部の摺動を可能にする摺動部が設けられ、当該摺動部を前記連結凹部と近接する方向に押圧することによって前記連結凸部と前記連結凹部とが近接することを特徴とする。
以上のような請求項11の発明では、保持部には、連結凸部の連結・切り離し方向に対する摺動を可能とする摺動部が設けられていることにより、この摺動部を動かすことによって係合突起が係合部と解放位置との間を移動することとなるため、請求項10のロック機構を採用した場合においても、連結・切り離しを容易に行うことができる。
請求項12の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の発明において、前記連結凸部は、連結時において、連結凹部に係止して当該連結凸部が摺動しないようにする係止部と、当該係止を解除する解除部とを備えることを特徴とする。
以上のような請求項12の発明では、連結時において、連結凸部と連結凹部とは挿入・反挿入方向に対して係止部によって固定することができる。そのため、例えば、連結凸部と連結凹部とを各種物品の連結部分として適用した場合、当該物品が例えばネックレス等の装身具のように高価値品である場合や、シートベルト等のように安全上切り離しが容易に行われては不都合な物品において、連結時においては係止部の係合が開放されない限り、連結凸部が摺動することはない。したがって、不意な外力が連結凸部や連結凹部の軸方向にかかったとしても、切り離しが行われることはない。
また、連結・切り離しを行う場合には、係止部の係止状態は解除部によって解除されるため、挿入時あるいは切り離し時においてこの解除部を作用させれば、ワンプッシュでの連結・切り離しを行うことができる。
請求項13の発明は、請求項12記載の発明において、前記連結凹部には、前記係止部を受ける係止溝が設けられていることを特徴とする。
以上のような請求項13の発明では、係止部が連結凹部に設けられた係止溝に係止することによって、連結時における連結凸部と連結凹部の固定をより確実に行うことができ、ロック機構としての信頼性を向上させることができる。
請求項14の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の発明において、前記連結凸部の前記保持部下部には、連結時において、前記連結凹部に当接して当該連結凸部が連結凹部に対して摺動しないようにする係止板が設けられ、この係止板は、当該板を押圧することによって前記連結凹部との当接が外れることを特徴とする。
以上のような請求項14の発明では、連結時には、連結凸部の保持部下部に設けられた係止板が連結凹部に当接して連結凸部の摺動を阻止するため、例えば、連結凸部と連結凹部とを各種物品の連結部分として適用した場合、当該物品が例えばネックレス等の装身具のように高価値品である場合や、シートベルト等のように安全上切り離しが容易に行われては不都合な物品において、連結時においては係止板の連結凹部に対する当接が解放されない限り、連結凸部が摺動することはない。したがって、不意な外力が連結凸部や連結凹部の軸方向にかかったとしても、切り離しが行われることはない。
請求項15の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の発明において、前記連結凹部には、連結時において前記連結凸部の前記保持部を挟み込む挟固部を備え、この挟固部が前記保持部を挟み込むことによって、前記連結凸部が連結凹部に対して摺動しないようにすることを特徴とする。
以上のような請求項15の発明では、例えば、連結凸部と連結凹部とを各種物品の連結部分として適用した場合、当該物品が例えばネックレス等の装身具のように高価値品である場合や、シートベルト等のように安全上切り離しが容易に行われては不都合な物品において、連結時においては挟固部の挟み込みが開放されない限り、連結凸部の摺動が抑制される。したがって、不意な外力が連結凸部や連結凹部の軸方向にかかったとしても、切り離しが行われることはない。
請求項16の発明は、請求項1から15のいずれか1項に記載の発明において、前記連結凸部及び前記連結凹部の連結方向と反対の端部には、多種物品を接続するための接続部が設けられていることを特徴とする。
以上のような請求項16の発明では、多種物品を接続する接続部が、連結凹部及び連結凸部に一体あるいは別体に取付ける態様で設けられているため、例えば、既存のネックレスやブレスレットの連結具等、多種物品の連結具に代えて本発明を取付けることが可能である。
以上説明したように、本発明の連結具によれば、カム機構を用いてこのカムの係合によって連結具の連結及び切り離しを行うため、ワンプッシュで簡易迅速に着脱することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照して具体的に説明する。
〔1.連結・切り離し機構〕
〔1−1.第1の実施形態〕
第1の実施形態に係る連結具1は、図1に示すように、カムを備えた連結凸部2と内部にバネを備えた筒状の連結凹部3とからなる。
(1) 連結凸部の構成
この連結凸部2は、図1または図2に示すように、周面に係合突起23を備えた回転部21と、この回転部21を回動可能に保持する保持部22とからなる。
回転部21は、円筒形の軸部21aと、同じく円筒形で係合突起23を備える回転ヘッド21bとからなる。図2において回転ヘッド21bの断面図に示すように、この回転ヘッド21bには、係合突起23が等間隔に4つ設けられている。また、回転ヘッド21bの係合突起23を除いた外周と保持部22の外周とは同一に構成され、軸部21aの外周と保持部22の内周とは略同一に構成されている。
ここで、この回転ヘッド21bの周状に設けられる係合突起23の構成は、図2の等間隔に4つ設けた態様に限られず、図3(a)に示すように120゜の間隔で3つ設けたり、図4(a)に示すように72゜の間隔で5つ設ける等、その構成は任意である。ただし、後述する係合溝との関係上、少なくとも等間隔で設ける必要がある。また、ある程度小型化、部材自体の簡略化の観点からは係合突起を3つあるいは4つで構成するのが望ましい。
回転ヘッド21bの下端部には山切りにカットされたカム24aが設けられ、保持部22の上端部には同じく山切りにカットされたカム24bが設けられている。そして、これらのカムが相互に噛合って、回転ヘッド21bと保持部22との回動を制御している。さらに具体的には、このカム24a、24bは、回転ヘッド21b及び保持部22の円周上に沿って、一つの山型の噛合いを1とすると、等間隔に8つの噛合いが設けられている。また、回転ヘッド21bに均等に配置された係合突起23の下端部は、この山切りカットされたカム24aの一斜辺を形成し、すべて同一の方向に(ここでは右下がり)傾斜が付けられている。
なお、このカム24の構成は、このような山切りにカットしたものに限られず、上下が噛合い、回転ヘッド21bの回動が保持部22によって制御されるようなものであれば、例えば、図5に示すように、波切りにカットした構成としても良い。ただし、係合突起23は、後述する連結凹部3に設けられた係合部と係合することから、その下端部に傾斜面を有する必要がある。したがって、構成の簡略化からは、この係合突起23の形状に合わせて山切りとするのが最適である。
一方、保持部22には、図2に示すように、カム24bの一つの噛合いにおける頂点Vの直線状を中心とする固定突起25が設けられている。この固定突起25は、後述する連結凸部2を連結凹部3に挿入した際に、連結凹部3の係合溝33と係合して、両者の回転を制御するものである。
ここで、係合突起23と固定突起25とは、その周面と平行な幅Wは、後述する係合溝33の幅を基準として略同一に構成されているが、その外周方向への厚さは、係合突起23の厚さT1が固定突起25の厚さT1’よりも厚く構成されている。また、この固定突起25は上記の通り、カム24bの頂点Vの下部に設けられているため、回転ヘッド21bと保持部22がカム24a、24bを介して噛合った場合には、図2に示すように係合突起23の中心Mは、固定突起25の中心である直線L上からずれた状態となる。
このような構成からなる回転部21と保持部22とは、図2に示す通り、軸部21aが保持部22の筒内に嵌挿されているが、この場合、回転部21が保持部22に対して回動自在に保たれるように、挿入方向I−A’に対して摺動可能に接続されている。すなわち、回転部21は、保持部22に対して連結方向に若干の遊びPがある。
また、本実施形態における回転部21と保持部22の接続方法としては、軸部21aに保持部22の内周径よりも若干大きい径を有するネジSを用いて、ネジ留めすることとしている。なお、この構成は、実施形態の一例に過ぎず、回転部21の遊びPが維持される限りは、いずれの態様でもよい。例えば、図6に示すように、軸部21aに予め固定された軸芯28で構成することも可能である。
(2) 連結凹部の構成
連結凹部3は、図1に示すとおり、連結凸部2を挿入する側に開口部31を備える筒状体で、開口部31と反対の端部には、筒内部に向かってバネ32が設けられている。このバネ32は、連結凸部2が連結凹部3に挿入された場合に、回転部21の先端面を押圧し、この回転部21を保持部22に接触する方向(反挿入方向I’)に付勢すると共に、この回転部21の押圧が解除された場合に、連結凹部3及び連結凸部2が互いに離脱する方向(反挿入方向I’)に付勢するものである。そして、上記連結凸部2におけるカム24とこのバネ32とによって、連結凸部2挿入時の押圧方向に対する力を、回転部21の回動方向に変換する変換部を構成している。
開口部31付近には、図7(a)の連結凹部3の一部を展開した図に示すとおり、連結凹部3の内周面に沿って、上記係合突起23あるいは固定突起25と係合する係合溝33(33A及び33B)が設けられている。この係合溝33の数は、固定突起25と同一であり、本実施形態では内周面上に等間隔に8つ設けられている。
また、図7(b)の断面図に示すように、この8つある係合溝33は、その構成の相違から、90゜間隔で4ずつを一組として係合溝33Aと33Bとに分けられ、係合溝33Bは後述する係合部34の一部をなすと共に、これら各係合溝はその厚さT2、T2’が異なっている。
すなわち、係合溝33のうち、係合部34の一部を構成しない係合溝33Aの厚さT2は、連結凸部2の係合突起23の厚さT1と略同一である。また、係合部34の一部を構成する係合溝33Bの厚さT2’は、連結凸部2の固定突起25の厚さT1’の厚さと略同一に構成されている。つまり、係合溝33のうち33Aの4つの溝は、連結凸部2が挿入される際に固定突起25を通過させるが、係合突起23は通過させないように構成されている。一方、33Bの4つの溝は、係合突起23及び固定突起25ともに通過させるように構成されている。
係合部34は、上記係合溝33を挟む形で設けられており、図7(a)に示す通り、係合溝33Bとその一部を共有する連結係合部34aと、係合溝33の間隙にのみ設けられている送り係合部34bとが一組となって、全部で4組設けられている。この連結係合部34aは、係合突起23が係合する係合し連結凸部2と連結凹部3の連結を実現するものであり、送り係合部34bは、連結係合部34aから移動してくる係合突起23を係合溝33方向へ送り出し、連結凸部2と連結凹部3の連結を解放するものである。
また、この係合部34の高さH’は、図2に示す連結凸部2の保持部22の高さHよりも短く構成されており、連結凸部2がバネ32の付勢力に抗して挿入された場合には、この係合部34の上部に少なくとも係合突起23が突出するように構成されている。また、この係合部34の上端部には、連結係合部34aあるいは送り係合部34bともに同一の角度を有する傾斜面A、F’が設けられており、この傾斜角度は、係合突起23の下端部と同一となっている。
(3) 作用
以上のような構成からなる本実施形態の連結具1は、具体的に以下のように作用する。なお、本実施形態の作用を示す図8及び図9においては、説明の便宜上、係合突起23と係合部34について、ハッチングを施して強調した。
(連結作用)
まず、連結動作について、図2及び図8を用いて説明する。連結凸部2に設けられた回転部21の係合突起23を、連結凹部3の開口部31から係合溝33に合わせて挿入すると、この回転ヘッド21bの先端面が連結凹部3内に設けられたバネ32に当接する。この状態からさらに係合突起23が係合溝33を通過し、回転ヘッド21bが係合溝33及び係合部34を超える位置まで移動すると、連結凸部2の固定突起25が係合溝33によって連結凸部の回転方向に対して固定された状態となる。
