JP2005328697A - 駆動装置およびこれを備えた装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の駆動トルクを取り出しつつ小型化できる回転型駆動装置およびこれを備えた装置を提供すること。
【解決手段】 回転型駆動装置1は、基部4と、この基部4に設けられ圧電素子22を有する振動体2と、基部4に回転可能に設けられた回転体100とを備え、振動体2は、当接部23を有し、回転体100は、回転中心から一定距離の位置で当接部23が当接される被当接部を有し、圧電素子22に電圧を印加して振動体2を振動させることにより、当接部23で被当接部を繰り返し押圧して回転体100を回転させ、回転体100の回転軸に交差する平面における振動体2の位置は、被当接部と同じまたは被当接部より回転中心側とされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、圧電素子を有する振動体を備え、圧電素子に電圧を印加して振動体を振動させることにより、振動体が当接される被駆動体を駆動させる駆動装置およびこれを備えた装置に関する。
従来、圧電素子を利用した回転型駆動装置が知られている(例えば特許文献1)。
回転型駆動装置は、例えば、基部と、この基部に設けられ圧電素子を有する振動体と、基部に設けられ振動体が当接される回転体とを備えている。回転体は円盤状とされ、回転軸上に出力軸を有している。振動体は、回転体の外周面に当接されている。
このような回転型駆動装置では、圧電素子に電圧を印加して振動体を振動させることにより、回転体を回転させ、出力軸から駆動力を取り出すことができる。
特開平10−80164号公報(第2−3頁、第1図)
ところで、回転型駆動装置の駆動トルクTの大きさは、回転力Fと、回転軸の中心から回転力Fが作用する点までの距離(この場合、回転体の半径)rとの積で表される。したがって、必要な駆動トルクをT1とした場合、回転力Fの大きさを一定、例えばF1とすると、回転体の半径r1が求められ、その結果、回転体の大きさが決められることになる。
しかしながら、回転体の外周側に振動体が設けられるため、回転型駆動装置の大きさは、最も小さい場合でも、回転体の大きさと振動体の大きさとの和となる。したがって、所定の駆動トルクを取り出しつつ小型化しようとしても、限界があった。
本発明の目的は、所定の駆動トルクを取り出しつつ小型化できる回転型駆動装置およびこれを備えた装置を提供することにある。
本発明の駆動装置は、圧電素子および当接部を有する振動体を備え、前記圧電素子に電圧を印加して前記振動体を振動させることにより、前記当接部を被駆動体に当接させて被駆動体を駆動させる駆動装置において、前記圧電素子の表面には、圧電素子の幅方向略中央に形成された第1の電極と、この第1の電極の両側に形成され、かつ、圧電素子の長手方向に略二等分されて2つずつ形成された電極のうち、圧電素子の長手方向に沿った中心軸を挟んで対角線上に配置された一対の電極で構成された第2の電極と、この第2の電極に対して、圧電素子の長手方向に沿った中心軸を軸として線対称に配置された一対の電極で構成された第3の電極とが設けられ、前記圧電素子の第1および第2の電極に電圧を印加して前記当接部を所定の一方向に略楕円軌道を描いて振動させる状態と、前記圧電素子の第1および第3の電極に電圧を印加して前記当接部を反対方向に略楕円軌道を描いて振動させる状態とを切り替えることで、被駆動体の駆動方向を選択可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明の駆動装置は、基部と、この基部に設けられ圧電素子を有する振動体と、前記基部に回転可能に設けられた回転体とを備え、前記振動体は、当接部を有し、前記回転体は、回転中心から一定距離の位置で前記当接部が当接される被当接部を有し、前記圧電素子に電圧を印加して前記振動体を振動させることにより、前記当接部で前記被当接部を繰り返し押圧して前記回転体を回転させる駆動装置において、前記圧電素子の表面には、圧電素子の幅方向略中央に形成された第1の電極と、この第1の電極の両側に形成され、かつ、圧電素子の長手方向に略二等分されて2つずつ形成された電極のうち、圧電素子の長手方向に沿った中心軸を挟んで対角線上に配置された一対の電極で構成された第2の電極と、この第2の電極に対して、圧電素子の長手方向に沿った中心軸を軸として線対称に配置された一対の電極で構成された第3の電極とが設けられ、前記圧電素子の第1および第2の電極に電圧を印加して前記当接部を略楕円軌道を描いて振動させて前記回転体を所定の一方向に回転させる状態と、前記圧電素子の第1および第3の電極に電圧を印加して前記当接部を略楕円軌道を描いて振動させて前記回転体を反対方向に回転させる状態とを切り替えることで、回転体の回転方向を選択可能に構成されていることを特徴とする。
本発明では、前記圧電素子の表面に形成された電極は、圧電素子を幅方向にほぼ三等分するように形成された二本の溝で三つの電極に分割され、この三つの電極のうち二本の溝間に形成された電極によって前記第1の電極が構成され、第1の電極の両側の電極は、圧電素子の長手方向にほぼ二等分するように形成された溝で二つの電極に分割され、この四つの電極のうち第1の電極を挟んで対角線上に配置された一対の電極によって前記第2の電極が構成され、他の一対の電極によって第3の電極が構成されていることが好ましい。
本発明の装置は、前述した駆動装置を備えていることを特徴とする。
回転型駆動装置は、基部と、この基部に設けられ圧電素子を有する振動体と、基部に回転可能に設けられた回転体とを備え、振動体は、当接部を有し、回転体は、回転中心から一定距離の位置で当接部が当接される被当接部を有し、圧電素子に電圧を印加して振動体を振動させることにより、当接部で被当接部を繰り返し押圧して回転体を回転させる回転型駆動装置において、回転体の回転軸に交差する平面における振動体の位置は、被当接部と同じまたは被当接部より回転中心側とされていることを特徴とする。
この回転型駆動装置について、従来の回転型駆動装置と同じ性能を有する振動体の性能を用いて、同じ駆動トルクT1を取り出すことを考える。この場合、回転力F1が同じであるので、距離r1、つまり回転体の大きさも同じになる。
この構成によれば、回転体の回転軸に交差する平面における振動体の位置を、被当接部と同じまたは被当接部より回転中心側としたので、従来のように回転体の外側に振動体の設置スペースを設ける必要がなく、その分だけ回転型駆動装置全体を小型化できる。したがって、所定の駆動トルクを取り出しつつ、回転型駆動装置を小型化できる。
また、一般的に、圧電素子は衝撃に脆い性質を有している。そこで、例えば平板状の補強板と、この補強板の表裏面に設けられた圧電素子とを含んで振動体を構成し、当接部を補強板に設けた場合には、外部から回転体に衝撃等の過大な力が加わった場合でも、この衝撃が圧電素子に直接伝わることがない。したがって、回転型駆動装置の耐衝撃性を向上できる。
回転型駆動装置では、振動体の当接部は、断面円弧凸状とされ、回転体の被当接部は、当接部が当接する方向に対して凹んだ断面円弧凹状とされていることが望ましい。
この構成によれば、回転体の回転軸が振れることにより、当接部と被当接部とが当接する角度が変化しても、当接部と被当接部との接触面を確保できるから、回転型駆動装置を安定して駆動させることができる。
回転型駆動装置では、振動体は、回転体の被当接部に沿って等間隔おきに複数配置され、当接部は、被当接部に回転中心側から当接することが望ましい。
この構成によれば、回転体の被当接部を当接部で回転中心側から均等な力で釣り合いよく押圧できる。よって、回転体の回転軸が偏心するのを防いで、回転型駆動装置を安定して駆動させることができる。
また、回転体を当接部で支持できるから、回転体を回転軸で支持する必要がなく、回転体内側のスペースを有効利用できる。例えば、回転体を回転軸で支持する場合は、回転軸を避けて部品を配置する必要があった。しかし、この発明によれば、回転軸を避けて振動体を配置する必要がないので、回転体を回転軸で支持する場合に比べ、振動体の大きさを同じにしつつ回転体を小型化できるから、回転型駆動装置をさらに小型化できる。
回転型駆動装置では、振動体は、回転体の被当接部に沿って等間隔おきに複数配置され、当接部は、被当接部に回転軸に沿った方向から当接することが望ましい。
この構成によれば、回転体の被当接部を当接部で回転軸に沿った方向から均等な力で釣り合いよく押圧できる。よって、回転体の回転軸が偏心するのを防いで、回転型駆動装置を安定して駆動させることができる。
回転型駆動装置では、各振動体は、一つの駆動信号で駆動されることが望ましい。
この構成によれば、例えば、一つの印加装置を各振動体に接続して電圧を印可することにより、各振動体を一つの駆動信号で駆動したので、印加装置を各振動体毎に設ける必要がないから、製造コストおよび運転コストを低減できる。
回転型駆動装置では、振動体の当接部を回転体の被当接部に付勢する付勢手段を備えていることが望ましい。
この構成によれば、当接部を確実に被当接部に当接させることができ、回転体を確実に回転させることができるから、回転型駆動装置を安定して駆動できる。
また、回転体が停止している際に、外部から回転体に回転力が加えられた場合でも、回転体の被当接部に当接した当接部がストッパとして回転体の回転に抵抗するので、不要な回転を抑えることができる。
回転型駆動装置では、振動体は、回転体に対して所定の一方向に進退可能な支持体に支持されていることが望ましい。
この構成によれば、支持体の進退方向が一方向に規定されているので、振動体の当接部が常に一定の角度で回転体の被当接部に当接する。従って、回転型駆動装置の長期間の使用によって振動体が多少摩耗した場合でも、回転型駆動装置を安定して駆動できる。
回転型駆動装置では、付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段を備えていることが望ましい。
従来、圧電素子を備えた振動体の振動によって被駆動体を駆動する場合に、被駆動体の被駆動速度(移動速度)を調整する方法として、振動体の圧電素子にパルス電圧を連続的あるいは断続的に印加することによって調整する方法がある。この方法では、被駆動体を高速で移動させる場合には振動体にパルス電圧を連続的に印加して振動させる。また、被駆動体を低速で移動させる場合には振動体にパルス電圧を連続的に印加した後所定時間供給を停止する。このように、振動体にパルス電圧を断続的に印加することによって被駆動体を断続的に駆動し、全体として被駆動体を所望の平均移動速度で駆動する。
しかしながら、このように振動体にパルス電圧を断続的に印加すると、振動体が停止している状態から振動を開始する初期には振動状態が不安定となり、被駆動体に良好に動力伝達できず、駆動力の低下を招いてしまう。特に、被駆動体が回転体の場合では、被駆動体は慣性によって回転し続けようとするので、振動体が停止している時に被駆動体との接触部分に摩擦力がかかり、回転トルクを低下させてしまう。また、この時両者の接触部分で摩耗が発生し、耐久性の向上が望めない。
この構成によれば、付勢力調整手段によって振動体の回転体に対する付勢力が調整されることにより、振動体の回転体に対する駆動力が変更され、回転体の回転速度を変更できる。従来のように、振動体を断続的に振動させることで所望の移動速度を得る方法とは異なり、振動体の回転体に対する付勢力を調整することで駆動力を変更するので、振動体が連続的に振動して常に安定した振動状態となり、駆動力の低下が防止される。
回転型駆動装置では、付勢力調整手段は、付勢力が手動で調整可能に設けられていることが望ましい。
この構成によれば、付勢力が手動で調整されるので、付勢力調整手段の構成が簡単になる。よって、回転型駆動装置のメンテナンスが容易になり、製造コストが安価になる。
回転型駆動装置では、付勢力調整手段は、付勢力が自動で調整可能に設けられていることが望ましい。
この構成によれば、付勢力の調整が自動で行われるので、回転体の回転中にも振動体の回転体に対する付勢力が動的に調整可能となり、回転速度の柔軟な調整が可能となる。
回転型駆動装置では、付勢力調整手段は、当接部の被当接部に対する付勢力を無段階に調整可能に設けられていることが望ましい。
この構成によれば、付勢力が無段階に調整可能に構成されているので、回転体の回転速度が無段階に設定可能となり、回転速度の微調整も簡単になる。
回転型駆動装置では、付勢力調整手段は、振動体に対して複数設けられていることが望ましい。
この構成では、複数の付勢力調整手段で振動体の付勢力を調整するので、一つの付勢力調整手段にかかる負荷が軽減される。これにより、付勢力調整手段の耐久性が向上する。また、一つの付勢力調整手段の付勢力の変化割合を小さく設定することが可能となるので、付勢力の微調整が容易となる。
回転型駆動装置では、振動体は、一つの付勢力調整手段に対して複数設けられていることが望ましい。
この構成によれば、一つの付勢力調整手段で複数の振動体の付勢力が調整可能となるので、部品点数が減少し、回転型駆動装置の製造コストが安価になる。また、複数の振動体間での回転体に対する付勢力が均一となり、回転体への動力伝達効率が良好となる。
回転型駆動装置では、基部に設けられかつ回転体に当接してこの回転体を案内するガイドを備えていることが望ましい。
この構成によれば、回転体を案内するガイドを設けたので、回転体の回転軸が偏心するのを防いで、回転型駆動装置を安定して駆動させることができる。
また、例えば、振動体およびガイドを正三角形や二等辺三角形の各頂点に相当する位置に配置することにより、これら振動体およびガイドで回転体を均等な力で釣り合いよく押圧でき、回転型駆動装置をさらに安定して駆動させることができる。
回転型駆動装置では、回転体は、回転中心から所定距離離れた位置で当接部およびガイドによって支持されていることが望ましい。
例えば、回転体を回転軸で支持した場合には、回転軸を避けて部品を配置する必要があった。しかし、この構成によれば、回転軸上に振動体を配置することができるので、回転体を回転軸で支持する場合に比べ、回転体内側のスペースを有効利用できる。よって、回転型駆動装置をさらに小型化できる。
回転型駆動装置では、回転体は、基部の外周に配置されていることが望ましい。
この構成によれば、基部の大きさに対する回転体の大きさを最大にできるから、回転型駆動装置の大きさに対する駆動力を最大にできる。
回転型駆動装置では、回転体は、基部に対して着脱可能に設けられていることが望ましい。
この構成によれば、回転体が基部に対して着脱可能に設けられているので、回転型駆動装置の長期的な使用によって、回転体の被当接部または振動体の当接部が多少摩耗しても、回転体または振動体を交換することで長期的な使用にも対応でき、回転型駆動装置の歩留まりが向上する。また、多種多様な回転体を取付可能となるので、回転型駆動装置の汎用性が向上する。
回転型駆動装置では、基部および回転体のうち少なくとも一方は、基部および/または回転体によって振動体を略囲う空間の内外を連通する放熱用の開口部を有していることが望ましい。
振動体自体の振動や、振動体の当接部と回転体の被当接部との接触により、振動体周囲には熱が発生する。ところが、圧電素子は周囲の温度環境によって特性が変化するため、振動体周囲の熱によって振動体の特性が変化し、回転型駆動装置が安定して駆動しないおそれがある。
この構成によれば、基部および回転体のうち少なくとも一方に設けられた開口部を通じて放熱できるから、内部の温度、特に圧電素子周囲の温度が急激に上昇することがなく、回転型駆動装置を安定して駆動させることができる。
また、手や工具を開口部から入れて回転型駆動装置内部の部品を組み立てることができるので、組立性を向上できる。
回転型駆動装置では、基部は、振動体が設けられた側とは反対側の面に、振動体と接続する導通端子を備えることが望ましい。
この構成によれば、基部に導通端子が設けられているので、回転型駆動装置を他の装置に組み込む際に、振動体との接続作業が容易になる。この時、導通端子は基部において振動体が設けられた側とは反対側に設けられているので、基部のスペースを有効に活用でき、振動体の振動を阻害することなく、確実に接続できる。
回転型駆動装置では、回転体は、その外周部で動力を伝達可能とされていることが望ましい。
回転体の回転軸に垂直な軸回りに作用するモーメント、つまり回転体の回転軸を転倒させるような方向に働くモーメントは、外力と、基部が回転体を支持する支点から外力の作用線に下した垂線の長さとの積で表される。回転体の回転軸の延長線上に出力軸を設けた場合には、出力軸に回転体の半径方向の外力が加わると、上述した垂線の長さが長くなってモーメントが大きくなり、回転軸が偏心しやすい、という問題がある。
この構成によれば、回転体の外周部で動力を伝達したので、この外周部に回転体の半径方向の外力が加わっても、基部が回転体を支持する支点から外力の作用線に下した垂線の長さを短くできるから、回転体の回転軸に垂直な軸回りに作用するモーメントを小さくして、回転型駆動装置を安定して駆動させることができる。
回転型駆動装置では、基部に設けられて振動体を駆動させる印加装置を備えていることが望ましい。
