JP2005326667A - 画像形成装置 - Google Patents

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秀敏 片柳
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慎一 束村
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正志 齊藤
Toshiki Hayamizu
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Abstract

【課題】 第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても良好な定着画像を得ることができ、しかも、可視画像形成の生産性が十分に高い画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、圧接されて定着ニップ部が形成される2つの定着用回転体および少なくとも1つの加熱源を有し、一面にトナー像が形成された記録材を挟圧しながら搬送して加熱定着処理する定着装置とを具え、定着装置はニップ幅制御手段を有し、ニップ幅制御手段は、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理よりも定着ニップ部の幅を大きくなるよう制御するものであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方法による画像形成装置に関する。
一般に、画像形成装置においては、例えば転写紙などの記録材の一面に形成されたトナー像を当該記録材に定着させるために、当該記録材の一面に接触する一方の定着用回転体と、この一方の定着用回転体と互いに圧接するよう配置された他方の定着用回転体と、加熱源とを具えてなる加熱定着装置が広く用いられている。
このような加熱定着装置を用いた加熱定着処理においては、ある解像度が得られる条件に従って形成されたトナー像が、これよりも低い解像度が得られる条件に従って形成されたトナー像に比して、記録材に対する定着性が低い、という傾向がある。
「解像度」とは、単位面積中において等間隔に形成されている画素点の数に対応するものであり、解像度が高いほど画素点の数が多くて1つの画素点の大きさが小さくなるが、画素点の大きさが小さいほど、トナー粒子が加熱されて溶融したときにトナー粒子同士の結合現象が起こり難くなるために、記録材に対する付着力が小さくなるので、当該記録材に対する定着性が劣る。
然るに、例えば、解像度の程度によらずにいずれのトナー像の加熱定着処理においても定着温度が一定とされる構成の定着装置においては、定着性の低いトナー像にあわせて定着温度を設定した場合には、それよりも定着性の高いトナー像の加熱定着処理において、過剰の熱が記録材に付与されることとなるために、記録材において大きな紙カール現象が発生する。一方、定着性の高いトナー像にあわせて定着温度を設定した場合には、それよりも定着性の低いトナー像の加熱定着処理において、定着に必要な大きさの熱が与えられないために定着不良が発生してしまうおそれがある。
そこで、設定された目標解像度の程度に応じて適切な定着温度状態となるよう、例えば、目標解像度を高く設定したときには、それよりも低く設定された目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理における定着温度よりも高い定着温度状態が得られるよう、定着用回転体の表面温度を制御する構成の装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような装置においては、定着用回転体の熱容量が大きいために熱応答性が低く、このために必要な定着温度に達するまでに長い時間が必要となって可視画像形成の生産性が低いものとなってしまうおそれがある。
特開平8−305192号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても良好な定着画像を得ることができ、しかも、可視画像形成の生産性が十分に高い画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても良好な定着画像を得ることができると共に、形成される可視画像において紙カール現象などの発生が抑止された画像形成装置を提供することにある。
本発明の画像形成装置は、設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、互いに圧接されて定着ニップ部が形成される2つの定着用回転体を有すると共に、少なくとも1つの加熱源を有し、前記トナー像形成装置により一面にトナー像が形成された記録材を、当該2つの定着用回転体により挟圧しながら搬送して当該トナー像を加熱定着処理する定着装置とを具えてなる画像形成装置であって、
前記定着装置は、設定された目標解像度の程度に応じて定着ニップ部の幅を制御するニップ幅制御手段を有し、
ニップ幅制御手段は、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理よりも定着ニップ部の幅を大きくなるよう制御するものであることを特徴とする。
この画像形成装置においては、2つの定着用回転体が共にロールよりなり、かつ少なくとも1つのロールは弾性層を有するものであり、ニップ幅制御手段が、2つの定着用回転体の圧接力を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール間圧接力調整機構からなる構成とすることができる。
また、この画像形成装置においては、2つの定着用回転体が共にロールよりなり、かつ少なくとも1つのロールは弾性層を有するものであり、ニップ幅制御手段が、2つの定着用回転体の中心間の距離を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール間距離調整機構からなる構成とすることができる。
以上のような構成を有する画像形成装置においては、2つの定着用回転体のうち、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体が、弾性層を有するものであることが好ましい。
また、この画像形成装置においては、2つの定着用回転体のうち一方がロールよりなると共に他方が無端状のベルトよりなり、ニップ幅制御手段が、2つの定着用回転体の圧接力を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール−ベルト間圧接力調整機構からなる構成とすることができる。
さらに、この画像形成装置においては、2つの定着用回転体のうち一方がロールよりなると共に、他方が、少なくとも1つの支持ロール、と前記一方の定着用回転体を構成するロールに対して離接する方向に移動可能な位置制御ロールとこれらの支持ロールおよび位置制御ロールとに懸架された無端状のベルトとよりなり、ニップ幅制御手段が、一方の定着用回転体および位置制御ロールの中心間の距離を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール−ベルト接触幅調整機構からなる構成とすることができる。
本発明の画像形成装置は、設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、互いに圧接されて定着ニップ部が形成される2つの定着用回転体を有すると共に、少なくとも1つの加熱源を有し、前記トナー像形成装置により一面にトナー像が形成された記録材を、当該2つの定着用回転体により挟圧しながら搬送して当該トナー像を加熱定着処理する定着装置とを具えてなる画像形成装置であって、
前記定着装置は、設定された目標解像度の程度に応じて2つの定着用回転体の圧接力を制御する圧接力制御手段を有し、
圧接力制御手段は、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理よりも圧接力を大きくなるよう制御するものであることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、互いに圧接されて定着ニップ部が形成された2つの定着用回転体を有すると共に、2つの定着用回転体の両方に対して設けられた少なくとも2つの加熱源を有し、前記トナー像形成装置により一面にトナー像が形成された記録材を、当該2つの定着用回転体により挟圧しながら搬送して当該トナー像を加熱定着処理する定着装置とを具えてなる画像形成装置であって、
前記定着装置は、設定された目標解像度の程度に応じて2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度を制御する温度制御手段を有し、
温度制御手段は、
第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面温度をT1、
第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面温度をT2、
第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面温度と他方の定着用回転体の表面温度との温度差をΔT1、
第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面温度と他方の定着用回転体の表面温度との温度差をΔT2