また、回転ヘッド21bは、バネ32の付勢力によって連結反対方向に押圧されるため、回転ヘッド21bと保持部22のカム24a、24bが噛合った状態となる。ここで上記の通り、係合突起23と固定突起25は、カム24が噛合った状態では挿入方向同一直線L状に位置しないため、係合突起23は、係合溝33とずれた状態、すなわち、連結凹部の連結係合部34aの傾斜面Aに連結方向直線上で重なった状態となる(図8(a)参照)。
この状態において挿入方向への押圧を停止すると、バネ32の付勢力により、この連結凸部2は反挿入方向I’に押し返されるが、その際、カム24の噛合いが外れ、回転ヘッド21bが回動可能な状態となる。そうすると、係合突起23が連結係合部34aの傾斜面Aを滑って、連結係合部34aの係合溝33A上の位置まで移動し、これにより連結凸部2と連結凹部3が連結される(図8(b)参照)。また、この際、固定突起25は、係合溝33によって、回転方向の動きを規制された状態であるため、連結凸部2と連結凹部3とは回転しない。
(切り離し作用)
次に切り離し作用について、図9を参照して説明する。切り離しを行うには、まず、連結凸部2あるいは連結凹部3のいずれかを再度挿入方向Iへ押圧する。そうすると、挿入時と同様、回転部21がバネ32の付勢力に抗して、挿入方向Iに移動する。そして、係合突起23と連結係合部34aの係合が解除されると共に、回転ヘッド21bは係合部34上にまで移動する(図9(a)参照)。この際、回転ヘッド21bの先端面はバネ32によって反挿入方向I’に付勢されているため、回転ヘッド21bと保持部22のカム24a及び24bは噛合う状態となる。
挿入時同様、この状態においては、係合突起23と固定突起25は、挿入方向同一直線L上に位置しないため、係合突起23は、係合溝33とずれた状態、すなわち、連結係合部34aに隣接する送り係合部34bの傾斜面A’に掛かった状態となる(図9(a)参照)。
この状態において、挿入方向Iへの押圧を止めると、バネ32の付勢力によりこの連結凸部2は、反挿入方向I’へ押し返されるが、同時に回転ヘッド21bと保持部22とを近接させる力も解放されるため、カム24の噛合いが外れ、回転ヘッド21bが回動可能な状態となる。そうすると、回転ヘッド21bは、バネ32の押圧力にしたがって、係合突起23が送り係合部34bの傾斜面Aを滑りながら回転し、係合溝33B上に達する(図9(b)参照)。そして、回転ヘッド21bは、さらにバネ32の付勢力により反連結方向に押し出され、これにより連結凸部2と連結凹部3は切り離されることとなる。
(4) 効果
以上のような本実施形態の連結具1では、連結凸部2の回転部21に設けられた係合突起23が、連結凹部3に設けられた係合部34と係合し、連結凹部3及び連結凸部2の一方が押圧されるたびに、係合突起23が係合位置である連結係合部34aと連結解放位置である送り係合部34bとを移動するので、連結凸部2または連結凹部3を連結方向に押圧するだけで、連結具1の連結及び切り離しができる。
また、回転部21の回転ヘッド21bと保持部22との接触面にカム24を設けて回転ヘッド21bを回動可能とすることにより、係合突起23の連結係合部34aへの係合、および送り係合部34bへの移動がスムーズかつ正確に行えるようになる。また、連結凹3内部にバネ32を設けて連結凸部2の回転ヘッド21bを反連結方向に押圧することによって、このバネ32が、連結凸部2が押圧され回転部21と保持部22近接するのを支持することとなるため、カム24の噛合いを確実に行うことができるようになる。さらに、このバネ32は、連結凸部2及び連結凹部3の切り離す際に、連結凸部2の押圧が解除された場合には、連結凸部2及び連結凹部3が反挿入方向I’に付勢する。これにより、連結凸部2あるいは連結凹部3を挿入方向に単に押圧するだけで連結及び切り離し行うことが可能となる。
〔1−2.第2の実施形態〕
本実施形態に係る連結具40について、図10を用いて説明する。同図に示すように、連結具40は、上記第1の実施形態の連結具1の連結凸部2と連結凹部3に改良を施したものである。具体的には、回転部21の挿入先端部に球面状の先端面Eを設けると共に、回転ヘッド21bの先端角部もカットした連結凸部2と、開口部31に係合溝33に向かってV字状の切り込みを持ったガイド35を設けた連結凹部3とを有するものである。なお、その他の構成に関しては、上記第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上のような連結具40では、連結凹部3の係合溝33に向かって設けられたV字上のガイド35によって、連結凸部2の挿入時に回転部21に設けられた係合突起23を係合溝33に合わせなくとも、連結凸部2が連結方向に押圧されれば、係合突起23は、ガイド35の傾斜に沿って係合溝33まで移動するので、連結凸部2の連結凹部3への挿入作業がより容易に行えるようになる。
また、回転部21の挿入面には、球面状の先端面Eが設けられ、さらに、回転ヘッド21bの先端角部もカットされているので、連結凸部2を連結凹部3に挿入するに際して、例えば、連結凸部2と連結凹部3の挿入方向中心軸がずれた状態で、すなわち回転部21と連結凹部3の開口部31が当接したような状態で挿入しようとした場合であっても、回転部21の先端面Eが球面形状であるため、この回転部21が連結凹部3の開口部31に引っかかることなく挿入することができる。
このように、本実施形態の連結具40では、連結凸部2と連結凹部3における中心軸の位置関係及び係合突起23と係合溝33の位置関係がずれていても、そのずれを補正して連結することができるので、ワンプッシュ動作のみで、簡易迅速に連結、切り離しが可能となる。
〔1−3.第3の実施形態〕
(1) 構成
本実施形態に係る連結具50について、図11を用いて説明する。同図に示すように、連結具50は、第1の実施形態において連結凹部3に設けられていたバネ32を連結凸部2側に設けたものである。具体的には、図11に示すように、連結凸部51は、回転部21及び保持部22を貫通した軸芯53と、この軸芯53の両端部に設けられた当止め54a、54bとを備え、さらにこの当止め54aと回転ヘッド21bとの間に、これらを相互に離反させるバネ55が設けられている。
また、軸芯53、保持部22の端部まで延び、この保持部22の端部は、当止め54bと当接して軸芯53の摺動を抑えるように構成されている。なお、その他の構成に関しては、上記第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
(2) 作用
上記の構成からなる本実施形態の連結具50では、連結凸部51の係合突起23を連結凹部52の開口部31から係合溝33にあわせて保持部22を把持して挿入すると、まず、当止め54aが連結凹部52の端面56へ当接する。この状態から、さらに回転部21及び保持部22を挿入方向に移動させると、バネ55は、この押圧力によって収縮し、回転ヘッド21bの先端面と上記端面56とが互いに近接する。
そして、係合突起23は、係合溝33を通過し、回転ヘッド21bが係合溝33及び係合部34を超える位置まで移動する。このとき、連結凸部2の固定突起25が係合溝33によって連結凸部の回転方向に対して固定された状態となると同時に、回転ヘッド21bはバネ55に押圧されているため保持部22との距離が縮まり、カム24aとカム24bとは相互に噛み合った状態となる。
このような状態では、第1の実施形態で説明したように、係合突起23と固定突起25とは挿入方向同一直線L状に位置しないため、係合突起23は、係合溝33とずれた状態、すなわち、連結凹部の連結係合部34aの傾斜面Aに挿入方向直線上で重なった状態となる(図11(b)参照)。
そして、上記第1の実施形態と同様、この状態で挿入方向への押圧を停止すると、バネ55が端面56と回転ヘッド21bとを互いに離反させる方向へ付勢するため、この連結凸部51は反挿入方向I’に押し返される。その際、カム24の噛合いが外れ、回転ヘッド21bが回動可能な状態となる。そして、係合突起23が連結係合部34aの傾斜面Aを滑って、連結係合部34aの係合溝33A上の位置まで移動し、これにより連結凸部2と連結凹部3が連結される。また、この際、固定突起25は、係合溝33によって回転方向の動きを規制された状態であるため、連結凸部51と連結凹部52とは回転しない。
同様に、保持部22は、回転部21から離れ、軸方向に対してはフリーな状態となるが、連結状態を示した図12(a)に見られるように、固定突起25は、係合溝33に係合したままとなるため、回転方向に対しては規制されたままである。また、挿入方向に対しても、保持部22の挿入端部と反対の端部は、当止め54bと当接した状態となることによって、規制される。
次に切り離し作用について説明する。切り離しを行うには、まず、図12(b)に示すように、連結凸部2あるいは連結凹部3のいずれかを再度挿入方向Iへ押圧する。そうすると、挿入時と同様、回転部21がバネ55の付勢力に抗して、挿入方向Iに移動する。そして、係合突起23と連結係合部34aの係合が解除されると共に、回転ヘッド21bは係合部34上にまで移動する。この際、回転ヘッド21bの先端面はバネ55によって反挿入方向I’に付勢されているため、回転ヘッド21bと保持部22のカム24a及び24bは噛合う状態となる。
挿入時同様、この状態においては、係合突起23と固定突起25は、挿入方向同一直線L上に位置しないため、係合突起23は、係合溝33とずれた状態、すなわち、連結係合部34aに隣接する送り係合部34bの傾斜面A’に掛かった状態となる(図12(b)参照)。
この状態において、挿入方向Iへの押圧を停止すると、バネ55の付勢力によりこの連結凸部2は、反挿入方向I’へ押し返されるが、同時に回転ヘッド21bと保持部22とを近接させる力も解放されるため、カム24の噛合いが外れ、回転ヘッド21bが回動可能な状態となる。そうすると、回転ヘッド21bはバネ55に押圧されながら、係合突起23が送り係合部34bの傾斜面Aを滑ることによって回転し、係合溝33上に達する。そして、回転ヘッド21bは、さらにバネ55の付勢力により反連結方向に押し出され、これにより連結凸部51と連結凹部52は切り離されることとなる。
(3) 効果
以上のように作用する本実施形態の連結具50では、連結凸部51に軸芯53とこの両端部に当止め54を設け、さらに、回転部21と当止め54aとの間にバネ55を設けることによって、第1の実施形態と同様な連結・切り離し作用を実現することができるとともに、連結凹部52の構成を簡略化を図ることができる。
(4)他の態様
本実施形態においては、連結凸部51の先端部に設けられた当止め54a及びバネ55を外観から表出しないようにすることも可能である。すなわち、図13(a)に斜線で示し、(c)に斜視図を示すように、当止め54aを筒状のカバー57で覆うことにより、この当止め54a及びバネ55を表出しないようにする。
そして、同図(b)に示すように、連結凸部51を連結凹部52に挿入し、当止め54aと回転部21が近接した場合には、このカバー57は、回転部21に設けられた収納溝21cに収納されるように構成することができる。
これにより、連結凸部51より突出した当止め54a及びバネ55が外部より目立つことなく、構成することが可能である。なお、このカバー57の素材や形状等は回転部21に収納され、その作用を妨害するものでなければ任意であり、当止め54aとの構成も一体としても良いし、上記のように取り付ける構成としてもよい。
〔2.ロック機構〕
次に、上述した連結・切り離し機構を備える本発明の連結具において、連結時に誤動作による不用意な切り離しを防止するために設けられたロック機構の種々の態様について図14〜図30を用いて具体的に説明する。なお、これらの図面における連結具の連結・切り離し機構は、上記第1の実施形態の態様を示すが、本発明のロック機構は、必ずしも図面に示す連結・切り離し機構においてのみ適用可能であるのではなく、上述した連結・切り離し機構のいずれの態様においても適用可能である。また、本項においては、この連結・切り離し機構の詳細な構成あるいは作用については、上述の通りであるので適宜省略する。
〔2−1.第4の実施形態〕
(1) 構成
