JP2005328252A - 無線タグ通信装置及び無線タグ通信システム - Google Patents

無線タグ通信装置及び無線タグ通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 必要十分な台数にて通信範囲を可及的に広げる無線タグ通信装置を提供する。
【解決手段】 無線タグ通信装置12の通信範囲と、他の無線タグ通信装置12の通信範囲とが重ならないように送信信号の送信を制御する送信制御手段40を含むことから、複数の無線タグ通信装置12相互間の距離を可及的に長くとることができることに加え、無線タグ14が複数の送信信号を同時に受けることを好適に防止できる。すなわち、必要十分な台数にて通信範囲を可及的に広げる無線タグ通信装置12を提供することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、無線にて情報の書き込みや読み出しができる無線タグとの間で通信を行う無線タグ通信装置及び無線タグ通信システムの改良に関する。
所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から所定の無線タグ通信装置(質問器)により非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
ところで、前記無線タグ通信装置の通信距離は、通常、数メートル程度に制限されるものであるため、単一の質問器のみでは比較的広い空間に配置された無線タグとの間で好適に情報の通信を行うことができなかった。そこで、前記無線タグ通信装置の通信範囲を広げるための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された質問器システムがそれである。この技術によれば、複数の質問器及びそれら複数の質問器を制御する制御端末から成る無線タグ通信装置において、それぞれの質問器に設けられたアンテナの通信範囲を重複させて、それら複数の質問器と無線タグとの間で同一の信号により無線通信を行うことで、上記無線タグ通信装置の通信範囲を広げることができるとされている。
特開2003−283367号公報
しかし、前記従来の技術では、前記複数の質問器にそれぞれ設けられたアンテナの通信範囲が重なるようにそれら複数の質問器相互間の距離を比較的短くする必要があり、多くの質問器を配設しなければならないという不具合があった。また、内的な電力供給源を含まない所謂パッシブタグ(passive tag)では、複数の送信信号を同時に受けることにより通信が不可能となるものが一般的であり、前記複数の質問器にそれぞれ設けられたアンテナの通信範囲が重なる部分では、好適な通信が行われないおそれがあった。すなわち、必要十分な台数にて通信範囲を可及的に広げる無線タグ通信装置及び無線タグ通信システムの開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、必要十分な台数にて通信範囲を可及的に広げる無線タグ通信装置及び無線タグ通信システムを提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、無線タグに向けて所定の送信信号を送信すると共に、その送信信号に応じて無線タグから返信される返信信号を受信してその無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、その無線タグ通信装置の通信範囲と、他の無線タグ通信装置の通信範囲とが重ならないように前記送信信号の送信を制御する送信制御手段を含むことを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、上記第1発明の無線タグ通信装置を複数台含む無線タグ通信システムであって、それら複数台の無線タグ通信装置にそれぞれ含まれる送信制御手段は、それら無線タグ通信装置相互間で通信範囲が重ならないように同期をとって前記送信信号を送信することを特徴とするものである。
このように、前記第1発明によれば、前記無線タグ通信装置の通信範囲と、他の無線タグ通信装置の通信範囲とが重ならないように前記送信信号の送信を制御する送信制御手段を含むことから、複数の無線タグ通信装置相互間の距離を可及的に長くとることができることに加え、前記無線タグが複数の送信信号を同時に受けることを好適に防止できる。すなわち、必要十分な台数にて通信範囲を可及的に広げる無線タグ通信装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記送信制御手段は、前記他の無線タグ通信装置による送信信号の送信タイミングと異なるタイミングで前記送信信号を送信するものである。このようにすれば、実用的な態様で前記無線タグが複数の送信信号を同時に受けることを防止できる。
また、好適には、前記送信信号を送信するための複数のアンテナ素子を備え、前記送信制御手段は、前記複数のアンテナ素子により送信される送信信号それぞれの位相を制御することによりその送信信号の送信指向性を制御して前記通信範囲を変更するものである。このようにすれば、実用的な態様で前記無線タグが複数の無線タグ通信装置からの送信信号を同時に受けることを防止できる。
また、好適には、前記通信範囲内において前記他の無線タグ通信装置との間で情報の通信を行う無線タグが存在するか否かを判定する無線タグ通信判定手段を含み、前記送信制御手段は、その無線タグ通信判定手段の判定が肯定される場合には、前記送信信号の送信を制限するものである。このようにすれば、他の無線タグ通信装置と通信中である無線タグに送信信号を送信することを防止できる。
また、好適には、前記送信制御手段は、前記無線タグ通信判定手段の判定が肯定される場合には、前記送信信号の送信指向性を制御して前記通信範囲を変更するものである。このようにすれば、他の無線タグ通信装置と通信中である無線タグに送信信号を送信することを実用的な態様で防止できることに加え、前記通信範囲とは異なる通信範囲において通信動作を行うことができることから、複数の無線タグ通信装置による通信範囲を可及的に広げることができる。
また、好適には、前記無線タグからの返信信号を受信するための複数のアンテナ素子と、それら複数のアンテナ素子により受信される受信信号それぞれの位相を制御することによりその受信信号の受信指向性を制御する受信制御手段とを、含むものである。このようにすれば、前記無線タグからの返信信号を好適に受信できる。