とするとき、下記式(1)および下記式(2)が共に成立するよう2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度を制御するものであることを特徴とする。
式(1):T1<T2
式(2):ΔT1>ΔT2
この画像形成装置においては、2つの定着用回転体が共に無端状のベルトよりなる構成とすることができる。
また、この画像形成装置においては、2つの定着用回転体のうち少なくとも1つの定着用回転体に冷却装置が設けられていることが好ましい。
上記の画像形成装置においては、2つの定着用回転体のうち、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面に、フッ素樹脂により形成された被覆層が設けられていることが好ましい。
また、上記の画像形成装置においては、2つの定着用回転体のうち、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体が、弾性層を有するものであることが好ましい。
本発明の画像形成装置には、設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、互いに圧接されて定着ニップ部が形成される2つの定着用回転体を有すると共に、少なくとも1つの加熱源を有し、前記トナー像形成装置により一面にトナー像が形成された記録材を、当該2つの定着用回転体により挟圧しながら搬送して当該トナー像を加熱定着処理する定着装置とを具えてなる画像形成装置であって、
前記定着装置は、設定された目標解像度の程度に応じて、加熱源を駆動するための投入電力の大きさを制御する投入電力制御手段を有し、
投入電力制御手段は、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において加熱源を駆動するための投入電力をW1、第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において加熱源を駆動するための投入電力をW2としたときに、W1<W2となるように投入電力を制御するものであることを特徴とする。
本発明の画像形成装置においては、より高い目標解像度に従って形成されたトナー像ほど、定着ニップ部の幅を大きくなるよう制御する構成であるので、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても定着ニップ部の幅が適正に制御されるために良好な定着結果が得られて常に良好な定着画像を得ることができ、しかも、その定着ニップ部の幅の大きさの変更を迅速に達成することができるために、可視画像形成の生産性が十分に高いものとなる。
また、本発明の画像形成装置においては、より高い解像度に従って形成されたトナー像ほど、加熱定着処理において圧接力を大きくなるよう制御する構成であるので、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても圧接力が適正に制御されるために良好な定着結果が得られて常に良好な定着画像を得ることができ、しかも、その圧接力の変更を迅速に達成することができるために、可視画像形成の生産性が十分に高いものとなる。
また、本発明の画像形成装置においては、より高い目標解像度に従って形成されたトナー像ほど、加熱定着処理において一方の定着用回転体の表面温度を大きくなるよう制御し、かつ2つの定着用回転体の表面温度差を小さくなるよう制御するので、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても一方の定着用回転体および他方の定着用回転体における表面温度が適正に制御されるために良好な定着結果が得られて常に良好な定着画像を得ることができると共に、例えば制御されるべき一方の定着用回転体の表面温度が高温であっても、2つの定着用回転体の表面温度差が小さく制御されるために、紙カール現象などの発生が抑止される。
さらに、本発明の画像形成装置によれば、より高い目標解像度に従って形成されるトナー像ほど加熱定着処理において加熱源を駆動するための投入電力をより大きくなるよう制御する構成であるので、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても、加熱定着処理において加熱源が適正な大きさの投入電力によって駆動されて一方の定着用回転体においてそ表面温度が適正に変更されるために良好な定着結果が得られて常に良好な定着画像を得ることができ、さらに、その表面温度は、当該表面温度を得るために加熱源を駆動するための投入電力が常に同じ大きさである場合に比して、迅速に変更することができるために、可視画像形成の生産性が十分に高いものとなる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この例の画像形成装置は、給送された原稿Gを光学的に走査して原稿画像を読み取って画像データを形成する画像読み取り部1A、この画像読み取り部1Aにおいて形成された画像データに対して、濃度処理、フィルタ処理、変倍処理などの各種の画像処理を行う画像処理部1B、および画像処理部1Bにおいて画像処理された処理済み画像データを記憶する画像記憶部1Cよりなるデジタル画像データ取得装置1と、このデジタル画像データ取得装置1よりのデジタル画像データに基づいて、記録材P(図2参照)の一面にトナー像を形成するトナー像形成装置2と、当該トナー像を記録材Pに加熱定着する定着装置3とを有してなるものである。
図1において、103は、可視画像の形成が完了した記録材Pを排出する排出口、102は、作業者が画像形成を行う際に、後述するトナー像形成装置2により形成されるトナー像における目標解像度などの基本的な条件を入力する操作部、また、104、105、106、107は、記録材Pを各サイズ毎にストックするための記録材収容カセットである。
デジタル画像データ取得装置1は、画像読み取り部1A、画像処理部1Bおよび画像記憶部1Cよりなり、画像読み取り部1Aは、プラテンガラス122上に自動原稿送り器100により給送された、あるいは作業者により直接載置された原稿Gの読み取りを行うものであり、プラテンガラス122上に配置された原稿Gに光を照射する光源123と、原稿Gからの反射光を受ける反射ミラー124、125、126と、当該反射ミラー124、125、126による反射光を受光する結像光学系127と、当該結像光学系127と水平方向に光軸が一致した状態で配置されるCCDラインセンサ128からなる受光光学系とにより構成されている。
トナー像形成装置2は、静電潜像が形成される、例えば有機感光層がその表面に形成されてなるドラム状の感光体10と、この感光体10を帯電させるための帯電器11と、後述する露光系12と、感光体10に形成された静電潜像を顕像化してトナー像を形成する現像器13と、感光体10に形成されたトナー像を記録材Pに転写させる転写器14と、感光体10に密着した状態の記録材Pを当該感光体10から分離させる分離器15とを具えてなるものである。図1において、16はクリーニング器である。
この画像形成装置がカラー画像の形成に用いられる場合には、現像器13は4つ設けられ、それぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンのカラートナーによる現像が行われる。
このトナー像形成装置2においては、作業者が操作部102において目標解像度の設定を行うことにより、例えば、400dpi、600dpiおよび1200dpiの3種類から選ばれる解像度となる条件に従ってトナー像を形成することが可能である。
露光系12は、デジタル画像データ取得装置1によって形成されたデジタル画像データに応じて、レーザー光を放射する、例えばレーザーダイオードよりなるレーザー放射装置(図示せず)と、当該レーザー放射装置から放射されるレーザー光を反射するポリゴンミラー131と、当該ポリゴンミラー131からの光を反射してトナー像形成装置2の感光体10に投射する反射ミラー132、133、134とにより構成されており、デジタル画像データ取得装置1の画像記憶部1Cよりのデジタル画像データに基づいて、感光体10上に光像を照射することにより、設定された目標解像度の程度に応じた静電潜像を形成させる機能を有する。
図2は、本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
画像形成装置を構成する定着装置3は、図2に示されるように、2つの定着用回転体が共にロールよりなる、未定着トナー像が形成された記録材Pの一面に接する上定着用回転体20、および記録材Pの他面に接する下定着用回転体30を有する。
このような上定着用回転体20と下定着用回転体30とが互いに圧接されることにより定着ニップ部Nが形成され、上定着用回転体20と下定着用回転体30とにより記録材Pが挟圧されながら搬送されると、この定着ニップ部Nにおいて、加熱源HLaによって加熱された定着用回転体の熱が記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像が熱定着されることによって加熱定着処理が行われる。
上定着用回転体20は、例えば、アルミニウム、鉄および銅より選択された金属あるいはそれらの合金から構成される円筒状の芯金21の表面に、フッ素樹脂からなる被覆層23が形成されてなり、例えばハロゲンランプよりなる加熱源HLaが芯金21内に配置されて構成されている。この上定着用回転体20の外径は例えば25〜70mmの範囲である。