第4の実施形態に係る連結具60は、図14に示すように、上述した連結・切り離し機構を備える連結具の連結凸部の構成に改良を加え、ロック機構を設けたものである。上記各実施形態では、連結凸部と連結凹部の端部を互いに近接する方向に押圧、特に保持部を連結凹部に対して押圧することによって連結・切り離しを行っていたが、本実施形態のロック機構は、この保持部の外装を覆うことによって保持部を押圧することによる連結・切り離しを行えないようにしたものである。
すなわち、連結凸部61の保持部62の外装には、連結凹部63の開口部63aに当接して連結凸部61の摺動を抑止する筒状のロック部64が設けられている。このロック部64は、開口部63aと略同一の径からなる。
一方、保持部62には、回転部65が回動及び摺動自在に軸支されている。これは、上記実施形態において図6に示した構成と類似の構成であり、回転部65の軸部65aに予め固定された軸芯65dを設け、この軸芯65dを保持部62の底部に設けられた孔を貫通させ、さらに軸芯65dの端部に当止め65eを設けて構成したものである。
このロック部64と及び回転部65とは、軸芯65dを備える保持部62に対して、この軸芯65dがそれぞれの軸方向中心部分を貫通した状態で、当止め65eと保持部62との間に摺動自在に接続されている。
ここで、連結凸部61と連結凹部63とは、上記各実施形態において詳述した通り、いずれかあるいは相互が近接又は離反することによって連結・切り離しを行うものであり、本実施形態においてもこの作用が実現されるにように次のような構成を有する。
すなわち、摺動自在に設けられた保持部62及び回転部65を連結凹部63に対して挿入した際に近接させる手段として、保持部62の外周の直径上に一組の支持ピン62aが設けられ、この支持ピン62aにはドーナツ状にリング62bが取り付けられている。
また、ロック部64におけるこの支持ピン62aと軸方向の同位置には一組のガイド溝64bが設けられている。そして、このガイド溝64bに支持ピン62aが通され、このリング62bを軸方向に移動させることによってロック部64に対して保持部62及び回転部65が摺動するように構成されている。
このガイド溝64bは、軸方向に対して一定範囲設けられており、その範囲は保持部62が摺動する範囲と略同一である。具体的には、保持部62の底部が内壁64aと接する位置から、当止め65eが内壁64aと接しつつ保持部62と回転部65のカムが相互に噛み合った状態となる位置までである。そして、保持部62の底部が内壁64aに接する場合には支持ピン62aの位置は、ガイド溝64bの底部分に位置し、当止め65eと内壁64aがと右折する場合には支持ピン62aの位置は、ロック部64の開口部直近にとなるように構成されている。
なお、保持部62及び回転部65を摺動させるために支持ピン62aに取り付ける部材としては、上記のようなリング62bに限られず、例えば、図15(a)に示すように、半楕円状のつまみ62eを設けたり、同図(b)に示すように、ロック部64を覆うように筒状体62fを設けるようにしてもよい。
また、これらの部材は、前述の通り、保持部62等を図中矢印方向に移動させるために設けられているのであるから、この移動を容易にするために図15(a)に示すように、つまみ62eの側面に傾斜を設けたり、同図(b)において2点鎖線で示すように、人の指が納まる程度の凹凸を設けるなどして構成してもよい。さらに、本実施形態の連結具60を用いる物品によって物品全体としてのデザイン性が要求される場合には、その形状を物品全体のデザインと統一感を持たせて構成することも可能である。
その他の構成に関しては、本実施形態特有の符号を付すが、実質的には上記第1の実施形態において説明したものと同様であるため説明を省略する。
(2) 作用効果
上記の構成からなる本実施形態の連結具60は、上述の通り、連結具の連結・切り離しを直接的に保持部を押圧することによって行うのではなく、ロック部64によって保持部の外装を覆い、ロック部64に設けられた部材を介して保持部62を間接的に摺動させることによって行うロック機構を備えたものである。したがって、以下、この連結具60の作用を説明するに当たっては、この保持部とそれに伴って回転部が連結・切り離しを行うための摺動動作を中心に説明する。
図16(a)に示すように、連結凸部61に設けられた回転部65の係合突起65cを、連結凹部63の開口部63aから係合溝63bに合わせ挿入し、ロック部64が連結凹部63の開口部63aに対して当接する位置まで差し込む。次に同図(b)に示すように、リング62bを連結方向へ移動させると、それに伴って保持部及び回転部65も連結凹部63内を連結方向に向かって移動する。
そして、係合突起65cが係合溝63bを通過し、回転ヘッド65bが係合溝63b及び係合部34を超える位置まで移動すると、回転ヘッド65bは、バネ63cの付勢力によって連結反対方向に押圧されるため、回転ヘッド65bと保持部62のカム65f、65eが噛合った状態となる。
この状態でリング62bを離すと、バネ63cの付勢力により、この連結凸部61は反挿入方向I’に押し返され、回転ヘッド65bの回転に伴って係合突起65cが連結係合部の傾斜面Aから連結係合部34a上の位置まで移動し、これにより連結凸部61と連結凹部63が連結される(図16(c)参照)。
また、切り離し時には、図16(c)の状態から、リング62bを同図(b)の状態に移動させることよって回転ヘッド65bが回転し、係合突起65cが送り係合部34bの傾斜面A’にかかる。そして、この状態で、挿入方向Iへの押圧を止めると、バネ63cの付勢力によりこの連結凸部61は、反挿入方向I’へ押し返されると同時に、カム65f,65gの噛合いが外れ、回転ヘッド65bが回動可能な状態となる。そうすると、回転ヘッド65bは、バネ63cの押圧力にしたがって、係合突起65cが送り係合部34bの傾斜面A’を滑りながら回転し、係合溝63b上に達する。そして、回転ヘッド65bは、さらにバネ63cの付勢力により反連結方向I’に押し出され、これにより連結凸部61と連結凹部63は切り離されることとなる。
以上のような本実施形態の連結具60によれば、連結凸部61の外装にロック部64を設け保持部62を覆い、この保持部62を主とする連結凸部61の摺動をロック部64外周に設けたリング62bを設けることによって、連結凹部62と連結凹部63との連結・切り離しをこのリング62bを摺動させることによって行うようにできる。また、連結時には、ロック部64の端部と開口部63aとが当接した状態となるため、連結凸部61と連結凹部63の端部同士を押圧したとしても、連結・切り離し機構は作用しないこととなる。
したがって、例えば、連結凸部61と連結凹部63とを後述するようにネックレス等の装身具の連結部分として適用した場合において、ネックレスにかかる外力によって、この連結凸部61あるいは連結凹部63のいずれかの端部に間接的に挿入方向への外力が加わったとしても、ロック部64と開口部63aとが当接して連結凸部61の摺動を抑えるため、意図しない切り離しが行われることはない。
また、連結・切り離し時には、ロック部64の外周に設けられたリング62bを連結凸部61の挿入方向に対して摺動することによって、ワンプッシュでの連結・切り離しが可能であり、連結具としての利便性は高い。
また、本発明の連結具では、連結・切り離し動作を繰り返した場合、連結凹部に対して連結凸部の回転部は順次一定方向に回転することとなる。そして、第1の実施形態の場合において、後述の図33〜35、37等に示すように回転部に直接的に接続部を設けた場合には、この回転部の回転によって、接続部も回転することとなる。
一方で、本実施形態の連結具60では、この連結凸部61の回転部あるいはそこから直結している当止め65e等は、ロック部64に覆われており、このロック部64は連結・切り離し動作によっては、回転しない。したがって、本実施形態の連結具60では、後述する他物品を連結凸部あるいは連結凹部に接続する場合、連結凸部側はロック部64に取り付けて構成することによって、連結・切り離し動作によって生じる連結凸部あるいは連結凹部の回転の影響を接続される物品に与えることはない。
このことは、例えば、後に図37で開示するように、本連結具をネックレス等に用いた場合、第1の実施形態の連結具では、連結・切り離し動作によって接続されるネックレスによれが生じてしまう可能性があるが、本実施形態の連結具であればこのようなことが起こらない。特に、パールのネックレスのように、ネックレス全体に装飾品を配したものでは、このような接続部が回転しないように構成する態様は有効である。
〔2−2.第5の実施形態〕
(1) 構成
本発明の第5の実施形態は、上記第4の実施形態と連結・切り離し機構における上記第3の実施形態とを組み合わせて構成したものであり、図17に示すように、本実施形態における連結具70の連結凸部71は、回転部72及び保持部73を貫通した軸芯74と、この軸芯74の挿入側端部に設けられた当止め75と、それと反対の端部に設けられた蓋76とを備え、さらにこの当止め75と回転ヘッド72aとの間に、これらを相互に離反させるバネ77が設けられている。この保持部73は、蓋76と当接して保持部73の摺動が抑えられるようになっている。
この連結凸部71と連結凹部78とは、いずれかあるいは相互が近接・離反することによって作用するものであるから、本実施形態では、この作用を実現するため、上記のように軸芯74に対して摺動自在に設けられた保持部73及び回転部72を連結凹部78に対して挿入した際に近接させる手段として、次のような構成を備えている。
すなわち、保持部73の外周には、直径上に一組の支持ピン73aが設けられるとともに、保持部73の外周上でこの支持ピン73aにリング73bが設けられている。そして、このリング73bを挿入・反挿入方向I−I’に摺動することによって軸芯74に対して保持部73及び回転部72が摺動するように構成されている。
なお、保持部73及び回転部72を摺動させるために支持ピン73aに取り付ける部材としては、上記のようなリング73bに限られず、上記第1の実施形態で示したように、図15(a)において示した半楕円状のつまみ62eを設けたり、同図(b)に表されるような筒状体62fを適用することも可能である。
また、上記第4の実施形態同様、保持部73等の図中矢印方向への移動を容易にするために同図(a)に示すように、つまみ73eの側面に傾斜を設けたり、同図(b)において2点鎖線で示すように、人の指が納まる程度の凹凸を設けるなどして構成してもよい。さらに、後述するように本実施形態の連結具70を用いる物品によって物品全体としてのデザイン性が要求される場合には、その形状を物品全体のデザインと統一感を持たせて構成することも可能である。
さらに、図18に示すように、本実施形態の連結凸部71についても、第4の実施形態の場合と同様、保持部73の外装に、連結凹部78の開口部78aに当接して連結凸部71の摺動を抑止する筒状のロック部79を設けて構成することも可能である。これにより、第4の実施形態と同様、連結時には、ロック部79の端部と開口部78aとが当接した状態となるため、連結凸部71と連結凹部78の端部同士を押圧したとしても、連結・切り離し機構は作用しないこととなる。また、回転部72あるいは軸芯74は連結・切り離しに際して回転するのに対して、このロック部79は保持部73の固定突起を介して回転しないように固定されているため、第4の実施形態で説明したのと同様、後述する多種物品を取り付ける場合にこのロック部79に接続部を設けるとメリットがある。
また、連結凸部71の先端部に設けられた当止め75及びバネ77を外観から表出しないようにすることも可能である。すなわち、図18(a)に斜線で示し、(c)に斜視図を示すように、当止め75を筒状のカバー75aで覆うことにより、この当止め75及びバネ77を表出しないようにする。そして、同図(b)に示すように、連結凸部71を連結凹部78に挿入し、当止め75と回転部72が近接した場合には、このカバー75aは、回転部72に設けられた収納溝72dに収納されるように構成することができる。これにより、連結凸部71より突出した当止め75及びバネ77が外部より目立つことなく、構成することが可能である。なお、このカバー75aの素材や形状等は回転部72に収納され、その作用を妨害するものでなければ任意であり、当止め75との構成も一体としても良いし、上記のように取り付ける構成としてもよい。
(2) 作用効果
上記の構成からなる本実施形態の連結具70は、上述の通り、連結具の連結・切り離しを直接的に保持部73を押圧することによって行うのではなく、保持部73に設けられた部材を介して保持部73を間接的に摺動させることによって行い、実質的に保持部73を主とする連結凸部71の摺動を抑止するロック機構を備えるものである。