印加装置を回転型駆動装置と別個に設けた場合には、印加装置から回転型駆動装置に駆動信号を送るためのリード線などが必要となる。
この構成によれば、駆動信号を送るためのリード線などを回転型駆動装置から引き出す必要がなく、簡単な構成にできるから、取扱性を向上できる。
また、回転型駆動装置のみで駆動させることができるので、屋外等の電源の確保が困難な場所で使用することができ、携帯性を向上できる。
装置は、前述した回転型駆動装置を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、前述した回転型駆動装置を備えているので、前述のような効果を得ることができ、前述の回転型駆動装置を、液体供給装置(チューブポンプ)、カメラのフィルム巻き上げ機構、カメラレンズの駆動機構、振動モータ、FDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)、レコードプレーヤ、CDプレーヤ、電動自転車、電動スクータ、電気自動車、冷却ファン、小型電子機器、小型ポンプ、玩具、配管検査用装置(ロボット)等に利用できる。
回転型駆動装置およびこれを備えた装置によれば、次のような効果が得られる。
回転体の回転軸に交差する平面における振動体の位置を、被当接部と同じまたは被当接部より回転中心側としたので、従来のように回転体の外側に振動体の設置スペースを設ける必要がなく、その分だけ回転型駆動装置全体を小型化できる。したがって、所定の駆動トルクを取り出しつつ、回転型駆動装置を小型化できる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第二実施形態以降では、以下に説明する第一実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
〔第1実施形態〕
図1には、第一実施形態にかかる回転型駆動装置1の平面図が示されている。この図1において、回転型駆動装置1は、圧電素子22を備えた振動体2と、振動体2の振動で駆動される環状の回転体100とを備えている。振動体2は、振動体2を振動可能に固定する支持体3を介して基部4に取り付けられ、また回転体100は、基部4の外周に回転可能に設けられている。
なお、この回転型駆動装置1は、例えばカメラ本体に組み込まれ、回転体100の外周にベルトなどを掛け回してベルトによって回転運動を伝達することでカメラのフィルム巻き上げる、フィルム巻き上げ機構などに利用される。
図2には、振動体2および支持体3の分解斜視図が示されている。この図2および前述の図1に示されるように、振動体2は、略矩形平板状に形成された補強板21と、この補強板21の表裏両面に設けられた平板状の圧電素子22とを備えている。
補強板21は、ステンレス鋼、その他の材料から構成され、短辺の一端には幅方向略中央に断面略円弧凸状の当接部23が長手方向に突出するように一体的に形成されている。補強板21は、当接部23の先端が回転体100の内周に当接され、内周の接線方向にほぼ直角に(回転体100の径方向に沿うように)配置されている。つまり、回転体100の回転軸に交差する平面における振動体2の位置は、当接部23が当接される位置より回転中心側となっている。
また、補強板21の長手方向略中央には、幅方向両側に腕部24が一体的に形成されている。腕部24は、補強板21からほぼ直角に突出しており、これらの端部にはそれぞれ孔241が穿設されている。
圧電素子22は、補強板21の両面の略矩形状部分に接着されている。圧電素子22の材料は、特に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
また、圧電素子22の両面には、ニッケルおよび金などによる電極がめっき、スパッタ、蒸着等の方法で形成されている。これらの電極のうち、補強板21に対向する面は、圧電素子22の全面にわたって形成されている。また、補強板21に対向しない側の電極は、溝によって互いに電気的に絶縁されることで、長手方向に沿った中心線を軸として線対称に複数形成されている。つまり、圧電素子22を幅方向にほぼ三等分するように二本の溝25Aが形成され、これらの溝25Aで分割された三つの電極のうち両側の電極ではさらに長手方向をほぼ二等分するように溝25Bが形成されている。これらの溝25A,25Bにより、圧電素子22の表面には幅方向略中央に第1の電極22Aと、この電極22Aの両側に対角線上両端の電極をそれぞれ対とする第2,第3の電極22B,22Cとが形成される。これらの電極22A,22B,22Cは、それぞれリード線(図示せず)に接続され、基部4に取り付けられた導通ピン35に接続されている。ここで、導通ピン35は四つ設けられ、電極22A,22B,22Cはそれぞれ別の導通ピン35に接続されている。また、補強板21にもリード線(図示せず)が接続され、前述の三つの導通ピン35と別の導通ピン35に接続されている。
なお、これらの電極は、補強板21を挟んで設けられた表裏両方の圧電素子22に同様に設けられており、例えば電極22Aの裏面側には電極22Aが形成されている。
ここで、圧電素子22の寸法や、厚さ、電極の分割形態などは、圧電素子22に繰り返し電圧が印加された時に、圧電素子22が長手方向に伸縮する、いわゆる縦振動と、圧電素子22の平面中心に対して点対称に、縦振動に直交する方向に屈曲する、いわゆる屈曲振動とが同時に現れるように適宜設定される。この時、縦振動の共振周波数と、屈曲振動の共振周波数とは互いに近接するように設定されていることが望ましく、縦振動の共振周波数に対する屈曲振動の共振周波数の比は、1.00より大きく、1.03以下であることが望ましい。また、圧電素子22の長辺と短辺との長さ比は、長辺を1とすると短辺が0.274以上であることが望ましい。
なお、圧電素子22の寸法を、長辺の長さを1とした時に短辺の長さを0.274より小さくすると、縦振動の共振周波数が屈曲振動の共振周波数より大きくなり、当接部23において良好な楕円軌道を得ることができない。この時、縦振動の共振周波数に対する屈曲振動の共振周波数の比は、1.00以下である。また、両振動の共振周波数の比が1.03よりも大きいと、縦振動の共振点と屈曲振動の共振点とが離れてしまい、両振動の振幅が同時に大きくなる振動周波数を設定することができない。
圧電素子22に印加される電圧の周波数は、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との間、より好ましくは反共振周波数と屈曲振動の共振周波数との間で両方の振動が良好に現れる周波数を適宜選択する。なお、圧電素子22に印加される電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形波、台形波などが採用できる。
図3には、回転型駆動装置1の側断面図が示されており、この図3は、図1のIII−III断面図である。また図4には、回転型駆動装置1の底面図が示されている。これらの図3,図4および図1に示されるように、圧電素子22の電極が接続された金属製などの導通ピン35は、振動体2の両側に複数個(本実施形態では両側に二つずつ、計四つ)設けられ、基部4に設けられた貫通孔41を貫通して、基部4において振動体2が設けられていない側に突出している。導通ピン35の表面には、導通抵抗を小さくするために金めっきが施されている。貫通孔41と導通ピン35との間には絶縁部材36が介装され、これによって基部4と導通ピン35とが絶縁されている。
また、基部4において振動体2が設けられた側とは反対側の面には、圧延銅などによる導通パターン38が形成された導通基板37が設けられており、導通ピン35は、この導通基板37をも貫通している。導通基板37は例えばポリイミド樹脂などの柔軟性かつ絶縁性を有する材料で構成されている。導通パターン38は、導通ピン35が貫通する貫通孔の周囲にそれぞれ一端が形成され、これらの一端はハンダなどによって導通ピン35に接続、導通している。また、これらの導通パターン38の他端は、導通基板37上で互いに近接した位置に配置されており、それぞれの導通端子381を形成している。
このような構成により、導通端子381は、それぞれ電極22A,22B,22C、および補強板21に接続される導通端子381となっている。これらの導通端子381は、圧電素子22に交流電圧を印加する印加装置(図示せず)に接続されている。この時、これらの導通端子381に対応する位置に、端子が形成された導通パターンを有する基板などを設けて、導通基板37に対向させて基部4に形成された取付孔45にねじ止めすれば、圧接によって四つの導通端子381を同時に導通させることができ、両基板を容易に接続し、振動体2を印加装置に容易に接続することができる。
また、基部4および導通基板37において回転体100の回転中心に対応する位置には、回転型駆動装置1を外部装置に取り付ける際に、回転体100の中心位置を位置決めするために、位置決め孔401,371が形成されている。
図5には、回転型駆動装置1の側断面図が示されており、この図は、図1のV−V断面図である。この図5および図2において、支持体3は、硬質プラスチック、その他の材料で構成され、振動体2が固定される一対の固定部31と、これらの固定部31の間に一体的に形成され、基部4にスライド可能に支持されるスライド部32とを備えている。固定部31には、腕部24の孔241に対応する位置にねじ部311が形成されている。このねじ部311に孔241を貫通してねじ26が螺合されることにより振動体2が固定部31に固定されている。従って、ねじ26の螺合を外せば、振動体2を支持体3(基部4)から取り外すことができる。
スライド部32は、基部4に凹状に形成されたスライド溝42(図5)に配置されており、幅方向略中央には、支持体3が回転体100に対して近接離間する方向に平行となるように長孔321が複数箇所(本実施形態では二箇所)形成されている。この長孔321には、ねじ421が貫通しており、このねじ421は、基部4に形成されたねじ孔422に螺合されている。これにより、支持体3は長孔321の長手方向、つまり回転体100において、当接部23が当接される位置から回転体100の径方向に沿った方向のみにスライド可能となっている。
また、固定部31とスライド部32とは段差を有して形成されている。つまり固定部31およびスライド部32によって中央に凹状部分が形成されている。これにより、振動体2が固定部31に取り付けられた時に振動体2とスライド部32との間には隙間が形成されるので、振動体2が振動してもスライド部32やねじ421に干渉しないようになっている。
また、支持体3において、位置決め孔401に対応する位置には、長孔333が形成されている。
図3および図2に戻って、支持体3両側の固定部31において、振動体2の当接部23から遠い側の端部側面には、円柱状に突出したばね取付部331がそれぞれ形成されている。このばね取付部331にはばね(付勢手段)34の一端が挿入されている。ばね34は、その伸縮方向が振動体2の近接離間反方向に平行となるように配置され、他端には円柱状の当接ピン332が挿入されている。この当接ピン332は、基部4に設けられた係止片43に固定されている。
このように、ばね34の一端が支持体3に当接され、ばね34の他端が当接ピン332に当接されることにより、ばね34は支持体3を回転体100に近接する方向に付勢している。つまり、振動体2の当接部23は適当な付勢力で回転体100に押し付けられている。
回転体100は、図1,図3および図5に示されるように、基部4の外周に接着された内輪44に、等間隔に配置された複数(本実施形態では八つ)のボール441を介して回転可能に支持されている。内輪44と回転体100との間には、合成樹脂などで構成された円筒状のボール保持部442が設けられている。このボール保持部442において、導通基板37に近い側には、周方向に沿ってボール441と同数の略半円形の切欠が等間隔で形成されており、この切欠にボール441がそれぞれ嵌めこまれて配置されることで、ボール441が内輪44の外周で所定間隔に保持されている。なお、回転体100、内輪44、およびボール441は、例えばステンレス鋼などの高剛性の材料で構成されている。
回転体100の内周部分には、当接部23が当接する方向に対して凹んだ断面円弧凹状の被当接部101が形成され、この被当接部101に振動体2の当接部23が当接されている。この被当接部101の表面は、当接部23との摩耗を低減できるように滑らかに仕上げられている。この被当接部101により、振動体2が振動して当接部23が回転体100の回転軸方向にずれた時に回転体100との係合が外れるのを防止している。
ここで、回転体100は、基部4に対して着脱可能に設けられている。回転体100を基部4から取り外す場合には、ボール保持部442の切欠からボール441を外し、ボール保持部442を基部4の内輪44および回転体100の間から取り外す。すると、ボール441は内輪44と回転体100との間で移動自在となるので、ボール441を内輪44外周の一箇所に集めて内輪44をボール441とは反対側で回転体100に近接させる。すると、近接させた側とは反対側には内輪44と回転体100との間にボール441よりも大きな隙間が形成されるので、この隙間からボール441を一つずつ取り出すことによって、回転体100を内輪44から取り外せばよい。
このような回転型駆動装置1は、次のように動作する。
図6には、振動体2の動作を示す模式図が示されており、図6(A)には、振動体2の縦振動が、図6(B)には屈曲振動が、図6(C)には当接部23の振動軌跡が示されている。
印加装置により振動体2の補強板21と圧電素子22の電極との間に交流電圧を印加して振動体2を振動させる。この時、圧電素子22の電極のうち、電極22Aおよび電極22Cのみを選択して電圧を印加すると、振動体2は、図6(A)に示されるように、主に電極22Aによって長手方向に伸縮する、いわゆる縦振動を励振する。また、電極22Aの両側では、電極22Cのみに電圧が印加されるため、当該両側において圧電素子22が非対称に伸縮し、図6(B)に示されるように、縦振動に直交する方向に、圧電素子22の平面中心に対して点対称に屈曲する、いわゆる屈曲振動も励振する。
これらの縦振動および屈曲振動が同時に現れることにより、振動体2の当接部23は図6(C)に示されるように、略楕円軌道を描いて振動することとなる。当接部23は、この楕円軌道の一部において回転体100の被当接部101を押圧することによって回転体100を回転させる。これを所定周波数で繰り返すことにより、回転体100は一方向に、この場合では、図1の反時計回りに、所定の回転速度で回転する。
また、回転体100を反対方向に回転させる場合には、圧電素子22に印加する電圧の電極を振動体2の長手方向に沿った中心線を軸として線対称に切り替える。つまり、圧電素子22の電極22Aおよび電極22Bに所定周波数の電圧を印加すれば、当接部23は反対方向の楕円軌道を描いて振動する。これにより、回転体100は反対方向に回転する。
図7には振動体2の駆動周波数に対する圧電素子22のインピーダンスが示されている。この図7に示されるように、圧電素子22に印加する電圧の周波数に対して、インピーダンスが極小となる点が二点現れる。これらのうち周波数の低い方の一点は、縦振動の振動振幅が最大となる共振点で、この共振点における周波数が、縦振動の共振周波数f1となる。周波数の高い方の一点は、屈曲振動の振動振幅が最大となる共振点で、この共振点における周波数が屈曲振動の共振周波数f3となる。また、共振周波数f1,f3の間には反共振周波数f2が現れる。
この図7からもわかるように、圧電素子22を縦振動と屈曲振動との共振周波数f1,f3の間で駆動すると、縦振動および屈曲振動の両方の振幅を大きく得られ、高効率で駆動できる。
したがって、このような第一実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 回転体100の回転軸に交差する平面における振動体2の位置を、被当接部101より回転中心側としたので、従来のように回転体の外側に振動体の設置スペースを設ける必要がなく、その分だけ回転型駆動装置1全体を小型化できる。したがって、所定の駆動トルクを取り出しつつ、回転型駆動装置を小型化できる。
(2) 平板状の補強板21と、この補強板21の表裏面に設けられた圧電素子22とを含んで振動体2を構成し、当接部23を補強板21に設けたので、外部から回転体100に衝撃等の過大な力が加わった場合でも、この衝撃が圧電素子22に直接伝わることがない。したがって、回転型駆動装置1の耐衝撃性を向上できる。
(3) ばね34を設けて振動体2を回転体100側に付勢しているので、当接部23を確実に被当接部101に当接させることができ、回転体100を確実に回転させることができるから、回転型駆動装置1を安定して駆動できる。
また、回転体100が停止している際に、外部から回転体100に回転力が加えられた場合でも、回転体100の被当接部101に当接した当接部23がストッパとして回転体100の回転に抵抗するので、不要な回転を抑えることができる。