上定着用回転体20の被覆層23を構成する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂などの離型性樹脂が挙げられる。
このような被覆層23は、例えば厚さ15〜50μmのフッ素樹脂製チューブを芯金21に被覆すること、フッ素樹脂塗料を厚さ15〜50μmに塗布することなどの方法によって形成することができる。
この被覆層23が上定着用回転体20の表面に設けられていることにより、当該上定着用回転体20のトナーとの離型性を良好なものとすることができる。
一方、定着装置3を構成する下定着用回転体30は、例えば円筒状の芯金31の表面にゴム弾性体よりなる弾性層32が形成されており、下定着用回転体30の外径は、例えば上定着用回転体20の外径と同程度の大きさとされる。
下定着用回転体30の弾性層32を構成するゴム弾性体としては、例えばシリコーンゴム、発泡シリコンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。この弾性層32の厚みは3〜6mmとされる。
また、弾性層32の表面上において、必要に応じて、例えば前述の上定着用回転体20における被覆層23と同様の材料を用いて同様の方法によって被覆層33を設けることができる。
このような下定着用回転体30の硬度は、アスカーC硬度で50〜80°の範囲であることが好ましい。
ここで、「アスカーC硬度」とは、高分子計器株式会社製のアスカーC型硬度計を用いて荷重9.8Nで測定されるものである。
この下定着用回転体30は、上定着用回転体20と同様に、加熱源HLaを内蔵している構成とすることもできる。この定着装置3においては、上定着用回転体20および下定着用回転体30のうち、少なくともいずれか一方の定着用回転体において加熱源HLaが設けられていればよい。
以上のような定着装置においては、記録材Pにおけるトナー像が形成された一面に接する上定着用回転体20に、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの弾性体材料よりなる弾性層が設けられていてもよい。弾性層を設けることにより、画像の光沢均一性を向上させることができる。また、カラー画像に対しても対応できるようになる。
以上のような定着装置3を有する画像形成装置においては、図示されないニップ幅制御手段が設けられている。
このニップ幅制御手段は、目標解像度の程度に応じて、例えば、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理よりも定着ニップ部Nの幅を大きくなるよう制御する構成とされている。
具体的には、このニップ幅制御手段は、上定着用回転体20と下定着用回転体30との圧接力を調整することにより定着ニップ部Nの幅を制御するロール間圧接力調整機構からなり、このロール間圧接力調整機構においては、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、上定着用回転体20と下定着用回転体30との圧接力が、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理における圧接力より大きいものとなるよう調整され、これにより定着ニップ部Nの幅が第1目標解像度に係るものより大きくなるよう制御される。
以上において、ロール間圧接力調整機構としては、圧接力の調整により定着ニップ部Nの幅が制御できる構成であればその機械的構成は限定されず、従来公知の種々の押圧装置などを用いることができる。
以上のような画像形成装置の動作を説明する。
まず、操作部102において、目標解像度、複写枚数、拡大率または縮小率、記録材のサイズなどの条件の選択および設定、並びにコピー開始などの一連の指令操作を行うことにより、操作部102からの信号が、画像形成装置の各部を制御する、図示しない中央処理装置(以下、「CPU」という。)に伝達される。
CPUからの信号は、デジタル画像データ取得装置1の画像読み取り部1Aに伝達され、プラテンガラス122上に、自動原稿送り器100により給送された、あるいは作業者により直接載置された原稿Gの、可視画像が形成されている面(原稿面)が画像読み取り部1Aにより読み取られる。具体的に説明すると、図示しない受光光学系駆動手段によって光源123および反射ミラー124が一体に駆動され、プラテンガラス122に沿って走査することにより原稿面が照射され、その反射光が反射ミラー124、125、126により反射伝達された原稿G上の可視画像に対応する光学像が、結像光学系127により収束され、CCDラインセンサ128の受光面に光学像が結像されて、このCCDラインセンサ128により、設定された目標解像度と同じ大きさの解像度においてこの光学像が順次に電気信号に光電変換され、これにより、デジタル画像データが得られる。
このデジタル画像データは、画像処理部1Bに送られ、濃度変換、倍率変換などの各種の画像処理が施さた後、画像記憶部1Cに記録される。その後、画像記憶部1Cに書き込まれたデジタル画像データは、トナー像形成装置2の露光系12に出力される。
そして、画像記憶部1Cによって記録されたデジタル画像データに基づいて、露光系12内のレーザーダイオードからレーザー光が放射されて、ポリゴンミラー131および反射ミラー132、133、134により反射され、あらかじめ帯電器11により帯電された感光体10に投射されて静電潜像が形成される。更に、この感光体10に形成された静電潜像が現像器13により現像されることにより、感光体10の表面にトナー像が形成される。
そして、感光体10の表面に形成されたトナー像は、転写器14において、記録材のサイズの選択に従って対応する記録材収容カセット104〜107から搬送された記録材Pに転写される。そして、トナー像の転写直後に、感光体10に密着した状態にある記録材Pは分離器15において感光体10から分離される。感光体10から分離した記録材Pは、定着装置3の上定着用回転体20と下定着用回転体30とにより挟圧されながら搬送されて、後述するように定着ニップ部Nにおいてトナー像が熱と圧力とによって加熱定着処理され、記録材Pに原稿画像に対応した可視画像が形成される。
また、記録材Pが分離された後の感光体10は、クリーニング器16を通過することにより、表面にトナーが残留している場合には残留トナーが除去され、これにより繰り返し画像形成に供することができる。
可視画像が形成された記録材Pは、定着装置3から排出された後、排出口103から画像形成装置の外部に排出される。
以上においては、一の原稿および一の記録材Pに着目して画像形成装置の動作の説明をしたが、自動原稿送り器100により原稿が順次に供給されるときは、複数の原稿について、画像読み取り部1Aによる原稿画像の読み取り、得られたデジタル画像データによる感光体10への静電潜像の形成およびその顕像化、現像器13により形成されたトナー像の記録材Pへの転写およびその加熱定着処理が繰り返して行われて、その結果、可視画像が形成された複数の記録材Pが順次に、例えば時間的に等間隔に排出口103から外部に排出される。
そして、この画像形成装置の定着装置3においては、ロール間圧接力調整機構よりなるニップ幅制御手段によって、設定された目標解像度の程度に応じて定着ニップ部Nの幅が制御される。
具体的には、例えば目標解像度の程度が比較的低い第1目標解像度であった場合に、ロール間圧接力調整機構により上定着用回転体20と下定着用回転体30との圧接力がある大きさF1に調整され、目標解像度の程度が第1目標解像度よりも解像度の高い第2目標解像度であった場合には、上定着用回転体20と下定着用回転体30との圧接力が、第1目標解像度に係る大きさF1よりも大きい大きさF2になるよう調整されることにより、定着ニップ部Nの幅が大きくなる。
これにより、高い解像度の第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理においても、トナー像を形成するトナー粒子が溶融したときにトナー粒子同士の結合現象が十分確実に起こり、その結果、記録材Pに対して確実に定着することとなる。
このような画像形成装置によれば、より高い目標解像度に従って形成されたトナー像ほど、定着ニップ部Nの幅を大きくなるよう制御する構成であるので、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても定着ニップ部Nの幅が適正に制御されるために良好な定着結果が得られて常に良好な定着画像を得ることができ、しかも、その定着ニップ部Nの幅の大きさの変更を迅速に達成することができるために、可視画像形成の生産性が十分に高いものとなる。
<第2の実施の形態>
この例の画像形成装置においては、ニップ幅制御手段として、ロール間圧接力調整機構の代わりに、上定着用回転体20と下定着用回転体30との中心間の距離r1 を調整することにより定着ニップ部Nの幅の大きさを制御するロール間距離調整機構(図示せず)が具えられている他は第1の実施の形態と同様の構成を有するものとされている。
このような画像形成装置の定着装置3においては、ロール間距離調整機構よりなるニップ幅制御手段によって、設定された目標解像度の程度に応じて定着ニップ部Nの幅が制御される。