すなわち、図17(a)に示すように、連結凸部71に設けられた回転部72の係合突起72bを、連結凹部78の開口部78aから係合溝33に合わせ、連結凸部71を連結凹部78に挿入する。次に、同図(b)に示すように、リング73bを連結方向Iへ移動させると、それに伴って保持部及び回転部72も連結凹部78内を連結方向に向かって移動する。
そして、係合突起72bが係合溝33を通過し、回転ヘッド72aが係合溝33及び係合部34を超える位置まで移動すると、回転ヘッド72aは、バネ77の付勢力によって連結反対方向I’に押圧される。このとき、回転ヘッド72aと保持部73のカム72c,73cが噛合った状態となる。
この状態でリング73bを離すと、バネ77の付勢力により、この連結凸部71は反挿入方向I’に押し返され、これに伴って係合突起72bが連結係合部34aの傾斜面A上をスライドすることによって回転ヘッド72aは回転し、この後、係合突起72bは連結係合部34a上に係合し、これにより連結凸部71と連結凹部78とが連結される。
また、切り離し時には、リング73bを同図(b)の状態に移動させることよって回転ヘッド72aが回転し、係合突起72bが送り係合部34bの傾斜面A’にかかる。そして、この状態で、挿入方向Iへの押圧を止めると、バネ77の付勢力によりこの連結凸部71は反挿入方向I’へ押し返されると同時に、カム72c,72dの噛合いが外れ、回転ヘッド72aが回動可能な状態となる。
そうすると、回転ヘッド72aは、バネ77の付勢力により反挿入方向へ押し返されるため、係合突起23が送り係合部34bの傾斜面Aをスライドして回転し、係合溝33上に達する。そして、回転ヘッド72aは、反連結方向I’へ押し出され、これにより連結凸部71と連結凹部78は切り離されることとなる。
以上のような本実施形態の連結具70では、連結凸部71の中心に軸芯74を貫通させ、この軸芯74上の回転ヘッド72a側にバネ77を設けるとともに保持部73の連結方向反対の端部には、軸芯74を設け、この軸芯74上において連結凸部71を摺動させるように構成したことによって、リング73bを介して連結凸部71の摺動を行い、保持部73端部は軸芯74によって外部からの押圧を防ぐことができる。
これにより、連結凸部71と連結凹部78の端部同士を押圧したとしても、連結・切り離し機構は作用しないこととなるから、例えば、連結凸部71と連結凹部78とを後述するようにネックレス等の装身具の連結部分として適用した場合において、ネックレスにかかる外力によって、この連結凸部71あるいは連結凹部78のいずれかの端部に間接的に挿入方向への外力が加わったとしても、リング73bに力がかからない限り、連結凸部71が連結凹部78内を摺動することはないので、意図しない切り離しが行われることはない。
また、連結・切り離し時には、保持部73の外周に設けられたリング73bを連結凸部71の挿入方向に対して摺動することによって、ワンプッシュでの連結・切り離しが可能であり、連結具としての利便性は高い。さらに、連結凸部71にバネ77を設けたため、連結凹部78のを簡素に構成することができる。
〔2−3.第6の実施形態〕
本発明の第6の実施形態における連結具80は、図19に示すように、連結凸部81の保持部82内に弾性の係止具83を備えたものである。図19に詳しく示すように、この係止具83はU字状で、一方の直線部分に保持部82の周上に設けられた孔から突出した係止ピン83aとその下部にU字状の係止具83を撓ませて係止ピン83aを保持部82に対して突出及び収納させる押部83bとを備える。すなわち、この係止ピン83aは、押部83bを押すことによって、図19(b)に示すように、保持部82内部に収納される。
また、本実施形態の連結凸部81における保持部82と回転部84との接続は、図20において二点鎖線で示すように、保持部82内部に設けられた内壁85と、係止具83上部に設けられた内壁85を貫通する軸芯86が設けられ、この軸芯86の先端部に設けられた当止め87とによって、回転部84と保持部82との適度な遊びP(本図では図示せず。図2参照。)を備えつつ軸芯86の摺動を制限することによってなされている。
一方、連結凹部88の開口部88a近傍には、上記係止ピン83aと略同大の係止溝88bが設けられており、連結凸部81及び連結凹部88の連結時には、係止ピン83aがこの係止溝88bに納まるようになっている。なお、図面上は表出していないが、この係止溝88bは、連結凹部88の内周面一円に設けられている。したがって、連結凹部を回転方向いずれの向きに挿入した場合であっても係止ピン83aは係止溝88bに係止するようになっている。なお、連結凸部81あるいは作用で説明する連結凹部の構成は、上述のものと同様であるので、説明を省略する。
以上のような構成からなる本実施形態の連結具80は、図19(a)に示すように、連結凸部81を連結凹部88に対して、押部83bを押圧しながら挿入する。この場合、係止ピン83aは、保持部82の筒状体内部に収納された状態となるので、連結凸部81の挿入動作の妨げとなることはない。そして、連結凸部81が、上述した連結作用によって連結されると、回転部84及び保持部82は、バネ88cの押圧力によって挿入反対方向I’に離反されるが、このとき、押部83bに対する押圧を停止すると、係止具83は、弾力によって元のU字型に戻ろうとする。そのため、係止ピン83aは、この保持部の挿入反対方向I’への戻り動作の際に、連結凹部88の開口部88a付近に設けられた係止溝88bに係止する(図19(b)参照)。
一方、切り離し動作の際には、再度、この押部83bを押し、係止ピン83aが係止溝88bから離脱した状態で保持部82を挿入方向Iに押圧することによって、上述したような切り離し作用を伴って連結凸部81と連結凸部88の切り離しを行うことができる。
以上のような本実施形態の連結具80によれば、連結時において、連結凸部81と連結凹部88とは挿入・反挿入方向I−I’に対して係止ピン83aが係止溝88bに係止することによって固定された状態となる。そのため、例えば、連結凸部81と連結凹部88とを後述するようにネックレス等の装身具の連結部分として適用した場合において、ネックレスにかかる外力によって、この連結凸部81あるいは連結凹部88のいずれかの端部に間接的に挿入方向への外力が加わったとしても、係止ピン83aと係止溝88bとの係合が開放されない限り、連結凸部81が連結凹部88内を摺動することはないので、このような場合にも意図しない切り離しが行われることはない。
また、連結・切り離しを行う場合には、保持部82を把持しながら同時に保持部82の外周上に突出した係止ピン83aを押圧し、これを連結凹部88に挿入すれば、ワンプッシュでの連結・切り離しが可能であるから、連結具としての利便性は高い。
なお、この係止具の構成は、上述したような態様に限られず、例えば、図21に示すように、上記同様U字上の係止具83’において、係止ピン83a’を両端部に設け、これに伴って押部83b’を同じく両端部に設けるように構成することも可能である。このようにしても、上述の構成と同様の効果を奏することが可能である。
〔2−4.第7の実施形態〕
(1) 構成
第7の実施形態に係る連結具90は、図22に示すように、連結凸部91の保持部93下部にロック機構を備えるものである。さらに具体的には、保持部93の下部には、連結凸部91が連結凹部92に連結した場合に保持部93あるいは回転部94の摺動を抑える係止羽95が設けられ、また、連結凹部92の下部にはこの係止羽95を係止する係止溝97を備える。
係止羽95は、図22(b)に示す連結具90を底面から表した図に見られるように、内側羽95aとこの内側羽95aを外装する外側羽95bとからなり、保持部93の下部に設けられた挿入穴96に挿入されるとともに、直径方向に摺動自在となっている。
内側羽95aと外側羽95bとは、連結凸部91の挿入軸上に設けられ、係止溝97と係止する係止部95cを備える。内側羽95aと外側羽95bとが摺動する部分のうち、内側羽95aの端部と外側羽95bの対抗する面には、保持部93の外周方向に前記両羽を広げるバネ95dが設けられている。
ここで、このバネ95dの両端部は、内側羽95aの摺動部端部と外側羽95bの摺動部端部のそれぞれに固定されているため、内側羽95aと外側羽95bとは、通常時バネ95dの最も伸張する間隔まで広がり、あとはおおよそ一定幅を保つようになっている。また、内側羽95aと外側羽95bの係止部95cをバネ95dの押圧力に反して内側に押した場合には、保持部93の外周面に当接する幅まで収縮するようになっている。
一方、連結凹部92の係止溝97は、図23に点斜線で示すように、開口部92a近傍の係合部34あるいは係合溝33下部の一定幅に、この係合溝92bの外縁よりもさらに広径に形成されている。なお、連結凸部91あるいは連結凹部92のその他の構成は、上述の実施形態の構成と同様であるので説明を省略する。
なお、この係止溝97は、上記のような構成に限られず、例えば、図24の点線部分に示すように、係合溝92bに合わせて円周上に4箇所設けることも可能であるが、連結凸部91の挿入を容易にしたり、係止部95cと係止溝97の係止を確実に行うためには、図22に示したように、周囲一円上に設けるのが適切である。
(2) 作用効果
次に、上記の構成からなる本実施形態の連結具90のロック作用について説明する。すなわち、図22(a)に示すように、内側羽95aと外側羽95bとを保持部93に当接させるように押圧した状態で、連結凹部92の開口部92aより挿入する。この際の連結凸部91の回転部94や係合突起94aあるいは連結凹部92の係合溝92b等の作用は、上述の実施形態と同様であるので省略する。
そして、図22(b)に示すように、係合突起94aが係合溝92bを越える位置まで挿入された場合には、この内側羽95aと外側羽95bとの係止部95cは、係止溝97を超えて挿入される。
この状態において、係止部95cへの押圧を止めると、係止羽95は、バネ95dの付勢力により、左右方向に広がり、係止部95cが連結凹部92内周面(係合溝33内あるいは係合部34)に当接した状態となる。そして、上述の通り、連結凸部91と連結凹部92が連結するにあたって、連結凸部91の係合突起94aが連結凹部92に設けられた連結係合部34aの傾斜面A(図示せず、上記実施形態参照)をスライドし、連結される(図22(c)参照)。
これにより、保持部93の位置は、反挿入方向I’に戻されるため、係止部95cの位置も戻る。そして、連結凸部91と連結凹部92とが連結し、係止部95cが係止溝97の位置にまで達すると、バネ95dによって係止部95cはさらに広がり、図22(a)に示すように係止部95cが係止溝97に係止する。
以上のような本実施形態の連結具90では、連結時には、係止部95cが係止溝97に係止される。このため、図22(a)に示すように、係止部95cの先端部が、係止溝97の段部に当たって保持部93の摺動を抑えることができるので、連結時に保持部93が挿入方向に押圧されるようなことがあっても、連結凸部91及び連結凹部92のカム機構が作動するようなことはなく、不意に連結凸部91が切り離されるようなことがない。
なお、本実施形態の連結具は、上記のような構成に限定されるものではなく、例えば、図25に示すように、係止羽95を内側羽95aと外側羽95bとによって構成せず、一方のみで構成することも可能である。この場合、上記の場合に比べて、構成の簡略化を図ることができるとともに、連結凸部91の連結凹部92への挿入時に押圧する箇所が一箇所で済み、その作業自体を簡略化することができる。
また、係止溝97を図23のように連結凹部92の内周一円に設ける場合には、係止羽95の係止部95cの外周部分に図26に示すように、係止溝97の内周面に沿った円板95eを設けることも可能である。この場合、係止部95cの押圧する部分の面積が増すから、連結凸部91の挿入時における押圧動作が容易となる。
〔2−5.第8の実施形態〕
(1) 構成
第8の実施形態に係る連結具100は、上記第7の実施形態と同様、連結凸部の保持部下部にロック機構を備えるものである。具体的には図27に示すように、連結凸部101の保持部103の下部には支柱105が設けられ、この支柱105の周囲に連結凸部101が連結凹部102に連結した場合に保持部103あるいは回転部104の摺動を抑える係止板106が設けられている。