(4) 支持体3は、長孔321によって案内されることにより回転体100の被当接部101に対して垂直な一方向のみに進退するので、これに伴って振動体2の進退方向もこの方向に規制されている。従って、当接部23が常に被当接部101に対して同じ角度で当接されるから、例えば長期間の使用によって当接部23が多少摩耗したような場合でも、当接部23を被当接部101に安定して当接することができ、回転型駆動装置1を安定して駆動できる。
(5) 振動体2の当接部23が略楕円軌道を描き、その略楕円軌道の一部において回転体100を回転させるので、回転体100に常に一方向のみの駆動力を与えることができる。つまり、当接部23の楕円軌道において回転体100の回転方向とは反対向きの軌道上では当接部23の回転体100への付勢力が低下するので、回転体100の回転が阻止されるのを防止できる。また、慣性力が働く方向と反対方向に当接部23の駆動力が伝達されにくく、回転体100の回転トルクの低下を防止できる。また、当接部23が回転体100の回転方向と反対向きの軌道上では回転体100への付勢力が低下するので、当接部23および回転体100の摩耗を防止でき、回転型駆動装置1の耐久性をより一層向上させることができる。
(6) 振動体2の当接部23を断面円弧凸状とし、回転体100の被当接部101を当接部23が当接する方向に対して凹んだ断面円弧凹状としたので、回転体100の回転軸が振れることにより、当接部23と被当接部101とが当接する角度が変化しても、当接部23と被当接部101との接触面を確保できるから、回転型駆動装置1を安定して駆動させることができる。
(7) 回転体100が基部4に対して着脱可能に設けられているので、例えば長期間にわたる使用後に当接部23または被当接部101が摩耗した場合などでは、どちらか一方を交換することで、摩耗していない部品をさらに使用することができるから、回転型駆動装置1の製品の歩留まりを向上させることができる。また、用途に応じて回転体100の形状を変更、交換することができるので、回転型駆動装置1の汎用性を向上させることができる。
(8) 基部4において振動体2が設けられている側とは反対側に、導通パターン38を形成した導通基板37が設けられ、振動体2の各電極に接続した導通端子381が形成されている。従って、印加装置などの外部装置を回転型駆動装置1に接続する場合にも、導通端子381に対応する導通パターンが形成された基板を接触させるだけで、振動体2との導通を容易に図ることができる。また、これにより、基部4のスペースを有効に活用できる。
(9) 回転体100が基部4の外周に設けられているので、基部4の大きさに対する回転体100の大きさを最大にできるから、回転型駆動装置1の大きさに対する駆動力を最大にできる。
(10) 圧電素子22が適切な寸法に、つまり長辺の長さを1とした時短辺の長さが0.274以上で、かつ縦振動の共振周波数に対する屈曲振動の共振周波数の比が1.00より大きく1.03以下になるように設定されているので、縦振動および屈曲振動を同時に得ることができ、当接部23が良好な楕円軌道を描いて回転体100を回転駆動できる。この時、縦振動および屈曲振動の共振点が互いに近接しているので、両振動の振幅が共振点近傍の大きな振幅となり、回転体100を高効率で駆動できる。
(11) 電極22B,22Cが圧電素子22の長手方向中心線に対して線対称に形成されているので、電圧を印加する電極を電極22Bから電極22Cに切り替えることにより、当接部23が反対向きの楕円軌道を描き、回転体100を反対方向に駆動することができる。これにより、振動体2の動作範囲が広がり、回転型駆動装置1の汎用性を向上させることができる。
ここで、第一実施形態の具体的な実施例を挙げる。
圧電素子22の材料をPZTとし、寸法を短辺1.98mm、長辺7mm、厚み0.15mmとする。補強板21の材料はステンレス鋼(SUS301)で、厚みが0.1mmとなっている。当接部23は、平面形状が幅0.5mm、突出長さが0.45mmの略半円形状で、質量が約0.16mgである。また、腕部24において圧電素子22から突出する部分は、幅0.4mmで長さが0.5mmである。
このような振動体2では、当接部23を回転体100に当接せず、回転体100から反力を受けない状態で、縦振動の共振周波数f1が約279kHz、屈曲振動の共振周波数f3が約285kHz、反共振周波数f2が約283kHzであった。従って、縦振動の共振周波数f1に対する屈曲振動の共振周波数f3の比は、約1.015となる。この振動体2に縦振動の共振周波数f1と屈曲振動の共振周波数f3との間の周波数で、またより望ましくは、反共振周波数f2から屈曲振動の共振周波数f3までの間の周波数で電圧を印加すると、縦振動および屈曲振動がそれぞれ共振点付近で振動することとなり、大きな振動振幅が得られ、当接部23において良好な楕円軌道が得られることがわかる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
図8は本発明の第二実施形態に係る回転型駆動装置1を示す平面図、図9は図8における断面図である。また、以下の説明では、図9中の上側を回転型駆動装置1における「上側」、下側を「下側」と言う。
これらの図8および図9において、回転型駆動装置1は、基部4と、この基部4に軸部46を介して回転可能に設けられた回転体100と、基部4に設けられて回転体100を回転させる振動機構20とを備えている。
なお、この回転型駆動装置1は、例えば回転体100の回転中心に形成された出力軸114から回転運動を得て、流体を圧送する小型ポンプに利用されるものである。
基部4は、円盤状とされ、その中心に形成された軸孔461と、この軸孔461の周囲で上方に突出して形成された凸部462と、凸部462の周囲に形成されて基部4の一方と他方とを連通する複数の開口部463とを備えている。軸孔461のうち基部4上面側は、基部4下面側より大きな孔径とされている。
軸部46は、ボールベアリングとされ、円筒状の軸受464と、この軸受464の内側に配置された円筒状のジャーナル465と、これら軸受464とジャーナル465との間に配置された複数のボール466とを備えている。これにより、内側のジャーナル465が軸受464の中心軸を中心として外側の軸受464に対して回転自在とされている。
回転体100は、円盤状の回転体本体111と、この回転体本体111外周に、例えば圧入により固着された円環部112とを有している。
回転体本体111は、PC(ポリカーボネート)等の樹脂で形成され、その回転中心に下方に突出して形成された被支持部113と、その回転中心に上方に突出して形成された出力軸114と、回転体本体111の一方の面と他方の面とを連通する開口部115とを備えている。つまり、回転体100および基部4によって振動機構20を略囲う空間が形成され、この空間の内外を連通するように開口部463および開口部115が形成されている。
円環部112は、鉄系、ステンレス系等の合金で形成され、その内周面に被当接部101を有している。この被当接部101は、回転中心から一定距離の位置で後述する振動機構20の当接部23が回転中心側から当接され、この当接部23が当接する方向に対して凹んだ断面円弧凹状とされている。
回転体100の被支持部113は、軸部46のジャーナル465に上側から挿入され、ジャーナル465に下側から挿入されたねじ467が螺合されることにより、ジャーナル465に固定されている。また、軸部46の軸受464は、軸孔461の基部4上面側に嵌合される。これにより、回転体100は、軸部46を介して基部4に回転可能に支持される。
振動機構20は、当接部23を有する三つの振動体2と、各振動体2を基部4に回転可能に支持し、かつ各振動体2の当接部23を回転体100の被当接部101に付勢する三つの腕部24とを備えている。
振動体2は、回転体100の回転軸に交差する方向の位置が回転体100の被当接部101より回転中心側とされ、被当接部101に沿って等間隔おきに配置されている。また、各振動体2は回転体100の回転方向に対して傾斜して配置され、これにより、当接部23が被当接部101に対して所定角度で当接している。
図10には振動体2の拡大斜視図が、また図11には振動体の拡大平面図が示されている。これらの図10および図11にも示されるように、振動体2は、略矩形平板状に形成された補強板21と、この補強板21の表裏面に設けられた平板状の圧電素子22と、これら圧電素子22表面に設けられた電極22D,22Eとを備えている。
当接部23は、振動体2の長さ方向に沿った方向の中心線をS(図11中一点鎖線で示す)とすると、振動体2の被当接部101側端面でかつ中心線S上に設けられている。この当接部23は、断面円弧凸状とされ、補強板21と一体に形成されている。
電極22D,22Eは、圧電素子22の両端側で対角線上に配置された二つの矩形状の振動検出電極22Dと、この振動検出電極22Dを除く圧電素子22全面に亘って配置された略Z字形状の駆動電極22Eとで構成されている。これら振動検出電極22Dと駆動電極22Eとの間には、空隙が形成され、電気的に絶縁されている。
なお、圧電素子22の材料、寸法などは、第一実施形態と同様に設定されている。
圧電素子22および補強板21を挟んで互いに対向する一組の振動検出電極22Dは、リード線221を介して振動検出装置(図示省略)に接続されている。なお、三つの振動体2のうち、一つの振動体2の二組の振動検出電極22Dのみが、振動検出装置に接続されている。
振動体2が振動すると、この振動は、振動検出電極22Dと補強板21とで挟まれた圧電素子22によって検出信号に変換される。この検出信号は、振動検出電極22Dを介して振動検出装置に送られ、振動体2の振動状態が検出される。
補強板21は、リード線223を介して接地されている。圧電素子22および補強板21を挟んで互いに対向する一組の駆動電極22Eは、リード線222を介して、印加装置(図示省略)に接続されている。なお、各振動体2の全ての駆動電極22Eは、共通する一つの印加装置に接続されている。
以上のリード線221,222,223は、基部4の開口部463を通して外部に引き出されている。
印加装置で一つの駆動信号を送ると、各振動体2の駆動電極22Eと補強板21とで挟まれた部分の圧電素子22が振動し、これにより振動体2の当接部23も振動して、回転体100が回転する。
次に、振動体2の動作について詳しく説明する。
印加装置で所定周波数の駆動信号を駆動電極22Eに送ると、駆動電極22Eと補強板21に挟まれた部分の圧電素子22は、全体として伸長、収縮して縦振動を励振する。この縦振動の方向は、中心線Sに沿った方向、つまり振動体2の長さ方向である。
ここで、駆動電極22Eと補強板21に挟まれた部分の圧電素子22を、図11に示されるように中心線S近傍部分(振動体2の幅方向中央部分)にある圧電素子224と、中心線Sから離れた部分(振動体2の幅方向両端部分)圧電素子225とに分けて考える。すると、圧電素子225の長さは、圧電素子224の長さより短くなっている。
よって、圧電素子225の縦振動(図11中矢印D2で示す)は、圧電素子224の縦振動(図11中矢印D1で示す)とは異なる動きとなり、縦振動から遅れて、圧電素子22の幅方向に捻るモーメントが発生する。このモーメントにより、振動体2の幅方向に揺動する屈曲振動が誘発される。
したがって、振動体2は、縦振動および屈曲振動を同時に行うことになり、当接部23は、図11に示すように、楕円軌道に近似した軌道Rを描いて運動する。
図8および図9に戻って、腕部24は、基部4に回転可能に設けられた回転部材242と、この回転部材242に取り付けられて振動体2を付勢する付勢部材(付勢手段)243とを備えている。
回転部材242は、略L字形状とされて凸部462の外周に沿って配置され、基端側にピン245を有している。このピン245が基部4の凸部462近傍に設けられた孔468に挿入されることにより、回転部材242は、基部4に回動可能に支持されている。
付勢部材243は、平板状とされ、振動体2の補強板21と一体に形成されている。この付勢部材243は、略U字形状のばね部243Aと、このばね部243A先端に設けられた略L字形状の支持部243Bと備えている。
ばね部243Aは、基端側で基部4に設けられたピン469に係合されている。支持部243Bは、回転部材242に固定され、その先端で振動体2の補強板21の長さ方向中央に連結されている。
以上の腕部24によれば、ばね部243Aによって、振動体2の当接部23を、回転部材242のピン245を中心とする時計回りに回転させながら被当接部101に付勢できる。
なお、当接部23が被当接部101との接触を繰り返すことにより摩耗した場合、腕部24は、振動体2をピン245を中心とする時計回りに回転させることになる。したがって、当接部23と被当接部101とが成す角度が変化して、接触状態が変化するおそれがある。
しかし、回転部材242を略L字形状として凸部462の外周に沿って配置したので、基部4の中心部分に設けられた凸部462に接触するのを避けつつ、ピン245から当接部23までの距離をできるだけ長く確保できる。したがって、振動体2の回転半径を大きくでき、当接部23と被当接部101とが成す角度の変化を最低限に抑えて、当接部23と被当接部101との接触状態を維持できる。
次に、回転型駆動装置1の組立方法を説明する。
まず、振動体2、腕部24で振動機構20を組み立てるとともに、基部4に軸部46を取り付けておく。次に、回転部材242のピン245を基部4の孔468に挿入することにより、各振動体2を基部4上に配置する。各振動体2をピン245を中心として反時計方向に回転させて、当接部23を回転体100の被当接部101の軌道から退避させる。このとき、付勢部材243のばね部243Aは図8中2点鎖線で示す状態となっている。
次に、回転体100の被支持部113を軸部46のジャーナル465に挿入し、ねじ467で固定することにより、振動機構20の上から回転体100を基部4に取り付ける。続いて、基部4の開口部463から工具を差し込んで、付勢部材243のばね部243Aを撓ませて、基部4のピン469に引っ掛ける。
回転体100を取り付けない状態で振動機構20を取り付けると、ピン469に係合されたばね部243Aの付勢力により、振動体2の当接部23が被当接部101の軌道に入ってしまい、回転体100を取り付けることができない、という問題がある。
しかし、以上の方法によれば、回転体100を取り付けた後に当接部23を被当接部101に回転中心側から当接させるので、このような問題が発生しない。
次に、以上の回転型駆動装置1の動作について説明する。
まず、印加装置で圧電素子22に交流電圧を印加する。印加する交流電圧の周波数は、200〜300kHzである。
電圧を印加すると、圧電素子22が振動体2の長さ方向に伸長・収縮して、振動体2が縦振動および屈曲振動を同時に行って、当接部23は、軌道Rを描いて運動する。
すなわち、当接部23は、被当接部101に近い軌道を通る際には、回転体100の被当接部101を押圧力で押圧して、当接部23と被当接部101間に生じる摩擦力で被当接部101を所定方向に送る。
一方、当接部23は、被当接部101から離れた軌道を通る際には、回転体100から離隔する、あるいは、接触していても押圧力が低下することになり、被当接部101を駆動させることはない。
以上の動作を繰り返すことにより、当接部23で被当接部101を繰り返し押圧して、回転体100を図8中矢印Eの方向に回転させる。
したがって、第二実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(5)、(6)、(7)および(10)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(12) 基部4および回転体100に開口部463,115を設けたので、これら開口部463,115を通じて放熱できるから、内部の温度、特に圧電素子22周囲の温度が急激に上昇することがなく、回転型駆動装置1を安定して駆動させることができる。
また、手や工具を開口部463,115から入れて回転型駆動装置1内部の部品を組み立てることができるので、組立性を向上できる。
(13) 振動体2を回転体100の被当接部101に沿って等間隔おきに三つ配置し、当接部23を被当接部101に回転中心側から当接させたので、回転体100の被当接部101を当接部23で回転中心側から均等な力で釣り合いよく押圧できる。よって、回転体100の回転軸が偏心するのを防いで、回転型駆動装置1を安定して駆動させることができる。
(14) 一つの印加装置を各振動体2に接続して、三つの振動体2を一つの駆動信号で駆動したので、印加装置を各振動体毎に設ける必要がないから、製造コストおよび運転コストを低減できる。
(15) 付勢部材243を設けて振動体2を回転体100側に付勢しているので、第一実施形態とは構成が異なるものの、第一実施形態の(3)の効果と同様に、当接部23を確実に被当接部101に当接させることができ、回転体100を確実に回転させることができるから、回転型駆動装置1を安定して駆動できる。
また、回転体100が停止している際に、外部から回転体100に回転力が加えられた場合でも、回転体100の被当接部101に当接した当接部23がストッパとして回転体100の回転に抵抗するので、不要な回転を抑えることができる。
