JP2005326666A - 屈折率変調型回折光学素子とそれを含むプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 プロジェクタ中で光源からの光ビームが照射される所定の照射面上において光強度分布を均一化させ得る回折光学素子を簡便かつ低コストで提供する。
【解決手段】 屈折率変調型回折光学素子は透光性基板上に形成された透光性DLC膜を含み、このDLC膜は光の回折を生じさせるように相対的に高屈折率の複数の領域と相対的に低屈折率の複数の領域を含むように屈折率変調されており、この屈折率変調はDLC膜に入射する光ビームの断面における強度分布を所定の照射面上において均一な強度分布に変換するように回折作用を生じることを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】 屈折率変調型回折光学素子は透光性基板上に形成された透光性DLC膜を含み、このDLC膜は光の回折を生じさせるように相対的に高屈折率の複数の領域と相対的に低屈折率の複数の領域を含むように屈折率変調されており、この屈折率変調はDLC膜に入射する光ビームの断面における強度分布を所定の照射面上において均一な強度分布に変換するように回折作用を生じることを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光ビーム断面中の光強度分布の均一化さらにはそのビーム断面形状の整形をも行い得る回折光学素子の改善に関する。そのような回折光学素子は、例えばプロジェクタにおいて好ましく用いられ得るものである。
近年、大型の画像表示装置として、LCD(液晶表示装置)やPDP(プラズマ表示パネル)などが開発されている。しかし、表示装置のさらなる大型化の要請に鑑みて、プロジェクタ(投射型表示装置)が注目されている。なお、プロジェクタには、スクリーンの正面から映像を投影するもの以外に、スクリーンの背面から映像を投射するリアプロジェクションTVなどもある。
プロジェクタとしては、高精度で高輝度のCRT(陰極線管)に表示された画像を投射表示する投射型CRT表示装置が従来から利用されている。近年では、光源からの光ビームを液晶パネルに照射して、その液晶パネルに表示された画像を投射表示する投射型液晶表示装置も開発されている。また、微小な鏡を毎秒数千回の速度で動かすことによって画像を描くDLP(Digital Light Processing)プロジェクタも開発されている。これらの投射型液晶表示装置やDLPプロジェクタなどは、小型化や軽量化に適し、一般家庭にも容易に導入され得るという利点がある。
しかし、プロジェクタにおいて一般に用いられる光源からの光ビームは、その断面において不均一な光強度分布を有している。例えば、ビーム断面の中央部において光強度が高くて、周縁部に向かうにしたがってガウシアン分布状に強度が低下する傾向にある。そのような光ビームを用いて液晶パネル上の画像をスクリーン上に投射する場合、そのスクリーンの中央部に比べて周縁部において暗くなり、スクリーン全領域に均一な明るさを表示をすることができない。
また、光源からの光ビームは、一般に円形の断面形状を有している。しかし、プロジェクタからの画像を投影するスクリーンは、一般に矩形(正方形または長方形)の形状を有していることが多い。したがって、光エネルギの効率的利用のために、開口(アパチャー)などでビーム断面の周縁を部分的に遮蔽してその断面形状を整形するのではなくて、ビーム断面形状を例えば円形から矩形へ回折によって変換する機能を有する回折光学素子を用いることが望まれる。
そこで、例えば特開平8−313845号公報である特許文献1は、光ビーム断面中の強度分布を均一化させかつその断面形状を変換し得る回折光学素子を開示している。このような回折光学素子は、回折型ビーム整形素子とも呼ばれる。