この係止板106は、保持部103と略同一半径からなる円弧状を形成するとともに、支柱105に複数のバネ107を介して取り付けられており、その周囲を押圧することによりバネ107は伸縮する。
図27(a)に示すように、このバネ107を押圧しない通常の状態においては、最長部分Lが連結凹部102の直径と略同一であり、同図(b)に示すように、バネ107が最も縮んだ状態において係止板106の外周が保持部103の外周と略同一となるように構成されている。また、支柱105の端部には、連結凹部102と同一の直径Lからなる蓋108が設けられている。
(2) 作用効果
次に、上記の構成からなる本実施形態の連結具100のロック作用について説明する。すなわち、図27(b)に示すように、支柱105の周囲に設けられた係止板106を押圧した状態で、連結凹部102の開口部102aより挿入する。この際の連結凸部101の回転部104や係合突起104aあるいは連結凹部102の係合溝102b等の作用は、上述の実施形態と同様であるので省略する。
そして、係止板106が押圧され、バネ107が収縮した状態において係合突起104aが係合溝102bを越える位置まで挿入された場合には、この係止板106の外周は保持部103の外周と略同一となるので、連結凹部102内に挿入された状態となる(図27(b)参照)。
この状態において、係止板106への押圧を止めると、係止板106は、バネ107の付勢力により左右方向に広がり、連結凹部102内周面に当接する。そして、上記各実施形態における場合と同様、連結凸部101と連結凹部102が連結するにあたって、連結凸部101の係合突起104aが連結凹部102に設けられた連結係合部102cの傾斜面をスライドし、連結係合部102cと係合突起104aとが係合する。
これにより、保持部103の位置は、反挿入方向I’に戻されるため、係止板106の位置も反挿入方向I’に移動する。そして、連結凸部101と連結凹部102とが連結し、係止板106が連結凹部102内から出ると、係止板106は、バネ107が押圧されていない通常の状態にまで広がるため、図27(a)に示すように、係止板106の最長部分Lが連結凹部102の直径と同様の幅となる。
以上のような本実施形態の連結具100では、連結動作時には係止板106を押圧して挿入することにより、バネ107が収縮して係止板106の直径は保持部103と略同一となるため、連結凹部内に挿入され、連結の妨害となることはない。
一方、連結時には、係止板106は、その最長部分Lが連結凹部102の外周と略同一の幅となるため、図27(a)に見られるように、仮に蓋108が連結・切り離し方向に押されたとしても、係止板106が連結凹部102の開口部102aに当接することによって、連結凸部101が連結凹部102内に挿入されるのを防ぐことができるため、不意に連結凸部101が切り離されるようなことがない。
なお、支柱105の端部に設けた蓋108は、連結時において連結凸部101にバネ107が備えられていることを隠すことができることによる外観上のメリットを有するとともに、連結凹部102と同様の直径Lで形成することによって、挿入方向に対する押圧をすべて蓋108で受けることができるため、意図しない連結凸部101の挿入方向への押圧を効果的に防止することができるという効果を備える。
〔2−6.第9の実施形態〕
第9の実施形態に係る連結具は、上記第1または第2の実施形態における連結凹部に改良を施したものである。図28には、本実施形態における連結凹部111の展開図を(a)に、連結凹部111の断面図を(b)に、連結凸部114の回転部115と保持部116の断面図を(c)に示す。
本実施形態の連結凹部111は、図28(a)及び(b)の展開図に示すとおり、係合溝112とその一部を共有し、連結凸部114における回転部115係合突起115a(同図(c)参照)が係合する連結係合部113aが2つ並んで配置され、さらにそれに隣接して送り係合部113bが設けられている。つまり、図7の展開図と比較すると明らかなように、上記実施形態の連結係合部34aと送り係合部34bとの間に、さらに連結係合部を1つ設けて構成したものである。
そして、係合溝112は、円周上に等間隔に12個設けられている。具体的には、厚さT2からなる係合溝112aが90度間隔で4つ設けられ、この係合溝112aの間に、厚さT2’からなる係合溝112bが2つずつ、系8つ設けられている。
また、連結凸部114は、この連結凹部111の構成に対応するべく、同図(c)に示す通り、回転部115及び保持部116を次のように構成している。すなわち、回転部115は円周上90度間隔で厚さT1からなる係合突起115aを4つ備え、保持部116は円周上30度間隔で厚さT1’からなる固定突起116aを12個備えている。
なお、本実施形態における係合溝112,係合部113,係合突起115a及び固定突起116aの厚さT2,T2’,T1,T1’については、上記第1の実施形態において図7を用いて説明した構成と同様である。
このような本実施形態の連結具では、連結係合部113aが2つ設けられているため、連結時においては、連結凸部114挿入後、連結凸部114に設けられた係合突起115aが連結係合部113aに係合し連結される。そして、切り離し時において、上記の実施形態と同様、連結凸部114あるいは連結凹部111のいずれかを連結方向へ押圧すると、1回の押圧では係合突起115aは隣接して設けられた連結係合部113a上に移動するから、この状態では未だ連結状態が維持される。そして、再度連結凸部114あるいは連結凹部111のいずれかを連結方向へ押圧すると、係合突起115aは、今度は、送り係合部113b側に移動し、そのまま係合溝112に位置するため、連結凸部114は連結凹部111から切り離されることとなる。
すなわち、第1の実施形態においては、連結係合部、送り係合部及び係合溝がそれぞれ一つずつ隣接して設けられていたから、連結凸部2あるいは連結凹部3のいずれかを連結方向へ1回押圧するごとに「連結」、「切り離し」が行われたが、本実施形態では、連結係合部113a,113bが2つ連続して設けられているため、1回の押圧で連結動作は完了するものの、この状態から切り離しを行うためには、連結凸部114あるいは連結凹部111のいずれかを連結方向へ2回押圧する必要がある。
このような本実施形態では、切り離し時に2回の押圧が必要となるため、仮に不意に連結凸部114あるいは連結凹部111のいずれかが押圧され、連結凸部114あるいは連結凹部111のカム機構が作用し、係合突起115aが移動することとなってしまった場合であっても、再度連結係合部113a,113b上で連結が維持され、切り離しが行われることがない。これにより、不意の切り離しの可能性が軽減され、実質的にロック機構としての効果を奏することとなる。
〔2−7.第10の実施形態〕
第10の実施形態に係る連結具120は、上記第1または第2の実施形態における連結凹部にロック機構を設けたものである。本実施形態の場合も、連結時において連結凸部が不意に連結凹部の切り離し方向に押圧されることがないように、連結凸部の挿入を阻止する構成を有する。すなわち、図29に示すように、連結凹部121の外周の直径上には、支持部123を介して挟固部124が設けられ、この挟固部124が連結時において連結凸部122の摺動を抑えるものである。
挟固部124は、連結凹部121の軸方向に平行に設けられた押圧部124aと、この押圧部124aの下部で連結凹部121から下方に突出した位置に設けられたロック部124bとからなるL字状で、押圧部124aを連結凹部121側に押すことによって、支持部123を支点としてロック部124bが広がるようになっている。支持部123の近傍には、ロック部124bを閉じる方向に付勢するバネ等の弾性部材が備えられている。
一方、連結凸部122における保持部122の下部には円環状に留具125が設けられており、この留具125は、連結時においてロック部124bに近接し、保持部が挿入方向に押圧されるような場合であってもロック部124bに当接して連結凸部122の連結凹部121に対する摺動を阻止するように構成されている。
このような構成の本実施形態では、連結凸部122と連結凹部121とを連結する場合には、連結凹部121の押圧部124aを押しながら、連結凸部122を挿入する。この場合、連結凹部121に設けられた挟固部124のロック部124bは、連結凹部121の開口部よりも広く開いた状態となっているため、連結凸部122は特に挟固部124に当たることなく挿入することができる。
そして、連結完了後、挟固部124の押圧部124aへの押圧を解放すると、ロック部124bが支持部123近傍に備えられたバネ等の弾性体によって閉じる方向、すなわち、保持部122に当接して、これを挟み込む。そうすると、ロック部124bは、連結凸部122の下部に設けられた円環状の留具125と、連結凹部121の開口部との間に位置することとなり、この状態において、例えば連結凸部122、特に保持部122が挿入方向に押圧されたとしても、留具125とロック部124bとが当接するため、連結凸部122の摺動は阻止されることとなる。
したがって、連結時において不意に連結凸部122が上述して連結・切り離し方向に押されたとしても、連結凸部122が連結凹部121内に挿入されるのを防ぐことができ、予期しない連結凸部が切り離しを防止することが可能である。
なお、本実施形態の挟固部124は、上記の構成(図29参照)に限らず、例えば図30に示すように、挟固部124を円環上として連結凹部121の外周部分を覆うように設けることも可能であるし、また、挟固部124を連結具120’の軸方向に対して、やや傾いた状態で構成することも可能である。これらの点に関しては、後述するように、本実施形態の連結具120を具体的な物品に採用する場合において、その物品から生ずるデザイン上あるいは大きさ等の各制約によって適宜変更可能である。
〔3.他の実施形態〕
本発明の連結具は、上記のような実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような種々の態様を包含するものであり、目的や用途に応じて適宜最適な態様を選択して実施することができるものである。例えば、本実施形態において、連結凸部における係合突起あるいは連結凹部における係合溝の数は、回転部の回転と係合という本発明の作用効果が維持される限り、取付部材の用途、大きさ等によって適宜変更可能である。
また、例えば、図31に示すように、係合突起23とカム24aとを双方の機能を兼ねた係合突起23’として構成することも可能である。このように構成することにより、上記実施形態の連結具に加えて、さらに、連結具をより簡素な態様によって構成することが可能となる。なお、この図31では上記第1の実施形態において図3に示した係合突起が3つ設けられ、固定突起が6つ設けられた構成を採用している。
また、上記実施形態において、連結凹部に設けられている弾性部材としてバネのみを取り上げたが、これはあくまでも最適な例であって、上記のバネの場合と同様に作用する弾性を有するものであれば、いずれの材料または構成を採りうる。例えば、弾性部材としては、シリコーンゴムや合成ゴムを用いることも可能である。
また、図32に示すように、上記第1又は第2の実施形態における連結具を、連結凹部3の外装で連結凸部2全体を被覆するようにした連結具130として構成することも可能である。このように構成することにより、両部材の連結が確実となり、連結凸部2の連結凹部3内での遊動等が生じなくなるともに、連結時には、この連結凹部3の外装により連結凸部2の挿入方向がガイドされるため、装着感が向上する。
本発明では、さらに、図33(a)に示すように、上記第1又は第2の実施形態における連結具を、保持部22と軸部21aとを接続するネジSの調整によって、連結凸部2の回転ヘッド21bと保持部22のカム24a、24b間に生ずる遊びP’を長くした連結具140を構成することも可能である。この遊びP’は、同図(a)に示すように、連結凸部2と連結凹部3とを連結時に、保持部22を反連結方向に引っ張った場合において固定突起25が係合溝33から解放される位置まで移動する程度に十分に長く構成されている。したがって、同図(b)に示すように、連結凸部2を連結凹部3に連結され、保持部22が反連結方向に引っ張られた状態においては、固定突起25が連結回転方向に対しての係合溝33の拘束から解放された状態となり、連結された連結凹部3と連結凹部3は、相互に回動可能となる。