具体的には、例えば目標解像度の程度が比較的低い第1目標解像度であった場合に、ロール間距離調整機構により上定着用回転体20と下定着用回転体30との中心間の距離r1 がある大きさR1に調整され、目標解像度の程度が第1目標解像度よりも解像度の高い第2目標解像度であった場合には、上定着用回転体20と下定着用回転体30との中心間の距離r1 が、第1目標解像度に係る大きさR1よりも小さい大きさR2になるよう調整されることにより、定着ニップ部Nの幅が大きく制御される。
ロール間距離調整機構としては、2つの定着用回転体の中心間の距離の調整により定着ニップ部Nの幅が制御できる構成であればその機械的構成は特に限定されず、例えば、従来公知の種々の押圧装置で上定着用回転体20と下定着用回転体30とを互いに押圧する構成のものを使用することができる。
この例の画像形成装置においては、第1の実施の形態におけるものと同様の作用、効果が得られる。
<第3の実施の形態>
この例の画像形成装置においては、定着装置における下定着用回転体が、図3に示されるように、無端状のベルトよりなるものとされており、ニップ幅制御手段として、ロール間圧接力調整機構の代わりに、上定着用回転体40と下定着用回転体50との圧接力を調整することにより定着ニップ部Nの幅の大きさを制御するロール−ベルト間圧接力調整機構(図示せず)が具えられている他は第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
この定着装置4は、内部に例えばハロゲンヒータランプよりなる加熱源を有する加熱ロールよりなる上定着用回転体40、この上定着用回転体40と平行に伸びるよう設けられた支持ロール55、56、57、この支持ロール55、56、57に懸架された無端状の定着ベルト54、および当該定着ベルト54を介して上定着用回転体40を押圧する圧接用ゴムパッド51よりなる下定着用回転体50とを有してなる。
また、定着装置4には、上定着用回転体40の温度を検知するための温度検知手段44が当該上定着用回転体40の表面に当接または近接した状態で設けられている。
上定着用回転体40は、金属よりなる芯金41と、この芯金41の表面に形成された被覆層42とにより構成されている。
芯金41を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅などの金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
被覆層42は、例えばフッ素樹脂により形成され、その具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)などのフッ素樹脂などを挙げることができる。
支持ロール55、56、57は、金属により構成されており、このような金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅などの金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。支持ロール55、56、57においては、定着ベルト54のベルト走行安定性などのために、その表面がフッ素樹脂などによってコーティングされていてもよい。
定着ベルト54としては、無端状のベルト基材の表面に弾性層を介して被覆層が形成されてなるものを好適に用いることができる。
ベルト基材を構成する材料としては、ニッケルなどの金属材料、ポリイミドなどの樹脂材料を用いることができる。また、ベルト基材の厚みは、金属材料により形成する場合には、例えば40〜60μm、樹脂材料により構成する場合には、例えば50〜90μmである。
弾性層を構成する材料としては、例えばシリコーンゴムなどを用いることができる。また、弾性層の厚みは、例えば150〜250μmである。
被覆層を構成する材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)などのフッ素樹脂を用いることができる。また、被覆層の厚みは、例えば20〜50μmである。
圧接用ゴムパッド51は、例えばシリコーンゴムなどの材料により構成されており、このゴム硬度はJIS A硬度で5〜30°である。
圧接用ゴムパッド51は、剛体よりなるコの字型の支持ホルダー52に固定されており、当該支持ホルダー52と上定着用回転体40との間で所定の圧接力がかかる構成になっている。
以上のような定着装置においては、記録材Pにおけるトナー像が形成された一面に接する上定着用回転体40に弾性体材料よりなる弾性層が設けられていてもよい。
そして、このような画像形成装置の定着装置4においては、ロール−ベルト間圧接力調整機構よりなるニップ幅制御手段によって、設定された目標解像度の程度に応じて定着ニップ部Nの幅が制御される。
具体的には、例えば目標解像度の程度が比較的低い第1目標解像度であった場合に、ロール−ベルト間圧接力調整機構により上定着用回転体40と圧接用ゴムパッド51との圧接力がある大きさF3に調整され(図3(イ)参照)、目標解像度の程度が第1目標解像度よりも解像度の高い第2目標解像度であった場合には、上定着用回転体40と圧接用ゴムパッド51との圧接力が、第1目標解像度に係る大きさF3よりも大きい大きさF4になるよう調整される(図3(ロ)参照)ことにより、定着ニップ部の幅が大きく制御される。
ロール−ベルト間圧接力調整機構としては、圧接力の調整により定着ニップ部Nの幅が制御できる構成であればその機械的構成は特に限定されず、例えば、従来公知の種々の押圧装置で上定着用回転体40と下定着用回転体50の圧接用ゴムパッド51とを互いに押圧する構成のものを使用することができる。
この例の画像形成装置においては、第1の実施の形態におけるものと同様の作用、効果が得られる。
<第4の実施の形態>
この例の画像形成装置においては、定着装置における下定着用回転体が、図4に示されるように、無端状のベルトよりなるものであり、ニップ幅制御手段として、ロール間圧接力調整機構の代わりに、上定着用回転体60と、後述する下定着用回転体70の位置制御ロール72との中心間の距離r2 を調整することにより定着ニップ部Nの幅の大きさを制御するロール−ベルト接触幅調整機構(図示せず)が具えられている他は、第1の実施の形態と同様の構成を有するものとされている。
この画像形成装置に係る定着装置5は、図4に示されるように、内部に例えばハロゲンヒータランプよりなる加熱源HLaを有する加熱ロールよりなる上定着用回転体60、この上定着用回転体60と平行に伸びるよう設けられた支持ロール75、76、矢印xで示すように上定着用回転体60に対して離接する方向に移動自在に設けられた位置制御ロール72、およびこの位置制御ロール72、前記支持ロール75、76に懸架された無端状の定着ベルト74よりなる下定着用回転体70とを有してなる。
また、定着装置5には、上定着用回転体60の温度を検知するための温度検知手段64が当該上定着用回転体60の表面に当接または近接した状態で設けられている。
上定着用回転体60、下定着用回転体70の支持ロール75、76および下定着用回転体の定着ベルト74は、それぞれ、図3に示された定着装置4における上定着用回転体40、下定着用回転体50の支持ロール55、56、57および下定着用回転体50の定着ベルト54と同様の構成とされている。
以上のような定着装置においては、記録材Pにおけるトナー像が形成された一面に接する上定着用回転体60に弾性体材料よりなる弾性層が設けられていてもよい。
このような画像形成装置の定着装置5においては、ロール−ベルト接触幅調整機構よりなるニップ幅制御手段によって、設定された目標解像度の程度に応じて定着ニップ部Nの幅が制御される。
具体的には、例えば目標解像度の程度が比較的低い第1目標解像度であった場合に、ロール−ベルト接触幅調整機構により上定着用回転体60と下定着用回転体70の位置制御ロール72との中心間の距離r2 がある大きさR3に調整され、目標解像度の程度が第1目標解像度よりも解像度の高い第2目標解像度であった場合には、上定着用回転体60と位置制御ロール72との中心間の距離r2 が、第1目標解像度に係る大きさR3よりも小さい大きさR4になるよう調整されることにより、定着ベルト74と上定着用回転体60とが接触する幅が大きくなり、この結果、定着ニップ部Nの幅が大きく制御される。
ロール−ベルト接触幅調整機構としては、上定着用回転体と下定着用回転体の位置制御ロールとの中心間の距離の調整により定着ニップ部Nの幅が制御できる構成であればその機械的構成は特に限定されず、例えば、従来公知の種々の移動装置を用いて、下定着用回転体70の位置制御ロール72を図4における矢印xの方向に、上定着用回転体60に対して離接するよう移動させることができる構成のものとすることができる。
この実施の形態においては、図4における72を位置制御ロールとして用いたが、図の75を位置制御ロールとして用いてもよい。また、定着ニップ部Nの一部における下定着用回転体70の内側に、図3における51で示されるようなゴムパッドを接触させる構成としてもよい。
この例の画像形成装置においては、第1の実施の形態におけるものと同様の作用、効果が得られる。
<第5の実施の形態>
この例の画像形成装置は、解像度の程度によらずに良好な定着結果を得るための手段として、図示しない圧接力制御手段が設けられており、さらに、定着装置3において、定着ニップ部Nの幅が圧接力の変更によってほとんど変化しない条件であることの他は、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