図4において、回折型ビーム整形素子の作用の一例が模式的斜視図で図解されている。図4(a)に示されたビーム整形素子1に入射する光ビームL1は、図4(b)に示されているように円形断面を有し、その断面内においてガウシアン強度分布を有している(図4(b)において、走査線の高さが光強度に比例して示されている)。すなわち、ビームL1は、その断面の中央部において最も高い強度を有し、周縁部に向かうにしたがってなだらかに強度が低下している。ビーム整形素子1を通過した光ビームL2はレンズ2によって所定の照射面3上に照射される。このとき、照射面3上に照射されたビームL2は、図4(c)に示されているように、ビーム整形素子1の回折作用によってビーム断面形状が正方形に変換されるとともに、その断面内における強度分布が均一化されている(図4(c)においても、走査線の高さが光強度に比例して示されている)。
ところで、回折光学素子としては、レリーフ型と屈折率変調型とが存在することが周知である。レリーフ型回折光学素子は、例えばフォトリソグラフィとエッチングを利用して石英系ガラス層を加工することによって形成され得る。すなわち、レリーフ型回折光学素子における加工された石英系ガラス層は、相対的に厚い複数の領域と相対的に薄い複数の領域を含んでいる。そして、それらの厚い領域を通過した光と薄い領域を通過した光との位相が互いに異なることによって、回折効果が生じる。
他方、屈折率変調型回折光学素子は、例えばGeドープされた石英系ガラス層の局所的領域の屈折率を紫外線照射で高めることによって作製され得る。すなわち、屈折率変調型回折光学素子におけるGeドープされた石英系ガラス層は、相対的に高い屈折率の複数領域と相対的に低い屈折率の複数領域とを含んでいる。そして、それらの高い屈折率領域を通過した光と低い屈折率領域を通過した光との位相が互いに異なることによって、回折効果が生じる。
特開平8−313845号公報
上述の屈折率変調型回折光学素子は原理的には作製可能であるが、実用的な屈折率変調型回折光学素子を得ることは困難である。なぜならば、たとえば石英系ガラスにエネルギビームを照射することによって得られる屈折率変化量はせいぜい0.01程度であって、効果的な回折格子層を形成することが困難だからである。
したがって、現在では、特許文献1に述べられているように、回折光学素子としてレリーフ型が利用されるのが一般的である。しかし、レリーフ型回折光学素子の作製に必要なフォトリソグラフィやエッチングはかなり複雑な加工工程であり、相当の時間と手間を要する。また、そのエッチング深さを精度よく制御することが容易でない。さらに、レリーフ型回折光学素子においては、その表面に微細な凹凸が形成されているので、埃や汚れが付着しやすいという問題もある。
以上のような先行技術における状況に鑑み、本発明は、光ビーム断面中の光強度分布の均一化さらにはそのビーム断面形状の整形をも行い得る実用的な回折光学素子を効率的に低コストで提供することを目的としている。
本発明によれば、屈折率変調型回折光学素子は透光性基板上に形成された透光性DLC(diamond like carbon:ダイアモンド状カーボン)膜を含み、このDLC膜は光の回折を生じさせるように相対的に高屈折率の複数の領域と相対的に低屈折率の複数の領域を含むように屈折率変調されており、この屈折率変調はDLC膜に入射する光ビームの断面における強度分布を所定の照射面上において均一な強度分布に変換するように回折作用を生じることを特徴としている。
なお、その屈折率変調は、DLC膜に入射する光ビームの断面形状を所定の照射面上において所定の断面形状に変換するように回折作用を生じることも可能である。また、その屈折率変調は、0.4〜0.7μmの可視域の波長を含む光に対して回折作用を生じる得る。
プロジェクタは、光源と上述のような屈折率変調型回折光学素子とを好ましく含むことができ、それによって、スクリーン上に均一な明るさを投射することができ、すなわち高画質の映像を投射することができる。なお、その光源は、レーザ装置、発光ダイオード、およびランプのいずれかであり得る。また、そのランプは、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、およびハライドランプのいずれかであり得る。
上述の屈折率変調型回折光学素子を製造するための方法において、DLC膜はプラズマCVD(化学気相堆積)を利用して好ましく形成され得る。また、DLC膜中において相対的に高い屈折率を有する領域は、そのDLC膜にエネルギビームを照射して屈折率を高めることによって形成され得る。そして、そのエネルギビーム照射として、イオン照射、電子線照射、SR照射、およびUV照射の少なくともいずれかが選択され得る。