また、好適には、前記送信制御手段は、前記複数のアンテナ素子から送信される送信信号それぞれの振幅を制御し得るものであり、前記受信制御手段は、前記複数のアンテナ素子により受信された受信信号それぞれの振幅を制御し得るものである。このようにすれば、前記送信指向性及び受信指向性を更に好適に定めることができる。
また、好適には、前記無線タグ通信判定手段の判定に係る通信範囲は、前記受信制御手段により制御された前記受信信号の受信指向性に基づいて定められるものである。このようにすれば、前記判定の対象となる通信範囲を好適に定めることができる。
また、好適には、前記送信制御手段は、前記送信信号の送信指向性が前記受信信号の受信指向性と等しくなるように前記複数のアンテナ素子により送信される送信信号それぞれの位相を制御するものである。このようにすれば、前記無線タグとの間で高感度の通信を行うことができる。また、送信範囲と受信範囲とを一致させることができるため、他の無線タグ通信装置と通信中の無線タグが送信範囲に存在するか否かを好適に判定することができ、斯かる他の無線タグ通信装置と通信中である無線タグに送信信号を送信することを防止できる。
また、好適には、前記受信制御手段は、前記受信信号の受信指向性が前記送信信号の送信指向性と等しくなるように前記複数のアンテナ素子により受信される受信信号それぞれの位相を制御するものである。このようにすれば、前記無線タグとの間で高感度の通信を行うことができる。また、送信範囲と受信範囲とを一致させることができるため、他の無線タグ通信装置と通信中の無線タグが送信範囲に存在するか否かを好適に判定することができ、斯かる他の無線タグ通信装置と通信中である無線タグに送信信号を送信することを防止できる。
また、好適には、前記通信範囲内に存在する前記無線タグの位置を検出する無線タグ位置検出手段を含むものである。このようにすれば、通信対象である無線タグの位置を知ることができる。
また、前記第2発明によれば、前記複数台の無線タグ通信装置にそれぞれ含まれる送信制御手段は、それら無線タグ通信装置相互間で通信範囲が重ならないように同期をとって前記送信信号を送信するものである。このようにすれば、必要十分な台数にて安定して通信範囲を可及的に広げる無線タグ通信システムを提供することができる。
ここで、好適には、前記複数台の無線タグ通信装置にそれぞれ含まれる送信制御手段は、それら無線タグ通信装置相互間で同期をとって異なる送信タイミングで前記送信信号を送信するものである。このようにすれば、実用的な態様で前記無線タグが複数の送信信号を同時に受けることを防止できる。
また、好適には、前記複数台の無線タグ通信装置にそれぞれ含まれる送信制御手段は、それら無線タグ通信装置相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性を定めるものである。このようにすれば、実用的な態様で前記無線タグが複数の送信信号を同時に受けることを防止できる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本第2発明の一実施例である無線タグ通信システム10(以下、単に通信システム10と称する)の構成を説明する図である。この通信システム10は、本第1発明の一実施例である単数乃至は複数台(図1では2台)の無線タグ通信装置12a、12b(以下、特に区別しない場合には単に無線タグ通信装置12と称する)と、単数乃至は複数(図1では3つ)の無線タグ14a、14b、14c(以下、特に区別しない場合には単に無線タグ14と称する)とから構成される所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムであり、上記無線タグ通信装置12はそのRFIDシステムの質問器として、上記無線タグ14は応答器としてそれぞれ機能する。例えば、上記無線タグ通信装置12a、12bからそれぞれ送信信号である質問波Fc1、Fc2が上記無線タグ14a、14b、14cに向けて送信されると、その質問波Fc1を受信した上記無線タグ14a、14bそれぞれにおいて所定の情報信号(データ)によりその質問波Fc1が変調され、返信信号である応答波Fr1、Fr2として上記無線タグ通信装置12aに向けて返信されることで、その無線タグ通信装置12aと無線タグ14a、14bとの間で情報の通信が行われる。また、上記質問波Fc2を受信した上記無線タグ14cにおいて所定の情報信号によりその質問波Fc2が変調され、返信信号である応答波Fr3として上記無線タグ通信装置12bに向けて返信されることで、その無線タグ通信装置12bと無線タグ14cとの間で情報の通信が行われる。
図2は、上記無線タグ通信装置12の電気的構成を説明する図である。この図2に示すように、上記無線タグ通信装置12は、上記送信信号の主搬送波を発生させるための主搬送波発生部16と、その主搬送波発生部16により発生させられた主搬送波を後述する送信データ生成手段39により生成された送信情報信号(送信データ)に基づいて変調して上記送信信号を生成する送信信号変調部18と、その送信信号変調部18により変調された送信信号を上記無線タグ14に向けて送信すると共に、その送信信号に応じてその無線タグ14から返信される返信信号を受信するための複数(図2では3本)の送受信アンテナ素子20a、20b、20c(以下、特に区別しない場合には単に送受信アンテナ素子20と称する)と、それら複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号の送信指向性を制御すると共に、それら複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号の受信指向性を制御するための指向性制御部22と、その指向性制御部22から供給される送信信号を各送受信アンテナ素子20に供給すると共に、それら送受信アンテナ素子20により受信された受信信号をその指向性制御部22に供給する複数(図2では3つ)の送受信分離部24a、24b、24c(以下、特に区別しない場合には単に送受信分離部24と称する)と、所定の周波数の局所信号を発生させる局所信号発生部26と、上記指向性制御部22から供給される受信信号それぞれにその局所信号発生部26により発生させられる局所信号を掛け合わせることでダウンコンバートする複数(図2では3つ)のダウンコンバータ28a、28b、28cと、それらダウンコンバータ28によりダウンコンバートされた受信信号の復調処理をはじめとする上記無線タグ通信装置12の動作を制御する制御部30とを、備えて構成されている。ここで、上記送受信分離部24としては、サーキュレータ若しくは方向性結合器等が好適に用いられる。