(16) 付勢部材243を振動体2の補強板21と一体に形成したので、コストをさらに削減できる。
(17) 振動体2が直接基部4(軸部46)に固定され、第一実施形態のような支持体3が不要なので、回転型駆動装置1をより簡単な構造で構成でき回転型駆動装置1を安価に製造できる。
〔第三実施形態〕
本発明の第三実施形態について、図12および図13を参照して説明する。
図12は本発明の第三実施形態に係る回転型駆動装置1を示す平面図、図13は図12における断面図である。また、以下の説明では、図13中の上側を回転型駆動装置1における「上側」、下側を「下側」と言う。
なお、この回転型駆動装置1は、回転体100の回転によって送風する遠心ファンとして利用され、例えばコンピュータに設けられ、コンピュータの内部機器の空冷のために適用されるものである。
回転型駆動装置1は、第二実施形態の回転型駆動装置1と同様に、基部4、軸部46、回転体100、および振動機構20を備えている。
すなわち、基部4は、箱状に形成され、開口部463のほか、その内部に印加装置60を備えている。開口部463は、基部4の上面および下面にそれぞれ設けられている。印加装置60は、電池および駆動回路を含んで構成され、リード線222,223を介して後述する振動体2に接続されている。印加装置60で一つの駆動信号を送ることにより、各振動体2の圧電素子22が振動し、これにより、振動体2が振動して、回転体100が回転する。
軸部46は、基部4の中心から上方に突出して形成された円柱状の軸部本体471と、この軸部本体471の外周に形成された支持部472と、軸部本体471の外周面で支持部472の上側に設けられた円筒状のブッシュ473とを備えている。
ブッシュ473を形成する材料は、含油アセタール樹脂、含油ポリオフィン樹脂、含油ポリアミド樹脂、含油ポリエステル樹脂、フッ化エチレン樹脂等が挙げられるが、これらに限らず、含油メタル等、潤滑性および軸受強度を考慮して適宜選定されてよい。
回転体100は、第二実施形態の回転体100と同様の構成であるが、回転体本体111の構造が異なる。すなわち、回転体本体111は、回転中心に被支持部113を有しておらず、挿通孔116を有している。
回転体本体111の挿通孔116にブッシュ473が挿通され、この状態で、ねじ474が軸部本体471の上端面に螺合されることにより、回転体100は、後述する回転部材242とともに、ねじ474の頭部と軸部46の支持部472とで挟まれて回転可能に支持される。なお、ねじ474を調整することにより、回転体100のあがきを調整できるようになっている。
回転体本体111の出力軸114には、外周面に歯形が形成され、図示しない輪列と噛み合っている。
回転体100の円環部112は、回転体100の回転方向に対応して角度を付けて形成された複数の開口部117を有している。これにより、回転体100は、開口部117を通じて外側の空気を内側に取り込む遠心ファンとされている。
振動機構20は、三つの振動体2および一つの腕部24を備えている。
振動体2は、第二実施形態の振動体2と同様の構成であるが、振動検出電極22Dを有しておらず、圧電素子22全面に亘って駆動電極22Eを有している。
また、各振動体2の補強板21の長さ方向両端には、互いに対角線上となる位置に二つの平面半円形状の突起23Aが一体的に形成され、このうち被当接部101側の突起23Aが当接部23とされている。
この振動体2は、印加装置60で駆動信号を送ると、圧電素子22がその長手方向に伸長・収縮する。振動体2には二つの突起23Aがアンバランスに設けられているため、圧電素子22の縦振動により、振動体2がその幅方向に揺動する屈曲振動が誘発される。したがって、当接部23は、第二実施形態における当接部23と同様に、軌道Rを描いて運動する。
腕部24は、回転部材242および付勢部材243を備えている。
回転部材242は、中心に挿通孔242Cを有し、この挿通孔242Cに軸部本体471が挿通されて支持部472上に配置され、回転体100とともに回転可能に支持される。
回転部材242は、円環状の回転部材本体242Aと、この回転部材本体242A下面に固着されて各振動体2を支持する支持部242Bとを備えている。支持部242Bは、各振動体2を支持する3本の腕242Dを有し、これらの腕242Dは等間隔おきに配置されて、互いに120度の角度を成している。
付勢部材243は、渦巻きばねとされ、軸部46の支持部472外周面に沿って配置されている。付勢部材243の一端は、基部4の支持部472近傍に係止され、他端は、回転部材242の支持部242Bを貫通して回転部材本体242Aに係止されている。
以上の腕部24によれば、付勢部材243によって、振動体2の当接部23を、回転体100の回転軸を中心とする時計回りに回転させながら被当接部101に付勢できる。
したがって、本実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(5)および(10)の効果と同様の効果、および第二実施形態の(12)〜(15)および(17)の効果と同様の効果に加え、次のような効果がある。
(18) 印加装置60を基部4内部に設けたので、駆動信号を送るためのリード線を回転型駆動装置から引き出す必要がなく、簡単な構成にできるから、取扱性を向上できる。
また、回転型駆動装置1のみで駆動させることができるので、屋外等の電源の確保が困難な場所で使用することができ、携帯性を向上できる。
(19) 回転体100が遠心ファンとされているので、回転体100を回転させることにより、内部の給排気を強制的に行うことができるから、回転型駆動装置1内部を冷却して圧電素子22周囲の温度の急激な上昇を抑制でき、回転型駆動装置1を安定して駆動させることができる。
特に、基部4に開口部463を設けたので、この開口部463を通して容易に給排気でき、回転型駆動装置1をさらに安定して駆動させることができる。
〔第四実施形態〕
本発明の第四実施形態について、図14を参照して説明する。
図14は本発明の第四実施形態に係る回転型駆動装置1の断面図である。また、以下の説明では、図14中の上側を回転型駆動装置1における「上側」、下側を「下側」と言う。
回転型駆動装置1は、遊星機構とされ、固定内歯48を有する基部4と、この基部4に軸部46を介して回転可能に設けられた太陽歯車100Aと、基部4に設けられて太陽歯車100Aを回転させる振動機構20と、三つの遊星歯車51と、キャリア52と、可動内歯車54とを備えている。
なお、この回転型駆動装置1は、例えばFDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)に組み込まれ、回転体100の回転中心に形成された出力軸543から回転運動を得てFDDを回転駆動するものである。
基部4は、第二実施形態の基部4と同様の構成を有する円盤状の基部本体49と、この基部本体49の外周面を覆う円筒部491と、この円筒部491下側を塞ぐ蓋部492とを備えている。基部本体49と蓋部492との間には、制御装置61が収納されている。
制御装置61は、電池62、駆動回路63、水晶振動子64を含んで構成され、基部本体49の開口部463を通るリード線221〜223を介して振動体2に接続されている。制御装置61は、第三実施形態における印加装置60と同様の印加機能のほか、振動体2の振動状態を検出するための振動検出機能を有している。
また、基部本体49上面のうち後述する軸部46の支持部472の周囲は凹んでおり、キャリア案内部493が形成されている。
固定内歯48は、その内周面に歯481を有し、基部本体49上面でかつ円筒部491の内周面に沿って形成されている。
軸部46は、基部本体49の中心に形成された軸穴475と、この軸穴475の周囲に上方に突出して形成された支持部472とを備えている。
太陽歯車100Aは、第二実施形態の回転体100と同様の構成であり、出力軸および開口部は有していないが、その回転中心に上方に突出して形成された位置決めピン118と、被支持部113とを備えている。また、太陽歯車100Aの円環部112外周面には歯121が形成されている。
太陽歯車100Aの被支持部113が軸部46の軸穴475に挿入されることによって、太陽歯車100Aは、基部4の基部本体49に回転可能に支持されている。また、太陽歯車100Aは、遊星歯車51に噛合され、その外周部で動力を伝達することにより遊星歯車51を回転させる。
振動機構20は、第三実施形態における振動機構20と同様の構成であり、三つの振動体2および一つの腕部24を有しているが、腕部24の回転部材242は、回転部材本体242Aを有しておらず、支持部242Bのみで構成されている。そのため、腕部24の付勢部材243は、他端で回転部材242の支持部242Bに係止されている。
可動内歯車54は、固定内歯48の上側でかつ円筒部491の内周面に沿って配置され、円盤状の可動内歯車本体541と、可動内歯車本体541外周に設けられた円筒部542とを備えている。
可動内歯車本体541は、その上面かつ回転中心に上方に突出して形成された出力軸543と、その下面かつ回転中心に形成された位置決め穴544とを有している。位置決め穴544には、太陽歯車100Aの位置決めピン118が嵌合されている。
円筒部542の内周面には、歯545が形成されている。
以上の可動内歯車54は、その外周面で円筒部491の内周面に摺動しながら、位置決め穴544で太陽歯車100Aに回転可能に支持されている。
なお、以上の太陽歯車100A、固定内歯48の中心軸、可動内歯車54の回転軸は一直線上にある。
遊星歯車51は、その外周面に歯511が形成され、この歯511で太陽歯車100Aの歯121、固定内歯48の歯481、および可動内歯車54の歯545に噛合している。
キャリア52は、三つの遊星歯車51を互いに等間隔離れた状態を維持しながら、太陽歯車100Aの周囲を公転可能に支持するものである。すなわち、キャリア52は、下キャリア521および上キャリア522を含んで構成されている。
下キャリア521は、その中心に挿通孔523を有し、この挿通孔523に軸部46の支持部472が挿通され、基部本体49のキャリア案内部493に配置されることにより、回転可能に支持されている。
上キャリア522は、その中心に挿通孔524を有し、この挿通孔524に太陽歯車100Aの位置決めピン118が挿通され、この状態で太陽歯車100A上に配置されることにより、回転可能に支持されている。
これら下キャリア521および上キャリア522は、遊星歯車51の回転軸の上下端を挟んだ状態で図示しない連結部材で連結されることにより、遊星歯車51を支持している。
以上の回転型駆動装置1の動作について説明する。
制御装置61で圧電素子22に交流電圧を印加すると、圧電素子22が振動体2の長さ方向に伸長、収縮して、振動体2が縦振動および屈曲振動を同時に行って、当接部23は、軌道R(図11参照)を描いて運動する。
すると、太陽歯車100Aが回転するとともに、この太陽歯車100Aの歯121に歯511で噛合された遊星歯車51も回転する。遊星歯車51は、回転しない固定内歯48の歯481にも歯511で噛合しているため、太陽歯車100Aから与えられた回転力によって、太陽歯車100Aの周囲を固定内歯48の歯481に沿って自転しつつ公転する。このとき、遊星歯車51は、歯511で可動内歯車54の歯545にも噛合しているから、可動内歯車54も回転する。
つまり、遊星歯車51が太陽歯車100Aの周囲を1周する度に、可動内歯車54の固定内歯48に対する相対位置がずれることとなり、このずれが出力軸543の回転となる。
回転型駆動装置1の減速比は、減速比をZZ、太陽歯車100Aの歯数をL、固定内歯48の歯数をM、可動内歯車54の歯数をN、遊星歯車51の固定内歯48に噛合される部分の歯数をR、遊星歯車51の可動内歯車54に噛合される部分の歯数をSとすると、以下の式で表される。
Figure 2005328697
例えば、上述した式において、L=56、M=65、N=68、S=R=8のとき、減速比ZZ=48.57となる。
したがって、本実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(5)、(6)および(10)の効果と同様の効果、第二実施形態の(12)〜(15)および(17)の効果と同様の効果、および第三実施形態の(18)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(20) 制御装置61で圧電素子22に交流電圧を印加すると、圧電素子22が振動体2の長さ方向に伸長・収縮して、振動体2の当接部23は、軌道Rを描いて運動し、太陽歯車100Aが回転する。すると、遊星歯車51も回転し、太陽歯車100Aから付与された回転力によって、太陽歯車100Aの周囲を固定内歯48の歯481に沿って自転しつつ公転する。このとき、遊星歯車51は可動内歯車54の歯545にも噛合されているから、可動内歯車54も回転する。したがって、回転速度を大きく減速させて、高い駆動トルクを得ることができる。
また、回転体で太陽歯車100Aを兼用する、すなわち、回転体は遊星機構の太陽歯車100Aとされているので、遊星機構としての回転型駆動装置1全体を小型化できる。
(21) 太陽歯車100Aの外周部で動力を伝達したので、振動等により、この太陽歯車100Aの外周部に半径方向の外力が加わっても、基部本体49が太陽歯車100Aを支持する支点としての軸穴475から外力の作用線に下した垂線までの長さを短くできるから、太陽歯車100Aの回転軸に垂直な軸回りに作用するモーメントを小さくして、回転型駆動装置1を安定して駆動させることができる。
〔第五実施形態〕
本発明の第五実施形態について、図15および図16を参照して説明する。
図15は本発明の第五実施形態に係る回転型駆動装置1を示す断面図、図16は振動機構20の拡大側面図である。また、以下の説明では、図16中の上側を回転型駆動装置1における「上側」、下側を「下側」と言う。
回転型駆動装置1は、第二実施形態の回転型駆動装置1と同様に、基部4、軸部46、回転体100、および振動機構20を備えている。
なお、この回転型駆動装置1は、例えばカメラ本体に組み込まれ、レンズのズーム機構の駆動装置に利用されるものである。より具体的には、例えば、レンズのズーム機構を3枚のレンズを互いに平行に配置して構成し、中央に配置されたレンズを回転型駆動装置1で平行移動させ、両側のレンズに対して近接離間させる。この際には、回転体100の回転中心に形成された出力軸114に、外周にねじが形成された駆動軸を直結し、この駆動軸に中央のレンズを接続させてボールねじを構成しておけば、出力軸114の回転で駆動軸が回転すると、外周のねじに沿ってレンズが平行移動する。
すなわち、基部4は、軸孔461、凸部462、および開口部463のほか、その外周に立設された壁部55と、この壁部55に係合されて基部4を覆うカバー部56とを備えている。
カバー部56は、円盤状とされ、その中心に形成された挿通孔561と、この挿通孔561の周囲に下方に突出して形成された押さえ部562と、挿通孔561の周囲に形成された複数の開口部563とを備えている。
挿通孔561は、後述する回転体100の出力軸114が挿通される。押さえ部562は、回転体100の回転体本体111を押さえることにより、回転体100の上下方向のずれを抑制する。
回転体100は、第二実施形態の回転体100と同様の構成であるが、円環部112の構造が異なる。
円環部112は、回転体本体111と一体に形成され、下面に被当接部101を有している。この被当接部101は、平面とされ、回転中心から一定距離の位置で、後述する振動機構20の当接部23が回転軸に沿った方向から当接される。
振動機構20は、第三実施形態における三つの振動体2と、各振動体2を支持しかつ各振動体2の当接部23を回転体100の被当接部101に付勢する三つの腕部24とを備えている。
振動体2は、回転体100の回転軸に交差する平面における位置が被当接部101と同じとされ、被当接部101に沿って等間隔おきに配置されている。各振動体2は、回転体100の回転軸に沿った方向で配置され、これにより、当接部23が被当接部101に対して垂直に当接している。
腕部24は、図16に示すように、基部4に固定される固定部246と、この固定部246に取り付けられて振動体2を支持する支持部(付勢手段)247とを備えている。
支持部247は、弾性変形可能な材料で形成された楕円形の環状とされている。支持部247のうち固定部246に取り付けられる部分と振動体2を支持する部分とは、相対向して配置されている。なお、本実施形態では、固定部246は、支持部247と別部材としたが、これに限らず、支持部247と一体に形成してもよい。
印加装置で振動体2を振動させると、当接部23は、縦振動および屈曲振動を行う。これらの運動に対応して腕部24は弾性変形し、各振動体2を支持しながら、各振動体2の当接部23を回転体100の被当接部101に付勢する。これにより、当接部23は、楕円軌道に近似した軌道R(図11参照)を描いて運動する。これにより、当接部23は、被当接部101を繰り返し押圧して、回転体100を図16中矢印Eの方向に回転させる。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)、(2)、(5)および(10)の効果と同様の効果、第二実施形態の(12)、(14)〜(17)の効果と同様の効果に加え、次のような効果がある。