本発明によれば、光ビーム断面中の光強度分布の均一化さらにはそのビーム断面形状の整形をも行うことができて機械的かつ熱的に安定な回折光学素子を簡便かつ低コストで提供することができる。また、本発明による回折光学素子は屈折率変調型であって、従来のレリーフ型回折光学素子と異なって平坦な表面を有しているので、反射防止コーティングを容易に形成することができ、また埃などがつきにくくて光の利用効率の低下が防止され得る。さらに、DLC膜は種々の基体表面上に形成し得るので、本発明の回折光学素子は他の光学部品と一体形成することが可能である。
まず、本願発明をなすに際して、本発明者らは、透光性DLC(diamond like carbon:ダイアモンド状カーボン)膜にエネルギビームを照射することによってその屈折率を高めることができることを確認している。そのようなDLC膜は、シリコン基板、ガラス基板、その他の種々の基体上にプラズマCVD(化学気相堆積)によって形成することができる。そのようなプラズマCVDによって得られる透光性DLC膜は、通常は1.55程度の屈折率を有している。
DLC膜の屈折率を高めるためのエネルギビームとしては、イオンビーム、電子ビーム、シンクロトロン放射(SR)光、紫外(UV)光などを用いることができる。これらのエネルギビーム照射の中でもHeイオン照射によって、DLC膜の最大の屈折率変化量をΔn=0.65程度まで高め得ることを現状において確認できている。また、SR光照射によっても、DLC膜の最大の屈折率変化量をΔn=0.50程度まで現状において高めることができる。さらに、UV光照射によっても、DLC膜の最大の屈折率変化量をΔn=0.20程度まで現状において高めることができる。このように、DLC膜のエネルギビーム照射による屈折率変化量は、従来の石英系ガラスのUV光照射による屈折率変化量(Δn=0.01以下程度)に比べて顕著に大きいことが分かる。
本発明者らはさらに、DLC膜を用いて作製されるビーム整形素子の回折効果のシミュレーションを行った。このシミュレーションには、ドイツ国のライトトランス社から入手可能な計算ソフトである「バーチャルラボ」が利用された。この計算ソフトを利用すれば、フーリエ変換を利用する繰り返し計算によって、回折格子とその回折効果をシミュレーションすることができる。
図1は、バーチャルラボを用いて求められた屈折率変調型回折光学素子の屈折率分布を示す平面図である。この回折光学素子は厚さ4.43μmのDLC膜で作製されていると仮定されており、その回折格子パターンは4mm×4mmの正方形領域を示している。シミュレーションにおいて、この4mm×4mmの正方形領域は、800×800個の微小正方形領域(以下ピクセルと称す)に分割されて計算された。すなわち、1つのピクセルは5μm×5μmの正方形領域に設定された。
図1の回折格子パターンにおて、黒い帯状領域は高屈折率領域を表し、白い帯状領域は低屈折率領域を表している。より具体的には、白い帯状領域は1.55の低い屈折率を有し、黒い帯状領域は1.725の高い屈折率を有している。すなわち、それらの領域の屈折率差はΔn=0.175である。このように屈折率が2段階に変化させられている場合には2レベルの回折光学素子と称され、同様に、屈折率が4段階に変化させられている場合には4レベルの回折光学素子と称される。そして、一般に多レベルの回折光学素子ほど、回折効率を高めることができる。
上述のように設定された図1の2レベル回折光学素子を用いて、ビーム整形のシミュレーションが行われた。そのシミュレーションにおいて、回折光学素子への入射光として、波長630nmの赤色光ビームが用いられ、そのビームは円形断面においてガウシアン強度分布を有するものと仮定された。その結果、所定の照射面上において、0.5mm×0.25mmの矩形の照射領域が形成され、その照射領域内で均一な光強度が得られた。この場合に、その照射領域内の光強度の均一性における変動は5.8%以下であり、回折効率は37.6%であった。