圧接力制御手段は、設定された目標解像度の程度に応じて2つの定着用回転体の圧接力を制御するものであり、具体的には、例えば目標解像度の程度が比較的低い第1目標解像度であった場合に、上定着用回転体20と下定着用回転体30との圧接力がある大きさF5に調整され、目標解像度の程度が第1目標解像度よりも解像度の高い第2目標解像度であった場合には、上定着用回転体20と下定着用回転体30との圧接力が、第1目標解像度に係る大きさF5よりも大きい大きさF6になるよう制御される。
圧接力制御手段としては、2つの定着用回転体の圧接力が制御できる構成であればその機械的構成は限定されず、従来公知の種々の押圧装置などを用いることができる。
このような画像形成装置によれば、より高い解像度に従って形成されたトナー像ほど、加熱定着処理において圧接力を大きくなるよう制御する構成であるので、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても圧接力が適正に制御されるために良好な定着結果が得られて常に良好な定着画像を得ることができ、しかも、その圧接力の変更を迅速に達成することができるために、解像度を変更して定着画像を出力する際の待ち時間が小さいものとなる。
<第6の実施の形態>
この例の画像形成装置においては、ニップ幅制御手段が設けられておらず、定着装置が後述する構成を有すると共に、2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度を制御する図示しない温度制御手段が設けられている他は、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
この画像形成装置に設けられた定着装置6は、図5に示されているように、共に無端状のベルトよりなる上定着用回転体80および下定着用回転体90を有している。
上定着用回転体80は、内部に例えばハロゲンヒータランプよりなる加熱源HLaを有する加熱ロール81、この加熱ロール81と平行に伸びるよう設けられた支持ロール83、および加熱ロール81および支持ロール83に懸架された無端状の定着ベルト84である。
また、下定着用回転体90は、内部に例えばハロゲンヒータランプよりなる加熱源HLaを有する加熱ロール91、この加熱ロール91と平行に伸びるよう設けられた支持ロール93、および加熱ロール91および支持ロール93に懸架された無端状の定着ベルト94である。
定着ベルト84、94を介して支持ロール83に、支持ロール93が圧接するよう設けらており、これにより、当該定着ベルト84、94の間に定着ニップ部Nが形成されている。
また、定着装置6には、定着ベルト84の温度を検知するための温度検知手段85が当該定着ベルト84の表面に当接または近接した状態で設けられており、定着ベルト94の温度を検知するための温度検知手段95が、当該定着ベルト94の表面に当接または近接した状態で設けられている。
加熱ロール81は、搬送される記録材の幅方向に伸びる金属製の円筒体により形成されている。加熱ロール81の外径は、例えば20〜60mmとされ、加熱ロール81を形成する円筒体の肉厚は、例えば0.5〜3mmとされる。加熱ロール81を形成する円筒体を構成する金属としては、特に限定されず種々のものを用いることができ、その具体例としては、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金を挙げることができる。加熱ロール81においては、定着ベルト84のベルト走行安定性などのために、その表面がフッ素樹脂などによってコーティングされていてもよい。
支持ロール83は、金属よりなる芯金83Aと、この芯金83Aの表面に形成された弾性層83Bとにより構成されている。
芯金83Aを構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅などの金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
弾性層83Bを構成する材料としては例えばシリコーンゴムなどの弾性体を用いることができ、低熱伝導性のものであることが好ましく、シリコーンスポンジゴムなどを用いることが特に好ましい。この弾性層83Bの厚みは、例えば3〜8mmとされる。
定着ベルト84としては、無端状のベルト基材の表面に弾性層を介して被覆層が形成されてなるものを好適に用いることができる。
ベルト基材を構成する材料としては、ニッケルなどの金属材料、ポリイミドなどの樹脂材料を用いることができる。また、ベルト基材の厚みは、金属材料により形成する場合には、例えば40〜60μm、樹脂材料により構成する場合には、例えば50〜90μmである。
弾性層を構成する材料としては、例えばシリコーンゴムなどの弾性体材料を用いることができる。また、弾性層の厚みは、例えば150〜250μmである。
被覆層を構成する材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)などのフッ素樹脂を用いることができる。また、被覆層の厚みは、例えば20〜50μmである。
下定着用回転体90における加熱ロール91、支持ロール93および定着ベルト94は、それぞれ、上定着用回転体80における加熱ロール81、支持ロール83および定着ベルト84と同様の構成を有する。
温度制御手段は、前述の加熱源HLaと冷却装置86、96とにより構成されており、冷却装置86、96は、定着ベルト84、94の温度を降下させる機能を有し、定着ベルト84、94のそれぞれに近接して設けられている。
この冷却装置としては、目的を達することができればその機械的構成は特に限定されず、ファンなど従来公知の種々の装置を用いることができる。
このような温度制御手段は、設定される目標解像度の程度に応じて、加熱源HLa、HLaにより加熱すること、あるいは、冷却装置86、96により冷却することによって、上定着用回転体80である定着ベルト84および下定着用回転体90である定着ベルト94のそれぞれの表面温度を制御するものである。
具体的には、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材Pにおけるトナー像が形成された一面に接する上定着用回転体80の表面温度をT1(℃)、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材Pにおけるトナー像が形成された一面に接する上定着用回転体80の表面温度をT2(℃)、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材Pにおけるトナー像が形成された一面に接する上定着用回転体80の表面温度と下定着用回転体90の表面温度との温度差をΔT1(℃)、第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する上定着用回転体80の表面温度と下定着用回転体90の表面温度との温度差をΔT2(℃)とするとき、下記式(1)および下記式(2)が共に成立するよう2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度を制御するものである。
式(1):T1<T2
式(2):ΔT1>ΔT2
このような画像形成装置によれば、より高い目標解像度に従って形成されたトナー像ほど、加熱定着処理において定着用回転体の表面温度を大きくなるよう制御し、かつ2つの定着用回転体の温度差を小さくなるよう制御するので、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても、上定着用回転体80における表面温度および下定着用回転体90における表面温度が適正に制御されるために良好な定着結果が得られて常に良好な定着画像を得ることができると共に、例えば制御されるべき上定着用回転体80の表面温度が高温であっても、上定着用回転体80と下定着用回転体90との表面温度差が小さく制御されるために、紙カール現象などの発生が抑止される。特に、高湿環境下における含水率の高い紙を用いて、高解像度の定着画像を得る場合に、定着性を確保しながら紙カール現象の発生の増加が抑制される。
さらに、冷却装置86、96を使用することにより、特に高解像度から低解像度に画像出力を変更する場合の待ち時間が小さいものとなる。
<第7の実施の形態>
この例の画像形成装置としては、下定着用回転体の内部に加熱源が設けられておらず、また、ニップ幅制御手段が設けられておらず、さらに、加熱定着処理において加熱源を駆動するための投入電力の大きさを制御する投入電力制御手段が設けられている他は、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
投入電力制御手段は、波数制御や位相制御を行うことにより加熱源が駆動される際の実効電力を制御するものであり、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理における実効電力をW1、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理における実効電力をW2としたときに、W1<W2となるように制御するものである。
このような制御を行うことにより、第2目標解像度を設定した場合に、連続画像形成時の上定着用回転体の表面温度低下をより抑制することができ、得られる定着画像について定着性が確保されるようになる。