また、上記指向性制御部22は、上記送信信号変調部18から供給される送信信号それぞれの位相を制御する複数(図2では3つ)の送信信号位相制御部32a、32b、32c(以下、特に区別しない場合には単に送信信号位相制御部32と称する)と、それぞれの振幅を制御する複数(図2では3つ)の送信信号振幅制御部34a、34b、34c(以下、特に区別しない場合には単に送信信号振幅制御部34と称する)とを、備えており、それら送信信号位相制御部32及び送信信号振幅制御部34を介して上記複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号それぞれの位相及び振幅を制御することでその送信信号の送信指向性を制御する。また、上記複数の送受信分離部24から供給される受信信号それぞれの位相を制御する複数(図2では3つ)の受信信号位相制御部36a、36b、36c(以下、特に区別しない場合には単に受信信号位相制御部36と称する)と、それぞれの振幅を制御する複数(図2では3つ)の受信信号振幅制御部38a、38b、38c(以下、特に区別しない場合には単に受信信号振幅制御部38と称する)とを、備えており、それら受信信号位相制御部36及び受信信号振幅制御部38を介して上記複数の送受信アンテナ素子20により受信された受信信号それぞれの位相及び振幅を制御することでその受信信号の受信指向性を制御する。
上記制御部30は、CPU、ROM、及びRAM等を含んで構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、送信データの生成、送信信号位相制御部32及び送信信号振幅制御部34の制御量の決定、受信信号位相制御部36及び受信信号振幅制御部38の制御量の決定、前記無線タグ14に向けて前記送信信号を送信する送信制御、その送信信号に応じて前記無線タグ14から返信される返信信号を受信する受信制御、受信された受信信号を復調する復調制御、他の無線タグ通信装置12との相互通信制御、及び無線タグ14の位置検出制御等を実行する。斯かる制御を実行するため、送信データ生成手段39、送信制御手段40、受信制御手段42、受信信号合成手段44、受信信号復調手段46、無線タグ通信判定手段48、無線タグ位置検出手段50、及び質問器相互通信手段52を機能的に含んでいる。
送信データ生成手段39は、前記送信信号を変調するための所定の送信情報信号である送信データを生成して前記送信信号変調部18に供給する。送信制御手段40は、前記無線タグ通信装置12の通信範囲と、他の無線タグ通信装置(質問器)の通信範囲とが重ならないように前記送信信号位相制御部32及び送信信号振幅制御部34の制御量を決定する。好適には、後述する無線タグ通信判定手段48の判定が肯定される場合、すなわち通信範囲内において上記他の無線タグ通信装置との間で情報の通信を行っている無線タグ14が存在すると判定される場合には、前記送信信号振幅制御部34からの出力を最小にする等して前記送信信号の送信を制限乃至は禁止する。また、好適には、上記他の無線タグ通信装置による送信信号の送信タイミングと異なるタイミングで前記送信信号を送信することで、前記無線タグ通信装置12の通信範囲と、上記他の無線タグ通信装置の通信範囲とが重ならないように前記送信信号の送信を制御する。ここで、上記他の無線タグ通信装置とは、例えば、前記無線タグ通信装置12aに対する無線タグ通信装置12b等であり、前記無線タグ14との間で情報の通信を行い得る無線タグ通信装置を広く指している。また、前記無線タグ通信装置12の通信範囲とは、通信対象である無線タグ14に十分な強度の送信信号を届けられる範囲、換言すれば、その送信信号に応じて通信対象である無線タグ14により返信信号を返信させ得る送信信号を届けられる範囲を指している。
上記送信制御手段40は、また、好適には、前記複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号それぞれの位相(及び必要に応じて振幅)を制御し、その送信信号の送信指向性を制御して前記通信範囲を変更することで、前記無線タグ通信装置12の通信範囲と、他の無線タグ通信装置の通信範囲とが重ならないように前記送信信号の送信を制御する。すなわち、上記送信制御手段40は、前記指向性制御部22を介して各送信信号の位相を制御することにより前記複数の送受信アンテナ素子20から成る送信アンテナを送信用フェイズドアレイアンテナ(Phased Array Antenna)として制御する。或いは、前記指向性制御部22を介して各送信信号の位相及び振幅を受信信号の品質が向上するように制御することにより前記複数の送受信アンテナ素子20から成る送信アンテナを送信用アダプティブアレイアンテナ(Adaptive Array Antenna)として制御する。好適には、前記送信信号の送信指向性が後述する受信制御手段42により制御される受信信号の受信指向性と等しくなるように前記複数の送受信アンテナ素子20により送信される送信信号それぞれの位相及び/又は振幅を制御する。また、好適には、後述する受信信号合成手段44における前記受信信号の合成量が可及的に大きくなるように前記送信信号の送信指向性を定める。
受信制御手段42は、前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号それぞれの位相(及び必要に応じて振幅)を制御することによりその受信信号の受信指向性を制御する。すなわち、前記指向性制御部22を介して各受信信号の位相を制御することにより前記複数の送受信アンテナ素子20から成る受信アンテナを受信用フェイズドアレイアンテナとして制御する。或いは、前記指向性制御部22を介して各受信信号の位相及び振幅を受信信号の品質が向上するように制御することにより前記複数の送受信アンテナ素子20から成る受信アンテナを受信用アダプティブアレイアンテナとして制御する。好適には、後述する受信信号合成手段44における前記受信信号の合成量が可及的に大きくなるように前記受信信号の受信指向性を定める。
受信信号合成手段44は、前記複数の送受信アンテナ素子20によりそれぞれ受信される受信信号を合成する。上記受信制御手段42により前記指向性制御部22を介してそれぞれ位相及び振幅が制御された受信信号がこの受信信号合成手段44により合成されることで、前記複数の送受信アンテナ素子20から成る受信アンテナの受信指向性が定まる。
受信信号復調手段46は、上記信号合成手段44により合成された前記複数の送受信アンテナ素子20からの受信信号を復調する。好適には、AM方式により受信信号をAM復調した後、その復調信号をFM復号化して前記無線タグ14により返信された情報信号を読み出す。