(22) 振動体2を回転体100の被当接部101に沿って等間隔おきに三つ配置し、当接部23を被当接部101に回転軸に沿った方向から当接させたので、回転体100の被当接部101を当接部23で回転軸に沿った方向から均等な力で釣り合いよく押圧できる。よって、回転体100の回転軸が偏心することを防いで、回転型駆動装置1を安定して駆動させることができる。
〔第六実施形態〕
本発明の第六実施形態について、図17および図18を参照して説明する。
図17は本発明の第六実施形態に係る回転型駆動装置1を示す平面図、図18は図17における断面図である。また、以下の説明では、図18中の上側を回転型駆動装置1における「上側」、下側を「下側」と言う。
なお、この回転型駆動装置1は、例えばCDプレーヤに組み込まれ、回転体100の回転中心に形成された出力軸114から回転運動を得て、CDを回転駆動するものに利用される。
回転型駆動装置1は、軸部46を備えていないが、第二実施形態の回転型駆動装置1と同様に、基部4、回転体100、および振動機構20を備えている。
すなわち、基部4は、軸孔461、凸部462、および開口部463のほか、後述する回転体100の被当接部101に当接してこの回転体100を案内するガイドとしてのガイドローラ57およびガイド部58を備えている。
この基部4は、潤滑性のよいポリアセタール、ポリアミド、ポリオレフィン等に、強化材としてφ0.3μm、長さ3〜5μm程度のチタン酸カリウムを混入して、射出成形により製造される。
ガイドローラ57、ガイド部58、および後述する振動機構20の振動体2は、それぞれ一つずつとされ、回転体100の被当接部101に沿って等間隔おきに配置されている。具体的には、振動体2、ガイドローラ57、およびガイド部58は、正三角形の各頂点に相当する位置に配置されている。
なお、振動体2、ガイドローラ57、およびガイド部58は、これに限らず、二等辺三角形の各頂点に相当する位置に配置されてもよい。この場合、振動体2は、等しい長さの辺で挟まれた頂点に相当する位置に配置される。
ガイドローラ57は、回転自在に支持された外周部を有し、この外周部で被当接部101に転がり接触することにより、回転体100の被当接部101を案内するものである。
ガイド部58は、基部4と一体に形成され、回転体100の被当接部101に滑り接触しながら案内するものである。なお、このガイド部58には、必要に応じて潤滑油やグリースを注油してもよい。
回転体100は、第二実施形態の回転体100と同様の構成であるが、被当接部101の構造および被支持部113の構造が第二実施形態の回転体100と異なる。
被当接部101は、回転中心から一定距離の位置で、振動機構20の当接部23、ガイドローラ57、およびガイド部58が回転中心側から当接されている。被当接部101は、当接部23が当接する方向に対して凹んだ断面円弧凹状とされておらず、平滑な面とされている。
被支持部113は、軸孔461の上側から挿入されて、軸孔461の下側からその先端部分が突出している。この被支持部113の先端部分にCリング119が嵌め込まれることにより、回転体100は、基部4に回転可能に支持される。なお、このCリング119の上下方向の位置を調整することにより、回転体100のあがきを調整できるようになっている。
振動機構20は、第二実施形態における振動体2と、腕部24とを一つずつ備えている。
腕部24は、基部4に回転可能に設けられて振動体2を支持する回転部材242と、振動体2の当接部23を回転体100の被当接部101に付勢する付勢部材(付勢手段)243とを備えている。
回転部材242は、一端側にねじ孔248を有し、ねじ249がねじ孔248を通して基部4の雌ねじ部59に螺合されることにより、基部4に回転可能に支持されている。回転部材242は、他端側で振動体2の補強板21の長さ方向中央を支持している。
付勢部材243は、略L字形状とされて凸部462の外周に沿って配置され、一端側で振動体2の補強板21の長さ方向中央に支持され、他端側で基部4に設けられたピン469に係合されている。
なお、これら回転部材242および付勢部材243は、振動体2の補強板21と一体に形成されている。
以上の腕部24によれば、付勢部材243によって、振動体2の当接部23を、回転部材242のねじ孔248を中心とする時計回りに回転させながら被当接部101に付勢できる。
したがって、本実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(5)および(10)の効果と同様の効果、および第二実施形態の(12)、(15)〜(17)の効果と同様の効果に加え、次のような効果が得られる。
(23) 振動体2を一つとし、さらにガイドローラ57およびガイド部58を一つずつ設けて、これら振動体2、ガイドローラ57、およびガイド部58を回転体100の被当接部101に沿って等間隔おきに配置した。これにより、振動体2、ガイドローラ57、およびガイド部58で回転体100の被当接部101を均等な力で釣り合いよく押圧でき、回転体100の回転軸が偏心するのを防いで、回転型駆動装置1を安定して駆動させることができる。
(24) 軸部46を設けず、かつ振動体2を一つとしたので、回転型駆動装置1を小型化、低コスト化できる。
(25) 回転型駆動装置1を、玩具用モータ、汎用モータ、薄型振動モータとして利用することができる。
〔第七実施形態〕
本発明の第七実施形態について、図19および図20を参照して説明する。
図19は本発明の第七実施形態に係る回転型駆動装置1を示す平面図、図20は図19における断面図である。また、以下の説明では、図20中の上側を回転型駆動装置1における「上側」、下側を「下側」と言う。
なお、この回転型駆動装置1は、例えば電動自転車の駆動部として組み込まれ、回転体100の外周に係合されたベルト103によって電動自転車のタイヤを回転駆動するものである。
回転型駆動装置1は、軸部46を備えていないが、第二実施形態の回転型駆動装置1と同様に、基部4、回転体100、および振動機構20を備えている。
すなわち、基部4は、円盤状の下基部71と、この下基部71の上に取り付けられる上基部72とを含んで構成されている。
下基部71および上基部72は、軸孔461、凸部462を有していないが、第二実施形態の基部4と同様に、開口部463を有している。
下基部71は、回転体100の被当接部101に当接してこの回転体100を案内するガイドとしてのガイド部73と、下基部71上面から上方に突出して形成された上基部受け74とを備えている。ガイド部73は、回転体100の被当接部101を滑り接触しながら案内するものである。
下基部71および上基部72の外周部内側には、挟持部711および721が設けられている。これら下基部71の挟持部711および上基部72の挟持部721で回転体100を挟持することにより、回転体100の回転軸に沿った方向のずれを押さえている。
ガイド部73および上基部受け74の上面には、突起75が形成されており、この突起75が上基部72に形成された孔76に嵌め込まれることにより、ガイド部73および上基部受け74を挟んで、下基部71と上基部72とが連結される。
以上の基部4は、潤滑性のよいポリアセタール、ポリアミド、ポリオレフィン等に、強化材としてφ0.3μm、長さ3〜5μm程度のチタン酸カリウムを混入して、射出成形により製造される。
回転体100は、円環状とされ、基部4の外周部に配置されている。回転体100は、その内周面に被当接部101が形成され、その外周面に歯102が形成された歯付きプーリとされている。
被当接部101は、回転中心から一定距離の位置で、後述する振動機構20の当接部23およびガイド部73が回転中心側から当接されている。これにより、回転体100は、回転軸から所定距離離れた位置で当接部23およびガイド部73によって支持されて、回転軸に交差する方向のずれが防止される。
なお、被当接部101は、当接部23が当接する方向に対して凹んだ断面円弧凹状とされておらず、平滑な面とされている。
回転体100の外周には、ベルト103が掛け回されている。ベルト103は、内周面に歯104を有する歯付きベルトとされ、この歯104が回転体100の歯102に係合されることにより、回転体100の外周部から動力が伝達される。
なお、本実施形態では、回転体100およびベルト103を歯付きプーリおよび歯付ベルトの組み合わせとしたが、これに限らず、VプーリとVベルト、平プーリと平ベルト、およびスプロケットとチェーンの組み合わせとしてもよい。
振動機構20は、振動体2、腕部24とを備えている。
腕部24は、回転部材242と、付勢部材243とを備えている。
付勢部材243は、直線状とされて、一端側で振動体2の補強板21の長さ方向中央に支持され、他端側で基部4のガイド部73に取り付けられたスプリング77の先端に当接している。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態の(1)、(2)、(5)、(7)、(9)および(10)の効果と同様の効果、第二実施形態の(12)、および(17)の効果と同様の効果、第四実施形態の(21)の効果と同様の効果、および第六実施形態の(23)の効果と同様の効果に加え、次のような効果が得られる。
(26) スプリング77を設けて振動体2を回転体100側に付勢しているので、第一実施形態とは構成が異なるものの、第一実施形態の(3)の効果と同様に、当接部23を確実に被当接部101に当接させることができ、回転体100を確実に回転させることができるから、回転型駆動装置1を安定して駆動できる。
また、回転体100が停止している際に、外部から回転体100に回転力が加えられた場合でも、回転体100の被当接部101に当接した当接部23がストッパとして回転体100の回転に抵抗するので、不要な回転を抑えることができる。
(27) 振動体2の当接部23およびガイド部73によって、回転体100を回転軸から所定距離離れた位置で支持した。よって、回転軸上に振動体2を配置することができるので、回転体を回転軸で支持する場合に比べ、回転体100内側のスペースを有効利用できる。よって、回転型駆動装置1をさらに小型化できる。
(28) 回転型駆動装置1を、レコードプレーヤのターンテーブルの駆動装置、車のパワーウインド用モータ等の薄型モータとして利用することができる。
〔第八実施形態〕
本発明の第八実施形態について、図21を参照して説明する。
図21は本発明の第八実施形態に係る回転型駆動装置1を示す断面図である。
回転型駆動装置1は、第七実施形態における回転型駆動装置1を電動スクータの駆動部として応用したものであり、サスペンション等を介してスクータ等のフレームに取り付けられる。この回転型駆動装置1は、基部4および回転体100の構造のみが、第七実施形態と異なる。
基部4は、第七実施形態の基部4と同様の構成であるが、下基部71と上基部72との連結方法が異なる。すなわち、ねじ78が、上基部72の孔76を通して基部4のガイド部73および上基部受け74の上面に螺合されることにより、ガイド部73および上基部受け74を挟んで、下基部71と上基部72とが連結される。
また、下基部71および上基部72には、第七実施形態における挟持部711および挟持部721が設けられておらず、回転体100に沿って溝712,722が形成されている。
回転体100は、円環状のホイール部105と、このホイール部105外周に取り付けられたタイヤ106とを備えている。
ホイール部105には、下基部71の溝712および上基部72の溝722に沿って、溝107,108が形成されている。
以上の溝712と溝107との間、および溝722と溝108との間には、複数のボール713が配置され、スラスト型ベアリングと同様の構造とされている。
したがって、本実施形態によれば、第七実施形態と同様の効果がある。
〔第九実施形態〕
本発明の第九実施形態について、図22を参照して説明する。
図22は本発明の第九実施形態に係る回転型駆動装置1を示す断面図である。また、以下の説明では、図22中の上側を回転型駆動装置1における「上側」、下側を「下側」と言う。
なお、この回転型駆動装置1は、例えば時計に組み込まれ、回転体100の外周に歯車を形成して輪列の一部を構成し、回転運動を伝達して指針を運針させるものである。
回転型駆動装置1は、第二実施形態の回転型駆動装置1と同様に、基部4、軸部46、回転体100、および振動機構20を備えている。
基部4は、円盤状とされ、その中心に上方に突出して形成された雌ねじ部79と、この雌ねじ部79の周囲に上方に突出して形成された支持部472とを備えている。雌ねじ部79は、回転型駆動装置1を他の装置に取り付けるためのものである。
軸部46は、第二実施形態の軸部46と同様の構成であるが、内側のジャーナル465が基部4外周に嵌め込まれて固定されている。
回転体100は、第二実施形態の回転体100と同様に、回転体本体111と、円環部112とを備えている。
回転体本体111は、被支持部113、出力軸114を有していないが、開口部115のほかに、回転中心に挿通孔116を有している。回転体本体111の挿通孔116に軸部46の軸受464が嵌め込まれて固定されることにより、回転体100は、軸部46を介して、基部4に回転可能に支持される。
円環部112は、被当接部101を有しているが、この被当接部101は、回転体本体111の上側に配置されている。
振動機構20は、第三実施形態における振動機構20と同様の構成であるが、回転部材242の構造が異なる。
回転部材242は、第三実施形態の回転部材本体242Aを有しておらず、支持部242Bのみで構成されている。そのため、付勢部材243は、他端で回転部材242の支持部242Bに係止されている。
回転部材242には、その回転中心の同心円に沿って図示しないルーズ穴が形成されており、このルーズ穴を通して、ねじ27が支持部472の上面に螺合されている。
以上の腕部24によれば、付勢部材243によって、振動体2の当接部23を、回転体100の回転軸を中心とする時計回りに回転させながら被当接部101に付勢できる。
したがって、本実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(5)、(6)、(7)および(10)の効果と同様の効果、および第二実施形態の(12)〜(15)および(17)の効果と同様の効果に加え、次のような効果がある。
(29) 回転型駆動装置1を、FDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)、薄型振動モータ、薄型化が必要なダイレクト駆動モータとして利用することができる。
〔第十実施形態〕
本発明の第十実施形態について、図23および図24を参照して説明する。
図23は本発明の第十実施形態に係る回転型駆動装置1を示す平面図、図24は図23における断面図である。また、以下の説明では、図24中の上側を回転型駆動装置1における「上側」、下側を「下側」と言う。
この回転型駆動装置1は、回転体100が回転することで送風する軸流ファンとして利用され、例えばコンピュータに設けられ、コンピュータの内部機器を空冷するために用いられる。
回転型駆動装置1は、第二実施形態の回転型駆動装置1と同様に、基部4、軸部46、回転体100、および振動機構20を備えている。
すなわち、基部4は、軸孔461、凸部462、および開口部463のほか、第六実施形態におけるガイド部58と同様の構成である二つのガイド部58と、回転型駆動装置1を他の装置に取り付けるための固定部109とを備えている。なお、ガイド部58は、第六実施形態のガイド部58と異なり、被当接部101に当接しておらず、回転体100の円環部112に当接している。
二つのガイド部58および後述する振動機構20の振動体2は、回転体100の被当接部101に沿って等間隔おきに配置されている。具体的には、振動体2およびガイド部58は、正三角形の各頂点に相当する位置に配置されている。
回転体100は、第二実施形態の回転体100と同様の構成であるが、回転体本体111の構造が異なる。
回転体本体111は、円盤部122と、この円盤部122外周部から基部4に向かって延びる鍔部123とを備えている。
回転体本体111の円盤部122は、第二実施形態の出力軸114を有していないが、複数の開口部115および被支持部113のほか、開口部115から上方に向かって延びるフィン124を有している。これにより、回転体100は、軸流ファンとされている。
被支持部113は、軸部46のジャーナル465の上側から挿入されて、ジャーナル465の下側からその先端部分が突出している。この被支持部113の先端部分にCリング119が嵌め込まれることにより、回転体100は、基部4に回転可能に支持される。
以上のような回転体本体111では、円盤部122の開口部115、フィン124、および鍔部123は、金属の薄板を深絞りやプレス加工で一体に形成されている。なお、これに限らず、射出成形法によって、被支持部113をも一体に形成してもよい。このようにすれば、回転体100を軽量化、低コスト化できる。