また、投入電力を制御することと同時に、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理における上定着用回転体の表面温度をT1(℃)、第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理における上定着用回転体の表面温度をT2(℃)となるように、加熱源が駆動状態もしくは非駆動状態になるよう制御したときに、T1<T2となるように制御することができ、これにより、第2目標解像度を設定した場合に、連続画像形成時の上定着用回転体の表面温度をより高く維持することができ、得られる定着画像について定着性が確保されるようになる。
また、第1目標解像度の温度設定状態から、第2目標解像度の温度設定状態へ移行する際に、加熱源を駆動して表面温度をより迅速に上昇させることができて、待ち時間が小さいものとなる。
このような画像形成装置によれば、より高い目標解像度に従って形成されるトナー像ほど加熱定着処理において加熱源を駆動するための投入電力をより大きくなるよう制御する構成であるので、第1目標解像度および第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像のいずれに対しても、加熱定着処理において加熱源が適正な大きさの投入電力によって駆動されて一方の定着用回転体においてその表面温度が適正に変更されて維持されるために良好な定着結果が得られて常に良好な定着画像を得ることができ、さらに、その表面温度の変更を、当該表面温度を得るために加熱源を駆動するための投入電力が常に同じ大きさである場合に比して、迅速に達成することができるために、可視画像形成の生産性が十分に高いものとなる。
以下に、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
<実施例1>
図1に示される構成からなり、詳細が下記に示される画像形成装置において実写テストを行った。
感光体としては、外径が80mmであるアルミニウム製のドラム状金属基体の外周面に、厚みが25μmの感光層が形成されてなる負帯電特性を有するものを用い、その線速を320mm/secに設定した。
帯電器としては、正放電特性を有し帯電電圧が−750Vであるスコロトロン帯電器を用い、露光系としては、標準出力が490μWである半導体レーザ照射装置を有するものを用いた。現像器としては、現像バイアスが−600Vである接触式現像器よりなるものを用い、トナーとしては、ワックスが含有された負帯電トナーを用いた。
転写器としては、正放電特性を有するコロトロン帯電器よりなるもの、分離器としては、負放電特性を有するコロトロン帯電器よりなるものを用いた。
定着装置としては、図2に示されるように、上定着用回転体である加熱ロールと下定着用回転体である加圧ロールとにより構成されるものを用い、加熱ロールは、外径が50mm、厚さが6mmのアルミニウムからなる芯金の外周面に厚さが20μmのPFA樹脂がコーティングされることにより被覆層が形成されたものを用い、加圧ロールとしては、外径が40mm、厚さが2mmの炭素鋼管(STKM)からなる芯金の外周面に形成された厚さが5mmのシリコーンゴムからなる弾性層の外周面にPFA樹脂がコーティングされることにより被覆層が形成されたものを用いた。
加熱ロールの芯金の内部に設けられた加熱源としては、ハロゲンヒータランプを用い、加熱ロールの表面温度を190℃に設定した。
加圧ロールの硬度は、アスカーC硬度で65°に設定した。
この画像形成装置には、上定着用回転体および下定着用回転体の圧接力を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール間圧接力調整機構からなるニップ幅制御手段を設けた。そして、設定される目標解像度が600dpiのとき、圧接力がF1、定着ニップ部の幅がaとなり、設定される目標解像度が1200dpiのとき、圧接力がF2、定着ニップ部の幅がbとなるように設定した。
ただし、F1(15N/cm)<F2(19N/cm)、a(7mm)<b(9mm)である。
以上の構成を有する画像形成装置において、記録材としてA4の普通紙を用い、黒化率30%の文字原稿を、目標解像度を600dpiおよび1200dpiに設定してそれぞれ画像形成動作により1000枚連続で形成させる実写テストを行った。
<実施例2>
定着装置が以下に示す構成を有し、ニップ幅制御手段がロール−ベルト間圧接力調整機構からなる以外は、実施例1と同様の画像形成装置を用いて、実施例1と同様にして実写テストを行った。
定着装置としては、図3に示されるように、上定着用回転体である加熱ロールと、3本の支持ロール、これらの支持ロールに懸架された無端状の定着ベルトおよび定着ベルトを介して上定着用回転体に押圧するシリコーンゴムにより形成された圧接用ゴムパッドよりなる下定着用回転体とにより構成されるものを用い、加熱ロールは、外径が50mm、厚さが6mmのアルミニウムからなる芯金の外周面に厚さが20μmのPFA樹脂がコーティングされることにより被覆層が形成されたものを用い、下定着用回転体の定着ベルトとしては、外径65mm、厚さが90μmのポリイミドよりなるベルト基材の表面にシリコーンゴムよりなる厚さ0.2mmの弾性層を介して、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)よりなる厚さ30μmの被覆層が形成されたものを用いた。
加熱ロールの芯金の内部に設けられた加熱源としては、ハロゲンヒータランプを用い、加熱ロールの表面温度を190℃に設定した。
圧接用ゴムパッドの硬度は、JIS A硬度で20°に設定した。
ロール−ベルト間圧接力調整機構においては、設定される目標解像度が600dpiのとき、圧接力がF3、定着ニップ部の幅がcとなり、設定される目標解像度が1200dpiのとき、圧接力がF4、定着ニップ部の幅がdとなるように設定した。
ただし、F3(19N/cm)<F4(24N/cm)、c(7mm)<d(9mm)である。
<実施例3>
ニップ幅制御手段がロール間距離調整機構からなる以外は、実施例1と同様の画像形成装置を用いて、実施例1と同様にして実写テストを行った。
ロール間距離調整機構においては、設定される目標解像度が600dpiのとき、2つの定着用回転体の中心間の距離がR1、定着ニップ部の幅がeとなり、設定される目標解像度が1200dpiのとき、2つの定着用回転体の中心間の距離がR2、定着ニップ部の幅がfとなるように設定した。
ただし、R1=R2+0.5mm、e(7mm)<f(10mm)である。
<実施例4>
定着装置が以下に示す構成を有し、ニップ幅制御手段がロール−ベルト接触幅調整機構からなること以外は、実施例2と同様の画像形成装置を用いて、実施例1と同様にして実写テストを行った。
定着装置としては、図4に示されるように、上定着用回転体である加熱ロールと、2本の支持ロール、位置制御ロール、および位置制御ロールと支持ロールとに懸架された無端状の定着ベルよりなる下定着用回転体とにより構成されるものを用い、加熱ロールは、外径が50mm、厚さが6mmのアルミニウムからなる芯金の外周面に厚さが20μmのPFA樹脂がコーティングされることにより被覆層が形成されたものを用い、下定着用回転体の定着ベルトとしては、外径が65mm、厚さが90μmのポリイミドよりなるベルト基材の表面にシリコーンゴムよりなる厚さ0.2mmの弾性層を介して、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)よりなる厚さ30μmの被覆層が形成されたものを用いた。
加熱ロールの芯金の内部に設けられた加熱源としては、ハロゲンヒータランプを用い、加熱ロールの表面温度を190℃に設定した。
圧接用ゴムパッドの硬度は、JIS A硬度で20°に設定した。
ロール−ベルト接触幅調整機構においては、設定される目標解像度が600dpiのとき、2つの定着用回転体の中心間の距離がR3、定着ニップ部の幅がgとなり、設定される目標解像度が1200dpiのとき、2つの定着用回転体の中心間の距離がR4、定着ニップ部の幅がhとなるように設定した。
ただし、R4=R3+0.5mm、g(7mm)<b(10mm)である。
<比較例1>
ニップ幅制御手段を設けずに、定着ニップ部の幅が常にaとなるよう設定したこと以外は実施例1と同様の画像形成装置を用いて、実施例1と同様にして実写テストを行った。
以上の実施例1〜実施例4においては、600dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像においてはもちろんのこと、1200dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像においても、良好な定着画像を得ることができ、しかも、600dpi画像出力状態から1200dpi画像出力状態へ切り換える際の時間が小さいものとなり、反対に、1200dpi画像出力状態から600dpi画像出力状態に切り換える際の時間も小さいものとなることが確認された。
一方、比較例1においては、1200dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像において、良好な定着性を得ることができなかった。
<実施例5>
定着装置が以下に示す構成を有する他は実施例1と同様の画像形成装置を用いて、実施例1と同様にして実写テストを行った。