無線タグ通信判定手段48は、前記通信範囲内において前記他の無線タグ通信装置との間で情報の通信を行う無線タグ14が存在するか否かを判定する。例えば、前記他の無線タグ通信装置から送信された送信信号に応じて前記無線タグ14から返信される返信信号が前記複数の送受信アンテナ20により受信されるか否かを判定する。好適には、上記判定に係る通信範囲は、前記受信制御手段42により制御された前記受信信号の受信指向性に基づいて定められる。
無線タグ位置検出手段50は、前記通信範囲内に存在する前記無線タグ14の位置を検出する。好適には、前記受信信号合成手段44における前記受信信号の合成量が可及的に大きくなるように前記受信制御手段42により定められた受信指向性と、その時点における受信信号の強度とに応じて通信対象である無線タグ14の位置を検出する。
質問器相互通信手段52は、他の無線タグ通信装置12との間で相互に通信を行う。斯かる他の無線タグ通信装置12とは、例えば、前記無線タグ通信装置12aに対する無線タグ通信装置12b等であり、図2に示す構成を有する別の無線タグ通信装置12である。上記質問器相互通信手段52は、例えば、前記他の無線タグ通信装置12に自機の質問器番号(無線タグ通信装置12のID)を送信したり、前記他の無線タグ通信装置12から送信されるその無線タグ通信装置12の質問器番号を受信したり、その質問器番号及び受信方向を組み合わせて記憶したり、前記他の無線タグ通信装置12を呼び出したり、前記他の無線タグ通信装置12からの呼び出しに応じて応答信号を発信したりといった制御を行うと共に、それら他の無線タグ通信装置12との間で同期して作動するための通信制御を実行する。前記通信システム10に含まれる複数台の無線タグ通信装置12は、上記質問器相互通信手段52の通信内容に基づいて互いに同期して通信動作を行う。すなわち、前記複数台の無線タグ通信装置12にそれぞれ含まれる送信制御手段40は、それら無線タグ通信装置12相互間で通信範囲が重ならないように同期をとって前記送信信号を送信するように各無線タグ通信装置12の動作をそれぞれ独立に制御する。好適には、それら無線タグ通信装置12相互間で同期をとって異なる送信タイミングで前記送信信号を送信することで、前記無線タグ14との通信タイミングを時間的にずらして、それら無線タグ通信装置12相互間で通信範囲が重ならないように制御する。
前記複数台の無線タグ通信装置12にそれぞれ含まれる送信制御手段40は、また、好適には、それら無線タグ通信装置12相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性を時間的に漸次変更することで、それら無線タグ通信装置12相互間で通信範囲が重ならないように制御する。図3は、前記無線タグ通信装置12a、12b相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性を定める送信制御の一例を説明する図である。この図3は、1対の壁を有する通路70における1方の壁に前記無線タグ通信装置12a、12bが隣接して配設された態様を示しており、それら無線タグ通信装置12a、12bからタイミングTにおいて送信される送信信号の送信指向性を実線で、タイミングTにおいて送信される送信信号の送信指向性を破線で、タイミングTにおいて送信される送信信号の送信指向性を一点鎖線で、タイミングTにおいて送信される送信信号の送信指向性を二点鎖線で、それぞれ示している。このように、隣接して配設された無線タグ通信装置12相互間で同期をとって、同方向に同期的に駆動される1対のワイパーの様に前記送信信号の送信指向性を時間的に漸次変更することにより、それら無線タグ通信装置12相互間で通信範囲が重ならないように制御することができる。また、図4に示すように、上記通路70における前記無線タグ通信装置12a、12bが配設された壁とは反対側の壁に他の無線タグ通信装置12cが配設された態様であっても、それら無線タグ通信装置12a、12b、12c相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性角度を変更することにより、それら無線タグ通信装置12a、12b、12c相互間で通信範囲が重ならないように制御することができる。更に、図5に示すように、四方に壁を有する室72内に4台の無線タグ通信装置12a、12b、12c、12dが配設された態様であっても、それら無線タグ通信装置12a、12b、12c、12d相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性角度を変更することにより、それら無線タグ通信装置12a、12b、12c、12d相互間で通信範囲が重ならないように制御することができる。なお、上記無線タグ通信装置12c、12dは、図2に示す無線タグ通信装置12と同様の構成を有する本発明の一実施例である。
図6は、前記無線タグ14の構成を説明する図である。この図6に示すように、前記無線タグ14は、前記無線タグ通信装置12に備えられた複数の送受信アンテナ素子20から成るアンテナとの間で、或いはその無線タグ通信装置12とは異なる質問器との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部60と、そのアンテナ部60により受信された搬送波を整流する整流部62と、その整流部62により整流された搬送波のエネルギを蓄積するための電源部64と、上記アンテナ部60により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部72に供給するクロック抽出部66と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部68と、上記アンテナ部60に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部70と、上記整流部62、クロック抽出部66、及び変復調部70等を介して上記無線タグ14の作動を制御するための制御部72とを、備えて構成されている。この制御部72は、前記無線タグ通信装置12と通信を行うことにより上記メモリ部68に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部60により受信された搬送波を上記変復調部70において上記メモリ部68に記憶された情報信号に基づいて変調したうえで反射波として上記アンテナ部60から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。上記アンテナ部60は、好適には、一対の線状エレメントから成る半波長ダイポールアンテナである。