このように、カム24a及び24b間に遊びP’を長く持たせることにより、連結凸部2と連結凹部3とが相互に回動自在となるため、例えば、後述するように、この連結具60を介して、ネックレスを取りつける場合に、ネックレスをよじれたままの状態で取りつけたとしても、連結凸部2あるいは連結凹部3のいずれかが回動することによって、このよじれを容易に修正することが可能である。
また、図6に示すように接続部とネジSとを共通の部材として接続部27を構成した場合、あるいは図34に示すように回転部21と保持部22とを連結させる軸部21aにワイヤY等を取付け、その先端を輪状にして接続部30として構成した場合には、連結時の回転ヘッド21bの回転に伴って、この接続部も回転してしまうこととなるが、上記の連結具60では、連結凸部2及び連結凹部3のいずれか回動可能となっているため、このような連結時における、ねじれが生じるのを防ぐことができる。
なお、上記のように遊びP’を長く構成した場合には、保持部22は、係合溝33によって拘束されていないため連結凹部3に対して遊動した状態となっている。そのため、このような構成を用いる場合には、例えば図34(a)に示すように、連結凹部3で連結凸部2を覆うように構成することによって、連結凸部2あるいは連結凹部3の軸方向左右への遊動を押さえるように構成すると良い。
本発明の連結具における各部材の大きさや厚さ等は、用途に応じて適宜変更可能である。また、上記実施形態においては、本発明の連結具を構成する材料を特に限定していないが、例えば、連結凸部及び連結凹部における突起や溝等のカム機構部分には、プラスチック等の可塑性の樹脂や金属類を用いるのがよい。一方、装身具等と連結する接続部分に関しては、いずれの材料を用いて構成しても良く、例えば、プラスチック等の樹脂、金属を始め、ゴム等の弾性体で構成することも可能である。
〔4.連結具の適用例〕
以上説明したような本発明の連結具は、具体的に以下に示すような物品に適用することが可能であり、いずれの場合においても特有の効果を奏するものである。なお、以下の各説明では、便宜上、上記の実施形態のうち、一部を取り上げて説明する場合もあるが、いずれの場合においても、上記すべての実施形態を適用することが可能である。
(1)装身具・アクセサリー
まず、本発明の連結具は、例えば、ネックレス、腕時計、ブレスレット又はベルト等の装身具に用いることが可能である。具体的には、例えば、図35に示すように、連結凹部3と連結凸部2の端部にそれぞれ環状の接続部151及び152を設け、これを介してネックレス等と接続することができる。
従来、ネックレス等の装身具の連結部分には、例えば、図36に示すように、径の細い筒状の輪161を外装部として、この外装部内に、つまみ163を備えた棒状の輪162と図示しないバネを嵌挿して連結を行うといった機構が一般的であった。このような連結具は、外観上の制約で小型にして簡素な構造であることが要求されるネックレス等の装身具としてその必要性を具備するものであるが、一方で装身具の着脱を行うには小さなつまみ163を図中矢印方向に引きながら装着しなければならず、例えばネックレスの着脱が通常頭部の後方の目視できない範囲でなされたり、腕時計やブレスレットの着脱が片方の手のみでなされることを考えると、このような装着作業は必ずしも容易なものとは言えなかった。
そこで、本発明の連結具をネックレス等の装身具に用いることによって、ワンプッシュによって、連結あるいは切り離しを行うことができるので、例えば、頭部の後方等、直接目視できないところにおいて装着する場合にも、簡易迅速に取付けを行うことができるとともに、腕時計、ブレスレット等を片手で装着することも可能である。
なお、上述した接続部としては、上記の実施形態に示した接続部151及び152以外に、例えば、図34に示すように、回転部21と保持部22とを連結させる軸部21aにワイヤY等を取付け、その先端を輪状にして接続部30として構成することもできる。
また、上記実施形態で示した連結凹部3側の接続部151及び152の取付け方法も、例えば、連結凹部3に対して一体的に成形する態様、ねじ込むことによって取付ける態様や単に連結凹部3に対して嵌め込む態様あるいは半田付けする態様等、いずれの構成でもよい。
このように、装身具を接続する接続部を、連結凸部2及び連結凹部3に対して一体的あるいは付属的に取付けるように設けることにより、本発明の連結具を既存のネックレスやブレスレットの連結具に代えて取付けることができたり、一つの連結具で多数の装身具に利用することができ、利便性の高い連結具を提供することができる。
また、上記のような図6または図34に示す構成では、部品点数を簡略化するという大きなメリットがある反面、これをネックレス等に用いた場合には、上記の通りねじれの影響を受けることが考えられる。そのため、このような構成の接続部は、連結具を用いて一つの輪を連結するネックレスやブレスレット等に用いるよりも、例えば図37に示すような、携帯電話Nに取りつける携帯ストラップであって、接続部161及び162のそれぞれに別個の輪を連結したもの等、ねじれの影響を受けにくい部材の連結具として用いるのがよい。
また、本発明の連結具を上記のような装身具に用いる場合には、そのデザイン性や装身具自体の高価値性に配慮し、以下のような工夫を施すこともできる。例えば、図38(a)に示すように、装身具がパールのネックレス等のように、球状物を円環状に複数設けて構成されるようなものである場合、そのパールに連結凹部3を直接取り付ける、すなわち、埋め込むことによって、連結時には外観上連結部分が判別できないようにし、デザインの一部に取り込むことができるとともに、本発明の連結具の着脱容易なる効果を喪失することなく構成可能である。
この場合において、上記第1〜第3のいずれの実施形態の連結具であっても適用可能であり、ここでは、第1の実施形態を適用した例を図38(a)に示している。また、上記のように、装身具は、物品全体として非常に高価な場合が多いから、このような物品に本発明の連結具を適用するに際しては、ワンプッシュでの容易な着脱という利点が、ともすると連結具の不意な切り離しによる装身具の落下が起こりうることも考えられる。特にネックレスやブレスレット等の円環状のものでは、連結時に必ずしも反挿入方向に張力が掛かっているわけではなく、連結具に対して連結凸部の挿入方向、すなわち、連結具のへの力が生じる可能性がある。そこで、このような装身具においては、上述のロック機構を備えた連結具を適用することが有効であり、上記第4〜9の実施形態のように連結凹部に外観上の変更を施さないロック機構であれば、いずれの態様適用することができる。なお、ここでは、図38の(b)〜(f)において、第4〜第8の実施形態を採用した例を示す。
他にも、例えば、本発明の連結具を装身具のデザインの要部、すなわち、装飾部に用いることも可能であり、例えば、図39(a)〜(c)に示すように、星型の連結具170aや球状の連結具170b、あるいはひし形の連結具170c等に構成することができる。これにより、連結具自体にデザイン性を持たせることができるとともに、連結具の存在を外観上わからなくすることにより、全体としてのデザイン性の向上を図ることができる。
また、連結具を装身具に用いる場合、上述の通りデザイン性等の観点から可能な限り小さく構成されることが好ましい。しかしながら、如何に本発明の連結具が着脱容易であるとしても、連結具が小型になればなるほど連結・切り離し動作が行いにくくなることはやむを得ないが、そのような場合には、例えば図40に示すように、連結凹部181をラッパ状に開いた形状等にすることによって、連結凸部182を誘導し易くすることが可能である。
なお、装身具に用いる連結具を上述の通り小型に形成した場合であっても、ロック機構として上述した第4〜第9の実施形態の態様であれば、連結凸部にロック機構が集約される、あるいは連結凹部に外観上の変更を施さずに構成可能であるため、上記のように連結凹部をラッパ状に開いて形成することのを妨げることがない。
(2)被服
本発明の連結具は、被服、特にコートやジャンパー等の前合わせ部分に適用することも可能である。例えば、図41に示すように、コートの前合わせ部分の一方に連結凸部2、他方に連結凹部3を設けて連結具190を取り付けることによって、これを着脱することによって、容易にコートの前合わせの開閉が可能となる。
このような連結具を用いた被服は、特に子供服に適用した場合に効果が高い。すなわち、幼児をはじめ指先が未発達で被服のボタン等の開閉を的確に行うのは難しく、本出願人自身、育児を通して、幼児・児童であっても容易に開閉可能な前合わせを有する被服を切望していた。本発明の連結具はワンプッシュで着脱が可能という、非常にシンプルな構成からなるため、被服の前合わせ部分にボタンやファスナーの代わりに用いることによって、幼児や児童であっても容易に着脱することが可能である。
また、被服に用いる場合には、上記装飾具で示した図38や図39のように、連結具の外装に工夫を施すことによって、被服のデザインの一部として組み込むことも可能である。
(3)バッグ・袋物・ベルト
本発明の連結具は、図42(a)に示すように、子供用のリュックサックの蓋部分に用いる連結具201や、同図(b)に示すようなハンドバッグの開閉部分及びベルトとバッグの連結部分に用いる連結具202や、同図(c)に示すようなウェストバッグのベルト部分の連結具202としても適用可能である。
従来、このようなバッグの連結部分には、図43(a)に示すようなフックや(b)に示すようなベルト、(c)に示すようなバックルが一般的であった。しかしながら、これらの連結具は、いずれも「解放し難い」という点を念頭に考案されているせいか、連結は挿入方向に連結する2つ部材のいずれかを他方に挿入することで比較的容易に行うことができるが、切り離しは行いにくくなっている。特に、図43(a)に示す子供用のバッグに用いられるフックEでは、押圧部E1を押してフックの係止を外すことによって切り離しを行うが、握力のあまりない幼児や児童にとってこの押圧部E1を押すのは容易ではなく、ときには指を挟んでしまったりと、利便性の良いものとは言えなかった。
そこで、これらの連結具に代えて、本発明の連結具を用いることによって、バッグの開閉あるいはバッグの着脱を容易に行うことができるようになる。また、本発明の連結具では、バッグ等のデザインにあわせて、その外装を変化させることが可能であり、デザインの一部として組み込むことも可能である。
さらに、上記のようにバッグの開閉部分やショルダーベルト部分に用いる場合には、不意に連結具の切り離しによるバッグの落下や防犯上の理由から、上述したロック機構を用いることも有用である。なお、本適用例においては、上記第1〜第10のいずれの実施形態における連結具あるいはそのロック機構が適用可能である。
また、図44(a)に示すように、ベルトのバックル部分を形成する連結具204として用いることも可能である。このベルトの場合にも上記の被服の場合と同様、子供用のベルトに適用すると利便性を高める効果が高い。すなわち、同図(d)に示すような従来から用いられているベルトのバックルでは、特に幼児や児童には、着脱が難しいだけでなく、バックルに指を挟んだりすることが考えられるが、本発明の連結具はワンプッシュで着脱可能であり、さらに、連結を行うカム機構の作用はすべて連結凹部内で行われるため、従来品に見られる不都合はなく、幼児や児童も容易に使うことが可能である。
また、図44(a)の変形例として、図44(b),(c)に示すように、ベルトVの各々の端部に本発明の図14〜図17で示したような第4,第5の実施形態における連結具を複数個取り付け(ここでは3個)、前記実施形態で示したリング62aを複数個に共有させる(断面図参照)ことによって、複数個の連結凸部61の挿入方向への摺動をこのリング62aで行うことができる。また、ベルトの外観は、図中一点鎖線で示すバックル等で覆うことによって連結凸部61を外部から隠すことも可能であり、デザイン性も問題ない。
(4)カーテンホック
また、本発明の連結具は、図45に示すように、カーテンホックとカーテンロールとの間を連結する連結具210として用いることも可能である。すなわち、連結具210は、連結凸部2の連結方向反対端部にカーテンを取りつけるカーテンホック211を設け、連結凹部3の連結方向反対端部に図示しないカーテンレールと噛合ってレール上を回転しながら移動するカーテンロール212と、このカーテンロール212と連結凹部3とを接続する接続支持部213とを備えるものである。