なお、円環部112は、回転体本体111の鍔部123の内周面に沿って設けられている。
振動機構20は、第六実施形態における振動機構20と同様の構成である。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態の(1)、(2)、(5)および(6)の効果と同様の効果、第二実施形態の(12)および(15)〜(17)の効果と同様の効果、および第六実施形態の(23)の効果と同様の効果に加え、次のような効果が得られる。
(30) 回転体100が軸流ファンとされているので、回転体100を回転させることにより、内部の給排気を強制的に行うことができるから、回転型駆動装置1内部を冷却して圧電素子22周囲の温度の急激な上昇を抑制でき、回転型駆動装置1を安定して駆動させることができる。
特に、基部4に開口部463が設けたので、この開口部463を通して容易に給排気でき、回転型駆動装置1をさらに安定して駆動させることができる。
〔第十一実施形態〕
次に、本発明の第十一実施形態について、図25、図26および図27を参照して説明する。図25は、第十一実施形態に係る回転型駆動装置1の平面図、図26には図25のVI−VI断面図、図27には図25のVII−VII断面図である。
これらの図25,図26および図27において回転型駆動装置1は、第一実施形態の回転型駆動装置1に、振動体2の回転体100に対する付勢力を調整する付勢力調整手段8を設けたものである。
なお、この回転型駆動装置1は、例えば玩具の車に組み込まれ、回転体100の外周にゴム製のリングを取り付けてタイヤとして利用される。
付勢力調整手段8は、ばね34の端部を伸縮可能に支持するガイド部81と、ばね34の付勢力を調整する偏心ピン82とを備えている。
ガイド部81は、基部4に固定されており、ばね34の端部が固定された当接ピン332が内周に貫通されることで、当接ピン332が、ばね32の伸縮方向に摺動可能に支持されている。
偏心ピン82は、その回動軸821に対して円柱状部材のつば部822が偏心しており、回動軸821の周囲に形成されたねじが基部4のねじ部444に螺合されることで基部4に回動可能に支持されている。つば部822の側面には、ばね34の当接ピン332の先端が当接されている。また、つば部822の天面にはドライバなどが係合可能な凹状の操作溝823が形成されている。
このように、ばね34の一端が支持体3に当接され、ばね34の他端の当接ピン332がつば部822の側面に当接されることにより、ばね34は支持体3を回転体100に近接する方向に付勢している。したがって、振動体2の当接部23は適当な付勢力で回転体100に押し付けられている。つまり、付勢力調整手段8は、振動体2の回転体100に対する当接力を調整する当接力調整手段としての機能を果たす。
基部4には、第一実施形態と同様の導通基板37が設けられておらず、振動体2の電極22A,22B,22Cおよび補強板21には、それぞれリード線などが接続され、基板4の振動体2とは反対側において図示しない印加装置に接続されている。
回転体100内周に沿って等間隔に配置された複数のボール441は、回転体100の内周に形成された溝125と、基部4の外周に形成された傾斜部分と、基部4に固定された環状の押さえ板443の傾斜部分とで挟まれることによって溝125に収まっている。また、基部4と押さえ板443との間には環状のボール保持部442が介装されている。このボール保持部442は、外周にボール441と同数の略半円形の切欠部分が形成され、この切欠部分にボール441がそれぞれ配置されることで、基部4の外周で所定間隔を保っている。
このような回転型駆動装置1は、次のように動作する。
振動体2の圧電素子22に印加装置により交流電圧を印加して振動体2を振動させる。この時、電極22Aおよび電極22Cのみに電圧を印加することにより、振動体2は縦振動と屈曲振動を組み合わせた略楕円軌道を描いて振動する。当接部23は、楕円軌道の一部で回転体100の被当接部101に押し付けられて、回転体100との摩擦力によって回転体100を円周方向に間欠回転させる。これを所定の周波数で繰り返し行うことにより、回転体100は一方向に所定の回転速度で回転する。
回転体100の回転速度を変更する場合には、付勢力調整手段8を操作する。つまり、例えば回転体100の回転速度を遅くする場合は、偏心ピン82の操作溝823にドライバなどを係合させて偏心ピン82をばね34が長くなる方向へ回動させる。つまり、回動軸821からつば部822の側面までの距離が短くなるように偏心ピン82を回動させると、当接ピン332がこの側面に追従することでばね34が伸びる。これによって、ばね34の支持体3への付勢力が緩和される。この付勢力が支持体3を介して振動体2に伝達され、振動体2の当接部23における回転体100への付勢力が弱くなる。したがって、当接部23が楕円軌道上で回転体100と接触して摩擦力で回転体100を駆動できる範囲が狭くなり、伝達される回転トルクが弱くなるので、その結果回転体100の回転速度が遅くなる。
反対に、回転体100の回転速度を速くする場合には、偏心ピン82を回動させてばね34を縮める方向に調整する。すると、当接部23の回転体100に対する付勢力が強くなり、伝達される回転トルクが強くなるので、回転体100の回転速度が速くなる。
また、回転体100を反対方向に回転させる場合には、圧電素子22に印加する電圧の電極を長手方向に沿った中心線を軸として線対称に切り替える。つまり、圧電素子22の電極22Aおよび電極22Bに所定周波数の電圧を印加すれば、当接部23は反対方向の楕円軌道を描いて振動する。これにより、回転体100を反対方向に駆動する。
したがって、このような第十一実施形態によれば、第一実施形態の(1)〜(6)および(9)〜(11)の効果と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。
(31) 回転型駆動装置1に付勢力調整手段8が設けられているので、振動体2の回転体100に対する付勢力を調整することで回転体100の移動速度を簡単に調整することができる。この時、振動体2が所定周波数で回転体100に連続的に当接されるので、振動体2の振動・停止に伴う不安定な振動状態を除去できる。したがって、振動体2は常に安定して回転体100に接触でき、回転トルク(駆動力)の低下を防止できる。
(32) 付勢力調整手段8がガイド部81と偏心ピン82とを備えて構成されているので、操作溝823をねじって偏心ピン82を回動させるだけで、簡単に付勢力が調整できる。また、つば部822が円柱状に形成されているので、偏心ピン82の回動角度によって付勢力を無段階で調整できる。よって、例えば基部4の偏心ピン82の周囲に目盛をふるなどすれば、常に所望の付勢力を得られる。また、つば部822の側面の形状、つまり本実施形態では円柱状の半径を適宜決定すれば、偏心ピン82の回動角度に対する付勢力の変化の割合を設定できる。これにより付勢力の微調整も簡単に実現できる。
さらに、偏心ピン82を手動で回動させることにより付勢力を手動で調整できるので、付勢力調整手段8の構成を簡単にできる。よって、回転型駆動装置1のメンテナンスが簡単に行え、安価に製造できる。
(33) 振動体2の当接部23が回転体100の内周から当接されているので、振動体2を回転体100の内周に収納することができる。これにより、回転型駆動装置1の小型化を促進できる。
(34) 一つの振動体2に対してばね34および偏心ピン82(つまり付勢力調整手段8)が二つずつ設けられているので、一つのばね34および偏心ピン82にかかる負担を軽減でき、これらの部材の耐久性を向上させることができる。また、これにより一つのばね34に必要なばね力の範囲が小さくなるので、ばね力の変化割合が小さいものを選択することができ、付勢力を簡単に微調整できる。
〔第十二実施形態〕
次に、本発明の第十二実施形態について図28および図29を参照して説明する。図28は第十二実施形態に係る回転型駆動装置1の平面図、図29は図28の側断面図である。これらの図28および図29において、回転型駆動装置1は、第十一実施形態における付勢力調整手段の構成が異なるものである。
なお、この回転型駆動装置1は、例えば回転体にファンを取り付けて、コンピュータの発熱体などの必要部位を冷却する冷却ファンとして利用される。
基部4には、支持体3にほぼ沿って凹部445が形成されている。ばね34の他端はこの凹部445から突出して設けられたばね取付部446に固定されている。ばね34は、予め設定されたばね力で支持体3を回転体100に近接する方向に付勢している。
付勢力調整手段8は、支持体3に固定された磁石83と、基部4に固定されたコイル84とを備えている。支持体3において、振動体2の当接部23に遠い側の端部には基部4から所定間隔を有し、かつ基部4に平行な面を有する磁石取付部322が一体的に形成され、この磁石取付部322の基部4に対向する面には磁石83がはめ込まれている。
コイル84は導線が円筒状に巻かれることで構成され、その中心軸が磁石取付部322の面方向と直交するように、かつ磁石83にほぼ対向する位置に固定されている。この時、磁石83およびコイル84は、振動体2が回転体100に対して近接離間する方向に沿って配置され、かつ磁石83がコイル84よりも当接部23に近い位置に配置されている。コイル84の導線の両端部分は、基部4に穿設された孔447を通って反対側においてコイル84に電流を流す電流発生装置(図示せず)に接続している。
このような回転型駆動装置1において、圧電素子22に繰り返し電圧を印加すると振動体2が振動して回転体100を回転させる。この時、振動体2の当接部23はばね34の付勢力で回転体100に押し付けられている。当接部23の回転体100に対する付勢力を調整する場合には、電流発生装置をONにしてコイル84に電流を流す。すると、コイル84内に磁場が発生し、磁石83が吸引されることにより、支持体3がばね34のばね力に抗して回転体100から離間する方向に移動する。よって当接部23の回転体100に対する付勢力が弱くなり、回転体100の回転速度が遅くなる。
このような第十二実施形態によれば、第一実施形態の(1)〜(6)および(9)〜(11)の効果と同様の効果および第十一実施形態の(31)および(33)の効果と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。
(35) 付勢力調整手段8が磁石83およびコイル84を備えて構成されているので、コイル84に電流を流すことで簡単に付勢力を調整できる。回転体100が回転中にも自動で付勢力を調整することで、回転体100の回転速度を回転中に変更することができる。これにより、回転型駆動装置1の回転速度を柔軟に調整でき、回転型駆動装置1の汎用性を向上させることができる。
さらに、付勢力調整手段8が磁石83およびコイル84を備えて構成されているので、付勢力を調整する際に互いが摺動することがない。よって、摩耗部品を減少でき、回転型駆動装置1の耐久性を向上させることができる。
〔第十三実施形態〕
次に、本発明の第十三実施形態について図30および図31を参照して説明する。図30は第十三実施形態に係る回転型駆動装置1の平面図、図31は図30の側断面図である。第十三実施形態は、第七実施形態における回転型駆動装置1に付勢力調整手段8が設けられたものである。
なお、この回転型駆動装置1は、例えば第七実施形態と同様に、電動自転車の駆動部として利用される。
これらの図30および図31において、振動体2は、表裏両面の圧電素子22に第一実施形態と同様の五つの電極が形成されている。腕部24の一方の回転部材242は、基部4にねじ249で固定されており、他方の付勢部材243には、スプリング77の一端が固定されている。スプリング77の他端には当接ピン332が固定され、この当接ピン332の先端が偏心ピン82のつば部822側面に当接されている。偏心ピン82の回動軸821は、一端が基部4に回転可能に支持され、他端は上基部72に設けられた孔76を貫通して端部が上基部72の外部に露出している。回動軸821の端部には凹状の操作溝823が形成され、上基部72外部から操作可能となっている。ここで、孔76と回動軸821との嵌合は、偏心ピン82がスプリング77のばね力や回転型駆動装置1の振動などによって回動しないような十分な摩擦力が確保されるように設定されている。あるいは、孔76および回動軸821にねじを形成して、螺合によって係合していてもよい。
また、基部4には第七実施形態とは異なり、開口部115,463は設けられていない。
このような回転型駆動装置1においては、振動体2に繰り返し電圧を印加すると回転体100がガイド部73に接触して摺動しながら回転する。回転体100の回転に伴ってベルト103の歯104が歯102に噛合して、ベルト103が移動する。回転体100の回転速度、つまりベルト103の移動速度を変更する時は、上基部72の外部から操作溝823にドライバなどを係合させて偏心ピン82を回動させる。するとスプリング77の付勢力が変化し、振動体2はねじ249を中心に回動することで回転体100に近接あるいは離間する方向に移動する。これにより振動体2の回転体100に対する付勢力が変化して、回転体100の回転速度が変化する。
このような第十三実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(5)、(7)、(9)、(10)および(11)の効果と同様の効果、第二実施形態の(17)の効果と同様の効果、第七実施形態の(26)〜(28)の効果と同様の効果、および第十一実施形態の(31)〜(34)の効果と同様の効果が得られる。
〔第十四実施形態〕
次に、本発明の第十四実施形態について図32および図33を参照して説明する。図32は第十四実施形態に係る車(装置)11の全体図、図33は車11の構成ブロック図である。第十四実施形態は、本発明の回転型駆動装置1を車の玩具に適用したものである。
図32において、車11は、車体12に前輪11A,11Bと、後輪11C,11Dとが設けられている。前輪11A,11Bは、それぞれ第十二実施形態の回転型駆動装置1A,1Bを備えて構成され、基部4A,4Bの中心に形成された軸40A,40Bによって車体12に固定されている。回転体100A,100Bの外周に形成された溝には環状のゴム130A,130Bが嵌めこまれ、これによって、接地面との摩擦力を高めてタイヤの役割を果たす。一方、後輪11C,11Dは、円盤状部材の外周にゴム130C,130Dが嵌めこまれ、車体12に回転可能に支持されている。
前輪11A,11Bそれぞれの振動体2の電極に接続されたリード線は、軸40A,40Bの中心に形成された孔(図示せず)を貫通して、図33に示されるように車体12に取り付けられた共通の印加装置60に接続されている。また、コイル84A,84B(図28参照)は、軸40A,40Bを貫通して、車体12の電流発生装置65A,65Bにそれぞれ接続している。これらの印加装置60および電流発生装置65A,65Bには、車11の動作を制御する制御手段66が電気的に接続されている。
このような車11では、 制御手段66からの走行信号によって印加装置60が振動体2A,2Bに同時に電圧を印加する。振動体2A,2Bは車11の前進方向に回転体100A,100Bを同じ回転速度で駆動し、これにより車11は前進する。制御手段66から低速走行の信号が送信されると、電流発生装置65A,65Bがこの信号を受信してONになり、それぞれのコイル84A,84Bに電流を流す。これにより、振動体2A,2Bの回転体100A,100Bに対する付勢力が調整され、走行速度が遅くなる。
制御手段66から右折の信号が送信されると、電流発生装置65AはOFF、電流発生装置65BはONとなる。すなわち、前輪11Bの付勢力のみが調整され、右の前輪11Bの回転速度が左の前輪11Aの回転速度よりも遅くなる。よって、車11は右に旋回する。逆に、左折する場合には、電流発生装置65AがON、電流発生装置65BがOFFされることによって、左の前輪11Aの回転速度が遅くなり、車11が左に旋回する。
また、制御手段66からの後進信号によって、印加装置60は電圧を印加する振動体2A,2の電極を変更し、振動体2A,2Bを逆方向に振動させる。これにより、回転体100A,100Bは逆回転し、車11が後進する。後進する場合にも、制御手段66からの信号によって、低速後進、右折および左折が調整できる。
このような第十四実施形態によれば、第十二実施形態の回転型駆動装置1を用いているので、第十二実施形態の効果と同様の効果が得られる。また、回転型駆動装置1が圧電素子を備えた振動体2を備えて構成されているので、回転型駆動装置1全体を薄く構成でき、車11の車輪などの小さい部分にも取り付けることができる。また、車体12に、印加装置60や電流発生装置65の動作を制御する制御手段66を設けて振動体2に電圧を印加するタイミング、コイル84に流す電流値などを制御しているので、車11の走行が自動でできる。あるいは、リモートコントローラなどによって制御手段に無線で指令を送信すれば、遠隔操作をすることも可能となる。
〔第十五実施形態〕