図7乃至図11は、前記無線タグ通信装置12の制御部30による前記無線タグ14との間の情報通信処理及び他の無線タグ通信装置12との間の相互通信処理を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。以下、このフローチャートに従って前記無線タグ通信装置12による前記無線タグ14との間の情報通信動作及び他の無線タグ通信装置12との間の相互通信動作について説明する。
先ず、図7のステップ(以下、ステップを省略する)SAにおいて、図8に示す隣接する無線タグ通信装置12(質問器)の検出制御が行われる。次に、SBにおいて、図9及び図10に示す隣接する無線タグ通信装置12との間で同期をとるための制御が行われる。次に、SCにおいて、図11に示す無線タグ14の検出通信制御が行われる。次に、SDにおいて、制御の繰り返し試行回数がn回(例えば、100回)以上であるか否かが判断される。このSDの判断が否定される場合には、SC以下の処理が再び実行されるが、SDの判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。
図8に示す隣接する無線タグ通信装置12の検出制御では、先ず、SA1において、0乃至1の乱数が発生させられる。次に、SA2において、SA1にて発生させられた乱数が閾値Th(例えば、4/5程度)以上であるか否かが判断される。このSA2の判断が肯定される場合には、SA3において、前記指向性制御部22が制御されて前記複数の送受信アンテナ素子20により構成される送信アンテナの送信指向性及び受信アンテナの受信指向性が共に無指向性に設定され、SA4において、自機の質問器番号が所定時間繰り返し発信された後、SA10の判断が実行されるが、SA2の判断が否定される場合には、SA5において、前記指向性制御部22が制御されて前記複数の送受信アンテナ素子20により構成される受信アンテナの受信指向性が設定される。次に、SA6において、前記他の無線タグ通信装置12からの信号の受信動作が行われる。次に、SA7において、前記他の無線タグ通信装置12からの信号が前記複数の送受信アンテナ素子20により受信されたか否かが判断される。このSA7の判断が肯定される場合には、SA8において、受信された他の無線タグ通信装置12の質問器番号と方向とが組み合わされて記憶された後、SA9の判断が実行されるが、SA7の判断が否定される場合には、SA9において、全方向の受信動作が完了したか否かが判断される。このSA9の判断が否定される場合には、SA5以下の処理が再び実行されるが、SA9の判断が肯定される場合には、SA10において、前記他の無線タグ通信装置12を検出するための通信動作がm回終了したか否かが判断される。このSA10の判断が否定される場合には、SA1以下の処理が再び実行されるが、SA10の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられた後、図9及び図10に示す隣接する無線タグ通信装置12との間で同期をとるための制御が実行される。
図9及び図10に示す隣接する無線タグ通信装置12との間で同期をとるための制御では、先ず、図9のSB1において、前記指向性制御部22が制御されて前記複数の送受信アンテナ素子20により構成される送信アンテナの送信指向性及び受信アンテナの受信指向性が共に無指向性に設定される。次に、SB2において、0乃至1の乱数が発生させられる。次に、SB3において、SB2にて発生させられた乱数が閾値Th(例えば、4/5程度)以上であるか否かが判断される。このSB3の判断が否定される場合には、SB10において、前記他の無線タグ通信装置12からの信号の受信動作が行われた後、SB11の判断が実行されるが、SB3の判断が肯定される場合には、SB4において、前述したSA8にて記憶された前記他の無線タグ通信装置12を呼び出すための呼出動作が行われる。次に、SB5において、SB4にて行われた呼び出しに応じて前記他の無線タグ通信装置12からの応答があったか否かが判断される。このSB5の判断が否定される場合には、SB2以下の処理が再び実行されるが、SB5の判断が肯定される場合には、SB6において、自機における応答があった他の無線タグ通信装置12方向の通信タイミングが決定される。次に、SB7において、SB6にて決定された通信タイミングが上記応答があった他の無線タグ通信装置12に向けて送信される。次に、SB8において、上記応答があった他の無線タグ通信装置12からの返信信号が許可信号であるか否かが判断される。このSB8の判断が否定される場合には、通信タイミングの値が変更されてSB6以下の処理が再び実行されるが、SB8の判断が肯定される場合には、SB9において、隣接する全ての無線タグ通信装置12との間で通信が完了したか否かが判断される。このSB9の判断が肯定される場合には、図10に示すSB17以下の処理が実行されるが、SB9の判断が否定される場合には、SB2以下の処理が再び実行される。
SB11の判断が否定される場合、すなわち他の無線タグ通信装置12による自機の呼び出しがないと判断される場合には、SB2以下の処理が再び実行されるが、SB11の判断が肯定される場合、すなわち他の無線タグ通信装置12による自機の呼び出しがあると判断される場合には、SB12において、前記他の無線タグ通信装置12に向けて応答信号が発信される。次に、SB13において、前記他の無線タグ通信装置12から送信されたその無線タグ通信装置12における自機方向の通信タイミングが受信される。次に、SB14において、SB13にて受信された通信タイミングによる前記他の無線タグ通信装置12の送信動作を許可するか否かが判断される。このSB14の判断が肯定される場合には、SB15において、前記他の無線タグ通信装置12に向けて許可信号が返信された後、SB9以下の処理が再び実行されるが、SB14の判断が否定される場合には、SB16において、前記他の無線タグ通信装置12に向けて不許可信号が返信された後、SB13以下の処理が再び実行される。