なお、屈折率変調型回折光学素子における回折効率は、その屈折率変調における屈折率差Δnが大きいほど高められ得ることが知られており、2レベルの回折光学素子では最大で40%まで高められ得ることが理論的に予想されている。また、前述のように、回折光学素子の屈折率変調レベル数を増大させることによって回折効率を高めるとができ、例えば8レベルの回折光学素子によって95%の回折効率が理論的に予想されている。
図1に示されているようなビーム整形素子は、例えば図2の模式的な断面図に図解されているような方法によって実際に作製することができる。
図2(a)において、例えば石英ガラス(図示せず)上にプラズマCVDによって約4μmの厚さに形成されたDLC膜41上に、例えば約50nm以下の厚さのNi導電層42が周知のスパッタリング法またはEB(電子ビーム)蒸着法によって形成される。このNi導電層42上には図1中の黒い帯状領域を覆うようにレジストパターン43が形成される。そのようなレジストパターンは、例えばステッパー露光を利用して形成することができる。レジストパターン43の開口部には、電気めっきによって厚さ約0.5μmの金マスク44が形成される。このような厚さの金マスクは、例えばSR光のように短波長の高エネルギビームでも約99%を遮蔽することができる。
図2(b)において、レジストパターン43が除去されて、金マスク44が残される。そして、その金マスク44の開口部を通して、例えばUV光のようなエネルギビーム45がDLC膜41に照射され得る。その結果、エネルギビーム45に照射された帯状領域41aの屈折率が高められ、エネルギビーム45がマスクされた帯状領域41bは当初のDLC膜の屈折率を維持している。より具体的には、KrFエキシマレーザを用いて波長246nmのUV光を1パルス当たり160mW/mm2の照射密度で100Hzのパルスで照射すれば、DLC膜の屈折率を最大でΔn=0.20程度までの変化量で高めることができる。そして、図1に示されているような2レベルの回折型ビーム整形素子が得られる。
なお、上述のようなマスクの作製とエネルギビーム照射とを繰り返すことによって、多レベルの回折型ビーム整形素子が得られることは言うまでもなく、そのような多レベル化によって回折効率を高めることができる。また、DLC膜の屈折率を高めるために照射されるエネルギビームとしては、SR光(X線)やUV光のほかに、前述のようにイオンビーム、電子線などを用いることも可能である。
さらに、図1に示されているような回折型ビーム整形素子の製法は、図2に図解された方法に限られず、例えば所定のパターンを有するマスクを別途に作製しておき、そのマスクを介してUV光のようなエネルギビームをDLC膜に照射してもよいことは言うまでもない。このような方法では、そのマスクを繰り返して利用することができ、また、UV光はSR光に比べて遥かに簡便にかつ低コストで利用することができる。
上述のようにして得られる本発明による回折型ビーム整形素子は、例えば微小ミラーを高速駆動して投影するDLPプロジェクタや、投射型液晶表示装置のようなプロジェクタなどにおいて好ましく用いられ得る。
図3は本発明による回折型ビーム整形素子を含むカラープロジェクタの一例を模式的なブロック図で示している。このプロジェクタにおいて、赤、緑、および青の光を放射するレーザ装置11a、11b、11cから射出された円形断面のそれぞれのビームは、本発明による回折型ビーム整形素子12a、12b、12cによって矩形断面で均一な強度分布を有するビームに変換され、偏光ビームスプリッタ13a、13b、13cを介して、矩形の表示面を有する反射型LCDパネル14a、14b、14cに照射される。それぞれのLCDパネルによって反射されたビームは、それぞれ偏光ビームスプリッタ13a、13b、13cを通過した後に、カラー合成プリズム15によって合体させられて、投影レンズ16によってスクリーン(図示せず)上に投影される。
すなわち、レーザ装置11a、11b、11cから射出されたそれぞれのビームは、本発明による回折型ビーム整形素子12a、12b、12cによって、矩形断面で均一な強度分布を有するビームへ効率的に変換され、その変換された矩形断面のビームは矩形のLCDパネルの全領域を均一な光強度で照射することができる。そして、最終的に、光源からの光エネルギの利用効率を改善しつつ矩形のスクリーン上の全域に均一な明るさの表示をすることができ、すなわち高画質の映像を投影することができる。