このように、本発明の連結具をカーテンホックとカーテンロールの連結部分として用いることによって、従来カーテンホックをカーテンロールに設けられた小さい輪を目掛けて引っ掛けることにより連結していた両部材を、ワンプッシュによって連結及び切り離しが可能となるので、仮に手の届きにくい高所において連結及び切り離しの作業を行わなければならないような場合であっても容易に行うことができるようになる。
(5)天井吊下げ広告板
本発明の連結具は、デパートやショッピングセンタ等における天井から吊下げる広告板の連結部分に用いるものとして、図46に示すような連結具221として構成することも可能である。例えば、「SALE」等の情報を伝達する媒体やウィンドウディスプレイに用いる広告板の天井との取り付け部分や、看板自体との取り付け部分に連結具221を用いることができる。この場合、同図(a)に示すように、連結凹部3を天井等に予め固定しておき、そこに広告板と糸等を介して取り付けた連結凸部2を挿入して利用することができる。また、同図(b)に示すように、広告板に直接連結凸部2を取り付けて構成することも可能である。
本発明の連結具221及び222は、挿入方向にワンプッシュで接続され、連結された後は反連結方向に引っ張られたとしても、この張力に連結凹部3あるいは連結凸部2の材料自体が絶えられないものでない限り、構造上連結が解放されることはないため、天井吊下げ広告のように、高所にして、吊下げる物品に用いることによって、取り付け容易かつ確実に取り付けることが可能であり、効用が高い。
なお、このような適用例においても、上記実施形態におけるロック機構はいずれの態様も用いることが可能であり、特に落下防止用としてその効用が高い。
(6)シーリング照明
上記広告板同様、本発明の連結具は、図47に示すように、天井から吊下げて用いる照明器具の天井との接続部分、すなわち照明のシーリングとして用いることも可能である。従来のシーリングライトの天井と照明器具等の接続部分は、天井に設けられた雌部に対して照明器具に直接接続される雄部を挿入し、回転して嵌合させることによって、機械的及び電気的に接続されるものであるが、通常この作業は、高所である天井に対して、重量のある電灯部分が吊り下がった状態の照明器具を手で持ち、さらに脚立等の補助具を利用しつつ行われるため、そのようなこの状態で雄部を回転させる作業はユーザに大変な負担を生じさせるものであった。
そこで、図46に示すように、このようなシーリングに本発明の連結具231を用いれば、連結方向に対するワンプッシュで連結が可能であり、さらに、上述の通り、連結後は反連結方向に対する張力には、材料自体が絶えられないものでない限り、構造上解放されることはないため、簡単・確実に連結することが可能ある。
なお、連結凹部3と連結凸部2を電気的に接続させるためには、図中点線で示すコードKを連結凸部2と連結凹部3に挿通するとともに、連結凹部3に設けられたバネと連結凸部2における回転部の先端部分に端子Uを設ける。そして、この端子UとこのコードKと接続させることによって、連結時に電気的に接続されるようにすればよい。
また、図47の拡大図に示すように、電球Bの取り付けを本発明の連結具を用いることにより行うことも可能である。すなわち、従来の電球は、電球の取り付け部分に雄ネジ溝が形成され、ねじ込むことにより取り付けていたが、この取り付け部分を本発明の連結凸部2で形成し、雌部を連結凹部3で形成することによって、電球Bの取り付けをワンプッシュでできるようになる。この場合も上記同様、高所での取り付け取り外しが容易となり、利便性及び安全性の向上を図ることが可能となる。
なお、このような適用例においても、上記実施形態におけるロック機構はいずれの態様も用いることが可能であり、特に落下防止用としてその効用が高い。
(6)電源プラグの接続部
本発明の連結具は、図48に示すように、電源プラグの接続部に用いた連結具として構成することも可能である。例えば、同図(a)に示すように、ポット型の電気湯沸器の電源プラグに用いるなど、電気製品と電気コードとの接続部分として用いた連結具241を構成することも可能であり、また、同図(b)に示すようにコンセントと電気コードとの接続部分に用いた連結具242として構成することも可能である。この場合も、1点鎖線で示すコードKに接続された端子Uは連結凹部3の筒状底部と連結凸部2の回転部の先端に取り付けられ、これにより連結凸部2と連結凹部3は連結時に電気的に接続される。
このような電源プラグは、従来、単に二股の雄部端子をコンセント等の雌部に挿入する構成であって、反連結方向に多少の張力が働くことによって連結が解放されるという不都合があったが、本発明の連結具を用いることによって、連結操作は従来同様、挿入するのみであるのに、カム機構が噛み合うことによって、反連結方向に張力が働いたとしても、上記の通り、その張力に材料自体が絶えられないものでない限り解放されることがなく、上述のような不都合は解消される。
また、例えば、パーソナルコンピュータの電源をはじめ、容易に解放されては困るようなものに用いる場合には、上述した第4〜第9の実施形態におけるロック機構を用いることにより、連結時において不意に連結方向に押圧する力が働いたとしても、連結凸部2の摺動を抑制することにより解放を防ぐことが可能であるので、容易にして確実な連結を実現することが可能である。
(7)子供用おもちゃ
本発明の連結具は、例えば、図49に示すような、電車の連結部分における連結具251(同図(a))やおもちゃ箱と引き手部分における箱と引き手との連結具252(同図(b))など、子供用の種々のおもちゃにおいても連結具として利用することができる。上述の通り、本発明の連結具は、ワンプッシュによる簡単・確実な連結が可能であるとともに、連結作用は、連結凸部2のカム機構が連結凹部3に覆われた状態でなされるため、例えば、幼児が児童が連結部分に誤って指等を挟んでしまうようなことがなく安全である。
(8)ヘルメット、ゴーグルの留具
本発明の連結具は、図50に示すように、ヘルメットのあご紐を留める連結具261(同図(a))として、また、ゴーグルのバンドを留める連結具262(同図(b))として用いることもできる。この場合、上記(3)で示したバッグのベルト部分に用いた場合と同様、ヘルメットのあご紐あるいはゴーグルのバンドの左右いずれかに連結凹部3及び連結凸部2を取り付けることによって構成される。また、ヘルメットの留具としての連結具261あるいはゴーグルの留具としての連結具261は、一般的に連結時には誤解放しないことが求められるから、上述したいずれかのロック機構を合わせて備えることが好ましい。
本発明の連結具261及び262における連結凹部3は筒状で形成され、さらに、連結時には連結凸部2は連結凹部3に覆われる。したがって、連結具261及び262として用いた場合、簡易確実な着脱が可能となるだけでなく、この連結具261又は262は筒状であるので、これがあご部分あるいは後頭部に当接した場合であっても、従来のバックルとして用いられていたものに比して、装用感が向上される。さらに、連結凹部3は上述の通り、その外装は如何様に構成することも可能であるから、例えば、柔軟性を有するスポンジ等を外装に配することによって、さらに装用感を高め、機能性と実用性を兼備した連結具を提供することが可能となる。
(9)ドアストッパー
また、本発明の連結具は、図51に示すように、扉の開状態を維持するドアストッパーに適用することも可能である。従来、扉の開状態を維持するためには、同図(b)及び(c)に示すようなラバー製の三角柱状のドアストッパー272をドアの下部に挟んだり、あるいは、ドアに滑り止めを備えたドアストッパー273を設け、それを開放時に床に当接させることによって行っていた。
しかしながら、三角柱状のドアストッパー272は、ドアと別体をなし、使用する際には、わざわざそれをドアの底部に合わせて嵌めこまなければならず、不便なものであった。また、後者のストッパーも、ドアを確実に開状態にするには、わざわざ手を使ってストッパーを床に向けさせるなどの作業が必要で、こちらもやはり不便であった。
一方、本発明の連結具は、上述の通りワンプッシュでの連結・切り離しが可能であるから、このうち例えば連結凸部2をドア側に設け、壁側のこの連結凸部2に対応する位置に連結凹部3を設けてホックDを構成することによって、ドアを開状態とする場合には単にドアを壁際に寄せるだけで、連結凸部2及び連結凹部3が連結され、切り離し時にも壁側にドアを寄せるだけで連結が解放される。したがって、ドアストッパーをドアの底部に合わせて挿入したり、輪をホックに掛けたりといった作業が必要なく、従来よりも利便性が著しく向上したドアストッパーを提供することができる。
(10)福祉器具
本発明の連結具は、上述してきたとおり、連結・切り離しが格別容易であるから、各種の福祉器具に適用することによっても、それらの物品の利便性を向上させることが可能である。近年、バリアフリーの観点から、公共交通機関である電車やバスの車両の一部には、車椅子専用のスペースが設けられているが、これらスペースには、手すり等が設けられているだけで、乗車後に車椅子を固定するような手段は設けられていない。
そこで、本発明の連結具は、このような車椅子の固定手段として用いることが可能である。例えば、図52(a)に示すように、車椅子の引き手部分先端部に連結凸部2を設け、車両の固定部分に連結凹部3を設けることによって、連結凹部3に車椅子側の連結凸部2を挿入することによって車両に対して車椅子を固定する連結具281を構成することが可能である。また、このような連結具281は、車椅子専用のトイレ等にも適用可能である。この場合、壁側に設ける連結凹部3は、車椅子の大きさや複数の規格に対応するべく、幅や高さを段階的に調整可能となるように連結凹部3をレールR等に取り付けるようにするとよい。
また、脳卒中等の疾患のリハビリとして、つり革につかまることが有効とされているが、例えば図52(b)に示すように、本発明の連結具282を用いて、つり革を天井に取り付けることによって、このようなリハビリ器具としても適用可能である。この場合、連結凹部3を天井側に埋め込み、連結凸部2をリハビリ器具の先端部分に設けるのが良い。
このように、本発明の連結具を福祉器具に用いることによって、連結・切り離し動作を簡易・確実に行うことができるので、ユーザが容易に利用できるとともに、介護等の負担軽減を図ることが可能となる。
(11)歯科用器具
本発明の連結具は、また、歯列矯正用の器具である顎外固定装置(ヘッドギアー)の連結具291やチンキャップ等の連結具292としても用いることができる。すなわち、ヘッドギアーやチンキャップには、図53に示すように、ワイヤYや輪ゴムGが用いられるが、従来はこのワイヤYや輪ゴムGをキャップ側のホックに引っ掛けて用いていた。しかし、装着した状態でワイヤーや輪ゴムを取り付ける場合には、目視できない位置での取り付け作業が必要となるため、輪ゴムGの幅程度しか余裕のないホックに対しての取り付け作業は容易ではなかった。
そこで、このホックに相当する部分に本発明の連結具291,292を用いることによって、これらの取り付けが容易にすることができる。すなわち、図53の拡大図に示すとおり、連結凹部3をヘッドギアーあるいはチンキャップに固定するとともに、連結凸部2に対してワイヤYを固定的に、また輪ゴムGをホックDを介して交換可能に取り付けることによって実現される。
(12)シートベルト
本発明の連結具は、自動車等のシートベルトの連結具300として用いることも可能である。すなわち、図54に示すようなシートベルトのバックル部分に連結凸部2を設け、鞘部分に連結凹部3を設け、それぞれの端部にベルトを取り付けることによって、構成することが可能である。また、シートベルトの場合には、連結時における挿入方向への衝撃による誤動作、すなわち、不意の解放を防止するため、上述した第4〜第10の実施形態におけるロック機構を設けるのが好ましい。
このように本発明の連結具をシートベルトのバックルあるいは鞘部分に設けた連結具300によって、シートベルトの着脱が容易になるとともに、この連結具300にロック機構を設けることによって誤動作がなくなり、安全性の高いシートベルとを提供することができる。
(13)その他
本発明の連結具は、上記のような適用例の他に、例えば、図55に示すようなエアコンのフィルターの取り付け部分の4隅に設けて、エアコンCに対するフィルタパネルFの取り付け部としての連結具310として用いることも可能である。この場合、本発明の連結具の特性上、挿入方向に対して回転部が挿入されて反挿入方向に戻る分若干の遊びが必要であるが、フィルターの縁部にスポンジS等を敷設すればよい。