図9の制御に続いて、図10のSB17において、前記指向性制御部22が制御されて前記複数の送受信アンテナ素子20により構成される送信アンテナの送信指向性及び受信アンテナの受信指向性が共に無指向性に設定される。次に、SB18において、0乃至1の乱数が発生させられる。次に、SB19において、SB18にて発生させられた乱数が上記閾値Th以上であるか否かが判断される。このSB19の判断が否定される場合には、SB26において、前記他の無線タグ通信装置12からの信号の受信動作が行われた後、SB27の判断が実行されるが、SB19の判断が肯定される場合には、SB20において、前記他の無線タグ通信装置12を呼び出すための呼出動作が行われる。次に、SB21において、SB20にて行われた呼び出しに応じて前記他の無線タグ通信装置12からの応答があったか否かが判断される。このSB21の判断が否定される場合には、SB18以下の処理が再び実行されるが、SB21の判断が肯定される場合には、SB22において、自機が通信を行った隣接する他の無線タグ通信装置12の通信回数(全ての方向に対して通信を行うのに必要な回数)がそれら他の無線タグ通信装置12に向けて発信される。次に、SB23において、前記他の無線タグ通信装置12それぞれが通信を行った隣接する他の無線タグ通信装置12の台数が受信される。次に、SB24において、隣接する全ての無線タグ通信装置12との間で通信が完了したか否かが判断される。このSB24の判断が否定される場合には、SB18以下の処理が再び実行されるが、SB24の判断が肯定される場合には、SB25において、自機及び通信を行った隣接する他の無線タグ通信装置12のうち通信回数が最大である無線タグ通信装置12におけるその通信回数が検出され、それをもって本ルーチンが終了させられた後、図11に示す無線タグ14の検出通信制御が実行される。
SB27の判断が否定される場合、すなわち他の無線タグ通信装置12による自機の呼び出しがないと判断される場合には、SB18以下の処理が再び実行されるが、SB27の判断が肯定される場合、すなわち他の無線タグ通信装置12による自機の呼び出しがあると判断される場合には、SB28において、前記他の無線タグ通信装置12に向けて応答信号が発信される。次に、SB29において、前記他の無線タグ通信装置12が通信を行った隣接する他の無線タグ通信装置12の通信回数が受信される。次に、SB30において、自機が通信を行った隣接する他の無線タグ通信装置12の通信回数が発信された後、SB24以下の処理が再び実行される。
図11に示す無線タグ14の検出通信制御では、先ず、SC1において、i=1とされる。次に、SC2において、所定値Tが自機により通信を行うタイミングであるか否かが判断される。このSC2の判断が否定される場合には、SC7において、前記他の無線タグ通信装置12が通信を行う間待機させられた後、SC5以下の処理が実行されるが、SC2の判断が肯定される場合には、SC3において、前記指向性制御部22が制御されて前記複数の送受信アンテナ20により構成される送信アンテナの送信指向性及び受信アンテナの受信指向性が共に所定の指向性方向Dに設定される。次に、SC4において、前記主搬送波発生部16及び送信信号変調部18等が制御されて前記複数の送受信アンテナ素子20からSC3にて設定された指向性方向Dに向けて送信信号が送信され、通信対象である無線タグ14の検出が行われる。次に、SC5において、iに1が加算された後、SC6において、iが予め定められた最大通信回数に達したか否かが判断される。このSC6の判断が否定される場合には、SC2以下の処理が再び実行されるが、SC6の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられた後、図7に示すSDの処理が実行される。
以上の図7乃至図11に示す制御において、SA3、SB1、SB6、SB17、及びSCが前記送信制御手段40の動作に、SA3、SA5、SB1、SB17、及びSCが前記受信制御手段42の動作に、SC4が前記受信信号合成手段44及び受信信号復調手段46の動作に、SA及びSBが前記無線タグ通信判定手段48及び質問器相互通信手段52の動作に、SC1乃至SC7が前記無線タグ位置検出手段50の動作に、それぞれ対応する。
このように、本実施例によれば、前記無線タグ通信装置12の通信範囲と、他の無線タグ通信装置12の通信範囲とが重ならないように前記送信信号の送信を制御する送信制御手段40(SA3、SB1、SB6、SB17、及びSC)を含むことから、複数の無線タグ通信装置12相互間の距離を可及的に長くとることができることに加え、前記無線タグ14が複数の送信信号を同時に受けることを好適に防止できる。すなわち、必要十分な台数にて通信範囲を可及的に広げる無線タグ通信装置12を提供することができる。
また、前記送信制御手段40は、前記他の無線タグ通信装置12による送信信号の送信タイミングと異なるタイミングで前記送信信号を送信するものであるため、実用的な態様で前記無線タグ14が複数の送信信号を同時に受けることを防止できる。
また、前記送信信号を送信するための複数の送受信アンテナ素子20を備え、前記送信制御手段40は、前記複数の送受信アンテナ素子20により送信される送信信号それぞれの位相を制御することによりその送信信号の送信指向性を制御して前記通信範囲を変更するものであるため、実用的な態様で前記無線タグ14が複数の無線タグ通信装置12からの送信信号を同時に受けることを防止できる。
また、前記通信範囲内において前記他の無線タグ通信装置12との間で情報の通信を行う無線タグ14が存在するか否かを判定する無線タグ通信判定手段48(SA及びSB)を含み、前記送信制御手段40は、その無線タグ通信判定手段48の判定が肯定される場合には、前記送信信号の送信を禁止するものであるため、他の無線タグ通信装置12と通信中である無線タグ14に送信信号を送信することを防止できる。
また、前記無線タグ14からの返信信号を受信するための複数の送受信アンテナ素子20と、それら複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号それぞれの位相を制御することによりその受信信号の受信指向性を制御する受信制御手段42(SA3、SA5、SB1、SB17、及びSC)とを、含むものであるため、前記無線タグ14からの返信信号を好適に受信できる。
また、前記送信制御手段40は、前記複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号それぞれの振幅を制御し得るものであり、前記受信制御手段42は、前記複数の送受信アンテナ素子20により受信された受信信号それぞれの振幅を制御し得るものであるため、前記送信指向性及び受信指向性を更に好適に定めることができる。
また、前記無線タグ通信判定手段48の判定に係る通信範囲は、前記受信制御手段42により制御された前記受信信号の受信指向性に基づいて定められるものであるため、前記判定の対象となる通信範囲を好適に定めることができる。