次に、本発明の第十五実施形態を図34および図35を参照して説明する。第十五実施形態は、本発明の回転型駆動装置1を玩具などの遊戯用ロボットに適用したもので、図34は第十五実施形態に係るロボット(装置)13の全体斜視図、図35はロボット13の構成ブロック図である。
これらの図34および図35において、ロボット13は、動力源である電源131と、電源131の電力で駆動する回転型駆動装置1と、この回転型駆動装置1を駆動する駆動回路132Aが実装された駆動回路基板132と、アンテナ133Aおよび無線通信回路133Bを有する無線通信回路基板133と、駆動回路132Aおよび無線通信回路133Bの動作を制御する制御回路134Aが実装された制御回路基板134とを備え、これらの構成部品はフレーム135に固定されて外装ケース136に収納されている。
フレーム135は、プラスチックなどの絶縁材で構成されて金型射出成形などによって形成されており、その内外に配置された前述の構成部品はこのフレーム135によって互いに適宜絶縁されている。
ここで、ロボット13は、回転型駆動装置1によって図34中の左方向に前進可能に構成されており、従って、本実施形態では図34中の左方向(ロボット13の前進方向)に対応する面を前面、図34中の右方向(ロボット13の後進方向)に対応する面を後面という。また、図34中の上側に対応する面を上面、下側に対応する面を下面という。
電源131は、一次電池を採用でき、フレーム135の内部略中央に複数(二つ)配置され、フレーム135の開口端から出し入れ自在となっている。電源131の両側にはプラスの電源端子131Aとマイナスの電源端子131Bとが設けられて電源131に接触することにより、電源131から電力が取り出されている。
回転型駆動装置1は、フレーム135の両側に二つ設けられ、第一実施形態の回転型駆動装置1と同様の構成を備えている。回転体100の外周には、シリコーンゴムなどで構成された滑り止め部材140が取り付けられ、タイヤの役割を果たしている。また、これらの回転型駆動装置1は、基部4の位置決め孔401で回転体100の回転中心が位置決めされ、取付孔45でフレーム135にねじ止めされており、この時、固定と同時に、基部4において振動体2が設けられた側とは反対側の導通基板37(図3)が駆動回路基板132の端部と圧接されることにより振動体2と駆動回路基板132の駆動回路132Aとが導通されている。
駆動回路基板132は、二つの回転型駆動装置1の振動体2に対してそれぞれ一つずつ設けられている。これらの駆動回路基板132は、ポリイミド樹脂などのフレキシブル基板で構成され、その両面には振動体2を駆動するための電子回路による駆動回路132Aが形成されている。これらの駆動回路基板132のうち、一方の駆動回路基板132はフレーム135の側面に、他方の駆動回路基板132はフレーム135の上面に固定され、小型化を図るため、フレーム135の周囲に折り畳まれて配置されている。駆動回路基板132の端部は、それぞれ取付ねじ132Bで電源端子131A,131Bに取り付けられることにより、電源131に導通、接続されて、電源131から電力が供給されている。
また、駆動回路基板132の一方には、ロボット13の前面に対応する面に発光ダイオード132Cが二つ設けられている。さらに、駆動回路基板132の一方には、上面に対応する面にアンテナ133Aが取り付けられる端子が複数(本実施形態では二つ)設けられ、これらの端子にアンテナ133Aがハンダ付けなどによって複数(本実施形態では二本)取り付けられている。これらのアンテナ133Aは、外装ケース136から突出して配置されており、これらアンテナ133Aの本数や、寸法、設置角度、設置間隔などは、外部との信号の送受信が良好に行われるように適宜設定されている。
無線通信回路基板133は、ガラスエポキシ基板上の両面に電子部品が実装されて無線通信回路133Bを形成している。無線通信回路133Bは、Bluetooth の規格に沿った特性を出せるように構成されており、主に無線信号の送受信、信号の変調や復調を行うように構成されている。無線通信回路133Bは、図示しない同軸ケーブルにより二本のアンテナ133Aに接続されている。また、無線通信回路133Bは、フレキシブル基板などにより制御回路基板134に接続、導通されている。
制御回路基板134は、ガラスエポキシ基板上の両面に電子部品が実装されて制御回路134Aを構成しており、フレーム135においてロボット13の後面に対応する面に配置されている。制御回路基板134は、駆動回路基板132とねじ止めなどで固定され、互いに導通、接続されている。これにより、電源131からの電力は、駆動回路132A、制御回路134A、および無線通信回路133Bに供給される。
制御回路134Aは、無線通信回路133Bを制御する無線通信制御部134Bと、駆動回路132Aを制御する駆動制御部134Cとを備えている。
無線通信制御部134Bは、無線通信回路133Bからの信号に対して、Bluetooth の規格に沿った制御を行うように構成されている。すなわち、信号周波数の決定、信号送受信タイミングの決定、データの変換、パケットデータの生成、パケットデータからのデータの抽出などを行う。
駆動制御部134Cは、無線通信制御部134Bにより抽出された信号を基に、振動体2を駆動する駆動指令信号や、発光ダイオード132Cを点滅させる点滅指令信号を駆動回路132Aに発信する。また、駆動制御部134Cは、図示しない補助記憶装置を備え、この補助記憶装置には振動体2を駆動するための発振条件(駆動条件)のデータが保存されている。
制御回路134Aは、これらの無線通信制御部134Bおよび駆動制御部134Cの他に、電源131の電圧などを監視し、その電圧情報を無線通信回路133Bを通じて外部に無線通信可能に構成されている。
外装ケース136は、ブラスチックなど、任意の材料で構成され、金型射出成形により小さな昆虫のような形状や、その他キャラクタなどの任意の形状に形成されている。外装ケース136の外面には、金属光沢のある塗装が施されており、上面に形成された耳部材136Aや、前面に形成された眼部材136Bなどによって、生き物のような外観に形成されている。眼部材136Bは、半透明あるいは透明のプラスチック製で、内部の発光ダイオード132Cの光が外部から視認可能となっている。また、外装ケース136は、ねじなどによってフレーム135に固定されている。
このようなロボット13では、無線通信回路133Bがアンテナ133Aを介して外部からの無線信号を受信すると、無線通信制御部134Bでは、この無線信号から必要なデータの抽出を行う。そして、そのデータに従って、駆動制御部134Cは回転型駆動装置1の振動体2を制御する。この時、補助記憶装置からの発振条件のデータを用いて駆動信号を発信し、これによって振動体2は適切な条件で振動して回転体100を駆動する。ここで、例えば、二つの回転体100がともに前進方向に回転する場合には、ロボット13は前進する。また駆動制御部134Cによって振動体2に印加する電極を変更して、回転体100を二つとも反対方向に回転させると、ロボット13は後進する。さらに、一方の回転体100のみを駆動して、他方を停止させるとロボット13は、他方の回転体100の接地面を中心に旋回する。これにより、右折や左折が可能となる。そして、一方の回転体100を前進方向に、他方の回転体100を後進方向に回転させれば、ロボット13はその場旋回をする。
また、駆動制御部134Cによって発光ダイオード132Cを点滅させると、外装ケース136の眼部材136Bから発光ダイオード132Cの光が確認できるので、ロボット13の表情などが表現できる。このような発光ダイオード132Cの点滅や、ロボット13の移動動作などを組み合わせることによって、ロボット13が外部とコミュニケーションをとっているような動作を作ることができる。
さらに、無線通信回路133Bによってロボット13と信号の送受信を行うことができるので、ロボット13を遠隔操作できる。また、制御回路134Aが電源131の電圧を監視し、電源131の残量が少なくなった場合には無線通信によって外部へ電池交換を促す信号を送ったり、電源131の残量を定期的に知らせたりできる。
このような第十五実施形態によれば、第一実施形態の回転型駆動装置1を用いているので、第一実施形態の効果と同様の効果が得られる。また、回転型駆動装置1がロボット13の移動手段として適用されているので、ロボット13の小型化を促進できる。また、回転型駆動装置1を二つ用いることにより、右折、左折、その場旋回などの動きを実現でき、ロボット13の動作性能を高めることができる。そして、無線通信回路133Bによってロボット13の動作を遠隔から操作、監視することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、回転型駆動装置の構造、材質、形状は、前記各実施形態に限定されるものではない。例えば、前記各実施形態では、付勢手段を設けたが、これに限らず、他の形状や材質としてもよいし、また、付勢手段を設けなくてもよい。
また、基部4および回転体に開口部を設けたが、開口部の位置、形状はこれらに限定されるものではなく、また、開口部を設けなくてもよい。
また、振動体、ガイドローラ、およびガイド部は、回転体の被当接部に沿って等間隔おきに配置したが、これに限らず、回転体を円滑に回転させることができる構造であれば、その間隔は適宜決められてよい。また、振動体、ガイドローラ、およびガイド部の個数も適宜決められてよい。例えば、駆動力を向上させるため、振動体を複数重ねて配置してもよい。
当接部を断面円弧凸状とし、被当接部を断面円弧凹状としたが、これに限らず、当接部を断面円弧凸状とし、被当接部を平滑な面としてもよい。また、当接部を断面円弧凹状とし、被当接部を断面円弧凸状としてもよい。
また、前記各実施形態では、振動体の当接部を楕円軌道に近似した軌道Rを描いて運動させたが、これに限らず、例えば縦振動のみ、屈曲振動のみとしてもよい。
また、一つの駆動信号で各振動体を駆動させる場合に限らず、各振動体を別個に駆動させてもよい。
また、振動体の補強板、圧電素子の形状は、前記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、当接部と補強板とを別部材にしてもよい。
また、圧電素子の電極の形状や駆動電極と振動検出電極の分極の仕方は、前記各実施形態に限定されるものではない。
また、基部および回転体の材質は、樹脂、金属等、絶縁性、強度、加工性、コスト、潤滑性等を考慮して適宜決められてよい。
第十一実施形態では操作溝823にドライバなどを係合させて偏心ピン82を手動で回動させていたが、これに限らず自動で調整されるように構成してもよい。この場合には、例えば図36に示されるように、付勢力調整手段8を駆動する駆動手段85を組み込めばよい。
図36は、回転型駆動装置1の付勢力調整手段8の変形例を示す図であり、図36(A)は回転型駆動装置1の平面図、図36(B)は図36(A)のB−B断面図である。これらの図36(A)および図36(B)において、駆動手段85は、二つの偏心ピン82の回動軸821に基部4を挟んで反対側においてそれぞれ固定される歯車851と、この歯車851に噛合する歯車852と、歯車852の回転軸に固定されるステッピングモータなどのモータ853とを備えている。モータ853を所定角度回転させると、回転軸に固定された歯車852がともに回転し、この回転力が歯車851に伝達され、偏心ピン82を所定角度回動させる。これにより、当接部23の回転体100に対する付勢力を自動で調整できる。このような駆動手段85を備えた回転型駆動装置1では、二つの偏心ピン82を一つのモータ853で同時に同角度回動させることができるので、支持体3の両側におけるばね34の付勢力を同じにすることができ、左右の付勢力のバランスを常に良好に保てる。
このように、各実施形態において付勢力調整手段8は手動で調整できるものあるいは自動で調整できるもののどちらでもよい。
振動体2は、各実施形態において環状の回転体100に対して内側から当接されていたが、これに限らず例えば外側から回転体100を駆動してもよい。つまり、例えば図37に示されるような液体供給装置14のように、振動体2は回転体であるロータ100Bに外側から当接されていてもよい。
図37は、本発明の回転型駆動装置の変形例を示す図である。この図37において、液体供給装置14は、内部に液体が流通するチューブ141と、チューブ141の上を転動して内部の液体を順次送液するボール142と、ボール142をチューブ141側に押圧しながら転動させるロータ100Bとを備えている。ロータ100Bの外周側面には振動体2の当接部23が当接されている。当接部23は、振動体2の対角線上両端に形成されている。また、振動体2は長さ方向略中央を腕部24によって両側から支持されている。腕部24はねじ26によって基部4に固定されている。腕部24には略U字形の付勢部材(付勢手段)243が一体的に形成されており、この付勢部材243の端部にはねじ86の先端が側面から略直角に当接されている。ねじ86は基部4に螺合され、先端が付勢部材243側に進退可能に支持されている。
振動体2が振動してロータ100Bを回転させるとロータ100Bの押圧力によってボール142がチューブ141を押しつぶしながら転動する。二つのボール142の間に挟まれたチューブ141内部の液体は順次送液されてチューブ141の開口端から吐出される。当接部23のロータ100Bに対する当接力の調整は、ねじ86を回転させて先端を進退させることによって付勢部材243の付勢力を変更する。これによって振動体2がねじ26を中心に回動してロータ100Bへの当接力が変更される。
このようにロータ100Bを外側から駆動すると、ロータ100Bと振動体2とを平面的に配置することができ、液体供給装置14の薄型化が促進できる。また、ロータ100Bを外側から駆動しても各実施形態と同様に駆動力を低下させることなく回転速度を変更できるので、振動体2と回転体との位置関係は任意に設定できる。
一つの付勢力調整手段8に対して一つの振動体2が設けられているものに限らず例えば図38に示されるように、一つの付勢力調整手段8で複数の振動体2の付勢力を同時に調整してもよい。
図38は、本発明の回転型駆動装置の変形例を示す図である。この図38において、振動体2は三つ設けられて基部4にそれぞれ固定されており、それぞれの当接部23が回転体100に対して所定の角度を有して当接されている。腕部24は、振動体2を長さ方向略中央で片側から支持し、ねじ26によって基部4に回転可能に固定されている。腕部24には、円弧状の付勢部材(付勢手段)243が一体的に形成され、その一端が略三角形状の偏心ピン87の側面に当接されている。偏心ピン87は、その回転軸が基部4に螺合などによって回動可能に支持されて、付勢力調整手段8を構成している。
このような回転型駆動装置1においては、三つの振動体2に同時に電圧が印加されて回転体100を駆動する。当接部23の回転体100に対する付勢力を調整する場合には、偏心ピン87を回動させて、付勢部材243の付勢力を変更する。これにより、振動体2はねじ26を中心に回動し、回転体100に対する付勢力が変更される。このような構成の回転型駆動装置1では、一つの回転体100に対し複数の振動体2が設けられているので、各振動体2の駆動力が軽減でき、振動体2の耐久性を向上させることができる。
また、この場合には、一つの付勢力調整手段8で複数の振動体2の付勢力を簡単に調整でき、また各振動体2の付勢力が均一になるので、良好な動力伝達効率で回転体100を駆動することができる。
偏心ピン82の形状は、各実施形態においては円形であったが、これに限らず前述のような略三角形状や変形形状など、用途や付勢力調整範囲などを勘案して任意の形状を採用してよい。
また、コイル84の断面形状は、円形に限らずコイル84の断面形状や巻き数、断面積などは支持体3および振動体2の重量や、振動体2の回転体100に対する付勢力調整範囲などを勘案して適宜決定されている。また、コイル84に鉄心などを挿入してもよい。
ばね34,77は、各実施形態では支持体3において、当接部23が配置されている側とは反対側の端部に固定されていたが、このような構成に限らない。例えば、ばね34,77は支持体3において当接部23が配置されている側の端部に取り付けられ、ばね34,77の引っ張り力によって当接部23を回転体100に押し付けるように構成されていてもよい。また、ばね34は、支持体3の両側に二つ設けられていたが、これに限らず略中央に一つ設けられて、支持体3を回転体100側へ付勢するものであってもよい。
磁石83およびコイル84を用いた付勢力調整手段8においては、コイル84が磁石83よりも当接部23に近い位置に配置されていてもよい。この場合には、コイル84に電流を流して磁石83を引きつけ、これによって当接部23を回転体100に押し付けて調整する。また、磁石83は支持体3に固定され、コイル84は基部4に固定されていたが、これに限らず支持体3にコイル84が取り付けられ、基部4に磁石83が取り付けられていてもよい。さらに、磁石83およびコイル84は、複数個設けられていてもよい。