定着装置としては、図2に示されるように、上定着用回転体である加熱ロールと下定着用回転体である加圧ロールとにより構成されるものを用い、加熱ロールとしては、外径47mm、厚さ6mmのアルミニウムからなる芯金の外周面に形成された厚さが1.5mmのシリコーンゴムからなる弾性層の外周面にPFA樹脂がコーティングされることにより被覆層が形成されたものを用い、加圧ローラとしては、外径48mm、厚さ6mmのアルミニウムからなる芯金の外周面に形成された厚さが1mmのシリコーンゴムからなる弾性層の外周面にPFA樹脂がコーティングされることにより被覆層が形成されたものを用いた。
加熱ロールの芯金の内部に設けられた加熱源としては、ハロゲンヒータランプを用い、加熱ロールの表面温度を190℃に設定した。
加熱ロールの硬度はアスカーC硬度で78°、加圧ロールの硬度はアスカーC硬度で86°に設定した。
圧接力制御手段においては、設定される目標解像度が600dpiのとき、2つの定着用回転体の圧接力がF5となり、設定される目標解像度が1200dpiのとき、2つの定着用回転体の圧接力がF6となるように設定した。
ただし、F5(24N/cm)<F6(29N/cm)であり、このとき、ニップ幅はいずれも7mmである。
<比較例2>
圧接力制御手段を設けずに、圧接力が常にF5となるよう設定したこと以外は実施例5と同様の画像形成装置を用いて、実施例5と同様にして実写テストを行った。
以上の実施例5においては、600dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像においてはもちろんのこと、1200dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像においても、良好な定着画像を得ることができ、しかも、600dpi画像出力状態から1200dpi画像出力状態へ切り換える際の時間が小さいものとされ、反対に、1200dpi画像出力状態から600dpi画像出力状態に切り換える際の時間も小さいものとされることが確認された。
一方、比較例2においては、1200dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像において、良好な定着性を得ることができなかった。
<実施例6>
定着装置が以下に示す構成を有し、ニップ幅制御手段が具えられておらず、2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度を制御する温度制御手段が具えられた以外は、実施例1と同様の画像形成装置を用いて、実施例1と同様にして実写テストを行った。
定着装置としては、図5に示されるように、加熱ロール、支持ロール、およびこれら加熱ロールと支持ロールとに懸架された無端状の定着ベルトよりなる上定着用回転体と、加熱ロール、支持ロール、およびこれら加熱ロールと支持ロールとに懸架された無端状の定着ベルトよりなる下定着用回転体とにより構成されるものを用い、上定着用回転体の定着ベルトおよび下定着用回転体の定着ベルトとしては、外径が65mm、厚さが90μmのポリイミドよりなるベルト基材の表面にシリコーンゴムよりなる厚さ0.2mmの弾性層を介して、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)よりなる厚さ30μmの被覆層が形成されたものを用い、支持ロールとしては、アルミニウムの芯金の表面に厚さ8mmのシリコーンスポンジゴムよりなる弾性層が形成されてなるものを用いた。
温度制御手段の加熱源としては、ハロゲンヒータランプを用い、定着ベルトの表面温度(定着回転体の温度)を制御した。
また、温度制御手段の冷却装置としては、ファンよりなるものを用いた。
温度制御手段においては、設定される目標解像度が600dpiのとき、加熱定着処理における上定着用回転体の温度をT1、設定される目標解像度が1200dpiのとき、加熱定着処理における上定着用回転体の温度をT2となるよう設定し、設定される目標解像度が600dpiのとき、加熱定着処理における上定着用回転体の温度と下定着用回転体の温度の温度差をΔT1、設定される目標解像度が1200dpiのとき、加熱定着処理における上定着用回転体の温度と下定着用回転体の温度の温度差をΔT2となるように設定した。
ただし、T1(190℃)<T2(200℃)、ΔT1(40℃)>ΔT2(30℃)である。
<比較例3>
常に2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度を解像度によらず、各々、T1、T1−ΔT1となるよう制御を固定したこと以外は実施例6と同様の画像形成装置を用いて、実施例6と同様にして実写テストを行った。
<比較例4>
2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度について、T1を190℃、T2を200℃、T1−ΔT1(150℃)およびT2−ΔT2(160℃)、すなわち、ΔT1=ΔT2=40℃にしたこと以外は、実施例6と同様の画像形成装置を用いて、実施例6と同様にして実写テストを行った。
以上の実施例6においては、600dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像においてはもちろんのこと、1200dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像においても、良好な定着画像を得ることができ、しかも、紙カール現象の発生は、どちらの解像度に設定した場合でも抑止することができた。また、1200dpi画像出力状態から600dpi画像出力状態へ切り換える際も、ファンによる定着ベルトの急冷却により待ち時間が小さいものとされた。
一方、比較例3においては、1200dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像において、良好な定着性を得ることができなかった。
比較例4においては、1200dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像において、良好な定着性を得ることができたが、紙カール現象の発生が増大してしまった。
<実施例7>
ニップ幅制御手段が具えられておらず、上定着用回転体の表面温度を制御する表面温度制御手段、およびこの表面温度制御手段によって制御されるべき上定着用回転体の表面温度の大きさに応じて加熱源を駆動するための投入電力の大きさを制御する投入電力制御手段が具えられたこと以外は、実施例1と同様の画像形成装置を用いて、実施例1と同様にして実写テストを行った。
表面温度制御手段においては、設定される目標解像度が600dpiのとき、表面温度がT3、設定される目標解像度が1200dpiのとき、表面温度がT4となるように設定し、さらに、設定される目標解像度が600dpiのとき、加熱源を駆動したときの実効電力の大きさがW1、設定される目標解像度が1200dpiのとき、加熱源を駆動したときの実効電力の大きさがW2となるように設定した。
ただし、T3(190℃)<T4(200℃)、W1(997W)<W2(1073W)である。
<比較例5>
表面温度制御手段を設けずに常に上定着用回転体の表面温度をT3となるよう設定し、また、投入電力制御手段を設けずに常に投入電力の大きさをW1となるよう設定したこと以外は実施例7と同様の画像形成装置を用いて、実施例7と同様にして実写テストを行った。
以上の実施例7においては、600dpiの大きさの解像度に従って形成したトナー像においてはもちろんのこと、1200dpiのどちらの大きさの解像度に従って形成されたトナー像においても、良好な定着画像を得ることができ、しかも、形成される可視画像の生産性が十分に得られた。
一方、比較例5においては、1200dpiの大きさの解像度に従って形成されたトナー像に対して、良好な定着性を得ることができなかった。
本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明図である。 本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の構成の一例を示す説明図である。 本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の構成の他の一例を示す説明図であり、(イ)は圧接力がF3の場合、(ロ)は圧接力がF4の場合を示すものである。 本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の構成の更に他の一例を示す説明図である。 本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の構成のまた更に他の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 デジタル画像データ取得装置
1A 画像読み取り部
1B 画像処理部
1C 画像記憶部
2 トナー像形成装置
3、4、5、6 定着装置
10 感光体
11 帯電器
12 露光系
13 現像器
14 転写器
15 分離器
16 クリーニング器
20 上定着用回転体
21 芯金
23 被覆層
30 下定着用回転体
31 芯金
32 弾性層
33 被覆層
40 上定着用回転体
41 芯金
42 被覆層
44 温度検知手段