また、前記送信制御手段40は、前記送信信号の送信指向性が前記受信信号の受信指向性と等しくなるように前記複数の送受信アンテナ素子20により送信される送信信号それぞれの位相を制御するものであるため、前記無線タグ14との間で高感度の通信を行うことができる。また、送信範囲と受信範囲とを一致させることができるため、他の無線タグ通信装置と通信中の無線タグ14が送信範囲に存在するか否かを好適に判定することができ、斯かる他の無線タグ通信装置と通信中である無線タグ14に送信信号を送信することを防止できる。
また、前記受信制御手段42は、前記受信信号の受信指向性が前記送信信号の送信指向性と等しくなるように前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号それぞれの位相を制御するものであるため、前記無線タグ14との間で高感度の通信を行うことができる。また、送信範囲と受信範囲とを一致させることができるため、他の無線タグ通信装置と通信中の無線タグ14が送信範囲に存在するか否かを好適に判定することができ、斯かる他の無線タグ通信装置と通信中である無線タグ14に送信信号を送信することを防止できる。
また、前記通信範囲内に存在する前記無線タグ14の位置を検出する無線タグ位置検出手段50(SC1乃至SC7)を含むものであるため、通信対象である無線タグ14の位置を知ることができる。
また、前記複数台の無線タグ通信装置12にそれぞれ含まれる送信制御手段40は、それら無線タグ通信装置12相互間で通信範囲が重ならないように同期をとって前記送信信号を送信するものであるため、必要十分な台数にて安定して通信範囲を可及的に広げる無線タグ通信システム10を提供することができる。
また、前記複数台の無線タグ通信装置12にそれぞれ含まれる送信制御手段40は、それら無線タグ通信装置12相互間で同期をとって異なる送信タイミングで前記送信信号を送信するものであるため、実用的な態様で前記無線タグ14が複数の送信信号を同時に受けることを防止できる。
また、前記複数台の無線タグ通信装置12にそれぞれ含まれる送信制御手段40は、それら無線タグ通信装置12相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性を定めるものであるため、実用的な態様で前記無線タグ14が複数の送信信号を同時に受けることを防止できる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
図12は、前記無線タグ通信装置12の制御部30による前記無線タグ14との間の情報通信処理及び他の無線タグ通信装置(質問器)との間で通信中である前記無線タグ14の検出処理を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。先ず、SE1において、前記指向性制御部22が制御されて前記複数の送受信アンテナ素子20により構成される送信アンテナの送信指向性及び受信アンテナの受信指向性が設定される。次に、SE2において、前記無線タグ14から送信される返信信号の受信動作が行われる。次に、前記無線タグ通信判定手段48の動作に対応するSE3において、他の無線タグ通信装置との間で通信中である無線タグ14があるか否か、すなわちSE2にて所定の無線タグ14からの返信信号が受信されたか否かが判断される。このSE3の判断が肯定される場合には、その無線タグ14に向けての前記送信信号の送信は行われず、SE2以下の処理が再び実行されるが、SE3の判断が否定される場合には、SCにおいて、前述した図11に示す無線タグ14の検出通信制御が行われた後、SE4において、全方向の無線タグ14の検出動作が完了したか否かが判断される。このSE4の判断が否定される場合には、SE1以下の処理が再び実行されるが、SE4の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上のように、本発明の無線タグ通信装置12は、前記質問器相互通信手段52等の構成を含まない従来の無線タグ通信装置から送信された送信信号に応じて無線タグ14から返信される返信信号を受信することで、斯かる他の無線タグ通信装置との間で情報の通信を行う無線タグ14が存在するか否かを判定するものであってもよい。このようにすれば、従来の無線タグ通信装置を含んで構成される無線タグ通信システムにおいても、前記無線タグ14が複数の無線タグ通信装置からの送信信号を同時に受けることを防止できる。
また、図13は、前記無線タグ通信装置12の制御部30による前記無線タグ14との間の情報通信処理及び他の無線タグ通信装置(質問器)との間で通信中である前記無線タグ14の他の検出処理を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この図に示すSE1乃至SE4の処理は、上述した図12の制御と同じ処理であるため、その説明を省略する。図12の制御において、SE3の判定が肯定される場合、すなわち他の無線タグ通信装置との間で通信中である無線タグ14があると判定される場合には、SE5において、前記指向性制御部22が制御されて前記送信信号の送信指向性が制御され、前記通信範囲が検出された無線タグ14を含まない範囲に変更される。このように、前記送信制御手段40は、前記無線タグ通信判定手段48の判定が肯定される場合には、前記送信信号の送信指向性を制御して前記通信範囲を変更するものであるため、他の無線タグ通信装置と通信中である無線タグ14に送信信号を送信することを実用的な態様で防止できることに加え、前記通信範囲とは異なる通信範囲において通信動作を行うことができることから、複数の無線タグ通信装置による通信範囲を可及的に広げることができる。
また、前述の実施例において、前記送信制御手段40、受信制御手段42、受信信号合成手段44、受信信号復調手段46、無線タグ通信判定手段48、及び無線タグ位置検出手段50は、何れも前記制御部30の制御機能として備えられたものであったが、それぞれ個別の制御装置として備えられたものであっても構わない。また、それらの制御は、ディジタル信号処理によるものであるとアナログ信号処理によるものであるとを問わない。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12は、前記無線タグ14に向けて前記送信信号を送信すると共に、その送信信号に応じて無線タグ14から返信される返信信号を受信するための複数の送受信アンテナ素子20を備えたものであったが、前記無線タグ14に向けて前記送信信号を送信するための複数の送信アンテナ素子と、その送信信号に応じて無線タグ14から返信される返信信号を受信するための複数の受信アンテナ素子とを、それぞれ個別に備えたものであっても構わない。