付勢力調整手段8の構成は、ばね34および偏心ピン82によるものであったり、また磁石83およびコイル84によるものであったが、これらに限らない。例えば、第十一実施形態の支持体3の位置を、ばね34を介さずに直接調整するように構成されていてもよい。要するに、振動体2の回転体100に対する付勢力を調整できる構造であれば任意である。
また、付勢力調整手段8は無段階に調整可能なものに限らず、例えば第十一実施形態のばね34の当接ピン332を基部4に形成した係止部分に当接させ、当接ピン332と係止部分との間に所定厚さのブロックを介装してばね34を伸縮させてばね力を調整してもよい。この構成によれば、ブロックの厚さや、枚数を調整することによってばね34のばね力、つまり当接部23の回転体100に対する付勢力を多段階に調整できる。
あるいは反対に、第十二実施形態および第十四実施形態においては電流発生装置をON,OFFさせることによって、二段階で当接力を調整していたが、これに限らない。つまり、例えばコイル84に流す電流値を無段階に調整することによって、当接部23の回転体100に対する付勢力を任意に調整してよい。
回転体100は、各実施形態では回転運動するものであったが、これに限らず例えば直線運動するものでもよい。つまり、例えば棒状部材の側面に直接振動体の当接部を当接して、振動体を振動させることによって棒状部材を長さ方向に移動させる構造であってもよい。この場合でも、各実施形態と同様に駆動力を低下させることなく速度を変更できる。要するに、被駆動体の形状は限定されない。あるいは、回転体100の外周に歯形状の凹凸を形成し、この凹凸に係合する棒状部材を設ければ、回転体100からの回転運動を直線運動に変換して取り出すことができる。
また、回転体の駆動方法は、各実施形態では振動体を楕円軌道に沿って振動させ、その軌道の一部において回転体と接触することで、摩擦力によって回転体を移動させていたが、これに限らない。例えば振動体と回転体とを常に接触させ、振動体に印加する電圧を調整して、振動体が伸びる時には速く、そして戻る時にはゆっくりと変形させる。振動体が伸びる時には回転体を振動体に対して滑らせ、その後振動体が戻るときに摩擦力で回転体を振動体に追従させて間欠移動させてもよい。要するに回転体の駆動方法は、振動体と回転体との振動によって駆動されるものであれば、任意である。
本発明の回転型駆動装置は、第十四実施形態では玩具の車11に、第十五実施形態ではロボット13に適用されていたが、これに限らず例えば前述の液体供給装置14等の様々な装置に組み込むことができる。このような場合でも、前述の各実施形態における効果と同様の効果が得られ、所定の駆動トルクを取り出しつつ、回転型駆動装置を小型化できる。また、駆動力を低下させることなく回転体の速度を変更することができる。
本発明のその他の態様を以下に示す。
第1の態様は、圧電素子を備えた振動体を被駆動体に当接して、前記振動体の振動によって被駆動体を駆動する駆動機構において、前記振動体の前記被駆動体に対する付勢力を調整する付勢力調整手段を備えていることを特徴とする駆動機構である。
第2の態様は、前記第1の態様に記載の駆動機構において、前記振動体は、その先端が略楕円軌道を描くとともに、この楕円軌道の一部において前記被駆動体に当接され、前記振動体および前記被駆動体の摩擦力によって前記被駆動体を駆動することを特徴とする駆動機構である。
第3の態様は、前記第1の態様または前記第2の態様に記載の駆動機構において、前記付勢力調整手段は、前記付勢力が手動で調整可能に設けられていることを特徴とする駆動機構である。
第4の態様は、前記第1の態様または前記第2の態様に記載の駆動機構において、前記付勢力調整手段は、前記付勢力が自動で調整可能に設けられていることを特徴とする駆動機構である。
第5の態様は、前記第1の態様から前記第4の態様のいずれかに記載の駆動機構において、前記被駆動体は回転体であり、前記振動体は前記被駆動体の内周側から当接されていることを特徴とする駆動機構である。
第6の態様は、前記第1の態様から前記第4の態様のいずれかに記載の駆動機構において、前記被駆体は回転体であり、前記振動体は前記被駆動体の外周側から当接されていることを特徴とする駆動機構である。
第7の態様は、前記第1の態様から前記第6の態様のいずれかに記載の駆動機構において、前記付勢力調整手段は、前記振動体の前記被駆動体に対する当接力を無段階に調整可能に設けられていることを特徴とする駆動機構である。
第8の態様は、前記第1の態様から前記第7の態様のいずれかに記載の駆動機構において、前記付勢力調整手段は、前記振動体を支持する支持部材と、この支持部材を被駆動体に対して近接離間可能に支持する固定体と、一端が前記支持部材に固定されて前記支持部材を付勢するばねと、前記固定体に設けられ前記ばねの付勢力を調整する偏心ピンとを備えていることを特徴とする駆動機構である。
第9の態様は、前記第1の態様から前記第7の態様のいずれかに記載の駆動機構において、前記付勢力調整手段は、前記振動体を支持する支持部材と、この支持部材を前記被駆動体に対して近接離間可能に支持する固定体と、磁力によって互いに吸引反発する磁石およびコイルとを備え、前記磁石および前記コイルのいずれか一方が前記支持部材に固定されるとともに、前記磁石および前記コイルのいずれか他方は前記固定体に固定されていることを特徴とする駆動機構である。
第10の態様は、前記第1の態様から前記第9の態様のいずれかに記載の駆動機構において、前記付勢力調整手段は、前記振動体に対して複数設けられていることを特徴とする駆動機構である。
第11の態様は、前記第1の態様から前記第10の態様のいずれかに記載の駆動機構において、前記振動体は、前記被駆動体に対して複数設けられていることを特徴とする駆動機構である。
第12の態様は、前記第1の態様から前記第11の態様のいずれかに記載の駆動機構において、前記振動体は、前記付勢力調整手段に対して複数設けられていることを特徴とする駆動機構である。
第13の態様は、前記第1の態様から前記第12の態様のいずれかに記載の駆動機構を備えた装置である。
前記第1の態様によれば、付勢力調整手段によって振動体の被駆動体に対する付勢力が調整されることにより、振動体の被駆動体に対する駆動力が変更され、被駆動体の移動速度が変更される。振動体の被駆動体に対する付勢力を調整することで駆動力を変更するので、振動体を断続的に振動させる必要がなく、振動体の振動状態が安定し、駆動力の低下が防止される。
前記第1の態様によれば、振動体が楕円軌道の一部で被駆動体と接触して、振動体の軌道の方向に被駆動体を移動させる。振動体が楕円軌道を描くので、振動体の先端が被駆動体の移動方向と反対方向に移動する際には被駆動体との接触力が小さくなり、駆動力の低下がより一層防止される。またこれにより、振動体の先端および被駆動体の摩耗が軽減され駆動機構の耐久性が向上する。特に、被駆動体が回転体の場合では、被駆動体の慣性力を妨げる方向の力が軽減されるので有用である。
前記第3の態様によれば、付勢力が手動で調整されるので、付勢力調整手段の構成が簡単になる。よって、駆動機構のメンテナンスが容易になり、製造コストが安価になる。
前記第4の態様によれば、付勢力の調整が自動で行われるので、被駆動体の移動中にも振動体の被駆動体に対する当接力が動的に調整可能となり、移動速度の柔軟な調整が可能となる。
前記第5の態様によれば、被駆動体が回転体なので、移動時、つまり回転時には被駆動体は慣性力によって回転を維持しようとする。この時にも振動体は連続で振動するので、従来とは異なり振動体が停止状態で被駆動体に接触して、被駆動体の回転トルクを減少させることがない。また、振動体が回転体の被駆動体の内周側から当接されるので、振動体が被駆動体の回転半径内に収納され、駆動機構の小型化が促進される。
前記第6の態様によれば、被駆動体が回転体なので、移動時、つまり回転時には被駆動体は慣性力によって回転を維持しようとする。この時にも振動体は連続で振動するので、従来とは異なり振動体が停止状態で被駆動体に接触して、被駆動体の回転トルクを減少させることがない。また、振動体が被駆動体の外周側から当接されるので、被駆動体および振動体を平面的に配置することが可能となり、駆動機構の薄型化が促進される。
前記第7の態様によれば、付勢力が無段階に調整可能に構成されているので、被駆動体の移動速度が無段階に設定可能となり、移動速度の微調整も簡単になる。
前記第8の態様によれば、偏心ピンを回動させるとばねの長さが変更される。すると、ばね力が変更され、ばねの一端に固定された支持部材が被駆動体側に近接離間方向に移動することで振動体が被駆動体側に近接あるいは離間する。これにより、振動体の被駆動体に対する付勢力が調整される。偏心ピンを回動させるだけで付勢力が調整されるので、操作が簡単となる。また、偏心ピンの回動角度が振動体の被駆動体に対する付勢力に対応するので、付勢力の管理・調整が簡単となる。
前記第9の態様によれば、コイルに電流を流すとコイル内に磁場が発生し、電流の向きによって磁石が吸引されるあるいは反発する。この時、磁石およびコイルのいずれか一方が支持部材に固定され、他方が固定体に固定されているので、支持部材が振動体とともに被駆動体に対して近接離間方向に移動する。これによって振動体の被駆動体に対する付勢力が調整される。コイルに電流を流すだけで付勢力が調整可能なので、付勢力調整手段が簡単な構造となる。また、付勢力が電流値によって調整されるので、付勢力の管理・調整が簡単となる。
前記第10の態様によれば、複数の付勢力調整手段で振動体の付勢力を調整するので、一つの付勢力調整手段にかかる負荷が軽減される。これにより、付勢力調整手段の耐久性が向上する。また、一つの付勢力調整手段の付勢力の変化割合を小さく設定することが可能となるので、付勢力の微調整が容易となる。
前記第11の態様によれば、被駆動体に対して振動体が複数設けられているので、一つの振動体が要する駆動力が小さくなる。よって、振動体の被駆動体に対する接触部分の摩耗が軽減され、駆動機構の耐久性が向上する。
前記第12の態様によれば、一つの付勢力調整手段で複数の振動体が調整可能となるので、部品点数が減少し、駆動機構の製造コストが安価になる。また、複数の振動体間での被駆動体に対する付勢力が均一となり、被駆動体への動力伝達効率が良好となる。
前記第13の態様によれば、前記第1の態様から前記第12の態様のいずれかに記載の駆動機構を用いて種々の装置を構成しているので、前述のような効果が得られ、被駆動体の駆動力の低下が防止され、被駆動体の移動速度が簡単に調整される。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第一実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 前記実施形態に係る振動体の拡大斜視図。 図1のIII−III断面図。 前記実施形態に係る回転型駆動装置を示す底面図。 図1のV−V断面図。 前記実施形態に係る振動体の動作を示す図。 前記実施形態に係る振動体の振動特性を示す図。 本発明の第二実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 前記実施形態に係る回転型駆動装置の断面図。 前記実施形態に係る振動体の拡大斜視図。 前記実施形態に係る振動体の拡大平面図。 本発明の第三実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 前記実施形態に係る回転型駆動装置の断面図。 本発明の第四実施形態に係る回転型駆動装置を示す断面図。 本発明の第五実施形態に係る回転型駆動装置を示す断面図。 前記実施形態に係る振動体の拡大側面図。 本発明の第六実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 前記実施形態に係る回転型駆動装置の断面図。 本発明の第七実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 前記実施形態に係る回転型駆動装置の断面図。 本発明の第八実施形態に係る回転型駆動装置を示す断面図。 本発明の第九実施形態に係る回転型駆動装置を示す断面図。 本発明の第十実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 前記実施形態に係る回転型駆動装置の断面図。 本発明の第十一実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 図25のVI−VI断面図。 図25のVII−VII断面図。 本発明の第十二実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 前記実施形態に係る回転型駆動装置を示す側断面図。 本発明の第十三実施形態に係る回転型駆動装置を示す平面図。 前記実施形態に係る回転型駆動装置を示す側断面図。 本発明の第十四実施形態に係る車を示す平面図。 前記実施形態に係る車の構成ブロック図。 本発明の第十五実施形態に係るロボットを示す斜視図。 前記実施形態に係るロボットの構成ブロック図。 本発明の回転型駆動装置の変形例を示す図。 本発明の回転型駆動装置の適用例を示す図。 本発明の回転型駆動装置の別の変形例を示す図。
符号の説明
1…回転型駆動装置1、2…振動体、3…支持体、4…基部、8…付勢力調整手段、11…車(装置)、13…ロボット(装置)、14…液体供給装置(装置)、20…振動機構、21…補強板、22…圧電素子、23…当接部、24…腕部、243…付勢部材(付勢手段)、34…ばね(付勢手段)、35…導通ピン、37…導通基板、381…導通端子、57…ガイドローラ(ガイド)、58…ガイド部(ガイド)、60…印加装置、77…スプリング(付勢手段)、82…偏心ピン、83…磁石、84…コイル、100…回転体、100A…太陽歯車(回転体)、100B…ロータ(回転体)、101…被当接部、115,117,463…開口部。

Claims (4)

  1. 圧電素子および当接部を有する振動体を備え、前記圧電素子に電圧を印加して前記振動体を振動させることにより、前記当接部を被駆動体に当接させて被駆動体を駆動させる駆動装置において、
    前記圧電素子の表面には、
    圧電素子の幅方向略中央に形成された第1の電極と、
    この第1の電極の両側に形成され、かつ、圧電素子の長手方向に略二等分されて2つずつ形成された電極のうち、圧電素子の長手方向に沿った中心軸を挟んで対角線上に配置された一対の電極で構成された第2の電極と、
    この第2の電極に対して、圧電素子の長手方向に沿った中心軸を軸として線対称に配置された一対の電極で構成された第3の電極とが設けられ、
    前記圧電素子の第1および第2の電極に電圧を印加して前記当接部を所定の一方向に略楕円軌道を描いて振動させる状態と、前記圧電素子の第1および第3の電極に電圧を印加して前記当接部を反対方向に略楕円軌道を描いて振動させる状態とを切り替えることで、被駆動体の駆動方向を選択可能に構成されていることを特徴とする駆動装置。
  2. 基部と、この基部に設けられ圧電素子を有する振動体と、前記基部に回転可能に設けられた回転体とを備え、前記振動体は、当接部を有し、前記回転体は、回転中心から一定距離の位置で前記当接部が当接される被当接部を有し、前記圧電素子に電圧を印加して前記振動体を振動させることにより、前記当接部で前記被当接部を繰り返し押圧して前記回転体を回転させる駆動装置において、
    前記圧電素子の表面には、
    圧電素子の幅方向略中央に形成された第1の電極と、
    この第1の電極の両側に形成され、かつ、圧電素子の長手方向に略二等分されて2つずつ形成された電極のうち、圧電素子の長手方向に沿った中心軸を挟んで対角線上に配置された一対の電極で構成された第2の電極と、
    この第2の電極に対して、圧電素子の長手方向に沿った中心軸を軸として線対称に配置された一対の電極で構成された第3の電極とが設けられ、
    前記圧電素子の第1および第2の電極に電圧を印加して前記当接部を略楕円軌道を描いて振動させて前記回転体を所定の一方向に回転させる状態と、前記圧電素子の第1および第3の電極に電圧を印加して前記当接部を略楕円軌道を描いて振動させて前記回転体を反対方向に回転させる状態とを切り替えることで、回転体の回転方向を選択可能に構成されていることを特徴とする駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の駆動装置において、
    前記圧電素子の表面に形成された電極は、圧電素子を幅方向にほぼ三等分するように形成された二本の溝で三つの電極に分割され、この三つの電極のうち二本の溝間に形成された電極によって前記第1の電極が構成され、
    第1の電極の両側の電極は、圧電素子の長手方向にほぼ二等分するように形成された溝で二つの電極に分割され、この四つの電極のうち第1の電極を挟んで対角線上に配置された一対の電極によって前記第2の電極が構成され、他の一対の電極によって第3の電極が構成されていることを特徴とする駆動装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の駆動装置を備えていることを特徴とする装置。
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