なお、屈折率変調型回折光学素子において、その屈折率変調中の屈折率差Δnが大きいほど回折効率に対する光波長依存性が小さいことが、本発明者らによるシミュレーションによって確認されている。すなわち、本発明におけるようにDLC膜を用いて屈折率変調型ビーム整形素子を作製すれば高い屈折率差Δnを得ることができるので、赤色、緑色、および青色のように互いに波長の異なる光をビーム整形する必要のあるカラープロジェクタ用として好ましいビーム整形素子を提供することができる。より具体的には、本発明による好ましいビーム整形素子は、0.4〜0.7μmの広い波長範囲の可視光に対してビーム整形作用を生じ得る。
ところで、図3のプロジェクタにおいては光源としてレーザ装置が使用されているが、その代わりに、発光ダイオードまたはランプを用いてもよいことは言うまでもない。そのようなランプとしては、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハライドランプなどを好ましく用いることができる。
以上のように、本発明によれば、光ビーム断面中の光強度分布の均一化さらにはそのビーム断面形状の整形をも行い得る回折光学素子を簡便かつ低コストで提供することができる。そして、そのような回折光学素子は、例えばプロジェクタにおいて好ましく用いられ得る。また、本発明による回折光学素子は、スキャナ、プリンタ、複写機、バーコードリーダなどにおいても好ましく利用され得る。
1 ビーム整形素子、2 レンズ、3 照射面、11a 赤色レーザ装置、11b 緑色レーザ装置、11c 青色レーザ装置、12a,12b,12c 回折型ビーム整形素子、13a,13b,13c 偏向ビームスプリッタ、14a,14b,14c 液晶パネル、15 カラー合成プリズム、16 投影レンズ、41 DLC膜、42 Ni導電層、43 レジストパターン、44 金マスク層、45 エネルギビーム、41a 高屈折率領域、41b 低屈折率領域。
Claims (9)
- 透光性基板上に形成された透光性DLC膜を含み、
前記DLC膜は、光の回折を生じさせるように、相対的に高屈折率の複数の領域と相対的に低屈折率の複数の領域を含むように屈折率変調されており、
前記屈折率変調は、前記DLC膜に入射する光ビームの断面における強度分布を所定の照射面上において均一な強度分布に変換するように回折作用を生じることを特徴とする屈折率変調型回折光学素子。 - 前記屈折率変調は、前記DLC膜に入射する光ビームの断面形状を所定の照射面上において所定の断面形状に変換するようにも回折作用を生じることを特徴とする屈折率変調型回折光学素子。
- 前記屈折率変調は0.4〜0.7μmの可視域の波長を含む光に対して前記回折作用を生じることを特徴とする請求項1または2に記載の屈折率変調型回折光学素子。
- 請求項1から3のいずれかに記載の屈折率変調型回折光学素子と光源とを含むことを特徴とするプロジェクタ。
- 前記光源は、レーザ装置、発光ダイオード、およびランプのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のプロジェクタ。
- 前記ランプは、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、およびハライドランプのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ。
- 請求項1から3のいずれかに記載の屈折率変調型回折光学素子を製造するための方法であって、前記DLC膜はプラズマCVDを利用して形成されることを特徴とする回折光学素子の製造方法。
- 前記DLC膜中において前記相対的に高い屈折率を有する領域は、そのDLC膜にエネルギビームを照射して屈折率を高めることによって形成されることを特徴とする請求項7に記載の回折光学素子の製造方法。
- 前記エネルギビーム照射として、イオン照射、電子線照射、SR照射、およびUV照射の少なくともいずれかが選択されることを特徴とする請求項8に記載の回折光学素子の製造方法。
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