また、前述の実施例において、前記送信制御手段40は、前記複数の送受信アンテナ素子20から送信される各送信信号の位相及び振幅を制御することで前記送信指向性を制御するものであったが、各送信信号の位相のみを制御するものであってもよい。斯かる構成によっても前記通信範囲を好適に定めることができる。同様に、前記受信制御手段42は、各受信信号の位相のみを制御することにより前記受信指向性を制御するものであっても構わない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本第2発明の一実施例である無線タグ通信システムの構成を説明する図である。 本第1発明の一実施例である無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性を定める送信制御の一例を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性を定める送信制御の他の一例を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性を定める送信制御の更に別の一例を説明する図である。 図1の無線タグに含まれる無線タグ回路を説明するブロック線図である。 図2の無線タグ通信装置の制御部による無線タグとの間の情報通信処理及び他の無線タグ通信装置との間の相互通信処理を説明するフローチャートである。 図7の制御に含まれる隣接する無線タグ通信装置の検出制御を説明するフローチャートである。 図7の制御に含まれる隣接する無線タグ通信装置との間で同期をとるための制御を説明するフローチャートの一部である。 図7の制御に含まれる隣接する無線タグ通信装置との間で同期をとるための制御を説明するフローチャートの一部である。 図7の制御に含まれる通信対象である無線タグの検出通信制御を説明するフローチャートである。 図2の無線タグ通信装置の制御部による無線タグとの間の情報通信処理及び他の無線タグ通信装置との間で通信中である無線タグの検出処理を説明するフローチャートである。 図2の無線タグ通信装置の制御部による無線タグとの間の情報通信処理及び他の無線タグ通信装置との間で通信中である無線タグの他の検出処理を説明するフローチャートである。
符号の説明
10:無線タグ通信システム
12:無線タグ通信装置
14:無線タグ
20:送受信アンテナ素子
40:送信制御手段
42:受信制御手段
48:無線タグ通信判定手段
50:無線タグ位置検出手段

Claims (14)

  1. 無線タグに向けて所定の送信信号を送信すると共に、該送信信号に応じて無線タグから返信される返信信号を受信して該無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、
    該無線タグ通信装置の通信範囲と、他の無線タグ通信装置の通信範囲とが重ならないように前記送信信号の送信を制御する送信制御手段を含むことを特徴とする無線タグ通信装置。
  2. 前記送信制御手段は、前記他の無線タグ通信装置による送信信号の送信タイミングと異なるタイミングで前記送信信号を送信するものである請求項1の無線タグ通信装置。
  3. 前記送信信号を送信するための複数のアンテナ素子を備え、前記送信制御手段は、前記複数のアンテナ素子により送信される送信信号それぞれの位相を制御することにより該送信信号の送信指向性を制御して前記通信範囲を変更するものである請求項1又は2の無線タグ通信装置。
  4. 前記通信範囲内において前記他の無線タグ通信装置との間で情報の通信を行う無線タグが存在するか否かを判定する無線タグ通信判定手段を含み、前記送信制御手段は、該無線タグ通信判定手段の判定が肯定される場合には、前記送信信号の送信を制限するものである請求項1から3の何れかの無線タグ通信装置。
  5. 前記送信制御手段は、前記無線タグ通信判定手段の判定が肯定される場合には、前記送信信号の送信指向性を制御して前記通信範囲を変更するものである請求項4の無線タグ通信装置。
  6. 前記無線タグからの返信信号を受信するための複数のアンテナ素子と、
    それら複数のアンテナ素子により受信される受信信号それぞれの位相を制御することにより該受信信号の受信指向性を制御する受信制御手段とを、含むものである請求項1から5の何れかの無線タグ通信装置。
  7. 前記送信制御手段は、前記複数のアンテナ素子から送信される送信信号それぞれの振幅を制御し得るものであり、前記受信制御手段は、前記複数のアンテナ素子により受信された受信信号それぞれの振幅を制御し得るものである請求項6の無線タグ通信装置。
  8. 前記無線タグ通信判定手段の判定に係る通信範囲は、前記受信制御手段により制御された前記受信信号の受信指向性に基づいて定められるものである請求項6又は7の無線タグ通信装置。
  9. 前記送信制御手段は、前記送信信号の送信指向性が前記受信信号の受信指向性と等しくなるように前記複数のアンテナ素子により送信される送信信号それぞれの位相を制御するものである請求項6から8の何れかの無線タグ通信装置。
  10. 前記受信制御手段は、前記受信信号の受信指向性が前記送信信号の送信指向性と等しくなるように前記複数のアンテナ素子により受信される受信信号それぞれの位相を制御するものである請求項6から8の何れかの無線タグ通信装置。
  11. 前記通信範囲内に存在する前記無線タグの位置を検出する無線タグ位置検出手段を含むものである請求項1から10の何れかの無線タグ通信装置。
  12. 請求項1から11の何れかの無線タグ通信装置を複数台含む無線タグ通信システムであって、それら複数台の無線タグ通信装置にそれぞれ含まれる送信制御手段は、それら無線タグ通信装置相互間で通信範囲が重ならないように同期をとって前記送信信号を送信することを特徴とする無線タグ通信システム。
  13. 前記複数台の無線タグ通信装置にそれぞれ含まれる送信制御手段は、それら無線タグ通信装置相互間で同期をとって異なる送信タイミングで前記送信信号を送信するものである請求項12の無線タグ通信システム。
  14. 前記複数台の無線タグ通信装置にそれぞれ含まれる送信制御手段は、それら無線タグ通信装置相互間で同期をとって前記送信信号の送信指向性を定めるものである請求項12又は13の無線タグ通信システム。
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