50 下定着用回転体
51 圧接用ゴムパッド
52 支持ホルダー
54 定着ベルト
55、56、57 支持ロール
60 上定着用回転体
61 芯金
62 被覆層
64 温度検知手段
70 下定着用回転体
72 位置制御ロール
74 定着ベルト
75、76 支持ロール
80 上定着用回転体
81 加熱ロール
83 支持ロール
83A 芯金
83B 弾性層
84 定着ベルト
85 温度検知手段
86 冷却装置
90 下定着用回転体
91 加熱ロール
93 支持ロール
94 定着ベルト
95 温度検知手段
96 冷却装置
100 原稿自動送り器
102 操作部
103 排出口
104、105、106、107 記録材収容カセット
122 プラテンガラス
123 光源
124、125、126 反射ミラー
127 結像光学系
128 CCDラインセンサ
131 ポリゴンミラー
132、133、134 反射ミラー
G 原稿
P 記録材
N 定着ニップ部
HLa 加熱源

Claims (13)

  1. 設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、互いに圧接されて定着ニップ部が形成される2つの定着用回転体を有すると共に、少なくとも1つの加熱源を有し、前記トナー像形成装置により一面にトナー像が形成された記録材を、当該2つの定着用回転体により挟圧しながら搬送して当該トナー像を加熱定着処理する定着装置とを具えてなる画像形成装置であって、
    前記定着装置は、設定された目標解像度の程度に応じて定着ニップ部の幅を制御するニップ幅制御手段を有し、
    ニップ幅制御手段は、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理よりも定着ニップ部の幅を大きくなるよう制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 2つの定着用回転体が共にロールよりなり、かつ少なくとも1つのロールは弾性層を有するものであり、
    ニップ幅制御手段が、2つの定着用回転体の圧接力を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール間圧接力調整機構からなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 2つの定着用回転体が共にロールよりなり、かつ少なくとも1つのロールは弾性層を有するものであり、
    ニップ幅制御手段が、2つの定着用回転体の中心間の距離を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール間距離調整機構からなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 2つの定着用回転体のうち、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体が、弾性層を有するものであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 2つの定着用回転体のうち一方がロールよりなると共に他方が無端状のベルトよりなり、ニップ幅制御手段が、2つの定着用回転体の圧接力を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール−ベルト間圧接力調整機構からなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 2つの定着用回転体のうち一方がロールよりなると共に、他方が、少なくとも1つの支持ロールと前記一方の定着用回転体を構成するロールに対して離接する方向に移動可能な位置制御ロールとこれらの支持ロールおよび位置制御ロールとに懸架された無端状のベルトとよりなり、
    ニップ幅制御手段が、一方の定着用回転体および位置制御ロールの中心間の距離を調整することにより定着ニップ部の幅を制御するロール−ベルト接触幅調整機構からなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、互いに圧接されて定着ニップ部が形成される2つの定着用回転体を有すると共に、少なくとも1つの加熱源を有し、前記トナー像形成装置により一面にトナー像が形成された記録材を、当該2つの定着用回転体により挟圧しながら搬送して当該トナー像を加熱定着処理する定着装置とを具えてなる画像形成装置であって、
    前記定着装置は、設定された目標解像度の程度に応じて2つの定着用回転体の圧接力を制御する圧接力制御手段を有し、
    圧接力制御手段は、第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理よりも圧接力を大きくなるよう制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
  8. 設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、互いに圧接されて定着ニップ部が形成された2つの定着用回転体を有すると共に、2つの定着用回転体の両方に対して設けられた少なくとも2つの加熱源を有し、前記トナー像形成装置により一面にトナー像が形成された記録材を、当該2つの定着用回転体により挟圧しながら搬送して当該トナー像を加熱定着処理する定着装置とを具えてなる画像形成装置であって、
    前記定着装置は、設定された目標解像度の程度に応じて2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度を制御する温度制御手段を有し、
    温度制御手段は、
    第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面温度をT1、
    第1目標解像度より解像度の高い第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面温度をT2、
    第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面温度と他方の定着用回転体の表面温度との温度差をΔT1、
    第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面温度と他方の定着用回転体の表面温度との温度差をΔT2
    とするとき、下記式(1)および下記式(2)が共に成立するよう2つの定着用回転体のそれぞれの表面温度を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
    式(1):T1<T2
    式(2):ΔT1>ΔT2
  9. 2つの定着用回転体が共に無端状のベルトよりなることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 2つの定着用回転体のうち少なくとも1つの定着用回転体に冷却装置が設けられていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 2つの定着用回転体のうち、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体の表面に、フッ素樹脂により形成された被覆層が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 2つの定着用回転体のうち、記録材におけるトナー像が形成された一面に接する一方の定着用回転体が、弾性層を有するものであることを特徴とする請求項5〜請求項11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 設定された目標解像度でトナー像を形成するトナー像形成装置と、互いに圧接されて定着ニップ部が形成される2つの定着用回転体を有すると共に、少なくとも1つの加熱源を有し、前記トナー像形成装置により一面にトナー像が形成された記録材を、当該2つの定着用回転体により挟圧しながら搬送して当該トナー像を加熱定着処理する定着装置とを具えてなる画像形成装置であって、
    前記定着装置は、設定された目標解像度の程度に応じて、加熱源を駆動するための投入電力の大きさを制御する投入電力制御手段を有し、
    投入電力制御手段は、第1目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において加熱源を駆動するための投入電力をW1、第2目標解像度に従って形成されたトナー像の加熱定着処理において加熱源を駆動するための投入電力をW2としたときに、W1<W2となるように投入電力を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
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JP2008233133A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2012113175A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Canon Inc 定着ベルト及び定着装置

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