また、本発明の連結具は、登山等においてロープ同士の連結具として用いるカラビナの代わりに用いることも可能である。この場合においても、誤動作を防止するべく、ロック機構を設けるのが好ましい。また、犬等のペットの首輪に本発明の連結具を設け、手綱と連結させる部品として用いることも可能である。
さらに、本発明の連結具を金属等の硬質の素材で構成し耐荷重を大きくすることによって、例えば、クレーン車の先端部に連結凸部を取り付け、クレーン車で持ち上げる資材を覆うロープ側等に連結凹部を取り付けて連結具を構成することによって、クレーンでの物品の搬送をより簡易に行えるようにすることもできる。また、このような耐荷重が高く、大きな物品として構成することが可能であれば、電車の連結部分に用いることも可能である。
なお、上記各適用例で示した態様は、本発明の連結具を用いることのできる物品の一例を示したに過ぎず、本発明の連結具は、単独であるいはロック機構を伴って他のさまざまな物品の連結具として用いることも当然可能である。また、上記各適用例においては、主に固定される側に連結凹部を設け、取り付ける側すなわち着脱される側に連結凸部を設ける構成としたが、この連結凸部と連結凹部とを逆に用いる態様ももちろん考えられる。
このように、本発明の連結具は、ワンプッシュによる連結の簡易さ、連結時には反挿入方向の張力に対して構造上、切り離されることがないという性質、およびロック機構を設けることによって、挿入方向への連結凸部の摺動を抑えることができるという性質から、非常に多種多様な物品の連結部分として利用することが可能である。
本発明の第1の実施形態の全体構成を示す模式図。 本発明の第1の実施形態における連結凸部の構成を示す模式図及び断面図。 本発明の第1の実施形態における連結凸部の他の構成を示す断面図(a)及び(b)。 本発明の第1の実施形態における連結凸部の構成を示す断面図(a)及び(b)。 本発明の第1の実施形態の他の態様を示す模式図。 本発明の第1の実施形態の他の態様を示す模式図。 本発明の第1の実施形態における連結凹部の構成を示す展開図(a)及び断面図(b)。 本発明の第1の実施形態を示す模式図。 本発明の第1の実施形態を示す模式図。 本発明の第2の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の第3の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の第3の実施形態の作用を示す模式図。 本発明の第3の実施形態の他の態様を示す模式図。 本発明の第4の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の第4の実施形態における他の態様を示す模式図。 本発明の第4の実施形態の作用を示す模式図。 本発明の第5の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の第5の実施形態における他の態様を示す模式図。 本発明の第6の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の第6の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の第6の実施形態における他の態様を示す模式図。 本発明の第7の実施形態を示す模式図。 本発明の第7の実施形態を示す模式図。 本発明の第7の実施形態における他の態様を示す模式図。 本発明の第7の実施形態における他の態様を示す模式図。 本発明の第7の実施形態における他の態様を示す模式図。 本発明の第8の実施形態を示す模式図。 本発明の第9の実施形態を示す模式図。 本発明の第10の実施形態を示す模式図。 本発明の第10の実施形態における他の態様を示す模式図。 本発明の他の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の他の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の他の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の他の実施形態の構成を示す模式図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 従来の連結具を示す模式図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。 本発明の連結具の適用例を示す図。
符号の説明
1,40,50,60,70,80,90,100,120,130,140,170,190,201,202,203,204,205,210,221,231,241,242,251,252,261,262,281,282,291,292,300,310…連結具
2,51,61,71,81,88,91,101,114,122,182…連結凸部
3,52,63,78,88,92,102,111,121,181…連結凹部
21,65,72,84,94,104,115…回転部
21a,65a…軸部
21b,65b,72a…回転ヘッド
21c,72d…収納溝
22,62,73,82,93,103,116,122…保持部
23,65c,72b,94a,104a,115a…係合突起
24,65f,65g,72c,72d…カム
25,116a…固定突起
27,30,151,161…接続部
28,53,65d,74,86…軸芯
31,63a,78a,88a,92a,102a…開口部
32,55,63c,77,88c,95d,107…バネ
33,63b,92b,102b,112…係合溝
34…係合部
34a,102c,113a…連結係合部
34b,113b…送り係合部
35…ガイド
54a,54b,65e,75…当止め
56…端面
57,75a…カバー
62a…支持ピン
62b,73b…リング
62f…筒状体
64…ロック部
64a…内壁
64b…ガイド溝
73a…支持ピン
76…蓋
83…係止具
83a…係止ピン
83b…押部
85…内壁
87…当止め
88b…係止溝
95…係止羽
95a…内側羽
95b…外側羽
95c…係止部
95e…円板
96…挿入穴
97…係止溝
105…支柱
106…係止板
108…蓋
123…支持部
124…挟固部
124a…押圧部
124b…ロック部
125…留具
161…筒状の輪
162…棒状の輪
211…カーテンホック
212…カーテンロール
213…接続支持部
271,272,273…ドアストッパー
B…電球
C…エアコン
D…ホック
E…フック
F…フィルタパネル
G…輪ゴム
N…携帯電話
S…ネジ
U…端子
V…ベルト
Y…ワイヤ

Claims (16)

  1. 筒状の連結凹部と、前記連結凹部に挿入されることにより装身具を連結する連結凸部とを有する連結具において、
    前記連結凸部は、回転部とこれを回転可能に保持する保持部とを有し、
    前記回転部の外周には、係合突起が設けられ、
    前記連結凹部の内周には、前記係合突起に係合する係合部が設けられ、
    前記連結凹部に前記連結凸部が挿入された状態で、前記連結凹部及び前記連結凸部のいずれか一方が互いに近接する方向に押圧される毎に、前記係合突起が、前記係合部に係合する係合位置と前記係合部から解放される解放位置との間で交互に移動可能となるように、前記押圧方向の力を前記回転部の回動に変換する変換部が設けられていることを特徴とする連結具。
  2. 筒状の連結凹部と、前記連結凹部に挿入されることにより装身具を連結する連結凸部とを有する連結具において、
    前記連結凸部は、回転部とこれを回転可能に保持する保持部とを有し、
    前記回転部の外周には、係合突起が設けられ、
    前記連結凹部の内周には、前記係合突起に係合する係合部と、この係合部から解放される解放位置とが設けられ、
    前記連結凹部に前記連結凸部が挿入された状態で、前記連結凹部及び前記連結凸部のいずれか一方が互いに近接する方向に複数回押圧された場合に、前記前記係合突起は前記係合部を複数回係合した後、前記解放位置に移動するように、前記押圧方向の力を前記回転部の回動に変換する変換部が設けられていることを特徴とする連結具。
  3. 前記変換部は、
    前記回転部と前記保持部との接触面に設けられ、互いに接触する方向に付勢される毎に、前記回転部を回動させるカム機構と、
    前記連結凹部及び前記連結凸部のいずれか一方が押圧された場合に、前記回転部を前記保持部に接触する方向に付勢し、押圧が解除された場合に、前記連結凹部及び前記連結凸部が互いに離脱する方向に付勢する付勢部と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の連結具。
  4. 前記カム機構は、前記係合突起の一部を形成することを特徴とする請求項3に記載の連結具。
  5. 前記回転部と前記保持部とには、軸芯が貫通するとともに、この軸芯の両端部には当止めが設けられ、
    前記回転部と前記一方の当止めとの間に前記付勢部が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の連結具。
  6. 前記係合部の間には、前記連結凸部の挿入時に、前記係合突起を前記係合部側に通過させる係合溝が設けられ、
    前記連結凹部には、前記係合突起を前記係合溝に誘導するガイドが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の連結具。
  7. 前記回転部の挿入先端面は、略球面状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の連結具。
  8. 前記連結凸部は、連結時において、その外周を前記連結凹部に覆われていることを特徴とする請求項1から7記載のいずれか1項に記載の連結具。
  9. 前記連結凸部と前記連結凹部とは、連結時において互いに回動自在に構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の連結具。
  10. 前記保持部の外装にはロック部が設けられ、
    このロック部は、前記連結凸部を軸方向に所定範囲で摺動可能に支持するとともに、連結時には前記連結凹部と当接して、当該連結凸部の端部の押圧によっては連結凸部が摺動しないようにすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の連結具。
  11. 前記保持部には、前記ロック部に対して前記連結凸部の摺動を可能にする摺動部が設けられ、
    当該摺動部を前記連結凹部と近接する方向に押圧することによって前記連結凸部と前記連結凹部とが近接することを特徴とする請求項10記載の連結具。
  12. 前記連結凸部は、連結時において、連結凹部に係止して当該連結凸部が摺動しないようにする係止部と、当該係止を解除する解除部とを備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の連結具。
  13. 前記連結凹部には、前記係止部を受ける係止溝が設けられていることを特徴とする請求項12記載の連結具。
  14. 前記連結凸部の前記保持部下部には、連結時において、前記連結凹部に当接して当該連結凸部が連結凹部に対して摺動しないようにする係止板が設けられ、
    この係止板は、当該板を押圧することによって前記連結凹部との当接が外れることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の連結具。
  15. 前記連結凹部には、連結時において前記連結凸部の前記保持部を挟み込む挟固部を備え、この挟固部が前記保持部を挟み込むことによって、前記連結凸部が連結凹部に対して摺動しないようにすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の連結具。
  16. 前記連結凸部及び前記連結凹部の連結方向と反対の端部には、多種物品を接続するための接続部が設けられていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の連結具。
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